JP2003063154A - 熱転写記録シート - Google Patents

熱転写記録シート

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JP2003063154A
JP2003063154A JP2001252701A JP2001252701A JP2003063154A JP 2003063154 A JP2003063154 A JP 2003063154A JP 2001252701 A JP2001252701 A JP 2001252701A JP 2001252701 A JP2001252701 A JP 2001252701A JP 2003063154 A JP2003063154 A JP 2003063154A
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thermal transfer
transfer recording
coating layer
recording sheet
resin coating
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JP2001252701A
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English (en)
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Tadakazu Ishiwatari
忠和 石渡
Fumio Jinno
文夫 神野
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線により硬化され、低エネルギーにおい
ても容易に染着が可能で高濃度の画像が得られる受容層
を有し、プリンター走行性に優れた熱転写記録シートを
提供する。 【解決手段】 シート状支持体と、その少なくとも一面
上に形成され、かつ、放射線硬化性樹脂を含有する塗料
組成物を塗布し放射線硬化して得られた硬化樹脂被覆層
を有する熱転写記録シートにおいて、該硬化樹脂被覆層
のガラス転移点(動的粘弾性測定におけるtanδのピ
ーク値)が、0℃以上80℃以下であり、かつ、その動
的粘弾性測定において得られるガラス転移点+30℃に
おける該硬化樹脂被覆層の貯蔵弾性率(E’)が、1×
10Pa以上1×10Pa以下であることを特徴とする
熱転写記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料を熱により転
写し或いはインク層を溶融転写して画像を形成する熱転
写記録シートに関し、特に、昇華性染料染着性、プリン
ター走行性に優れたカラー画像を形成する昇華性染料熱
転写方式のプリンターに適する熱転写記録シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会の発展に伴い、カ
ラーハードコピーの多色性、多階調性が強く望まれてい
る。そのようなカラーハードコピーの一手段として色材
層に昇華性染料を含む昇華性染料方式の熱転写記録シー
トがある。このような熱転写記録シートから得られたハ
ードコピーは、色彩の中間調の再現が容易で美しいこと
に特色がある。昇華性染料転写法のプリンター原理は、
画像を電気信号に変換し、さらにこの電気信号をサーマ
ルヘッド(以下、ヘッドと略す)により熱信号に変換し
て昇華性染料が塗布されたシート(インクシート)を加
熱し、昇華性染料をインクシートに密着した熱転写記録
シート上に転写・固定し、画像を再生するものである。
従来の熱転写記録シートは、紙、合成紙、白色顔料を充
填したフィルムなどの支持体にポリエステル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、酢酸エステルセルロース、アクリル樹脂などの熱可
塑性樹脂を主成分とする受容層を設けたものである。こ
のような熱可塑性樹脂を受容体として用い、所望の記録
濃度を得るための熱エネルギーをヘッドに加えた場合、
受容体樹脂がヘッドの熱により軟化あるいは溶融してイ
ンクシートと付着し、インクシートと受容体が各々規定
の速度で走行しない、いわゆるスティックと呼ばれる現
象が生じることがある。このような現象を解決するため
に、有機多官能イソシアネート等の架橋剤を添加し、樹
脂被覆層を熱架橋させて耐熱性を向上させる方法が用い
られている。しかし、この熱架橋による方法は、加熱を
しなければならず多大なエネルギーを必要とすること、
および/又は、いわゆる「ムロ入れ」と呼ばれる、架橋
を完了させるために一定時間放置する操作を要すること
等の工程上の問題があった。
【0003】そこで、このような熱架橋を必要とする熱
可塑性樹脂に替えて、放射線硬化性樹脂を利用する方法
が提案された。そのような技術を開示したものとして、
例えば、特開昭58−212994号公報、特開昭62
−23790号公報、特開昭63−74691号公報、
特開平5−185746号公報等が挙げられる。このう
ち、特開昭58−212994号公報で開示された技術
は、通常の熱可塑性樹脂に架橋剤として放射線硬化型ラ
ジカル重合性化合物を用いたものであり、この技術によ
って得られた受容体は、十分な昇華性染料染着性を有し
ていない。さらに、特開昭63−74691号公報にお
いては、上述の熱可塑性樹脂として、高染着性を示すポ
リエステル樹脂を用いた技術が開示されている。この技
術を用いて得られた受容体は、高い転写濃度を示すもの
の、耐熱性に劣るため、高温環境下における紙間摩擦性
が悪くなったり、スティック現象が発生する。紙間摩擦
性が悪化すると、プリント時に数枚の受容体が同時に紙
送りされる、いわゆる重送が生じるなどプリンター走行
性において好ましくない。
【0004】特開昭62−23790号公報には、分子
量が3000以下のポリエステルウレタンアクリレート
を熱転写記録シートに用いる技術が開示されている。し
かしながら、この技術による受容体は、プリンター走行
性と昇華性染料染着性とのバランスが取り難く、両者を
同時に満足させ得ず、実用上問題を有している。さら
に、特開平5−185746号公報では、イソボロニル
骨格を有する放射線硬化性有機化合物を熱転写記録シー
トに用いることが記載されているが、プリンター走行性
は良好なものの、染料染着性は未だ十分ではない。ウレ
タン・不飽和オルガノオリゴマーおよびその製造方法に
関しては、特開平11−35657号公報に開示されて
いるが、昇華性染料染着性および熱転写記録シートに関
しては例示も示唆もない。また、特開2001−584
70号公報には、このオリゴマーを熱転写記録シートに
応用する技術に関して開示しているが、プリンター走行
性能、粘弾特性については、例示も示唆もない。特開平
3−216384号公報には、特定の弾性率、Tgを持
ったポリエステル樹脂を熱転写記録シートに用いる技術
について開示されているが、放射線硬化性樹脂、ウレタ
ン・不飽和オルガノオリゴマーについては、例示も示唆
もない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記各問題
に対し、昇華性染料染着性に優れ、プリンター走行性が
良好な熱転写記録シートを提供するものであり、更に詳
しく述べるならば、放射線により硬化され、低エネルギ
ーにおいても容易に染着が可能で高濃度の画像が得ら
れ、かつ、耐スティッキング性、紙間摩擦が良好な受容
層を有する熱転写記録シートを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記の
態様を含む。 [1] シート状支持体と、その少なくとも一面上に形成
され、かつ、放射線硬化性樹脂を含有する塗料組成物を
塗布し放射線硬化して得られた硬化樹脂被覆層を有する
熱転写記録シートにおいて、該硬化樹脂被覆層のガラス
転移点(動的粘弾性測定におけるtanδのピーク値)
が、0℃以上80℃以下であり、かつ、その動的粘弾性
測定において得られるガラス転移点+30℃における該
硬化樹脂被覆層の貯蔵弾性率(E’)が、1×10Pa
以上1×10Pa以下、好ましくは1×10Pa以上8
×10Pa以下であることを特徴とする熱転写記録シー
ト。 [2] 前記硬化樹脂被覆層が昇華性染料染着性樹脂層で
あることを特徴とする[1]記載の熱転写記録シート。 [3]前記塗料組成物中に、下記 一般式(1)で表現さ
れるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーを放射線硬化
性樹脂として含有することを特徴とする[1]または[2]
記載の熱転写記録シート。
【化2】 (式中、−ORO−は数平均分子量200〜2000の
ポリマージオールの脱水素残基、−R−は有機ジイソ
シアネート残基、−ORO− は、ジヒドロキシル化合物
のヒドロキシル基の脱水素残基を示し、CH=C(R
)COORO−は、二重結合を1つ以上含むヒドロ
キシル基含有(メタ)アクリル酸エステルの脱水素残基
であり、Rは水素原子またはメチル基、Rは2価の
アルコール残基を各々示す。また、nは、1〜100の
整数を示す。)
【0007】[4] 一般式(1)で示されるウレタン・
不飽和オルガノオリゴマーを硬化樹脂被覆層重量に対し
て10重量%以上含有することを特徴とする[3]記載の
熱転写記録シート。
【0008】[5]シート状支持体と、その少なくとも一
面上に形成され、かつ、放射線硬化してなる硬化樹脂被
覆層とを有する熱転写記録シートにおいて、(例えばセ
イコーインスツルメンツ社製の)動的粘弾性測定装置
(以下、DMSとも言う)を用い、JIS K−7244
に準じて引張モードで、駆動周波数1Hzにて、該硬化樹
脂被覆層の粘弾特性の温度依存性を測定した際に検出さ
れる tanδのピーク値(以下、ガラス転移点(T
g)とも言う)が0℃以上80℃以下であり、かつ、T
g+30℃における貯蔵弾性率(E’)が、1×10
Pa以上1×10Pa以下である事を特徴とする熱転写記
録シートである。本発明の貯蔵弾性率は、引張貯蔵弾性
率である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、記録する表面樹脂被覆
層を下記のような特性を持たせる事により、熱転写時に
硬化樹脂被覆層の成分がヘッドに付着せず、熱転写記録
シートとヘッドとのスティックが無い、放射線硬化樹脂
被覆層を有する高品質な昇華型熱転写記録シートを提供
するものである。このために、例えば、インクシートを
介して記録ヘッドと接触する熱転写記録シートの表面
(硬化樹脂被覆層)を特定のTg、および粘弾特性に調
整する。本発明に係る硬化樹脂被覆層のTgおよび粘弾
特性は、JISK−7244に準じて測定される。さら
に、本発明では、セイコーインスツルメンツ社製の動的
粘弾性測定装置DMS6100型を用いた。試料である
硬化樹脂被覆層を動的振幅させる速さ、つまり、駆動周
波数は1Hz、引張モード、チャック間距離は10m
m、昇温速度は2℃/minの測定条件にて、硬化樹脂被覆
層の粘弾特性の温度依存性(温度分散)は測定される。
また、この測定結果から、Tgとしてのtanδのピー
ク値、および、Tg+30℃: いわゆるゴム状領域での
貯蔵弾性率 E' を求める事ができる。
【0010】本発明に係る硬化樹脂被覆層のTgは、0
℃以上80℃以下であり、好ましくは10℃以上80℃
以下、さらに好ましくは、25℃以上80℃以下であ
る。Tgが低すぎると、いわゆる「にじみ」と言われる
画像保存性に難点が生じたり、プリント時の給紙性、重
走などのプリンター走行性が悪化するし、好ましくな
い。さらに、Tgが低いと、熱転写記録時のヘッドの温
度によって急激なゴム化が進行し、スティック現象を誘
発し、好ましくない。一方、Tgが高すぎると、プリン
ト時の熱転写温度においても硬化樹脂被覆層がゴム化せ
ず、転写された昇華性染料を硬化樹脂被覆層中に十分拡
散させ得ないため、染料染着性が極めて低くなり、実用
に耐え得ず好ましくない。
【0011】また、本発明に係る硬化樹脂被覆層のゴム
領域(ガラス転移点+30℃)における貯蔵弾性率E’
は、1×10Pa以上1×10Pa以下であり、好まし
くは、1×10Pa以上8×10Pa以下である。ゴム
領域におけるE’が低すぎる場合、熱転写記録時のゴム
化が激しく、プリンター走行性が悪化し好ましくなく、
一方、E’が大きすぎる場合、熱転写温度でも硬化樹脂
被覆層が「硬い」ため染料染着性が極めて低くなり、実
用に耐え得ない。さらに、本発明に係るゴム領域の温度
とは、ガラス転移温度より30℃高い温度とし、Tg+
30℃と記す。
【0012】本発明に用いられる硬化樹脂被覆層は、放
射線硬化性樹脂を含有する塗料組成物を放射硬化して得
られた硬化樹脂被覆層であって、Tgが0℃以上80℃
以下であり、かつ、Tg+30℃におけるE’は、1×
10Pa以上1×10Pa以下であるならば、特に制限
はなく、硬化樹脂被覆層、および/又は、熱転写記録樹
脂層としても用いる事ができる。Tg+30℃はゴム領
域での弾性率を調べるものであり、プリンターで印字加
熱される際の硬化樹脂被覆層の特性をシミュレートする
意味がある。本発明の熱転写記録シートは、支持体上に
硬化樹脂被覆層のみ1層設けた態様の他、硬化樹脂被覆
層とその他の樹脂層を1層以上支持体と硬化樹脂被覆層
間に設けて構成する事もできるが、硬化樹脂被覆層はい
ずれの場合でも前記のTgおよびゴム領域でのE’の値
を満たすものである。
【0013】本発明に係る条件であるTg、E’値の調
整方法の一つとして、架橋による方法が挙げられる。架
橋の進行度合い、架橋密度、硬化性を制御する事によ
り、TgやE’値を変化させることが可能である。架橋
の進行度合いが進み、架橋密度が高いほどTgやE’値
が高くなる。具体的には、放射線の総照射(吸収)線
量、線量率(単位時間あたり照射された線量)を高くす
ると、架橋が進行する。放射線硬化性樹脂のアクリレー
ト基間の分子量が小さい程架橋密度が上がる。主樹脂以
外に併用する放射線硬化性化合物の種類、配合量等で調
整することができる。また硬化性の制御は、放射線硬化
性樹脂の化学構造(アクリレート隣接化合物の電子吸引
性、電子供与性)や分子量の調整によって行う。貯蔵弾
性率は、硬化樹脂被覆層が、放射線硬化性樹脂を主成分
とする場合には、主として架橋密度、架橋の進行度合い
によって調整できる。架橋度を上げると貯蔵弾性率が高
くなる。また複数の放射線硬化性樹脂の混合、他の汎用
熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂と混合すること
により、架橋密度を下げ貯蔵弾性率を下げることもでき
る。また放射線硬化性樹脂や併用する樹脂に芳香環を含
ませること、或いは配向性の制御により貯蔵弾性率を上
げることもできる。
【0014】放射線硬化性樹脂としては、光、紫外線、
γ線、電子線、X線など公知の活性エネルギー線にて架
橋、硬化が可能である公知の樹脂、有機化合物が用いら
れ、これらを単独、あるいは複数種類混和して用いても
良く、また、これらと一般の汎用樹脂類とを混和、併用
して用いても良い。放射線硬化性樹脂・有機化合物とし
ては、放射線硬化性の表面樹脂被覆用あるいは熱転写記
録受容体用として下記モノマー、オリゴマー、ポリマー
が使用可能である。
【0015】これを具体的に例示すると、単官能化合物
として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、N−ビ
ニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、
2−ヒドロキシブチルメタクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタク
リレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレー
ト、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリ
レート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メト
キシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプ
ロピレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチ
レングリコールアクリレート、フェノキシポリプロピレ
ングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチ
レングリコールアクリレート、エチレンオキシド変性フ
ェノキシアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレ
ングリコールアクリレート、N,N−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレ
ート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレ
ート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ア
クリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピルアクリレート、アクリル酸−9,10−エポキシ
化オレイル、メタクリル酸−9,10−エポキシ化オレ
イル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレー
ト、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタ
ニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレン
アクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ンのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル
−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラ
クトン付加物のアクリレート、ポリブタジエンアクリレ
ート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリ
レート等が挙げられる。
【0016】また、多官能化合物として、エタンジオー
ルジアクリレート、エタンジオールジメタクリレート、
1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プ
ロパンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−
ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジメタクリレート、1,14−テトラデカンジオール
ジアクリレート、1,15−ペンタデカンジオールジア
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、1,2−プロパンジ
オールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジア
クリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、メチルペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9
−ノナンジオールジアクリレート、2−エチル,2−ブ
チル−プロパンジオールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2
−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオ
キシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチ
レンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポ
リエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリ
レート、プロピルオキシド変性ビスフェノールAジアク
リレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノール
Aジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオ
ペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキ
シピバリン酸エステルネオペンチルグリコールエステル
のカプロラクトン付加物ジアクリレート、エチレンオキ
シド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリス
リトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加
物、ポリオキシエチレンエピクロロヒドリン変性ビスフ
ェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシ
ド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリ
プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレー
ト、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレー
ト、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリ
レート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアク
リレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、およびポリカプ
ロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート等が挙げられる。しかしながら、これらに限定され
るものではない。
【0017】これら本発明に用いられる放射線硬化性有
機化合物のうち、放射線硬化性樹脂の一種である一般式
(1)で表されるウレタン・不飽和オルガノオリゴマー
は、特に、Tg,ゴム領域の粘弾性値の調整が行い易
く、品質のバランスを取りやすい。また、本発明に係る
粘弾特性を容易に実現できるため、実用上最も好まし
い。本発明における一般式(1)で表されるウレタン・
不飽和オルガノオリゴマーは、昇華性染料の染着性に優
れ、染料熱転写型記録シートの熱転写記録受容層として
も非常に有効である(後述実施例参照)。このウレタン
・不飽和オルガノオリゴマーではガラス転移点をあまり
下げずに染着性を向上させることができる。一般式
(1)で表される物質は、硬化性樹脂被覆層の重量に対
して10重量%以上である事が好ましく、20重量%以
上である事がより好ましい。上限は特になく100重量
%でもよい。ここで、硬化性樹脂被覆層の重量は、水分
・溶剤等を乾燥し、および/又は、硬化反応を終了し、
揮発分を除去した後の重量を意味する。
【0018】本発明に用いられる一般式(1)中の−OR
O−は数平均分子量200〜2000のポリマージオ
ールの脱水素残基、−R−は有機ジイソシアネート残
基、−ORO− は、ジヒドロキシル化合物のヒドロキシ
ル基の脱水素残基、CH=C(R)COORO−
は、二重結合を1つ以上含むヒドロキシル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルの脱水素残基、nは、1〜10
0の整数を示している。
【0019】−ORO−の原料であるポリマージオール
には特に制限は無い。例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチ
レングリコールなどから選ばれる少なくとも1種のポリ
エーテル系ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエス
テルから選ばれる少なくとも1種類のポリエステル系ジ
オール、ヘキサメチレンカーボネートおよびペンタメチ
レンカーボネートから選ばれる少なくとも1種類のポリ
カーボネート系ジオール、ポリカプロラクトンジオール
およびポリブチロラクトンジオールから選ばれる少なく
とも1種類のポリラクトン系ジオールが好ましい。これ
らポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ジオール、
ポリカーボネート系ジオールおよびポリラクトン系ジオ
ールの中から1種類を選択するか、または複数種類を組
み合わせることができる。これらの中でも特に芳香環を
導入したポリマージオールを用いると、高い染料染着性
を付与することができ、効果的である。芳香環構造を有
するポリマージオールの一つとして、多価アルコールと
多塩基酸のエステルからなるポリエステル系ジオールを
挙げることが出来る。芳香環構造は、ポリエステル系ジ
オールの原料となる多価アルコールと多塩基酸の少なく
とも一方に導入されていれば良く、両方導入されていて
も良い。特に、多塩基酸に芳香環構造を導入した場合、
一層効果的であり、具体的には、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフトエ酸などが挙げられる。また、芳香環構
造を有するポリマージオールのもう一つとして、ビスフ
ェノールA型のジオールも挙げられる。ポリマージオー
ルの数平均分子量は好ましくは200〜2000である
が、さらに好ましくは、300〜1500である。
【0020】−R−の原料である有機ジイソシアネー
ト化合物は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シク
ロヘキシルイソシアネート)、テトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−
1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン
−1,4−ジメチレンジイソシアネート、ノルボルナン
ジイソシアネート、および1,5−ナフタレンジイソシ
アネート等から選ばれる少なくとも1種類が好ましい。
【0021】−ORO− の原料であるジヒドロキシル化
合物は、炭素数2〜10のグリコールから選ばれる少な
くとも1種類であることが好ましい。従って、一般式
(1)中の−R− は、炭素数2〜10の炭化水素を意
味する。さらに好ましくは炭素数2〜6で具体的には、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5
−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オールが挙げられる。−(OROOCNHRNHCO
OROOCNHRNHCO)−の、かっこ内は、ウ
レタン・不飽和オルガノオリゴマー中の繰り返し単位
で、nは1〜100の整数であり、好ましくは1〜2
0、さらに好ましくは、1〜10である。
【0022】ウレタン・不飽和オルガノオリゴマーの両
末端を構成する二重結合を1つ以上含む(メタ)アクリ
ル酸エステル構造部 CH=C(R)COORO−
の原料は、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルであり、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、前記各アクリレートのカプロラクトンまたは酸化
アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメ
タクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロ
パンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパン−酸化アルキレ
ン付加物−ジ(メタ)アクリレート等から選ばれる少な
くとも1種類適用できる。R−はメチル基または水素原
子を意味する。
【0023】上記一般式(1)に示されるウレタン・不
飽和オルガノオリゴマーを得るには、まず、数平均分子
量200〜2000のポリマージオールと、ジヒドロキ
シル化合物、および有機イソシアネート化合物とを重付
加反応させて、両末端にイソシアネート基を有するウレ
タンオリゴマーを得る。ついで、この末端のイソシアネ
ート基にヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルを付加させる事によって合成される。このようにして
得られたウレタン・不飽和オルガノオリゴマーは、電子
線、紫外線の中から選ばれる1種類以上の放射線を照射
することによって、両末端を構成する二重結合を1つ以
上含む(メタ)アクリル酸エステル構造部 CH=C
(R )COORO− が重合して本発明に係る目的の
放射線硬化樹脂被覆層を形成する。
【0024】紫外線照射により硬化重合させる場合は、
光反応開始剤と呼ばれる光照射によりラジカル種、カチ
オン種、アニオン種等を発生する化合物を併用すること
が好ましい。本発明に係る前記硬化樹脂被覆層は、熱転
写記録シートの最外側樹脂被覆層であれば良く、熱転写
記録受容層も兼ねる。前記硬化被覆層樹脂における、T
g、 E’の調整方法のもう一つとしては,放射線硬化
性樹脂が共重合体の場合には共重合比、混和物の場合に
はブレンド比での調整が挙げられる。また、各種添加剤
を用いて調整しても良く、例えば、可塑剤、相溶化剤、
摩擦係数低減剤などがある。可塑剤としては、フタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジオクチル等のフタル酸系可塑剤の他、グリセリ
ン、および/または、ポリエチレンオキシド系、スルホ
ンアミド系、塩化ジフェニルや塩化トリフェニルなどの
可塑剤が支障なく使用可能である。摩擦係数低減剤とし
ては、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロ
ン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素
系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーンオイ
ル、高融点シリコーンワックス等を使用する事ができ
る。中でも、耐久性等の観点から、シリコーンオイル系
摩擦係数低減剤を使用する事が好ましい。
【0025】次に、塗料組成物中における放射線硬化性
樹脂以外の成分について説明する。塗料組成物中には、
染料染着性、摩擦性、白色度、塗料流動性、硬化速度等
を制御するため、本発明に係る効果を損なわない範囲に
おいて、他の成分を有しても良い。但し、一般式(1)
で表される物質は、硬化樹脂被覆層の重量に対して10
重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であ
ることがより好ましい。上限は特になく、100重量%
でもよい。ここで、硬化樹脂被覆層の重量は、水分・溶
剤等を乾燥し、また、硬化反応を終了し、揮発分を除去
した後の重量を意味する。前記他の成分としては、有機
溶剤、顔料、さらに、酸化防止剤、帯電防止剤、安定
剤、さらには、耐光性改良剤などの各種の添加剤を適宜
加えることができる。塗料粘度を下げ、塗工を容易にす
るために用いる有機溶剤としては、2−ブタノン、アセ
トン、トルエンなどが挙げられる。塗料組成物中に顔料
を配合する場合、顔料は乾燥後の全硬化樹脂層重量に対
して、80重量部以下であることが好ましい。より好ま
しくは60重量部以下である。80重量部を超えると、
本発明に係る効果を低減させるばかりではなく、樹脂塗
料粘度が過度に高くなり、流動性が不良になって塗工に
支障を生じてしまう恐れがある。顔料を添加する場合は
5重量部以上が好ましい。顔料としては、クレー、カオ
リン、タルク、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン(アナターゼ型およびルチル型)、亜
鉛華、硫酸バリウム等の無機顔料、およびプラスチック
ピグメントとして知られているポリスチレンのような有
機顔料を使用することができる。
【0026】これらの顔料は通常白色であり、表面無処
理のまま使用してもよいが、シロキサン、アルミナ、ア
ルコール、シランカップリング剤等で表面処理を施した
ものを使用してもよい。また顔料は、単一種からなるも
のでもよく、又は2種類以上を混合して使用してもよ
い。また、このような顔料が配合された被覆層樹脂組成
物には分散剤、離型剤、消泡剤、着色剤、染料、防腐剤
等の公知の助剤を必要に応じて配合することもできる。
【0027】白色顔料を前記樹脂組成物中に分散するに
は、3本ロールミル(スリーロールミル)、2本ロール
ミル(ツーロールミル)、カウレスデルバー、ホモミキ
サー、サンドグラインダー、プラネタリーミキサー、お
よび超音波分散機等を使用することができる。本発明に
係る熱転写記録シートの製造方法としては、シート状支
持体の表面上に、硬化被覆層組成物を含む塗料を塗布し
て塗布液層を形成すれば良い。塗料液中に、トルエン、
アセトン、2−ブタノン等の有機溶剤を含む場合、乾燥
工程を設置しても良い。用いる乾燥装置としては、特に
制限はなく、放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤
外線ドライヤーや、電磁誘導を利用したロールヒータ
ー、油媒を利用したオイルヒーターおよび、これらの熱
風を利用した乾燥装置などが挙げられる。前記塗料組成
物中に放射線硬化性化合物を含む場合には、放射線を照
射して硬化すれば良い。
【0028】さらに、光沢を付与するためには、キャス
ト法を使用し、塗布液表面に乾燥/硬化を施す前に、平
滑な成形基体を接触・剥離させることも可能である。こ
のような成形基体としてはキャストドラムやPETフィ
ルム等を例示できる。樹脂塗料組成物を支持体に塗布す
る方法としては、例えばバーコート法、エアードクター
コート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エア
ーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート
法、トランスファーコート法、コンマコート法、スムー
ジィングコート法、マイクログラビアコート法、リバー
スロールコート法、マルチロールコート法、ディップコ
ート法、ロッドコート法、キスコート法、ゲートロール
コート法、落下カーテンコート法、スライドコート法、
ファウンテンコート法、およびスリットダイコート法等
を用いることができる。特にキャスト法にて成形基体と
して金属製円筒型回転体を使用する場合には、金属製円
筒型回転体の表面に傷を付けないために、塗布用ゴムロ
ールを使用するロールコート法あるいはオフセットグラ
ビアコート法を用いることが好ましく、さらには非接触
タイプのファウンテンコーターやスリットダイコーター
等が有利に用いられる。キャスト法に用いられる成形基
体としては金属製円筒型回転体を使用することができる
が、その材質形状に限定はなく、例えばステンレススチ
ール、銅、クロム等から形成され、鏡面仕上げされた平
滑な周面を有しているものが用いられる。また硬化樹脂
被覆層と基体表面との剥離を容易にするために、金属製
円筒型回転体の表面にシリコーンオイルやワックス等の
剥離助剤を供給することもできる。
【0029】成形基体として使用する成形用シート状材
料は、平滑で柔軟性があればその材質に限定はないが、
具体的にはポリエステルフィルムのようなプラスチック
フィルム、金属シート、樹脂コート紙、金属蒸着フィル
ム、金属蒸着紙等が好ましく、成形用シート状材料の表
面には、硬化樹脂被覆層の剥離を容易にするために、シ
リコーンやワックス等の剥離助剤を供給してもよい。さ
らにシート状材料の表面に予じめ適宜の処理、例えばシ
リコーン処理のような処理を施して、硬化樹脂被覆層の
剥離を容易にしてもよい。成形基体として使用されるシ
ート状材料は、エンドレスベルト状に加工されていても
よい。成形基体として使用するシート状材料は繰り返し
て使用することもできるが、度重なる放射線照射にはシ
ート状材料を劣化させるため、この繰り返し使用の回数
には限度がある。また、本発明の支持体の凹凸を平均化
したり、白色度、不透明度を向上させる目的で、支持体
と硬化樹脂被覆層間にプレコート層を用いても良い。
【0030】プレコート層を構成する物質として、クレ
ー、タルク、カオリン、アンシレックスなどの無機コー
ト層を設けることができる。また、ポリエチレン(高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリペンテン、等の熱可塑性樹脂ホモポリマ
ーまたはエチレン/プロピレン共重合体等の2種以上の
オレフィンからなる共重合体、(メタ)アクリル系樹
脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂またはこれらの共重合体樹脂等
の有機素材を用いることができ、これらの樹脂を単独で
あるいは混合して用いる事ができる。これらの樹脂の中
には白色度、不透明度を向上させるための白色顔料が含
まれていても良い。また、インクシートとの密着性、画
像記録層の断熱性向上の目的で中空粒子を含有してもよ
い。これらの無機および/又は有機素材は溶剤系あるい
は水性系媒体に溶解または分散して塗布する。また、プ
レコート層も放射線硬化型であっても良い。即ち、放射
線硬化樹脂層を2層以上設けてあっても良い。
【0031】この場合、塗料組成物中の成分や塗工方法
は、単層の場合と同様に考えられるが、必要に応じて、
1層目と2層目の役割を変えることが合理的である。例
えば、内側樹脂被覆層を、顔料が配合された放射線硬化
性樹脂組成物の放射線照射による硬化体から形成し、白
色度と不透明度を向上させ、外側硬化樹脂被覆層を顔料
の配合されていない放射線硬化性樹脂組成物の放射線照
射による硬化体から形成し、本発明に係る要件を満たす
硬化樹脂被覆層とし、熱転写記録層としての役割を備え
る。さらに、表面平滑性と光沢度を付与するために、こ
れらの形成にキャスト法を用いることも可能である。
【0032】本発明の熱転写記録シートにおいて、被覆
樹脂層の塗布量(1層の場合はその塗布量、2層以上の
場合はその合計塗布量)は、乾燥後(放射線硬化型の場
合は硬化後)において1〜60g/m2であることが好
ましく、より好ましくは3〜40g/m2である。この
塗布量が1g/m2未満では、得られる塗布体の平滑性
が不十分になり、美粧性が得られず、光沢度が低下する
ことがある。また、それが60g/m2より多くなる
と、効果が飽和しコスト高になる。
【0033】本発明に用いられるシート状支持体の種類
に関しては特に制限はなく、紙(例えば上質紙、塗工
紙、ラミネート紙)、ガラスペーパー、プラスチックフ
ィルム、プラスチックフィルムを擬紙化したいわゆる合
成紙、布、合成繊維、不織布、またはアルミニウム箔等
の比較的厚さの薄いものを用いることができる。紙基体
としては、通常50〜300g/m2 の重量を有し、表
面の平滑な紙基体が用いられる。本発明で用いられる紙
基体の種類には、特に制限は無い。紙基体を形成するパ
ルプとしては、一般的には、樅、栂等から製造した針葉
樹パルプ、楓、ブナ、ポプラ等から製造した広葉樹パル
プ、針葉樹広葉樹混合パルプ等の天然パルプを主成分と
するものが広く用いられ、クラフトパルプ、サルファイ
トパルプ、ソーダパルプ等の晒パルプを使用できる。ま
た合成繊維や合成パルプを含むパルプから製造した紙基
体も使用できる。前記紙基体には、通常の各種添加剤、
例えば乾燥紙力増強剤、サイズ剤、填料、湿潤紙力増強
剤、定着剤、pH調整剤等を1種類以上含むことができ
る。
【0034】また、本発明のシート状支持体は、例え
ば、上質紙のような紙基体の片面または両面にクレー、
タルク、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、二酸化チタン、水酸化マグネシウム、プラスチック
ピグメント等の顔料および、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重
合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の合成樹脂を主成分と
する顔料塗布層を有するコート紙、キャストコート紙、
アート紙などの顔料塗被紙、ポリエチレンのようなポリ
オレフィン樹脂で片面あるいは両面にラミネートを施し
たラミネート紙であってもよい。また紙基体を使用する
場合は、樹脂塗料組成物の浸透を防止するため、別途ポ
リビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、酸
化澱粉等のバリヤー剤でプレコート層を設けてもよい。
このような被覆層を有するシート状支持体を用いる場合
には、プレコート層としての第1層目樹脂被覆層を用い
なくても良く、シート状支持体の樹脂被覆層上に、直
接、外側硬化樹脂被覆層を形成してもよい。
【0035】さらに本発明に用いられる紙基体の代わり
に、プラスチックフィルムや、いわゆる合成紙のような
シート状支持体を使用することに何ら差し支えない。例
えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等のポリ
オレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を溶融押し
出し法で形成したフィルムをシート状支持体として使用
することもできる。また、これらのフィルムを加工し擬
紙化した合成紙もシート状支持体として用いることがで
きる。シート状支持体として使用されるプラスチックフ
ィルムや、合成紙は、複数の異なるおよび/または同種
のフィルムを貼りあわせたものであっても良く、さら
に、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、二酸
化チタン、水酸化マグネシウム等の顔料、ステアリン酸
亜鉛等の金属石鹸や各種の界面活性剤等の分散剤、およ
び有色顔料等の1種類以上が含まれてもよい。
【0036】また、本発明において、支持体と硬化樹脂
被覆層の接着性と濡れ性を良くするために支持体表面に
コロナ処理やサブコート等の表面処理を行なってもよ
い。本発明の熱転写記録シートの裏面には、溶融押し出
し法によるポリオレフィン樹脂の塗工や、放射線硬化性
樹脂を塗工した後に放射線照射により被膜を形成する方
法により樹脂被覆層を形成したり、カール防止、帯電防
止、筆記性付与のため、バックコート層を設けることが
出来る。バックコート層には帯電防止剤、親水性バイン
ダー、ラテックス、硬膜剤、顔料、界面活性剤等を適宜
組み合わせて含有することができる。本発明に係る放射
線硬化樹脂塗料を硬化させる放射線としては、例えば、
電子線、紫外線等の中から選ばれる1種以上の高エネル
ギー線であれば良い。電子線照射に用いられる電子線照
射装置としては、特にその方式に制限はないが、例えば
ハンデグラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニン
グ方式、ブロードビーム方式、およびカーテンビーム方
式等の電子線照射装置を用いることができる。これらの
中でも比較的安価で大出力の得られるカーテンビーム方
式が本発明に有効に用いられる。電子線照射の際の加速
電圧は、透過力、硬化力の面から100〜1000kVで
あることが好ましく、より好ましくは100〜300k
Vの電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量が0.1
〜20Mradになるようにすることが好ましく、0.5〜
10Mradが特に好ましい。
【0037】加速電圧、あるいは電子線照射量がこの範
囲より低いと電子線の透過力が低すぎて支持体の内部ま
で十分な硬化が行なわれない恐れがあり、またこの範囲
より大きすぎるとエネルギー効率が悪化するばかりでな
く、支持体の強度低下や樹脂、添加剤の分解など品質上
好ましくない影響が現われる。なお、電子線照射に際し
ては酸素濃度が高いと電子線硬化樹脂の硬化が妨げられ
るため、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスに
よる置換を行い、酸素濃度を1000ppm以下、好ま
しくは500ppm 以下に抑制した雰囲気中で照射す
ることが好ましい。また、紫外線の場合には、紫外線照
射装置として、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯等
を用いることができる。また、オゾン発生の少ないオゾ
ンレスタイプを用いても良い。照射する際のエネルギー
としては、80W/cm以上のランプを用いることが望
ましい。また、放射線硬化樹脂塗料中に光反応開始剤を
混合して用いることが出来る。光反応開始剤としては、
ジおよびトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェ
ノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、
ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジ
メチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイ
ド、チオキサントン類、アゾ化合物等がある。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、これらにより限定されるもので
はない。実施例1 下記の操作により放射線硬化樹脂被覆層が単一層からな
る熱転写記録シートを作製し、評価した。組成物(1) 成 分 配合量 オリゴウレタンアクリレートオリゴマー(商標:PPG700、荒川化学社製) 70重量部 イミド変性アクリレートモノマー(商標:TO1429、東亜合成化学工業社製 ) 30重量部 組成物(1)において、本発明に係る主要放射線硬化性
オリゴマーを表1にて説明する。
【0039】熱転写記録シートの作製 前記組成物(1)を、基材シートとして合成紙(王子油
化合成紙社製、厚さ110μm)を用い、この一方の面
に塗工液を#10のワイヤーバーにて硬化後の塗布量が
10g/m2になるように塗布した。その上から成形基
体として用いられる75μmのシリコーン塗布ポリエス
テルフィルム(商標:SP−PET−O5−75B、東
セロ社製)を重ね合わせた後、この重層体に、シリコー
ン塗布ポリエステルフィルムの背面から加速電圧175
kV、吸収線量4Mrad、酸素濃度500ppm 以下
の条件で電子線を照射し、組成物(1)を硬化させた。
その後、樹脂被覆層よりポリエステルフィルムを剥離
し、放射線硬化樹脂被覆層を有する本発明の熱転写記録
シートを得た。また、粘弾性を評価するために、前記組
成物(1)を、75μmのポリエステルフィルム(商
標:ルミラー T−60)からなる支持体の表面に、ワ
イヤーバーを用いて、硬化後の塗布量が10g/m
なるように塗布し、その上から成形基体として用いられ
る同種のポリエステルフィルムを重ね合わせた後、この
重層体に前述と同様に電子線を照射し、組成物(1)を
硬化させた。その後、ポリエステルフィルムを剥離し、
硬化樹脂被覆層のみを得、これを後述する動的粘弾性試
験に供した。
【0040】試験並びに評価方法 (1)動的粘弾性試験 動的粘弾性試験は、セイコーインスツルメンツ社製の動
的粘弾性測定装置DMS6100型を用いた。引張モー
ド、駆動周波数は1Hz、チャック間距離は10mm、
昇温速度は2℃/minの測定条件にて、硬化樹脂被覆層の
粘弾特性の温度依存性を測定した。この測定結果から、
Tgとしてのtanδのピーク値、および、Tg+30℃
での貯蔵弾性率E’を求めた。 (2)染料染着性の評価 染料染着性は市販のカラービデオプリンター(SONY
製:UP−5500)でブラックを濃度ステップ印字し
たものを、そのステップ14における染着濃度をマクベ
ス濃度計(サカタインクス社製:RD−914、Aフィ
ルター使用)で評価した。染着濃度値が、2.0以上が
実用品質上好ましい。
【0041】(3)プリンター走行性の評価(スティッ
ク評価試験) 市販のカラービデオプリンター(SONY製:UP−5
500)でブラックを印字する際の走行状況、印字音、
印字面の荒れ(剥離線)の状況を総合的に5段階にて官
能評価した。評価が、「◎」の場合、プリンター走行性
に優れており、印字音、印字面の荒れが全くなかった。
「〇」では若干の印字音がするが、走行性に優れ印字面
の荒れもなかった。「△」は、印字音が明瞭に発生する
場合であり、「×」はプリンター内を安定に走行しない
場合や剥離線が明らかに観察される状態を示しおり、
「×」では実用に耐え得ない。評価結果を表2に示す。
【0042】実施例2 下記の操作により放射線硬化樹脂被覆層が単一層からな
る熱転写記録シートを作製した。但し、組成物(1)の
代わりに下記の組成物(2)を調製し使用した。組成物(2) 成 分 配合量 ウレタン・不飽和オルガノオリゴマー(商標:UF504LN、共栄社化学社製 ) 50重量部 2−ブタノン 50重量部 シリコーンオイル(信越化学工業社製) 0.3重量部 組成物(2)において、本発明に係る主要放射線硬化性
樹脂であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマー を表
1にて説明する。また、これは、特開平11−3565
7号公報に記載の方法に従って合成した。熱転写記録シートの作製 前記組成物(2)を、基材シートとして合成紙(王子油
化合成紙社製、厚さ110μm)を用い、この一方の面
に塗工液を#10のワイヤーバーにて乾燥・硬化後の塗
布量が10g/m2になるように塗布し、100℃で1
分間乾燥させた。これに塗工面より加速電圧175kV、
吸収線量7Mrad、酸素濃度500ppm 以下の条
件で電子線を照射し、組成物(2)を硬化させて本発明
の熱転写記録シートを得た。
【0043】また、粘弾性を評価するために、前記組成
物(2)を、75μmのポリエステルフィルム(商標:
ルミラー T−60)からなる支持体の表面に、ワイヤ
ーバーを用いて、硬化後の塗布量が10g/mになる
ように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、その上から
成形基体として用いられる同種のポリエステルフィルム
を重ね合わせた後、この重層体に前述と同様に電子線を
照射し、組成物(2)を硬化させた。その後、ポリエス
テルフィルムを剥離し、硬化樹脂被覆層のみを得、これ
を動的粘弾性試験に供した。実施例1と同様にして熱転
写記録シートを評価した。評価結果を表2に示す。
【0044】実施例3 実施例1と同様の操作を行った。但し、組成物(1)の
代わりに下記の組成物(3)を調製し使用した。組成物(3) 成 分 配合量 ウレタン・不飽和オルガノオリゴマー(商標:UF503LB、共栄社化学社製 ) 50重量部 2−ブタノン 50重量部 シリコーンオイル(信越化学工業社製) 0.3重量部 組成物(3)において、本発明に係る主要放射線硬性化
樹脂であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマー を表
1にて説明する。また、これは、特開平11−3565
7号公報に記載の方法に従って合成した。さらに、実施
例1と同様にして熱転写記録シートを作製し、評価し
た。評価結果を表2に示す。
【0045】実施例4 下記操作により放射線硬化樹脂被覆層が単一層からなる
熱転写記録シートを作製した。但し、組成物(1)の代
わりに下記の組成物(4)を調製し使用した。組成物(4) 成 分 配合量 ウレタン・不飽和オルガノオリゴマー(商標:UF503TPE、共栄社化学社 製) 65重量部 2―エチル,2−ブチルプロパンジオールジアクリレート(第一工業製薬社製) 35重量部 組成物(4)において、本発明に係る主要放射線硬化性
樹脂であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマー を表
1にて説明する。また、これは、特開平11−3565
7号公報に記載の方法に従って合成した。熱転写記録シートの作製 前記組成物(4)を、基材シートとして合成紙(王子油
化合成紙社製、厚さ110μm)を用い、この一方の面
に塗工液を#10のワイヤーバーにて硬化後の塗布量が
10g/m2になるように塗布した。その上から成形基
体として用いられる75μmのシリコーン塗布ポリエス
テルフィルム(商標:SP−PET−O5−75B、東
セロ社製)を重ね合わせた後、この重層体に、シリコー
ン塗布ポリエステルフィルムの背面から加速電圧175
kV、吸収線量7Mrad、酸素濃度500ppm 以下
の条件で電子線を照射し、組成物(4)を硬化させた。
その後、樹脂被覆層よりポリエステルフィルムを剥離
し、放射線硬化樹脂被覆層を有する本発明の熱転写記録
シートを得た。また、粘弾性を評価するために、前記組
成物(4)を、75μmのポリエステルフィルム(商
標:ルミラー T−60)からなる支持体の表面に、ワ
イヤーバーを用いて、硬化後の塗布量が10g/m
なるように塗布し、その上から成形基体として用いられ
る同種のポリエステルフィルムを重ね合わせた後、この
重層体に前述と同様に電子線を照射し、組成物(4)を
硬化させた。その後、ポリエステルフィルムを剥離し、
硬化樹脂被覆層のみを得、これを動的粘弾性試験に供し
た。実施例1と同様にして熱転写記録シートを評価し
た。評価結果を表2に示す。
【0046】実施例5 下記の操作により熱転写記録シートを作製した。組成物(5)(外側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ウレタン・不飽和オルガノオリゴマー(商標:UF502LE、共栄社化学社製 ) 65重量部 2−ブタノン 35重量部組成物(6)(内側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ウレタン・不飽和オルガノオリゴマー(商標:UF503LN、共栄社化学社製 ) 35重量部 ネオペンチルグリコールジアクリレート(共栄社化学社製) 35重量部 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学社製) 30重量部 組成物(5)および(6)において、本発明に係る主要
放射線硬化性樹脂であるウレタン・不飽和オルガノオリ
ゴマー を表1にて説明する。また、これらは、特開平
11−35657号公報に記載の方法に従って合成し
た。
【0047】熱転写記録シートの作製 前記組成物(6)を、基材シートである合成紙(厚さ1
10μm)一方の面に#10のワイヤーバーにて硬化後
の塗布量が10g/m2になるように塗布し、塗布面か
ら加速電圧175kV、吸収線量4Mrad、酸素濃度500
ppm 以下の条件で電子線を照射し、組成物(6)を硬化
させ内側樹脂被覆層を形成させた。次に、前記組成物
(5)を、形成された内側樹脂被覆層上に#10のワイ
ヤーバーにて硬化後の塗布量が5g/m2になるように
塗布し、100℃で1分間乾燥させ、その上から成形基
体として用いられる75μmのシリコーン塗布ポリエス
テルフィルムを重ね合わせた後、この重層体に、シリコ
ーン塗布ポリエステルフィルムの背面から加速電圧17
5kV、吸収線量4Mrad、酸素濃度500ppm以下
の条件で電子線を照射し、組成物(5)を硬化させ、内
側硬化樹脂被覆層、外側硬化樹脂被覆層および支持体を
一体に接着させた。その後、樹脂被覆層よりシリコーン
塗布ポリエステルフィルムを剥離し、放射線硬化樹脂被
覆層を有する熱転写記録シートを得た。また、外側樹脂
被覆層の粘弾性を評価するために、前記組成物(5)
を、75μmのポリエステルフィルム(商標:ルミラー
T−60)からなる支持体の表面に、ワイヤーバーを
用いて、硬化後の塗布量が10g/mになるように塗
布し、100℃で1分間乾燥させ、その上から成形基体
として用いられる同種のポリエステルフィルムを重ね合
わせた後、この重層体に前述と同様に電子線を照射し、
組成物(5)を硬化させた。その後、ポリエステルフィ
ルムを剥離し、外側硬化樹脂被覆層のみを得、これを動
的粘弾性試験に供した。実施例1と同様にして熱転写記
録シートを評価した。評価結果を表2に示す。
【0048】比較例1 特開昭63−74691号公報記載の実施例を参考にし
て、組成物(1)の代わりに下記の組成物(7)を調製
し、下記の操作により熱転写記録シートを作製した。組成物(7) 成 分 配合量 ポリエステル樹脂(東洋紡社製:RV200) 100重量部 ペンタエリスリトールアクリレート(日本化薬社製) 20重量部 2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン(荒川化 学工業社製) 20重量部 シリコンオイル(東レダウコーニング社製:SF8724) 3重量部 トルエン/2−ブタノン=1/1の混合溶媒 584重量部熱転写記録シートの作製 前記組成物(7)を、基材シートとして合成紙(厚さ1
10μm)を用い、この一方の面に塗工液を#10のワ
イヤーバーにて硬化後の塗布量が10g/m2になるよ
うに塗布し、100℃で1分間乾燥させた。この面から
加速電圧175kV、吸収線量7Mrad、酸素濃度50
0ppm 以下の条件で電子線を照射し、組成物(7)
を硬化させ、熱転写記録シートを得た。また、粘弾性を
評価するために、前記組成物(7)を、75μmのポリ
エステルフィルム(商標:ルミラー T−60)からな
る支持体の表面に、ワイヤーバーを用いて、硬化後の塗
布量が10g/mになるように塗布し、100℃で1
分間乾燥させ、その上から成形基体として用いられる同
種のポリエステルフィルムを重ね合わせた後、この重層
体に前述と同様に電子線を照射し、組成物(7)を硬化
させた。その後、ポリエステルフィルムを剥離し、硬化
樹脂被覆層のみを得、これを動的粘弾性試験に供した。
実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示
す。
【0049】比較例2 特開昭62−23790号公報記載の実施例を参考にし
て、組成物(1)の代わりに下記の組成物(8)を調製
し、比較例1と同様の操作を行った。組成物(8) 成 分 配合量 アジピン酸系ポリエステルジオール(分子量1000)のウレタン変性オリゴマ ー 70重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製) 30重量部 シリコーンオイル(信越化学工業社製) 0.3重量部 トルエン 100重量部 実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示
す。
【0050】比較例3 特開平5−185746号公報記載の実施例に準じて、
組成物(1)の代わりに下記の組成物(9)を調製し、
下記の操作により熱転写記録シートを作製した。組成物(9) 成 分 配合量 イソボロニルアクリレート(共栄社化学社製) 60重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合成化学工業社製) 40重量部熱転写記録シートの作製 前記組成物(9)を、基材シートとして合成紙(王子油
化合成紙社製、厚さ110μm)を用い、この一方の面
に塗工液を#10のワイヤーバーにて硬化後の塗布量が
10g/m2になるように塗布した。その上から成形基
体として用いられる75μmのシリコーン塗布ポリエス
テルフィルム(商標:SP−PET−O5−75B、東
セロ社製)を重ね合わせた後、この重層体に、シリコー
ン塗布ポリエステルフィルムの背面から加速電圧175
kV、吸収線量4Mrad、酸素濃度500ppm 以下
の条件で電子線を照射し、組成物(9)を硬化させた。
その後、樹脂被覆層よりポリエステルフィルムを剥離
し、放射線硬化樹脂被覆層を有する本発明の熱転写記録
シートを得た。また、粘弾性を評価するために、前記組
成物(9)を、75μmのポリエステルフィルム(商
標:ルミラー T−60)からなる支持体の表面に、ワ
イヤーバーを用いて、硬化後の塗布量が10g/m
なるように塗布し、その上から成形基体として用いられ
る同種のポリエステルフィルムを重ね合わせた後、この
重層体に前述と同様に電子線を照射し、組成物(9)を
硬化させた。その後、ポリエステルフィルムを剥離し、
硬化樹脂被覆層のみを得、これを後述する動的粘弾性試
験に供した。実施例1と同様にして熱転写記録シートを
評価した。評価結果を表2に示す。
【0051】比較例4 組成物(1)の代わりに下記の組成物(10)を調製
し、比較例3と同様の操作を行った。組成物(10) 成 分 配合量 ポリプロピレングリコール(分子量400)のウレタン変性不飽和オリゴマー 70重量部 ネオペンチルグリコールジアクリレート(共栄社化学社製) 30重量部 実施例1と同様にして熱転写記録シートを評価した。評
価結果を表2に示す。また、組成物(10)における主
要放射線硬化性樹脂であるウレタン変性不飽和オリゴマ
ーについて、表1にそれを説明する。
【0052】
【表1】
【0053】
【0054】
【表2】
【0055】表2が明らかに示しているように、本発明
に係る粘弾性特性を有する硬化樹脂被覆層を外側の層と
して有した熱転写記録シートは、プリンター走行性が良
好でありながら、昇華性染料染着性に極めて優れている
ものであった(実施例1〜5)。さらに、一般式(1)
で表現される本発明の範囲内の放射線硬化性樹脂であれ
ば、特に昇華性染料染着性が良好であり、繰り返し数
n 、ポリマージオールの脱水素残基−ORO−の分
子量、ジヒドロキシル化合物の脱水素残基−ORO−
の構造が変化しても、昇華性染料染着性はほとんど変わ
らず、プリンター走行性も悪化することはなかった(実
施例2〜5)。また、層構成を二層にした場合でも、本
発明に係る熱転写記録シートは、その効果に変わりはな
く、十分実用に耐え得るものであった(実施例5)。し
かし、先行技術によって作製された放射線硬化によって
なる熱転写記録シートにおいては、いずれも本発明に係
る粘弾特性を示さないため、熱可塑性ポリエステル樹脂
を用いた場合には、十分な転写濃度が得られるものの、
プリンター走行性が極めて不良であった(比較例1)。
また、単に放射線硬化性樹脂が配合されていても、比較
例2〜4のように、プリンター走行性と高い転写濃度の
両者を満足させ得ず、実用に耐え得るものではなかっ
た。
【0056】
【発明の効果】本発明は、シート状支持体上に1層以上
の放射線硬化樹脂被覆層を設け、その外側の硬化樹脂被
覆層が、0℃以上80℃以下のガラス転移点(動的粘弾
性測定におけるtanδのピーク値)を有し、かつ、その
動的粘弾性測定において得られるガラス転移点+30℃
における貯蔵弾性率(E')が、1×10Pa以上1×1
Pa以下である硬化樹脂被覆層によって形成する事に
より、スティック現象が生じず、プリンター走行性極め
て良好であり、昇華性染料染着性にも優れた高品質な熱
転写記録シートを提供するものであり、実用上極めて有
効である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、その少なくとも一
    面上に形成され、かつ、放射線硬化性樹脂を含有する塗
    料組成物を塗布し放射線硬化して得られた硬化樹脂被覆
    層を有する熱転写記録シートにおいて、該硬化樹脂被覆
    層のガラス転移点(動的粘弾性測定におけるtanδの
    ピーク値)が、0℃以上80℃以下であり、かつ、その
    動的粘弾性測定において得られるガラス転移点+30℃
    における該硬化樹脂被覆層の貯蔵弾性率(E’)が、1
    ×10Pa以上1×10Pa以下であることを特徴とす
    る熱転写記録シート。
  2. 【請求項2】 前記硬化樹脂被覆層が昇華性染料染着
    性樹脂層であることを特徴とする請求項1記載の熱転写
    記録シート。
  3. 【請求項3】 前記塗料組成物中に、下記 一般式
    (1)で表現されるウレタン・不飽和オルガノオリゴマ
    ーを放射線硬化性樹脂として含有することを特徴とする
    請求項1または2記載の熱転写記録シート。 【化1】 (式中、−ORO−は数平均分子量200〜2000の
    ポリマージオールの脱水素残基、−R−は有機ジイソ
    シアネート残基、−ORO− は、ジヒドロキシル化合物
    のヒドロキシル基の脱水素残基を示し、CH=C(R
    )COORO−は、二重結合を1つ以上含むヒドロ
    キシル基含有(メタ)アクリル酸エステルの脱水素残基
    であり、Rは水素原子またはメチル基、Rは2価の
    アルコール残基を各々示す。また、nは、1〜100の
    整数を示す。)
  4. 【請求項4】一般式(1)で表現されるウレタン・不飽
    和オルガノオリゴマーを硬化樹脂被覆層重量に対し10
    重量%以上含有することを特徴とする請求項3記載の熱
    転写記録シート。
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