JP2001213046A - インクジェット記録シート用樹脂組成物及びそれを使用した記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート用樹脂組成物及びそれを使用した記録シート

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JP2001213046A
JP2001213046A JP2000028639A JP2000028639A JP2001213046A JP 2001213046 A JP2001213046 A JP 2001213046A JP 2000028639 A JP2000028639 A JP 2000028639A JP 2000028639 A JP2000028639 A JP 2000028639A JP 2001213046 A JP2001213046 A JP 2001213046A
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monomer
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recording sheet
resin composition
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Application number
JP2000028639A
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English (en)
Inventor
Aika Izeki
愛佳 井関
Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた印字特性、耐水性、高い光沢度、耐ギ
ザロール跡付着性を有し、又高速化したインクジェット
印刷であっても写真画質での高品位印刷ができる、イン
クジェット記録方式に好適な記録シート用樹脂組成物を
提供するとともに、該組成物を使用したインクジェット
記録シートを提供すること。 【解決手段】 インクジェット記録シート用基材の少な
くとも一面に形成される受像層を構成する樹脂組成物で
あって、少なくとも、ポリアルキレンオキサイド基含有
(メタ)アクリレート単量体、親水性基含有単量体、架
橋性基含有単量体及びカチオン性単量体を共重合してな
るカチオン性(メタ)アクリル共重合体(A)70〜1
00重量%、酢酸ビニル系共重合体のケン化物(B)0
〜30重量%(これらの合計は100重量%)及び
(A)と(B)の合計100重量部に対して改質剤
(C)を0〜15重量部配合してなるインクジェット記
録シート用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートの受像層に使用される樹脂組成物及び該樹脂組
成物を使用した受像層を有するインクジェット記録シー
トに関する。更に詳しくは耐ロール跡付着性、高光沢度
性、インク吸収性、耐水性に優れ、ビーディング等の画
質不良が発生しないインクジェット記録シートの受像層
に使用される樹脂組成物、及び該樹脂組成物を使用して
形成された受像層を有するインクジェット記録シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、安価であ
り、フルカラー化が容易であり、低騒音で印字品質に優
れていることから、近年急速に普及しつつある。インク
ジェット記録には、安全性、記録適性の点から主に水系
インクが使用され、ノズルから記録用シートにむけてイ
ンク小滴を飛翔させることにより記録が行われる。この
ため記録用シートは、速やかにインクを吸収することが
要求される。即ち、インク吸収性の低い記録用シートで
は、記録終了後もインクが記録用シートの表面に長時間
残り、装置の一部への接触、取扱い者の接触や、記録シ
ートの重ね合わせにより、記録部分が汚れる恐れがあ
る。又、高密度画像部では、多量に供給されたインクが
吸収されないまま混合して流れ出し、不鮮明な画像とな
る問題がある。
【0003】特開昭57−36692号公報には、耐水
性、解像度などを改善するため、塩基性ラテックスポリ
マーを塗布したインクジェット記録用シートが開示さ
れ、水溶性高分子や顔料等を併用してもよいことが記載
されている。特開昭63−115780号公報には、4
級アンモニウム塩を含む重合体を支持体に塗布したイン
クジェット記録用シートが開示され、合成シリカを併用
すること、バインダーとしてポリビニルアルコール等を
併用することも記載されている。特開平7−61113
号公報には、インク受容層をポリビニルアセタール樹脂
とカチオン性化合物とで構成したインクジェット記録媒
体が開示され、特開平6−227114号公報には、イ
ンク受容層が、微粒シリカ等の顔料と両性イオンラテッ
クスとで構成されたインクジェット記録用シートが開示
されている。これらの記録用シートでは、インクの定着
性や耐水性がある程度改善できる。しかし、インクの定
着性や耐水性とインク吸収性との間には相反する関係が
あり、耐水性を向上させると、インク吸収性が低下す
る。そのため、耐水性とインク吸収性とを同時には高い
レベルに維持できない。
【0004】特開平1−174484号公報には、顔料
と、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルとカチオン性
モノマーとの共重合体とを含む被覆層をシート状支持体
に形成したインクジェット記録用シートが開示され、カ
チオン性共重合体が、非イオン性モノマーとの共重合体
やポリビニルアルコールとのグラフト共重合体であって
もよいこと、更に水溶性高分子バインダーを含んでいて
もよいことが記載されている。更に、特開昭62−83
178号公報には、微粉末状珪酸とカチオン性重合体エ
マルジョンとを含む塗布層を備えたインクジェット記録
シートが提案され、ガラス転移温度0℃以下の自己架橋
性アクリルエマルジョンを接着剤として併用することが
好ましいことも記載されている。これらの先行技術によ
って上記インクジェット記録シートの耐水性は一応改善
できることがわかったが、未だ改善の度合いは小さく、
耐水性は低く、水滴などが付着すると記録部が溶出して
印字部又は画像部ににじみが生じ、著しい場合にはこれ
らの部分が溶出して消失し、記録性に関する品質を大き
く低下させている。このように現状では印字品質を改善
しつつ、耐水性とインク吸収性とを共に高度に改善する
ことは困難である。
【0005】更に、最近のプリンターは写真画質での印
刷実現のために、1000dpi以上の高解像度印刷、
淡色インクの重ね印刷、従来比で数倍速の高速印刷とい
うように記録シートはますます過酷な使用がされるよう
になってきており、プリンターの写真画質最高品位モー
ドによる印刷時に発生するビーディング等の画質不良問
題も改善することが困難であるとともに、記録シートの
外観にも銀塩写真用印画紙並みの高光沢性が求められる
ようになり、高光沢記録シートにおいては表面に付着す
るギザロール跡(歯車状の紙排出用送りロールの圧着
跡)の問題が新たに出てきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、無機
成分を全く配合しなくても、優れた印字特性、耐水性、
高い光沢度が得られるとともに、プリンターが記録紙を
排出する際に、プリンターによるギザロール跡が記録紙
に付着することによって印刷画像の外観を損ねることが
なく、又高速化したインクジェット印刷であっても写真
画質での高品位印刷ができる、インクジェット記録方式
に好適な写真調の記録媒体用樹脂組成物を提供するとと
もに、該組成物を使用したインクジェット記録シートを
提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究をした結果、水系高分子化合
物である特定のカチオン性(メタ)アクリル共重合体を
使用し、更に酢酸ビニル系共重合体及び改質剤を併用す
ることにより、ギザロール跡付着、高光沢度、耐水性、
インク吸収性、印刷画質等における諸問題を解決するこ
とができる知見を得、本発明を完成した。本発明の要旨
は以下の通りである。第1の発明は、インクジェット記
録シート用基材の少なくとも一面に形成される受像層を
構成する樹脂組成物であって、少なくとも、ポリアルキ
レンオキサイド基含有(メタ)アクリレート単量体(A
1)、親水性基含有単量体(A2)、架橋性基含有単量体
(A3)及びカチオン性単量体(A4)を共重合してなる
カチオン性(メタ)アクリル共重合体(A)70〜10
0重量%、酢酸ビニル系共重合体のケン化物(B)0〜
30重量%(これらの合計は100重量%)及び(A)
と(B)の合計100重量部に対して改質剤(C)を0
〜15重量部配合してなるインクジェット記録シート用
樹脂組成物に関し、第2の発明は、第1の発明における
(A)が更に非イオン性単量体(A5)を含む共重合体
であるインクジェット記録シート用樹脂組成物に関す
る。第3の発明は、第1又2の発明における組成物が、
(A)75〜95重量%、(B)5〜25重量%(これ
らの合計は100重量%)及び(A)と(B)の合計1
00重量部に対して(C)を0.5〜5重量部配合して
なるインクジェット記録シート用樹脂組成物に関し、第
4の発明は、第1又は2の発明における(C)の配合が
0.5〜3重量部であるインクジェット記録シート用樹
脂組成物に関する。第5の発明は、第1、3又は4のい
ずれかの発明における(A)が(A1)を8〜40重量
%、(A2)を1〜30重量%、(A3)を0.2〜10
重量%及び(A4)を20〜50重量%(これらの合計
は100重量%)含有しているインクジェット記録シー
ト用樹脂組成物に関し、第6の発明は、第2〜4のいず
れかの発明における(A)が(A4)を10〜50重量
%及び(A5)を10〜80重量%(これら(A1)〜
(A5)の合計は100重量%)含有しているインクジ
ェット記録シート用樹脂組成物に関する。第7〜12の
発明は、順次にそれぞれ、第1〜第6のいずれかの発明
における(A1)のポリアルキレンオキサイド基が一般
式:−[(CHR1)n−O]m−R2に示す構造であるインク
ジェット記録シート用樹脂組成物〔但し、一般式中のR
1は水素原子、メチル基又は水酸基を示し、R2は水素原
子又はメチル基を示し、nは1〜5、mは1〜20の整
数をそれぞれ示し、n×m個のR1は互いに同一又は異
なっていてもよい。〕;(A2)の親水性基がカルボキ
シル基又はその塩、酸無水物基、スルホン酸基又はその
塩、アミド基、エーテル基から選ばれる少なくとも1種
であるインクジェット記録シート用樹脂組成物;
(A3)が加水分解縮合性基を有する単量体であるイン
クジェット記録シート用樹脂組成物;(A 3)がアルコ
キシシリル基を有する単量体であるインクジェット記録
シート用樹脂組成物;(A4)が第3級アミノ基含有単
量体、第3級アミンの酸塩含有単量体又は第4級アンモ
ニウム塩基含有単量体のいずれかであるインクジェット
記録シート用樹脂組成物;(A5)が(メタ)アクリル
酸エステル類、芳香族ビニル類又はビニルエステル類の
いずれかであるインクジェット記録シート用樹脂組成物
に関する。第13の発明は、第1〜12のいずれかの発
明における(B)の重合度が200〜1000であるイ
ンクジェット記録シート用樹脂組成物に関し、第14の
発明は、第1〜13のいずれかの発明における(C)が
水系ポリウレタン樹脂(C 1)及び/又は水系ポリエス
テル樹脂(C2)を含むインクジェット記録シート用樹
脂組成物に関する。第15の発明は、第1〜14のいず
れかの発明における記録シート用樹脂組成物が使用さ
れ、基材の少なくとも一面に受像層として形成されてな
るインクジェット記録シートに関し、第16の発明は、
第15の発明における基材面に形成された受像層の表面
の光沢(JIS Z8741に従って測定した60°グ
ロス)が60%以上であるインクジェット記録シートに
関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容について詳説
する。 (基材)一表面に受像層の形成される基材は、用途に応
じて不透明、半透明や透明であってもよく、オーバーヘ
ッドプロジェクター(OHP)等に用いる場合の基材
は、通常透明である。基材の材質には特に制限はなく、
使用し得る基材としては、例えば、紙、塗工紙、不織
布、プラスチックフィルム及び合成紙が挙げられる。プ
ラスチックフィルム及び合成紙を構成するポリマーとし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリビニルア
ルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酢酸
セルロース等のセルロース誘導体、ポリエステル(ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレ
ンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド
(ポリアミド6,ポリアミド6/6、ポリアミド6/1
0、ポリアミド6/12等)、ポリエステルアミド、ポ
リエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルエステル等が挙げられ、更に、これらの共重合体、
ブレンド物、架橋物を用いてもよい。
【0009】これらのフィルム又は合成紙を構成するポ
リマーとしては、通常、ポリオレフィン(特にポリプロ
ピレン)、ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレ
ート等)、ポリアミド等が使用され、特に機械的強度、
作業性、コスト等の点からポリエステル(特にポリエチ
レンテレフタレート)が好ましい。紙又は塗工紙として
は、例えば上質紙、アート紙、RC紙等が使用できる。
【0010】基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通
常、5〜500μm、好ましくは10〜300μm程度
である。基材にはその内部又は表面に、必要に応じて、
サイズ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑
剤、顔料等の慣用の添加剤を使用してもよい。又、受像
層との接着性を向上させるため、コロナ放電処理やアン
ダーコート処理等の表面処理を行ってもよい。
【0011】(受像層)基材の少なくとも一方の面に
は、ポリアルキレンオキサイド基含有(メタ)アクリレ
ート単量体(A1)、親水性基含有単量体(A2)、架橋
性基含有単量体(A3)及びカチオン性単量体(A4)、
又は更に非イオン性単量体(A5)を共重合してなるカ
チオン性(メタ)アクリル共重合体(A)、酢酸ビニル
系共重合体のケン化物(B)及び改質剤(C)を構成成
分とする本発明のインクジェット記録シート用樹脂組成
物で構成されている受像層が形成されている。
【0012】(記録シート用樹脂組成物)本発明に係る
インクジェット記録シート用樹脂組成物は、カチオン性
(メタ)アクリル共重合体(A)70〜100重量%、
酢酸ビニル系共重合体のケン化物(B)0〜30重量%
(これらの合計は100重量%)、及び(A)と(B)
との合計100重量部に対して改質剤(C)を0〜15
重量部配合してなるものである。ここで、各成分の構成
比率は全て固形分換算で表されている。
【0013】記録シート用樹脂組成物を構成する各成分
の比率は、インク吸収性、耐水性、印刷画質、光沢性、
耐ロール跡付着性等を損なわない範囲で選択できる。因
みに、カチオン性(メタ)アクリル共重合体(A)はイ
ンク定着性、耐水性、インク吸収性、印刷画質に影響
し、酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)はインク吸収
性、ギザロール跡付着性に影響するが、特にその重合度
はビーディング等の印刷画質に影響し、改質材(C)は
耐水性、基材への密着性、ビーディング等の印刷画質に
影響する。本発明に係る組成物における各成分の前記組
成比は、これらを考慮して各性能を高いレベルでバラン
スさせることを可能にしている。
【0014】本発明に係るインクジェット記録シート用
樹脂組成物の前記3種類の構成成分間の構成比と、該組
成物を受像層材として使用した場合の記録シートの特性
との関係について説明する。カチオン性(メタ)アクリ
ル共重合体(A)と酢酸ビニル系共重合体ケン化物
(B)の配合比は(70〜100重量%)/(0〜30
重量%)(両者の合計は100重量%)であるが、
(B)が30重量%を超えるとインク吸収性は上がる
が、(B)はインクの吸収により軟化する傾向があるの
で、ギザロール跡が付着し易くなり、好ましくない。一
方、(A)はインクを吸収しても軟化の度合いが小さい
ので、ギザロール跡が付着しない特性を有する。なお、
(A)以外の一般のカチオン性(メタ)アクリル共重合
体はインク吸収性は低いが、本発明に係る(A)はポリ
アルキレンオキサイド基を有する単量体(A1)及び親
水性基含有単量体(A2)を構成モノマーとして使用し
ているので、比較的高いインク吸収性があり、良好な印
刷画像が得られる。
【0015】酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)の重
合度は、200〜1000が好ましく、1000を超え
るとビーディング等の印刷画質不良が発生しやすくな
り、200未満では受像層にべたつきが発生しやすくな
る。改質材(C)は、(A)と(B)の合計100重量
部に対して、0〜15重量部なる比で配合されるが、1
5重量部を超えて多くなると、受像層のインク吸収性等
が低下しやすくなり、画質に影響が出る傾向が生ずる。
【0016】従って、本発明に係るインクジェット記録
シート用樹脂組成物の組成比は、上記のように問題とな
る各種影響、傾向を考慮すれば、カチオン性(メタ)ア
クリル共重合体(A)70〜100重量%、酢酸ビニル
系共重合体のケン化物(B)0〜30重量%(両者の合
計は100重量%)、(A)と(B)との合計100重
量部に対して改質剤(C)0.2〜10重量部なる配合
がより好ましいが、更に好ましくは(A)75〜95重
量%、(B)5〜25重量%、(A)と(B)との合計
100重量部に対して(C)0.5〜5重量部なる配合
比である。
【0017】次に、本発明に係るインクジェット記録シ
ート用樹脂組成物の各構成成分について説明する。 〔カチオン性(メタ)アクリル共重合体(A)〕カチオ
ン性(メタ)アクリル共重合体(A)を構成するポリア
ルキレンオキサイド基を有する単量体としては、ポリア
ルキレンオキサイド基を有し、親水性基含有単量体、架
橋性基含有単量体、カチオン性単量体、又は更に非イオ
ン性単量体との共重合体可能な単量体で、モノ、ジ、ト
リ或いはそれ以上のポリアルキレングリコールと(メ
タ)アクリル酸とのモノエステルであるポリアルキレン
オキサイド基含有(メタ)アクリレート単量体(A1
が使用され、具体的にはジエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)ア
クリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレン
グリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、グリセロール(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0018】これらの単量体のポリアルキレンオキサイ
ド基の構造式は、一般式:−[(CHR1)n−O]m−R2
示される。〔但し、一般式中のR1は水素原子、メチル
基又は水酸基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示
し、nは1〜5、mは1〜20の整数をそれぞれ示し、
n×m個のR1は互いに同一又は異なっていてもよ
い。〕 一般式において、nが5を超えるとインク吸収性が低下
し、mが20を超えるとベタツキが激しくなり好ましく
ない。n及びmの更に好ましい範囲としては、nが2〜
3、mが2〜9である。
【0019】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)を構成する親水性基含有単量体としては、例え
ば、カルボキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、
クロトン酸等の遊離のカルボキシル基又は酸無水物基を
有する単量体、又はこれらの塩(アルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)]、不
飽和多価カルボン酸又はその酸無水物と炭素数1〜20
程度の直鎖又は分岐鎖アルコールとのハーフエステル
[マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレ
イン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン
酸モノ2−エチルヘキシル等]、水酸基含有単量体
[(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒ
ドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシC
2-6アルキルエステル等]、アミド基含有単量体[(メ
タ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)ア
クリルアミド等]、スルホン酸基含有単量体[スチレン
スルホン酸、ビニルスルホン酸等]、エーテル基含有単
量体[ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類]等が
例示できる。これらの親水性基含有単量体も単独で又は
二種以上合わせて使用できる。上記例示の親水性基含有
単量体のうち、好ましいものとしてはカルボキシル基含
有単量体[(メタ)アクリル酸等]、水酸基含有単量体
[(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等]が挙げられる。
【0020】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)に使用される架橋性基含有単量体(A3)として
は、自己架橋性又は反応性官能基を有する種々の単量
体、例えば、エポキシ基含有単量体[(メタ)メタクリ
ル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、
1−アリルオキシ−3,4−エポキシブタン、1−(3
−ブテニルオキシ)−2,3−エポキシプロパン、4−
ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド
等]、メチロール基含有単量体又はその誘導体[N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド等のN−C1-4アルコキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブチロール(メタ)ア
クリルアミド等]、シリル基等の加水分解縮合性基含有
単量体[ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメトキシ
ジメチルシラン、ビニルエトキシジメチルシラン、ビニ
ルイソブトキシジメチルシラン、ビニルジメトキシメチ
ルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルジフェニル
エトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、γ−
(ビニルフェニルアミノプロピル)トリメトキシシラ
ン、γ−(ビニルベンジルアミノプロピル)トリメトキ
シシラン、γ−(ビニルフェニルアミノプロピル)トリ
エトキシシラン、γ−(ビニルベンジルアミノプロピ
ル)トリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、
ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ(β−メトキシ
エトキシ)シラン、ビニルジアセトキシメチルシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルビス(ジメチルア
ミノ)メチルシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビ
ニルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルメチルフェニルクロロシラン、アリルトリエトキ
シシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、アリルジアセトキシメチルシラン、アリルトリアセ
トキシシラン、アリルビス(ジメチルアミノ)メチルシ
ラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルク
ロロシラン、アリルトリクロロシラン、メタリルフェニ
ルジクロロシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルト
リメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルト
リエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
トリメトキシシラン(別名トリメトキシシランプロピル
(メタ)アクリレート)、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン等]、アジリジニル基含有単量体[(メタ)アクリ
ル酸2−(1−アジリジニル)エチル、(メタ)アクリ
ル酸2−(1−アジリジニル)プロピル、(メタ)アク
リル酸3−(1−アジリジニル)プロピル等]等が例示
できる。これらの架橋性基含有単量体は、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。好ましい架橋性基含有
単量体は、加水分解縮合性基、特にアルコキシシリル基
(メトキシシリル基,エトキシシリル基等のC1-4アル
コキシシリル基等)を有している単量体である。
【0021】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)を構成するカチオン性単量体(A 4)としては、
第3級アミノ基又はその塩基を有する種々の単量体のほ
か、第4級アンモニウム塩基を有する又は第4級アンモ
ニウム塩基を形成可能な種々の単量体が使用できる。カ
チオン性単量体としては、例えば、ジC1-4アルキルア
ミノ−C2-3アルキル(メタ)アクリルアミド又はその
塩[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド又はこれらの塩
等]、ジC1-4アルキルアミノ−C2-3アルキル(メタ)
アクリレート又はその塩[ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート又は
これらの塩等]、ジC1-4アルキルアミノ−C2-3アルキ
ル基置換芳香族ビニル又はその塩[4−(2−ジメチル
アミノエチル)スチレン、4−(2−ジメチルアミノプ
ロピル)スチレン等やこれらの塩等]、窒素含有複素環
式単量体又はその塩[ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール、ビニルピロリドン又はこれらの塩等]等が含まれ
る。塩としては、ハロゲン化水素酸塩(塩酸塩,臭化水
素酸塩等)、硫酸塩、アルキル硫酸塩(メチル硫酸塩、
エチル硫酸塩等)、アルキルスルホン酸塩、アリールス
ルホン酸塩、カルボン酸塩(酢酸塩等)等が例示でき
る。なお、第3級アミノ基にアルキル化剤(エピクロル
ヒドリンや塩化メチル,ベンジルクロライド等)を反応
させることにより第4級アンモニウム塩基を生成させて
もよい。
【0022】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)を構成する単量体として、通常、上記各種単量体
に、成膜性や被膜特性を調製するための非イオン性単量
体(A5)が組み合わせられて使用される。非イオン性
単量体(A5)としては、アルキルエステル[例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル
酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステ
アリル等の(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル
等]、シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シ
クロヘキシル等]、アリールエステル[(メタ)アクリ
ル酸フェニル等]、アラルキルエステル[(メタ)アク
リル酸ベンジル等]、芳香族ビニル類[スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等]、ビニルエステル
類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸
ビニル等]、アリルエステル類[酢酸アリル等]、ハロ
ゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニル等]、シ
アン化ビニル[(メタ)アクリロニトリル等]、オレフ
ィン類[エチレン、プロピレン等]等が例示できる。こ
れらの非イオン性単量体(A5)も単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。
【0023】上記非イオン性単量体(A5)としては、
通常、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル[特
にアクリル酸C2-10アルキルエステルやメタクリル酸C
1-6アルキルエステル]、芳香族ビニル類[特にスチレ
ン]、ビニルエステル類[特に酢酸ビニル]が使用され
る。
【0024】前記単量体類で構成されるカチオン性(メ
タ)アクリル共重合体(A)の重合様式については特に
制限されるものではなく、従って得られる共重合体は、
例えばランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック
共重合体等のいずれであってもよい。
【0025】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)を構成するポリアルキレンオキサイド基含有(メ
タ)アクリレート単量体(A1)、親水性基含有単量体
(A2)、架橋性基含有単量体(A3)、カチオン性単量
体(A4)及び非イオン性単量体(A5)の含有量は、そ
れぞれ8〜40重量%、1〜30重量%、0.2〜10
重量%、10〜50重量%及び10〜80重量%(これ
らの合計は100重量%)が好ましいが、それぞれ12
〜30重量%、2〜20重量%、0.4〜6重量%、2
0〜40重量%及び20〜70重量%がより好ましく、
それぞれ15〜25重量%、4〜15重量%、0.7〜
3重量%、25〜35重量%及び30〜60重量%が特
に好ましい。
【0026】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)の重量平均分子量は、特に限定されるものではな
いが、0.2×104〜100×104が好ましく、1×
104〜50×104の範囲が特に好ましい。0.2×1
4未満では低分子量成分が増えてベタツキの原因とな
る。一方、100×104を越えると粘度が高くなり、
生産上不都合が生じる。
【0027】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)のガラス転移温度は、成膜性等を損なわない範囲
で選択でき、造膜性が良い点で−20〜50℃が好まし
く、−10〜40℃がより好ましいが、特に好ましい温
度は0〜30℃である。このようなガラス転移温度の重
合体は、前記架橋性単量体、カチオン性単量体及びその
他の単量体を適宜組み合わせることにより調製できる。
前記単量体は、通常、前記の非イオン性単量体であるハ
ードモノマー[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、ス
チレン等のガラス転移温度80〜120℃(特に90〜
105℃)程度の単独重合体を形成する単量体]、ソフ
トモノマー[アクリル酸C2-10アルキルエステルなどの
ガラス転移温度−85〜−10℃(特に−85〜−20
℃)程度の単独重合体を形成する単量体]と組み合わせ
て共重合体を構成する場合が多い。前記各単量体を組み
合わせる場合、各単量体の割合は、(A)を構成する前
記(A1)〜(A5)の各成分の好ましい範囲を考慮して
選択できる。
【0028】カチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)の形態は、有機溶媒溶液、水溶液などの溶液であ
ってもよいが、通常、カチオン性エマルジョン(特に水
性エマルジョン)の形態である。このようなカチオン性
(メタ)アクリル共重合体(A)を含むカチオン性エマ
ルジョンは、慣用の方法、例えば、ノニオン系界面活性
剤及び/又はカチオン系界面活性剤を含む乳化重合系で
前記単量体を乳化重合する方法、前記単量体を重合した
後、第3級アミン塩又は第4級アンモニウム塩を形成し
て水性エマルジョンとする方法等により得ることができ
る。
【0029】〔酢酸ビニル系共重合体のケン化物
(B)〕本発明の記録シート用樹脂組成物を構成する酢
酸ビニル系共重合体のケン化物(B)は、酢酸ビニル系
共重合体のケン化物とその他の構成成分とを組み合わせ
て構成すると、インク吸収性をさほど損なうことなく耐
水性及び印刷画質を向上できる。前記(B)は、酢酸ビ
ニル単独重合体及び酢酸ビニルと他の共重合性モノマー
との共重合体の部分ケン化物であり、ケン化度は好まし
くは70〜95%、更に好ましくは75〜92%、特に
好ましくは79〜89%程度であり、重合度は200〜
1000が好ましく、300〜800がより好ましい。
重合度が200以下であると、耐水性が低くなるため好
ましくない。又、1000以上ではビーディングが発生
するため好ましくない。
【0030】上記酢酸ビニルと他の共重合性モノマーと
の共重合における好ましい共重合性モノマーとしては、
親水性基(例えば、カルボキシル基やこれらの塩、スル
ホン酸基やこれらの塩、酸無水物基、アミド基、水酸
基、エーテル基等)を有する親水性モノマーが含まれ、
特にエーテル基、なかでもアルキレンオキサイド基を有
するビニルモノマー、ジエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)ア
クリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリ
レート、グリセロール(メタ)アクリレートが好まし
い。これらの共重合性モノマーは単独で又は二種以上組
み合わせて使用できる。特に好ましいモノマーとして
は、オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位である
ビニル単量体である(メタ)アクリレート、特にポリオ
キシアルキレン(メタ)アクリレート(なかでもポリオ
キシエチレンアクリレート)が含まれる。
【0031】酢酸ビニル系共重合体のケン化物(B)に
おいて、共重合性モノマーの割合は、画像の鮮明性、耐
水性などを損なわない範囲で選択でき、好ましくはモノ
マー全体の0.1〜50モル%、より好ましくは1〜3
0モル%、更に好ましくは2.5〜25モル%(例え
ば、3〜20モル%)程度である。目的に応じて、酢酸
ビニル系共重合体のケン化物(B)は前記のごとく単独
で用いてもよく、複数種のケン化物を組み合わせて用い
てもよいし、他の親水性高分子を配合してもよい。
【0032】酢酸ビニル系共重合体のケン化物(B)と
組合せて使用できる上記親水性高分子(水溶性高分子又
は水不溶性であって吸水性を有する高分子)としては、
例えば、親水性天然高分子又はその誘導体(澱粉、コー
ンスターチ、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼ
ラチン、カゼイン、デキストリン等)、セルロース誘導
体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セル
ローススルフェート、シアノエチルセルロース等)、ビ
ニルアルコール系重合体(ポリビニルアルコール,エチ
レン−ビニルアルコール共重合体等)、エチレン系重合
体(エチレン−無水マレイン酸共重合体等)、酢酸ビニ
ル系共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体
等)、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサ
イド,エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロ
ック共重合体等)、カルボキシル基又はスルホン酸基を
有する重合体又はその塩[アクリル系重合体(ポリ(メ
タ)アクリル酸又はその塩(アンモニウム,ナトリウム
等のアルカリ金属塩)、メタクリル酸メチル−(メタ)
アクリル酸共重合体、アクリル酸−ポリビニルアルコー
ル共重合体等)、ビニルエーテル系重合体(ポリビニル
メチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のポ
リビニルアルキルエーテル、メチルビニルエーテル−無
水マレイン酸共重合体等)、スチレン系重合体(スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
等)、ポリビニルスルホン酸ナトリウム等]、窒素含有
重合体(又はカチオン性ポリマー)又はその塩(ポリビ
ニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリ
ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級ア
ンモニウム塩、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート塩酸塩、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミ
ダゾール、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミ
ン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等)等
が挙げられる。これらの親水性高分子は単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。これらの親水性高分子の
うち、セルロース誘導体(特にヒドロキシエチルセルロ
ース等)、ビニルアルコール系重合体、ビニルエステル
系重合体、ポリビニルピロリドン等が好ましい。又、ポ
リオキシアルキレン単位、アセトアセチル基、カルボキ
シル基、酸無水物基およびアミノ基から選択された少な
くとも1つの官能基を有する親水性高分子も好ましい。
【0033】〔改質材(C)〕本発明において改質剤
(C)として好ましく使用されるものは、水系ポリウレ
タン樹脂(C1)及び/又は水系ポリエステル樹脂
(C2)である。水系ポリウレタン樹脂(C1)を構成す
る水系ポリウレタンとは、ポリオール成分、ポリイソシ
アネート成分及びポリイソシアネート成分と反応する水
素原子を少なくとも2個含有する低分子量の鎖伸長剤と
から合成されるポリウレタンを水に溶解或いは分散させ
て得られるもので、公知の方法により合成される。即
ち、イソシアネートと反応しない溶剤中で比較的高分子
量のポリウレタンを合成した後、水を少しずつ加えて転
相乳化し、必要に応じて減圧により溶剤を除く方法や、
乳化剤を加え激しい攪拌により水中に分散させる方法、
又はポリマー中に親水性基、例えば、ポリエチレングリ
コールやカルボキシル基等を導入させたウレタンプレポ
リマーを水に溶解あるいは分散させた後、鎖伸長剤を添
加して反応させる方法等がある。
【0034】上述のポリウレタン製造に用いられるポリ
イソシアネート成分には、例えば、芳香族ポリイソシア
ネート(例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイ
ソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート等のジイソシアネート、
トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシ
アネート等)、芳香環を有する脂肪族系ポリイソシアネ
ート(例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、
1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネート等のジイソシアネート、1,
3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン等のポリイ
ソシアネート等)、脂環式ポリイソシアネート(例え
ば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、シクロヘキサン−
1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート、1,
3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン等のポリイ
ソシアネート等)、脂肪族ポリイソシアネート(例え
ば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,
2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等の脂
肪族ポリイソシアネート等)等が含まれる。ポリイソシ
アネート成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。ポリイソシアネート成分としては、ジイソシア
ネート成分を用いる場合が多い。又、ポリイソシアネー
ト成分は、多価アルコールにポリイソシアネート化合物
が付加し、末端にイソシアネート基を有するアダクト
体、ビュレット反応により生成したシアヌレート体、二
量体、三量体であってもよい。
【0035】ポリオール成分としては、例えば、ポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオール(例えば、
ポリオキシテトラメチレングリコール等のオキシ−C
2-4アルキレン単位を有するポリエーテルジオール
等)、ポリカーボネートポリオール(例えば、ポリカー
ボネートジオール等)等が挙げられる。ポリエステルポ
リオールは、多価アルコールと、多価カルボン酸又はそ
の低級アルキルエステル若しくは酸無水物との反応によ
り得られる、ヒドロキシル基を有するポリエステルであ
り、ラクトンから誘導されたものであってもよい。ポリ
オール成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。ポリオール成分としては、ジオール成分(例え
ば、ポリエステルジオール等)を用いる場合が多い。
【0036】ポリエステルポリオールを調製するための
多価アルコールには、例えば、脂肪族多価アルコール
(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等のC2-10アルキレンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
等のポリオキシ−C2-4アルキレングリコール、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオー
ル等)、脂環式多価アルコール(例えば、1,4−シク
ロヘキサンジメチロール、水素化ビスフェノールA等の
脂環式ジオール等)、芳香族多価アルコール[例えば、
2,2−ビス(2−ヒドロキシエチルフェニル)プロパ
ン等の芳香族ジオール等]等が含まれる。多価アルコー
ルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。多
価アルコールは、通常、脂肪族ジオールである。
【0037】多価カルボン酸としては、脂肪族多価カル
ボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族
ジカルボン酸、マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン
酸等)、脂環族多価カルボン酸(例えば、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等)、
芳香族多価カルボン酸(例えば、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族多価
カルボン酸等)等が例示できる。多価カルボン酸は、単
独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ラクトンに
は、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロ
ラクトン等が含まれ、単独で又は二種以上組み合わせて
使用Bしてもよい。
【0038】なお、必要により短鎖ポリオール(例え
ば、前記脂肪族多価アルコール等)をポリオール成分の
一部として用いてもよい。鎖伸長剤としてのポリアミン
成分としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオク
タン、キシリレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘ
キサンイソホロンジアミン、フェニレンジアミンなどの
ジアミン類、トリアミノプロパン等のポリアミン類が挙
げられる。このようにして得られるポリウレタンを単独
で使用してもよいし、複数のポリウレタンを用いてもよ
い。必要に応じて、他の樹脂や添加剤を配合することも
できる。
【0039】本発明に係る改質材(C)を構成する水系
ポリエステル樹脂(C2)とは、平均分子量が4000
〜30000のポリエステル樹脂が使用される。本発明
の水系ポリエステル樹脂(C2)は公知の製造技術によ
りジカルボン酸とジオールとをエステル化(エステル交
換)、重縮合させることによって製造されるが、その製
造方法についてはなんら限定されるものではない。
【0040】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸
のような芳香族ジカルボン酸又はそのエステルを主体と
することが好ましい。これは、芳香族ジカルボン酸の芳
香核が、疎水性のプラスチックと親和性が大きいために
密着性が向上する利点があるからである。特にテレフタ
ル酸を用いた水性ポリエステルはポリエチレンテレフタ
レート系ポリエステルの成形物に対して密着性が大き
く、好ましい水系ポリエステルである。
【0041】水系ポリエステル樹脂(C2)を構成する
ジカルボン酸成分としては、上記のような芳香族ジカル
ボン酸、又はそのエステルを使用することが好ましい
が、これら以外にアジピン酸、コハク酸、セバチン酸、
ドデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシ
安息香酸のようなヒドロキシカルボン酸又はこれらのエ
ステルを、ジカルボン酸成分として若しくはその一部と
して使用することもできる。エステルを使用する場合に
は、メチルエステル、エチルエステル等の低級アルキル
エステルが使用される。これらのエステルはモノエステ
ルでもジエステルでも差支えない。
【0042】一方、ジオール成分としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール類
が使用される。
【0043】本発明に使用する水系ポリエステル樹脂
(C2)は、水溶性あるいは水分散性を付与するために
分子中に親水基としてスルホン酸塩基或いはカルボン酸
塩基を含有するように重合される。スルホン酸塩を含有
させるための具体例としては5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸等のジカルボン酸成分をジカルボン酸成分の一
部として用いる方法が挙げられる。その使用量はジカル
ボン酸成分中に2〜15モル%が好ましい。カルボン酸
塩を含有させるための具体例としては、ポリエステル樹
脂の製造時に縮合酸成分として3官能以上の多価カルボ
ン酸を使用したり、ポリエステル樹脂に重合性の不飽和
カルボン酸をグラフトする方法等によりカルボン酸含有
のポリエステルを製造し、アルカリ金属、各種アミン
類、アンモニウム系化合物等とともに水溶性塩を形成す
る物質との塩類とする方法が挙げられる。ポリエステル
樹脂中のカルボン酸塩の量は、生成したポリエステル樹
脂の酸価が15〜250KOHmg/gが好ましい。
【0044】水系ポリエステル樹脂(C2)に使用する
ポリエステルは、分子量が4000〜30000である
が、この際分子量が4000未満では耐水性、耐ブロッ
キング性、密着性等の樹脂物性が低下し易く、3000
0を超えると水への均一な溶解若しくは分散が難しく、
時間の経過とともにゲル化する傾向がある。これらの点
から分子量は5000〜25000のものが好ましい。
【0045】水系ポリエステル樹脂(C2)は水溶液或
いは水分散液にされるが、その手段は、スルホン酸塩含
有ポリエステル樹脂の場合は、攪拌下に、好ましくは5
0〜90℃の温水に溶解若しくは分散させる。この場
合、樹脂の溶解もしくは分散を容易にするために水溶性
有機溶剤を併用してもよい。
【0046】水溶性有機溶剤としては、低級アルコール
類、多価アルコール類及びそのアルキルエーテル又はア
ルキルエステル類等が挙げられ、具体的には、メタノー
ル、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノ
ール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールアセテート、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル等が使用できる。又、カルボン酸塩含有ポ
リエステル樹脂の場合は、アンモニア水、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、各種アミン類等のアルカリ性化
合物を添加した、好ましくは50〜90℃の温水に攪拌
下に溶解もしくは分散させる。この場合も上記水溶性有
機溶剤を併用してもよい。このようにして得られるポリ
エステル樹脂は単独で使用してもよいし、複数のポリエ
ステル樹脂を組み合わせて用いてもよい。必要に応じ
て、他の樹脂や添加剤を配合することもできる。
【0047】更に、改質剤(C)としてポリエステル系
重合体樹脂組成物を用いてもよい。例えば、水系ポリエ
ステル樹脂(C2)と酢酸ビニル系共重合体のケン化物
(C2 1)とを混合した水溶液又は水分散液中で、親水性
ビニル単量体(C22)と共重合可能なビニル単量体(C
23)を重合した組成物である。ポリエステル系重合体樹
脂組成物に使用する酢酸ビニル系共重合体のケン化物
(C21)としては、酢酸ビニル系共重合体のケン化物
(B)として例示したものが好ましく使用できる。ポリ
エステル樹脂組成物に使用される親水性ビニル単量体
(C22)としては、ポリアルキレンオキサイド基含有単
量体等からなるカチオン性(メタ)アクリル共重合体
(A)に使用される親水性基含有単量体(A2)として
例示したものが好ましく使用できる。又、上記親水性ビ
ニル単量体(C22)と共重合可能なビニル単量体
(C23)としては、共重合体(A)に使用される非イオ
ン性単量体(A5)として例示したものが好ましく使用
できる。
【0048】ポリエステル系重合体樹脂組成物は、上記
水系ポリエステル樹脂(C2)と酢酸ビニル系共重合体
ケン化物(C21)の混合物に親水性のラジカル重合性ビ
ニルモノマー(C22)100〜60重量%と他の共重合
可能なビニルモノマー(C23)0〜40重量%をグラフ
ト重合して得られる。親水性ビニルモノマー(C22)が
60重量%以下になると水性インキの吸収性が悪くな
る。
【0049】ポリエステル系重合体組成物を得るための
重合方法としては、従来公知の方法を用いることができ
る。例えば上記水系ポリエステル樹脂と酢酸ビニル系共
重合体ケン化物の水溶液/水分散液中に重合開始剤と必
要に応じて少量の乳化分散剤を添加し、70〜80℃に
保ちながらラジカル重合性ビニルモノマーを攪拌しなが
ら徐々に添加し、その後2〜5時間熟成して重合を完結
し該重合体組成物を得る方法が挙げられる。ラジカル重
合性ビニルモノマーは水系ポリエステル樹脂及び酢酸ビ
ニル系共重合体ケン化物にグラフト重合しているため、
このポリエステル系グラフト重合体組成物は水性インキ
の吸収性に優れるとともにポリエステル樹脂の特徴であ
る密着性、耐水性、強靱性等の性質も合わせ持ってい
る。
【0050】重合開始剤としては一般的なラジカル重合
開始剤、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、
過酸化水素等の水溶性過酸化物、又は過酸化ベンゾイル
やt−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化
物、或いはアゾジイソブチロニトリル等のアゾ化合物が
使用できる。
【0051】水系ポリエステル樹脂(C2)と酢酸ビニ
ル系共重合体ケン化物(C21)とラジカル重合性ビニル
モノマー〔(C22)+(C23)〕の割合は、固形分比に
して水系ポリエステル樹脂100重量部に対して酢酸ビ
ニル系共重合体ケン化物が10〜500重量部、好まし
くは20〜300重量部であり、ラジカル重合性ビニル
モノマーが10〜500重量部、好ましくは20〜30
0重量部である。酢酸ビニル系共重合体ケン化物が10
重量部未満では画像の鮮明性、インキ吸収性が低下しや
すく、500重量部を超えると、基材のポリエステルフ
ィルム等プラスチックフィルム・合成紙への密着性が低
下しやすい。またラジカル重合性ビニルモノマーが10
重量部未満ではインキ吸収性が低下し易く、500重量
部を超えると耐水性が低下し易くなるばかりか、プラス
チックフィルム等の基材への密着性も低下する傾向が出
る。
【0052】得られるポリエステル系重合体には、必要
に応じてエポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂等の樹脂成分、イソシアネート系化合
物、エポキシ系化合物、カルボジイミド、シランカップ
リング剤等の架橋剤、シリカ、タルク、カオリンクレ
ー、炭酸カルシウム、雲母等の無機フィラーやポリアク
リル酸メチル、ポリアクリロニトリル系の有機フィラ
ー、チタン系やクロム系の無機顔料や有機顔料、造膜助
剤、増粘剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、帯電
防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤等従来公知の添加剤を
添加することができる。
【0053】(記録シート用樹脂組成物の配合)本発明
の記録シート用樹脂組成物には、硬化反応を促進するた
めに、硬化剤(硬化触媒又は硬化促進剤)を添加しても
よい。硬化剤としては、例えば、有機スズ化合物(ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジ
オクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエー
ト、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジメトキ
サイド、トリブチルスズサルファイト、ジブチルスズチ
オグリコレート、オクチル酸スズ等)、有機アルミニウ
ム化合物(アルミニウムイソプロピレート、アルミニウ
ムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムト
リス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテー
トアルミニウムジイソプロピレート等)、有機チタニウ
ム化合物(イソプロピルトリステアロイルチタネート、
テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チ
タネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシ
アセテートチタネート等)、有機ジルコニウム化合物
(テトラ−n−ブトキシジルコニウム、オクチル酸ジル
コニル、アルコキシジルコニウムとアセチルアセトン又
はアセト酢酸エステルとの反応物等)、酸性化合物(有
機酸、例えば、酢酸,プロピオン酸等の脂肪族有機カル
ボン酸,オキシカルボン酸、安息香酸等の芳香族カルボ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸等)、塩基
性化合物(塩基、例えば、トリエチルアミンなどの有機
塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩
基)、酸性リン酸エステル(モノブチルホスフェート、
ジブチルホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェ
ート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッド
ホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート等)、
前記酸性リン酸エステルとアミン(ヘキシルアミン、ト
リエチルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、3
−プロパノールアミン等)の混合物又は反応物が挙げら
れる。これらの硬化剤は単独で又は2種以上を混合して
用いることができる。
【0054】硬化剤の使用量は、硬化性を促進できる範
囲、例えば、固形分換算で、カチオン性アクリル共重合
体(A)、酢酸ビニル系共重合体(B)及び改質材
(C)で構成された樹脂組成物100重量部に対して
0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部程
度である。10重量部を越えると保存安定性が悪くな
る。
【0055】更に、着色剤(染料)の定着性を向上させ
るため、染料固着剤、特に高分子染料固着剤を用いるの
が有利である。染料固着剤(高分子染料固着剤)は、通
常、分子中にカチオン基(特に、グアニジル基や第4級
アンモニウム塩型の強いカチオン基)を有している。染
料固着剤は水溶性であってもよい。
【0056】染料固着剤としては、例えば、ジシアン系
固着剤(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合体等)、
ポリアミン系固着剤[ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、ジプロピレントリアミン、ポリアリル
アミン等の脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミン等の
芳香族ポリアミン、ジシアンジアミドと(ポリ)C2- 4
アルキレンポリアミンとの縮合体(ジシアンジアミド−
ジエチレントリアミン重縮合体等)]、ポリカチオン系
固着剤等が例示できる。ポリカチオン系固着剤として
は、例えば、エピクロルヒドリン−ジC1-4アルキルア
ミン付加重合体(エピクロルヒドリン−ジメチルアミン
付加重合体等)、アリルアミン又はその塩の重合体(ポ
リアリルアミン又はその塩酸塩の重合体、例えば、日東
紡績(株)、PAA−10C、PAA−HCl−3L、
PAA−HCl−10L等)、ジアリルC1-4アルキル
アミン又はその塩の重合体(ジアリルメチルアミン又は
その塩酸塩の重合体、例えば、日東紡績(株)、PAS
−M−1等)、ジアリルジC 1-4アルキルアンモニウム
塩の重合体(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
の重合体、例えば、日東紡績(株)、PAS−H−5
L、PAS−H−10L等)、ジアリルアミン又はその
塩と二酸化イオウとの共重合体(ジアリルアミン塩酸塩
−二酸化イオウ共重合体、例えば、日東紡績(株)、P
AS−92等)、ジアリルジC1-4アルキルアンモニウ
ム塩−二酸化イオウ共重合体(ジアリルジメチルアンモ
ニウムクロライド−二酸化イオウ共重合体、例えば、日
東紡績(株)、PAS−A−1、PAS−A−5、PA
S−A−120L、PAS−A−120A等)、ジアリ
ルジC1-4アルキルアンモニウム塩とジアリルアミン又
はその塩若しくは誘導体との共重合体(ジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド−ジアリルアミン塩酸塩誘導
体の共重合体、例えば、日東紡績(株)、PAS−88
0等)、ジアリルジC1-4アルキルアンモニウム塩重合
体,ジC1-4アルキルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト4級塩の重合体、ジアリルジC1-4アルキルアンモニ
ウム塩−アクリルアミド共重合体(ジアリルジメチルア
ンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、例え
ば、日東紡績(株)、PAS−J−81等)、アミン−
カルボン酸共重合体(例えば、日東紡績(株)、PAS
−410等)等が例示できる。これらの染料固着剤も単
独で又は二種以上混合して使用できる。
【0057】染料固着剤の使用量は、定着性を向上でき
る範囲、例えば、固形分換算で、カチオン性(メタ)ア
クリレート共重合体(A)及び酢酸ビニル系共重合体の
ケン化物(B)及び改質剤(C)で構成された樹脂組成
物100重量部に対して好ましくは0.1〜40重量
部、更に好ましくは1〜30重量部、特に好ましくは2
〜20重量部程度の範囲から選択できる。40重量部を
越えると染料の発色が悪くなり、かつインクの吸収性を
低下してしまう。
【0058】受像層には、必要に応じて、他の成分、例
えば、架橋性基を有していない重合体や重合体粒子を含
む水性エマルジョン(例えば、アクリル樹脂エマルジョ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、酢酸
ビニル系エマルジョン等)を含有させてもよい。
【0059】受像層には、粉粒体(顔料等)を含有させ
てもよい。ここに粉粒体としては、例えば、無機粉粒体
(ホワイトカーボン、微粒子状珪酸カルシウム、ゼオラ
イト、アミノ珪酸マグネシウム、焼成珪成土、微粒子状
炭酸マグネシウム、微粒子状アルミナ、シリカ、タル
ク、カオリン、デラミカオリン、クレー、重質炭酸カル
シウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸
化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物
質粉粒体等)、有機粉粒体(ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂等の架橋又は非架橋有機微粒子、微小中空粒子等の有
機質粉粒体等)が挙げられる。これらの粉粒体は1種又
は2種以上適宜選択して併用可能である。なお、粉粒体
を用いる場合、バインダー樹脂としては前記親水性高分
子が使用できる。粉粒体とバインダー樹脂との割合は、
例えば、バインダー樹脂100重量部に対して粉粒体
0.1〜80重量部、好ましくは0.2〜50重量部程
度である。受像層は、さらに特性を損なわない範囲で慣
用の添加剤、例えば、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、
界面活性剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤,紫外線吸収
剤、熱安定剤など)、帯電防止剤、アンチブロッキング
剤などを添加してもよい。
【0060】記録シート用樹脂組成物により形成する受
像層の厚みは、用途に応じて選択でき、例えば、3〜5
0μm、好ましくは6〜30μm程度であり、通常、5
〜15μm程度である。3μm未満ではインク吸収容量
が足りない傾向にあり、50μmを越えるとコスト及び
生産性に問題がある。本発明の記録シートは、前記受像
層を備えているので、インク吸収性およびインク定着性
が高く、耐水性、印刷画質、ロール跡付着問題が格段に
改善されている。即ち、インクジェット記録方式により
水系インクで印字部又は画像部をビーディングやロール
跡付着等の画質不良の発生なく形成し、乾燥した印字部
又は画像部を温度30度の水に1分間浸漬したとき、色
濃度保持率は80%以上(例えば、85〜100%程
度)が好ましいが、本発明の記録シートは85%以上
(例えば、90〜99%程度)である。
【0061】(記録シート製造方法)本発明の記録シー
トは、前記基材の少なくとも一方の面に、記録シート用
樹脂組成物からなる受像層を形成することにより製造で
きる。各受像層は、適当な溶媒(水、水溶性であっても
よい親水性溶媒、疎水性溶媒又はこれらの混合溶媒)を
用いて調製した塗布液を支持体に塗布することにより形
成できる。カチオン性(メタ)アクリル共重合体(A)
が水性エマルジョンの形態である場合、水性塗布液が使
用される。塗布液は、慣用の流延又は塗布方法、例え
ば、ロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコ
ーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコータ
ー、グラビアコーター、シルクスクリーンコータ法など
により、基材の少なくとも一方の面に流延又は塗布され
る。受像層は、前記成分を含む塗布液を基材の少なくと
も一方の面に塗布し、乾燥することにより形成できる。
又、必要に応じて、塗布液を塗布した後、50〜150
℃程度の範囲から選択された適当な温度で加熱して架橋
した受像層を形成してもよい。なお、前記受像層の上に
は、必要により、多孔質層、ブロッキング防止層、滑性
層、帯電防止層等を形成してもよい。本発明の記録シー
トは、インクの小滴を飛翔させて記録するインクジェッ
ト方式による記録シートとして有用であるが、オフセッ
ト印刷、フレキソ印刷などの印刷用シート(特に水性イ
ンキ用シート)等としても利用できる。
【0062】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。先ず、本発明に係るインクジェット記録シー
ト用樹脂組成物及び該樹脂組成物の成分を変えた樹脂組
成物を調製し、受像層を有する記録シートを作製し、実
施例及び比較例用に供し、実施例としての記録シート1
〜3及び比較例としての記録シート4〜6を作製し、各
種特性の評価を行った。なお、該各種特性の具体的評価
方法、及び評価結果の表示方法は後に説明する。
【0063】(実施例1)撹拌機、還流冷却器、滴下ロ
ート、窒素導入管及び温度計を備えた2000ml(ミ
リリットル)の反応容器に、イソプロピルアルコール
(IPA)219重量部及びアゾイソブチロニトリル
(AIBN)1.23重量部を入れて撹拌して溶解し、
80℃に加温した。次に、共重合体(A)の構成成分と
して、ポリエチレングリコールメタクリレート(日本油
脂(株)製、商品名ブレンマーPE−200、構造式:
CH2=CCH3COO(CH2CH2O)4-5H)(A1
分)49.3部、アクリル酸(A2成分)24.7部及
びトリメトキシシランプロピルメタクリレート(日本ユ
ニカー(株)製,商品名A−174)(A3成分)4.
93部、ジエチルアミノエチルメタクリレート(A4
分)49.3重量部、メチルメタクリレート(A5
分)93.7重量部、n−ブチルアクリレート(A5
分)98.7重量部を混合し、フラスコ中へ約4時間か
けて滴下した。滴下終了後、追加触媒としてAIBNの
0.25重量部と溶媒IPAの25重量部との溶液を滴
下し、更に2時間反応を継続して重合を完結させた。重
合終了後、撹拌を続けながら、酢酸16重量部をフラス
コ内に加え、引き続き水705重量部を約2時間かけて
滴下した後、ロータリーエバポレータで溶剤を蒸発さ
せ、カチオン性メタクリル共重合体(A)を得た。
【0064】前記の工程で得られたカチオン性メタクリ
ル共重合体(A)の80重量部と、酢酸ビニル系共重合
体ケン化物(B)((株)クラレ製、商品名PVA−4
05、ケン化度80.0〜83.0%、重合度500)
の20重量部と、水系ポリウレタン樹脂(C1)(旭電
化工業(株)製、商品名HUX−670−M2)の2重
量部を混合して、水性塗工液を得た。厚さ190μmの
アート紙(NKホワイトーングロス180.0)に、上
記水性塗工液を塗布し、110℃で3分間乾燥すること
により、厚さ15μmの受像層を形成し、記録シート1
を得た。上記配合比は固形分換算値を表す。以下、特に
説明がない限り、同様とする。
【0065】(実施例2)(B)(株)クラレ製PVA
−405を加えない以外は、実施例1と同様にして、記
録シート2を得た。
【0066】(実施例3)実施例1で使用のカチオン性
量が多い特徴を持つ(C1)(旭電化工業(株)製、H
UX−670−M2)に代え、カチオン性基量がHUX
−670−2Mよりも少ない水系ポリウレタン樹脂(C
1)(同社製、HUX−670)を用いた以外は、実施
例1と同様にして記録シート3を得た。
【0067】(実施例4)旭電化工業(株)製HUX−
670−20(C1)を加えない以外は、実施例1と同
様にして、記録シート4を得た。
【0068】(比較例1)実施例1で使用の(A)及び
(B)成分をそれぞれ20重量部及び80重量部とした
以外は、実施例1と同様にして記録シート5を得た。
【0069】(比較例2)旭電化工業(株)製HUX−
670−20(C1)を加えない以外は、比較例1と同
様にして、記録シート6を得た。
【0070】次に、各実施例及び比較例で得られた記録
シートの各種特性の評価方法を説明し、その結果は表1
及び2に示した。先ず、インクジェットプリンター(セ
イコーエプソン(株)製、商品名PM−770C)を使
用し、各実施例及び比較例で得られた記録シートに、シ
アン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各々の色を用い
たカラーパターンをフォト光沢紙モードで印刷し、記録
画像を形成した。
【0071】(ギザロール跡)記録画像を目視で観察
し、下記の基準でギザロール跡付着状況を判定した。 ○:ギザロール跡がまったく付着しない。 △:ギザロール跡が付着しにくく、あまり記録画像の外
観を損ねていない。 ×:ギザロール跡がはっきりと付着し、記録画像の外観
を損ねている。 (光沢度)記録画面の光沢度を光沢度計を用い、JIS
Z8741に従って測定した。 ○:60°グロスで70%以上 △:60°グロスで40%以上 ×:60°グロスで40%未満 (耐水性)記録画像上に水を一滴たらし、10秒間放置
後ティッシュペーパーで水滴を吸収し、その時の記録画
像を目視で観察し、下記の基準で耐水性を判断した。 ○:インク及び樹脂が溶解せずに画像に抜けが発生しな
い。 △:インク及び樹脂がやや溶解し、画像に少し抜けが発
生する。 ×:インク及び樹脂が溶解し画像に抜けが発生する。 (インク吸収性・画質)記録画像を目視で観察し、下記
の基準でインク吸収性・画質を判定した。 ○:同一の色濃度の部分が均一で、にじみ、ムラ、ビー
ディング等の画質不良がない。 △:部分的ににじみ、ムラ、ビーディング等の画質不良
がある。 ×:広い範囲においてにじみ、ムラ、ビーディング等の
画質不良がある。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】表1から明らかなように、記録シートの受
像層を形成する樹脂組成物の各成分(A)、(B)及び
(C)の配合比が本発明に規定する範囲内にあれば、得
られた記録シートはいずれもギザロール跡が付着し難
く、記録画像の外観を損ねず、良好である。又、ギザロ
ール跡が付着状況の良好であった記録シート1〜4につ
いて、光沢度を測定し、耐水性及びインク吸収性・画質
については観察して評価し、表2に示した。表2から明
らかなように、水系ポリウレタン樹脂の改質剤(C1
の少量でも使用することにより光沢度が良好になるが、
カチオン性基が10%多い水系ポリウレタン樹脂の改質
剤(C1)HUX−670−20を用いることにより、
画質がより良好になることが分かる。
【0075】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シート用樹
脂組成物及びそれを用いて形成される受像層を少なくと
も一方の面に有する記録シートは、光沢度、耐水性とイ
ンク吸収性を高いレベルに維持し、ギザロール跡付着問
題を改善しつつ、写真画質並みの印字品質を得ることを
可能にするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/04 C08F 290/06 // C08F 290/06 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA31 BA35 BA37 BA41 4J002 BB071 BB141 BC071 BC081 BC091 BC101 BC121 BD051 BD101 BE022 BE041 BF011 BF021 BG041 BG051 BG061 BG071 BG101 BG121 BG131 BH021 BJ001 BQ001 CF033 CF053 CF063 CF073 CH051 CK023 CK033 CK043 GS00 HA03 4J027 AC02 AC03 AC04 AC06 BA02 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA11 BA14 BA15 BA17 BA18 BA19 BA20 BA21 BA23 CA05 CA06 CA10 CB06 CB07 CB08 CC02 CD08

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録シート用基材の少な
    くとも一面に形成される受像層を構成する樹脂組成物で
    あって、少なくとも、ポリアルキレンオキサイド基含有
    (メタ)アクリレート単量体(A1)、親水性基含有単
    量体(A2)、架橋性基含有単量体(A3)及びカチオン
    性単量体(A4)を共重合してなるカチオン性(メタ)
    アクリル共重合体(A)70〜100重量%、酢酸ビニ
    ル系共重合体のケン化物(B)0〜30重量%(これら
    の合計は100重量%)及び(A)と(B)の合計10
    0重量部に対して改質剤(C)を0〜15重量部配合し
    てなるインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 カチオン性(メタ)アクリル共重合体
    (A)が、ポリアルキレンオキサイド基含有(メタ)ア
    クリレート単量体(A1)、親水性基含有単量体
    (A2)、架橋性基含有単量体(A3)、カチオン性単量
    体(A4)及び非イオン性単量体(A5)を共重合してな
    る共重合体である請求項1記載のインクジェット記録シ
    ート用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン性(メタ)アクリル共重合体
    (A)75〜95重量%、酢酸ビニル系共重合体のケン
    化物(B)5〜25重量%(これらの合計は100重量
    %)及び(A)と(B)の合計100重量部に対して改
    質剤(C)を0.5〜5重量部配合してなる請求項1又
    は2記載のインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 カチオン性(メタ)アクリル共重合体
    (A)75〜95重量%、酢酸ビニル系共重合体のケン
    化物(B)5〜25重量%(これらの合計は100重量
    %)及び(A)と(B)の合計100重量部に対して改
    質剤(C)を0.5〜3重量部配合してなる請求項1又
    は2記載のインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン性(メタ)アクリル共重合体
    (A)がポリアルキレンオキサイド基含有(メタ)アク
    リレート単量体(A1)を8〜40重量%、親水性基含
    有単量体(A2)を1〜30重量%、架橋性基含有単量
    体(A3)を0.2〜10重量%及びカチオン性単量体
    (A4)を20〜50重量%(これらの合計は100重
    量%)含有している請求項1、3、4のいずれかに記載
    のインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 カチオン性(メタ)アクリル共重合体
    (A)がポリアルキレンオキサイド基含有(メタ)アク
    リレート単量体(A1)を8〜40重量%、親水性基含
    有単量体(A2)を1〜30重量%、架橋性基含有単量
    体(A3)を0.2〜10重量%、カチオン性単量体
    (A4)を10〜50重量%及び非イオン性単量体
    (A5)を10〜80重量%(これらの合計は100重
    量%)含有している請求項2〜4のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録シート用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリアルキレンオキサイド基含有(メ
    タ)アクリレート単量体(A1)のポリアルキレンオキ
    サイド基が一般式:−[(CHR1)n−O]m−R2に示す構
    造である請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録シート用樹脂組成物。〔但し、一般式中のR1
    水素原子、メチル基又は水酸基を示し、R2は水素原子
    又はメチル基を示し、nは1〜5、mは1〜20の整数
    をそれぞれ示し、n×m個のR1は互いに同一又は異な
    っていてもよい。〕
  8. 【請求項8】 親水性基含有単量体(A2)の親水性基
    がカルボキシル基又はその塩、酸無水物基、水酸基、ス
    ルホン酸基又はその塩、アミド基、エーテル基から選ば
    れる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記
    載のインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 架橋性基含有単量体(A3)が加水分解
    縮合性基を有する単量体である請求項1〜6のいずれか
    に記載のインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 架橋性基含有単量体(A3)がアルコ
    キシシリル基を有する単量体である請求項1〜6のいず
    れかに記載のインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 カチオン性単量体(A4)が第3級ア
    ミノ基含有単量体、第3級アミンの酸塩含有単量体又は
    第4級アンモニウム塩基含有単量体のいずれかである請
    求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録シー
    ト用樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 非イオン性単量体(A5)が(メタ)
    アクリル酸エステル類、芳香族ビニル類又はビニルエス
    テル類のいずれかである請求項2〜4及び6のいずれか
    に記載のインクジェット記録シート用樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 酢酸ビニル系共重合体のケン化物
    (B)の重合度が200〜1000である請求項1〜1
    2のいずれかに記載のインクジェット記録シート用樹脂
    組成物。
  14. 【請求項14】 改質剤(C)が水系ポリウレタン樹脂
    (C1)及び/又は水系ポリエステル樹脂(C2)を含む
    請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット記録
    シート用樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の記
    録シート用樹脂組成物が使用され、基材の少なくとも一
    面に受像層として形成されてなることを特徴とするイン
    クジェット記録シート。
  16. 【請求項16】 基材面に形成された受像層の表面の光
    沢(JIS Z8741に従って測定した60°グロ
    ス)が60%以上である請求項15記載のインクジェッ
    ト記録シート。
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JP2009504823A (ja) * 2005-08-12 2009-02-05 チバ ホールディング インコーポレーテッド 強力接着被覆

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