JP2008102202A - 転写シート及びそれを用いた転写方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】濃色の昇華性染料で着色された被転写体に転写層を転写しても、加熱により前記染料が転写層の隠蔽層へ転移するのを抑制できる転写シートを提供する。
【解決手段】基材と、この基材に対して剥離可能な転写層とで構成されている転写シートであって、前記転写層が、前記基材の片面に形成された接着層と、この接着層の上に形成され、かつ多孔質粒子及び樹脂成分で構成されたバリア層と、このバリア層の上に形成された隠蔽層とで構成されるとともに、前記転写層が多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有する転写シートを調製する。前記多孔質粒子は活性炭粒子であってもよい。前記多孔質粒子の比表面積は500m2/g以上が好ましい。前記バリア層は多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有してもよい。前記樹脂成分は、ポリウレタン系樹脂であってもよい。この転写シートは、濃色の昇華性染料で着色された被転写体に転写するためのシートとして適している。
【選択図】なし
【解決手段】基材と、この基材に対して剥離可能な転写層とで構成されている転写シートであって、前記転写層が、前記基材の片面に形成された接着層と、この接着層の上に形成され、かつ多孔質粒子及び樹脂成分で構成されたバリア層と、このバリア層の上に形成された隠蔽層とで構成されるとともに、前記転写層が多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有する転写シートを調製する。前記多孔質粒子は活性炭粒子であってもよい。前記多孔質粒子の比表面積は500m2/g以上が好ましい。前記バリア層は多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有してもよい。前記樹脂成分は、ポリウレタン系樹脂であってもよい。この転写シートは、濃色の昇華性染料で着色された被転写体に転写するためのシートとして適している。
【選択図】なし
Description
本発明は、衣類などの各種被転写体(特に、濃色の昇華性染料で着色された被転写体)に転写層を転写するための転写シート及びこのシートを用いた転写方法に関する。
Tシャツなどの布地や、陶器、プラスチック製品などの表面へのマーク・ロゴや画像印刷は、通常、スクリーン印刷を主体とする各種印刷法により行われている。しかし、これらの印刷法では、高価な印刷用原版を作成する必要がある。そのため、少部数の印刷は、コストの点から不向きであるだけでなく、原版の作製に長時間を要するため、迅速に印刷することが困難である。これらの問題を解消するため、最近、インクジェットプリンターやカラー複写機などを用いて、予め、支持層及び転写層を有する転写シートに画像を記録し、この転写シートの記録画像を衣類などの被転写体へ熱転写する方法が知られている。このような方法に用いる転写シートは、被転写体の種類によらず鮮明な画像が形成できる必要があり、例えば、濃色の被転写体であっても鮮明な画像が形成できることが要求される。
濃色の被転写体に鮮明な画像を形成する方法としては、転写シートを構成する層として、白色顔料などを含有する隠蔽層を設けることにより、受像層などに形成された画像の鮮明性を保持する方法が汎用されている。しかし、濃色の被転写体が昇華性染料で着色された繊維で構成されている場合には、転写シートの転写層を被転写体に熱転写する場合や、衣服などをアイロンにかける場合など、被転写体の昇華性染料が再昇華(蒸発)し、転写層の記録画像の鮮明性を損なうことがある。
例えば、実用新案登録第3099593号公報(特許文献1)には、基材上にホットメルト層及び受理層が設けられ、基材剥離後にホットメルト層を生地表面に当接して加熱することにより、ホットメルト層及び受理層を生地表面に付着させる熱転写シートであって、さらにホットメルト層と受理層との間に昇華防止層が設けられている熱転写シートが開示されている。この文献には、ポリエステル系の多孔性樹脂からなり、さらにビーズ又はアルミ粉を含んでもよい昇華防止層が記載されている。
また、特開平7−205562号公報(特許文献2)には、連続帯状の基体シート上に、着色層及びホットメルト接着層をこの順に有する転写シートであって、前記ホットメルト接着層の被転写体に当接する側の表面が平滑である転写シート(反転画像型転写シート)が開示されている。この文献には、前記着色層と前記ホットメルト接着層との間に白色隠蔽層が形成され、この白色隠蔽層と前記ホットメルト接着層との間に活性炭などの多孔性物質を含む吸着層が形成された転写シートも記載されている。吸着層における多孔性物質の割合に関して、実施例では、樹脂成分55重量部に対して、5重量部の活性炭が配合されている。
しかし、これらの転写シートでも、濃色の昇華性染料で着色された繊維で構成された被転写体に転写すると、転写層への濃色染料の染み出しを充分に抑制できない。
実用新案登録第3099593号公報(請求項1〜3、段落番号[0023])
特開平7−205562号公報(請求項1、4及び6、段落番号[0019][0020]、実施例)
従って、本発明の目的は、濃色の昇華性染料で着色された被転写体に転写層を転写しても、加熱により前記染料が転写層の隠蔽層へ拡散又は浸透するのを抑制できる転写シート及び転写方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、濃色の被転写体に対して鮮明に記録画像を形成できるとともに、熱転写された被転写体の風合い及び耐洗濯性にも優れ、かつ加熱による被転写体からの染料の転移が抑制できる転写シートを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、接着層と隠蔽層との間に多孔質粒子を含むバリア層を設け、転写層に多孔質粒子を所定量以上含有させることにより、濃色の昇華性染料で着色された被転写体に転写層を転写しても、加熱により前記染料が拡散又は浸透して転写層の隠蔽層へ移行するのを抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の転写シートは、基材と、この基材に対して剥離可能な転写層とで構成されているシートであって、前記転写層が、前記基材の片面に形成された接着層と、この接着層の上に形成され、かつ多孔質粒子及び樹脂成分で構成されたバリア層と、このバリア層の上に形成された隠蔽層とで構成されるとともに、前記転写層が多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有する。前記多孔質粒子は活性炭粒子であってもよい。前記多孔質粒子の平均粒径は1〜10μm程度であり、比表面積は500m2/g以上が好ましい。前記樹脂成分は、ポリウレタン系樹脂であってもよい。前記バリア層は、多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有してもよい。前記バリア層の多孔質粒子と樹脂成分との割合(重量比)は、多孔質粒子/樹脂成分=15/85〜80/20程度であってもよい。さらに、前記バリア層の乾燥塗布量(坪量)は20〜60g/m2程度であってもよい。前記前記転写層は、隠蔽層の上にさらに受像層を有していてもよい。本発明の転写シートは、昇華性染料で着色された被転写体(特に、濃色又は低い明度の昇華性染料で着色された繊維で構成された被転写体)に転写するためのシートとして適している。本発明には、前記転写シートの接着層から基材を剥離し、接着層と被転写体とを接触させて加熱して被転写体に転写層を転写する方法も含まれる。
さらに、本発明には、濃色又は低い明度の昇華性染料で着色された被転写体に、転写シートの転写層を転写する方法において、前記転写シートを用いて、隠蔽層への前記昇華性染料の拡散又は浸透を抑制する方法も含まれる。
本発明では、接着層と隠蔽層との間に多孔質粒子を含有するバリア層を有しているため、濃色の昇華性染料で着色された被転写体に転写層を転写しても、加熱により前記染料が転写層の隠蔽層へ転移するのを抑制できる。さらに、濃色の被転写体に対して鮮明に記録画像を形成できるとともに、隠蔽層を有しているにも拘わらず、熱転写された被転写体の風合い及び耐洗濯性にも優れ、かつ加熱による被転写体からの染料の転移が抑制できる。
本発明の転写シートは、基材とこの基材に対して剥離可能な転写層とで構成されている。
[基材]
基材としては、転写層に対して剥離可能である限り、不透明、半透明、透明な基材が使用できる。基材としては、通常、離型性基材、例えば、離型処理紙(離型紙)、離型処理していてもよい合成紙、化学繊維紙、プラスチックフィルムなどが挙げられる。
基材としては、転写層に対して剥離可能である限り、不透明、半透明、透明な基材が使用できる。基材としては、通常、離型性基材、例えば、離型処理紙(離型紙)、離型処理していてもよい合成紙、化学繊維紙、プラスチックフィルムなどが挙げられる。
離型処理紙(離型紙)を構成する紙類としては、例えば、紙(印刷用紙、包装用紙、薄葉紙など)が挙げられる。紙類は、ポリプロピレン、ポリスチレンなどによるラミネート加工や表面塗工などの各種加工が施されていてもよい。
合成紙としては、ポリプロピレン、ポリスチレンなどを用いた各種合成紙などが挙げられる。
化学繊維紙としては、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維などの化学繊維を原料とした各種化学繊維紙が挙げられる。
プラスチックフィルムを構成するポリマーとしては、種々の樹脂(熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂)が使用でき、通常、熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレンなどのポリC2−4オレフィン系樹脂など)、セルロース誘導体(酢酸セルロースなどのセルロースエステルなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレート、又はこれらのコポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド6/6など)、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)などが挙げられる。これらのフィルムのうち、通常、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが使用され、特に、機械的強度、耐熱性、作業性などの点からポリエステル系樹脂(特にポリエチレンテレフタレートなど)が好ましい。
基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通常、10〜250μm、好ましくは15〜200μm、さらに好ましくは20〜150μm程度である。
離型性は、慣用の方法、例えば、離型剤(ワックス、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、シリコーンオイルなど)で基材を処理したり、基材に離型剤を含有させることにより付与できる。紙の場合は、例えば、目止め処理(例えば、クレイコートなど)をした後、離型剤(例えば、シリコーンオイルなど)で被覆することにより離型性を付与できる。プラスチックフィルムには、必要に応じて、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、滑剤、結晶核剤、充填剤、顔料などの慣用の添加剤を添加してもよい。
[転写層]
転写層は、前記基材の片面に形成された接着層と、この接着層の上に形成され、かつ多孔質粒子を含むバリア層と、このバリア層の上に形成された隠蔽層とで構成されている。隠蔽層の上には、さらに受像層が形成されていてもよい。
転写層は、前記基材の片面に形成された接着層と、この接着層の上に形成され、かつ多孔質粒子を含むバリア層と、このバリア層の上に形成された隠蔽層とで構成されている。隠蔽層の上には、さらに受像層が形成されていてもよい。
転写層は、多孔質粒子を15g/m2以上(例えば、15〜50g/m2)の割合で含むのが好ましい。すなわち、本発明では、転写層のうち、バリア層が多孔質粒子を含むが、接着層などの他の層も多孔質粒子を含んでいてもよく、転写層全体として、所定の割合で多孔質粒子が含まれている。転写層における多孔質粒子の割合(塗布量)は、好ましくは16〜40g/m2、さらに好ましくは18〜30g/m2(特に20〜25g/m2)程度である。
(接着層)
接着層は、基材に対して剥離可能であり、少なくともホットメルト接着性樹脂で構成されている。
接着層は、基材に対して剥離可能であり、少なくともホットメルト接着性樹脂で構成されている。
ホットメルト接着性樹脂としては、熱接着性を有する樹脂である限り、特に制限されず、例えば、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが例示できる。
(1)ウレタン系樹脂
熱接着性のウレタン系樹脂としては、例えば、ジイソシアネート成分と、ジオール成分との反応により得られる熱可塑性ウレタン系樹脂などが例示できる。
熱接着性のウレタン系樹脂としては、例えば、ジイソシアネート成分と、ジオール成分との反応により得られる熱可塑性ウレタン系樹脂などが例示できる。
ジイソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、キシリレンジイソシアネートなど)、脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート(例えば、プロピレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなど)などが例示できる。ジイソシアネート成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジイソシアネート成分は、アダクト体であってもよく、必要によりトリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート成分と併用してもよい。
ジオール成分としては、例えば、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのC2−10アルカンジオールなど)、脂環式ジオール(例えば、水添ビスフェノールA、水添キシリレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなど)、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、キシリレングリコールなど)などの低分子量ジオールの他、ポリエーテルジオール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリオキシC2−4アルキレングリコールなど)、ポリエステルジオール[前記ジオール成分又はポリエーテルジオールと、ジカルボン酸又はその反応性誘導体(低級アルキルエステル、酸無水物)との反応生成物や、ラクトンからの誘導体など]、ポリカーボネートジオール[例えば、前記低分子量ジオールとジアルキルカーボネート(ジメチルカーボネートなどのジC1−6アルキルカーボネートなど)との反応生成物など]などが例示できる。
ポリエステルジオールにおいて、ジカルボン酸には、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などのC4−14脂肪族ジカルボン酸など)、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)などが含まれる。これらのジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジカルボン酸は、必要により、トリメリット酸などの多価カルボン酸と併用してもよい。ラクトンには、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトンなどが含まれる。これらのラクトンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのジオール成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジオール成分は、必要により、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールと併用してもよい。
ウレタン系樹脂は、必要により多価アミン類などの鎖伸長剤又は架橋剤で、架橋又は変性されていてもよい。例えば、前記多価アミン類によって変性されたポリウレタン尿素樹脂であってもよく、前記多価アミン類を鎖伸長剤として使用して、ウレタン系樹脂を熱可塑性エラストマーとしてもよい。熱可塑性ウレタン系エラストマーとしては、例えば、脂肪族ポリエーテルやポリエステルをソフトセグメントとし、短鎖グリコールのポリウレタン単位をハードセグメントとするエラストマーなどが例示できる。
多価アミン類としては、例えば、ヒドラジン、脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなど)、芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなど)、脂環族ジアミン[例えば、水添キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミンなど]などが挙げられる。これらの多価アミン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのウレタン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ウレタン系樹脂としては、ポリエステル型ウレタン系樹脂、ポリカーボネート型ウレタン系樹脂、ポリエーテル型ウレタン系樹脂などのウレタン系樹脂や、ポリウレタン尿素樹脂などが挙げられ、これらのウレタン系樹脂のうち、特に、黄変が少ない点から、ポリエステル型ウレタン系樹脂、ポリカーボネート型ウレタン系樹脂が好ましく、特に脂肪族ポリエステル型ウレタン系樹脂、脂肪族ポリカーボネート型ウレタン系樹脂、又はこれらの組み合わせが好ましい。
さらに、柔軟性などの点から、脂肪族ポリエステルジオールを50重量%以上(例えば、75重量%以上)含むジオール成分を用いて得られたポリエステル型ウレタン系樹脂(例えば、1,4−ブタンジオールなどのC2−6アルカンジオールと、アジピン酸などのC4−12脂肪族ジカルボン酸、及びイソフタル酸又はフタル酸との反応により得られるポリエステルジオールや前記ラクトンから誘導されるポリエステルジオールを用い、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートと反応させたウレタン樹脂など)、これらのポリエステル型ウレタン系樹脂に対応するポリウレタン尿素樹脂が好ましい。
これらの中でも、小さい引張強度で高い伸び率を発揮する点から、特に、ウレタン系樹脂(ポリエステル型ウレタン系樹脂、ポリカーボネート型ウレタン系樹脂など)が好ましい。
ウレタン系樹脂は、有機溶媒溶液、水溶液、水性エマルジョンとして用いてもよい。ウレタン系樹脂の水溶液又は水性エマルジョンは、ウレタン系樹脂を、乳化剤を用いて、溶解又は乳化分散させて調製してもよく、ウレタン系樹脂の分子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基などのイオン性官能基を導入し、アルカリや酸を用いて、ウレタン系樹脂を溶解又は分散させることにより調製してもよい。このような分子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基が導入されたウレタン系樹脂は、ジイソシアネート成分と、遊離のカルボキシル基又は3級アミノ基を有するジオール(特に高分子ジオール)成分との反応により得られるウレタン系樹脂で構成される。なお、前記遊離のカルボキシル基を有するジオール(特に高分子ジオール)は、例えば、ジオール成分と、3以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその無水物(例えば、無水ピロメリット酸などの4塩基酸無水物など)や、スルホン酸基を有する多価カルボン酸(スルホイソフタル酸など)との反応、開始剤としてジメチロールプロピオン酸などを用い、ラクトンを開環重合する方法などにより得られる。
(2)ポリアミド系樹脂
熱接着性のポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ダイマー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹脂、ポリアミド系エラストマー(例えば、ポリオキシアルキレンジアミンをソフトセグメントとして用いたポリアミドなど)などが挙げられる。これらのポリアミド系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、好ましいポリアミド系樹脂には、ポリアミド11を構成する単位及びポリアミド12を構成する単位から選択された少なくとも一方の単位を有するポリアミド(例えば、ポリアミド11、ポリアミド12などのホモポリアミド、ポリアミド6/11、ポリアミド6/12、ポリアミド66/12、ダイマー酸とジアミンとラウロラクタム又はアミノウンデカン酸との共重合体などのコポリアミド)、ダイマー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹脂などが含まれる。
熱接着性のポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ダイマー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹脂、ポリアミド系エラストマー(例えば、ポリオキシアルキレンジアミンをソフトセグメントとして用いたポリアミドなど)などが挙げられる。これらのポリアミド系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、好ましいポリアミド系樹脂には、ポリアミド11を構成する単位及びポリアミド12を構成する単位から選択された少なくとも一方の単位を有するポリアミド(例えば、ポリアミド11、ポリアミド12などのホモポリアミド、ポリアミド6/11、ポリアミド6/12、ポリアミド66/12、ダイマー酸とジアミンとラウロラクタム又はアミノウンデカン酸との共重合体などのコポリアミド)、ダイマー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹脂などが含まれる。
(3)オレフィン系樹脂
熱接着性のオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン(特に、α−C2−10オレフィン)の単独又は共重合体、オレフィン系エラストマーが例示できる。
熱接着性のオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン(特に、α−C2−10オレフィン)の単独又は共重合体、オレフィン系エラストマーが例示できる。
α−オレフィンの単独又は共重合体としては、例えば、ポリオレフィン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、アタクチックポリプロピレンなど)、変性ポリオレフィン[エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなど]などが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレンをハードセグメントとし、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)をソフトセグメントとするエラストマーなどが挙げられる。
これらのオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのオレフィン系樹脂のうち、熱接着性の点から、変性ポリオレフィン、特に変性エチレン系樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン共重合体など)が好ましい。
(4)ポリエステル系樹脂
熱接着性のポリエステル系樹脂としては、少なくとも脂肪族ジオール又は脂肪族ジカルボン酸を用いたホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂、ポリエステル系エラストマーが例示できる。
熱接着性のポリエステル系樹脂としては、少なくとも脂肪族ジオール又は脂肪族ジカルボン酸を用いたホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂、ポリエステル系エラストマーが例示できる。
前記ホモポリエステル樹脂には、例えば、脂肪族ジオール(前記ウレタン系樹脂の項で述べたC2−10アルカンジオール、ポリオキシC2−4アルキレングリコール)と、脂肪族ジカルボン酸(前記C4−14脂肪族ジカルボン酸など)と、必要によりラクトンとの反応により生成する飽和脂肪族ポリエステル樹脂が含まれる。
前記コポリエステル樹脂には、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートの構成成分(ジオール及び/又はテレフタル酸)の一部を他のジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのC2−6アルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなど)又はジカルボン酸(前記脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸などの非対称型芳香族ジカルボン酸など)若しくはラクトン(ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトンなど)で置換した飽和ポリエステル樹脂が含まれる。
ポリエステル系エラストマーとしては、C2−4アルキレンアリレート(エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートなど)をハードセグメントとし、(ポリ)オキシアルキレングリコールなどをソフトセグメントとするエラストマーなどが例示できる。
ポリエステル系樹脂としては、ウレタン結合を含むポリエステル樹脂、例えば、ポリエステル樹脂を前記ジイソシアネートで高分子量化した樹脂を使用してもよい。
これらのポリエステル系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのホットメルト接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ホットメルト接着性樹脂は、通常、水不溶性である。ホットメルト接着性樹脂は、末端に反応性基(カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、シリル基など)を有する反応性ホットメルト接着性樹脂であってもよい。
これらのホットメルト接着性樹脂の軟化点は、例えば、70〜180℃、好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは90〜160℃(特に90〜150℃)程度である。特に、被転写体や隠蔽層に対する充分な接着力を示すとともに、布帛などの被転写体への染み込みが抑制される点から、異なる軟化点を有する複数の樹脂を組み合わせるのが好ましく、例えば、軟化点70〜120℃(例えば、80〜110℃)程度の樹脂と、軟化点120℃を超えて180℃以下(例えば、130〜160℃)の樹脂とを組み合わせてもよい。
ホットメルト接着性樹脂の融点は、50〜250℃程度の範囲から選択でき、例えば、60〜200℃、好ましくは70〜150℃、さらに好ましくは70〜130℃(特に80〜120℃)程度であってもよい。
これらのホットメルト接着性樹脂のうち、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂が好ましく、被転写体が衣類などの布帛である場合、層間接着性などの接着性、柔軟性及び風合いの点から、ウレタン系樹脂(例えば、軟化点70〜180℃のウレタン系樹脂など)、オレフィン系樹脂[例えば、融点70〜120℃のオレフィン系樹脂(特にエチレン共重合体)など]、特にウレタン系樹脂(例えば、軟化点70〜180℃のポリエステル型ウレタン系樹脂など)が好ましい。特に、軟化点70〜180℃のウレタン系樹脂及び/又は融点70〜120℃のエチレン系樹脂を、接着層を構成する樹脂成分中50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上含有するのが好ましい。
接着層は、必要により種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤などを含有していてもよい。
接着層は、後述するバリア層の項で例示される多孔質粒子を含んでいてもよい。接着層における多孔質粒子の割合(塗布量)は、30g/m2以下(例えば、0〜25g/m2)であってもよく、好ましくは0.1〜20g/m2、さらに好ましくは0.5〜10g/m2(特に1〜5g/m2)程度である。
接着層の乾燥塗布量(坪量)は、例えば、5〜100g/m2、好ましくは10〜80g/m2、さらに好ましくは20〜60g/m2程度である。
接着層の厚みは、例えば、5〜300μm、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μm(特に20〜60μm)程度である。
(バリア層)
バリア層は、多孔質粒子及び樹脂成分で構成されている。前記樹脂成分は、架橋性基を有していてもよいバインダー樹脂で構成されている。バリア層は、さらに前記樹脂成分を架橋させるための架橋剤を含有してもよい。バリア層は、昇華性染料に対する吸着性を有するため、被転写体から加熱により再昇華された濃色の昇華性染料が隠蔽層や受像層に拡散又は浸透するのに対してバリア性を有している。
バリア層は、多孔質粒子及び樹脂成分で構成されている。前記樹脂成分は、架橋性基を有していてもよいバインダー樹脂で構成されている。バリア層は、さらに前記樹脂成分を架橋させるための架橋剤を含有してもよい。バリア層は、昇華性染料に対する吸着性を有するため、被転写体から加熱により再昇華された濃色の昇華性染料が隠蔽層や受像層に拡散又は浸透するのに対してバリア性を有している。
多孔質粒子は、昇華性染料を吸着可能な多孔を有していれば特に限定されず、多孔質有機粒子[例えば、多孔質熱可塑性樹脂粒子(多孔質オレフィン系樹脂粒子、多孔質スチレン系樹脂粒子、多孔質ポリアミド系樹脂粒子、多孔質アクリル系樹脂粒子など)、多孔質熱硬化性樹脂粒子(多孔質シリコーン系樹脂、多孔質ポリウレタン系樹脂など)、スチレン系、アクリル系、フェノール系などの多孔質イオン交換樹脂粒子など]であってもよいが、吸着性や耐熱性などの点から、通常、多孔質無機粒子[例えば、炭素質粒子(活性炭粒子、カーボン粒子、ホワイトカーボン粒子など)、金属珪酸塩粒子(珪酸カルシウム粒子、珪酸アルミニウム粒子、珪酸マグネシウム粒子、アルミノ珪酸マグネシウム粒子など)、鉱物質粒子(ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレーなど)、金属炭酸塩粒子(炭酸マグネシウム粒子、炭酸カルシウム粒子など)、金属酸化物粒子(アルミナ粒子、シリカ粒子、酸化亜鉛粒子、二酸化チタン粒子など)、金属水酸化物粒子(水酸化アルミニウム粒子、水酸化カルシウム粒子、水酸化マグネシウム粒子など)、金属硫酸塩粒子(硫酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子など)、金属窒化物粒子(窒化ケイ素粒子など)など]である。これらの多孔質粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの多孔質粒子のうち、活性炭やカーボンなどの炭素質粒子、シリカやアルミナなどの金属酸化物粒子、特に、比表面積が大きく、高度な吸着性を有する点から、活性炭粒子が好ましい。活性炭粒子を構成する活性炭としては、例えば、植物系活性炭[セルロース系多糖類(例えば、ヤシ殻、木粉、果物殻など)や澱粉系多糖類(例えば、穀物、穀物の穂軸など)などの多糖類などを原料とする活性炭など]、樹脂系活性炭[ポリアクリロニトリル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリノジック系樹脂、(再生)セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの樹脂などを原料とする活性炭など]、瀝青質系活性炭(例えば、石油又は石炭系コークス、石油又は石炭系ピッチなどを原料とする活性炭など)などが挙げられる。
多孔質粒子の平均粒径は、0.1〜100μm程度の範囲から選択でき、例えば、0.3〜50μm、好ましくは0.5〜30μm、さらに好ましくは1〜10μm(特に3〜7μm)程度である。多孔質粒子の粒径がこの範囲にあると、転写層の風合いと昇華性染料の吸着能とのバランスに優れる。
多孔質粒子の比表面積(BET比表面積)は、100m2/g以上(例えば、100〜5000m2/g程度)であればよく、例えば、200〜4000m2/g、好ましくは300〜3000m2/g、さらに好ましくは500〜2500m2/g(特に1000〜2000m2/g)程度である。多孔質粒子の比表面積は、昇華性染料の吸着能に大きく影響し、比表面積が500m2/g以上(例えば、1200〜3000m2/g程度)であれば、昇華性染料の吸着性が特に高い。
多孔質粒子の細孔容積は、特に限定されないが、例えば、0.1〜5ml/g、好ましくは0.2〜3ml/g、さらに好ましくは0.3〜2ml/g(特に0.5〜1ml/g)程度である。
なお、本発明では、バリア層の機械的強度の点から、多孔質粒子が、バリア層中で充分に分散しているのが好ましい。すなわち、多孔質粒子は、凝集せずに一次粒子の状態で分散しているのが好ましい。また、凝集している場合でも、分散粒子の粒径(二次粒径)は小さいのが好ましく、例えば、二次粒径100μm以下(例えば、0.1〜100μm)、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは3〜30μm程度である。多孔質粒子を充分に分散させる方法としては、特に限定されないが、慣用の方法、例えば、ディスパー、ホモミキサー、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、コロイドミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナーなどの分散機を用いた方法などが挙げられる。
さらに、多孔質粒子の分散性を向上させるために、多孔質粒子を予め樹脂(例えば、樹脂成分と同系統の樹脂など)又は樹脂溶液中に分散させて用いてもよい。予め分散させる隠蔽剤と樹脂との割合(重量比)は、例えば、隠蔽剤/樹脂=50/50〜99/1、好ましくは60/40〜97/3、さらに好ましくは70/30〜95/5程度である。
バリア層は、さらに樹脂成分を含有している。樹脂成分としては、接着力及び成膜性を有する限り、特に制限されず、種々の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、セルロース誘導体、ポリカーボネート系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂など)、熱硬化性樹脂などが使用できる。これらの樹脂成分は、架橋性基(イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、メチロール基、アルコキシシリル基など)を有していてもよい。これらの樹脂成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの樹脂成分のうち、接着力(多孔質粒子の接着力や層間接着力)や柔軟性の点から、ウレタン系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂としては、前記接着層の項で例示されたウレタン系樹脂が使用できる。ウレタン系樹脂の中でも、ポリエステル型ウレタン系樹脂や、ポリカーボネート型ウレタン系樹脂(例えば、無黄変性の脂肪族ポリカーボネート型ウレタン系樹脂など)、特に、脂肪族ポリエステルジオールを50重量%以上含むジオール成分を用いて得られたポリエステル型ウレタン系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂は、イソシアネート基などの架橋性基を有するウレタン系樹脂であってもよい。
樹脂成分の軟化点は、70〜180℃の範囲から選択でき、例えば、80〜160℃、好ましくは90〜150℃、さらに好ましくは100〜140℃程度である。
多孔質粒子と樹脂成分との割合(重量比)は、例えば、多孔質粒子/樹脂成分=1/99〜95/5(例えば、15/85〜80/20)の範囲から選択でき、例えば、20/80〜70/30、好ましくは25/75〜65/35、さらに好ましくは30/70〜55/45(特に35/65〜45/55)程度である。本発明では、伸び率や強度などの各種特性を低下させることなく、多孔質粒子の割合を高めることができるため、高い吸着性を有しているにもかかわらず、転写シートとしての取扱い性や、被転写体に転写された転写層の耐久性などにも優れる。
架橋剤は、樹脂成分の種類に応じて適宜選択することができ、樹脂成分の官能基に対して2以上の反応性官能基を有する化合物(例えば、前記架橋性基を有する多官能性化合物や多価金属イオンなど)であってもよい。樹脂成分がウレタン系樹脂である場合には、架橋剤として、ポリイソシアネート(例えば、前記接着層の項で例示されたジイソシアネート成分やポリイソシアネート成分など)を用いるのが好ましい。架橋剤を用いることにより、強度や接着層との接着力などをさらに向上することができる。
架橋剤の割合は、樹脂成分100重量部に対して、例えば、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度である。
バリア層の乾燥塗布量(坪量)は、例えば、15〜100g/m2、好ましくは20〜80g/m2、さらに好ましくは25〜55g/m2(特に35〜50g/m2)程度である。バリア層の塗布量がこの範囲にあると、転写層の風合いと昇華性染料の吸着性とのバランスに優れる。
バリア層における多孔質粒子の割合(塗布量)は、3〜60g/m2程度の範囲から選択でき、例えば、15g/m2以上(例えば、15〜50g/m2)、好ましくは16〜40g/m2、さらに好ましくは18〜30g/m2(特に20〜25g/m2)程度である。
バリア層の厚みは、例えば、5〜300μm、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μm(特に20〜60μm)程度である。
バリア層は、必要により、前記接着層の項で例示された添加剤などを含有していてもよい。
(隠蔽層)
隠蔽層(例えば、白色隠蔽層)は、隠蔽剤及び架橋性基を有していてもよいバインダー樹脂で構成されている。隠蔽層は、さらに架橋剤を含有してもよい。隠蔽層は、隠蔽性(特に白色隠蔽性)を有し、被転写体が濃色であっても、被転写体の色映りを抑制でき、例えば、転写層に画像を鮮明に形成できる。
隠蔽層(例えば、白色隠蔽層)は、隠蔽剤及び架橋性基を有していてもよいバインダー樹脂で構成されている。隠蔽層は、さらに架橋剤を含有してもよい。隠蔽層は、隠蔽性(特に白色隠蔽性)を有し、被転写体が濃色であっても、被転写体の色映りを抑制でき、例えば、転写層に画像を鮮明に形成できる。
隠蔽剤(又は隠蔽性向上剤)は、被転写体を、白色化などにより隠蔽可能であればよく、少なくとも白色顔料、加熱膨張により白色化可能なマイクロカプセルなどの白色隠蔽剤などが例示できる。これらの隠蔽剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記白色顔料は、白色顔料単独で構成された顔料に限定されず、白色顔料を含む樹脂粒子(例えば、バインダー樹脂で被覆された粒子や、バインダー樹脂粒子中に複数の白色顔料が分散した粒子など)で構成してもよい。
白色顔料としては、チタン系白色顔料[酸化チタン(チタン白)など]、亜鉛系白色顔料(酸化亜鉛、硫化亜鉛など)、複合白色顔料(リトポンなど)、体質顔料[ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム系体質顔料(アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムなど)、シリカ、マイカ、ベントナイトなど]などが例示できる。これらの白色顔料のうち、チタン系白色顔料、特に酸化チタンが好ましい。
酸化チタンの結晶型は、アナターゼ型であってもよいが、屈折率が大きくて隠蔽力に優れる点から、ルチル型が好ましい。
白色顔料の平均粒径は3μm以下が好ましく、例えば、0.01〜3μm、好ましくは0.05〜2μm(例えば、0.05〜1μm)、さらに好ましくは0.1〜1μm(例えば、0.1〜0.5μm)程度である。白色顔料の平均粒径が小さすぎると白色隠蔽力が充分でなく、大きすぎると風合いや接着性が損なわれる。
マイクロカプセルは、芯物質として熱転写における加熱によって気化する低沸点の溶媒を含有しており、芯物質である溶媒の沸点は200℃以下、好ましくは50〜180℃、さらに好ましくは50〜150℃程度である。このような溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ペンタン、ヘキサンなど)、脂環族炭化水素(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)、エーテル(1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、特に炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサンなど)が好ましい。
マイクロカプセルを構成する壁材としては、ガスバリア性が高く、熱転写における加熱によって軟化する熱可塑性樹脂、例えば、塩化ビニリデン系重合体[例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリレート共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体など]、ポリアクリロニトリル系重合体、ビニルアルコール系重合体(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12など)などが例示できる。
マイクロカプセルの平均粒径は50μm以下が好ましく、例えば、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μm程度である。
150℃で1分間加熱したとき、マイクロカプセルの体積は、3倍以上(例えば、5〜1000倍、好ましくは10〜100倍、さらに好ましくは10〜50倍程度)膨張するのが好ましい。
これらの隠蔽剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの隠蔽剤のうち、酸化チタンなどの白色顔料が好ましい。
なお、本発明では、隠蔽層の機械的強度の点から、酸化チタンなどの隠蔽剤が、隠蔽層中で充分に分散しているのが好ましい。すなわち、隠蔽剤は、凝集せずに一次粒子の状態で分散しているのが好ましい。また、凝集している場合でも、分散粒子の粒径(二次粒径)は小さいのが好ましく、例えば、二次粒径10μm以下(例えば、0.1〜10μm)、好ましくは0.1〜7μm、さらに好ましくは0.1〜5μm程度である。隠蔽剤を充分に分散させる方法としては、特に限定されないが、慣用の方法、例えば、ディスパー、ホモミキサー、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、コロイドミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナーなどの分散機を用いた方法などが挙げられる。
さらに、隠蔽剤の分散性を向上させるために、隠蔽剤(特に白色顔料)を予め樹脂(例えば、バインダー樹脂と同系統の架橋性基を有してもよい樹脂など)又は樹脂溶液中に分散させて用いてもよい。予め分散させる隠蔽剤と樹脂との割合(重量比)は、例えば、50/50〜99/1、好ましくは60/40〜97/3、さらに好ましくは70/30〜95/5程度である。
バインダー樹脂としては、接着力及び成膜性を有する限り、特に制限されず、前記バリア層の項で例示された種々の熱可塑性樹脂が使用できる。これらのバインダー樹脂は、架橋性基(イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、メチロール基、アルコキシシリル基など)を有していてもよい。これらのバインダー樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのバインダー樹脂のうち、接着力(隠蔽剤の接着力や層間接着力)や柔軟性の点から、ウレタン系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂としては、前記接着層の項で例示されたウレタン系樹脂が使用でき、前記バリア層の項と同様のウレタン系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂は、イソシアネート基などの架橋性基を有するウレタン系樹脂であってもよい。バインダー樹脂の軟化点も、前記バリア層の樹脂成分と同様である。
隠蔽剤とバインダー樹脂との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=30/70〜90/10、好ましくは35/65〜80/20、さらに好ましくは40/60〜75/25(特に45/55〜70/30)程度である。本発明では、伸び率や強度などの各種特性を低下させることなく、隠蔽剤の割合を高めることができるため、高い隠蔽性(特に白色隠蔽性)を有しているにもかかわらず、転写シートとしての取扱い性や、被転写体に転写された転写層の耐久性などにも優れる。
架橋剤は、バインダー樹脂の種類に応じて適宜選択することができ、前記バリア層の項で例示された架橋剤を用いることにより、強度や接着層との接着力などをさらに向上することができる。架橋剤の割合についても、前記バリア層の樹脂成分に対する割合と同様である。 隠蔽層は、前記バリア層の項で例示される多孔質粒子を含んでいてもよい。隠蔽層における多孔質粒子の割合(塗布量)は、30g/m2以下(例えば、0〜25g/m2)であってもよく、好ましくは0.1〜20g/m2、さらに好ましくは0.5〜10g/m2(特に1〜5g/m2)程度である。
隠蔽層の乾燥塗布量(坪量)は、例えば、5〜120g/m2、好ましくは10〜100g/m2、さらに好ましくは20〜70g/m2程度である。
隠蔽層の厚みは、例えば、3〜500μm、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜100μm(特に15〜50μm)程度である。
隠蔽層は、必要により、種々の添加剤、例えば、染料定着剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤、着色剤、発色剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤などを含有していてもよい。
(受像層)
受像層としては、画像を形成可能である限り、特に制限されず、慣用のインク受容層、例えば、多孔質層(有機又は無機粒子及びバインダー樹脂で構成された層、多孔質有機又は無機粒子を含む層、良溶媒と貧溶媒とを用いて高分子をミクロ相分離させる相分離法によって得られる層など)や、インク定着性樹脂で構成された層などが使用できる。
受像層としては、画像を形成可能である限り、特に制限されず、慣用のインク受容層、例えば、多孔質層(有機又は無機粒子及びバインダー樹脂で構成された層、多孔質有機又は無機粒子を含む層、良溶媒と貧溶媒とを用いて高分子をミクロ相分離させる相分離法によって得られる層など)や、インク定着性樹脂で構成された層などが使用できる。
これらの受像層のうち、少なくとも有機又は無機粒子及びバインダー樹脂で構成されているのが好ましい。受像層は、インク定着性を向上させるために、さらに染料定着剤を含有してもよい。このような受像層は、インクジェット記録方式(特に、水性インクを用いたインクジェット記録方式)で画像を形成するのに適している。
(1)有機又は無機粒子
有機粒子としては、種々の樹脂粒子、例えば、熱可塑性樹脂粒子や熱硬化性樹脂粒子が使用できる。熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂などの架橋又は非架橋粒子などが例示できる。熱硬化性樹脂粒子としては、例えば、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などの粒子などが挙げられる。これらの有機粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機粒子は、インク吸収性の点から、多孔質有機粒子であってもよい。
有機粒子としては、種々の樹脂粒子、例えば、熱可塑性樹脂粒子や熱硬化性樹脂粒子が使用できる。熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂などの架橋又は非架橋粒子などが例示できる。熱硬化性樹脂粒子としては、例えば、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などの粒子などが挙げられる。これらの有機粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機粒子は、インク吸収性の点から、多孔質有機粒子であってもよい。
無機粒子としては、例えば、金属粉、金属珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アルミノ珪酸マグネシウムなど)、鉱物質粒子(ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレーなど)、金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど)、金属酸化物(アルミナ、シリカ、酸化亜鉛など)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)などの粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機粒子のうち、インク吸収性の点から、多孔質無機粒子(例えば、ゼオライト、アルミナなど)が好ましい。
有機又は無機粒子の平均粒径は、例えば、0.2〜150μm、好ましくは1〜130μm、さらに好ましくは3〜120μm程度である。
これらの有機又は無機粒子のうち、シートの機械的特性や転写後の被転写体の風合いなどの点から、有機粒子が好ましく、耐水性や耐洗濯性と、画像鮮明性とを両立できる点から、前記接着性樹脂の項で例示のホットメルト接着性樹脂(ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂など)で構成された粒子が特に好ましい。
これらのホットメルト接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのホットメルト接着性樹脂のうち、ウレタン系樹脂粒子及び/又はポリアミド系樹脂粒子、特にウレタン系樹脂粒子とポリアミド系樹脂粒子との組み合わせが好ましい。ウレタン系樹脂粒子とポリアミド系樹脂粒子とを組み合わせることにより、受像層からの粒子の剥離が抑制されると共に、伸度や耐擦傷性などの機械的特性や耐洗濯性なども向上する。
(2)ウレタン系樹脂粒子
ウレタン系樹脂粒子としては、前記接着層の項で例示のウレタン系樹脂で構成された粒子などが使用できる。これらの粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記ウレタン系樹脂は、多価アミン類などの架橋剤又は鎖伸長剤で架橋又は変性されていてもよい。多価アミン類としては、例えば、ヒドラジン、脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなど)、芳香族アミン(例えば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなど)、脂環族ジアミン[例えば、水添キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミンなど]などが挙げられる。これらの多価アミン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ウレタン系樹脂粒子としては、前記接着層の項で例示のウレタン系樹脂で構成された粒子などが使用できる。これらの粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記ウレタン系樹脂は、多価アミン類などの架橋剤又は鎖伸長剤で架橋又は変性されていてもよい。多価アミン類としては、例えば、ヒドラジン、脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなど)、芳香族アミン(例えば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなど)、脂環族ジアミン[例えば、水添キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミンなど]などが挙げられる。これらの多価アミン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ウレタン系樹脂粒子の平均粒径は、例えば、1〜150μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは30〜80μm程度である。
(3)ポリアミド系樹脂粒子
ポリアミド系樹脂粒子としては、前記接着層の項で例示されたポリアミド系樹脂で構成された粒子などが使用できる。これらの粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。特に、ポリアミド系樹脂粒子としては、融点が異なる複数種のポリアミド系樹脂粒子を組み合わせてもよく、例えば、受像層の加熱温度を超える融点を有するポリアミド系樹脂粒子(A)と、前記加熱温度以下の融点を有するポリアミド系樹脂粒子(B)との組み合わせが好ましい。受像層の加熱温度は、通常、基材上に塗布した受像層を乾燥し、成膜するための温度(例えば、70〜90℃程度)である。
ポリアミド系樹脂粒子としては、前記接着層の項で例示されたポリアミド系樹脂で構成された粒子などが使用できる。これらの粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。特に、ポリアミド系樹脂粒子としては、融点が異なる複数種のポリアミド系樹脂粒子を組み合わせてもよく、例えば、受像層の加熱温度を超える融点を有するポリアミド系樹脂粒子(A)と、前記加熱温度以下の融点を有するポリアミド系樹脂粒子(B)との組み合わせが好ましい。受像層の加熱温度は、通常、基材上に塗布した受像層を乾燥し、成膜するための温度(例えば、70〜90℃程度)である。
(A)ポリアミド系樹脂粒子
ポリアミド系樹脂粒子(A)の融点は、前記加熱温度(例えば、80℃程度)を超えればよく、例えば、85〜200℃、好ましくは90〜170℃、さらに好ましくは90〜150℃(特に100〜150℃)程度である。また、ポリアミド系樹脂粒子(A)は、吸油量50ml/100g以上のポリアミド系樹脂粒子(A1)と、吸油量50ml/100g未満のポリアミド系樹脂粒子(A2)とで構成されていてもよい。
ポリアミド系樹脂粒子(A)の融点は、前記加熱温度(例えば、80℃程度)を超えればよく、例えば、85〜200℃、好ましくは90〜170℃、さらに好ましくは90〜150℃(特に100〜150℃)程度である。また、ポリアミド系樹脂粒子(A)は、吸油量50ml/100g以上のポリアミド系樹脂粒子(A1)と、吸油量50ml/100g未満のポリアミド系樹脂粒子(A2)とで構成されていてもよい。
ポリアミド系樹脂粒子(A1)の吸油量は、50ml/100g以上(例えば、70〜500ml/100g)、好ましくは75ml/100g以上(例えば、100〜300ml/100g)程度である。なお、吸油量は、JIS K 5107に準拠し、あまに油を用いて測定した値である。
また、ポリアミド系樹脂粒子(A1)の比表面積は、5〜100m2/g(例えば、10〜50m2/g)、好ましくは10〜40m2/g程度である。
このような性質を満たすポリアミド系樹脂粒子(A1)は、通常、多孔質ポリアミド系樹脂粒子である。
ポリアミド系樹脂粒子(A2)の吸油量は、50ml/100g未満、好ましくは48ml/100g以下、さらに好ましくは47ml/100g以下(例えば、10〜47ml/100g程度)である。
ポリアミド系樹脂粒子(A1)とポリアミド系樹脂粒子(A2)との割合(重量比)は、(A1)/(A2)=80/20〜1/99、好ましくは60/40〜5/95、さらに好ましくは40/60〜10/90(特に30/70〜15/85)程度である。
ポリアミド系樹脂粒子(A)の平均粒径は、例えば、1〜150μm、好ましくは3〜100μm、さらに好ましくは5〜80μm程度である。ポリアミド系樹脂粒子(A)には、受像層の厚みよりも大きい平均粒径を有する粒子が含まれていてもよい。
(B)ポリアミド系樹脂粒子
ポリアミド系樹脂粒子(B)の融点は、前記加熱温度(例えば、80℃程度)以下であり、例えば、40〜80℃、好ましくは50〜80℃、さらに好ましくは60〜80℃程度である。
ポリアミド系樹脂粒子(B)の融点は、前記加熱温度(例えば、80℃程度)以下であり、例えば、40〜80℃、好ましくは50〜80℃、さらに好ましくは60〜80℃程度である。
ポリアミド系樹脂粒子(B)の平均粒径は、例えば、10〜150μm、好ましくは30〜130μm、さらに好ましくは50〜120μm程度である。
ポリアミド系樹脂粒子(A)の融点と、ポリアミド系樹脂粒子(B)の融点との差は、5℃以上(例えば、5〜100℃)、好ましくは10℃以上(例えば、10〜70℃)、さらに好ましくは20〜70℃(例えば、20〜50℃)、特に30〜70℃(例えば、30〜50℃)程度である。
ポリアミド系樹脂粒子(A)とポリアミド系樹脂粒子(B)との割合(重量比)は、前者/後者=99.9/0.1〜50/50、好ましくは99.5/0.5〜70/30、さらに好ましくは99/1〜90/10程度である。
ウレタン系樹脂粒子とポリアミド系樹脂粒子との割合(重量比)は、前者/後者=90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは70/30〜30/70程度である。
有機又は無機粒子の割合は、固形分換算で、バインダー樹脂100重量部に対して10〜5000重量部程度の範囲から選択できるが、受像層に多孔質性を付与するためには、バインダー樹脂に対して有機又は無機粒子の割合が多い方が好ましく、例えば、200〜5000重量部、好ましくは300〜3000重量部、さらに好ましくは500〜2000重量部程度である。
このように、バインダー樹脂に対する有機又は無機粒子の割合を多くすると、受像層の多孔質性を増大することができる。特に、受像層をホットメルト接着性樹脂で構成された多孔質にすることによって、インクの吸収性が向上するとともに、熱転写後に受像層が収縮して、画像の鮮明性が向上するとともに、耐水性や耐洗濯性も向上する。
(4)バインダー樹脂
バインダー樹脂としては、成膜性を有する限り、特に制限されず、前記バリア層の項で例示の樹脂成分の他、親水性高分子(ポリエチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール系樹脂や、ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系樹脂、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体など)などが使用できる。これらのバインダー樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
バインダー樹脂としては、成膜性を有する限り、特に制限されず、前記バリア層の項で例示の樹脂成分の他、親水性高分子(ポリエチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール系樹脂や、ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系樹脂、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体など)などが使用できる。これらのバインダー樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記バインダー樹脂のうち、受像層を構成するバインダー樹脂としては、接着力や柔軟性の点から、ウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂などが好ましい。これらのバインダー樹脂は、インクの定着性を向上させるために、樹脂の分子内に3級アミノ基又は4級アンモニウム塩が導入されたカチオン性樹脂であってもよい。例えば、ウレタン系樹脂の場合は、ジイソシアネート成分と、遊離の3級アミノ基を有するジオール(特に高分子ジオール)成分との反応により得られるウレタン系樹脂であってもよい。なお、3級アミノ基を有するジオールは、開始剤としてN−メチルジエタノールアミンなどを用い、アルキレンオキサイドやラクトンを開環重合することにより調製できる。3級アミノ基は4級アンモニウム塩を形成してもよい。
(5)染料定着剤
受像層におけるインクの定着性を向上させるために、染料定着剤を用いてもよく、特に、前記バインダー樹脂において、カチオン性単量体を樹脂に導入しなかった場合には、染料定着剤を用いるのが好ましい。染料定着剤には、カチオン性化合物(低分子染料固着剤)や高分子染料固着剤が含まれる。
受像層におけるインクの定着性を向上させるために、染料定着剤を用いてもよく、特に、前記バインダー樹脂において、カチオン性単量体を樹脂に導入しなかった場合には、染料定着剤を用いるのが好ましい。染料定着剤には、カチオン性化合物(低分子染料固着剤)や高分子染料固着剤が含まれる。
カチオン性化合物としては、脂肪族アミン塩、4級アンモニウム塩(例えば、脂肪族4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム塩など)などが挙げられる。これらのカチオン性化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、好ましいカチオン性化合物には、脂肪族4級アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイドなどのテトラC1−6アルキルアンモニウムハライド、トリメチルラウリルアンモニウムブロマイドなどのトリC1−6アルキルC8−20アルキルアンモニウムハライド、ジメチルジラウリルアンモニウムブロマイドなどのジC1−6アルキルジC8−20アルキルアンモニウムハライド)、特にテトラC1−4アルキルアンモニウムハライド(例えば、テトラC1−2アルキルアンモニウムハライド)、トリC1−4アルキルC10−16アルキルアンモニウムハライド(例えば、トリC1−2アルキルC10−14アルキルアンモニウムハライド)、ジC1−4アルキルジC10−16アルキルアンモニウムハライド(例えば、ジC1−2アルキルジC10−14アルキルアンモニウムハライド)が含まれる。脂肪族アミン塩は、例えば、アクテックスFC−7(MORIN CHEMICAL社製)などとして、4級アンモニウム塩は、例えば、カチオーゲンL(第一工業製薬(株)製)などとして市販されている。
高分子染料固着剤としては、例えば、ジシアン系化合物(ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド重縮合物など)、ポリアミン系化合物[ジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン、ジシアンジアミドと(ポリ)C2−4アルキレンポリアミンとの縮合体など]、ポリカチオン系化合物などが例示できる。ポリカチオン系化合物としては、例えば、エピクロルヒドリン−ジC1−4アルキルアミン付加重合体、アリルアミン又はその塩の重合体、ジアリルC1−4アルキルアミン又はその塩の重合体、ジアリルジC1−4アルキルアンモニウム塩の重合体、ジアリルアミン又はその塩と二酸化イオウとの共重合体、ジアリルジC1−4アルキルアンモニウム塩−二酸化イオウ共重合体、ジアリルジC1−4アルキルアンモニウム塩とジアリルアミン又はその塩もしくは誘導体との共重合体、ジアリルジC1−4アルキルアンモニウム塩重合体、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、ジアリルジC1−4アルキルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体、アミン−カルボン酸共重合体等が例示できる。これらの高分子染料固着剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの染料定着剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの染料定着剤のうち、加熱による有害物質(ベンジルクロライドなど)の生成が抑制される点から、脂肪族染料定着剤、例えば、アルキルアンモニウムハライド類(トリアルキルアンモニウムハライド(例えば、トリC1−2アルキルC8−16アルキルアンモニウムハライド)及び/又はジC1−2アルキルジC8−20アルキルアンモニウムハライドなど)、特にトリメチルC8−16アルキルアンモニウムハライドが好ましい。さらに、アルキルアンモニウムハライド類の中でも、環境に対する負荷を抑制する点からは、塩素イオンを含まないハライド類(例えば、ブロマイド類など)が好ましい。
染料定着剤の割合は、固形分換算で、バインダー樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜100重量部(特に10〜60重量部)程度である。
受像層は、必要により種々の添加剤、例えば、他の染料定着剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤、着色剤、発色剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤などを含有していてもよい。ホットメルト接着性粒子は、これらの添加剤の他に、粘着付与剤(ロジン又はその誘導体、炭化水素系樹脂など)、ワックス類などを含有していてもよい。
受像層は、前記バリア層の項で例示される多孔質粒子を含んでいてもよい。受像層における多孔質粒子の割合(塗布量)は、30g/m2以下(例えば、0〜25g/m2)であってもよく、好ましくは0.1〜20g/m2、さらに好ましくは0.5〜10g/m2(特に1〜5g/m2)程度である。
受像層の厚みは、例えば、5〜150μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜80μm(特に20〜70μm)程度である。乾燥塗布量(坪量)は、5〜150g/m2、好ましくは10〜100g/m2、好ましくは20〜50g/m2程度である。
(アンカー層)
隠蔽層と受像層との間には、アンカー層を形成してもよい。アンカー層は、隠蔽層と受像層との接着力を向上できる樹脂成分で構成されている。このような樹脂成分としては、種々の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が使用できるが、隠蔽層と受像層との接着力を効果的に向上させる点から、隠蔽層及び受像層の双方に含まれる樹脂成分と同系統又は同種の樹脂(双方に含まれる樹脂成分に親和性を有する樹脂)を使用するのが好ましい。さらに、アンカー層は、受像層から滲出したインクを定着させる点から、3級アミノ基又は4級アンモニウム塩が導入されたカチオン性樹脂であるのが好ましい。例えば、隠蔽層のバインダー樹脂がウレタン系樹脂である場合、接着力及び柔軟性の点から、アンカー層を構成する樹脂成分としては、ウレタン系樹脂(例えば、前記熱可塑性ウレタン系樹脂)が好ましく、特に、層間の接着力を向上できると共に、受像層のインク定着性も補助的に向上できる点から、カチオン型熱可塑性ウレタン系樹脂が好ましい。
隠蔽層と受像層との間には、アンカー層を形成してもよい。アンカー層は、隠蔽層と受像層との接着力を向上できる樹脂成分で構成されている。このような樹脂成分としては、種々の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が使用できるが、隠蔽層と受像層との接着力を効果的に向上させる点から、隠蔽層及び受像層の双方に含まれる樹脂成分と同系統又は同種の樹脂(双方に含まれる樹脂成分に親和性を有する樹脂)を使用するのが好ましい。さらに、アンカー層は、受像層から滲出したインクを定着させる点から、3級アミノ基又は4級アンモニウム塩が導入されたカチオン性樹脂であるのが好ましい。例えば、隠蔽層のバインダー樹脂がウレタン系樹脂である場合、接着力及び柔軟性の点から、アンカー層を構成する樹脂成分としては、ウレタン系樹脂(例えば、前記熱可塑性ウレタン系樹脂)が好ましく、特に、層間の接着力を向上できると共に、受像層のインク定着性も補助的に向上できる点から、カチオン型熱可塑性ウレタン系樹脂が好ましい。
ウレタン系樹脂としては、前記接着層の項で例示されたウレタン系樹脂が使用でき、例えば、少なくとも脂肪族ポリエステルジオールをジオール成分として用いた脂肪族ポリエステル型ウレタン系樹脂や、ポリカーボネート型ウレタン系樹脂(例えば、無黄変性脂肪族ポリカーボネート型ウレタン系樹脂など)などが好ましい。カチオン性樹脂としては、前記受像層の項で例示のカチオン性ウレタン系樹脂などが例示できる。
アンカー層は、必要により種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填剤、着色剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤などを含有していてもよい。
アンカー層は、前記バリア層の項で例示される多孔質粒子を含んでいてもよい。アンカー層における多孔質粒子の割合(塗布量)は、30g/m2以下(例えば、0〜25g/m2)であってもよく、好ましくは0.1〜20g/m2、さらに好ましくは0.5〜10g/m2(特に1〜5g/m2)程度である。
アンカー層の厚みは、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μm(特に1〜5μm)程度である。乾燥塗布量(坪量)は、0.1〜50g/m2、好ましくは0.5〜30g/m2、好ましくは1〜10g/m2程度である。
さらに、隠蔽層又は受像層の上には、必要により、ブロッキング防止層、滑性層、帯電防止層などを形成してもよい。
転写層の厚みは、例えば、3〜1000μm、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μm(特に15〜100μm)程度である。
[転写シート]
本発明の転写シートにおいて、接着層、バリア層、隠蔽層(さらに必要に応じてアンカー層、受像層)を構成する樹脂成分として、層間接着力の点から、少なくとも各層に同系統又は同種の樹脂が含まれているのが好ましい。特に、各層に共通する樹脂として、ウレタン系樹脂を用いると、伸度や強度などのシートの機械的特性に加え、転写シートとしての取扱い性などの点でも良好である。
本発明の転写シートにおいて、接着層、バリア層、隠蔽層(さらに必要に応じてアンカー層、受像層)を構成する樹脂成分として、層間接着力の点から、少なくとも各層に同系統又は同種の樹脂が含まれているのが好ましい。特に、各層に共通する樹脂として、ウレタン系樹脂を用いると、伸度や強度などのシートの機械的特性に加え、転写シートとしての取扱い性などの点でも良好である。
本発明の転写シートは、隠蔽性(特に白色隠蔽性)に優れ、例えば、隠蔽層側から測定した白色度(L値)が88以上、好ましくは90以上、さらに好ましくは92以上である。
本発明の転写シートは、多孔質粒子、顔料などの隠蔽剤を多量に含有しているにもかかわらず、柔軟性や強度などの機械的特性に優れている。転写層の破断点伸度は、例えば、30%以上(例えば、30〜200%)、好ましくは40〜200%、さらに好ましくは50〜200%程度である。
本発明の転写シートは、上述のような特性を有しているため、昇華性染料の吸着性及び隠蔽性に優れるとともに、強度や伸度などの機械的特性に優れ、例えば、アイロンなどの加熱摺動部材で、加圧下で熱転写しても圧着痕の発生が抑制される。
本発明の転写シートは、転写層に画像を形成することなく、そのまま白色などの無地の転写シートとして使用してもよく、転写層に画像を形成するための転写シートとして使用してもよい。転写層に画像を形成する場合、画像は、隠蔽層に、直接形成されてもよく、隠蔽層の上に形成した受像層に形成されてもよい。また、画像は、隠蔽層の上に、予め画像が形成されたフィルムやシートとして貼着されてもよい。これらのうち、画像鮮明性などの点から、隠蔽層の上に形成した受像層に画像を形成するのが好ましい。
画像の形成方法としては、例えば、油性又は水性インキペンなどの筆記具によって、転写前又は転写後の隠蔽層に画像を形成する方法の他、インクジェット記録方式(ノズルからシートにむけてインク小滴を飛翔させるインクジェット方式など)、熱溶融転写方式、昇華型熱転写方式、電子写真方式(カラー複写機やカラーレーザープリンターなど)などの記録方式によって、転写前の受像層に画像を形成する方法などが例示できる。隠蔽層に貼着するためのフィルムやシートに対しても、同様の方法で画像を形成することができる。これらのうち、画像鮮明性や簡便性などの点から、水性又は油性インク、溶剤インクなどを用いたインクジェット記録方式によって画像を形成するのが好ましい。
[転写シートの製造方法及び転写方法]
本発明の転写シートは、基材の片面に、転写層を構成する各層を順次形成することにより製造できる。例えば、基材の離型性面に、この基材に対して剥離可能な接着層を形成した後、この接着層の上にバリア層及び隠蔽層を順次形成することにより製造できる。他の層などを形成する場合は、隠蔽層の上に、さらにアンカー層や受像層などを形成すればよい。
本発明の転写シートは、基材の片面に、転写層を構成する各層を順次形成することにより製造できる。例えば、基材の離型性面に、この基材に対して剥離可能な接着層を形成した後、この接着層の上にバリア層及び隠蔽層を順次形成することにより製造できる。他の層などを形成する場合は、隠蔽層の上に、さらにアンカー層や受像層などを形成すればよい。
具体的には、転写シートの層構造に応じて、基材の離型性面に、前記成分で構成された塗布剤を塗布することにより形成できる。塗布剤に含まれるバインダー樹脂や接着性樹脂は、通常、溶液又はエマルジョンの形態で使用できる。そのため、バインダー樹脂や接着性樹脂を含む溶液又はエマルジョンと、他の成分とを混合することにより、転写層用塗布剤を調製してもよい。溶液又はエマルジョンの溶媒は、水性の場合は、通常、水を含む溶媒が用いられ、水単独であってもよく、必要によりアルコール類などの親水性有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒の場合は、例えば、前記接着層の項で例示された溶媒などが使用できる。従って、各層用の塗布剤を塗布し、乾燥させた後、次の塗布剤を重ねて塗布してもよい。
塗布剤は、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーターなどにより基材の少なくとも一方の面に塗布できる。転写層は、塗布された塗膜を50〜150℃(好ましくは80〜120℃)程度の温度で乾燥させることにより形成できる。
このようにして形成された転写層は、接着層を被転写体と接触させた状態で、適当な温度(例えば、80〜250℃、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは110〜180℃程度)及び圧力(例えば、0.05〜10N/cm2、好ましくは0.1〜5N/cm2程度)で適当な時間(例えば、3秒〜3分、好ましくは5秒〜1分程度)加熱圧着することにより、転写層を被転写体に熱転写することができる。具体的には、転写シートから基材を剥離した後、接着層の剥離面と被転写体とを接触させて加熱する。転写層は必要により加熱して架橋させてもよい。加熱方法は、必要に応じて離型紙などを介して、転写層を加熱部材(例えば、アイロンなどの加熱摺動部材や、ヒートプレス機など)で加圧及び加温する方法であってもよい。本発明では、多孔質粒子を含むバリア層が形成されているため、被転写体が濃色又は低い明度の昇華性染料を含んでいても、加熱部材などの加熱により再昇華(蒸発)された染料は、バリア層により効率よく吸着される。従って、隠蔽層や受像層への昇華性染料の拡散又は浸透が防止され、転写層に画像が形成されている場合でも、画像の鮮明性が損なわれることが抑制される。
転写層には、前記記録方式などにより画像を形成してもよい。具体的には、転写シートの転写層(例えば、隠蔽層や受像層など)に画像を記録した後、この転写シートから基材を剥離してもよいし、転写シートから基材を剥離した後、転写層(例えば、隠蔽層など)に画像を記録してもよい。これらの記録方法は、用途に応じて使い分けることができ、インクジェット記録方式や電子写真方式などの機器を用いる場合は、通常、転写前に画像を記録する。
[被転写体]
本発明の転写シートは、柔軟性及び強度を併せ持つため、様々な被転写体に強固な接着力で転写することが可能である。被転写体としては、繊維、紙、木材、プラスチック、セラミックス、金属などの種々の材料で形成された二次元又は三次元構造物が利用できる。さらに、本発明の転写シートは、柔軟性に優れるため、布帛(例えば、Tシャツなど)、プラスチックフィルム・シート又は紙などを被転写体として利用してもよい。特に、本発明の転写シートは、隠蔽性(特に白色隠蔽性)に優れるため、被転写体の色の如何に拘わらず、隠蔽層の上に鮮明な画像を形成できる。従って、前記被転写体の中でも、濃色の被転写体に好ましく用いられる。濃色の被転写体としては、被転写体固有の色が濃色の被転写体でも、濃色に染色又は着色された被転写体でもどちらでもよい。濃色には、黒色、灰色、紺色、青色などの色(例えば、明度0〜5、好ましくは0〜3程度の色)が含まれる。
本発明の転写シートは、柔軟性及び強度を併せ持つため、様々な被転写体に強固な接着力で転写することが可能である。被転写体としては、繊維、紙、木材、プラスチック、セラミックス、金属などの種々の材料で形成された二次元又は三次元構造物が利用できる。さらに、本発明の転写シートは、柔軟性に優れるため、布帛(例えば、Tシャツなど)、プラスチックフィルム・シート又は紙などを被転写体として利用してもよい。特に、本発明の転写シートは、隠蔽性(特に白色隠蔽性)に優れるため、被転写体の色の如何に拘わらず、隠蔽層の上に鮮明な画像を形成できる。従って、前記被転写体の中でも、濃色の被転写体に好ましく用いられる。濃色の被転写体としては、被転写体固有の色が濃色の被転写体でも、濃色に染色又は着色された被転写体でもどちらでもよい。濃色には、黒色、灰色、紺色、青色などの色(例えば、明度0〜5、好ましくは0〜3程度の色)が含まれる。
さらに、本発明の転写シートは、バリア層を有し、昇華性染料の吸着性に優れるため、濃色の被転写体は、濃色の昇華性染料で着色された被転写体、特に、濃色の昇華性染料で着色された繊維で構成された被転写体[例えば、濃色の分散染料などの昇華性染料で着色された合成繊維(ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系繊維など、特にポリエステル系繊維)で構成された布帛など]などであってもよい。昇華性染料としては、その種類は特に制限されず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各種昇華性染料(ナフトール染料など)のうち、濃色の昇華性染料が使用される。
本発明は、繊維、紙、木材、プラスチック、セラミックス、金属などの種々の材料で形成された二次元又は三次元構造物などの被転写体、特に濃色の昇華性染料で着色又は染色された被転写体に転写する転写シートとして有効である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、文中、特に断わりのない限り、「部」は重量基準である。また、実施例及び比較例で得られた転写シートの各層の各成分の内容、及び転写シートの各種特性の評価法は次の通りである。
[各成分の内容]
(基材)
シリコーンコート紙:リンテック(株)製、SGP85OKT−TP(LB)、坪量110g/m2。
(基材)
シリコーンコート紙:リンテック(株)製、SGP85OKT−TP(LB)、坪量110g/m2。
(接着層)
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液A:大日精化工業(株)製、レザミンUD1305、溶剤(ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン=40/60(重量比))、固形分50重量%、軟化温度95℃。
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液A:大日精化工業(株)製、レザミンUD1305、溶剤(ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン=40/60(重量比))、固形分50重量%、軟化温度95℃。
(バリア層)
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液B:大日精化工業(株)製、レザミンME3119LP、溶剤:ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン=35/65(重量比)、固形分34重量%、軟化温度135℃
活性炭粒子:クラレケミカル(株)製、クラレコールYP−17D、平均粒径5μm、比表面積1500m2/g、細孔容積0.6ml/g。
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液B:大日精化工業(株)製、レザミンME3119LP、溶剤:ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン=35/65(重量比)、固形分34重量%、軟化温度135℃
活性炭粒子:クラレケミカル(株)製、クラレコールYP−17D、平均粒径5μm、比表面積1500m2/g、細孔容積0.6ml/g。
(隠蔽層)
酸化チタン含有カーボネート系ウレタン樹脂溶液:大日精化工業(株)製、セイカセブンDNT9094ホワイト、酸化チタンの分散粒径0.2μm、ウレタン系樹脂/酸化チタン=1/9(重量比)、溶剤:イソプロパノール/トルエン=50/50(重量比)、固形分55重量%
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液B:大日精化工業(株)製、レザミンME3119LP。
酸化チタン含有カーボネート系ウレタン樹脂溶液:大日精化工業(株)製、セイカセブンDNT9094ホワイト、酸化チタンの分散粒径0.2μm、ウレタン系樹脂/酸化チタン=1/9(重量比)、溶剤:イソプロパノール/トルエン=50/50(重量比)、固形分55重量%
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液B:大日精化工業(株)製、レザミンME3119LP。
(アンカー層)
カチオン性カーボネート系ウレタンエマルジョン:第一工業製薬(株)製、F−8559D、固形分26重量%。
カチオン性カーボネート系ウレタンエマルジョン:第一工業製薬(株)製、F−8559D、固形分26重量%。
(受像層)
染料定着剤:センカ(株)製、PCQ−1、ポリメタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩、固形分20重量%水溶液
カチオン性ポリウレタン系樹脂エマルジョン:大日本インキ化学工業(株)製、パテラコールCD−004、固形分30重量%
ポリウレタン系樹脂エマルジョン:新中村化学(株)製、SPレジンME−307
ポリアミド12粒子A:ダイセル・デグサ(株)製、ベスタメルト430−P06、吸油量45ml/100g、融点110℃、平均粒径60μm
ポリアミド6/12粒子:アトフィナジャパン(株)製、オルガソール3501EX D NAT−1、吸油量212ml/100g、融点142℃、平均粒径10μm
ポリアミド12粒子B:ダイセル・デグサ(株)製、ベスタメルト640−P1、融点76℃、平均粒径100μm
ポリウレタン樹脂粒子:大日本インキ化学工業(株)製、バーノックCFB−100、ガラス転移温度−12℃、軟化点135℃、平均粒径20μm
セルロース誘導体:ヒドロキシエチルセルロース、ダイセル化学工業(株)製、HECダイセル。
染料定着剤:センカ(株)製、PCQ−1、ポリメタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩、固形分20重量%水溶液
カチオン性ポリウレタン系樹脂エマルジョン:大日本インキ化学工業(株)製、パテラコールCD−004、固形分30重量%
ポリウレタン系樹脂エマルジョン:新中村化学(株)製、SPレジンME−307
ポリアミド12粒子A:ダイセル・デグサ(株)製、ベスタメルト430−P06、吸油量45ml/100g、融点110℃、平均粒径60μm
ポリアミド6/12粒子:アトフィナジャパン(株)製、オルガソール3501EX D NAT−1、吸油量212ml/100g、融点142℃、平均粒径10μm
ポリアミド12粒子B:ダイセル・デグサ(株)製、ベスタメルト640−P1、融点76℃、平均粒径100μm
ポリウレタン樹脂粒子:大日本インキ化学工業(株)製、バーノックCFB−100、ガラス転移温度−12℃、軟化点135℃、平均粒径20μm
セルロース誘導体:ヒドロキシエチルセルロース、ダイセル化学工業(株)製、HECダイセル。
[バリア性]
得られた転写シートから離型紙(基材)を剥がして表出した接着層と、生地((株)アシックス製、クールマックスBB)とを接触させた。隠蔽層側から、両面をシリコーン処理した離型紙を介して、プレス機(奥野電気産業(株)製、AF−43T)を用いて、温度120℃、圧力約1600Pa(プレス機の目盛3)で10秒間熱をかけて、転写層を生地に転写した。転写後の転写層について、JIS L 0854法に準拠して、色差計(コニカミノルタホールディングス(株)製、色彩色差計、CR−200)を用いて、転写層表面の色差を測定した。さらに、生地の染料の移行(再昇華)による変色の度合いを、目視観察により下記の基準で評価した。
得られた転写シートから離型紙(基材)を剥がして表出した接着層と、生地((株)アシックス製、クールマックスBB)とを接触させた。隠蔽層側から、両面をシリコーン処理した離型紙を介して、プレス機(奥野電気産業(株)製、AF−43T)を用いて、温度120℃、圧力約1600Pa(プレス機の目盛3)で10秒間熱をかけて、転写層を生地に転写した。転写後の転写層について、JIS L 0854法に準拠して、色差計(コニカミノルタホールディングス(株)製、色彩色差計、CR−200)を用いて、転写層表面の色差を測定した。さらに、生地の染料の移行(再昇華)による変色の度合いを、目視観察により下記の基準で評価した。
○:染料の移行が見られない
△:染料の移行がややあるが、実用上支障とならない
×:染料の移行があり、実用上支障となる。
△:染料の移行がややあるが、実用上支障とならない
×:染料の移行があり、実用上支障となる。
[風合い]
バリア性の評価方法において、転写層を転写した生地について、下記の基準で風合いを手触りで官能評価した。
バリア性の評価方法において、転写層を転写した生地について、下記の基準で風合いを手触りで官能評価した。
○:柔らかい
△:やや硬いが実用上支障はない
×:かなり硬く実用上支障がある。
△:やや硬いが実用上支障はない
×:かなり硬く実用上支障がある。
[耐洗濯性]
転写層を転写した生地について、JIS L 0844法に準拠した方法で、洗濯試験を行った後、転写層を目視で観察し、下記の基準で洗濯耐久性(表面の割れ)を評価した。
転写層を転写した生地について、JIS L 0844法に準拠した方法で、洗濯試験を行った後、転写層を目視で観察し、下記の基準で洗濯耐久性(表面の割れ)を評価した。
○:割れなし
△:よく見ると微小なクラックがあるが実用上支障はない
×:大きい割れが多数発生し、実用上支障がある。
△:よく見ると微小なクラックがあるが実用上支障はない
×:大きい割れが多数発生し、実用上支障がある。
実施例1〜8及び比較例1〜4
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量及び組成(乾燥状態)でバリア層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、バリア層を形成した。さらに、このバリア層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で下記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量及び組成(乾燥状態)でバリア層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、バリア層を形成した。さらに、このバリア層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で下記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
(隠蔽層用塗布液)
酸化チタン含有カーボネート系ウレタン樹脂溶液:50部
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液B :50部。
酸化チタン含有カーボネート系ウレタン樹脂溶液:50部
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液B :50部。
実施例9〜10
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量及び組成(乾燥状態)でバリア層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、バリア層を形成した。さらに、このバリア層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。さらに、この隠蔽層の上に、カチオン性カーボネート系ウレタンエマルジョンで構成されたアンカー層用塗布液を坪量(乾燥塗布量)10g/m2で塗布し、110℃で3分間乾燥し、アンカー層を形成した。最後に、このアンカー層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で下記組成の受像層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、受像層を形成した。なお、下記の受像層用塗布液の組成は、乾燥後の重量組成である。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量及び組成(乾燥状態)でバリア層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、バリア層を形成した。さらに、このバリア層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。さらに、この隠蔽層の上に、カチオン性カーボネート系ウレタンエマルジョンで構成されたアンカー層用塗布液を坪量(乾燥塗布量)10g/m2で塗布し、110℃で3分間乾燥し、アンカー層を形成した。最後に、このアンカー層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で下記組成の受像層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、受像層を形成した。なお、下記の受像層用塗布液の組成は、乾燥後の重量組成である。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
(受像層用塗布液)
染料定着剤 : 4部
カチオン性ポリウレタン系樹脂エマルジョン: 4部
ポリウレタン系樹脂エマルジョン : 2部
ポリアミド12粒子A :36部
ポリアミド6/12粒子 : 9部
ポリアミド12粒子B : 2部
ポリウレタン樹脂粒子 :41部
セルロース誘導体 : 2部。
染料定着剤 : 4部
カチオン性ポリウレタン系樹脂エマルジョン: 4部
ポリウレタン系樹脂エマルジョン : 2部
ポリアミド12粒子A :36部
ポリアミド6/12粒子 : 9部
ポリアミド12粒子B : 2部
ポリウレタン樹脂粒子 :41部
セルロース誘導体 : 2部。
比較例5
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。さらに、この隠蔽層の上に、カチオン性カーボネート系ウレタンエマルジョンで構成されたアンカー層用塗布液を坪量(乾燥塗布量)10g/m2で塗布し、110℃で3分間乾燥し、アンカー層を形成した。最後に、このアンカー層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の受像層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、受像層を形成した。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。さらに、この隠蔽層の上に、カチオン性カーボネート系ウレタンエマルジョンで構成されたアンカー層用塗布液を坪量(乾燥塗布量)10g/m2で塗布し、110℃で3分間乾燥し、アンカー層を形成した。最後に、このアンカー層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の受像層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、受像層を形成した。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
比較例6
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
シリコーンコート紙の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で接着層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、接着層を有するシートを得た。次に、この接着層の上に、表1に示す坪量(乾燥塗布量)で前記組成の隠蔽層用塗布液を塗布し、110℃で3分間乾燥し、隠蔽層を形成した。得られた転写シートの評価結果も表1に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例の転写シートは、昇華性染料の移行が抑制されているのに対して、比較例の転写シートでは、昇華性染料が転写層に移行している。
Claims (10)
- 基材と、この基材に対して剥離可能な転写層とで構成されているシートであって、前記転写層が、前記基材の片面に形成された接着層と、この接着層の上に形成され、かつ多孔質粒子及び樹脂成分で構成されたバリア層と、このバリア層の上に形成された隠蔽層とで構成されるとともに、前記転写層が多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有する転写シート。
- 多孔質粒子が活性炭粒子である請求項1記載の転写シート。
- 多孔質粒子の平均粒径が1〜10μmであり、かつ比表面積が500m2/g以上である請求項1記載の転写シート。
- 樹脂成分がポリウレタン系樹脂である請求項1記載の転写シート。
- バリア層が多孔質粒子を15g/m2以上の割合で含有する請求項1記載の転写シート。
- バリア層の多孔質粒子と樹脂成分との割合(重量比)が、多孔質粒子/樹脂成分=15/85〜80/20である請求項5記載の転写シート。
- バリア層の乾燥塗布量が20〜60g/m2である請求項5記載の転写シート。
- 転写層が、隠蔽層の上にさらに受像層を有する請求項1記載の転写シート。
- 昇華性染料で着色された被転写体に転写するためのシートである請求項1記載の転写シート。
- 濃色又は低い明度の昇華性染料で着色された被転写体に、転写シートの転写層を転写する方法において、請求項1記載の転写シートを用いて、隠蔽層への前記昇華性染料の拡散又は浸透を抑制する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006282730A JP2008102202A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | 転写シート及びそれを用いた転写方法 |
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---|---|---|---|---|
KR101159530B1 (ko) * | 2010-03-23 | 2012-06-25 | 코스코엠주식회사 | 승화전사지용 배리어층 조성물 및 이를 코팅한 승화전사지 |
WO2017209525A1 (ko) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 주식회사 제라원 | 상온 인쇄용 전사지 및 이의 제조방법 |
JP2018103494A (ja) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | 大倉工業株式会社 | 転写シート |
CN116120780A (zh) * | 2022-12-05 | 2023-05-16 | 苏州宝丽迪材料科技股份有限公司 | 一种防止染料迁移的水性热转印油墨及其制备方法和应用 |
-
2006
- 2006-10-17 JP JP2006282730A patent/JP2008102202A/ja active Pending
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