JP3642896B2 - 黒色系熱転写シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇華性染料を用いた熱転写シートに関し、さらに詳しくは、黒色濃度が高く、演色性が高く、かつ熱や光に対する堅牢性に優れた画像を形成することができる黒色系熱転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱転写方法を用いて受像シートに階調画像や文字、記号等の単調画像を形成することが行われている。その熱転写方法は、昇華転写方式と熱溶融転写方式が広く用いられている。
このうち、昇華転写方式は、色材として用いる昇華性染料をバインダー樹脂に溶解または分散させた染料層を基材シートに担持させた熱転写シートを受像シートに重ね、サーマルヘッドやレーザー等の加熱手段により、画像情報に応じたエネルギーを印加することにより熱転写シート上の昇華性染料層中に含まれる染料を受像シートに移行させて画像を形成するものである。
この昇華転写方式は、熱転写シートに印加するエネルギー量によって、ドット単位で染料の移行量を制御することができるため、階調性のフルカラー画像の形成ができ、銀塩写真の画像に匹敵する高品質な画像を得ることができる。したがって、昇華転写方式は注目され、種々の分野で情報記録手段として利用されている。
【0003】
マルチメディアに関連した様々なハード及びソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCD−ROMその他に代表されるデジタル画像及びビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。
この熱転写方法による受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとして、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計及びデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類の顔写真等の出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館等のアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途等を挙げることができる。
【0004】
このような昇華転写方式の熱転写シートに要求される重要な特性の一つとして、色再現性があり、特に高濃度の黒色再現性が挙げられる。すなわち、イエロー、マゼンタ及びシアンの3原色でフルカラーを再現する場合、色の減色混合や熱転写技術上の制約等で、漆黒の色再現性が劣るために、黒色単独の染料層が必要となっている。
今までに、その黒色単独の染料層を有する黒色系熱転写シートとして、イエロー、マゼンタ及びシアンの各染料を混合して、黒色(ブラック)染料層を得ることが知られている。(例えば、特開昭61−258791、特開平1−136787、特開平3−205188、特開平4−267197、特開平7−232481等に記載されている。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、イエロー、マゼンタ及びシアンの3原色を混合して得られるブラックの吸収スペクトルは490nm付近及び580nm付近に吸収の谷があるため、波長の異なる照明光によって、色が異なって見えるという問題がある。この現象は、一般的に“演色”と呼ばれている。
繊維の染色分野では、演色性を改良するために、3原色以外にオレンジ染料やバイオレット染料を添加する方法が知られている。
しかし、熱転写記録分野では、これらの中間色の染料開発が十分になされておらず、短時間の加熱で受像シートに転写し、転写後の受像シートにおいて、熱や光等に堅牢性があり、安定性を有した中間色の染料が見出されていなかった。
さらに、色相の異なる染料を混合する場合に、光による退色が著しく生じるという現象がしばしば見られる。この現象は触媒的光退色と呼ばれ、黒色染料層では色相の異なる染料を混合するため、触媒的光退色が生じやすいという問題がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、このような問題を解決するために、黒色濃度が高く、演色性が高く、かつ熱や光に対する堅牢性に優れた画像を形成することができる黒色系熱転写シートを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究した結果、基材シートの一方の面に染料とバインダーとから形成された黒色染料層を有する熱転写シートにおいて、該黒色染料層は、少なくとも下記式(1)及び式(2)で表される染料を含有することを特徴とした。
【化4】
〔上記式(1)中、R1及びR2は、それぞれ置換または非置換のアルキル基を表し、R3は水素原子、水酸基、置換または非置換のアルキル基、アルコキシ基、アシル基を表し、R4は置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基を表し、R5は置換または非置換のアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基を表す。また、nは1または2の整数を表す。〕
【化5】
〔上記式(2)中、R1、R2、R3及びnは式(1)におけると同意義を表し、R6及びR7は、それぞれ置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表す。〕
【0008】
さらに、前記の黒色染料層が、更に下記式(3)で表される染料を含有することを特徴とした。
【化6】
〔上記式(3)中、R8及びR9は、それぞれ置換または非置換のアルキル基を表し、R10は水素原子、置換または非置換のアルキル基を表し、R11は水素原子またはハロゲン原子を表し、R12は水素原子またはアルキル基を表し、R13は置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表し、nは1または2の整数を表す。〕
以上の黒色系熱転写シートにより、黒色濃度が高く、演色性が高く、かつ熱や光に対する堅牢性に優れた画像を形成することができることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0009】
【作用】
黒色系熱転写シートにおいて、黒色染料層に3原色のイエロー、マゼンタ、シアンの染料をいずれか、少なくとも一つを使用した場合、その用いた染料色相に応じた特定波長域で光の吸収があり、その反面で光の吸収が低い波長域が存在してしまう。したがって、その光の吸収が低い波長域で、照明光に依存して色相が異なって見えてしまう。
本発明では、黒色染料層に中間色であるバイオレット(紫色)とオレンジ(橙色)の色相をもつ、それぞれ上記式(1)及び式(2)で表される染料を含有することで、光の吸収が低い波長域での光吸収を補い、広い範囲の波長域で安定した光吸収をもった黒の色相であり、すなわち、演色性が高く、濃度も高くなる。また、上記式(1)及び式(2)で表される染料は、熱や光に対する堅牢性に優れているため、黒色染料層を用いた画像の熱や光に対する堅牢性が優れたものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の熱転写シートは、黒色染料層に上記式(1)及び式(2)で表される染料を含有することを特徴とし、それ以外の構成は従来公知の熱転写シートの構成と同様でよい。また、本発明で使用する上記式(1)及び式(2)で表される染料は、公知の方法に準じて合成される。
本発明では、上記式(1)及び式(2)で表される染料は単独で、または黒の色相調節のために、他の染料を併用することができる。
【0011】
(基材シート)
基材シートは、従来の熱転写シートに使用されている基材シートをそのまま使用することができ、特に限定されることはない。例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、グラシン紙、コンデンサー紙等の紙類、不織布等が好ましく使用される。また、これらの複合体を基材シートとして使用することもできる。
このような基材シートの厚みは、要求される強度、熱伝導性が得られるように適宜決定することができ、例えば、3〜100μm程度である。
上記のような基材シートは、その表面に形成する染料層との密着力が乏しい場合には、その表面にプライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
【0012】
(染料層)
本発明の染料層は、基材シートの一方の面に少なくとも黒色染料層を有し、必要に応じて、イエロー、マゼンタ、シアン等の染料層を同じ基材シート上に設けても、または別の基材シートにイエロー、マゼンタ、シアン等の染料層を設けて、基材シートを組合せて用いてもよい。
本発明の黒色染料層に含有される染料は、少なくとも下記式(1)及び式(2)が用いられる。
【0013】
【化7】
上記式(1)中、R1及びR2は、それぞれ置換または非置換のアルキル基を表し、R3は水素原子、水酸基、置換または非置換のアルキル基、アルコキシ基、アシル基を表し、R4は置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基を表し、R5は置換または非置換のアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基を表す。また、nは1または2の整数を表す。
【0014】
【化8】
上記式(2)中、R1、R2、R3及びnは式(1)におけると同意義を表し、R6及びR7は、それぞれ置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表す。
【0015】
そして、本発明で好ましく使用することができる上記式(1)の染料の例として、下記の表1に記載する染料が挙げられる。
【表1】
但し、上記の表1のNo.4のR4 はノルマルブチル基である。
【0016】
また、本発明で好ましく使用することができる上記式(2)の染料の例として、下記の表2に記載する染料が挙げられる。
【表2】
【0017】
さらに、本発明では、黒色濃度を向上させるために、黒色染料層に、更に下記式(3)で表されるシアン染料を含有することが好ましい。
【化9】
上記式(3)中、R8及びR9は、それぞれ置換または非置換のアルキル基を表し、R10は水素原子、置換または非置換のアルキル基を表し、R11は水素原子またはハロゲン原子を表し、R12は水素原子またはアルキル基を表し、R13は置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表し、nは1または2の整数を表す。
【0018】
そして、本発明で好ましく使用することができる上記式(3)の染料の例として、下記の表3に記載する染料が挙げられる。
【表3】
但し、上記の表3のNo.4のR13はイソプロピル基である。
【0019】
この上記式(1)と式(2)の染料は、黒色染料層に対して、配合は式(1)と式(2)の比で、1対0.8〜1.4程度が好ましく、また、上記式(3)の染料を使用する場合は、配合は式(1)と式(3)の比で、1対1〜2.7程度にすれば、望ましい黒の色相が得られることになる。
つぎに、黒色染料層には、上記の染料とともにバインダーが含有される。バインダーとしては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、染料の移行性等の観点からセルロース系、アセタール系、ブチラール系及びポリエステル系等が特に好ましい。
【0020】
また、本発明では、上記の樹脂バインダーに代えて、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤またはバインダーとして用いることができる。この離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントをグラフト重合させてなるものである。
これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
【0021】
以上の黒色染料層は、上記染料、バインダーと、その他必要に応じて従来公知と同様な各種の添加剤を加えてもよい。その添加剤として、例えば、受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために、ポリエチレンワックス等の有機微粒子や無機微粒子が挙げられる。
このような黒色染料層は、通常、適当な溶剤中に上記染料、バインダーと、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材シートの上に塗布、乾燥させて形成することができる。この塗布方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いることができる。
このように形成された黒色染料層は、0.2〜6.0μm、好ましくは0.4〜3.0μm程度の乾燥状態での厚さであり、また、黒色染料層中の染料は、上記式(1)及び式(2)または式(3)で表される染料と他の染料を含む、黒色染料層に含有される全ての染料分で、黒色染料層の重量の5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%の量で存在するのが好ましい。
【0022】
黒色染料層の上に、受像シートとの粘着防止の層、すなわち離型層を設けてもよい。離型層としては、粘着防止性の無機粉末を付着させたもの、あるいは、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、フッ素化ポリマーのような離型性に優れた樹脂層等が挙げられ、その厚さは、乾燥状態で0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2μm程度である。
尚、このような離型性に優れた効果を有する材料は、染料層中に含有させても良好な効果が得られる。
【0023】
(耐熱層)
上記の如き本発明の黒色系熱転写シートは、基材シートの裏面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわなどの悪影響を防止するため、必要ならばプライマー層を介して耐熱層を設けてもよい。
耐熱層は、従来公知のものであればよく、例えば、熱硬化性樹脂やシリコーン樹脂等の変性樹脂単独、または各種架橋剤を併用し、界面活性剤、オイル、有機金属塩あるいはワックスなどの滑剤やタルク等の充填剤等を添加し、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの他方に面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して耐熱層を形成することができる。
【0024】
(受像シート)
上記の黒色系熱転写シートを用いて、画像を形成するために使用する被転写体である受像シートは、その受像面が前記の染料に対して染料受容性を有するものであれば、いかなるものでもよく、又、染料受容性を有しない紙、金属、ガラス、合成樹脂等である場合には、その少なくとも一方の表面に染料受容層を形成すれば良い。
【0025】
染料受容層を形成しなくてもよい被転写体としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等からなる繊維、織布、フィルム、シート、成形物等が挙げられる。
特に、好ましいものは、ポリ塩化ビニルからなるシート、又はフィルムで、単層でも複層のラミネート構成でもよい。
【0026】
本発明では紙、金属、ガラスその他の非染着性の被転写体であっても、その記録面に上記の染着性の樹脂の溶液または分散液を塗布および乾燥させるか、あるいはそれらの樹脂フィルムをラミネートすることにより、被転写体とすることができる。
さらに、上記の染着性のある被転写体であっても、その表面にさらに染着性の良い樹脂から、上記のように染料受容層を形成してもよい。
このようにして形成する染料受容層は、単独の材料からでも、また、複数の材料から形成してもよく、さらに本発明の目的を妨げない範囲で各種の添加剤を包含させてもよいのは当然である。
【0027】
受容層を形成するには、上記に記載した樹脂、各種の添加剤を適当な溶剤により、溶解又は分散させて、受容層形成用インキを調製し、これを、上記の被転写体の表面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して、形成することができる。
【0028】
上記の熱転写シートと受像シートとを使用して熱転写を行う際に使用する熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えば熱転写プリンター(例えば、日立製作所製ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって、記録時間をコントロールすることにより、5〜100mj/mm2 程度の熱エネルギーを付与することによって、所期の目的を十分に達成することができる。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
(実施例1)
基材シートとして、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面に、下記組成の黒色染料層形成用インキ1をグラビア印刷機により、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚1μmの染料層を有する黒色系熱転写シートを作製した。
また、基材シートには、以下の条件で耐熱層をあらかじめ設けておいた。基材シートの他方の面に、下記組成の耐熱層用インキを、グラビア印刷機により、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚1μmの耐熱層を設け、さらに60℃にて5日間オーブン中で加熱熟成して、硬化処理を行った。
【0030】
黒色染料層形成用インキ1組成
表1のNo.4の染料(バイオレット) 1.15部
表2のNo.2の染料(オレンジ) 1.15部
下記式(4)で表されるシアン染料 3.80部
下記式(5)で表されるイエロー染料 0.90部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.50部
トルエン 44.75部
メチルエチルケトン 44.75部
【0031】
【化10】
【化11】
【0032】
耐熱層用インキ組成
ポリビニルブチラール樹脂: 3.6部
積水化学工業株式会社製 エスレックBX−1
ポリイソシアネート: 8.6部
大日本インキ株式会社製 バーノックD750
リン酸エステル系界面滑性剤: 2.8部
第一工業製薬株式会社製 プライサーフA208S
タルク:日本タルク株式会社製ミクロエースP−3 0.7部
メチルエチルケトン 32.0部
トルエン 32.0部
【0033】
(実施例2)
黒色染料層形成用インキを下記の黒色染料層形成用インキ2に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして黒色系熱転写シートを作製した。
黒色染料層形成用インキ2組成
表1のNo.4の染料(バイオレット) 1.25部
表2のNo.1の染料(オレンジ) 1.35部
表3のNo.1の染料(シアン) 2.30部
上記式(4)で表されるシアン染料 1.00部
上記式(5)で表されるイエロー染料 1.10部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.50部
トルエン 44.75部
メチルエチルケトン 44.75部
【0034】
(実施例3)
黒色染料層形成用インキを下記の黒色染料層形成用インキ3に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして黒色系熱転写シートを作製した。
黒色染料層形成用インキ3組成
表1のNo.4の染料(バイオレット) 1.30部
表2のNo.1の染料(オレンジ) 1.50部
表3のNo.1の染料(シアン) 3.00部
上記式(5)で表されるイエロー染料 1.20部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.50部
トルエン 44.75部
メチルエチルケトン 44.75部
【0035】
(比較例1)
黒色染料層形成用インキを下記の黒色染料層形成用インキ4に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして黒色系熱転写シートを作製した。
黒色染料層形成用インキ4組成
上記式(4)で表されるシアン染料 4.76部
上記式(5)で表されるイエロー染料 1.47部
下記式(6)で表されるマゼンタ染料 1.47部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.50部
トルエン 44.40部
メチルエチルケトン 44.40部
【0036】
【化12】
【0037】
(比較例2)
黒色染料層形成用インキを下記の黒色染料層形成用インキ5に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして黒色系熱転写シートを作製した。
黒色染料層形成用インキ5組成
上記式(4)で表されるシアン染料 4.75部
下記式(7)で表されるイエロー染料 2.10部
上記式(6)で表されるマゼンタ染料 1.45部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.50部
トルエン 44.10部
メチルエチルケトン 44.10部
【0038】
【化13】
【0039】
次に、基材として合成紙(王子油化製、ユポFPG#150)を用い、この基材の一方の面に下記組成の受容層形成用インキを乾燥時10.0g/m2 になるように塗布し、100℃で30分間乾燥して被転写体である受像シートを得た。
受容層形成用インキ組成
ポリエステル樹脂(東洋紡製、Vylon200) 11.5部
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 5.0部
(ユニオンカーバイト製、VYHH)
アミノ変性シリコーン(信越化学工業製、KF−393) 1.2部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−343) 1.2部
メチルエチルケトン 46部
トルエン 46部
【0040】
前記の実施例及び比較例の黒色系熱転写シートと、上記の受像シートとを、夫々の染料層と受容層とを対向させて重ね合わせ、黒色系熱転写シートの裏面からヘッド印加電圧15.1V、印字時間8msecの条件で、サーマルヘッドで記録を行って、以下の方法にて、記録濃度、耐光性及び演色性の評価を行った。
(記録濃度の評価方法)
米国マクベス社製のデンシトメーターRD−918にて、上記の受像シートの記録部の濃度を測定した。
(耐光性の評価方法)
キセノンフェードメーター(アトラス社製、C135A)を用いて、ブラックパネル温度50℃、50kLuxで、50時間、上記の受像シートの記録部に光照射し、夫々の光退色率を求めた。
【0041】
(演色性の評価方法)
ミノルタ製分光色彩計CM−1000で:D65光源及びF6光源での色度値L* a* b* を測定し、下記式で2光源での色差を算出した。
色差=〔{a* (D65)−a* (F6)}2 +{b* (D65)−b* (F6)}2 〕1/2
但し、a* (D65)及びb* (D65)はD65光源での色度値、a* (F6)及びb* (F6)はF6光源での色度値である。
【0042】
(評価結果)
これらの評価結果を下記の表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、以上のように、基材シートの一方の面に染料とバインダーとから形成された黒色染料層を有する熱転写シートにおいて、該黒色染料層は、少なくとも所定の式(1)及び式(2)で表される染料を含有することにより、また、前記の黒色染料層が、更に所定の式(3)で表される染料を含有することにより、黒色濃度が高く、演色性が高く(すなわち、光源の違いによる色差が低い)、かつ熱や光に対する堅牢性に優れた(光退色率が低い)画像を形成することができる。
Claims (2)
- 基材シートの一方の面に染料とバインダーとから形成された黒色染料層を有する熱転写シートにおいて、該黒色染料層は、少なくとも下記式(1)及び式(2)で表される染料を含有することを特徴とする黒色系熱転写シート。
Priority Applications (4)
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