JP3150598B2 - 水性インク用フィルム - Google Patents

水性インク用フィルム

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JP3150598B2 JP33840195A JP33840195A JP3150598B2 JP 3150598 B2 JP3150598 B2 JP 3150598B2 JP 33840195 A JP33840195 A JP 33840195A JP 33840195 A JP33840195 A JP 33840195A JP 3150598 B2 JP3150598 B2 JP 3150598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性インクで印刷し
たり、あるいは水性インクを用いたジェットプリンター
でプリント(印刷ないしは複写)するために用いられる
水性インク用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、インクジェットプリンターの普及
により、該インクジェットプリンターでプリントされた
フィルムを各種基材と貼り合わせ、屋外用又は屋内用の
看板、懸垂幕、ロールスクリーン、ブラインド、カーテ
ン、シャッター、壁装材等に使用することが検討されて
いる。
【0003】インクジェットプリンターによるプリント
は、ノズルよりインクを噴射してフィルムに付着させる
方式である。このプリンターの場合、溶剤系のインクで
は早期に乾燥してノズルが詰まりやすくなるため、水性
顔料を水に分散させた水性インクが一般に用いられ、青
色、赤色、黄色、黒色の4色のインクの重なりで目的の
色が得られている。プリントされるフィルムについて
は、使用場所(屋外、屋内等),使用方法(基材への貼
り合わせ方法)等の用途別により、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂等の熱可塑
性樹脂フィルムや普通紙等の紙等から選択されている。
【0004】また、特開平6−72015号公報には、
ポリエチレンテレフタレート等によるベースフィルムの
表面にインク受理層を形成してなるインクジェット記録
用フィルムが記載されている。このフィルムのインク受
理層は、シリカ等のマット化剤を含みグリオキザール等
で耐水化処理された親水性樹脂を主成分とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】とこころが、熱可塑性
樹脂フィルムを使用する場合は、材質が合成樹脂である
ため、水性インクを吸収せずにはじき、目的の模様等に
プリントできない。しかも、水性インクは乾燥速度が遅
く、インクの密着性も悪い。
【0006】紙は、水性インクを吸収するが、紙の繊維
の並びが不均一で表面が粗いため、インクの吸収性が不
均一であり、色に濃淡がでる。しかも、インクのにじみ
が大きく、プリント後の外観は鮮やかさに欠けたものと
なる。
【0007】また、上記親水性樹脂を主成分とするイン
ク受理層を有するインクジェット記録用フィルムの場
合、親水性樹脂という特別な樹脂を用いる必要があると
ともに、期待する効果を得ようとすると使用し得る樹脂
の種類が限られたものになる。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、水性インクを速やか
に吸収して乾燥後の密着性に優れ、色の濃淡やインクの
にじみ等がなく鮮やかにプリントすることができる水性
インク用フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
め、本発明はフィルムにインク吸収層を形成するにあた
り、炭酸カルシウムとコラーゲンとを添加物として併用
したことを特徴とする。以下、各請求項に係る発明を具
体的に説明する。
【0010】<請求項1に係る発明> この発明は、水性インクを吸収するインク吸収層がベー
スフィルムの表面に形成された水性インク用フィルムで
あって、上記インク吸収層は、上記ベースフィルムと接
着可能なウレタン樹脂100重量部に、炭酸カルシウム
とコラーゲンとの混合物が30〜500重量部配合され
てなることを特徴とする。
【0011】ここに、水性インクは、着色材(黒色を含
む)が顔料および/または染料であり、分散剤が水溶性
であるインクである。
【0012】(作用) 炭酸カルシウムは、一般に水圏に溶解しているCaCO
3 (炭酸カルシウム)が生物を通して、あるいは化学的
な原因によって沈殿し、堆積したものであり、水中で一
定の溶解度をもっている。この性質のために、炭酸カル
シウムが、当該発明においては、水性インク中の水分を
吸収し該水性インクの乾燥を促進する成分として働く。
つまり、炭酸カルシウムが水性インク中の水分を速やか
に吸収するために、該インクが当該インク吸収層に「に
じみ」や「はじき」なく定着され、また、その乾燥速度
が速くなり、しかも該インク吸収層への密着性も良くな
る。
【0013】また、炭酸カルシウムは、一般に樹脂溶液
と混和性がよく、その混合液をバーコーター、グラビア
コーター等によってコーティングした場合の塗膜の平滑
性を損なわない。このため、当該発明のインク吸収層
は、ベースフィルムと接着可能なウレタン樹脂に炭酸カ
ルシウムを配合してなるものであるが、当該インク吸収
層における炭酸カルシウムの均一分散性を確保し且つ表
面平滑性を得ることに支障はなく、従って、水性インク
中の水分の吸収むら、それに伴うインク濃度のむらを防
止することができる。
【0014】なお、炭酸カルシウムとウレタン樹脂との
混和性を良くするために、炭酸カルシウムの粒子表面を
脂肪酸、カチオン種等でコーティングすることもできる
が、当該発明では炭酸カルシウムを吸水剤として使用す
るものであるから、そのようなコーティング処理はない
方が好ましい。
【0015】コラーゲンは、動物の皮膚、腱等の結合組
織や、骨、象牙質等の硬組織に存在する繊維状のタンパ
ク質であり、上記炭酸カルシウムと同様に吸水剤として
の働きをするとともに、インク吸収層に艶消しの表面状
態を与えて水性インクの付きを良くし、しかも、夏期に
おけるべとつきを防止する。
【0016】ベースフィルムとしては、PVC,PP,
ポリエステル,アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂フィル
ムや紙などを用いることができ、その種類は問わない。
【0017】炭酸カルシウムとコラーゲンとの併用にお
いて、この両者を合わせた配合量をウレタン樹脂100
重量部に対し30〜500重量部とするのは、この範囲
で炭酸カルシウム及びコラーゲンの働きが良好なものに
なるからである。すなわち、30重量部未満の場合は、
水性インクに対する吸水性ないし乾燥力が低下する一
方、500重量部を超えると炭酸カルシウム及びコラー
ゲンの分散不良を招き易くなり、インク吸収層の表面状
態の悪化を招き易くなる。
【0018】<請求項2に係る発明> この発明は、上記請求項1に記載されている水性インク
用において、上記インク吸収層は、さらに、セルロース
アセテートが上記ウレタン樹脂100重量部あたり30
〜500重量部配合されてなることを特徴とする。
【0019】セルロースアセテートは、上記炭酸カルシ
ウムやコラーゲンと同様に吸水剤としての機能があって
同様の働きをする。炭酸カルシウム、コラーゲン及びセ
ルロースアセテートの併用の場合、セルロースアセテー
トの配合量を30〜500重量部とすることができる。
炭酸カルシウムやコラーゲンはウレタン樹脂の溶剤に不
溶であるが、セルロースアセテートは溶剤に可溶である
から、炭酸カルシウムとコラーゲンとを合わせた配合量
が500重量部あっても、それとは別にさらに該セルロ
ースアセテートを500重量部配合することができるも
のである。
【0020】この場合、セルロースアセテートの配合量
が30重量部未満では期待する効果が得られず、500
重量部を越える量になると、当該インク吸収層のベース
フィルムに対する接着性を確保することが難しくなる。
【0021】<請求項3に係る発明> この発明は、上記請求項1又は請求項2に記載されてい
る水性インク用フィルムにおいて、上記インク吸収層の
厚みが5μm以上に設定されていることを特徴とする。
【0022】当該発明において、上記インク吸収層の厚
みを5μm以上としているのは、それよりも薄いと水性
インクの吸収容量が不足し、水性インクの吸収・乾燥が
不充分になるからである。当該厚みは10μm以上とす
ることがより好ましい。また、その上限は特に問わず、
100μmであっても、200μmであっても問題はな
い。
【0023】<請求項4に係る発明> この発明は、上記請求項1乃至請求項3のいずれか一に
記載の水性インク用フィルムにおいて、上記ベースフィ
ルムの上記インク吸収層とは反対側の面に、粘着剤層が
形成されていることを特徴とする。
【0024】当該発明において、粘着剤としては、例え
ばアクリル系粘着など、当該水性インク用フィルムを接
着させるべき相手材との接着性が得られるものであれ
ば、その種類は問わない。
【0025】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ベースフ
ィルム上のインク吸収層が、該ベースフィルムと接着可
能なウレタン樹脂100重量部に炭酸カルシウムとコラ
ーゲンとの混合物を30〜500重量部配合してなるも
のであるから、該炭酸カルシウム及びコラーゲンによっ
て水性インク中の水分を吸収させ、該インクを当該イン
ク吸収層に、にじみやはじきなく速やかに乾燥・密着さ
せることができ、しかも、当該インク吸収層における炭
酸カルシウム及びコラーゲンの均一分散性を確保し、並
びにインク吸収層の平滑性を得る上で支障はなく、水性
インク中の水分の吸収むら、それに伴うインク濃度のむ
らを避けることができる。
【0026】また、ベースフィルムが表面の粗い紙であ
っても、この面をインク吸収層で覆って表面を平滑なも
のにすることができ、また、ベースフィルムとインク吸
収層との接着をインク吸収層のウレタン樹脂によって得
ることができる。
【0027】請求項2に係る発明によれば、上記請求項
1に記載されている水性インク用において、上記インク
吸収層が、さらに、セルロースアセテートを上記ウレタ
ン樹脂100重量部あたり30〜500重量部配合した
ものものであるから、水性インクをにじみやはじきなく
速やかに乾燥・密着させ且つインク濃度のむらをなくす
上でさらに有利になる。
【0028】請求項3に係る発明によれば、上記請求項
1又は請求項2に記載されている水性インク用フィルム
において、上記インク吸収層の厚みが5μm以上に設定
されているから、該インク吸収層によって上述の効果を
得る上で有利になる。
【0029】請求項4に係る発明によれば、上記請求項
1乃至請求項3のいずれか一に記載の水性インク用フィ
ルムにおいて、上記ベースフィルムの上記インク吸収層
とは反対側の面に粘着剤層が形成されているから、当該
水性インク用フィルムを各種の基材に貼付けることがで
きる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1には水性インク用フィルムが
示されている。該フィルムにおいて、1はベースフィル
ム、2はベースフィルム1の表面に形成されたインク吸
収層、3はベースフィルム1の裏面に形成された粘着剤
層、4は離型紙である。
【0031】(参考例1) 塩化ビニル樹脂(重合度1050)100重量部に対
し、可塑剤を28重量部、並びにチタン系顔料、Ba−
Zn系安定剤、及びアクリル系加工助剤を適量配合した
材料をカレンダー加工にて厚み50μmでシーティング
し、図1に示すようなベースフィルム1を得た。
【0032】次に、このベースフィルム1の裏面に粘着
剤層3を形成するために、厚み170μmの離型紙4に
アクリル系粘着剤(主剤:2−エチルヘキシルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、アクリル酸の混合物(綜研
化学(株)製 SKダイン1311)、硬化剤:TDI
系イソシアネート、主剤:硬化剤=100:3に混合し
た粘着剤)を塗工し、乾燥後30μmの粘着剤層3を形
成し、この粘着剤層3と上記ベースフィルム1とを圧着
ロールによりラミネートした。
【0033】次にインク吸収層2を形成するために、エ
ステル系ポリオール(セイコー化成(株)製ラックスキ
ンU−46,溶剤トルエン、樹脂固形分20%)100
重量部に対し、HMDI系イソシアネート(セイコー化
成(株)製ラックスキンU−4000)を2.0重量部
添加し、30分間攪拌し、ウレタン溶液とした。このウ
レタン溶液100重量部に炭酸カルシウム(白石工業
(株)製 Brilliant−1500,表面処理なし)を40
重量部添加し、30分間攪拌することによって、インク
吸収層用の材料を得た。
【0034】そして、上記ベースフィルム1、粘着剤層
3及び離型紙4よりなる積層シートのベースフィルム1
の面に上記インク吸収層用の材料をバーコーターにより
塗工し、乾燥させることによって、20μm厚のインク
吸収層2を形成し、インクジェット記録用フィルムとし
ての水性インク用フィルムを得た。
【0035】(参考例2) アクリル系樹脂溶液(MMA系,溶剤トルエン,樹脂固
型分20%)100重量部に対し、参考例1と同様の炭
酸カルシウムを50重量部添加し、30分間攪拌するこ
とによって、インク吸収層用の材料を得た。そして、こ
れを参考例1と同様にベースフィルム1に塗工し乾燥さ
せることによって、30μ厚のインク吸収層2を有する
水性インク用フィルムを得た。
【0036】(参考例3) 溶剤としてのDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)90
重量部に酢化度55%のセルロースアセテート(ダイセ
ル化学工業(株)製L−70)を10重量部添加し、1
時間攪拌し、濃度10%のセルロースアセテート溶液を
得た。そして、参考例1と同様のウレタン溶液100重
量部に対し、上記セルロースアセテート溶液200重量
部と参考例1と同様の炭酸カルシウム20重量部を添加
し、30分間攪拌することによって、インク吸収層用の
材料を得た。そして、これを参考例1と同様にベースフ
ィルム1に塗工し乾燥させることによって、20μ厚の
インク吸収層2を有する水性インク用フィルムを得た。
【0037】(実施例1) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム30重量部及びコラーゲ
ン(昭和電工(株)製トリアゼットCX285−1)4
0重量部を添加し、30分間攪拌することによって、イ
ンク吸収層用の材料を得た。そして、これを参考例1と
同様にベースフィルム1に塗工し乾燥させることによっ
て、20μ厚のインク吸収層2を有する水性インク用フ
ィルムを得た。
【0038】(実施例2) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム20重量部、参考例3と
同様のセルロースアセテート200重量部、実施例1と
同様のコラーゲン20重量部を添加し、30分間攪拌す
ることによって、インク吸収層用の材料を得た。そし
て、これを参考例1と同様にベースフィルム1に塗工し
乾燥させることによって、30μ厚のインク吸収層2を
有する水性インク用フィルムを得た。
【0039】(比較例1) 比較例1として、ベースフィルム1、粘着剤層3及び離
型紙4よりなる水性インク用フィルム(インク吸収層が
ない点のみが参考例1と相違する。)を準備した。
【0040】(比較例2) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム4重量部を添加し、30
分間攪拌することによって、インク吸収層用の材料を得
た。そして、これを参考例1と同様にベースフィルム1
に塗工し乾燥させることによって、20μ厚のインク吸
収層2を有する水性インク用フィルムを得た。
【0041】(比較例3) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム120重量部を添加し、
30分間攪拌することによって、インク吸収層用の材料
を得た。そして、これを参考例1と同様にベースフィル
ム1に塗工し乾燥させることによって、20μ厚のイン
ク吸収層2を有する水性インク用フィルムを得た。
【0042】(比較例4) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム60重量部及び参考例3
と同様のセルロースアセテート溶液1200重量部を添
加し、30分間攪拌することによって、インク吸収層用
の材料を得た。そして、これを参考例1と同様にベース
フィルム1に塗工し乾燥させることによって、20μ厚
のインク吸収層2を有する水性インク用フィルムを得
た。
【0043】(比較例5) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム60重量部及び実施例1
と同様のコラーゲン60重量部を添加し、30分間攪拌
することによって、インク吸収層用の材料を得た。そし
て、これを参考例1と同様にベースフィルム1に塗工し
乾燥させることによって、20μ厚のインク吸収層2を
有する水性インク用フィルムを得た。
【0044】(比較例6) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム2重量部及び参考例3と
同様のセルロースアセテート溶液20重量部を添加し、
30分間攪拌することによって、インク吸収層用の材料
を得た。そして、これを参考例1と同様にベースフィル
ム1に塗工し乾燥させることによって、20μ厚のイン
ク吸収層2を有する水性インク用フィルムを得た。
【0045】(比較例7) 参考例1と同様のウレタン溶液100重量部に対し、参
考例1と同様の炭酸カルシウム2重量部及び実施例1と
同様のコラーゲン2重量部を添加し、30分間攪拌する
ことによって、インク吸収層用の材料を得た。そして、
これを参考例1と同様にベースフィルム1に塗工し乾燥
させることによって、20μ厚のインク吸収層2を有す
る水性インク用フィルムを得た。
【0046】(比較例8) インク吸収層の厚みを2μとする他は参考例1と同じ水
性インク用フィルムを得た。
【0047】(比較例9) コピー用紙(中性紙)を水性インク用フィルムとした。
【0048】[評価] 上記実施例、参考例及び比較例の各々について、以下の
項目の評価を行なった。
【0049】〈塗工面の表面状態〉 インク吸収層の表面状態を目視にて評価した。その判断
基準は、平滑で印刷に支障となる凹凸がなければ『良
好』とし、そのような凹凸があれば『凹凸あり』とし
た。
【0050】〈ベースフィルムとの接着性〉 インク吸収層にカッターにて碁盤目(1mm間隔)を1
00箇所切り、セロテープを貼り付け、90度方向に急
激に引き剥がすことによって、インク吸収層とベースフ
ィルムとの接着性を評価した。その判断基準は、剥がれ
なければ『良好』とし、剥がれが生ずる場合は『不良』
とした。
【0051】〈インク付き性(インクのにじみ、はじ
き)〉 実施例、参考例及び比較例の各々の印刷面に対して、水
性カラーインクを使用したインクジェットプリンター
(セイコーエプソン(株)MJ−5000C)にて印刷
を行ない、インクのにじみ、はじき具合を目視にて評価
した。
【0052】その判断基準は、インクのにじみ、はじき
がない場合を『非常に良好』、『良好』の2段階の評価
とし、インクのにじみ、はじきがある場合を『にじ
む』、『はじく』とした。
【0053】〈インクの乾燥性〉 上記インクジェットプリンターによる印刷から10分後
に手で乾燥状態を評価した。その判断基準は、乾燥して
いれば『乾燥』とし、乾燥していなければ『未乾燥』と
した。
【0054】〈インクの濃度〉 上記インクジェットプリンターによる印刷後、インクの
濃度及び濃度差を目視にて評価した。
【0055】その判断基準は、インクの濃度については
『高濃度鮮やか』、『高濃度』、『低濃度』の3段階評
価とし、インクの濃度差については『濃淡あり』、『濃
淡なし』とした。
【0056】〈インクの密着性〉 上記インクジェットプリンターによる印刷から10分後
に印写面にセロテープを貼り、指で10往復擦った後、
セロテープを剥離したときにインクが水性インク用フィ
ルム側に残っているか否かを目視にて評価した。
【0057】その判断基準は、インクがフィルム側に残
っていれば『剥離なし』とし、インクがフィルム側に残
っていなければ『剥離あり』とした。
【0058】〈総合評価〉 総合評価は、上記の6つの評価項目の結果を総合して○
×式で行った。
【0059】◎印は非常に良いことを、○印は◎印の次
に良いことを、△印は少しだけ悪いことを、×印は△印
よりも悪いことをそれぞれ示す。
【0060】評価結果は表1に示されている。同表の配
合の各樹脂の欄の数値はその固形分重量を表わし(10
0重量部)、炭酸カルシウム、セルロースアセテート及
びコラーゲンの各々は樹脂固形分100重量部に対する
量を表わしている。厚みはインク吸収層の厚みである。
【0061】
【表1】
【0062】(評価結果について) 参考例1と参考例2とを比較すると、これらは共に良好
な結果を示している。従って、インク吸収層を形成する
樹脂としてウレタン及びアクリルのいずれをも用いても
良いことがわかる。
【0063】参考例3も参考例1と同様に良好な結果を
示している。従って、インク吸収層に炭酸カルシウムを
単独で用いても、炭酸カルシウムとセルロースアセテー
トとを併用しても良いことがわかる。
【0064】実施例1は、炭酸カルシウムとコラーゲン
とを併用した例であり、インクの付き性が非常に良好で
あって、そのため総合評価が非常に良い、という結果に
なっている。これは炭酸カルシウムに併用されたコラー
ゲンがインク吸収層に艶消しの表面状態を与えて水性イ
ンクの付きを良くしたものである。
【0065】実施例2は、炭酸カルシウム、セルロース
アセテート及びコラーゲンの三者を併用したものである
が、実施例1と同様に非常に良好な結果を示しており、
該三者の併用が有効であることがわかる。
【0066】これに対して、比較例1は実施例の如きイ
ンク吸収層がない例であり、インクの付き、乾燥性、イ
ンク濃度及びインクの密着性がすべて悪い。比較例2は
炭酸カルシウム量が少ない例であり、そのために比較例
1と同様の結果になっている。比較例3は炭酸カルシウ
ム量が多い例であり、そのために均一分散性が得られ
ず、インクのにじみ、濃淡等の不具合が出ている。
【0067】比較例4〜7は、炭酸カルシウムとセルロ
ースアセテート又はコラーゲンとを併用した例である。
比較例4はセルロースアセテート量が多い例であり、表
面状態は悪くないものの、ベースフィルムとの接着不
良、インクのにじみ、濃淡等の不具合が出ている。従っ
て、セルロースアセテートは溶剤に可溶ではあるが多量
には使用できないことがわかる。比較例5は炭酸カルシ
ウムとコラーゲンとの総量が500重量部を越えている
例であり、比較例3と同様の悪い結果になっている。炭
酸カルシウム及びコラーゲンは共に溶剤に対する溶解性
がなく、多量である結果、分散性が悪くなったためであ
る。比較例6は炭酸カルシウムとセルロースアセテート
とを併用した例であり、比較例7は炭酸カルシウムとコ
ラーゲンとを併用した例であるが、共にそれらの使用量
が少ないために、炭酸カルシウム量が少ない比較例2と
同様の悪い結果になっている。
【0068】比較例8はインク吸収層の厚みが薄い例で
あり、必要なインク吸収容量が得られないために、炭酸
カルシウム量が少ない比較例2と同様の悪い結果になっ
ている。コピー用紙を用いた比較例9はインクが若干に
じみ、濃淡・低濃度の問題があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の水性インク用フィルムの断面図
【符号の説明】
1 ベースフィルム 2 インク吸収層 3 粘着剤層 4 離型紙
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−143175(JP,A) 特開 平3−251487(JP,A) 特開 平6−32047(JP,A) 特開 平7−257014(JP,A) 特開 昭56−80489(JP,A) 特開 平9−193535(JP,A) 特開 平9−76626(JP,A) 特開 平8−295077(JP,A) 実開 平7−21362(JP,U) 特表 平8−503903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性インクを吸収するインク吸収層がベ
    ースフィルムの表面に形成された水性インク用フィルム
    であって、 上記インク吸収層は、上記ベースフィルムと接着可能な
    ウレタン樹脂100重量部に、炭酸カルシウムとコラー
    ゲンとの混合物が30〜500重量部配合されてなるこ
    とを特徴とする水性インク用フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されている水性インク用
    において、 上記インク吸収層は、さらに、セルロースアセテートが
    上記ウレタン樹脂100重量部あたり30〜500重量
    部配合されてなることを特徴とする水性インク用フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されている
    水性インク用フィルムにおいて、 上記インク吸収層の厚みが5μm以上に設定されている
    ことを特徴とする水性インク用フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載の水性インク用フィルムにおいて、 上記ベースフィルムの上記インク吸収層とは反対側の面
    に、粘着剤層が形成されていることを特徴とする水性イ
    ンク用フィルム。
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