JPH11157228A - 熱転写受像シート - Google Patents

熱転写受像シート

Info

Publication number
JPH11157228A
JPH11157228A JP9343605A JP34360597A JPH11157228A JP H11157228 A JPH11157228 A JP H11157228A JP 9343605 A JP9343605 A JP 9343605A JP 34360597 A JP34360597 A JP 34360597A JP H11157228 A JPH11157228 A JP H11157228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal transfer
transfer image
dye
receiving sheet
receiving layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9343605A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Tomita
博文 冨田
Hitoshi Saito
仁 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP9343605A priority Critical patent/JPH11157228A/ja
Publication of JPH11157228A publication Critical patent/JPH11157228A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華染料を使用する熱転写方法で、耐光性、
耐熱性等の耐久性に優れた記録画像を形成することが出
来、且つ非ハロゲン系炭化水素溶媒を用いて通常のコー
ティング設備により、容易に製造可能な熱転写受像シー
トを提供する。 【解決手段】 基材シートの少なくとも一方の面に、染
料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該
染料受容層がノルボルネン骨格を有する熱可塑性樹脂か
らなることにより、熱的安定性をもつ構造のノルボルネ
ン骨格の熱可塑性樹脂を使用しているため、特に耐光
性、耐熱性等の耐久性に優れた記録画像を形成すること
が出来、また、ノルボルネン骨格を有する熱可塑性樹脂
の末端に、極性基を有することにより、トルエン系、ケ
トン系或いはこれらの混合溶媒といった非ハロゲン系炭
化水素溶媒への溶解性及び分解性を良好にして、通常の
コーティング設備により、容易に受容層を形成して、熱
転写受像シートを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は昇華型熱転写受像シ
ートに関し、更に詳しくは発色濃度、鮮明性及び諸堅牢
性、特に耐光性、耐熱性等の耐久性に優れた記録画像を
形成することが出来る昇華型熱転写受像シートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中で昇華性染料を記録材とし、これをポリ
エステル等の基材シートに担持させて熱転写シートと
し、昇華性染料で染着可能な被転写材、例えば紙やプラ
スチックフィルム等に専用受容層を形成した受像シート
上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されて
いる。この場合には、加熱手段としてプリンターのサー
マルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によって3
色または4色の多数の色ドットを受像シートに転写さ
せ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラー画像を再
現するものである。このように形成された画像は、使用
する色材が染料であることから非常に鮮明であり、且つ
透明性に優れている為、得られる画像は中間色の再現性
や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷
による画像と同様であり、且つフルカラー写真画像に匹
敵する高品質の画像が形成可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き熱転写方法
を有効に実施するためには、熱転写シートの構成は勿
論、画像を形成する為の熱転写受像シートの構成も同様
に重要である。以上の如き従来技術としては、例えば、
特開昭57−1639370号、同57−207250
号、同60−25793号公報等においてポリエステル
系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、セルロ
ース系樹脂、オレフィン系樹脂等を用いて染料受容層を
形成することが開示されている。ここで用いられる熱転
写受像シートは、昇華した色素を単に染着させ高濃度の
画像を得るだけでなく、その得られた画像の色が光によ
って退色したり、変色したりしないこと(耐光性)、高
温環境保存下において色素のにじみにより画像がぼけて
しまわないこと(耐熱性)などの印画物の保存安走性が
必要である。
【0004】また、熱転写受像シートを作成する際に、
受容層を形成する樹脂を適当な溶媒に溶解又は分解さ
せ、基材表面に塗布する必要があることから、受容層を
形成するために用いられる樹脂は、作業環境上好ましい
溶媒に対して良好な溶解性あるいは分散性が必要であ
る。しかしながら上記受容層要求条件は、前記特許に記
載された樹脂を使用した熱転写受像シートのいずれにお
いても、必ずしも全て満たされてはいない。したがっ
て、本発明の目的は、昇華染料を使用する熱転写方法に
おいて、特に耐光性、耐熱性等の耐久性に優れた記録画
像を形成することが出来、且つトルエン系、ケトン系或
いはこれらの混合溶媒といった非ハロゲン系炭化水素溶
媒を用いて通常のコーティング設備により、容易に製造
可能な熱転写受像シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材シートの少なくとも一方の面に、染
料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該
染料受容層がノルボルネン骨格を有する熱可塑性樹脂か
らなることを特徴としている。また、前記のノルボルネ
ン骨格を有する熱可塑性樹脂が、下記の一般式(1)で
表される構成単位からなることが好ましい。
【0006】
【化1】〔式中、A、B、C及びDは水素原子、炭素数
1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で
置換された炭素数l〜10の炭化水素基、−(CH2
nCOOR1 、−(CH2 n OCOR1 、−(C
2 n OR1 、−(CH2 n CN、−(CH2 n
CONR3 2 、−(CH2 n COOZ、−(C
2n OCOZ、−(CH2 n OZ、−(CH2
n W、またはBとCから構成された
【化2】もしくは(多)環状アルキレン基を示す。ここ
でR1 、R2 、R3 およひR4 は、炭素数1〜20の炭
化水素基、Zはハロゲン原子で置換された炭化水素基、
WはSiR5 p 3-p (R5 は炭素数1〜10の炭化水
素基、Fはハロゲン原子、−OCOR6 または−OR6
(R6 は炭素数1〜10の炭化水素基)、pは0〜3の
整数を示す)、nは0〜10の整数を示す〕
【0007】また、前記のノルボルネン骨格を有する熱
可塑性樹脂が、ポリスチレン換算で数平均分子量(M
n)5000〜45000、分子量分布(Mw/Mn)
2.6〜7.0であることが好ましい。また、前記の染
料受容層が、可塑剤を含有することが好ましく、さらに
前記の染料受容層が、樹脂/可塑剤=9/1〜5/5で
あることが好ましい。また、前記の染料受容層が、可塑
剤としてフタル酸エステルを含有することが好ましい。
【0008】
【作用】本発明の熱転写受像シートは、基材シートの少
なくとも一方の面に、染料受容層を形成し、該染料受容
層がノルボルネン骨格を有する熱可塑性樹脂からなるこ
とにより、熱的安定性をもつ構造のノルボルネン骨格の
熱可塑性樹脂を使用しているため、特に耐光性、耐熱性
等の耐久性に優れた記録画像を形成することが出来、ま
た、ノルボルネン骨格を有する熱可塑性樹脂の末端に、
極性基を有することにより、トルエン系、ケトン系或い
はこれらの混合溶媒といった非ハロゲン系炭化水素溶媒
への溶解性及び分解性を良好にして、通常のコーティン
グ設備により、容易に受容層を形成して、熱転写受像シ
ートを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳細に説明する。 〔基材シート〕発明の熱転写受像シートは、基材シート
とその少なくとも一方の面に設けた染料受容層からな
る。本発明で使用する基材シートとしては合成紙(ポリ
オレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合
成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含
浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート等の各種プラスチックのフィルム又はシートな
どが使用出来る。
【0010】又これらの合成樹脂に白色顔科や充填材を
加えて成膜した白色不透明フィルム或いは基材内部にミ
クロボイドを有するシート等も使用出来、特に限定され
ない。又、上記基材シートの任意の組合せによる積層体
も使用出来る。代表的な積層体の例として、セルロース
繊維紙と合成紙或いはセルロース繊維紙とプラスチック
フィルム又はシートとの合成紙が挙られる。これらの基
材シートの厚みは任意でよく、10〜400μm程度が
一般的であるが、質感及び搬送性を考慮すると好ましく
は100〜300μmで使用される。上記の如き基材シ
ートは、その表面に形成する受容層との密着力が貧しい
場合にはその表面にプライマー処理やコロナ放電処理を
施すのが好ましい。
【0011】〔受容層〕上記基材シート上に形成する受
容層は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容
し、形成された画像を維持する為のものである。染料受
容層に用いられる樹脂は、その繰り返し単位中にノルボ
ルネン骨格を有する熱可塑性樹脂である。ノルボルネン
骨格を有する熱可塑性樹脂としては、特開平4−366
692号において電子写真用OHPシートとして使用し
た場合に耐熱性やトナー付着性に優れているとされる一
般式(1)で表されるものが、昇華型熱転写受像シート
の受容層としても好適に用いられる。
【化1】
【0012】導入される置換基としては、式中、A、
B、C及びDが、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素
基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数l
〜10の炭化水素基、−(CH2 n COOR1 、−
(CH2 n OCOR1 、−(CH2 n OR1 、−
(CH2 n CN、−(CH2 n CONR3 2 、−
(CH2 n COOZ、−(CH2 n OCOZ、−
(CH2 n OZ、−(CH2n W、またはBとCか
ら構成された
【化2】もしくは(多)環状アルキレン基が挙げられ
る。ここでR1 、R2 、R3 およひR4 は、炭素数1〜
20の炭化水素基、Zはハロゲン原子で置換された炭化
水素基、WはSiR5 p 3-p (R5 は炭素数1〜10
の炭化水素基、Fはハロゲン原子、−OCOR6 または
−OR6 (R6 は炭素数1〜10の炭化水素基)、pは
0〜3の整数を示す)、nは0〜10の整数を示す〕
【0013】溶媒への溶解性及び分解性を考慮すると、
極性基を有することが好ましい。上記のノルボルネン骨
格を有する熱可塑性樹脂の分子量は、ポリスチレン換算
で数平均分子量(Mn)が5000〜45000が好ま
しい。分子量が5000未満においては、加工時の成膜
性や形成された塗膜の機械的強度に問題があり好ましく
ない。また、可塑剤等の添加剤を添加した際の経時的な
ブリードアウト等の問題がある。分子量が45000を
越えると、加工時の重要な要因である溶媒への溶解性や
離型剤等の他成分との相溶性に問題があり好ましくな
い。このノルボルネン骨格を有する熱可塑性樹脂は単独
で用いても良いが、より高濃度且つ鮮明な画像を得るた
めに、公知のいかなる樹脂とブレンドして使用しても良
い。
【0014】本発明の熱転写受像シートは、前記の基材
シートの少なくとも一方の面に上記の如きポリノルボル
ネン骨格を有する熱可塑性樹脂及び他の必要な添加剤、
例えば、離型剤、架橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を加えたものを、
適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散
した分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷
法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法
等の形成手段により塗布及び乾燥して染料受容層を形成
することによって得られる。
【0015】〔可塑剤〕このノルボルネン骨格を有する
熱可塑性樹脂は単独で用いても良いが、より高濃度且つ
鮮明な画像を得るために各種可塑剤を添加することが好
ましい。可塑剤としては、フタル酸エステル、トリメリ
ット酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、正リン酸エ
ステル、シリノール酸エステル、脂肪族ポリエステル、
酢酸エステル、スルホンアミド、非ハロゲンリン酸エス
テル、非ハロゲン縮合リン酸エステル等が挙げられる。
可塑剤の添加量としては、重量比で樹脂/可塑剤=9/
1〜5/5で添加することが好ましい。可塑剤の添加量
が樹脂/可塑剤=9/1より少ないと、十分な増感効果
(高濃度化)が得られず好ましくない。また、可塑剤の
添加量が樹脂/可塑剤=5/5よりも多いと、加工時の
成膜性や形成された塗膜の機械的強度に問題があり好ま
しくない。耐光性、耐熱性及び濃度特性が優れていると
いう点から、フタル酸エステル系可塑剤を用いることが
好ましい。
【0016】〔離型剤〕本発明の熱転写受像シートは、
熱転写シートとの離型性を向上させるために受容層中に
離型剤を含有することができる。離型剤としてはポリエ
チレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等
の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界
面活性剤、シリコーンオイルなどが挙げられるが、シリ
コーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとして
は油状のものも用いることができるが、硬化型のものが
好ましい。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化
型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化
型、触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
【0017】反応型シリコーンオイルとしては、アミノ
変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイル
とを反応硬化させたものが好ましく、アミノ変性シリコ
ーンオイルとしては、KF−393、KF−857、K
F−858、X−22−3680、X−22−3801
C(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられ、エ
ポキシ変性シリコーンオイルとしてはKF−100T、
KF−101、KF−60−164、KF−103(以
上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。触媒硬
化型シリコーンオイルとしてはKS−705、FKS−
770、X−22−1212(以上、信越化学工業株式
会社製)等が挙げられる。
【0018】これら硬化型シリコーンオイルの添加量は
受容層を構成する樹脂の0.5〜30重量%が好まし
い。また、受容層の表面も一部に上記離型剤を適当な溶
媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させるこ
とにより離型剤層を設けることもできる。離型剤層を構
成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーンオ
イルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物が
特に好ましく、離型剤層の厚さは、0.01〜5.0μ
m、特に0.05〜2.0μmが好ましい。なお、受容
層を形成する際にシリコーンオイルを添加して形成する
と、塗布後に表面にブリードアウトしたシリコーンオイ
ルを硬化させても離型剤層を形成することができる。
【0019】〔溶剤〕塗布液を調製する際の溶剤として
はトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
系溶剤、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエ一テル系溶剤、ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン等のアミド系溶剤等が挙げられる
が、作業環境を考慮すると、トルエン系、、ケトン系、
或いはこれらの混合溶媒といった非ハロゲン系炭化水素
を用いることが好ましく、トルエンとメチルエチルケト
ンの混合溶媒を用いることが特に好ましい。
【0020】なお、上記受容層の形成に際しては、受容
層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める
目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭
酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加す
ることが出来る。以上の如く形成される染料受容層は任
意の厚さで良いが、一般的には乾燥時で1〜50μmの
厚さである。また、このような染料受容層は連続被覆で
あることが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液
を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。
【0021】また、本発明の熱転写受像シートは基材シ
ートを適宜選択することにより、熱転写記録可能な被熱
転写シート、カード類、透過型原稿作成シート等の各種
用途に適用することが出来る。更に、本発明の熱転写受
像シートは必要に応じて基材シートと受容層との間にク
ッション性を有した中間層を設けることが出来、このよ
うなクッション層を設けることによって、印画時にノイ
ズが少なく画像情報に対応した画像を再現性よく転写記
録することが出来る。このように、基材シートと受容層
との間に必要に応じて中間層を設けることができる。中
間層としては、その目的により如何なる材料を用いても
よい。例えば、樹脂に各種の白色顔料を加えたものを用
いることにより、高い白色度を得ることができる。更
に、蛍光増白剤や帯電防止剤等を必要に応じて添加する
ことができる。また、基材シートと上述の受容層との間
の接着性を向上させる目的で、必要に応じて中間層を設
けても良い。また、該接着性を向上させるために、基材
シートの受容層と形成する側の面に予めコロナ放電処
理、オゾン処理などの中間層を設けるための前処理を施
しても良い。
【0022】上記の如き本発明の熱転写受像シートを使
用して熱転写を行う際に使用する熱転写シートは紙やポ
リエステルフィルム上に昇華性染料を含む染料層を設け
たものであり、従来公知の熱転写シートはいずれも本発
明でそのまま使用することが出来る。また熱転写時の熱
エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がいずれ
も使用出来、例えばサーマルプリンター(例えば日立製
作所製、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置
によって、記録時間をコントロールすることによって5
〜100mJ/mm2 程度の熱エネルギーを付与するこ
とによって所期の目的を十分に達成することが出来る。
【0023】
〔実施例1〕
(熱転写受像シート)基材シートとしては合成紙(ユポ
FGR−150、厚さ150μm、王子油化合成紙株
式会社製)を用い、この一方の面に下記組成の染料受容
層塗工液をバーコーターにより乾燥時5.0g/m2
なる割合で塗布及び乾燥させて熱転写受像シートを形成
した。染料受容層塗工液組成 ノルボルネン樹脂(アートンG、日本合成ゴム株式会社製) 20部 触媒架橋型シリコーン(X−62−1212、信越化学工業株式会社製)1部 白金系硬化触媒(PL−50T、信越化学工業株式会社製) 0.1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 79部
【0024】(熱転写シート)下記組成の染料担持層形
成用塗工液を調整し、背面に耐熱処理を施した6μm厚
のポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥塗布量が
1.0g/m2 になるようにグラビア印刷法により、塗
布及び乾燥して熱転写シートを得て、実施例1の熱転写
受像シートと、その受像シートへの画像形成用の熱転写
シートを用意した。尚、以下の実施例2〜6で使用する
熱転写シートは実施例1で用意する熱転写シートと同じ
ものである。染料担持層形成用塗工液組成 下記化学式3のシアン染料 4.00部 ポリビニルブチラール 3.00部 (エスレックBX−1、積水化学工業株式会社製) メチルエチルケトン/トルエン(重量比l/1) 83部
【0025】
【化3】
【0026】〔実施例2〕実施例1で用いた受容層塗工
液に、可塑剤としてジフェニルフタレートを樹脂/可塑
剤=9/l〜5/5の割合で添加したものを使用して、
実施例1と同様の方法で熱転写受像シートを形成した。
【0027】〔実施例3〜6〕実施例2で用いた可塑剤
の代わりに、下記の可塑剤を受容層塗工液中に添加し
て、受像シートを形成した。 実施例3:エチルフタリルエチルグリコレート 実施例4:ジ−2−エチルヘキシルフタレート 実施例5:トリフェニルホスフェート 実施例6:ジ−2−エチルヘキシルアゼレート
【0028】〔比較例1〕下記組成の受容層塗工液を用
い、実施例1と同様の方法により熱転写受像シートを形
成した。染料受容層塗工液組成 ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績株式会社製) 20部 触媒架橋型シリコーン(X−62−1212、信越化学工業株式会社製)1部 白金系硬化触媒(PL−50T、信越化学工業株式会社製) 0.1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 79部
【0029】以上の実施例及び比較例の熱転写受像シー
トと熱転写シートとを、染料受容面と染料層とを対向さ
せて重ね合わせ、熱転写シート裏面からヘッド印加電圧
12.0V、印加パルス幅16msec/lineから
1msecごとに順次減少させるステップパターン、幅
走査方向61line/mm(33.3msec/li
ne)の条件でサーマルヘッドで記録を行って、シアン
画像を形成し印画物を得た。得られた印画物について、
下記評価方法に従い性能を評価した。
【0030】〔評価方法〕 (1)耐光性試験方法 上記印画物を、キセノンフェードオメーター(アトラス
社製、Ci−35A)で100kJ/m2 (420n
m)照射し、照射前後における光学濃度の変化を、光学
濃度計(マクベス社製、RD−918)により測定し、
下記式により光学濃度の残存率を算出し、耐光性を評価
した。 残存率(%)={〔照射後の光学濃度〕/〔照射前の光
学濃度〕}×100
【0031】(2)耐熱性試験方法 上記印画物を、60℃の環境下において200h保持
し、その後の印画物の色のにじみの程度を顕微鏡により
観察し、耐熱性を評価した。
【0032】(3)濃度特性評価方法 上記印画物について、光学濃度計(マクベス社製、RD
−918)による測定から得られた光学濃度の最大値に
よって、それぞれの濃度特性を評価した。 評価基準;○:光学濃度の最大値が2.00以上 △:光学濃度の最大値が1.50以上2.00未満
【0033】(4)総合評価 上記の評価方法による耐光性、耐熱性及び濃度特性の評
価結果をもとに、下記基準にて総合評価を行った。 評価基準;◎:全ての評価項目が○である。 ○:三つの項目のうち、○が2つで、且つ×がない。 ×:三つの項目のうち、×が1つ以上ある。
【0034】評価結果を表1、表2に示した。
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】以上の通り、本発明の熱転写受像シート
は、基材シートの少なくとも一方の面に、染料受容層を
形成し、染料受容層がノルボルネン骨格を有する熱可塑
性樹脂からなることにより、発色濃度、鮮明性及び諸堅
牢性、特に耐光性、耐熱性等の耐久性に優れた記録画像
を形成することが出来、且つケトン系、トルエン系或い
はこれらの混合溶媒といった非ハロゲン系炭化水素溶媒
を用いて通常のコーティング設備により、容易に製造が
可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの少なくとも一方の面に、染
    料受容層を形成してなる熱転写受像シートにおいて、該
    染料受容層がノルボルネン骨格を有する熱可塑性樹脂か
    らなることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記のノルボルネン骨格を有する熱可塑
    性樹脂が、下記の一般式(1)で表される構成単位から
    なることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写
    受像シート。 【化1】 〔式中、A、B、C及びDは水素原子、炭素数1〜10
    の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換され
    た炭素数l〜10の炭化水素基、−(CH2 nCOO
    1 、−(CH2 n OCOR1 、−(CH2 n OR
    1 、−(CH2 n CN、−(CH2 n CONR3
    2 、−(CH2 n COOZ、−(CH2n OCO
    Z、−(CH2 n OZ、−(CH2 n W、またはB
    とCから構成された 【化2】 もしくは(多)環状アルキレン基を示す。ここでR1
    2 、R3 およひR4 は、炭素数1〜20の炭化水素
    基、Zはハロゲン原子で置換された炭化水素基、WはS
    iR5 p 3-p (R5 は炭素数1〜10の炭化水素基、
    Fはハロゲン原子、−OCOR6 または−OR6 (R6
    は炭素数1〜10の炭化水素基)、pは0〜3の整数を
    示す)、nは0〜10の整数を示す〕
  3. 【請求項3】 前記のノルボルネン骨格を有する熱可塑
    性樹脂が、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)5
    000〜45000、分子量分布(Mw/Mn)2.6
    〜7.0であることを特徴とする上記の請求項1に記載
    する熱転写受像シート。
  4. 【請求項4】 前記の染料受容層が、可塑剤を含有する
    ことを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写受像
    シート。
  5. 【請求項5】 前記の染料受容層が、樹脂/可塑剤=9
    /1〜5/5であることを特徴とする上記の請求項1に
    記載する熱転写受像シート。
  6. 【請求項6】 前記の染料受容層が、可塑剤としてフタ
    ル酸エステルを含有することを特徴とする上記の請求項
    4に記載する熱転写受像シート。
JP9343605A 1997-12-01 1997-12-01 熱転写受像シート Pending JPH11157228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9343605A JPH11157228A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 熱転写受像シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9343605A JPH11157228A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 熱転写受像シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11157228A true JPH11157228A (ja) 1999-06-15

Family

ID=18362833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9343605A Pending JPH11157228A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 熱転写受像シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11157228A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283505A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Dainippon Printing Co Ltd 情報記録シート
JP2010113367A (ja) * 2009-12-28 2010-05-20 Toyobo Co Ltd 光学用部材およびこれに用いる表面保護フィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283505A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Dainippon Printing Co Ltd 情報記録シート
JP4598293B2 (ja) * 2001-03-27 2010-12-15 大日本印刷株式会社 情報記録シート
JP2010113367A (ja) * 2009-12-28 2010-05-20 Toyobo Co Ltd 光学用部材およびこれに用いる表面保護フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5334573A (en) Sheet material for thermal transfer imaging
EP0275319B1 (en) Sheet for receiving heat-transferred image
JP3642896B2 (ja) 黒色系熱転写シート
EP0661170B1 (en) Thermal transfer sheet
JP2001071650A (ja) 熱転写記録材料
JP3596921B2 (ja) 熱転写シート
US5260255A (en) Heat transfer image-receiving sheet
JP2000309172A (ja) 熱転写記録材料
JPH0796675A (ja) カラー画像形成用熱転写シート
JPH0381191A (ja) 熱転写受像材料
JP3236683B2 (ja) 熱転写用染料及び熱転写シート
JPH11157228A (ja) 熱転写受像シート
JP4166879B2 (ja) 熱転写受像シート
US5602073A (en) Thermal transfer sheet
JP2000280637A (ja) 熱転写記録材料
JP3234320B2 (ja) 熱転写受像シート
JPH03184893A (ja) 熱転写受像シート
JP2001018539A (ja) 熱転写記録材料
US5397761A (en) Heat transfer image-receiving sheet
JP3274884B2 (ja) 熱転写受像シート
JP2000313173A (ja) 熱転写記録材料
JP3325613B2 (ja) 熱転写受像シート
JPH044189A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH0564978A (ja) 熱転写受像シート
JPH05262057A (ja) 熱転写記録用受像体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071009