JP3692603B2 - 染料熱転写用受容タックシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写方式、特に昇華型熱転写記録方式に適した熱転写用受容シートに関する。更に詳しく述べるならば、裏面に粘着剤層と剥離紙を設けた構成であり、熱転写画像を形成後、剥離紙を剥離し、被着体に貼着することができる染料熱転写用受容タックシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、熱転写方式のカラーハードコピー、特に昇華型熱転写方式のプリンター開発が急速に進んでいる。昇華型熱転写プリンターでは、3色(イエロー,マゼンタ,シアン)あるいは4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)の昇華染料層を含むリボンを順番にサーマルヘッドの加熱エネルギーを連続的に制御して加熱し、それぞれの染料の転写量を変化させることにより、濃度階調のフルカラー画像の転写形成が可能となっている。例えばテレビ画像やビデオカメラで撮影した任意のシーンを自由に熱転写プリンターでプリントアウトし、これを名刺、葉書など任意の被着体に貼着することが注目されている。
【0003】
このような用途に適した熱転写用受容シートとしては、支持体の片面に形成された染料画像受容層と前記支持体の反対側に形成された粘着剤層を有し、その粘着剤層を剥離紙で保護した、いわゆるタック紙タイプの熱転写用受容シート(染料熱転写用受容タックシート)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の熱転写用受容シートは、支持体としてPETフィルムやポリプロピレン系の合成紙などが用いられている。一般にPETフィルムはカールが生じ難いが、ポリプロピレン系の合成紙に比べ密度が高く、また弾性率も高いために印字ヘッド/染料シート/受容層の密着性が悪く、記録感度や画質が劣る傾向にある。また、ポリプロピレン系の合成紙を基材として用いると(特開昭63−231984号公報)、カールが著しく生じる。
【0005】
一方、剥離紙基材には、一般的にPET基材、上質紙,コート紙,アート紙等の紙基材、ポリエチレン等の樹脂を紙基材にラミネートしたラミネート紙やコートしたレジンコート紙(RC紙)、あるいは、ポリエステル,ナイロン,ポリオレフィン(例えばポリプロピレン)のフィルム等が用いられる。
剥離紙基材に通常の紙ベース基材(紙、ラミネート紙、RC紙など)を用いた剥離紙を熱転写用受容タックシートに採用すると、受容シートの記録感度や画質が低下したものしか得られない。また、ポリプロピレン合成紙を用いると、印字後のカール、所謂プリントカールが著しく大きくなってしまう。そこで、熱転写用受容タックシートの剥離紙基材としては、一般にはPET基材が用いられるが、紙やフィルムと比べて剛度が大きいため、ジャミングが生じたり、ハーフカット部が剥がれたりするなど、プリント走行時のトラブルが問題となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、記録感度や画質を損なうことなく、プリントカールや走行性に優れた染料熱転写用受容タックシートを提供すべく、鋭意研究の結果、剥離紙基材には特定の物性を有する紙ベースの剥離紙を用い、且つ、受容シートに用いる支持体として高クッション率、低密度の特定の構造を有する複合フィルムを用いることにより得られることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、フィルム支持体の片面に染料受容層を設けた染料熱転写用受容シートと、剥離紙基材に離型剤層を設けた剥離紙とを、染料受容層を有さない面と離型剤層を有する面を対向させ、粘着剤層を介して積層した染料熱転写用受容タックシートにおいて、(1)前記剥離紙基材が、セルロースパルプを主成分とする原紙の少なくとも離型剤層を設ける面に熱可塑性樹脂をラミネートしてなり、前記剥離紙基材の、定速引張試験機を用い、速度2mm/分、最大荷重100kgの圧縮条件で求めた厚さ方向の弾性率が2〜10kg/cm2 で、表面粗さ計で表面凹凸を測定し、対応する電圧信号の周波数解析を行って得られた波長1〜10mmに対応する凹凸の平均高さが2.5μm以下であり、且つ、(2)前記フィルム支持体が、内部にボイド構造を有する熱可塑性樹脂を含むコアー層と、少なくともそのコアー層の表面に接着し、内部にボイド構造を有する熱可塑性樹脂を含む一層以上のスキン層とを含む多層構造の複合フィルムであり、前記フィルム支持体の、ダイアルゲージを用いてフィルムに一定加重をかけたときのフィルムの厚さの変化率であるクッション率が15%以上、JIS L 1015に基づく密度が0.8g/cm3以下であることを特徴とする染料熱転写用受容タックシートである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する剥離紙は、セルロースパルプを主成分とする原紙を用い、その少なくとも離型剤層を設ける面に熱可塑性樹脂でラミネートした剥離紙基材に離型剤層を設けたものであり、更に該剥離紙基材が、厚さ方向の弾性率2〜10kg/cm2 、波長1〜10mmの凹凸の平均高さが2.5μm以下の条件を満足することが必要である。
【0009】
本発明でいう厚さ方向の弾性率とは、定速引張試験機(BALDWIN社製:テンシロン)を用い、速度2mm/分、最大荷重100kgの条件で剥離紙基材を圧縮し、圧縮時の厚さおよび単位面積当たりの圧力を測定し、応力−歪曲線を得る。この厚さ変化2%以上の直線部の傾きから、弾性率を求める。
【0010】
また、波長1〜10mmの凸凹高さとは、表面粗さ計(小坂研究所製:サーフコーダー)で表面凹凸(粗さ)を測定し、対応する電圧信号を周波数解析機(小野測機製,商品名:CF−940)によりFFT(高速フーリエ変換)法で周波数解析を行って得られたパワースペクトルのうち、指定波長範囲、即ち1〜10mmに対応する周波数範囲のパワースペクトル強度の二乗和の平方根を得る。この数値は、単位電圧であるので、長さ単位に変換する。なお、変換するには、凹凸の平均高さが既知の標準板(表面粗さ計の付属品)を用い、それに対応する電圧との関係から求めればよい。
【0011】
厚さ方向の弾性率が10kg/cm2 を越えたり、波長1〜10mmの凹凸の平均高さが2.5μmを越えるような剥離紙基材に離型剤層を設けた剥離紙を使用して熱転写用受容タックシートを得ると、インクシートと受容シートとの密着性にムラが生じて、画質が劣化したり、濃度ムラや白抜け等が発生してしまう。本発明は、剥離紙基材の弾性率が2〜10kg/cm2、好ましくは2〜9kg/cm2程度、波長1〜10mmの凹凸の平均高さが2.5μm以下、好ましくは2μm以下である。
【0012】
剥離紙基材の厚さ方向の弾性率や波長1〜10mmの凸凹高さを調整する方法としては、例えば、使用するセルロースパルプの種類の選択、セルロースパルプのフリーネスの調整、柔軟剤の配合、抄紙工程のウェットプレスの圧力等による抄紙条件の調整、マシンカレンダーやスーパーカレンダー等の仕上条件、ラミネート樹脂の種類、添加剤等の変更などラミネート条件の調整などの諸条件を適宜おこなうことにより可能である。中でも、抄紙工程のウェットプレスの圧力調整で弾性率をコントロールし、抄紙後のマシンカレンダーやスーパーカレンダーで弾性率が上がりすぎない程度に加圧処理することにより波長1〜10mmの凹凸の平均高さを調整することが簡便であり、また既存の装置で製造することができるので好ましい。
【0013】
剥離紙基材に使用されるセルロースパルプは特に限定されないが、例えば、広葉樹や針葉樹に化学的処理や機械的処理を施して得られる木材パルプ、古紙パルプ、麻や綿等の非木材天然パルプが使用できる。これらのパルプを単独で使用してもよく、あるいは数種のものを組み合わせて使用してもよい。特に、広葉樹の化学パルプを用いるのが好ましい。また、ポリエチレンやポリプロピレン等を原料とした合成パルプ等を加えて使用することもできる。
さらに上記のパルプの他に、アクリル繊維やレーヨン繊維、フェノール繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、ガラス繊維や炭素繊維、アルミナ繊維等の無機繊維等、各種の繊維を混抄してもよいが、抄紙性の観点より、パルプを50重量%以上配合したシートの方が好ましく、これにより優れたシートの地合い、および強度を得ることができる。
【0014】
原紙を抄造する工程で、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性、あるいは両性部留まり向上剤、紙力増強剤、サイズ剤や填料を適宜選択して添加してもよく、さらに、染料やpH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤等も必要に応じて添加してもよい。原紙の坪量に特に制限はないが、好ましくは60〜250g/m2 である。因みに、坪量が60g/m2 より小さいと、プリント後のカールの抑制が困難となり、250g/m2 より大きいと通紙し難くなるなどプリンターに適用しがたくなる。
【0015】
剥離紙基材の原紙としては、上質紙、グラシン紙、クラフト紙、中質紙などが挙げられる。また、顔料や樹脂を塗布したコート紙を用いても良いが、コスト面を考えて未塗工紙あるいは軽量コート紙を用いると良い。
【0016】
この原紙の少なくとも離型剤層を設ける面に、熱可塑性樹脂をラミネートし、剥離紙基材とする。熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のホモポリマー、またはエチレン−プロピレン共重合体等のオレフィンの2つ以上からなる共重合体、あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン、およびこれらの混合物であり、各種の密度およびメルトインデックスのものを単独あるいはそれらを混合して使用できる。
【0017】
この熱可塑性樹脂には、白色顔料を含んでもよい。白色顔料としては、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ、珪酸カルシウム等、従来ポリオレフィン系樹脂に配合、練り込み用として知られている顔料より自由に選択することができる。また、ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛等、ヒンダードフェノール等の各種酸化防止剤、コバルトブルー、群青等の顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤等、適宜組み合わせて添加しても良い。
【0018】
ラミネートの量は5〜40g/m2 が好ましい。5g/m2 より少ないとシリコンの目止めが不十分だったり、それにともないいわゆる糊残りといった、粘着物性の経時変化が生じ、さらに、濃度ムラやプリントカールの制御が困難となり、40g/m2 を越えると効果が過飽和になり、不経済である。
【0019】
本発明は、このようにして得られた剥離紙基材の中で、厚さ方向の弾性率が2〜10kg/cm2、且つ波長1〜10mmの凹凸の平均高さが2.5μm以下であるものを使用する。剥離紙基材のラミネートした面に、離型剤を塗工して離型剤層が形成される。離型剤塗工方法としては、グラビアコーターやバーコーター等によって行うことができる。この場合の塗工量は、固形分で0.3〜1.5g/m2 、好ましくは、0.5〜1.2g/m2 が適当である。因みに0.3g/m2 未満では、剥離性能のバラツキが大きく、また、1.5g/m2 を越えるような塗工では経済性の面から必要性に乏しい。
【0020】
一方、受容シートに用いる支持体としては、内部にボイド構造を有する熱可塑性樹脂を含むコアー層と、少なくともそのコアー層の表面に接着し、内部にボイド構造を有する熱可塑性樹脂を含む一層以上のスキン層とを含む多層構造の複合フィルムの中で、該複合フィルムのクッション率が15%以上、密度(JIS L 1015)が0.8g/cm3 以下のフィルムを使用する。このような複合フィルムを用いることにより、高感度であり、画質の極めて優れた受容シートとなる。これは恐らくインクシートと受容シートの密着性が向上し、また、受容シートの断熱性が向上するためではないかと思われる。
【0021】
本発明でいうクッション率とは、フィルムに一定加重をかけたときのそのフィルムの厚さの変化量を定量化したものである。具体的には、次のようにして測定した。即ち、三豊製ダイヤルゲージ(タイプ:No.2109−10,測定子:3mmφ硬球)のスピンドルの上部に10gの台座を取り付け、スピンドルを持ち上げて測定台にセットしたサンプルの上に降ろす。次に台座の上に50gの分銅を載せ、5秒後にサンプルの厚さを読みとり、この時の値をa(μm)とする。その後、台座の分銅を500gのものに取り替え、5秒後にサンプルの厚さを読みとり、この時の値をb(μm)とする。そして、次式によりクッション率Cを求める。
C(%)=100×(a−b)/a
【0022】
上記受容シート用の支持体として使用する多層構造の複合フィルムのスキン層上に設けられる染料受容層は、インクリボンから転写される昇華性染料を染着し得る昇華受容性樹脂を主成分とする層である。染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体等が例示される。
【0023】
染料受容層は、通常バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター等のコーターを使い、常法に従って受容層形成用塗液を塗工、乾燥して形成することができる。染料受容層の塗工量は、1〜12g/m2 であることが好ましく、より好ましくは3〜10g/m2 程度である。染料受容層の塗工量が1g/m2 未満では、画像が劣化したり、プリント面の光沢が低下する等の欠点が生ずることがある。また、12g/m2 を越えるような場合、効果が飽和し不経済であるばかりか、プリント濃度が低下することがある。
【0024】
上記の染料受容層には、プリントの際にサーマルヘッドの加熱によるインクリボンとの融着を防ぐ目的で、架橋剤や、滑り剤、剥離剤等を必要に応じて添加されていることが好ましい。また、必要に応じ、染料受容層には蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤等を添加してもよい。これらの添加剤は、受容層の主成分と混合し塗工してもよいし、別の被覆層として受容層の上および/または下に塗工していてもよい。
【0025】
本発明に用いられる粘着剤としては、アクリル系、合成ゴム系、天然ゴム系、シリコーン系等の公知の粘着剤を使用できる。粘着剤は剥離紙の離型剤層表面に塗工し乾燥した後、受容シートの受像層を有さない面と貼り合わせしてもよいし、受容シートの受像層を有さない面に粘着剤を塗工し乾燥した後、これに剥離紙の離型剤層面と貼り合わせてもよい。粘着剤には、必要に応じて、架橋剤や充填剤、着色染料などの各種公知の助剤を添加することができる。
【0026】
この粘着剤層は、受容シートと剥離紙が剥離して生じるプリンター内での走行上のトラブルを防止し、且つ、プリント後の剥離紙の剥離を困難としないため、受容シートと剥離紙との剥離力が、90mm/分の剥離スピードで測定した場合、2〜15g/20mm(染料熱転写受容タックシートを20mm幅に切断し、受容シートを剥離紙から180°の引っ張り角度にてひき剥したときにかかる負荷)となるように設ければよく、10〜30g/m2 の塗布量(固形分)で形成されることが好ましい。因みに10g/m2 未満では粘着効果が乏しく、また30g/m2 以上では経済性の面から必要性に乏しい。
【0027】
なお、得られた染料熱転写受容タックシートがプリンター内を走行する際の、静電気による走行トラブルの発生を防ぐため、染料熱転写受容タックシートの表面および/または裏面に、少なくとも一層以上の帯電防止層を設けることができる。この帯電防止層の形成は、受容タックシートに加工後に行ってもよいが、加工する前の段階でおこなってもよい。
【0028】
例えば、バインダー樹脂と帯電防止剤を主成分として含む帯電防止層を裏面に塗工しても良い。バインダー樹脂としては、公知の高分子バインダーを任意に選択して使用でき、ポリエステル系、ポリウレタン系、メラミン系、アクリル系、フェノール系、尿素系の各バインダーの他、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールなどが例示される。
帯電防止層の塗工量は、0.3〜1.5g/m2 の範囲内にあることが好ましい。この塗工量が0.3g/m2 未満であると、受容層と裏面とが擦り合ったとき受容層の傷つきを十分に防止できないことがあり、1.5g/m2 を越えると、効果が飽和し不経済である。
【0029】
【実施例】
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」および「部」はすべて「重量%」および「重量部」を示す。
【0030】
実施例1
〔受容シートの作成〕
内部にボイド構造を有するコア層の両面に内部にボイド構造を有するスキン層を有する多層構造であり、厚さ55μmの複合フィルム(モービルパール社製,商品名:モービルパール260LL−202)を基材として用い、その一方の面上に、下記組成の塗料1を固形分8g/m2 の割合でダイコーティング法により塗工、乾燥し、染料画像受容層を形成した。なお、基材のクッション率は18%、密度は0.56g/cm3 であった。
【0031】
この成分をトルエン/メチルエチルケトン=5/1の混合溶剤で18%に希釈した。
【0032】
〔剥離紙基材の作成〕
セルロースパルプ原料を用いて手抄きを行い、ウェットプレス(線圧20kg/cm)処理を行い、乾燥した後、スーパーカレンダー(線圧50kg/cm)処理を行い原紙を得た。この原紙に二酸化チタンを配合したポリエチレンを両面に各20g/m2 となるようにラミネートを施し剥離紙基材を得た。剥離紙基材の弾性率は、6.6kg/cm2 、波長1〜10mmの凹凸の平均高さが1.9μmであった。
【0033】
〔剥離紙の作成〕
この剥離紙基材の一方の面に、シリコン系離型剤(信越化学工業製,商品名:KS−830)を固形分で0.6g/m2 となるように、グラビアコーティング法で塗工、乾燥して離型剤層を形成し、また、シリコン面の反対面には帯電防止層として、下記組成の塗料2を固形分0.5g/m2 の割合でバーコーティング法で塗工、乾燥して剥離紙を作製した。
【0034】
この成分を変性イソプロピルアルコール/水=8/2の混合溶液で12%に希釈した。
【0035】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
剥離紙の離型剤層の上に、粘着剤(東洋インキ製,商品名:オリバインBPS−4891)を、固形分塗布量が18g/m2 となるように塗布し、剥離紙と受容シートとを重ね合わせて貼着して熱転写受容タックシートを得た。
【0036】
実施例2
〔受容シートの作成〕
内部にボイド構造を有するコア層の両面に内部にボイド構造を有するスキン層を有する多層構造であり、厚さ50μmの複合フィルム(王子油化合成紙製,商品名:50IVX)を基材として用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを作成した。基材のクッション率は15%、密度は0.56g/cm3 であった。
【0037】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
上記受容シートを用いた以外は実施例1と同様にして、染料熱転写受容タックシートを得た。
【0038】
実施例3
〔受容シートの作成〕
内部にボイド構造を有するコア層の両面に内部にボイド構造を有するスキン層を有する多層構造であり、厚さ75μmの複合フィルム(モービルパール製,商品名:140LL−302)を基材として用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを作成した。基材のクッション率は16%、密度は0.69g/cm3 であった。
【0039】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
上記受容シートを用いた以外は実施例1と同様にして、染料熱転写受容タックシートを作製した。
【0040】
実施例4
〔剥離紙基材の作成〕
実施例1の剥離紙基材の作成において、ウェットプレスの線圧を30kg/cmに変更し、その後マシンカレンダー(線圧50kg/cm)で処理を行い、スーパーカレンダー処理は行わなかった以外は実施例1と同様にして剥離紙基材を得た。剥離紙基材の弾性率は、7.2kg/cm2 、波長1〜10mmの凹凸の平均高さが1.0μmであった。
【0041】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
上記剥離紙基材を用いた以外は実施例1と同様にして、染料熱転写受容タックシートを作製した。
【0042】
比較例1
〔受容シートの作成〕
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする厚さ50μmの透明フィルム(帝人製,商品名:U2J−50)を基材として用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを作成した。基材のクッション率は3%、密度は1.40g/cm3 であった。
【0043】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
上記受容シートを用いた以外は実施例1と同様にして、染料熱転写受容タックシートを作製した。
【0044】
比較例2
〔受容シートの作成〕
ポリプロピレンを主成分とする厚さ50μmの無機顔料を含む2軸延伸の多層構造フィルム(王子油化合成紙製,商品名:ユポFPG50)を基材として用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを作成した。基材のクッション率は10%,密度は0.82g/cm3 であった。
【0045】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
上記受容シートを用いた以外は実施例1と同様にして、染料熱転写受容タックシートを作製した。
【0046】
比較例3
〔剥離紙基材の作成〕
実施例1の剥離紙基材の作成において、ウェットプレスの線圧を50kg/cmに変更し、更にスーパーカレンダー処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして剥離紙基材を得た。剥離紙基材の弾性率は、12kg/cm2 、波長1〜10mmの凹凸の平均高さが3.0μmであった。
【0047】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
上記剥離紙基材を用いた以外は実施例1と同様にして、染料熱転写受容タックシートを作製した。
【0048】
比較例4
実施例1の剥離紙基材の作成において、ウェットプレスの線圧を50kg/cmに変更し、その後マシンカレンダー(線圧125kg/cm)で処理を行い、スーパーカレンダー処理は行わなかった以外は実施例1と同様にして剥離紙基材を得た。剥離紙基材の弾性率は、12.5kg/cm2 、波長1〜10mmの凹凸の平均高さが0.5μmであった。
【0049】
〔染料熱転写用受容タックシートの作成〕
上記剥離紙基材を用いた以外は実施例1と同様にして、染料熱転写受容タックシートを作製した。
【0050】
〔評価方法〕
このようにして得られた染料熱転写受容タックシートをA6に断裁し、市販の昇華ビデオプリンター(ソニー製,商品名:UP−1800)を用いて100枚プリントし、評価を行った。その評価結果は表1に示す。
【0051】
1)プリントカール
上記受容タックシートを常温、常圧下で黒ベタプリントし、水平な机上に30分放置し、受容タックシートのカールを測定した。カールの程度は、サンプルの4隅について机からの高さを測定し、それらの最大値(mm)とした。
【0052】
2)走行性
上記受容タックシートをプリンターのトレー内に100枚入れ、連続プリントし、走行トラブルを起こさず正常にプリントされるかを評価した。
【0053】
3)感度および画質
受容タックシートにステップ、グラデーションパターンをプリントし、画像プリント面のプリント濃度、白抜け、画像ムラを目視観察し、官能評価した。
【0054】
【表1】
【0055】
表1から明らかなように、実施例1〜4の受容タックシートは、プリントカール,走行性,感度,画質とも優れたものであった。
比較例1,2は、受容シート用基材のクッション率の不足や、密度高で断熱性が低下したため、良好な感度や画質が得られなかった。
比較例3は、剥離紙部基材の弾性率が十分でなく、凸凹平均高さが高くて表面性が悪いため、良好な感度や画質が得られなかった。
比較例4は、剥離紙部基材の弾性率のみが不十分であるために、十分な感度や画質が得られなかった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の熱転写受容タックシートは、受容シート用基材に高クッション率、低密度の複合フィルムを用い、剥離紙基体に少なくとも片側がラミネートされたセルロースを主成分とした原紙からなる剥離紙から構成することによって、プリントカールに優れ、且つ、走行性、感度、画質に優れる染料熱転写用受容タックシートであり、高品質でコスト面に有利で、なお実用的価値のあるものである。
Claims (1)
- フィルム支持体の片面に染料受容層を設けた染料熱転写用受容シートと、剥離紙基材に離型剤層を設けた剥離紙とを、染料受容層を有さない面と離型剤層を有する面を対向させ、粘着剤層を介して積層した染料熱転写用受容タックシートにおいて、(1)前記剥離紙基材が、セルロースパルプを主成分とする原紙の少なくとも離型剤層を設ける面に熱可塑性樹脂をラミネートしてなり、前記剥離紙基材の、定速引張試験機を用い、速度2mm/分、最大荷重100kgの圧縮条件で求めた厚さ方向の弾性率が2〜10kg/cm2 で、表面粗さ計で表面凹凸を測定し、対応する電圧信号の周波数解析を行って得られた波長1〜10mmに対応する凹凸の平均高さが2.5μm以下であり、且つ、(2)前記フィルム支持体が、内部にボイド構造を有する熱可塑性樹脂を含むコアー層と、少なくともそのコアー層の表面に接着し、内部にボイド構造を有する熱可塑性樹脂を含む一層以上のスキン層とを含む多層構造の複合フィルムであり、前記フィルム支持体の、ダイアルゲージを用いてフィルムに一定加重をかけたときのフィルムの厚さの変化率であるクッション率が15%以上、JIS L 1015に基づく密度が0.8g/cm3以下であることを特徴とする染料熱転写用受容タックシート。
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JP08361896A JP3692603B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 染料熱転写用受容タックシート |
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JP08361896A JP3692603B2 (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | 染料熱転写用受容タックシート |
Publications (2)
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