JP2003260878A - 染料熱転写画像受容シート - Google Patents

染料熱転写画像受容シート

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JP2003260878A
JP2003260878A JP2002063895A JP2002063895A JP2003260878A JP 2003260878 A JP2003260878 A JP 2003260878A JP 2002063895 A JP2002063895 A JP 2002063895A JP 2002063895 A JP2002063895 A JP 2002063895A JP 2003260878 A JP2003260878 A JP 2003260878A
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Yuuko Shimizu
夕子 清水
Fumio Jinno
文夫 神野
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント後のインクリボンからの剥離が容易
であり、プリント画像の品質低下、受容シートの排紙不
良、インクリボンの切断などのスティッキングによるト
ラブルが発生することない染料熱転写画像受容シートの
提供。 【解決手段】 シート状支持体と、この支持体の表面上
に形成された染料画像の受容層と、支持体と画像受容層
との間に形成され、画像受容層より高いガラス転移温度
を有する中間層とを有し、画像受容層の厚さHaと中間
層の厚さHbの比がHa/Hb≦0.5なる関係を満た
し、必要により、画像受容層面にインクリボンを重ね合
わせてベタ印字した後、染料熱転写画像受容シートとイ
ンクリボンを剥離速度450±50mm/minで18
0°剥離した時、剥離温度100℃での剥離力Paと、
剥離温度40℃での剥離力PbとがPa−Pb≦20N
/mであるようにコントロールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料熱転写画像受
容シートに関するものである。さらに詳しく述べるなら
ば、本発明は、プリント後のインクリボンと染料熱転写
受容シートの剥離が容易であり、剥離により画像上に形
成される線状痕による画像の品質低下がなく、また、画
像受容シートのスティッキングによる走行不良などのト
ラブルが発生することなく、かつ印画濃度や画像保存性
を損なうことのない染料熱転写画像受容シートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱転写方式のカラーハードコピ
ー、特に昇華性染料熱転写プリンターの開発が進んでい
る。昇華性染料熱転写プリンターでは、3色(イエロ
ー、マゼンタ、シアン)のインク層を有するインクリボ
ン、あるいは3色のインク層と、その上にオーバーラミ
層を形成するインクリボンを、加熱エネルギーを連続的
に制御されたサーマルヘッドにより、所望画像に応じて
順次に加熱し、それぞれの色の染料の転写量を変化させ
ることにより、濃度階調のフルカラー画像を、画像受容
シート上に転写形成が可能になっている。さらに3色印
画後にオーバーラミ層を画像表面に転写することによ
り、画像表面の耐擦過性を向上し、皮脂による染料画像
の溶出、及び光による退色などから画像を保護し、画像
保存性を大幅に向上させることができる。このような熱
転写プリンターは、デジタルカメラの画像をプリントす
る用途、テレビ画像やビデオカメラで撮影した画像をは
がきに印画する用途、及びステッカーに印画する等の用
途に、一般家庭でも急速に普及している。
【0003】このようなプリンターに使用される染料熱
転写画像受容シート(以下、画像受容シートと記す)に
おいては、シート状支持体の一表面(表面)上に、昇華
性染料を受容する画像受容層が設けられている。そし
て、画像受容シートの裏面(画像受容層を設けた面に対
し反対側の面)には、一般に、(1)静電気による走行
性不良の防止、(2)静電気発生によるゴミや埃の吸引
防止、(3)受容シート間の摩擦係数の低減、などを目
的として裏面塗工層が設けられている。
【0004】このような画像受容シートにおいて、印画
の際に、インクリボンが、そのバインダー樹脂によって
画像受容シートの画像受容層表面に貼り付き、印画後に
インクリボンを画像受容層から剥離する際に、スティッ
キングと呼ばれ、剥離音の発生、走行不良、及び/又は
画像に剥離線が生ずるなどのトラブルが発生することが
ある。こういったスティッキングが発生すると、単にプ
リント画像の品質が低下するのみならず、特に、その程
度がひどい場合にはインクシートのバインダー樹脂が前
記画像受容層面に貼り付き、その結果、インクリボンが
インクリボン基体および前記画像受容層面の両方から剥
離しなかった場合においては、画像受容シートがインク
リボンに引っ張られることにより画像受容シートがプリ
ンターから送り出されずにプリンター内で詰まってしま
うという事故或は画像受容シートがプリンターから送り
出されてもインクリボンが切れてしまうという事故を生
ずることがある。
【0005】上記スティッキング現象を防止する目的
で、画像受容層を構成する材料を適宜に選択することに
より画像受容層のガラス転移温度を上げる試み、画像受
容層にポリエステル変性シリコーン樹脂を含有させる
(特開平4−126291号公報)などにより画像受容
層に離型剤を含有させる試み、画像受容層中の架橋剤の
含有量を増加させることにより画像受容層に含まれる染
着性樹脂などの架橋密度を向上させてインクリボンとの
粘着性もしくは接着性を低減させる試み、などが行われ
ている。しかし、画像受容層のガラス転移温度を上げる
と、得られる画像受容層上に形成される染料画像の最高
濃度が低くなるという現象が起こることが知られてい
る。また最近は画像保存性を向上させる目的で、印画さ
れた染料画像上に、オーバーラミ層を転写することが一
般的に行われている。ところが、離型剤の添加や架橋の
強化は、前記オーバーラミ層の転写接着を阻害する原因
となることが知られており、スティッキングの低減と画
像保存性とを両立させることは困難である。また、画像
受容シートの、インクリボンからの剥離力については融
着防止の目的で、画像受容層と粘着テープとの間の剥離
力(特許第2732831号公報)、及び画像受容層と
リボンとの間の剥離力(特開平10−100549号公
報)について検討されている。しかし、前記公報の発明
はいずれも剥離力の絶対値を規定したものであり、測定
時の温度を変化させたときに生ずる剥離力の変動に言及
したものはなかった。
【0006】また、スティッキング防止や融着防止の目
的で離型性を有する画像受容層を設けること(特開昭6
1−102293号公報)が試みられているが、この様
に離型性を有する層を設けると十分なオーバーラミ適性
が得られない。また、クッション性付与、平滑性向上、
および受容層転写型における保護層としての機能を付与
する目的でアンカー層及び/または中間層を設ける試み
(特開昭63−91286号公報、特開昭64−588
5号公報、特開平08−72412号公報)があるが、
スティッキング防止効果については記述も示唆も見られ
ない。更に、インクシートとのブロッキングの防止や印
画面のにじみ、画像受容層との密着性の向上を目的とし
て、画像受容シートの基材上に画像受容層以外の層を積
層すること(特開平08−276669号公報、特開平
04−31086号公報)が報告されているが、本願発
明の必須条件である受容層と中間層の厚み比に対する記
述やその示唆を見出すことは出来ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プリント後
のインクリボンと画像受容シートとの剥離が容易であ
り、インクリボンとのスティッキングによるトラブル、
例えば剥離線によるプリント画像の品質低下、プリンタ
ー内の搬送性不良、インクリボンの切断などが発生する
ことなく、かつオーバーラミ層の転写性が良好で、プリ
ントされた画像の色濃度及び画像保存性を損なうことの
ない染料熱転写画像受容シートを提供しようとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は画像受容層
と支持体の間に、画像受容層より高いガラス転移点を有
する中間層を設けた画像受容シートにおいて、画像受容
層と中間層との厚さを特定の比率に調整し、必要によ
り、単色インクリボンのベタ印字、3色インクリボンに
よるベタ印字などのような、ベタ印字を施したとき、画
像受容シートとインクリボンとの間の剥離力に関して、
異なる剥離温度における剥離力の差を特定範囲に制御す
ることにより上記画題を解決することができることを見
出したのである。
【0009】本発明の染料熱転写画像受容シートは、シ
ート状支持体と、この支持体の一表面上に形成され、か
つ染料画像を受容する画像受容層と、前記支持体と前記
画像受容層との間に形成され、かつ画像受容層より高い
ガラス転移温度を有する中間層とを有し、前記画像受容
層の厚さHaと前記中間層の厚さHbとが、下記関係式
(I): Ha/Hb≦0.5(I) を満足することを特徴とするものである。前記画像受容
層面にインクリボンを重ね合わせてベタ印字した後、染
料熱転写画像受容シートとインクリボンとを、剥離角度
180度、剥離速度450±50mm/minにおいて
剥離した時、剥離温度が100℃のときの剥離力Pa
と、剥離温度40℃のときの剥離力Pbとが、下記関係
式(II): Pa−Pb≦20N/m(II) を満たすことが好ましい。本発明の染料熱転写画像受容
シートにおいて、前記中間層が放射線硬化性樹脂の硬化
体からなることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の画像受容シートにおい
て、中間層のガラス転移温度が画像受容層のそれよりも
高いこと、及び画像受容層の厚さHaと中間層の厚さH
bの比がHa/Hb≦0.5であることの2条件を満た
す必要がある。また、本発明の画像受容シートにおい
て、好ましくは、画像受容層面にインクリボンを重ねて
ベタ印字した後、染料熱転写受容シートとインクリボン
とを、剥離角度180°、剥離速度450±50mm/
minにおいて剥離したとき、その剥離温度が100℃
のときの剥離力Paと、剥離温度が40℃のときの剥離
力PbとがPa−Pb≦20N/mなる関係を満すもの
である。さらに好ましい条件としては、中間層が放射線
硬化性樹脂の硬化体から形成されていることが挙げられ
る。中間層を放射線硬化性樹脂の硬化体から形成するこ
とにより、その厚さの制御が容易になり、かつその平滑
性を高めることが容易になり、その上に画像受容層を重
ねて塗工する際に、中間層を形成する樹脂成分溶出によ
るコンタミネーションを防止することができる。
【0011】本発明の画像受容シートにおいて、画像受
容層の厚さHaと中間層の厚さHbとは、関係式Ha/
Hb≦0.5を満すようにコントロールされることによ
り、中間層による粘弾性的性質の改善を発現させること
ができる。上記関係は、好ましくは0.002≦Ha/
Hb≦0.40であり、さらに好ましくは0.01≦H
a/Hb≦0.30である。好ましくは、インクリボン
と画像受容シートとを剥離速度450±50mm/mi
nにおいて180°の角度をもって剥離した時、その剥
離温度が100℃のときの剥離力Paと、剥離温度が4
0℃のときの剥離力Pbとが、関係式:Pa−Pb≦2
0N/mを満すようにコントロールすると、スティッキ
ングの原因となるスリップ−スティック現象を制御・防
止することが可能となり、得られる画像受容層は、良好
な印画適性を示す。この関係は、好ましくは、0≦Pa
−Pb≦17N/mを満すようにコントロールすると、
印画の際に、ほとんど剥離音が発生じないようになり、
また上記関係を0≦Pa−Pb≦15N/mを満すよう
にコントロールすることがさらに好ましい。
【0012】本願の関係式(II)は、プリント後、画
像受容層からインクリボンが剥離する際の温度条件に相
当するように、異なる剥離温度における剥離力の差を規
定したものであり、一般に市販されているインクリボン
の種類によって、得られる剥離力の差は殆ど変わらな
い。市販リボンの表面には融着防止機能が付与されてお
り、水(蒸留水)との接触角は60°以上である。本願
においては、好ましくは、水との接触角が70°〜10
0°のインクリボンを用いることにより、再現性のよい
値が得られる。なお、接触角は、TAPPI T458
に準拠して測定される。
【0013】本発明の画像受容シートにおいて、画像受
容層は、インクリボンから転写される昇華性染料を染着
し得る染着性樹脂を主成分として含むものである。この
ような染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体、及
び放射線硬化性樹脂等が例示される。画像受容層の塗工
量は、0.1〜5g/m2 であることが好ましく、より
好ましくは0.15〜3g/m2 である。塗工量が0.
1g/m2 未満であると、印画濃度が低下することがあ
り、塗工量の制御が困難である等の問題が生ずることが
ある。また、それが5g/m2 を越えると、その作用効
果が飽和し、不経済であるばかりか、却ってプリントさ
れた画像の色濃度が低下することがある。さらに、画像
受容層の厚さとしては、0.1〜5μmが好ましく、
0.15〜3μmがより好ましい。
【0014】受容層のガラス転移点(Tg)は、40〜
90℃が好ましく、40℃より低いと受容シート同士が
貼り付いて走行性が低下することがあり、一方、90℃
より高いと印画濃度が十分に出なくなることがある。受
容層のTgは、公知の染着性樹脂、架橋剤、及びその他
の添加物等を適宜選択することにより容易に調節するこ
とが可能である。例えば、受容層樹脂の架橋密度を上げ
ることによりTgは上昇し、また可塑剤の添加によりT
gを下げることもできる。
【0015】本発明の画像受容シートの画像受容層に
は、前述のように、インクリボンとの融着を防止するこ
とを目的として、架橋剤及び/又は、離型剤等を添加す
ることができる。前記架橋剤としては、上記画像受容層
の主成分染着性樹脂と架橋反応し得るイソシアネート化
合物が一般的に用いられている。また離型剤としては、
シリコーンオイル、シリコーン樹脂、離型性ワックスな
どが使用される。これらの添加量は画像受容層の所望性
能に応じて適宜に設定することができるが、一般に、架
橋剤は、染着性樹脂質量に対して1〜10質量%である
ことが好ましく、また離型剤は、染着性樹脂質量に対し
て、1〜50質量%であることが好ましい。
【0016】本発明の画像受容シートの中間層は、前述
のように、画像受容層も含めたシート状支持体上に設け
られた塗工層全体の粘弾性的性能を制御するという機能
を担っている。従って、中間層のガラス転移温度は、画
像受容層のそれよりも高いことが必要であり、70℃以
上が好ましく、さらに好ましくは、80℃を越えて18
0℃以下である。中間層のガラス転移温度が低くすぎる
と中間層によりシート状支持体上に設けられた塗工層全
体の粘弾性を所望値に制御する効果がないばかりか、印
画の際に高濃度印画部に印画焼けを起こす原因となるこ
とがある。
【0017】中間層のガラス転移点(Tg)は、公知の
高分子材料、放射線硬化性化合物等の選択や架橋条件に
より、容易に調節可能である。例えば、中間層樹脂の架
橋密度を上げることによりTgは上昇する。
【0018】中間層を構成する材料は、染料に染着性を
示す必要は必ずしも無く、高分子材料、及び放射線硬化
性化合物などの1種以上を使用して中間層を形成するこ
とができる。例えば、高分子材料としては、ABS樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエンコポリマー樹脂、セルロース
誘導体(ニトロセルロース、アセチルセルロース、セル
ロースアセテートブチレート、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ベンジルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネー
ト、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルピリジン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカルバ
ゾール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケ
トン樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカルボジイミ
ド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー、などの単一種、
又は2種類以上の共重合体、あるいはポリマーブレンド
を使用することが出来る。
【0019】またUV、EB、γ線など放射線で重合す
る放射線硬化性有機化合物としては、従来公知のモノマ
ー、オリゴマー、ポリマーが使用可能であり、例えば、
単官能化合物として、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレ
ート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリ
ン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチル
アクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシ
ルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロ
ニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジル
メタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリ
レート、メトキシトリエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェ
ノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキ
シポリプロピレングリコールアクリレート、ノニルフェ
ノキシポリエチレングリコールアクリレート、エチレン
オキシド変性フェノキシアクリレート、ノニルフェノキ
シポリプロピレングリコールアクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビ
トールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクト
ンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルア
クリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、アクリル酸−9,
10−エポキシ化オレイル、メタクリル酸−9,10−
エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレングリコールモ
ノアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジ
シクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオ
キシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3
−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレー
ト、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソ
ランのカプロラクトン付加物のアクリレート、ポリブタ
ジエンアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ
化リン酸アクリレート、イミドアクリレート等が挙げら
れる。
【0020】また、放射線硬化性多官能有機化合物とし
て、エタンジオールジアクリレート、エタンジオールジ
メタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレ
ート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、
1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,14−
テトラデカンジオールジアクリレート、1,15−ペン
タデカンジオールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレン
グリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオ
ールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノ
ールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビス
フェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変
性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピルオキ
シド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピ
レンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールエ
ステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステル
ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加
物ジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル
酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
トモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレン
エピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレー
ト、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキ
シド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポ
リエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イ
ソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性
グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド
変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシ
ド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレン
オキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプ
ロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、およびポリカプロラクトン変性ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。し
かしながら、本発明に用いられる放射線硬化性化合物は
上記の化合物に限定されるものではない。また、これら
の放射線硬化性化合物は、適宜、画像受容層に用いるこ
とも可能である。
【0021】これらの中でも特に下記の放射線硬化性化
合物を中間層形成用化合物中に配合することにより、得
られる中間層の効果を低減させることなく、中間層用塗
料の低粘度化を達成することができる。イミド(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プ
ロパンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオー
ルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,5
−ペンタンジオールジアクリレート、メチルペンタンジ
オールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、
2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジアクリレ
ート等。
【0022】中間層の塗工量は、2〜20g/m2 が好
ましく、さらに中間層の厚さとしては、2〜20μmが
好ましい。中間層の塗工量が、2g/m2 未満では、受
容層の塗工量も制約され、十分な効果が得られないこと
があり、一方、20g/m2を越えると、効果が飽和し
て不経済である。中間層を形成する場合、この中間層は
単一層からなるものであってもよく、或いは、支持体に
隣接する内側樹脂層と、その上に形成され、画像受容層
に隣接する外側樹脂層との2層構造を有していてもよ
い。
【0023】本発明の画像受容シートの画像受容層、及
び/又は中間層には蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤等を添加してもよい。これらの添加剤は、主
成分と混合して塗工されてもよいし、別の被覆層として
受容層と中間層との間、及び中間層と支持体との間の何
れかに塗工されてもいてもよい。また顔料をこれらの中
間に混合してもよい。画像受容層及び/又は中間層形成
用塗料組成物中に顔料を配合する場合、顔料の添加量は
乾燥後及び/又は硬化後の全樹脂100質量部に対し
て、80質量部未満であることが好ましく、より好まし
くは60質量部未満である。その含有量が80質量部以
上になると、本発明における各層の効果を低減させるば
かりではなく、乾燥前、又は硬化前の樹脂塗料の粘度が
過度に高くなり、流動性が不良になってしまうことがあ
る。顔料としては、クレー、カオリン、タルク、シリ
カ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、重質炭
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン(ア
ナターゼ型およびルチル型)、亜鉛華、硫酸バリウム等
の無機顔料、およびプラスチックピグメントとして知ら
れているポリスチレンのような有機顔料を使用すること
ができる。
【0024】これらの顔料は通常白色であり、表面無処
理のまま使用してもよいが、シロキサン、アルミナ、ア
ルコール、シランカップリング剤等で表面処理を施した
ものを使用してもよい。また顔料は、単一種からなるも
のでもよく、又は2種類以上を混合して使用してもよ
い。また、このような顔料を配合する際には分散剤、離
型剤、消泡剤、着色剤、染料、防腐剤等の公知の助剤を
必要に応じて配合することもできる。白色顔料を前記画
像受容層用塗料及び又は、中間層形成用高分子材料や放
射線硬化性樹脂組成物中に分散するには、3本ロールミ
ル(スリーロールミル)、2本ロールミル(ツーロール
ミル)、カウレスデルバー、ホモミキサー、サンドグラ
インダー、プラネタリーミキサー、および超音波分散機
等を使用することができる。
【0025】また必要に応じて画像受容層、及び/又は
中間層中に気泡を含有させてもよい。気泡を含有させる
方法としては、炭酸ガス及び窒素などの不活性ガスを塗
料中に溶解させておき、これを加熱する物理発泡法、発
泡剤などを熱及び/又は放射線によって分解させること
により気体を発生させる化学発泡法、塗料中に中空粒子
などを含有させる方法、塗料中に特定の溶剤に可溶な成
分と不要な成分とを混在させておき、得られた乾燥後の
塗布層から、可溶性成分を溶出させて空隙を形成する溶
出法、などを挙げることができる。
【0026】本発明の画像受容シートの裏面には必要に
より裏面塗工層を設けてもよい。裏面塗工層は、接着剤
樹脂を主成分として含み、必要に応じて、導電剤、滑り
剤及び顔料の1種以上を含んでいてもよく、また万一画
像受容シートの表裏を誤って印画した場合でも、インク
リボンとの融着を防止することを目的として、裏面塗工
層中に融着防止剤を含有させてもよい。裏面塗工層用接
着剤樹脂としては、公知の高分子バインダーを任意に選
択して使用することができる。例えばアクリル樹脂エマ
ルジョン、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス、ポリビニルアルコール、澱粉、及びスチレン−マレ
イン酸共重合体アンモニウム塩等の1種以上を用いるこ
とができる。裏面塗工層用導電剤としては、市販の帯電
防止剤が使用できるほか、酸化チタン、酸化亜鉛などの
微粉末を、不純物と混合し、これを焼成して電子伝導性
を高めた、電子伝導性無機微粉末を使用することができ
る。また、裏面塗工層用滑り剤および融着防止剤として
は、市販のワックス、シリコーン樹脂などが使用でき
る。さらに裏面塗工層用顔料としては、シリカ、クレ
ー、酸化チタン、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムな
どの1種以上を用いることができる。裏面塗工層の塗工
量には特に制限されないが、それは0.1〜10g/m
2 の範囲内にあることが好ましい。それが少なすぎると
所望の効果が十分に発揮されないことがあり、またそれ
を10g/m2 を越えて多くしても、それ以上の効果を
期待できないばかりか、コストを上昇させることがあ
る。
【0027】また、プリンター内を画像受容シートが走
行するとき、静電気による走行トラブルの発生を防ぐた
め、画像受容シートの画像受容層面上に、画像受容層と
中間層との間に、あるいは中間層とシート状支持体の間
に、裏面塗工層とは別に導電剤、又は導電剤と高分子バ
インダーを主成分とする導電層を設けてもよい。この導
電層の組成、塗布量などは、導電剤含有裏面塗工層と同
様にしてもよい。
【0028】本発明の画像受容シートに用いられるシー
ト状支持体については、その種類、形状、寸法、組成な
どに関しては特に制限はない。一般に、紙(例えば上質
紙、塗工紙、ラミネート紙)、ガラスペーパー、プラス
チックフィルム、プラスチックフィルムを擬紙化したい
わゆる合成紙、布、合成繊維、不織布、またはアルミニ
ウム箔等の比較的厚さの薄いものを用いることができ
る。紙基体としては、通常50〜300g/m2 の坪量
を有し、表面の平滑なものが用いられる。
【0029】本発明で用いられる紙基体の種類にも特に
制限は無い。紙基体を形成するパルプとしては、一般的
には、樅、栂等から製造した針葉樹パルプ、楓、ブナ、
ポプラ等から製造した広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合
パルプ等の天然パルプを主成分とするものが広く用いら
れ、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパル
プ等の晒パルプ、及びECFパルプ、TCFパルプのよ
うな塩素フリーパルプ等を使用できる。また合成繊維や
合成パルプを含むパルプから製造した紙基体も使用でき
る。前記紙基体には、通常の各種添加剤、例えば乾燥紙
力増強剤、サイズ剤、填料、湿潤紙力増強剤、定着剤及
びpH調整剤等の1種類以上を含んでいてもよい。
【0030】また、本発明の画像受容シートのシート状
支持体は、例えば、上質紙のような紙基体の片面または
両面に、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化マグネシウ
ム、プラスチックピグメント等の1種以上の顔料、およ
びアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−アクリ
ル酸共重合体樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂等の1種以上の合成樹脂とを主成分とに含む顔料
塗被層が形成されているコート紙、キャストコート紙、
アート紙などの顔料塗被紙であってもよく、或は、ポリ
エチレンのようなポリオレフィン樹脂で片面あるいは両
面にラミネートが施されているラミネート紙であっても
よい。またシート状支持体として紙基体を使用する場合
は、中間層用高分子材料や放射線硬化性樹脂組成物の浸
透を防止するため、紙基体の中間層に接する表面に別途
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、
及び酸化澱粉等1種以上からなるバリヤー剤によりプレ
コート層を設けてもよい。
【0031】さらに本発明の画像受容シートに用いられ
るシート状支持体用紙基体の代わりに、プラスチックフ
ィルム、又はいわゆる合成紙を使用してもよい。例え
ば、シート状支持体として、ポリプロピレン樹脂又はポ
リエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂を含む熱可塑
性樹脂組成物から溶融押し出し法により形成されたフィ
ルムを使用してもよい。また、これらのフィルムを擬紙
化加工して得られた合成紙も、シート状支持体として用
いることができる。シート状支持体として使用されるプ
ラスチックフィルム及び合成紙は、それぞれ単一層から
なるものであってもよく、或は複数の、互に異なる及び
/又は同種の2枚以上のフィルムを貼りあわせたもので
あってもよく、さらに、これらのフィルム又は合成紙
に、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、二酸
化チタン、水酸化マグネシウム等の顔料、ステアリン酸
亜鉛等の金属石鹸、各種の界面活性剤等の分散剤、およ
び有色顔料等の1種類以上が含まれてもよい。
【0032】また、本発明の画像受容シートにおいて、
シート状支持体とその上に形成される樹脂被覆層又は中
間層との接着性及び濡れ性を良くするために支持体表面
にコロナ処理やサブコート等の表面処理を施してもよ
い。本発明の熱転写画像受容シートの支持体の裏面に
は、溶融押し出し法によるポリオレフィン樹脂の塗工形
成、又は放射線硬化性樹脂を塗工した後に放射線照射に
よる硬化被膜の形成により樹脂被覆層を形成したり、カ
ール防止、帯電防止、筆記性付与のため、裏面塗工層を
設けることが出来る。裏面塗工層には前述のように帯電
防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬膜剤、顔
料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有させてもよ
い。
【0033】本発明の画像受容シートにおいて、画像受
容層及び中間層は、それぞれ異なる材料からなる2層以
上の樹脂層から構成されていてもよい。中間層又は画像
受容層を塗被する方法としては、例えばバーコート法、
エアードクターコート法、ブレードコート法、スクイズ
コート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グ
ラビアコート法、トランスファーコート法、コンマコー
ト法、スムージングコート法、マイクログラビアコート
法、リバースロールコート法、マルチロールコート法、
ディップコート法、ロッドコート法、キスコート法、ゲ
ートロールコート法、落下カーテンコート法、スライド
コート法、ファウンテンコート法、リップコート法およ
びスリットダイコート法等を用いることができる。特に
キャスト法において、成形基体として金属製円筒型回転
体を使用する場合には、金属製円筒型回転体の表面に傷
を付けないために、塗布用ゴムロールを使用するロール
コート法あるいはオフセットグラビアコート法を用いる
ことが好ましく、さらに、非接触タイプのファウンテン
コーターやスリットダイコーター等が有利に用いられ
る。キャスト法に用いられる成形基体としては、前記金
属製円筒型回転体を使用することができるが、その材質
形状に限定はなく、例えばステンレススチール、銅、ク
ロム等から形成され、鏡面仕上げされた平滑な周面を有
しているものが好適に用いられる。画像受容層や中間層
などの形成に放射線硬化性樹脂を用いた場合は、塗布さ
れた層に放射線を照射し、架橋、重合反応によって硬化
樹脂層を形成する。また画像受容層や中間層がイソシア
ネートのような熱硬化性の添加剤を含む場合は、塗布・
乾燥後に「ムロ入れ」と呼ばれる恒温槽中で特定の温度
(例えば30〜100℃)に一定時間(例えば1〜10
日間)保持して架橋を促進させる処理を施すことができ
る。
【0034】本発明において、放射線硬化樹脂塗料を硬
化させるための放射線としては、例えば、電子線、紫外
線等の中から選ばれる1種以上の高エネルギー線を用い
ればよい。電子線照射に用いられる電子線照射装置とし
ては、特にその方式に制限はないが、例えばハンデグラ
ーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、ブ
ロードビーム方式、およびカーテンビーム方式等の電子
線照射装置を用いることができる。これらの中でも比較
的安価で大出力の得られるカーテンビーム方式が本発明
において、画像受容層や中間層の形成に有効に用いられ
る。
【0035】電子線照射の際の加速電圧は、透過力、硬
化力の面から100〜1000kVであることが好まし
く、より好ましくは100〜300kVの電子線加速器
器を用い、ワンパスの吸収線量が0.1〜20Mradにな
るようにすることが好ましく、さらに、0.5〜10Mr
adが特に好ましい。加速電圧、あるいは電子線照射量が
上記の範囲より低いと、電子線の透過力が低すぎて、中
間層の内部まで十分な硬化が行なわれず、またこの範囲
より大きすぎるとエネルギー効率が悪化するばかりでな
く、シート状支持体の強度低下や樹脂、添加剤の分解な
ど品質上好ましくない影響が現われる。なお、電子線照
射に際して照射雰囲気の酸素濃度が高いと、電子線硬化
性化合物の硬化が妨げられるため、照射雰囲気内の空気
を窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスにより置
換し、酸素濃度を好ましくは1000ppm以下、より
好ましくは500ppm 以下に抑制することが好まし
い。
【0036】紫外線が用いられる場合には、紫外線照射
装置として、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯等を
用いることができる。また、オゾン発生の少ないオゾン
レスタイプを用いてもよい。照射する際のエネルギーと
しては、80W/cm以上の紫外線ランプを用いること
が望ましい。また、放射線硬化性化合物塗料中に光反応
開始剤を混合して用いてもよい。光反応開始剤として
は、ジおよびトリクロロアセトフェノンのようなアセト
フェノン類、並びにベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノ
サルファイド、チオキサントン類、及びアゾ化合物等を
用いることができる。
【0037】
【実施例】本発明を下記実施例により詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらによって限定されるものでは
ない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」
および「部」はすべて「質量%」および「質量部」を示
す。下記実施例及び比較例の製品に対して行われた試験
について下記に説明する。
【0038】(1)ガラス転移温度の測定方法 供試樹脂を厚さ20μmのフィルムに成形し、これを、
動的粘弾性測定装置(セイコー・インスツルメント社
製、モデル:DMS6100)による試験を供し、引っ
張りモード、測定周波数:1Hz、チャック間距離:1
0mm、昇温速度:2℃/minの条件下、0℃〜20
0℃までのフィルムのtanδを測定し、そのピークトッ
プ温度をもって供試樹脂のガラス転移温度とした。 (2)プリント適性、およびスティッキング評価 供試画像受容シートを、市販のカラービデオプリンター
(SONY製:UP−5500)、及び市販の昇華熱転
写用3色インクリボン(SONY製:UPC−551
0)による濃度ステップ印字試験に供した、得られたブ
ラック画像のうち、そのステップ14における画像の染
着濃度をマクベス濃度計(サカタインクス社製:RD−
914、Aフィルター使用)を用いて測定した。また、
スティッキング性を評価するために、供試画像受容シー
トを、カラービデオプリンターによる、45℃、50R
H%の環境下におけるブラックのベタ印画に供し、プリ
ント操作時の音の発生と、印画面の剥離線とを、官能評
価により評価し、これによりスティッキングの程度を表
示した。 (3)180°剥離力測定 供試画像受容シートの画像受容層面上に、サーマルヘッ
ド型印字装置(商品名:TH−PMD,大倉電気製)を
用いて、印字電圧10.5Vの条件下で、市販の昇華熱
転写プリンター用3色インクリボン(SONY製:UP
C−5510)を用い、イエローインクをベタで印字
し、このときのインクリボンと画像受容層表面との18
0°剥離力を、表面性試験器(新東科学社製、商標:ト
ライボギア14DR−ANL、加熱ステージ付き)を用
い、剥離速度を450mm/minに設定し、加熱ステ
ージの温度を受容シート表面が100℃になるようにセ
ットして、剥離力Paを測定し、さらに40℃にて剥離
力Pbを測定した。上記試験の結果を表1に示す。さら
に、TAPPI T458に準拠して、前記インクリボ
ンの接触角について、ダイナミックアブソープションテ
スター(Fibro社製:DAT WinNT ver
3.2)を使用して測定したところ、水(蒸留水)の接
触角は、85〜90°であった。
【0039】実施例1 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムの表裏両面上に、無機顔料を含むポリオレフィ
ン樹脂を主成分として含み、2軸延伸され、60μmの
厚さを有する多層構造フィルム(商標:ユポFPG6
0,ユポ・コーポレーション社製)を、ポリエステル系
接着剤を用いて、ドライラミネート法により貼り合せて
シート状支持体を作製した。この支持体の表側表面上
に、中間層を形成するために、放射線硬化性オリゴマー
(商標:OA−130B、荒川化学工業製)20質量部
と放射線硬化性モノマー(商標:ACMO、興人製)8
0質量部との混合物を、メイヤーバーを用いて乾燥厚さ
が8μm(固形分塗布量約8g/m2 )になるように塗
布し、この塗布液層に、電子線照射装置(岩崎電気社
製:EC250/15/180L)により、加速電圧:
175kV、照射電流値:8mA、コンベアー速度:1
5m/minの条件下で電子線照射を施して、中間層を
形成した。この中間層の上に、画像受容層を形成するた
めに、ポリエステル樹脂(商標:バイロン200、東洋
紡製)100質量部、シリコーン樹脂(商標:SH37
46、トーレダウコーニングシリコーン製)3質量部、
イソシアネート(商標:コロネートHX、日本ポリウレ
タン製)8質量部、トルエン/メチルエチルケトン=5
/1の混合溶剤600質量部を混合・攪拌して画像受容
層用塗液を調製した。この塗液を、乾燥厚さが2μm
(固形分塗布量約2g/m2 )となるように、ダイコー
ティング法により塗工し、乾燥して染料画像受容層を形
成した。さらに、支持体の裏面上に、裏面塗工層を形成
するためにアクリルエマルジョン(商標:A−106、
東亞合成製)100質量部、帯電防止剤(商標:ケミス
タット6120、三洋化成製)5質量部並びに水900
質量部を混合・攪拌して裏面塗工層用塗液を調製した。
この塗液をメイヤーバーで固形分塗布量が1g/m2
なるように、バーコーティング法により塗工し、120
℃で2分間乾燥して、裏面塗工層を形成した。前記塗工
工程が終了した後、得られた製品を50℃で3日間恒温
槽中にてムロ入れ処理を行い、画像受容層の主成分樹脂
に対して架橋処理を施し、画像受容シートが得られた。
前記の試験方法に従って、中間層、及び画像受容層のガ
ラス転移温度、画像の印画濃度、スティッキング性及び
剥離力を測定した。
【0040】実施例2 実施例1の中間層を形成する塗料として、放射線硬化性
オリゴマー(商標:OA130B)を20質量部、及び
放射線硬化性モノマー(商標:ACMO)の代りに、放
射線硬化性モノマー(商標:TO1429、東亞合成
製)80質量部及び、放射線硬化性モノマー(商標:B
S710、荒川化学工業製)100質量部からなる混合
物を用いたことを除き、その他は、実施例1と同様にし
て画像受容シートを作製し試験を行った。
【0041】実施例3 実施例1と同様にして画像受容シートを作製し、試験を
行った。但し、画像受容層を形成する塗液として、ポリ
エステル樹脂(バイロン200)100質量部の代わり
に、セルロースアセテートブチレート樹脂(商標:CA
B550−0.01、イーストマンケミカル製)95質
量部、及び可塑剤(リン酸トリフェニル、東京化成製)
5質量部を用い、画像受容層の乾燥厚さを2μmから
2.8μmに変更した。
【0042】実施例4 実施例1と同様にして画像受容シートを作製した。但
し、画像受容層を形成する塗液として、放射線硬化性モ
ノマー(商標:IBA、共栄社化学製)80質量部、放
射線硬化性ウレタン系オリゴマー(商標:PPG70
0、荒川化学工業製)20質量部を混合したものを用
い、これらメイヤーバーを用いて乾燥厚さが2μmにな
るように塗布し、これを電子線照射装置(岩崎電気社
製、モデル:EC250/15/180L)に供して、
加速電圧:175kV、照射電流値:8mA、コンベア
ー速度:15m/minの条件下で電子線照射を施して
画像受容層を形成した。
【0043】実施例5 実施例1と同様にして画像受容シートを作製した。但
し、画像受容層を形成する材料のうち、イソシアネート
の添加量を8質量部から2質量部に変更し、画像受容層
の乾燥厚さを2μmから1.2μmに変更した。
【0044】比較例1 実施例1と同様にして画像受容シートを作製した。但
し、中間層を形成する材料のうち放射線硬化性モノマー
(商標:ACMO、興人製)80質量部の代わりに、放
射線硬化性モノマー(商標:TO1429、東亞合成
製)80質量部を用いた。
【0045】比較例2 実施例1と同様にして画像受容シートを作製した。但
し、中間層の乾燥厚さを、8μmから5μmに変更し、
画像受容層の乾燥厚さを2μmから3.5μmに変更し
た。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の染料熱転写画像受容シートは、
プリント後のインクリボンからの剥離が容易であり、プ
リント画像の品質低下、画像受容シートの排紙不良、イ
ンクリボンの切断などのようなスティッキングによるト
ラブルが発生することなく、実用的価値の高いものであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、この支持体の一表面
    上に形成され、かつ染料画像を受容する画像受容層と、
    前記支持体と前記画像受容層との間に形成され、かつ画
    像受容層より高いガラス転移温度を有する中間層とを有
    し、 前記画像受容層の厚さHaと前記中間層の厚さHbと
    が、下記関係式(I): Ha/Hb≦0.5(I) を満足することを特徴とする染料熱転写画像受容シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記画像受容層面にインクリボンを重ね
    合わせてベタ印字した後、染料熱転写画像受容シートと
    インクリボンとを、剥離角度180度、剥離速度450
    ±50mm/minにおいて剥離した時、剥離温度が1
    00℃のときの剥離力Paと、剥離温度が40℃のとき
    の剥離力Pbとが、下記関係式(II): Pa−Pb≦20N/m(II) を満たす、請求項1に記載の染料熱転写画像受容シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記中間層が放射線硬化性樹脂の硬化体
    からなる、請求項1又は2に記載の染料熱転写画像受容
    シート。
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