JP2000326642A - 熱転写記録用シート - Google Patents

熱転写記録用シート

Info

Publication number
JP2000326642A
JP2000326642A JP11141525A JP14152599A JP2000326642A JP 2000326642 A JP2000326642 A JP 2000326642A JP 11141525 A JP11141525 A JP 11141525A JP 14152599 A JP14152599 A JP 14152599A JP 2000326642 A JP2000326642 A JP 2000326642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
radiation
composition
thermal transfer
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11141525A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadakazu Miyata
忠和 宮田
Fumio Jinno
文夫 神野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP11141525A priority Critical patent/JP2000326642A/ja
Publication of JP2000326642A publication Critical patent/JP2000326642A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線により硬化され、低エネルギーにおい
ても容易に染着が可能で高濃度の画像が得られ、紙間摩
擦が良好で、耐折り割れ性が良好な高光沢熱転写記録用
シートを提供する。 【解決手段】 シート状支持体と、その少なくとも一面
上に形成され、かつ、放射線硬化性樹脂を含有する塗料
組成物を塗布し放射線硬化して得られた硬化樹脂層とを
有する熱転写記録用シートにおいて、該塗料組成物中
に、分子中に分子量4000〜10000のポリエステ
ル構造を有するポリエステルウレタンアクリレートを含
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料を熱により転
写し画像を形成する熱転写記録用シートに関し、特に
は、高光沢のカラー画像に適する昇華性染料熱転写方式
のプリンター等に適する熱転写記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会の発展に伴い、カ
ラーハードコピーの多色性、多階調性が強く望まれてい
る。そのようなカラーハードコピーの一手段として色材
層に昇華性染料を含む昇華性染料方式の転写受像体があ
る。このような転写受像体から得られたハードコピー
は、色彩の中間調の再現が容易で美しいことに特色があ
る。昇華性染料転写法のプリンター原理は、画像を電気
信号に変換し、さらにこの電気信号をサーマルヘッド
(以下、ヘッドと略す)により熱信号に変換して昇華性
染料が塗布されたシート(インクシート)を加熱し、昇
華性染料をインクシートに密着した感熱転写受像体上に
転写・固定し、画像を再生するものである。
【0003】一方、近年の高級化志向に伴って、ハード
コピーにおいてもより優れた光沢、つや(照り)が望ま
れる傾向にあり、銀塩写真印画紙の様な美しい色彩と高
光沢性を有する感熱転写受像体が、市場において要求さ
れつつある。ここで本発明に係る高光沢とは、例えばグ
ロスメーターにおいて60°/60°光沢度が80以上
の測定値を示す場合とするが、これに限定されるもので
はない。
【0004】従来の感熱転写受像体は、紙、合成紙、白
色顔料を充填したフィルムなどの支持体にポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合体、酢酸エステルセルロース、アクリル樹
脂などの熱可塑性樹脂を主成分とする受像層を設けたも
のである。しかしながら、このような熱可塑性樹脂を受
像体として用い、所望の記録濃度を得るための熱エネル
ギーをヘッドに加えた場合、受像体樹脂がヘッドの熱に
より軟化あるいは溶融してインクシートと付着し、イン
クシートと受像体が各々規定の速度で走行しない、いわ
ゆるスティックと呼ばれる現象が生じる。
【0005】このような現象を解決するために、有機多
官能イソシアナート等の架橋剤を添加し、樹脂被覆層を
熱架橋させて耐熱性を向上させる方法が用いられてい
る。しかし、この熱架橋による方法は、加熱をしなけれ
ばならず多大なエネルギーを必要とすること、および/
あるいは、いわゆる「ムロ入れ」と呼ばれる架橋を完了
させるための時間を要すること等の工程上の問題があっ
た。
【0006】そこで、このような熱架橋を必要とする熱
可塑性樹脂に替えて、放射線硬化性樹脂を利用する方法
が提案された。そのような技術として、例えば、特開昭
58−212994号公報、特開昭62−23790号
公報、特開昭63−74691号公報、特開平5−18
5746号公報等が挙げられる。
【0007】このうち、特開昭58−212994号公
報は、通常の熱可塑性樹脂に架橋剤として放射線硬化型
ラジカル重合性化合物を用いたものであり、この技術に
よって得られた受像体は、必ずしも十分な昇華性染料受
理性を有していない。さらに、特開昭63−74691
号公報においては、上述の熱可塑性樹脂として、高染着
性を示すポリエステル樹脂を用いた技術が開示されてい
る。この技術を用いて得られた受像体は、高い転写濃度
示すものの、耐熱性に劣るため、高温環境下における紙
間摩擦性が悪くなったり、スティック現象が発生する。
紙間摩擦性が悪化すると、プリント時に数枚の受像体が
同時に紙送りされる、いわゆる重送が生じ、好ましくな
い。
【0008】特開昭62−23790号公報には、分子
量が3000以下のポリエステルウレタンアクリレート
を感熱転写受像体に用いる技術が開示されている。それ
によれば分子量を低くすることにより、耐熱性と染着性
が良くなるとされている。しかしながら、本発明者らの
研究によれば、分子量が低いことにより、硬化皮膜がも
ろいという欠点を有する。硬化皮膜がもろく破断伸度が
低いと、折り割れしやすくなり画像形成面の美観を著し
く悪化させ、品質上問題を生じる。
【0009】さらに、特開平5−185746号公報で
は、イソボロニル骨格を有する放射線硬化性有機化合物
を感熱転写受像体に用いることが記載されているが、染
料転写濃度は未だ十分ではなく、耐折り割れ性が極めて
不十分である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記各問題
に対し、昇華性染料受理性に優れ、紙間摩擦が良好で、
耐折り割れ性が良好な熱転写記録用シートを提供するも
のであり、更に詳しく述べるならば、放射線により硬化
され、低エネルギーにおいても容易に染着が可能で高濃
度の画像が得られる受像層を有する高光沢熱転写記録用
シートを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、「シー
ト状支持体と、その少なくとも一面上に形成され、か
つ、放射線硬化性樹脂を含有する塗料組成物を塗布し放
射線硬化して得られた硬化樹脂層とを有する熱転写記録
用シートにおいて、該塗料組成物中には、分子中に分子
量4000〜10000のポリエステル構造を有する下
記一般式1で表される放射線硬化性樹脂を、硬化樹脂層
重量に対して10重量%以上含有することを特徴とする
熱転写記録用シート」である。
【化3】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は2価アル
コール残基、R3は有機ジイソシアナート残基、R4は分
子両末端に水酸基を含有するポリエステルの残基で分子
量4000〜10000を示す。)
【0012】また、本発明のもう一つは、前記発明にお
いて、前記塗料組成物中には、更に、下記一般式2で表
わされる放射線硬化性化合物を含有する熱転写記録用シ
ートである。
【化4】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R5はC1〜C6
のアルキル鎖、R6は、水素原子またはC1〜C6のアル
キル鎖、また、R7は、水素原子またはC1〜C6のアル
キル鎖を示す。)
【0013】
【発明の実施の形態】一般式1の放射線硬化性樹脂を得
るには、まず、2価のアルコール化合物と多塩基酸とを
反応させてエステル結合を有するポリエステル構造を得
る。つづいて、ポリエステル化合物のアルコール残基と
ポリイソシアネートとを反応させウレタン結合を導入
し、さらにこれをヒドロキシ(メタ)アクリレートを反
応させればよい。ここで用いられる 2価のアルコール
化合物、多塩基酸、ポリイソシアネート、ヒドロキシ
(メタ)アクリレート等の種類には特に制限はない。
【0014】上記放射線硬化性樹脂の合成に用いられる
2価のアルコール化合物を具体的に例示すると、エチレ
ングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペン
タンジオール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジオール等であり、さらに、これらから選ば
れた1種の2価のアルコール化合物と他の2価のアルコ
ール化合物との混合物であっても良い。多塩基酸として
は、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、お
よびピロメリット酸等があり、ポリイソシアネートとし
ては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキ
シルイソシアネート)、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびトリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート等があり、ヒドロキ
シ(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート等がある。また、前述の
ポリエステル構造を得るために、ラクトン環を開環重合
したり、α―ヒドロキシ酸を重合したりしても良い。そ
のようにして得たポリエステル構造として、ポリグリコ
ール酸、ポリ乳酸、ポリε―カプロラクトン、ポリβ―
ヒドロキシブチレート等が挙げられる。
【0015】本発明に使用する、一般式1で表される放
射線硬化性樹脂において、R4の部分の分子量は400
0〜10000である必要があり、より好ましくは、5
000〜7000である。該分子量が4000未満の場
合、放射線照射により硬化された塗膜の架橋密度が高す
ぎて、柔軟性を著しく損なうばかりではなく、昇華性染
料受理性が不良となり、従って、転写濃度まで低くなっ
てしまう(比較例2)。また、該分子量が、10000
を越えると、塗料組成物の粘度が極端に高くなりすぎて
希釈有機溶剤を用いても流動性が不良になり、ハンドリ
ングの点から使用に困難をきたすばかりではなく、塗工
性不良、硬化性不良を発生する場合もある。
【0016】前記分子量が4000以上の高分子量のポ
リエステル構造を有するポリウレタンアクリレートを用
いると、分子鎖間凝集力や分子鎖の物理的絡み合い効果
といった高分子特有の現象の発生によって、(1)昇華
性染料の保持能力が向上し、かつ(2)破断伸度を失う
ことなく、硬化塗膜の弾性率が格段に高くなり、(3)
耐熱性が附与される。
【0017】次に、塗料組成物中における一般式1以外
の成分について説明する。塗料組成物中には、染料受容
性、摩擦性、白色度、塗料流動性、硬化速度等を制御す
るため、他の成分を有していても良い。但し、一般式1
で表される物質は、硬化樹脂層の重量に対して10重量
%以上であることが必要で、好ましくは20重量%以上
である。ここで、硬化樹脂層の重量は、水分・溶剤等を
乾燥し、また、硬化反応を終了し、揮発分を除去した後
の重量を意味する。
【0018】前記他の成分としては、放射線硬化性化合
物、有機溶剤、顔料、などである。また、酸化防止剤、
帯電防止剤、安定剤、滑剤、耐光性改良剤などの各種の
添加剤を適宜組み合わせて加えることができる。塗料粘
度を下げ、塗工し易くするために、用いる有機溶剤とし
ては、2−ブタノン、アセトン、トルエンなどが挙げら
れる。放射線硬化性化合物としては、放射線硬化性の熱
転写記録体受容層用として従来公知のモノマー、オリゴ
マー、ポリマーが使用可能である。中でも、前記一般式
2で表される構造を有する放射線硬化性化合物を配合す
ることにより、一般式1の物質による効果を低減させる
ことなく、塗料組成物の低粘度化を図ることが可能であ
る。
【0019】以下に、一般式2で表される代表的な化合
物を例示する。例えば、エチレングリコールジアクリレ
ート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,
3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−ブタン
ジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、メチルペン
タンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレ
ート、2−エチル,2−ブチル−プロパンジオールジア
クリレート 等が挙げられる。
【0020】塗料組成物中に顔料を配合する場合、顔料
は乾燥後の全硬化樹脂層重量に対して、10〜80重量
部であることが好ましく、より好ましくは20〜60重
量部である。顔料配合量が10重量部未満では、顔料の
隠蔽性が不良になることがあり、それが80重量部より
多くなると、硬化前の樹脂塗料粘度が過度に高くなり、
流動性が不良になってしまうことがあるので、好ましく
ない。
【0021】顔料としては、クレー、カオリン、タル
ク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、重質炭
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン(ア
ナターゼ型およびルチル型)、亜鉛華、硫酸バリウム等
の無機顔料、およびプラスチックピグメントとして知ら
れているポリスチレンのような有機顔料を使用すること
ができる。これらの顔料は通常白色であり、表面無処理
のまま使用してもよいが、シロキサン、アルミナ、アル
コール、シランカップリング剤等で表面処理を施したも
のを使用してもよい。また顔料は、単一種からなるもの
でもよく、又は2種類以上を混合して使用してもよい。
また、このような顔料が配合された塗料組成物には分散
剤、離型剤、消泡剤、着色剤、染料、防腐剤等の公知の
助剤を必要に応じて配合することもできる。
【0022】白色顔料を塗料組成物中に分散するには、
3本ロールミル(スリーロールミル)、2本ロールミル
(ツーロールミル)、カウレスデルバー、ホモミキサ
ー、サンドグラインダー、プラネタリーミキサー、およ
び超音波分散機等を使用することができる。
【0023】本発明に係る熱転写記録用シートの製造方
法としては、シート状支持体の表面上に、放射線硬化性
塗料組成物を塗布して塗布液層を形成し、放射線を照射
して硬化させれば良い。光沢を付与するためには、キャ
スト法を使用することが望ましい。キャスト法として
は、(1)シート状支持体の表面上に、放射線硬化性塗
料組成物を塗布して塗布液層を形成し、該塗布液層を成
形基体表面に接触させた状態において、放射線硬化させ
た後、成形基体表面から剥離する方法、(2)成形体表
面に放射線硬化性塗料組成物を塗布して塗布液層を形成
し、該塗布液層にシート状支持体を張り合わせた状態で
放射線硬化し、硬化樹脂層を含むシートを成形体表面か
ら分離する方法、があるが、そのいずれでも良い。この
場合、成形基体は、樹脂製または金属製のドラム若しく
はロールでも良いし、フィルム状でも良い。
【0024】キャスト法において、成形基体表面あるい
はシート状支持体表面に放射線硬化性塗料組成物を塗被
する方法としては、例えばバーコート法、エアードクタ
ーコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エ
アーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート
法、トランスファーコート法、コンマコート法、スムー
ジィングコート法、マイクログラビアコート法、リバー
スロールコート法、マルチロールコート法、ディップコ
ート法、ロッドコート法、キスコート法、ゲートロール
コート法、落下カーテンコート法、スライドコート法、
ファウンテンコート法、およびスリットダイコート法等
を用いることができる。特に成形基体として金属製円筒
型回転体を使用する場合には、金属製円筒型回転体の表
面に傷を付けないために、塗布用ゴムロールを使用する
ロールコート法あるいはオフセットグラビアコート法を
用いることが好ましく、さらには非接触タイプのファウ
ンテンコーターやスリットダイコーター等が有利に用い
られる。
【0025】塗料組成物中に、トルエン、アセトン、2
−ブタノン等の有機溶剤を含む場合、別に乾燥工程を設
置しても良い。用いる乾燥装置としては、特に制限はな
く、放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤外線ドラ
イヤーや、電磁誘導を利用したロールヒーター、油媒を
利用したオイルヒーターおよび、これらの熱風を利用し
た乾燥装置などが挙げられる。
【0026】キャスト法に用いられる成形基体として金
属製円筒型回転体を使用することができるが、その材質
形状に限定はなく、例えばステンレススチール、銅、ク
ロム等から形成され、鏡面仕上げされた平滑な周面を有
しているものが用いられる。また硬化樹脂層と基体表面
との剥離を容易にするために、金属製円筒型回転体の表
面にシリコーンオイルやワックス等の剥離助剤を供給す
ることもできる。
【0027】成形基体として使用するフィルム状成形基
体は、平滑で柔軟性があればその材質に限定はないが、
具体的にはポリエステルフィルムのようなプラスチック
フィルム、金属シート、樹脂コート紙、金属蒸着フィル
ム、金属蒸着紙等が好ましく、成形用シート状材料の表
面には、受容層の剥離を容易にするために、シリコーン
やワックス等の剥離助剤を供給してもよい。さらに成形
基体フィルムの表面に予じめ適宜の処理、例えばシリコ
ーン処理のような処理を施して、硬化した受容層からの
剥離を容易にしてもよい。成形基体として使用されるフ
ィルムは、エンドレスベルト状に加工されていてもよ
い。成形基体として使用するフィルム状材料は繰り返し
て使用することもできるが、度重なる放射線照射による
衝撃はフィルム状材料を劣化させるために、この繰り返
し使用の回数には限度がある。
【0028】また、本発明の支持体の凹凸を平均化した
り、白色度、不透明度を向上させる目的で、プレコート
層として支持体と放射線硬化被覆層との間に別の層を設
けても良く、同様の目的および/あるいは、表面の平滑
性を更に得る目的で、放射線硬化樹脂被覆層を2層以上
の積層構造にしても良い。このようなプレコート層を設
けることは、シート状支持体上に放射線硬化性樹脂組成
物を塗被して硬化樹脂層を形成する分野では一般に行わ
れている手段であり、例えば放射線硬化性樹脂組成物を
塗被した写真印画紙用支持体、電子写真用転写紙、感熱
用基紙、工程用剥離紙、インクジェット記録用紙、包装
紙等の製造において用いられている。
【0029】まず、通常のプレコート層について説明す
る。プレコート層を構成する物質として、クレー、タル
ク、カオリン、アンシレックスなどの無機コート層や、
ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン)、
ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、等の熱可
塑性樹脂ホモポリマーまたはエチレン/プロピレン共重
合体等の2種以上のオレフィンからなる共重合体、(メ
タ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはこれら
の共重合体樹脂等の有機素材を用いることができ、これ
らの樹脂を単独であるいは混合して用いる事ができる。
これらの樹脂の中には白色度、不透明度を向上させるた
めの白色顔料が含まれていても良い。顔料としては、前
記した塗料組成物に使用できるものと同様のものが使用
できる。また、インクシートとの密着性、受像層の断熱
性向上の目的で中空粒子を含有してもよい。これらの無
機および/あるいは有機素材は溶剤系あるいは水性系媒
体に溶解または分散して塗布する。
【0030】次に、プレコート層も放射線硬化型である
場合、即ち、放射線硬化樹脂層を2層以上設ける場合に
ついて説明する。この場合、塗料組成物中の成分や塗工
方法は、1層の場合と同様に考えられるが、必要に応じ
て、1層目と2層目の役割を変えることが合理的であ
る。例えば、内側樹脂層を、顔料が配合された放射線硬
化体から形成し、白色度と不透明度を向上させ、最外側
樹脂層を、顔料の配合されていない放射線硬化性塗料組
成物の放射線照射による硬化体から形成し、表面平滑性
を付与する。さらに、表面平滑性と光沢度を付与するた
めに、これらの形成にもキャスト法を用いることが好ま
しい。
【0031】2層以上の放射線硬化樹脂層を形成する場
合、第1層目の放射線硬化性塗料組成物をシート状支持
体上に塗布して内側塗布液層を形成し、別に成形基体表
面上に、第2層目の放射線硬化性塗料組成物を塗布して
最外側塗布液層を形成し、前記成形基体表面上において
これに放射線照射を施して硬化して、最外側塗布液層を
形成し、前記成形基体表面上の最外側樹脂層に、前記シ
ート状支持体上の内側塗布液層を重ね合わせ、それによ
って形成された重層体に放射線照射を施して、内側塗布
液層および最外側樹脂層を互に接着および硬化するとと
もに、内側樹脂層を介してシート状支持体と最外側樹脂
層とを接合して重層体を形成し、この積層体を成形基体
表面から剥離する方法がある。
【0032】本発明の熱転写記録用シートにおいて、放
射線硬化樹脂層の量(一層の場合その量、2層の場合は
2層の合計量)は、硬化後において2〜60g/m2
あることが好ましく、より好ましくは3〜40g/m2
である。この塗被量が2g/m2未満では、得られる塗
被体の平滑性が不十分になり、美粧性が得られず、光沢
度が低下することがある。また、それが60g/m2
り多くなると、効果が飽和しコスト高になることがあ
る。また、昇華性染料の転写濃度が低下することもあり
好ましくない。
【0033】特に、最外側樹脂層において美粧性を付与
するためには、該層の硬化後の塗被量が0.1g/m2
以上であることが好ましく、より好ましくは0.3〜2
0g/m2である。最外側樹脂被覆層の塗被量が0.1
g/m2未満であると、顔料の配合量が多くても隠蔽性
が不十分になることがある。また、内側樹脂層の機能を
確保するためには、その硬化後の塗被量が3g/m2
上であることが好ましく、より好ましくは5〜20g/
2である。内側樹脂被覆層の塗被量が3g/m2未満で
は紙基体の地合ムラを埋めきれず、得られる熱転写記録
用シートの表面平滑度が不十分になることがある。
【0034】本発明に用いられるシート状支持体の種類
に関しては特に制限はなく、紙(例えば上質紙、塗工
紙、ラミネート紙)、ガラスペーパー、プラスチックフ
ィルム、プラスチックフィルムを擬紙化したいわゆる合
成紙、布、合成繊維、不織布、またはアルミニウム箔等
の比較的厚さの薄いものを用いることができる。紙支持
体としては、通常50〜300g/m2の重量を有し、
表面の平滑な紙支持体が用いられる。本発明で用いられ
る紙支持体の種類には、特に制限は無い。紙支持体を形
成するパルプとしては、一般的には、樅、栂等から製造
した針葉樹パルプ、楓、ブナ、ポプラ等から製造した広
葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプ等の天然パルプを
主成分とするものが広く用いられ、クラフトパルプ、サ
ルファイトパルプ、ソーダパルプ等の晒パルプを使用で
きる。また合成繊維や合成パルプを含むパルプから製造
した紙支持体も使用できる。前記紙支持体には、通常の
各種添加剤、例えば乾燥紙力増強剤、サイズ剤、填料、
湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤等を1種類以上含む
ことができる。
【0035】また、本発明のシート状支持体は、例え
ば、上質紙のような紙支持体の片面または両面にクレ
ー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、二酸化チタン、水酸化マグネシウム、プラスチ
ックピグメント等の顔料および、アクリル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、酢酸
ビニル−エチレン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン
共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の合成樹脂を主成
分とする顔料塗被層を有するコート紙、キャストコート
紙、アート紙などの顔料塗被紙、ポリエチレンのような
ポリオレフィン樹脂で片面あるいは両面にラミネートを
施したラミネート紙であってもよい。
【0036】さらに本発明に用いられる紙支持体の代わ
りに、プラスチックフィルムや、いわゆる合成紙のよう
なシート状支持体を使用することに何ら差し支えない。
例えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等のポ
リオレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を溶融押
し出し法で形成したフィルムをシート状支持体として使
用することもできる。また、これらのフィルムを加工し
擬紙化した合成紙もシート状支持体として用いることが
できる。シート状支持体として使用されるプラスチック
フィルムや、合成紙は、複数の異なるおよび/あるいは
同種のフィルムを貼りあわせたものであっても良く、さ
らに、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、二
酸化チタン、水酸化マグネシウム等の顔料、ステアリン
酸亜鉛等の金属石鹸や各種の界面活性剤等の分散剤、お
よび有色顔料等の1種類以上が含まれてもよい。
【0037】また、本発明において、支持体とインク受
理層の接着性と濡れ性を良くするために支持体表面にコ
ロナ処理やサブコート等の表面処理を行なってもよい。
本発明の熱転写記録用シートの裏面には、溶融押し出し
法によるポリオレフィン樹脂の塗工や、放射線硬化性樹
脂を塗工した後に放射線照射により被膜を形成する方法
により樹脂被覆層を形成したり、カール防止、帯電防
止、筆記性付与のため、バックコート層を設けることが
出来る。バックコート層には帯電防止剤、親水性バイン
ダー、ラテックス、硬膜剤、顔料、界面活性剤等を適宜
組み合わせて含有することができる。
【0038】本発明に係る放射線硬化性樹脂塗料を硬化
させる放射線としては、例えば、電子線、紫外線等の中
から選ばれる1種以上の高エネルギー線であれば良い。
電子線照射に用いられる電子線照射装置としては、特に
その方式に制限はないが、例えばハンデグラーフ型スキ
ャニング方式、ダブルスキャニング方式、ブロードビー
ム方式、およびカーテンビーム方式等の電子線照射装置
を用いることができる。これらの中でも比較的安価で大
出力の得られるカーテンビーム方式が本発明に有効に用
いられる。
【0039】電子線照射の際の加速電圧は、透過力、硬
化力の面から100〜1000kVであることが好まし
く、より好ましくは100〜300kVの電子線加速器
を用い、ワンパスの吸収線量が0.1〜20Mradになる
ようにすることが好ましい。さらに、0.5〜5Mradが
特に好ましい。加速電圧、あるいは電子線照射量がこの
範囲より低いと電子線の透過力が低すぎて支持体の内部
まで十分な硬化が行なわれず、またこの範囲より大きす
ぎるとエネルギー効率が悪化するばかりでなく、支持体
の強度低下や樹脂、添加剤の分解など品質上好ましくな
い影響が現われる。なお、電子線照射に際しては酸素濃
度が高いと電子線硬化樹脂の硬化が妨げられるため、窒
素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を
行い、酸素濃度を1000ppm以下、好ましくは50
0ppm 以下に抑制した雰囲気中で照射することが好
ましい。
【0040】また、紫外線の場合には、紫外線照射装置
として、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯等を用い
ることができる。また、オゾン発生の少ないオゾンレス
タイプを用いても良い。照射する際のエネルギーとして
は、80W/cm以上のランプを用いることが望まし
い。また、放射線硬化樹脂塗料中に光反応開始剤を混合
して用いることが出来る。光反応開始剤としては、ジお
よびトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン
類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベン
ゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類、アゾ化合物等がある。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、これらにより限定されるもので
はない。 <実施例1>下記の操作により放射線硬化樹脂層が単一
層からなる高光沢感熱転写受像体を作製し、評価した。組成物(1) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量4000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 70重量部 2−ブタノン 30重量部 組成物(1)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。
【0042】熱転写記録用シートの作製 前記組成物(1)を、支持体シートとして合成紙(王子
油化合成紙製、厚さ110μm)を用い、この一方の面
に塗工液を#10のワイヤーバーにて溶媒(2−ブタノ
ン)蒸発後の硬化後塗被量が10g/m2になるように
塗被し、100℃で1分間乾燥させた。その上から成形
基体として用いられる75μmのポリエステルフィルム
を重ね合わせた後、この重層体に、ポリエステルフィル
ムの背面から加速電圧175kV、吸収線量3Mrad、
酸素濃度500ppm 以下の条件で電子線を照射し、
組成物(1)を硬化させた。その後、硬化樹脂層よりポ
リエステルフィルムを剥離し、放射線硬化樹脂層を有す
る本発明の熱転写記録用シートを得た。
【0043】また、柔軟性を評価するために、前記組成
物(1)を、75μmのポリエステルフィルム(商標:
ルミラー T−60)からなる支持体の表面に、#10
のワイヤーバーを用いて溶媒(2−ブタノン)蒸発後の
硬化後塗被量が10g/m2になるように塗被し、10
0℃で1分間乾燥させ、その上から成形基体として用い
られる同種のポリエステルフィルムを重ね合わせた後、
この重層体に前述と同様に電子線を照射し、組成物
(1)を硬化させた。その後、ポリエステルフィルムを
剥離し、硬化樹脂層のみを得、これを後述する引っ張り
試験に供した。
【0044】<試験並びに評価方法> (1)染料転写濃度の評価 染料転写濃度は市販のカラービデオプリンター(SON
Y製:UP−5500)でブラックを濃度ステップ印字
したものを、そのステップ14における染着濃度をマク
ベス濃度計(サカタインクス製:RD−914、Aフィ
ルター使用)で評価した。 (2)50℃紙間摩擦の測定(耐熱走行性試験) 紙間摩擦係数は、ASTM D−1894に従い、表面
性測定器 トライボギアHEIDON Type−14D
R・ANL(新東科学社製)を用い、付属の加熱装置に
て50℃に加温しながら、本発明で得られた熱転写記録
用シートと市販のカラービデオプリンター(SONY
製:UP−5500)用の市販受像体のバック面との静
摩擦係数を測定した。 (3)引っ張り試験(柔軟性の評価) 放射線硬化樹脂層のみが得られる試料については、東洋
精機社製ストログラフM2型引っ張り試験機を用い、ク
ロスヘッドスピード5mm/minで測定し、弾性率と
破断強度を求め、硬化樹脂層の柔軟性を評価した。 (4)耐折り割れ性の評価 耐折り割れ性の評価は、J
IS−K5400.6.15に従い、直径2mmの心棒
用い、放射線硬化樹脂層を外側にして試験片を約1秒か
けて約180度折り曲げた。屈曲部の硬化樹脂層の「割
れ」、「はがれ」の状況を5段階にて官能評価した。評
価が、「〇」あるいは「◎」の場合、耐折り割れ性に優
れていると判定する。なお「△」は、亀裂が入る場合で
あり、「×」は、割れてしまう状態を示しており、これ
らは実用に耐えない。 (5)光沢度 白紙光沢度は、JIS−Z8741によりグロスメータ
ーVGS−1D(日本電色工業製)を用い、60°/6
0°における光沢度を測定した。測定数値が80以上の
ものは光沢度に優れている(高光沢)と判定した。評価
結果を表2に示す。
【0045】<実施例2>実施例1と同様の操作を行っ
た。但し、組成物(1)の代わりに下記の組成物(2)
を調製し使用した。組成物(2) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量4000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 50重量部 2−ブタノン 50重量部 組成物(2)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。また、実施例1と
同様にして熱転写記録用シートを作製し、評価した。評
価結果を表2に示す。
【0046】<実施例3>実施例1と同様の操作を行っ
た。但し、組成物(1)の代わりに下記の組成物(3)
を調製し使用した。組成物(3) 成 分 配合量 ポリブチレンアジペート(分子量6000)のウレタン変性 アクリレートオリゴマー 50重量部 2−ブタノン 50重量部 組成物(3)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。また、実施例1と
同様にして熱転写記録用シートを作製し、評価した。評
価結果を表2に示す。
【0047】<実施例4>実施例1と同様の操作を行っ
た。但し、組成物(1)の代わりに下記の組成物(4)
を調製し使用した。組成物(4) 成 分 配合量 ポリエチレングリコールイソフタレート(分子量4000) のウレタン変性アクリレートオリゴマー 50重量部 2−ブタノン 50重量部 組成物(4)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。また、実施例1と
同様にして熱転写記録用シートを作製し、評価した。評
価結果を表2に示す。
【0048】<実施例5>実施例1と同様の操作を行っ
た。但し、組成物(1)の代わりに下記の組成物(5)
を調製し使用した。組成物(5) 成 分 配合量 ポリε―カプロラクトン(分子量4000) のウレタン変性アクリレートオリゴマー 50重量部 2−ブタノン 50重量部 組成物(5)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。また、実施例1と
同様にして熱転写記録用シートを作製し、評価した。評
価結果を表2に示す。
【0049】<実施例6>実施例1と同様の操作を行っ
た。但し、組成物(1)の代わりに下記の組成物(6)
を調製し使用した。組成物(6) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量4000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 35重量部 ネオペンチルグリコールジアクリレート (大阪有機化学工業社製) 15重量部 2−ブタノン 50重量部 組成物(6)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。また、実施例1と
同様にして熱転写記録用シートを作製し、評価した。評
価結果を表2に示す。
【0050】<実施例7>実施例1と同様の操作を行っ
た。但し、組成物(1)の代わりに下記の組成物(7)
を調製し使用した。組成物(7) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量4000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 35重量部 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート (第一工業製薬社製) 15重量部 2−ブタノン 50重量部 組成物(7)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。また、実施例1と
同様にして熱転写記録用シートを作製し、評価した。評
価結果を表2に示す。
【0051】<実施例8>組成物(1)の代わりに下記
の組成物(8)を調製し、下記の操作により熱転写記録
用シートを作製した。組成物(8) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量4000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 70重量部 2―エチル 2−ブチルプロパンジオールジアクリレート (第1工業製薬社製) 30重量部 組成物(8)において、本発明に係るポリエステルウレ
タンオリゴマーを表1にて説明する。
【0052】熱転写記録用シートの作製 前記組成物(8)を、基材シートとして合成紙(王子油
化合成紙製、厚さ110μm)を用い、この一方の面に
塗工液を#10のワイヤーバーに硬化後の塗被量が10
g/m2になるように塗被した。その上から成形基体と
して用いられる75μmのポリエステルフィルムを重ね
合わせた後、この重層体に、ポリエステルフィルムの背
面から加速電圧175kV、吸収線量3Mrad、酸素濃
度500ppm 以下の条件で電子線を照射し、組成物
(8)を硬化させた。その後、硬化樹脂層よりポリエス
テルフィルムを剥離し、放射線硬化樹脂層を有する本発
明の熱転写記録用シートを得た。実施例1と同様にして
熱転写記録用シートを評価した。評価結果を表2に示
す。
【0053】<実施例9>下記の操作により熱転写記録
用シートを作製した。組成物(9) (最外側樹脂層形成用) 成 分 配合量 ポリε―カプロラクトン(分子量4000) のウレタン変性アクリレートオリゴマー 70重量部 ネオペンチルグリコールジアクリレート (大阪有機化学工業社製) 30重量部
【0054】組成物(10) (内側樹脂層形成用) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量4000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 35重量部 2−ブタノン 35重量部 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部 組成物(9)、(10)において、本発明に係るポリエ
ステルウレタンオリゴマーを表1にて説明する。
【0055】熱転写記録用シートの作製 前記組成物(10)を、基材シートである合成紙(厚さ
110μm)一方の面に#10のワイヤーバーにて溶媒
(2−ブタノン)の蒸発後の硬化後塗被量が10g/m
2になるように塗被し、100℃で1分間乾燥させ、塗
布面から加速電圧175kV、吸収線量3Mrad、酸素濃度
500ppm 以下の条件で電子線を照射し、組成物(1
0)を硬化させ内側樹脂層を形成させた。次に、前記組
成物(9)を、形成された内側樹脂層上に#10のワイ
ヤーバーにて硬化後の塗被量が10g/m2になるよう
に塗被し、その上から成形基体として用いられる75μ
mのポリエステルフィルムを重ね合わせた後、この重層
体に、ポリエステルフィルムの背面から加速電圧175
kV、吸収線量3Mrad、酸素濃度500ppm 以下
の条件で電子線を照射し、組成物(9)を硬化させ、内
側樹脂層、最外側樹脂層および支持体を一体に接着させ
た。その後、硬化樹脂層よりポリエステルフィルムを剥
離し、放射線硬化樹脂層を有する熱転写記録用シートを
得た。評価結果を表2に示す。
【0056】<比較例1>特開昭63−74691号公
報記載の実施例を参考にして、組成物(1)の代わりに
下記の組成物(11)を調製し、下記の操作により熱転
写記録用シートを作製した。組成物(11) 成 分 配合量 ポリエステル樹脂(東洋紡社製:RV200) 100重量部 ペンタエリスリトールアクリレート(日本化薬社製) 20重量部 2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジエトキリフェニル)プロパン (荒川化学工業社製) 20重量部 シリコンオイル(東レシリコン製:SF8724) 3重量部 トルエン/2−ブタノン=1/1の混合溶媒 584重量部
【0057】熱転写記録用シートの作製 前記組成物(11)を、基材シートとして合成紙(厚さ
110μm)を用い、この一方の面に塗工液を#10の
ワイヤーバーに溶媒(2−ブタノン)の蒸発後の硬化後
塗被量が10g/m2になるように塗被し、100℃で
1分間乾燥させた。この面から加速電圧175kV、吸収
線量7Mrad、酸素濃度500ppm以下の条件で電
子線を照射し、組成物(12)を硬化させ、熱転写記録
用シートを得た。実施例1と同様にして評価した。評価
結果を表2に示す。
【0058】<比較例2>特開昭62−23790号公
報記載の実施例を参考にして、組成物(1)の代わりに
下記の組成物(12)を調製し、比較例1と同様の操作
を行った。組成物(12) 成 分 配合量 ポリエチレングリコールアジペート(分子量1600) のウレタン変性アクリレートオリゴマー 32重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (共栄社化学社製) 3.8重量部 ベンゾイルオキシエチルアクリレート 3.2重量部 シリコーンオイル(信越化学工業社製) 0.2重量部 酢酸エチル 100重量部 実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示
す。
【0059】<比較例3>組成物(1)の代わりに下記
の組成物(13)を調製し、実施例1と同様の操作を行
った。組成物(13) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量1000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 70重量部 2−ブタノン 30重量部 実施例1と同様にして感熱転写受像体を作製し、評価し
た。評価結果を表2に示す。
【0060】<比較例4>組成物(1)の代わりに下記
の組成物(14)を調製し、実施例8と同様の操作を行
った。組成物(14) 成 分 配合量 ポリネオペンチルグリコールアジペート(分子量1000)の ウレタン変性アクリレートオリゴマー 70重量部 2―エチル,2−ブチルプロパンジオールジアクリレート (第一工業製薬社製) 30重量部 実施例1と同様にして熱転写記録用シートを作製し、評
価した。評価結果を表2に示す。
【0061】<比較例5>特開平5−185746号公
報記載の実施例に準じて、組成物(1)の代わりに下記
の組成物(15)を調製し、実施例8と同様の操作を行
った。組成物(15) 成 分 配合量 イソボロニルアクリレート(共栄社化学社製) 60重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート (東亜合成化学工業社製) 40重量部 実施例1と同様にして熱転写記録用シートを作製し、評
価した。評価結果を表2に示す。
【0062】<比較例6>組成物(1)の代わりに下記
の組成物(16)を調製し、実施例8と同様の操作を行
った。組成物(16) 成 分 配合量 ポリプロピレングリコール(分子量4000)のウレタン変性 アクリレートオリゴマー(荒川化学工業社製) 70重量部 ネオペンチルグリコールジアクリレート (大阪有機化学工業社製) 30重量部 実施例1と同様にして熱転写記録用シートを作製し、評
価した。評価結果を表2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】表2が明らかに示しているように、本発明
の熱転写記録用シートは、柔軟でありながら、かつ、高
い弾性率とそれに伴う耐熱性を有し、高温における紙間
摩擦が良好であり、しかも昇華性染料受理性に優れてい
るものであった(実施例1〜8)。さらにその上、一般
式1で表現される放射線硬化性樹脂で、かつ分子量が本
発明の範囲内であれば、ポリエステルの構造が変化して
も、昇華性染料受理性はほとんど変わらず、高温におけ
る紙間摩擦性も悪化することはなかった(実施例1〜
5)。また、一般式2で表現される放射線硬化性有機化
合物を配合しても、本発明に係る効果に変わりがないこ
とも明らかである(実施例6〜8)層構成を二層にした
場合でも、本発明に係る感熱転写受像体は、その効果に
変わりはなく、十分実用に耐え得るものであった(実施
例9)。しかし、先行技術によって作製された放射線硬
化によってなる熱転写記録用シートにおいて、熱可塑性
ポリエステル樹脂を用いた場合、十分な転写濃度が選ら
れるものの、高温の紙間摩擦性が極めて不良であった
(比較例1)。また、ポリエステル構造の分子量が30
00より低い場合は、比較例2〜4のように、転写濃度
は必ずしも十分ではなく、さらに、柔軟性を欠くため、
折り割れによって画像面の美粧性の劣化が懸念されるこ
とは明らかである。また、本発明に係るポリエステル構
造を含有する放射線硬化性樹脂が配合されていない場
合、得られた熱転写記録用シートの昇華性染料受理性は
不十分なものであり、さらに、柔軟性に欠き折り割れが
見られたり(比較例5)、柔軟性が良好な場合には、高
温における摩擦性が不良(比較例6)なものであった。
また、本発明の熱転写記録用シートは、表2に示したよ
うに、いずれも光沢度が80以上であり、高光沢である
と判定された。
【0066】
【発明の効果】本発明は、シート状支持体上に1層以上
の放射線硬化樹脂層を設け、その硬化樹脂層を、放射線
硬化性で、分子量が4000〜10000のポリエステ
ル構造含有のポリウレタンアクリレートから硬化・形成
することにより、昇華性染料受理性、耐折り割れ性が良
く、紙間摩擦性に優れた高光沢の熱転写記録用シートを
提供するものであり、実用上極めて有効である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C068 AA08 BC17 2H111 AA01 AA27 CA03 CA12 CA23 CA30 CA46 CA48 4D075 BB47Z CA35 DA04 DB18 DC27 EA21 EB35 EB45 EB52 EC07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、その少なくとも一面
    上に形成され、かつ、放射線硬化性樹脂を含有する塗料
    組成物を塗布し放射線硬化して得られた硬化樹脂層とを
    有する熱転写記録用シートにおいて、該塗料組成物中に
    は、分子中に分子量4000〜10000のポリエステ
    ル構造を有する下記一般式1で表される放射線硬化性樹
    脂を、硬化樹脂層重量に対して10重量%以上含有する
    ことを特徴とする熱転写記録用シート。 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は2価アル
    コール残基、R3は有機ジイソシアナート残基、R4は分
    子両末端に水酸基を含有するポリエステルの残基で分子
    量4000〜10000を示す。)
  2. 【請求項2】 前記塗料組成物中には、更に、下記一般
    式2で表わされる放射線硬化性化合物を含有する請求項
    1に記載の熱転写記録用シート。 【化2】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R5はC1〜C6
    のアルキル鎖、R6は、水素原子またはC1〜C6のアル
    キル鎖、また、R7は、水素原子またはC1〜C6のアル
    キル鎖を示す。)
JP11141525A 1999-05-21 1999-05-21 熱転写記録用シート Pending JP2000326642A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11141525A JP2000326642A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 熱転写記録用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11141525A JP2000326642A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 熱転写記録用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000326642A true JP2000326642A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15294006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11141525A Pending JP2000326642A (ja) 1999-05-21 1999-05-21 熱転写記録用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000326642A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101993578B (zh) 树脂组合物、热转印接收片以及制备热转印接收片的方法
JP2010269583A (ja) 熱転写受容シート
WO2006033452A1 (ja) 熱転写受容シート
JP2000326642A (ja) 熱転写記録用シート
JPH10119428A (ja) インクジェット記録用紙
JP2002264545A (ja) 熱記録シート
JP2003260878A (ja) 染料熱転写画像受容シート
JP2001058470A (ja) 熱転写記録シート
JP3234320B2 (ja) 熱転写受像シート
JP2005096099A (ja) 保護層転写シート
JP2003094839A (ja) 熱転写受像シート
DE60309106T2 (de) Empfangspapier für thermische Übertragungsaufzeichnung und Verfahren zur Herstellung
JP2002120464A (ja) 熱転写記録シート
JP2003063151A (ja) 熱転写記録シート
JP2002127617A (ja) 熱転写記録シート
JP4041314B2 (ja) 熱転写受像シートおよび染料受容層転写シート
JP2003063154A (ja) 熱転写記録シート
JP2000335119A (ja) 熱転写記録用受容シートの製造方法及び受容シート
JPH0966681A (ja) 熱転写受像体
JPH0966682A (ja) 熱転写受像体
JP3092324B2 (ja) 染料熱転写画像受容シート
JPH09272268A (ja) 染料熱転写用受容タックシート
JP2958053B2 (ja) 熱転写受像シート
JPS6223790A (ja) 感熱転写記録用受像体
JPH10158996A (ja) 強光沢印刷用シート