JP3234320B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

熱転写受像シート

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JP3234320B2
JP3234320B2 JP35246792A JP35246792A JP3234320B2 JP 3234320 B2 JP3234320 B2 JP 3234320B2 JP 35246792 A JP35246792 A JP 35246792A JP 35246792 A JP35246792 A JP 35246792A JP 3234320 B2 JP3234320 B2 JP 3234320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写受像シートに関
し、更に詳しくは発色濃度、鮮明性及び諸堅牢性、特に
耐光性、耐指紋性、耐可塑剤性等の耐久性に優れた記録
画像を形成することが出来る熱転写受像シートの提供を
目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これをポリ
エステルフイルム等の基材シートに担持させて熱転写シ
ートとし、昇華性染料で染着可能な被転写材、例えば、
紙やプラスチックフイルム等に染料受容層を形成した受
像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提
案されている。この場合には加熱手段としてプリンター
のサーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によ
って3色又は4色の多数の色ドットを受像シートに転移
させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラー画像を
再現するものである。この様に形成された画像は、使用
する色材が染料であることから非常に鮮明であり、且つ
透明性に優れている為、得られる画像は中間色の再現性
や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷
による画像と同様であり、且つフルカラー写真画像に匹
敵する高品質の画像が形成可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の如き熱転
写方法を有効に実施する為には、熱転写シートの構成は
勿論、画像を形成する為の受像シートの構成も同様に重
要である。以上の如き熱転写受像シートの従来技術とし
ては、例えば、特開昭57−169370号、同57−
207250号、同60−25793号公報等において
ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のビニル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルブチラール
系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を用いて染料受容層を
形成することが開示されている。以上の如き熱転写受像
シートにおいては、染料受容層の染料染着性及びそこに
形成された画像の各種耐久性や保存安定性は、染料受容
層を形成している樹脂に大きく依存している。転写され
る染料の染着性を良好にする手段としては、染着性の良
好な樹脂から染料受容層を形成したり、受容層中に可塑
剤を含有させたりして、熱転写時の染料の拡散性を良好
にすればよいが、この様に染料染着性の良好な樹脂から
なる染料受容層中では形成された画像が保存中に滲み、
画像の保存性が劣り、又、染料の定着性が劣る為、染料
が表面にブリードアウトしてその表面と接触する他の物
品を汚染し易いという問題がある。
【0004】上記の如き保存性、汚染性等の問題を解決
する方法としては、染着した染料が染料受容層内で移行
しにくい樹脂を選択すればよいが、この場合には染料の
染着性が劣り、高濃度且つ高鮮明性の画像が形成出来な
いという問題がある。又、別の大きな問題としては、染
着した染料の耐光性及び画像部に手で触れた際、画像面
に移行した汗や皮脂の影響で画像が変色したり、更に受
容層自体が膨潤やひび割れといった問題、即ち、耐指紋
性の問題や、消しゴムや軟質塩化ビニル樹脂製品の如く
可塑剤を含む物質と接触した際の染料のブリード性、即
ち耐可塑剤性の問題がある。
【0005】耐光性に優れた樹脂としては、ポリカーボ
ネート樹脂等が挙げられ、特開昭60−19138号公
報、特開昭62−169694号公報、特開昭62−2
02791号公報、特開平2−301487号公報等に
おいても、種々のポリカーボネート樹脂が開示されてい
るが、通常のポリカーボネート樹脂は耐指紋性に乏し
く、更に、最も一般的であり、尚そのうえ上記公報にお
いても好適とされるビスフェノールAポリカーボネート
樹脂は溶剤に対する溶解性に乏しく、塩化メチレン、ク
ロロホルムといった塩素系溶剤を用いてコーティングす
る必要があり、作業環境上好ましくない。溶解性が良好
であり、ケトン系、トルエン系或はこれらの混合溶媒と
いった非ハロゲン系炭化水素溶媒からコーティング可能
なポリカーボネート樹脂としては、下記構造式のポリカ
ーボネート樹脂が挙げられる。
【0006】
【化3】
【化4】 しかしながら、これらのポリカーボネート樹脂は、耐指
紋性、耐可塑剤性に乏しいという問題があった。
【0007】更にポリカーボネート樹脂は、一般的にT
gが高く(ビスフェノールAタイプで140〜150
℃)、従って本目的に用いた場合、染料の染着性に劣
り、記録感度が低いという問題がある。この傾向は印字
時の印加エネルギーが低い場合ほど顕著である。又、染
着性及び染料の定着性に優れ、尚かつ耐指紋性、耐可塑
剤性にも優れた樹脂として、ポリエステル樹脂が挙げら
れる。しかしながら、これらのポリエステル樹脂を単独
で本目的に用いた場合、画像の耐光性に問題がある。従
って、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂を混合
して用いれば、耐光性、染着性、耐指紋性、耐可塑剤性
に優れた受容層を得ることができる。例えば、特開昭6
2−202791号公報には、ビスフェノールAポリカ
ーボネート樹脂と線状脂肪族ポリエステル樹脂との組合
わせにより、耐光性の改善が認められるが、線状芳香族
ポリエステル樹脂との組合わせでは、ポリエステル樹脂
の溶剤に対する溶解性が不足し、画像の耐光性も悪化す
ることが開示されている。
【0008】更に、脂肪族ポリエステル樹脂は染料の定
着性に乏しく、長期保存下において、ドットの滲みが発
生し画像のシャープさが低下するという問題がある。
又、耐指紋性や耐可塑剤性についても問題がある。これ
ら耐光性、耐可塑剤性及び耐指紋性は、受容層を構成す
る樹脂の組成構造に大きく依存し、最適な樹脂組成を受
容層樹脂として選択する必要がある。従って、本発明の
目的は、昇華性染料を使用する熱転写方法において、発
色濃度、鮮明性及び諸堅牢性、特に耐光性、耐指紋性及
び耐可塑剤性等の耐久性に優れた記録画像を形成するこ
とが出来、尚且つケトン系、トルエン系或はこれらの混
合溶媒といった非ハロゲン系炭化水素溶媒を用いて通常
のコーティング設備により、容易に製造可能な熱転写受
像シートを提供することである。
【0009】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの少
なくとも一方の面に染料受容層を形成してなる熱転写受
像シートにおいて、該染料受容層が少なくとも、下記の
一般式(1)及び一般式(2)で表される構成単位を有
し、式(1)及び式(2)で表される構成単位のモル比
が30/70〜70/30であるランダム−コーポリカ
ーボネート樹脂と芳香族ポリエステル樹脂とを含有する
ことを特徴とする熱転写受像シートである。 (式中、R 1 〜R 8 は、水素、ハロゲン原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を示し、Aは炭素数1〜10の直鎖、
分岐鎖或いは環状のアルキリデン基、アリール置換アル
キリデン基、アリール基又はスルホニル基を示し、Bは
酸素原子又は硫黄原子を示す)
【0010】
【作用】染料受容層を、ポリカーボネート樹脂と芳香族
ポリエステル樹脂とを用いて形成することにより、発色
濃度、鮮明性及び諸堅牢性、特に耐光性、耐指紋性及び
耐可塑剤性等の耐久性に優れた記録画像を形成すること
が出来、尚且つケトン系、トルエン系或はこれらの混合
溶媒といった非ハロゲン系炭化水素溶媒を用いて通常の
コーティング設備により、容易に製造可能な熱転写受像
シートを提供することが出来る。
【0011】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の熱転写受像シート
は、基材シートと、その少なくとも一方の面に設けた染
料受容層とからなる。本発明で使用する基材シートとし
ては、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系
等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸
紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙
等、セルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ
メタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチ
ックのフイルム又はシート等が使用出来、又、これらの
合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透
明フイルム或いは発泡させた発泡シート等も使用出来特
に限定されない。又、上記基材シートの任意の組み合わ
せによる積層体も使用出来る。代表的な積層体の例とし
て、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース繊維紙
とプラスチックフイルム又はシートとの合成紙が挙げら
れる。これらの基材シートの厚みは任意でよく、例え
ば、10〜300μm程度の厚みが一般的である。上記
の如き基材シートは、その表面に形成する受容層との密
着力が乏しい場合にはその表面にプライマー処理やコロ
ナ放電処理を施すのが好ましい。
【0012】上記基材シートの表面に形成する受容層
は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容
し、形成された画像を維持する為のものである。染料受
容層を形成する為のポリカーボネート樹脂は下記の一般
式(1)及び一般式(2)で表される構成単位を有し、
式(1)及び式(2)で表される構成単位のモル比が3
0/70〜70/30であるランダム−コーポリカーボ
ネート樹脂である。
【化5】
【化6】 式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン原子又は炭素数1〜
4のアルキル基を示し、Aは炭素数1〜10の直鎖、分
岐鎖或いは環状のアルキリデン基、アリール置換アルキ
リデン基、アリール基又はスルホニル基を示し、Bは酸
素原子又は硫黄原子を示す。本発明で使用する好ましい
ランダム−コーポリカーボネート樹脂の構成単位(1)
及び(2)のモル比は30/70〜70/30である。
このモル比が上記範囲外になるとポリカーボネート樹脂
を溶液にした段階で溶液が濁ったり、溶液安定性が低下
したりする。又、ランダム共重合させることにより、ブ
ロック共重合体に比べミクロな分散が均一になり、溶液
安定性の性質においても、耐指紋性、耐可塑剤性の点に
おいても改良される。数平均分子量が5,000よりも
小さくなると、塗布法によって得られる染料受容層の強
度が十分ではなく、50,000以上では塗布法による
生産効率が低下するので、このポリカーボネート樹脂の
数平均分子量は、5,000〜50,000、より好ま
しくは5,000〜25,000の範囲である。
【0013】又、本発明で使用するコーポリカーボネー
ト樹脂の一般式(1)で表される構成単位を導く二価フ
ェノール系化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(ビスフェノールA;BPA)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノー
ルZ;BPZ)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)プロパン(ジメチルビスフェノール
A;DMBPA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が例示され、そ
れらの中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホンが好ましく、特に2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが熱安定
性の面から好ましい。
【0014】本発明で使用するコーポリカーボネート樹
脂の一般式(2)で表される構成単位を導く二価フェノ
ール系化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル(4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル;DHPE)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エーテル(3,3´−ジメチル−4,4´−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル;DMDHPE)、ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテル、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド等が例示され、それらの中でも、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エーテル及びビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィドが好ましい。ポリカーボネート樹脂
の製造方法自体は公知の方法でよい。
【0015】上記のポリカーボネート樹脂と併用して染
料受容層を形成する為の芳香族ポリエステ樹脂として
は、従来公知のいずれの芳香族ポリエステル樹脂でも使
用可能であるが、特に好ましいポリエステル樹脂は、そ
のポリジオール成分又は酸成分の少なくとも一方が脂環
族化合物を含む芳香族ポリエステル樹脂を主要成分とす
るものである。これらの脂環族化合物の例としては、酸
成分の場合、2個以上のカルボキシル基を有し、ジオー
ル成分の場合、2個以上の水酸基を有する限りいずれの
脂環族化合物を用いてもよいが、本発明において好適な
例としては、例えば、トリシクロデカンジメタノール
(略称TCD−M)、シクロヘキサンジカルボン酸、シ
クロヘキサンジメタノール又はシクロヘキサンジオール
等が挙げられ、特に限定されないが、特に好適なジオー
ルの例は、下記構造式で表されるTCD−M(別名トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン−4,8−ジメ
タノール)である。
【化7】
【0016】上記化合物を必須成分として酸成分又はジ
オール成分に使用する限り、他の酸成分及びジオール成
分を併用することが出来る。この様なジオールとして
は、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
2,3,4−トリメチエル−1,3−ペンタンジオー
ル、3−メチルペンテン−1,5−ジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA又は水
素化ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレ
ンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポ
リブチレングリコール、2,2−ジエチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−n−ブチル−エチル−1,3−プ
ロパンジオール等が挙げられる。これらの他のジオール
は、ジオール成分全体のうちで0〜90重量%の範囲で
使用することが出来る。尚、耐指紋性及び耐可塑剤性を
よりよく向上させる為には、ジオール成分のうち、エチ
レングリコールを60〜90重量%含む様な配合で使用
することが好ましい。あまり多量に使用すると、耐光性
や耐熱性の向上効果が不十分となり、耐光性や耐熱性を
重視する場合には、脂環族化合物の割合を大とすること
が好ましい。
【0017】上記ジオールと反応させるシクロヘキサン
ジカルボン酸以外の他の酸成分としては、例えば、テレ
フタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナ
フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オ
キシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の不飽和脂肪族及び脂環族ジカルボン酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリ及びテ
トラカルボン酸等が使用可能である。これらのポリカル
ボン酸のうちでは特に芳香族ジカルボン酸が好ましい。
芳香族ポリエステルの製造方法自体は公知の方法でよ
く、脱水縮合、エステル交換縮合等の公知の方法でよ
い。これらのポリエステル樹脂の分子量は数平均分子量
で2,000〜30,000の範囲であり、Tgが60
〜90℃の範囲であることが好ましい。
【0018】本発明では、上記のポリカーボネート樹脂
及び/又は芳香族ポリエステル樹脂はそのままでもよい
し又ウレタン化等の変性を施して使用することも出来、
又、他の樹脂と併用することも出来る。他の樹脂として
は、、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン
化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等
のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニ
ルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロ
ースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリビニルア
セタール系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリエチ
レングリコール系樹脂等を併用することも出来る。本発
明において使用するポリカーボネートとポリエステル樹
脂の好ましい混合比率は10:90〜90:10の重量
比である。この比率の範囲内において本発明の目的が最
も有効に達成される。又、耐指紋性や耐可塑剤性を更に
向上させる為には、受容層樹脂をポリイソシアネートで
熱硬化させてもよい。この場合、架橋が生じるのは、ポ
リカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂の末端水酸基
のみであるから、より効果をあげる為には、アクリル系
樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹
脂等の活性水素を多く含む樹脂や、モノマーとしてポリ
オール化合物を適宜加えるのが好ましい。又、別の方法
としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリ
レート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレ
ート等のアクリル系モノマーを添加し、紫外線や電子線
により架橋させてもよい。
【0019】本発明の熱転写受像シートは前記の基材シ
ートの少なくとも一方の面に、上記の如きポリカーボネ
ート樹脂と芳香族ポリエステル樹脂、及び他の必要な添
加剤、例えば、離型剤、架橋剤、硬化剤、触媒、熱離型
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を加えたも
のを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水
に分散した分散体を、例えば、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーテ
ィング法等の形成手段により塗布及び乾燥して染料受容
層を形成することによって得られる。上記受容層の形成
に際しては、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮
明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオ
リンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や
充填剤を添加することが出来る。以上の如く形成される
染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的には1〜50
μmの厚さである。又、この様な染料受容層は連続被覆
であるのが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液
を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。
【0020】又、本発明の受像シートは、基材シートを
適宜選択することにより、熱転写記録可能な、カード
類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用するこ
とも出来る。更に、本発明の受像シートは必要に応じて
基材シートと受容層との間にクッション層を設けること
が出来、この様なクッション層を設けることによって、
印字時にノイズが少なく画像情報に対応した画像を再現
性良く転写記録することが出来る。上記の如き本発明の
熱転写受像シートを使用して熱転写を行う際に使用する
熱転写シートは、紙やポリエステルフイルム上に昇華性
染料を含む染料層を設けたものであり、従来公知の熱転
写シートはいずれも本発明でそのまま使用することが出
来る。又、熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来
公知の付与手段がいずれも使用出来、例えば、サーマル
プリンター(例えば、日立製作所製、ビデオプリンター
VY−100)等の記録装置によって、記録時間をコン
トロールすることにより、5〜100mJ/mm2 程度
の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十
分に達成することが出来る。
【0021】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。 実施例1〜25 基材シートとして合成紙(ユポ−FRG−150、厚さ
150μm、王子油化製)を用い、この一方の面に下記
の組成の塗工液をバーコーターにより乾燥時5.0g/
2 になる割合で塗布及び乾燥させて本発明の熱転写受
像シートを得た。塗工液組成; 表1のポリカーボネート樹脂 a部 表2のポリエステル樹脂 b部 触媒架橋型シリコーン(X−62−1212、信越化学工業製) 1部 白金系硬化触媒(PL−50T、信越化学工業製) 0.1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 89部 * 樹脂が溶剤に不溶である場合には、溶剤としてクロ
ロホルムを適宜追加使用した。
【0022】
【表1】PC−1
【化8】 PC−2
【化9】 PC−3
【化10】 PC−4〜10
【化11】
【0023】
【化12】 上記一般式(1)と一般式(2)との共重合体
【0024】
【表2】 表2
【0025】
【表3】 表2の続き
【0026】
【表4】 表2の続き 尚、上記表におけるBPE−20は、下記構造式で表さ
れるビスフェノール誘導体である。
【化13】
【0027】一方、下記組成の染料担持層形成用インキ
組成物を調製し、背面に耐熱処理を施した6μm厚のポ
リエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥塗布量が
1.0g/m2 になる様にグラビア印刷方法により塗布
及び乾燥して熱転写シートを得た。インキ組成; 下記構造式のシアン染料 4.00部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX-1、積水化学製) 3.00部 メチルエチルケトン 46.5部 トルエン 46.5部
【化14】
【0028】熱転写試験;上記の熱転写シートと前記の
本発明の熱転写受像シートとを、夫々の染料層と染料受
容面とを対向させて重ね合せ、熱転写シートの裏面から
ヘッド印加電圧11.0V、印加パルス幅16mse
c./lineから1msec.後とに順次減少させる
ステップパターン、副走査方向6line/mm(3
3.3msec./line)の条件でサーマルヘッド
で記録を行ってシアン画像を形成した後に、該画像の各
種耐久性を調べ、下記表3の結果を得た。尚、表3に示
した各性能の評価方法は以下の通り行った。
【0029】(1)耐光性試験方法 キセノンフェードオメーター(アトラス社製、Ci−3
5A)で、100KJ/m2 (420nm)照射し、照
射の前後における光学濃度の変化を、光学濃度計(マク
ベス社製、RD−918)により測定し、下記式により
光学濃度の残存率を産出した。 残存率(%)={[照射後の光学濃度]/[照射前の光
学濃度]}×100 A;残存率が90%以上 B;残存率が85%以上90%未満 C;残存率が80%以上85%未満 D;残存率が80%未満 (2)耐指紋性評価方法 印字物表面に指紋を押捺し、室温に5日間放置した後、
指紋押捺部の変色及び濃度変化の度合いを目視にて評価
した。 A:指紋押捺部と非押捺部の差が殆ど認められなかっ
た。 B:変色若しくは濃度変化が認められた。 C:指紋押捺部が白抜けし、指紋形状が明瞭に認められ
た。 D:指紋押捺部を中心として、白抜けが発生し、同時に
染料の凝集が認められた。 (3)耐可塑剤性評価方法 印字物表面の同一部分を、市販のプラスチック消しゴム
で5回軽く擦り、濃度変化の度合いを目視にて判定し
た。 A:濃度変化が殆ど認められなかった。 B:濃度変化が認められ。 C:濃度が大きく変化し、低濃度部から中濃度部にかけ
ては白抜けとなった。
【0030】
【表5】 表3
【0031】比較例1〜5 実施例1における受容層用塗工液に代えて下記塗工液を
使用し、他は実施例1と同様にして、画像を形成し且つ
同様に評価し下記表4の結果を得た。塗工液組成; 表4の樹脂 10部 触媒架橋型シリコーン(X−62−1212、信越化学工業製) 1部 白金系硬化触媒(PL−50T、信越化学工業製) 0.1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1)* 89部 * 樹脂が溶剤に不溶である場合には、溶剤としてクロ
ロホルムを適宜使用した。
【表6】 表4
【0032】
【効果】以上の如き本発明によれば、染料受容層を、ポ
リカーボネート樹脂と芳香族ポリエステル樹脂とを用い
て形成することにより、発色濃度、鮮明性及び諸堅牢
性、特に耐光性、耐指紋性、耐可塑剤性等の耐久性に優
れた記録画像を形成することが出来、尚且つケトン系、
トルエン系或はこれらの混合溶媒といった非ハロゲン系
炭化水素溶媒を用いて通常のコーティング設備により、
容易に製造可能な熱転写受像シートを提供することが出
来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 淳 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−301487(JP,A) 特開 平3−39293(JP,A) 特開 平2−1383(JP,A) 特開 昭62−202791(JP,A) 特開 平5−238167(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの少なくとも一方の面に染料
    受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該染
    料受容層が少なくとも、下記の一般式(1)及び一般式
    (2)で表される構成単位を有し、式(1)及び式
    (2)で表される構成単位のモル比が30/70〜70
    /30であるランダム−コーポリカーボネート樹脂と芳
    香族ポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする熱
    転写受像シート。 【化1】 【化2】 (式中、R 1 〜R 8 は、水素、ハロゲン原子又は炭素数1
    〜4のアルキル基を示し、Aは炭素数1〜10の直鎖、
    分岐鎖或いは環状のアルキリデン基、アリール置換アル
    キリデン基、アリール基又はスルホニル基を示し、Bは
    酸素原子又は硫黄原子を示す)
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂の数平均分子量
    が、5,000〜50,000である請求項1に記載の
    熱転写受像シート。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリエステル樹脂のジオール成分
    又は酸成分の少なくとも一方が脂環族化合物を含む請求
    項1に記載の熱転写受像シート。
  4. 【請求項4】 脂環族化合物が、トリシクロデカンジメ
    タノール、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサ
    ンジメタノール又はシクロヘキサンジオールである請求
    に記載の熱転写受像シート。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリエステル樹脂の分子量が、数
    平均分子量として2,000〜30,000の範囲であ
    る請求項1に記載の熱転写受像シート。
  6. 【請求項6】 芳香族ポリエステル樹脂のジオール成分
    が、脂環族ジオールと他のジオールとの混合物である請
    求項1に記載の熱転写受像シート。
  7. 【請求項7】 ジオール成分の60重量%以上がエチレ
    ングリコールである請求項に記載の熱転写受像シー
    ト。
  8. 【請求項8】 ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリエス
    テル樹脂との重量比が、10:90〜90:10である
    請求項1に記載の熱転写受像シート。
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