JPH0976626A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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Publication number
JPH0976626A
JPH0976626A JP7232337A JP23233795A JPH0976626A JP H0976626 A JPH0976626 A JP H0976626A JP 7232337 A JP7232337 A JP 7232337A JP 23233795 A JP23233795 A JP 23233795A JP H0976626 A JPH0976626 A JP H0976626A
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JP
Japan
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ink
weight
parts
absorbing layer
support
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Withdrawn
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JP7232337A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Sato
裕喜 佐藤
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂フィルムは水性インクを吸収せ
ず、はじき、目的の模様等に印写できない。水性インク
は乾燥速度が遅く、インクの密着性も悪い。紙はインク
の吸収性が不均一であり、色の濃淡が出る。インクのに
じみが大きく、印写後の外観は鮮やかさに欠ける。 【解決手段】 水性インクを吸収するインク吸収層2を
支持体1に積層する。インク吸収層2として、支持体1
と接着可能な樹脂固形分100重量部に対しセルロース
アセテートもしくはコラーゲンを30〜500重量部配
合したものを採用した。この際、セルロースアセテート
にコラーゲンやシリカを、コラーゲンにシリカをそれぞ
れ併用してもよい。これにより、水性インクを速やかに
吸収して乾燥後の密着性に優れ、色の濃淡やインクのに
じみ等のない鮮やかな模様等を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、水性インクで印刷
したり、あるいは水性インクを用いたインクジェットプ
リンターで印写するために用いられる積層フィルム、い
わゆる水性インク対応フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、インクジェットプリンターの普及
により、該インクジェットプリンターで印写されたフィ
ルムが各種基材と貼り合わされ、盾板、懸垂幕、ロール
スクリーン、ブラインド、カーテン、シャッター、壁装
材、屋外アドボード等に使用される用途が出てきてい
る。
【0003】ここで、インクジェットプリンターによる
印写は、ノズルよりインクを噴射して被記録材に付着さ
せる方式であり、これに用いられるインクは、溶剤系の
インクでは早期に乾燥してノズルが詰まりやすくなるた
め、水性顔料を水に分散させた水性インクであり、青
色、赤色、黄色、黒色の4色の重なりで目的の色に記録
される。
【0004】このような用途において被記録材となるフ
ィルムとしては、使用場所(屋外、屋内等),使用方法
(基材への貼り合わせ方法)等の用途別により、ポリ塩
化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹
脂等の熱可塑性樹脂フィルムや普通紙等の紙が挙げられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、熱可塑性樹
脂フィルムを被記録材として使用する場合は、材質が樹
脂製であるため、水性インクを吸収せず、はじき、目的
の模様等に印写できない。また、水性インクは乾燥速度
が遅く、インクの密着性も悪い。
【0006】また、紙を被記録材として使用する場合
は、水性インクを吸収するが、紙の繊維の並びが不均一
で面形状が粗いため、インクの吸収性が不均一であり、
色の濃淡がでる。また、インクのにじみが大きく、印写
後の外観は鮮やかさに欠けたものとなる。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、水性インクを速やかに
吸収して乾燥後の密着性に優れ、色の濃淡やインクのに
じみ等のない鮮やかな模様等を形成しようとすることに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、インク吸収層を設け、かつこのインク吸
収層の組成を特定したことを特徴とする。
【0009】具体的には、本発明は、水性インクを吸収
するインク吸収層が支持体に積層された積層フィルムを
対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】すなわち、本発明の第1の解決手段は、上
記インク吸収層として、上記支持体と接着可能な樹脂固
形分100重量部に対しセルロースアセテートを30〜
500重量部配合したものを採用したことを特徴とす
る。
【0011】上記支持体としては、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂等の熱可塑
性樹脂フィルムや普通紙等の紙であり、目的用途によっ
てその素材や厚みを選定すればよい。
【0012】上記インク吸収層を構成する樹脂として
は、上記支持体と接着可能な例えばウレタン樹脂やアク
リル樹脂等であり、支持体と接着性を有するものであれ
ばその種類は問わない。
【0013】セルロースアセテートをこの樹脂と併用す
るのは、セルロースアセテート単独では支持体に接着し
ないからであり、また、セルロースアセテートは紙の素
材であるセルロースに無水酢酸を作用させることにより
作られたものであり、水分を吸収する性質があるからで
ある。このセルロースアセテートは、DMF(ジメチル
ホルムアミド)やメチルセロソルブアセテートに溶解す
ることにより、この溶解液を溶剤系ウレタン塗料、溶剤
系アクリル塗料等と均一に混合でき、この混合液をイン
ク吸収層とすることによりセルロースアセテートが水性
インク中の水分を吸収し、乾燥させる働きがある。
【0014】また、この混合液は、バーコーター、グラ
ビアコーター等で表面に平滑な塗膜を形成でき、しか
も、セルロースアセテートが均一分散していることによ
り部分的な水性インクの吸収差がなく、インク濃度の濃
度差が出ず、一定の濃度を有するインク吸収層を得るこ
とができる。
【0015】セルロースアセテートの配合量を樹脂固形
分100重量部に対し30〜500重量部に設定したの
は、30重量部未満では上述の如き水分吸収性、乾燥性
及び分散性等が低下する一方、500重量部を超えると
支持体に対する接着性が低下するからである。
【0016】本発明の第2の解決手段は、第1の解決手
段において、インク吸収層にさらにコラーゲンを30〜
500重量部配合したことを特徴とする。
【0017】上記コラーゲンは、動物の皮膚、腱等の結
合組織や、骨、象牙質等の硬組織に存在する繊維質状の
タンパク質である。
【0018】このコラーゲンをセルロースアセテートと
共にインク吸収層に用いるのは、水分を吸収する性質と
塗工後に艶消し状になる性質をもっており、椅子、ソフ
ァ等の合成皮革にも使用されており、夏期におけるベト
ツキ感を防止する働きがあるからである。
【0019】このコラーゲンもセルロースアセテートと
同様に、トルエン、MEK等の溶剤と混合した場合、均
一に分散し、溶剤系ウレタン塗料、溶剤系アクリル塗料
等と均一に混合でき、この混合液をインク吸収層とする
ことによりコラーゲンが水性インク中の水分を吸収し、
乾燥させる働きがある。
【0020】また、この混合液は、バーコーター、グラ
ビアコーター等で表面に平滑な塗膜を形成でき、しか
も、セルロースアセテートが均一分散していることによ
り部分的な水性インクの吸収差がなく、インク濃度の濃
度差が出ず、一定の濃度を有するインク吸収層を得るこ
とができる。さらに、コラーゲンを混合した場合、特有
の艶消し表面状態が得られ、水性インクの付きが良くな
る。
【0021】コラーゲンの配合量を樹脂固形分100重
量部に対し30〜500重量部に設定したのは、30重
量部未満では上述の如き水分吸収性、乾燥性及び分散性
等が低下する一方、500重量部を超えると分散不良が
生じ、塗工品の表面状態が悪くなるからである。
【0022】本発明の第3の解決手段は、第1の解決手
段において、インク吸収層にさらにシリカを50重量部
以下配合したことを特徴とする。
【0023】シリカをセルロースアセテートと共にイン
ク吸収層に用いるのは、艶消し状態の塗工表面を得るこ
とができ、しかもシリカは水分を吸収する性質を有する
ため、水性インクの濡れ性(水性インクのつき性)が向
上し、水性インクのにじみやはじきがなくなるからであ
る。
【0024】シリカの配合量を樹脂固形分100重量部
に対し50重量部以下に設定したのは、50重量部を超
えるとシリカが凝集し、塗工品表面に凝集物による凹凸
欠点が生ずるからである。
【0025】本発明の第4の解決手段は、第1の解決手
段において、インク吸収層にさらにコラーゲンを30〜
500重量部、シリカを50重量部以下配合したことを
特徴とする。
【0026】本発明の第5の解決手段は、上述の如く水
性インクを吸収するインク吸収層が支持体に積層された
積層フィルムにおいて、上記インク吸収層として、上記
支持体と接着可能な樹脂固形分100重量部に対しコラ
ーゲンを30〜500重量部配合したものを採用したこ
とを特徴とする。
【0027】本発明の第6の解決手段は、第5の解決手
段において、インク吸収層にさらにシリカを50重量部
以下配合したことを特徴とする。
【0028】以上の第4〜6の解決手段においてコラー
ゲン、シリカを用いる理由及びその配合割合は、第1〜
3の解決手段において説明したことと同じである。
【0029】本発明の第7の解決手段は、第1〜6の解
決手段のいずれか1の解決手段において、インク吸収層
の厚みを10μm以上に設定したことを特徴とする。
【0030】インク吸収層の厚みを10μm以上に設定
したのは、10μm未満では水性インクの吸収許容量が
足りず、インク吸収層の役目である水性インクの吸収,
乾燥が不十分になるからである。
【0031】本発明の第8の解決手段は、第1〜7の解
決手段のいずれか1の解決手段において、支持体のイン
ク吸収層と反対側の面に粘着剤層を積層したことを特徴
とする。
【0032】上記粘着剤層に用いる粘着剤は、例えばア
クリル系粘着剤等、基材等の被着体と貼り合わせ可能な
ものであれば、その種類を問わず用いることができる。
【0033】上記の構成により、本発明の第1〜6の解
決手段では、支持体が紙で面精度が粗くても、その面が
インク吸収層で覆われて塗工面の表面精度が向上する。
また、インク吸収層はそれを構成する樹脂によって支持
体との接着性が確保される。さらに、水性インクは、イ
ンク吸収層を構成するセルロースアセテートやコラーゲ
ン、又はこれらの混合物、さらにはシリカを併用したも
のによってインク吸収層に対するインクの付き、乾燥
性、インク濃度及びインクの密着性等が良くなる。
【0034】上記の構成により、本発明の第7の解決手
段では、水性インクがインク吸収層に十分に吸収され、
また、水性インクが速やかに乾燥する。
【0035】上記の構成により、本発明の第8の解決手
段では、予め粘着剤層が設けられていることにより、用
途によって新たに粘着剤層を設けたり、基材等の被着体
に粘着剤を塗工する手間が省け、使用に当たり便利とな
る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を比較例と
共に図面及び表を参照しつつ具体的に説明する。
【0037】(実施例1)塩化ビニル樹脂(重合度10
50)100重量部に対し可塑剤28重量部、チタン系
顔料、Ba−Zn系安定剤、アクリル系加工助剤を適宜
配合した材料をカレンダー加工にて厚み50μmでシー
ティングし、図1に示すような支持体1を得た。
【0038】次に、この支持体1に粘着剤を積層する目
的で厚み170μmの離型紙4にアクリル系粘着剤(主
剤:2−エチルヘキシアクリレート、ブチルアクリレー
ト、アクリル酸の混合物(綜研化学(株)製 SKダイ
ン1311)、硬化剤:TDI系イソシアネート、主
剤:硬化剤=100:3に混合した粘着剤)を塗工し、
乾燥後30μmの粘着剤層3を形成し、この粘着剤層3
と上記支持体1とを圧着ロールによりラミネートした。
【0039】インク吸収層の材料として、下記のものを
用意した。
【0040】 エステル系ポリオール(セイコー化成
(株)製 ラックスキンU−46、溶剤:トルエン、樹
脂固形分:20%)100重量部に対しHMDI系イソ
シアネート(セイコー化成(株)製 ラックスキンU−
4000)を2.0重量部添加し、30分間撹拌して得
たウレタン溶液 溶剤としてDMF90重量部に酢化度43〜45%
のセルロースアセテート(ダイセル化学工業(株)製
LL−10)を10重量部添加し、1時間撹拌して得た
濃度10%のセルロースアセテート溶液 のウレタン溶液100重量部と、のセルロースアセ
テート溶液500重量部とを混合し、30分間撹拌して
インク吸収層を形成する処理剤とした。この処理剤に
は、ウレタン樹脂固形分100重量部に対しセルロース
アセテートが250重量部配合されていることになる。
【0041】その後、上記支持体1の粘着剤層3と反対
側の面に上記処理剤をバーコーターにより塗工し、乾燥
して20μmのインク吸収層2を形成し、インクジェッ
ト記録用フィルムとしての積層フィルムAを得た。
【0042】この積層フィルムAのインク吸収層2の表
面に水性カラーインクを使用したインクジェットプリン
ター(セイコーエプソン(株)製 MJ−5000C)
にて印写した。
【0043】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この実施例1では、全ての評価項目において良
い結果が得られた。表1中、配合欄のセルロースアセテ
ート、コラーゲン及びシリカの数値は、ウレタン樹脂及
びアクリル樹脂の樹脂固形分100重量部に対する割合
である。
【0044】なお、表1のデータを得るに当たっての評
価方法を下記する。
【0045】<塗工面の表面状態>インク吸収層の表面
状態を目視にて評価した。
【0046】その判断基準は、平滑で印写に支障となる
凹凸欠点がなければ『良好』とし、凹凸欠点があれば
『凹凸欠点あり』とした。
【0047】<ベースフィルム(支持体)との接着性>
インク吸収層にカッターにて碁盤目(1mm間隔)を1
00箇所切り、セロテープを貼り付け、90度方向に急
激に引き剥がす。
【0048】その判断基準は、剥がれなければ『良好』
とし、剥がれが生ずる場合は『未接着』とした。
【0049】<インク付き性(インクのにじみ、はじ
き)>インク吸収層にインクジェットしたインクのにじ
み、はじき具合を目視にて評価した。
【0050】その判断基準は、インクのにじみ、はじき
がない場合を『非常に良好』、『良好』の2段階の評価
とし、インクのにじみ、はじきがある場合を『インクの
にじみあり』、『インクのはじきあり』とした。
【0051】<インクの乾燥性>インク吸収層にインク
ジェットしてから10分後に手で乾燥状態を評価した。
【0052】その判断基準は、乾燥していれば『乾燥し
ている』とし、乾燥していなければ『未乾燥』とした。
【0053】<インクの濃度>インクの濃度及び濃度差
を目視にて評価した。
【0054】その判断基準は、インクの濃度については
『高濃度鮮やか』、『高濃度』、『低濃度』の3段階評
価とし、インクの濃度差については『濃度差あり』、
『濃度差なし』とした。
【0055】<インクの密着性>インク吸収層にインク
ジェットしてから10分後に印写面にセロテープを貼
り、10往復指で擦った後、セロテープを剥離した時に
インクが積層フィルム側に残っているか否かを目視にて
評価した。
【0056】その判断基準は、インクが積層フィルム側
に残っていれば『インク剥離なし』とし、インクが積層
フィルム側に残っていなければ『インク剥離あり』とし
た。
【0057】<総合評価>総合評価は、上記の6つの評
価項目の結果を総合して○×式で行った。
【0058】◎印は非常に良いことを、○印は◎印の次
に良いことを、△印は少しだけ悪いことを、×印は△印
よりも悪いことをそれぞれ示す。
【0059】(実施例2)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0060】 アクリル系溶液(MMA系、溶剤:ト
ルエン、樹脂固形分:20%) 溶剤としてメチルセロソルブアセテート90重量部
に酢化度55%のセルロースアセテート(ダイセル化学
工業(株)製 L−70)を10重量部添加し、1時間
撹拌して得た濃度10%のセルロースアセテート溶液 シリカ のアクリル系溶液100重量部と、のセルロースア
セテート溶液200重量部と、のシリカを0.5重量
部とを混合し、30分間撹拌してインク吸収層を形成す
る処理剤とした。この処理剤には、アクリル樹脂固形分
100重量部に対しセルロースアセテートが100重量
部、シリカが2.5重量部配合されていることになる。
【0061】インク吸収層の厚みを30μmにしたほか
は実施例1と同様してインクジェット記録用フィルムと
しての積層フィルムAを得、実施例1と同様にして印写
した。
【0062】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この実施例2では、全ての評価項目において良
い結果が得られた。
【0063】(実施例3)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0064】 エステル系ポリオール(セイコー化成
(株)製 ラックスキンU−46、溶剤:トルエン、樹
脂固形分:20%)100重量部に対しHMDI系イソ
シアネート(セイコー化成(株)製 ラックスキンU−
4000)を2.0重量部添加し、30分間撹拌して得
たウレタン溶液 コラーゲン(昭和電工(株)製 トリアゼットCX
285−1) のウレタン溶液100重量部と、のコラーゲン20
重量部とを混合し、30分間撹拌してインク吸収層を形
成する処理剤とした。この処理剤には、ウレタン樹脂固
形分100重量部に対しコラーゲンが100重量部配合
されていることになる。
【0065】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムAを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0066】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この実施例3では、全ての評価項目において良
い結果が得られた。
【0067】(実施例4)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0068】 ウレタン溶液…実施例3と同様 コラーゲン…実施例3と同様 シリカ…実施例2と同様 実施例3の処理剤、つまり、のウレタン溶液100重
量部と、のコラーゲン20重量部と、のシリカ0.
6重量部とを混合し、30分間撹拌してインク吸収層を
形成する処理剤とした。この処理剤には、ウレタン樹脂
固形分100重量部に対しコラーゲンが100重量部、
シリカが3.0重量部配合されていることになる。
【0069】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムAを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0070】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この実施例4では、全ての評価項目において良
い結果が得られた。
【0071】(実施例5)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0072】 ウレタン溶液…実施例1と同様 セルロースアセテート溶液…実施例2と同様 コラーゲン…実施例3と同様 のウレタン溶液100重量部と、のセルロースアセ
テート溶液200重量部と、のコラーゲン60重量部
とを混合し、30分間撹拌してインク吸収層を形成する
処理剤とした。この処理剤には、ウレタン樹脂固形分1
00重量部に対しセルロースアセテートが100重量
部、コラーゲンが300重量部配合されていることにな
る。
【0073】インク吸収層の厚みを40μmにしたほか
は実施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルム
としての積層フィルムAを得、実施例1と同様にして印
写した。
【0074】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この実施例5では、全ての評価項目において非
常に良い結果が得られた。特に、インクの付き性が他の
実施例1〜4よりも優れていた。
【0075】(実施例6)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0076】 ウレタン溶液…実施例5と同様 セルロースアセテート溶液…実施例5と同様 コラーゲン…実施例5と同様 シリカ…実施例2と同様 のウレタン溶液100重量部と、のセルロースアセ
テート溶液200重量部と、のコラーゲン40重量部
と、のシリカ1.6重量部とを混合し、30分間撹拌
してインク吸収層を形成する処理剤とした。この処理剤
には、ウレタン樹脂固形分100重量部に対しセルロー
スアセテートが100重量部、コラーゲンが200重量
部、シリカが8.0重量部配合されていることになる。
【0077】インク吸収層の厚みを30μmにしたほか
は実施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルム
としての積層フィルムAを得、実施例1と同様にして印
写した。
【0078】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この実施例6では、全ての評価項目において非
常に良い結果が得られた。特に、インクの付き性が実施
例5と同様に他の実施例1〜4よりも優れていた。
【0079】(比較例1)インク吸収層を設けなかった
ほかは実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
【0080】この積層フィルムに実施例1と同様にして
印写した。
【0081】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例1では、インク吸収層がないため、
インクがはじいてその付き性が悪く、インクの乾燥性、
インク濃度の均一性、インクの密着性も悪かった。
【0082】(比較例2)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0083】 ウレタン溶液…実施例1と同様 セルロースアセテート溶液…実施例2と同様 のウレタン溶液100重量部と、のセルロースアセ
テート溶液40重量部とを混合し、30分間撹拌してイ
ンク吸収層を形成する処理剤とした。この処理剤には、
ウレタン樹脂固形分100重量部に対しセルロースアセ
テートが20重量部配合されていることになる。
【0084】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0085】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例2では、セルロースアセテートが2
0重量部(樹脂固形分に対する割合)で30重量部に満
たないことから、比較例1と同様にインクがはじいてそ
の付き性が悪く、インクの乾燥性、インク濃度の均一
性、インクの密着性も悪かった。
【0086】(比較例3)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0087】 ウレタン溶液…実施例1と同様 セルロースアセテート溶液…実施例2と同様 シリカ…実施例2と同様 のウレタン溶液100重量部と、のセルロースアセ
テート溶液500重量部と、のシリカ20重量部とを
混合し、30分間撹拌してインク吸収層を形成する処理
剤とした。この処理剤には、ウレタン樹脂固形分100
重量部に対しセルロースアセテートが250重量部、シ
リカが100重量部配合されていることになる。
【0088】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0089】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例3では、特に、シリカが100重量
部(樹脂固形分に対する割合)で50重量部を大きく超
えていることから、シリカが凝集して塗工面に凹凸欠点
が出た。
【0090】(比較例4)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0091】 ウレタン溶液…実施例1と同様 コラーゲン…実施例3と同様 のウレタン溶液100重量部と、のコラーゲン5重
量部とを混合し、30分間撹拌してインク吸収層を形成
する処理剤とした。この処理剤には、ウレタン樹脂固形
分100重量部に対しコラーゲンが25重量部配合され
ていることになる。
【0092】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0093】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例4では、コラーゲンが25重量部
(樹脂固形分に対する割合)で30重量部に満たないこ
とから、比較例1と同様にインクがはじいてその付き性
が悪く、インクの乾燥性、インク濃度の均一性、インク
の密着性も悪かった。
【0094】(比較例5)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0095】 ウレタン溶液…実施例1と同様 コラーゲン…実施例3と同様 のウレタン溶液100重量部と、のコラーゲン12
0重量部とを混合し、30分間撹拌してインク吸収層を
形成する処理剤とした。この処理剤には、ウレタン樹脂
固形分100重量部に対しコラーゲンが600重量部配
合されていることになる。
【0096】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0097】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例5では、特に、コラーゲンが600
重量部(樹脂固形分に対する割合)で500重量部を超
えていることから、分散不良が生じて塗工面に凹凸欠点
が出た。
【0098】(比較例6)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0099】 ウレタン溶液…実施例1と同様 コラーゲン…実施例3と同様 シリカ…実施例2と同様 のウレタン溶液100重量部と、のコラーゲン20
重量部と、のシリカ20重量部とを混合し、30分間
撹拌してインク吸収層を形成する処理剤とした。この処
理剤には、ウレタン樹脂固形分100重量部に対しコラ
ーゲンが100重量部、シリカが100重量部配合され
ていることになる。
【0100】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0101】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例6では、特に、比較例3と同様に、
シリカが100重量部(樹脂固形分に対する割合)で5
0重量部を大きく超えていることから、シリカが凝集し
て塗工面に凹凸欠点が出た。
【0102】(比較例7)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0103】 ウレタン溶液…実施例1と同様 セルロースアセテート溶液…実施例2と同様 のウレタン溶液100重量部と、のセルロースアセ
テート溶液1200重量部とを混合し、30分間撹拌し
てインク吸収層を形成する処理剤とした。この処理剤に
は、ウレタン樹脂固形分100重量部に対しセルロース
アセテートが600重量部配合されていることになる。
【0104】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0105】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例7では、特に、セルロースアセテー
トが600重量部(樹脂固形分に対する割合)で500
重量部を超えていることから、インク吸収層のベースフ
ィルム(支持体)への接着性が悪かった。
【0106】(比較例8)インク吸収層の材料として、
下記のものを用意した。
【0107】 ウレタン溶液…実施例1と同様 セルロースアセテート溶液…実施例2と同様 コラーゲン…実施例3と同様 のウレタン溶液100重量部と、のセルロースアセ
テート溶液30重量部と、のコラーゲン3重量部とを
混合し、30分間撹拌してインク吸収層を形成する処理
剤とした。この処理剤には、ウレタン樹脂固形分100
重量部に対しセルロースアセテートが15重量部、コラ
ーゲンが15重量部配合されていることになる。
【0108】そのほかはインク吸収層の厚みを含めて実
施例1と同様にしてインクジェット記録用フィルムとし
ての積層フィルムを得、実施例1と同様にして印写し
た。
【0109】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例8では、特に、セルロースアセテー
ト及びコラーゲンが15重量部(樹脂固形分に対する割
合)で共に30重量部に満たないことから、比較例1と
同様にインクがはじいてその付き性が悪く、インクの乾
燥性、インク濃度の均一性、インクの密着性も悪かっ
た。
【0110】(比較例9)実施例1と同様の処理剤を用
いて厚み5μmのインク吸収層を有する積層フィルムを
得、実施例1と同様にして印写した。つまり、処理剤に
は、ウレタン樹脂固形分100重量部に対しセルロース
アセテートが250重量部配合されていることになる。
【0111】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例9では、特に、インク吸収層の厚み
が5μmで10μmに満たないことから、インクの乾燥
性が悪かった。
【0112】(比較例10)積層フィルムの代わりにコ
ピー用紙(中性紙)を用い、実施例1と同様にして印写
した。
【0113】その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、この比較例10では、インクの付き性に若干の
問題があり、また、インク濃度に均一性が見られなかっ
たが、総合評価は比較例1〜9よりは良いものの、実施
例1〜6より劣る結果が出た。
【0114】
【表1】
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6に係
る本発明によれば、支持体が紙で面精度が粗くても、そ
の面をインク吸収層で覆って塗工面の表面精度を向上さ
せることができる。また、インク吸収層と支持体との接
着性を該インク吸収層を構成する樹脂によって確保する
ことができる。さらに、水性インクのインク吸収層に対
する付き性、乾燥性、濃度及び密着性等を、インク吸収
層を構成するセルロースアセテートやコラーゲン、又は
これらの混合物、さらにはシリカを併用したものによっ
て良くすることができる。
【0116】請求項7に係る本発明によれば、水性イン
クをインク吸収層に十分に吸収させることができ、ま
た、水性インクを速やかに乾燥させることができる。
【0117】請求項8に係る本発明によれば、予め設け
られた粘着剤層により、施工時に粘着剤層を設ける手間
を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層フィルムの断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 インク吸収層 3 粘着剤層 4 離型紙 A 積層フィルム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性インクを吸収するインク吸収層が支
    持体に積層された積層フィルムであって、 上記インク吸収層は、上記支持体と接着可能な樹脂固形
    分100重量部に対しセルロースアセテートが30〜5
    00重量部配合されてなることを特徴とする積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層フィルムにおいて、 インク吸収層は、コラーゲンが30〜500重量部配合
    されてなることを特徴とする積層フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の積層フィルムにおいて、 インク吸収層は、シリカが50重量部以下配合されてな
    ることを特徴とする積層フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の積層フィルムにおいて、 インク吸収層は、コラーゲンが30〜500重量部、シ
    リカが50重量部以下配合されてなることを特徴とする
    積層フィルム。
  5. 【請求項5】 水性インクを吸収するインク吸収層が支
    持体に積層された積層フィルムであって、 上記インク吸収層は、上記支持体と接着可能な樹脂固形
    分100重量部に対しコラーゲンが30〜500重量部
    配合されてなることを特徴とする積層フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の積層フィルムにおいて、 インク吸収層は、シリカが50重量部以下配合されてな
    ることを特徴とする積層フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積
    層フィルムにおいて、 インク吸収層は、厚みが10μm以上に設定されている
    ことを特徴とする積層フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積
    層フィルムにおいて、 支持体のインク吸収層と反対側の面には、粘着剤層が積
    層されていることを特徴とする積層フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000074945A1 (fr) * 1999-06-04 2000-12-14 Daicel Chemical Industries, Ltd. Composition de resine destinee a une feuille d'enregistrement par jet d'encre et feuille realisee a l'aide de cette composition
JP2009285908A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Kyocera Mita Corp インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP6427242B1 (ja) * 2017-09-06 2018-11-21 Kj特殊紙株式会社 インクジェット印刷用原紙の製造方法、及び熱硬化性樹脂化粧板の製造方法

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