JPH11327473A - インクジェットプリント品 - Google Patents

インクジェットプリント品

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JPH11327473A
JPH11327473A JP10134749A JP13474998A JPH11327473A JP H11327473 A JPH11327473 A JP H11327473A JP 10134749 A JP10134749 A JP 10134749A JP 13474998 A JP13474998 A JP 13474998A JP H11327473 A JPH11327473 A JP H11327473A
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JP
Japan
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ink
printed product
absorbing material
base
parts
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JP10134749A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Sato
裕喜 佐藤
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント品に関し、インクの吸収性、定着性、
鮮やかな発色性を実現し、耐候性を得て、看板、垂れ幕
等として利用できるようにする。 【解決手段】フィルム状のベース11の表面に形成され
インクジェットプリンターによってフルカラープリント
がされたインク吸収材層12と、該インク吸収材層12
のプリント面に透明粘着剤層18を介して積層された透
明樹脂層17とを備え、必要に応じて上記ベース11の
裏面に粘着剤層15を介して基板19を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンターによってプリントされ、屋内や屋外の看板、垂
れ幕、懸垂幕、ロールスクリーン、ブラインド、カーテ
ン、シャッター、壁装材、ランチョンマット、衣服など
として用いられる、板状又はフィルム状のインクジェッ
トプリント品に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターによるプリン
トは、ノズルよりインクを噴射してフィルムその他の記
録媒体に付着乃至定着させる方式である。このプリント
方式の場合、低沸点溶剤系のインクでは早期に乾燥して
ノズルが詰まりやすくなるため、インクの溶媒として
は、水や高沸点の脂肪族炭化水素系溶剤、例えばエクソ
ン社のアイソパー、フィリップス石油社のソルトール、
出光石油化学社のIPソルベントが使用され、石油ナフ
サでは、シェル石油化学社のシェルS.B.R やシェルゾー
ル、モービル石油社のペガゾール等が使用されている。
着色剤としては、顔料若しくは染料、又は該顔料と染料
との両者を用いた仕様が一般的であり、青色(シア
ン)、赤色(マゼンタ)、黄色(イエロー)、黒色(ブ
ラック)のインクをそれぞれ4個のヘッドから噴射させ
て、それらの色の重なりで目的の色が得られている。
【0003】プリントされる媒体については、使用場所
(屋外、屋内等),使用方法(基材への貼り合わせ方
法)等の用途別により、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂フィ
ルムや紙、合成紙、布、ターポリン等から選択されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記熱可塑性樹脂フィ
ルムの場合、その材質が樹脂であるため、水性インクや
脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする油性インクを吸収
せずにはじき、目的とする絵柄や模様を鮮明に印刷する
ことが難しい。これに対して、中性紙であれば、上記イ
ンクを吸収するが、繊維の並びが不均一でしかも印刷面
が粗いため、インクの吸収が不均一となり、色の濃淡を
生じたり、にじみを生ずる。この点は布やターポリンも
同様である。
【0005】また、水性インクには、水及び不揮発性有
機溶剤、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、メチルカルピトール等の高沸点溶剤が溶媒として
使用され、また、上記脂肪族炭化水素系溶剤も高沸点で
あって、その乾燥速度が遅いため、多色印刷を施した場
合、1色目を印刷して2色目を印刷したときに1色目と
2色目のインク同士が混ざり合ってにじんだようになり
易く、このため乾燥時間を長くとる必要があって、作業
性がよくない。
【0006】これに対して、本発明者は、インク吸収材
層をベースフィルムの上に設けてなる積層フィルムを開
発した。これによれば、印刷性の向上が図れるものの、
上記絵柄等の鮮明度や水性インクの乾燥性、水性インク
の密着性等において改良の余地がある。また、プリント
したものを屋外で看板等として使用した場合、インク吸
収材層が水を吸収するため、雨水中の水垢がインク吸収
材層に付着して印刷面が汚れたり、水分の吸収・放出を
繰り返し、さらには光の刺激によってインク吸収材層の
早期劣化を招き、インクの剥離を生じ易い。この現象は
プリント品を屋外に3か月以上放置した場合に顕著にな
る。
【0007】そこで、本発明は、水を溶媒とする水性イ
ンクや脂肪族炭化水素系溶剤を用いた油性インクを用
い、インクジェットプリンターでプリントされたプリン
ト品に関する、上述の如き問題を解決するものである。
すなわち、本発明の課題は、インクジェットプリンター
によってプリントされ、屋内や屋外用の看板、垂れ幕、
懸垂幕、ロールスクリーン、ブラインド、カーテン、シ
ャッター、壁装材、ランチョンマット、衣服などとして
用いられる、板状又はフィルム状のインクジェットプリ
ント品を提供すること、水性インクや油性インクによる
プリント品において、そのインクの吸収性、定着性、鮮
やかな発色性を実現すること、屋外での使用において、
耐水性ないしは耐候性を確保することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
看板等にされる板状のインクジェットプリント品であっ
て、フィルム状のベースの表面に形成されインクジェッ
トプリンターによってフルカラープリントがされたイン
ク吸収材層と、上記インク吸収材層のプリント面に透明
粘着剤層を介して積層された透明樹脂層と、上記ベース
の裏面に粘着剤層を介して設けられ該ベースを支持する
基板とを備えていることを特徴とする。
【0009】この発明においては、インク吸収材層をベ
ースの表面に形成してこれにプリントしているから、水
性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色
性を実現することが可能になる。このインク吸収材層の
プリント面に透明粘着剤層を介して透明樹脂層が積層さ
れているから、屋外において雨に晒されても雨水の吸収
や水垢の付着が防止され、また、インク吸収材層が雨水
や日光、外気に直接晒されないから、その劣化が防止さ
れる(耐候性が得られる)。また、基板がベースフィル
ムを支持し保形する役割を果たすから、当該プリント品
を屋内や屋外の看板、シャッター等として使用すること
に有利になる。
【0010】請求項2に係る発明は、同じく看板等にさ
れる板状インクジェットプリント品であって、フィルム
状のベースの表面に形成されインクジェットプリンター
によってフルカラープリントがされたインク吸収材層
と、上記ベースの裏面に粘着剤層を介して設けられ該ベ
ースを支持する基板とを備えていることを特徴とする。
【0011】この発明では、インク吸収材層によって水
性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色
性を実現することが可能になるとともに、基板によって
屋内や屋外の看板、シャッター等として使用することに
有利になる。
【0012】請求項3に係る発明は、垂れ幕等にされる
フィルム状のインクジェットプリント品であって、フィ
ルム状のベースの表面に形成されインクジェットプリン
ターによってフルカラープリントがされたインク吸収材
層と、上記インク吸収材層のプリント面に透明粘着剤層
を介して積層された透明樹脂層と、上記ベースの裏面に
設けられた粘着剤層とを備えていることを特徴とする。
【0013】この発明では、インク吸収材層によって水
性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色
性を実現することが可能になるとともに、透明樹脂層に
よって耐候性が得られ、垂れ幕、懸垂幕、ロールスクリ
ーン、ブラインド、カーテン、壁装材、ランチョンマッ
ト、衣服等への使用に有利になる。
【0014】請求項4に係る発明は、垂れ幕等にされる
フィルム状のインクジェットプリント品であって、フィ
ルム状のベースの表面に形成されインクジェットプリン
ターによってフルカラープリントがされたインク吸収材
層と、上記インク吸収材層のプリント面に積層された透
明樹脂層とを備えていることを特徴とする。
【0015】この発明では、インク吸収材層によって水
性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色
性を実現することが可能になるとともに、透明樹脂層に
よって耐候性が得られ、垂れ幕、懸垂幕、ロールスクリ
ーン、ブラインド、カーテン、壁装材、ランチョンマッ
ト、衣服等への使用に有利になる。
【0016】請求項5に係る発明は、垂れ幕等にされる
フィルム状のインクジェットプリント品であって、フィ
ルム状のベースの表面にインク吸収材層が形成され、該
インク吸収材層にインクジェットプリンターによってフ
ルカラープリントがされていることを特徴とする。
【0017】この発明では、インク吸収材層によって水
性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色
性を実現することが可能になり、垂れ幕、懸垂幕、ロー
ルスクリーン、ブラインド、カーテン、壁装材、ランチ
ョンマット、衣服等への使用に有利になる。
【0018】請求項6に係る発明は、看板等にされる板
状のインクジェットプリント品であって、フィルム状の
ベースの表面に形成されインクジェットプリンターによ
ってフルカラープリントがされたインク吸収材層と、上
記インク吸収材層のプリント面に積層された透明樹脂層
と、上記ベースの裏面に粘着剤層を介して設けられ該ベ
ースを支持する基板とを備えていることを特徴とする。
【0019】この発明では、インク吸収材層によって水
性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色
性を実現することが可能になるとともに、透明樹脂層に
よって耐候性が得られ、基板によって屋内や屋外の看
板、シャッター等として使用することに有利になる。
【0020】請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求
項6のいずれか一に記載されているインクジェットプリ
ント品において、上記インク吸収材層が、ポリエチレン
オキサイドを含有するポリエーテルポリオールにより変
性されたポリウレタン樹脂に吸水剤が配合されているイ
ンク吸収材によって形成されていることを特徴とする。
【0021】上記インク吸収材は、ポリエチレンオキサ
イドの存在によって、水性インクと接触したときに該イ
ンク中の水分を吸収すると同時に膨潤する。単なる吸収
機能ではなく、そこに膨潤があることに重要な特徴があ
る。
【0022】この点を具体的に説明すると、仮にインク
吸収材が水性インク中の水分を浸透させる機能だけしか
有しない場合、該インク吸収材層に水性インクが接触す
ると、インク中の顔料ないしは染料が水分と共に該イン
ク吸収材層の表面に沿って浸透して水平に広がっていく
とともに、該表面から内部に垂直に浸透していく。この
ような機能が強すぎる場合には、顔料等の水平方向及び
垂直方向のにじみによってインク濃度が薄くなり、鮮や
かさに欠ける印刷になる。
【0023】一方、上記水分を浸透させる機能が弱い
と、上記にじみの問題は避けられるが、水性インクの水
分の吸収が不充分になるためその乾燥が遅くなる。この
ため、印刷後の経過時間が短い場合には、未乾燥のイン
クが流れたり、手についたり、印刷面に他の物を重ねた
ときにインクが当該他の物に転写され易くなり、作業性
が悪く、良好な仕上がりを得ることが難しくなる。ま
た、多色印刷の場合は、1色目のインクと2色目のイン
クとが混ざり合ってにじみ易く、仕上がりが悪くなる。
【0024】これに対して、当該発明では、上記ポリエ
チレンオキサイドがインク吸収材に対して、水性インク
中の水分を吸って膨潤する機能を与える。このため、水
性インクは、インク吸収材に接触したときに該インク吸
収材に水分を吸収されて比較的速やかに乾燥するもの
の、インク吸収材は膨潤することによって水分を当該イ
ンク接触部位に保持しようとするから、該水分が該接触
部位から周囲に大きく広がっていくことはなく、従っ
て、顔料等のにじみが少なくなってインク濃度の低下が
防止される。
【0025】また、インク吸収材中の吸水剤は、上記ポ
リエチレンオキサイドによる吸水を補助又は促進し、イ
ンクの乾燥性及びインクの定着性を向上させる。この吸
水剤としては、無機物であっても、蛋白質その他の有機
物であってもよいが、次に述べるシリカ、コラーゲン、
架橋アクリル酸、炭酸カルシウムが好適であり、これら
を単独で又は適宜組み合わせて使用することによって、
所期の効果を得ることができる。以下、この吸水剤につ
いて具体的に説明する。
【0026】請求項8に係る発明は、請求項7に記載さ
れているインクジェットプリント品において、上記ポリ
エチレンオキサイドを含有するポリエーテルポリオール
により変性されたポリウレタン樹脂100重量部に対し
て、上記吸水剤としてシリカが30〜500重量部配合
されていることを特徴とする。
【0027】シリカ(二酸化ケイ素)としては、その種
類は問わないが、含水無晶形で粒径20〜30nm程度
の球形の1次粒子が2次、3次に凝集して1つの粒子を
つくっている比表面積、細孔容積の大きなものが、イン
ク吸収材の吸水性向上の観点から好適である。
【0028】すなわち、上記ポリエチレンオキサイドを
含有するポリエーテルポリオールにより変性されたポリ
ウレタン樹脂(以下では単に吸水性ウレタン樹脂という
場合がある。)にシリカを添加してなるインク吸収材の
場合、これに水性インクで印刷を行なうと、上記吸水性
ウレタン樹脂の吸水・膨潤作用に加えて、シリカの有す
る比表面積及び細孔容積が大きいという構造上の特性に
よって、水性インク中の水分を吸収する能力が高まり、
インクの乾燥性向上に有利になる。しかも、シリカの細
孔内に水性インク中の着色剤(顔料,染料)が捕捉され
るため、該着色剤がまわりに必要以上に浸透していくこ
とが防止され、印刷が鮮やかなものになる。
【0029】上記シリカの配合量は、上記吸水性ウレタ
ン樹脂100重量部(溶剤を含まない固形の樹脂量が1
00重量部の意味である。以下、特に断りがない限り同
じ。)に対して、30〜500重量部が好適である。そ
れは、30重量部未満では、上述の作用効果を得るには
不充分であり、一方、500重量部を越えると、当該イ
ンク吸収材をベースに接着する場合の接着性が損なわれ
るためである。このシリカの大きさについては平均粒径
1〜15μm程度のものが好適であり、1〜10μm程
度のものがさらに好適である。
【0030】請求項9に係る発明は、請求項7に記載さ
れているインクジェットプリント品において、上記ポリ
エチレンオキサイドを含有するポリエーテルポリオール
により変性されたポリウレタン樹脂100重量部に対し
て、上記吸水剤としてコラーゲンが30〜500重量部
配合されていることを特徴とする。
【0031】コラーゲンは、動物の皮膚、腱等の結合組
織や、骨、象牙質等の硬組織に存在する繊維状の蛋白質
であり、吸湿・吸水の作用を有する。
【0032】上記吸水性ウレタン樹脂にコラーゲンを添
加してなるインク吸収材の場合、これに水性インクで印
刷を行なうと、上記吸水性ウレタン樹脂の吸水・膨潤作
用に加えて、コラーゲンの吸水作用によって水性インク
中の水分を吸収する能力が高まり、インクの乾燥性が向
上する。しかも、コラーゲンの添加によってインク吸収
材の表面に微細な凹凸ができ、該微細凹凸によって水性
インク中の着色剤が捕捉され、該着色剤がまわりに必要
以上に浸透していくことが防止され、印刷が鮮やかなも
のになる。また、このコラーゲンはプリント面のべとつ
きを防止する。
【0033】上記コラーゲンの配合量は、30重量部未
満では、上述の作用効果を得るには不充分であり、一
方、500重量部を越えると、当該インク吸収材におけ
るコラーゲンの分散不良を生じ易くなり、これをベース
に塗工した場合のインク吸収材層の表面状態が悪くな
る。コラーゲンの大きさとしては、平均粒径が6〜15
μm程度のものが好適であり、さらに好適な粒径6〜1
0μmである。
【0034】請求項10に係る発明は、請求項7に記載
されているインクジェットプリント品において、上記ポ
リエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポリオー
ルにより変性されたポリウレタン樹脂100重量部に対
して、上記吸水剤として架橋アクリル酸塩が30〜50
0重量部配合されていることを特徴とする。
【0035】架橋アクリル酸塩は、ポリマーの長い鎖同
士がところどころ結合して三次元構造を形成したもので
あり、吸水作用を有する。すなわち、この架橋アクリル
酸塩は、水を含んでいないときは収縮して全体が密に固
まっているが、上記鎖は多くの親水基(カルボキシル
基)を有するため、水中に入れると水に溶けようとして
広がりはじめる。上記親水基はその電荷がマイナス側に
片寄っているため、この親水基同士の反発があり、それ
によって広がりがさらに助長される。しかし、この塩
は、三次元網目構造になっているため、ある程度広がる
とそれ以上は広がらず、網目構造中に水を閉じ込めた膨
潤状態になる。
【0036】このような架橋アクリル酸塩を上記吸水性
ウレタン樹脂に添加してなるインク吸収材の場合、これ
に水性インクで印刷を行なうと、上記吸水性ウレタン樹
脂の吸水・膨潤作用に加えて、架橋アクリル酸塩の吸水
・膨潤作用によって水性インク中の水分を吸収する能力
が高まり、インクの乾燥性が向上する。しかも、架橋ア
クリル酸塩の添加によってインク吸収材の表面に微細な
凹凸ができ、該微細凹凸によって水性インク中の着色剤
が捕捉され、該着色剤がまわりに必要以上に浸透してい
くことが防止され、印刷が鮮やかなものになる。
【0037】上記架橋アクリル酸塩の配合量は、30重
量部未満では、上述の作用効果を得るには不充分であ
り、一方、300重量部を越えると、当該インク吸収材
における分散不良を生じ易くなり、これをベースに塗工
した際の表面状態が悪くなる。ここに、架橋アクリル酸
塩の配合量の上限がシリカやコラーゲン、あるいは次に
述べる炭酸カルシウムに比べて低いのは、該架橋アクリ
ル酸塩の粒径が他に比べて大きく、塗工面の凹凸を招き
易いためである。すなわち、架橋アクリル酸塩は、10
〜50μm程度の粒径をもつのが普通である。
【0038】請求項11に係る発明は、請求項7に記載
されているインクジェットプリント品において、上記ポ
リエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポリオー
ルにより変性されたポリウレタン樹脂100重量部に対
して、上記吸水剤として炭酸カルシウムが30〜500
重量部配合されていることを特徴とする。
【0039】炭酸カルシウムは、一般に水圏に溶解して
いるCaCO3 が生物を通して、あるいは化学的な原因
によって沈殿し、堆積したものであり、水中で一定の溶
解度をもっている。この性質のために、上記吸水性ウレ
タン樹脂に炭酸カルシウムを添加すると、得られたイン
ク吸収材では、炭酸カルシウムが、水性インク中の水分
を吸収し該水性インクの乾燥を促進する成分として働
く。
【0040】また、炭酸カルシウムは、一般に樹脂溶液
と混和性がよく、その混合液をバーコーター、グラビア
コーター等によってコーティングした場合の塗膜(イン
ク吸収材層)の平滑性を損なわない。しかも、炭酸カル
シウム、その平均粒径が0.1〜3μmと小さいため均
一に分散し易く、得られるインク吸収材は水性インクの
吸収むらが実質的にないものになり、一定のインク濃度
を有する印刷を行なう上で有利になる。
【0041】なお、炭酸カルシウムと樹脂との混和性を
良くするために、炭酸カルシウムの粒子表面を脂肪酸、
カチオン種等でコーティングすることもできるが、当該
発明では炭酸カルシウムを吸水剤として使用するもので
あるから、そのようなコーティング処理はない方が好ま
しい。
【0042】上記炭酸カルシウムの配合量は、30重量
部未満では、上述の作用効果を得るには不充分であり、
500重量部を超えると炭酸カルシウムの分散不良を招
き易くなり、塗工面の状態が悪くなる。
【0043】請求項12に係る発明は、請求項7に記載
されているインクジェットプリント品において、上記ポ
リエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポリオー
ルにより変性されたポリウレタン樹脂100重量部に対
して、上記吸水剤として、シリカ、コラーゲン、架橋ア
クリル酸塩及び炭酸カルシウムのうちから選択された2
種以上が合計で30〜500重量部配合されていること
を特徴とする。
【0044】すなわち、上記吸水剤、シリカ、コラーゲ
ン、架橋アクリル酸塩及び炭酸カルシウムは、これらの
うちの2種以上を適宜組み合わせて使用することがで
き、その場合も合計の配合量は上記吸水性ウレタン樹脂
100重量部に対して30〜500重量部とすることが
好ましい。
【0045】請求項13に係る発明は、請求項7乃至請
求項12のいずれか一に記載されているインクジェット
プリント品において、上記インク吸収材層の厚みが5〜
200μmであることを特徴とする。
【0046】上述の如きインク吸収材層の厚みは、該イ
ンク吸収材に水性インクを確実に吸収させて乾燥・定着
させるために5μm以上とすることが好適であり、10
μm以上とすることがさらに好ましい。また、その上限
は特に問わず、ベースに塗工することによってインク吸
収材層を形成する場合は当該厚みを50μm程度までに
する方が塗工作業性の面から有利であるが、その厚みは
100μmであっても、200μmであっても水性イン
クの定着という面では何の問題もない。
【0047】請求項14に係る発明は、請求項1乃至請
求項13のいずれか一に記載されているインクジェット
プリント品において、上記ベースが、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリ
ル樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム、ポリエステル系布、
綿布、ポリエステルと綿との混紡布、レーヨン布、又は
ターポリンであることを特徴とする。
【0048】すなわち、これらを用いてベースを構成す
ることにより、所期の効果を得ることができる。
【0049】<水性インクについて>本発明にかかるイ
ンク吸収材に適用する水性インクは、先に説明したよう
に、着色剤として顔料若しくは染料、又は該顔料と染料
との両者を用い、分散剤が水溶性であるインクのことで
あり、その種類を問わない。例えば、顔料、分散剤及び
溶媒からなる水性インク組成物であって、分散剤が芳香
環や所定以上の炭素数を有するアルキル基を親油性部分
として有し且つカルボン酸(塩)基やスルホン酸基等を
親水性部分として有するようなアクリル酸又はメタクリ
ル酸のアルキルエステルを主成分とする重合体であり、
上記溶媒が水と不揮発性の親水性有機溶剤との混合物で
あるものが好適である。
【0050】<ベースにおけるインク吸収材層の形成等
について>ベースの表面に水性インク吸収材層を形成す
る手段としては、上述の塗工を採用することができる
が、インク吸収材のフィルムを形成してその片面に粘着
剤層を介して剥離紙を貼付けておき、この剥離紙を剥が
してインク吸収材のフィルムをベースに貼付けることに
よってインク吸収材層を形成するようにしてもよい。
【0051】このような積層フィルムの裏面(ベース層
の上記インク吸収材層とは反対側の面)には粘着剤層を
形成することができる。上述の塗工によってベースの表
面にインク吸収材層を形成する場合において、該ベース
とインク吸収材との接着が不充分になる懸念があるとき
は、この両者の接着の仲立ちとなるプライマーを塗布
し、その上からインク吸収材を塗布するようにすればよ
い。
【0052】上記インク吸収材層のプリント面に透明粘
着剤層を介して透明樹脂層を設ける場合や、上記ベース
の裏面に粘着剤層を介して基板を設ける場合の粘着剤と
しては、例えばアクリル系粘着剤を採用することが、接
着すべき両層間に接着性が得られるものであれば、その
種類は問わない。
【0053】上記透明樹脂層の形成には、透明樹脂(例
えば、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエステル等)のフ
ィルムに透明粘着剤層を積層しておき、これを上記イン
ク吸収材層のプリント面に透明粘着剤層がプリント面に
接するようにラミネートする方法を採用することができ
る。あるいは、上記透明樹脂の溶液をインク吸収材層の
プリント面に塗工するか、スプレー等で吹き付けて、溶
媒を乾燥揮発させることによって透明樹脂層を形成する
ことができる。あるいは、上記透明樹脂フィルムをイン
ク吸収材層のプリント面に熱と圧力とによって、例えば
熱ラミネート方式や段プレス方式等によってラミネート
することによって透明樹脂層を形成することができる。
【0054】板状のインクジェットプリント品を形成す
る場合において、その基板としては、例えばアルミニウ
ム板、ステンレス板、塗装板、鉄板、ブリキ板、ボンデ
鋼板、アクリル板などを用いることができる。この基板
とベースとの貼り合わせは、ベースに粘着剤層を形成し
ておき、これを基板に重ねることによって行なうことが
できる。その場合、ベースの裏面に予め粘着剤層を形成
しその上に剥離紙を貼り合わせておき、その状態でイン
クジェットプリントに供し、プリント後に剥離紙を剥が
して基板に貼り合わせるようにすることができる。
【0055】垂れ幕、懸垂幕、カーテン、ランチョンマ
ット、衣料に用いるフィルム状のインクジェットプリン
ト品を形成する場合には、基板は必要でなく、この場合
のベースとしては例えば布やターポリンが好適である。
ロールスクリーン、ブラインドに用いるフィルム状のイ
ンクジェットプリント品を形成する場合のベースとして
は例えば布やターポリン、ポリ塩化ビニルが好適であ
る。
【0056】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、フィルム
状のベースの表面に形成されインクジェットプリンター
によってフルカラープリントがされたインク吸収材層
と、該インク吸収材層のプリント面に透明粘着剤層を介
して積層された透明樹脂層と、上記ベースの裏面に粘着
剤層を介して設けられ該ベースを支持する基板とを備え
ているから、インク吸収材層によって水性インクや油性
インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色性を実現するこ
とが可能になるとともに、透明樹脂層によって耐候性を
得ることができ、基板によって屋内や屋外の看板、シャ
ッター等として使用することに有利になる看板等への利
用に有利になる。
【0057】請求項2に係る発明によれば、フィルム状
のベースの表面に形成されインクジェットプリンターに
よってフルカラープリントがされたインク吸収材層と、
上記ベースの裏面に粘着剤層を介して設けられ該ベース
を支持する基板とを備えているから、インク吸収材層に
よって水性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮や
かな発色性を実現することが可能になるとともに、基板
によって屋内や屋外の看板、シャッター等として使用す
ることに有利になる。
【0058】請求項3に係る発明によれば、フィルム状
のベースの表面に形成されインクジェットプリンターに
よってフルカラープリントがされたインク吸収材層と、
該インク吸収材層のプリント面に透明粘着剤層を介して
積層された透明樹脂層と、上記ベースの裏面に設けられ
た粘着剤層とを備えているから、インク吸収材層によっ
て水性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな
発色性を実現することが可能になるとともに、透明樹脂
層によって耐候性が得られ、垂れ幕、懸垂幕、ロールス
クリーン、ブラインド、カーテン、壁装材、ランチョン
マット、衣服等への利用に有利になる。
【0059】請求項4に係る発明によれば、フィルム状
のベースの表面に形成されインクジェットプリンターに
よってフルカラープリントがされたインク吸収材層と、
該インク吸収材層のプリント面に積層された透明樹脂層
とを備えているから、インク吸収材層によって水性イン
クや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発色性を実
現することが可能になるとともに、透明樹脂層によって
耐候性が得られ、垂れ幕、懸垂幕、ロールスクリーン、
ブラインド、カーテン、壁装材、ランチョンマット、衣
服等への使用に有利になる。
【0060】請求項5に係る発明によれば、フィルム状
のベースの表面にインク吸収材層が形成され、該インク
吸収材層にインクジェットプリンターによってフルカラ
ープリントがされているから、インク吸収材層によって
水性インクや油性インクの吸収性、定着性、鮮やかな発
色性を実現することが可能になり、垂れ幕、懸垂幕、ロ
ールスクリーン、ブラインド、カーテン、壁装材、ラン
チョンマット、衣服等への使用に有利になる。
【0061】請求項6に係る発明によれば、フィルム状
のベースの表面に形成されインクジェットプリンターに
よってフルカラープリントがされたインク吸収材層と、
該インク吸収材層のプリント面に積層された透明樹脂層
と、上記ベースの裏面に粘着剤層を介して設けられ該ベ
ースを支持する基板とを備えているから、インク吸収材
層によって水性インクや油性インクの吸収性、定着性、
鮮やかな発色性を実現することが可能になるとともに、
透明樹脂層によって耐候性が得られ、基板によって屋内
や屋外の看板、シャッター等として使用することに有利
になる。
【0062】請求項7に係る発明によれば、上記インク
吸収材層が、ポリエチレンオキサイドを含有するポリエ
ーテルポリオールにより変性されたポリウレタン樹脂に
吸水剤が配合されているインク吸収材によって形成され
ているから、インクのぬれが良好になって高いインク濃
度(印刷濃度)を実現することができるとともに、イン
クの乾燥性が良くなって印刷作業性を高めることができ
るようになり、しかも、インクの密着性を高めることが
できる。
【0063】請求項8乃至請求項12の各発明によれ
ば、上記吸水剤として、シリカ、コラーゲン、架橋アク
リル酸塩又は炭酸カルシウムを単独で、又はこれらから
選択される2以上のものを組み合わせて使用するように
したから、水性インクの乾燥性を高めるうえで有利にな
り、また、水性インク中の着色剤の捕捉を良くすること
ができ、鮮やかな印刷仕上がりを得るうえで有利にな
る。
【0064】請求項13に係る発明によれば、上記イン
ク吸収材層の厚みを5μm以上にしたから、該インク吸
収材によって上述の効果を得るうえで有利になる。
【0065】請求項14に係る発明によれば、上記ベー
スが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂フィ
ルム、ポリエステル系布、綿布、ポリエステルと綿との
混紡布、レーヨン布、又はターポリンであるから、所期
の効果を得ることができる。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0067】<プリント品の形態> −形態1− 図1にはフィルム状インクジェットプリント品1が示さ
れている。同図において、符号11は樹脂フィルム等に
よって形成されたベース層、符号12は該ベース層11
の表面に形成されたインク吸収材層であり、該インク吸
収材層12の表面にインクジェットプリンターによって
フルカラープリントがされている。符号13は当該プリ
ントによって形成されたインク層である。その製法は次
の通りである。
【0068】塩化ビニル樹脂(重合度1050)100
重量部に対し、可塑剤を28重量部、並びにチタン系顔
料、Ba−Zn系安定剤、及びアクリル系加工助剤を適
量配合した材料をカレンダー加工にて厚み50μmでシ
ーティングし、ベース層用のフィルムを得る。
【0069】次にインク吸収材用液を上記ベース層フィ
ルムの表面にバーコーターによって塗工し乾燥させるこ
とによって、ベース層11の表面に厚さ30μmのイン
ク吸収材層12を形成する。
【0070】次に上記インク吸収材層12の表面に、フ
ルカラーインクを使用したインクジェットプリンターに
てプリントを行なう。カラーインクとしては、例えば、
顔料、分散剤及び溶媒からなる水性インク組成物であっ
て、分散剤が親油性部分と親水性部分とを有するアクリ
ル酸のアルキルエステルを主成分とする重合体であり、
上記溶媒が水と不揮発性の親水性有機溶剤との混合物で
あるものを用いる。
【0071】−形態2− 図2には同じくフィルム状インクジェットプリント品2
が示されている。このプリント品2は、ベース層11と
インク吸収材層12との間にこの両者の接着の仲立ちと
なるプライマー層14を備えており、他は図1のプリン
ト品1と同じである。
【0072】−形態3− 図3には同じくフィルム状インクジェットプリント品3
が示されている。このプリント品3は、ベース層11の
裏面に粘着剤層15を介して貼り付けられた剥離紙16
を備えており、他は図1のプリント品1と同じである。
製法は次のとおりである。
【0073】厚み170μmの離型紙16にアクリル系
粘着剤(主剤が2−エチルヘキシルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、アクリル酸の混合物(綜研化学(株)
製SKダイン1311)、硬化剤がTDI系イソシアネ
ートであり、主剤と硬化剤とを100:3の割合で混合
した粘着剤)を塗工し、乾燥することによって30μm
の粘着剤層15を形成する。そして、この粘着剤層15
を有する剥離紙16と上記ベース層用フィルムとを圧着
ロールによりラミネートする。しかる後に、図1のプリ
ント品1の場合と同様にして、インク吸収材層12を形
成し、その上にインクジェットプリンタによるフルカラ
ープリントを行なう。
【0074】−形態4− 図4には同じくフィルム状インクジェットプリント品4
が示されている。このプリント品4は、ベース層11の
裏面に粘着剤層15を介して貼り付けられた剥離紙16
を備えており、他は図2のプリント品2と同じである。
【0075】−形態5− 図5には同じくフィルム状インクジェットプリント品5
が示されている。このプリント品5は、インク吸収材層
12のプリント面、すなわち、インク層13の上にこれ
を覆う透明樹脂層17を備えており、他は図1のプリン
ト品1と同じである。透明樹脂層17の形成は、透明樹
脂溶液をインク吸収材層12のプリント面に塗工するこ
とによって行なうことができる。
【0076】−形態6− 図6には同じくフィルム状インクジェットプリント品6
が示されている。このプリント品6は、インク吸収材層
12のプリント面、すなわち、インク層13の上に透明
粘着剤層18を介して該プリント面を覆う透明樹脂層1
7を備えており、他は図1のプリント品1と同じであ
る。透明樹脂層17の形成は、透明樹脂フィルムに透明
粘着剤を塗工して透明粘着剤層18を形成し、これをイ
ンク吸収材層12のプリント面にラミネートすることに
よって行なうことができる。
【0077】−形態7− 図7には板状インクジェットプリント品7が示されてい
る。このプリント品7は、樹脂フィルム等によって形成
されたベース層11、該ベース層11の表面に形成され
たインク吸収材層12、該インク吸収材層12の表面に
インクジェットプリンターによってフルカラープリント
がされて形成されたインク層13を備え、さらに、ベー
ス層11の裏面に粘着剤層15を介して積層された基板
19を備えている。その製法は、例えば図3のプリント
品3から剥離紙16を剥離し、アルミニウム板などの基
板19に貼り付ける、というものである。
【0078】−形態8− 図8には同じく板状インクジェットプリント品8が示さ
れている。このプリント品8は、インク層13の上にこ
れを覆う透明樹脂層17を備えており、他は図7のプリ
ント品7と同じである。その製法は、例えば図3のプリ
ント品3のプリント面に透明樹脂層17をラミネートし
ておき、ベース層11の裏面の剥離紙16を剥がして基
板19に貼り付ける、というものである。
【0079】−形態9− 図9には同じく板状インクジェットプリント品9が示さ
れている。このプリント品9は、インク層13の上に透
明粘着剤層18を介して該プリント面を覆う透明樹脂層
17を備えており、他は図7のプリント品7と同じであ
る。その製法は、図3のプリント品3のプリント面に透
明粘着剤層18を介して透明樹脂層17をラミネートし
ておき、ベース層11の裏面の剥離紙16を剥がして基
板19に貼り付ける、というものである。
【0080】<インク吸収材層について>図3に示すプ
リント品3の構成において、インク吸収材が種々に異な
るものを作成し、物性等の評価を行った。
【0081】(実施例1)吸水性ウレタン樹脂(三洋化
成工業(株)製の高吸水性ポリマー;サンプレンHMP
−17A(ポリエチレンオキサイドを含有するポリエー
テルポリオールにより変性されたウレタン樹脂であり樹
脂固形分30%である。))100重量部に対し、吸水
剤としてシリカ(塩野義製薬(株)製カープレックスB
S−304F)を36重量部、溶剤としてDMF(ジメ
チルホルムアミド)を100重量部添加し、30分間攪
拌することによってインク吸収材用液を調製した。これ
を用いて上記インク吸収材層を形成した。
【0082】(実施例2〜17,比較例1〜16)上記
インク吸収材の吸水剤の種類や配合量を変えて実施例2
〜15及び比較例1〜14の各プリント品を同様の方法
によって作製した。これら実施例の吸水剤の種類及び配
合量等については先の実施例1のもの共に表1に、ま
た、比較例の吸水剤の種類及び配合量等については表2
にそれぞれ示されている。なお、比較例16は、インク
吸収材層を設けずにベース層に直接印刷するようにした
例であり、表2には掲げていない。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】−物性測定試験− 上記実施例及び比較例の各々について、それらのインク
吸収材層の接触角、ぬれ指数及び透湿度を測定した。
【0086】接触角については、純水を用い液滴法によ
って常温で測定した。使用した接触角計は、協和界面科
学(株)製のFACE接触角計(コンタクタングルメー
タ)である。
【0087】ぬれ指数については、JIS−K−676
8に規定された「ポリエチレン及びポリプロピレンフィ
ルムのぬれ試験方法」によって測定した。標準液はホル
ムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの
混合液である。温湿度条件は、温度が23±2℃,相対
湿度が50±5%である。
【0088】透湿度については、JIS−Z−0208
に規定された「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ
法)」によって測定した。その温湿度条件はB(温度4
0±0.5℃,相対湿度90±2%)である。また、供
試材の厚みによって透湿度の値が異なるものになるた
め、JIS−Z−0208の規定に基づいて測定した透
湿度P´を0.1mmの厚さでの透湿度Pに換算した。こ
の換算はJIS−K−6734の透湿度試験の項に記載
されている次式を用いて行なった。
【0089】P=d×P´/0.1 但し、dはJIS−Z−0208に規定されている透湿
度の測定に供した試験片の厚さ(mm) である。
【0090】−性能評価− 上記実施例及び比較例の各々について、以下の項目の評
価を行なった。結果は各例の配合、上記物性の測定結果
等と共に、実施例については表3に、比較例については
表4に示されている。
【0091】〈塗工面の表面状態〉インク吸収材層の表
面状態を目視にて評価した。その判断基準は、平滑で印
刷に支障となる凹凸がなければ『良好』とし、そのよう
な凹凸があれば『凹凸あり』とした。
【0092】〈ベース層とインク吸収材層との接着性〉
インク吸収材層にカッターにて碁盤目状になるように縦
横のそれぞれに1mm間隔で100本の切れ目を入れ、セ
ロテープを貼り付け、該インク吸収材層の面と90度を
なす方向に急激に引き剥がすことによって、ベース層と
インク吸収材層との接着性を評価した。その判断基準
は、剥がれなければ『良好』とし、剥がれが生ずる場合
は『未接着』とした。
【0093】〈インクつき性(インクのにじみ、はじ
き)〉実施例及び比較例の各々の印刷面(インク吸収材
層)に対して、カラーインクを使用したインクジェット
プリンターにて印刷を行ない、インクのにじみ、はじき
具合を目視にて評価した。その判断基準は、インクのは
じき、にじみがない場合を『非常に良好』、『良好』の
2段階の評価とし、インクのはじきがある場合を『イン
クのはじきあり』、『インクのにじみあり』とした。
【0094】カラーインクとしては、顔料、分散剤及び
溶媒からなる水性インク組成物であって、分散剤が親油
性部分と親水性部分とを有するアクリル酸のアルキルエ
ステルを主成分とする重合体であり、上記溶媒が水と不
揮発性の親水性有機溶剤との混合物であるものを用い
た。また、インクジェットプリンターとしては、武藤工
業(株)製RJ−1300を用いた。
【0095】〈インクの乾燥性〉上記インクジェットプ
リンターによる印刷から10分後に手で乾燥状態を評価
した。その判断基準は、乾燥していれば『乾燥してい
る』とし、乾燥していなければ『未乾燥』とした。
【0096】〈インクの濃度(印刷濃度)〉上記インク
ジェットプリンターによる印刷後、インクの濃度及び濃
度差を目視にて評価した。その判断基準は、インクの濃
度については『非常に高濃度』、『高濃度』、『低濃
度』の3段階評価とし、インクに濃度差がある場合には
『濃度差あり』とした。
【0097】〈インクの密着性〉上記インクジェットプ
リンターによる印刷から10分後に印写面にセロテープ
を貼り、指で10往復擦った後、セロテープを剥離した
ときにインクが積層フィルム側に残っているか否かを目
視にて評価した。その判断基準は、インクがフィルム側
に残っていれば『インク剥離なし』とし、インクがフィ
ルム側に残っていなければ『インク剥離あり』とした。
【0098】〈総合評価〉総合評価は、上記の6つの評
価項目の結果を総合して○×式で行った。
【0099】◎印は非常に良いことを、○印は◎印の次
に良いことを、×印は悪いことをそれぞれ示す。
【0100】なお、表3,4において、配合欄は溶剤が
乾燥によって除去された後の膜状態のインク吸収材層
(固形分)の組成を示す。例えば、実施例1の場合、樹
脂固形分30%の吸水性ウレタン樹脂100重量部に対
してシリカを36重量部添加している。従って、この吸
水ウレタン樹脂100重量部に含まれる固形樹脂量(溶
剤を除いた量)は30重量部である。この固形樹脂量を
100重量部としたときのシリカ量は、36重量部÷
0.3=120重量部、となる。よって、表2では実施
例1については吸水性ウレタン樹脂の量を100とし、
シリカ量を120としているものである。他の実施例及
び比較例も同様である。また。表中の厚み欄にはインク
吸収材層の厚みを記載している。ぬれ指数の欄の「54
以上」は、表面張力54dyn /cmの標準液を当該インク
吸収材層に塗布しても、液膜が収縮することなくぬれ状
態が保たれたため、さらに高い表面張力の液を塗布して
も充分に「ぬれる」ことが予測されたものである。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】(評価結果について) −シリカ、コラーゲン、架橋アクリル酸塩、炭酸カルシ
ウムを単独で用いた場合の各配合量の影響− 実施例1、比較例1及び比較例2は、吸水剤としてシリ
カのみを用いたものであり、かつ互いのシリカ量が異な
る。実施例1は良好な結果を示している。しかし、比較
例1は塗工面の表面状態やベース層との接着性は良好で
あるものの、ぬれ指数が小さく、インクのつき性、乾燥
性など印刷性能が良くない。これはシリカ量が少ないた
めである。比較例2は、逆に印刷性能は良好であるが、
塗工面の表面状態やベース層との接着性など積層フィル
ムの状態が悪く、インクの密着性も悪い。これは、シリ
カ量が過剰となってその分散性が悪くなっているためで
ある。なお、この場合のインクの剥離は、インク吸収材
層がインクと共にベース層から剥離したものである。
【0104】実施例2、比較例3及び比較例4は、吸水
剤としてコラーゲンのみを用いたものであり、かつ互い
のコラーゲン量が異なる。シリカの場合と同様に、実施
例2は良好な結果を示しているが、コラーゲン量が少な
すぎる比較例3は比較例1と同様に印刷性能が悪く、コ
ラーゲン量が多すぎる比較例4は比較例2と同様に積層
フィルムの状態が悪い。
【0105】架橋アクリル酸塩に関しても、実施例3、
比較例5及び比較例6の比較から明らかなように、その
配合量が少なすぎると印刷性能が悪くなり、その配合量
が多すぎると、積層フィルムの状態が悪くなる。
【0106】炭酸カルシウムに関しても、実施例4、比
較例7及び比較例8の比較から明らかなように、その配
合量が少なすぎると印刷性能が悪くなり、その配合量が
多すぎると、積層フィルムの状態が悪くなる。
【0107】−2種の吸水剤の組み合わせ− 実施例5は、シリカとコラーゲンとを合わせた量を30
0重量部とした例であり、良い結果を示している。これ
に対して、この両者合わせた量が600重量部の比較例
9は積層フィルムの状態が悪い。これは吸水剤の量が多
すぎるためである。実施例6は、シリカと架橋アクリル
酸塩とを合わせた量を200重量部とした例であり、良
い結果を示している。これに対して、この両者合わせた
量が650重量部の比較例10は積層フィルムの状態が
悪い。これは吸水剤の量が多すぎるためである。
【0108】実施例7は、シリカと炭酸カルシウムとを
合わせた量を270重量部とした例であり、良い結果を
示している。これに対して、この両吸水剤を合わせた量
が500重量部を越えると、具体的なデータの掲載は省
略するが、比較例9,10と同様の理由から積層フィル
ムの状態が悪くなる。
【0109】実施例8はコラーゲンと架橋アクリル酸塩
とを合わせた量を130重量部とした例、実施例9は同
量を400重量部とした例、実施例10はコラーゲンと
炭酸カルシウムとを合わせた量を200重量部とした
例、実施例11は架橋アクリル酸塩と炭酸カルシウムと
を合わせた量を400重量部とした例であり、いずれも
良い結果を示している。これに対して、シリカと炭酸カ
ルシウムとを合わせた量を20重量部とした比較例11
は吸水剤量が少なく印刷性能が悪くなっている。また、
シリカと炭酸カルシウムとを合わせた量を600重量部
とした比較例12、コラーゲンと炭酸カルシウムとを合
わせた量を600重量部とした比較例13、コラーゲン
と架橋アクリル酸塩とを合わせた量を650重量部とし
た比較例14、架橋アクリル酸塩と炭酸カルシウムとを
合わせた量を650重量部とした比較例15は、いずれ
も吸水剤量が多く、積層フィルムの状態が悪くなってい
る。
【0110】−3種の吸水剤の組み合わせ− 実施例12〜16は、シリカ、コラーゲン、架橋アクリ
ル酸塩、及び炭酸カルシウムのうちから選択した3種の
吸水剤を組み合わせた例であり、いずれも良い結果を示
している。これら3種の吸水剤の組み合わせにおいて
も、それらの総量が500重量部を越えると積層フィル
ムの状態が悪くなることは、先の2種の吸水剤の組み合
わせに関する比較例9〜15と同様である。
【0111】−4種の吸水剤の組み合わせ− 実施例17は、シリカ、コラーゲン、架橋アクリル酸
塩、及び炭酸カルシウムの4種の吸水剤を組み合わせた
例であり、良い結果を示している。これら4種の吸水剤
の組み合わせにおいても、それらの総量が500重量部
を越えると積層フィルムの状態が悪くなることは、先の
2種の吸水剤の組み合わせに関する比較例9〜15と同
様である。
【0112】また、上記2種の吸水剤の組み合わせ、3
種の吸水剤の組み合わせ、さらには4種の吸水剤の組み
合わせにおいても、それらの総量が30重量部に満たな
い場合には、比較例1,3,5,7,11と同様に期待
する印刷性能の得られなくなる。
【0113】−インク吸水材層の厚みについて− 実施例1〜17は種々の厚みで性能評価を行なっている
が、実施例14のように10μmの厚みでも何の不具合
もなく、また、厚みが40μを越えることによって何ら
かの不具合が出るという徴候も認められなかった。
【0114】−ぬれ指数等の物性と性能との関係− 実施例及び比較例の物性欄をみると、吸水剤の種類及び
量によってぬれ指数、透湿度及び接触角が左右されるこ
とがわかる。比較例1,3,5,7のように吸水剤量が
少ない場合には、ぬれ指数及び透湿度が共に小さくな
り、接触角が大きくなっている。また、他の比較例のよ
うに吸水剤量が多くなると、ぬれ指数及び透湿度が共に
大きくなり、接触角が小さくなっている。
【0115】具体的にみると、接触角が50度を越える
と、比較例5のようにぬれ指数が41(以下ではぬれ指
数及び透湿度については各々の単位の記載を省略す
る。)、透湿度が1200であって、これらが比較的大
きい場合でも、印刷性能の評価は良くない。比較例5
は、水性インクのつきが悪く、乾燥性もよくないため、
印刷濃度が低くなり、また、インクの密着も不充分にな
っている。これに対して、接触角が50度以下になる
と、概ね良好な結果が得られている。
【0116】接触角が40度以下になると、特に30度
以下になると、水性インクのつき性及び乾燥性について
は非常に良い結果を示すものが多くなってきている。但
し、接触角を小さくするには、シリカ等の吸水剤の量を
多く使用する必要があり、その分散性が悪くなるため、
塗工不良を招き易くなるとともに、インク吸収材層とベ
ース層との接着性も悪くなり、インクの剥離を生じ易く
なる。この場合のインクの剥離は、インクがインク吸収
材層と共にベース層から剥離する現象である。従って、
接触角については10度以上とする方が好適である、と
いうことができる。
【0117】一方、接触角が50度以下であっても、比
較例1のようにぬれ指数が40未満であれば、水性イン
クのつきが悪くなる。なお、この比較例1の場合はイン
クの乾燥もあまり良いものではなかった。これに対し
て、ぬれ指数が40以上になると、接触角が40〜50
度というように比較的大きい場合でも水性インクのつき
に関しては良い結果を示している(実施例4,8,14
参照)。
【0118】また、透湿度が小さい場合には、水性イン
クの乾燥性が悪くなり、インクの剥離を生じ易くなる傾
向がある。透湿度については800以上が好適である。
【0119】上記分散性の問題は透湿度との関係でも同
様に言えることである。すなわち、透湿度が高くなるほ
ど、水性インクの乾燥性は良くなるが、そのためには上
記吸水助剤を多量に使用する必要があり、その分散不良
を招く。従って、透湿度についても、その値が例えば2
0000以上になるように、さらに言えば10000以
上の値になるようにインク吸収材を調製することにはそ
れほど意味がない、ということができる。
【0120】(実施例18)実施例1のプリント品のプ
リント面に、透明粘着剤を積層したポリ塩化ビニル製ク
リヤーフィルムをラミネーター機(LAMINA140
0,販売元;有限会社フラップ)にてラミネートした。
次に剥離紙を剥離してアルミニウム製基板に貼り付ける
ことによって、看板を作製した。その構造は図9に示す
プリント品9に相当する。
【0121】この看板に対してサンシャインウェザーメ
ーターにて1000時間の照射を行なった。そして、こ
の供試品と当該照射を行なっていないブランク品との外
観を目視にて比較した結果、供試品に著しい変色・退色
・劣化は認められなかった。
【0122】(実施例19)ポリエステル100%の布
に実施例1と同様のインク吸収材を塗工し乾燥すること
によって、厚さ20μmのインク吸収材層を形成した。
そして、インクジェットプリンター(JV−1300,
株式会社ミマキエンジニアリング製)にてカラープリン
トを行なった。次にそのプリント面に透明粘着剤を積層
したポリ塩化ビニル製クリヤーフィルムをラミネーター
機(LAMINA1400,販売元;有限会社フラッ
プ)にてラミネートすることによって、懸垂幕を得た。
その構造は図5に示すプリント品5に相当する。
【0123】この懸垂幕に対してサンシャインウェザー
メーターにて1000時間の照射を行なった。そして、
この供試品と当該照射を行なっていないブランク品との
外観を目視にて比較した結果、供試品に著しい変色・退
色・劣化は認められなかった。
【0124】(実施例20)ポリエステル100%の布
に実施例2と同様のインク吸収材を塗工し乾燥すること
によって、厚さ20μmのインク吸収材層を形成した。
そして、インクジェットプリンター(JV−1300,
株式会社ミマキエンジニアリング製)にてカラープリン
トを行なった。次にそのプリント面に透明粘着剤を積層
したポリ塩化ビニル製クリヤーフィルムをラミネーター
機(LAMINA1400,販売元;有限会社フラッ
プ)にてラミネートすることによって、ロールスクリー
ンを得た。その構造は図5に示すプリント品5に相当す
る。
【0125】このロールスクリーンに対してサンシャイ
ンウェザーメーターにて1000時間の照射を行なっ
た。そして、この供試品と当該照射を行なっていないブ
ランク品との外観を目視にて比較した結果、供試品に著
しい変色・退色・劣化は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のプリント品の断面図。
【図2】本発明の実施形態2のプリント品の断面図。
【図3】本発明の実施形態3のプリント品の断面図。
【図4】本発明の実施形態4のプリント品の断面図。
【図5】本発明の実施形態5のプリント品の断面図。
【図6】本発明の実施形態6のプリント品の断面図。
【図7】本発明の実施形態7のプリント品の断面図。
【図8】本発明の実施形態8のプリント品の断面図。
【図9】本発明の実施形態9のプリント品の断面図。
【符号の説明】
1〜9 プリント品 11 ベース層 12 インク吸収材層 13 インク層 14 プライマー層 15 粘着剤層 16 剥離紙 17 透明樹脂層 18 透明粘着剤層 19 基板

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 看板等にされる板状のインクジェットプ
    リント品であって、 フィルム状のベースの表面に形成されインクジェットプ
    リンターによってフルカラープリントがされたインク吸
    収材層と、 上記インク吸収材層のプリント面に粘着剤層を介して積
    層された透明樹脂層と、 上記ベースの裏面に透明粘着剤層を介して設けられ該ベ
    ースを支持する基板とを備えていることを特徴とするイ
    ンクジェットプリント品。
  2. 【請求項2】 看板等にされる板状インクジェットプリ
    ント品であって、 フィルム状のベースの表面に形成されインクジェットプ
    リンターによってフルカラープリントがされたインク吸
    収材層と、 上記ベースの裏面に粘着剤層を介して設けられ該ベース
    を支持する基板とを備えていることを特徴とするインク
    ジェットプリント品。
  3. 【請求項3】 垂れ幕等にされるフィルム状のインクジ
    ェットプリント品であって、 フィルム状のベースの表面に形成されインクジェットプ
    リンターによってフルカラープリントがされたインク吸
    収材層と、 上記インク吸収材層のプリント面に透明粘着剤層を介し
    て積層された透明樹脂層と、 上記ベースの裏面に設けられた粘着剤層とを備えている
    ことを特徴とするインクジェットプリント品。
  4. 【請求項4】 垂れ幕等にされるフィルム状のインクジ
    ェットプリント品であって、 フィルム状のベースの表面に形成されインクジェットプ
    リンターによってフルカラープリントがされたインク吸
    収材層と、 上記インク吸収材層のプリント面に積層された透明樹脂
    層とを備えていることを特徴とするインクジェットプリ
    ント品。
  5. 【請求項5】 垂れ幕等にされるフィルム状のインクジ
    ェットプリント品であって、 フィルム状のベースの表面にインク吸収材層が形成さ
    れ、該インク吸収材層にインクジェットプリンターによ
    ってフルカラープリントがされていることを特徴とする
    インクジェットプリント品。
  6. 【請求項6】 看板等にされる板状のインクジェットプ
    リント品であって、 フィルム状のベースの表面に形成されインクジェットプ
    リンターによってフルカラープリントがされたインク吸
    収材層と、 上記インク吸収材層のプリント面に積層された透明樹脂
    層と、 上記ベースの裏面に粘着剤層を介して設けられ該ベース
    を支持する基板とを備えていることを特徴とするインク
    ジェットプリント品。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一に記
    載されているインクジェットプリント品において、 上記インク吸収材層が、ポリエチレンオキサイドを含有
    するポリエーテルポリオールにより変性されたポリウレ
    タン樹脂に吸水剤が配合されているインク吸収材によっ
    て形成されていることを特徴とするインクジェットプリ
    ント品。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載されているインクジェッ
    トプリント品において、 上記ポリエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポ
    リオールにより変性されたポリウレタン樹脂100重量
    部に対して、上記吸水剤としてシリカが30〜500重
    量部配合されていることを特徴とするインクジェットプ
    リント品。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載されているインクジェッ
    トプリント品において、 上記ポリエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポ
    リオールにより変性されたポリウレタン樹脂100重量
    部に対して、上記吸水剤としてコラーゲンが30〜50
    0重量部配合されていることを特徴とするインクジェッ
    トプリント品。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載されているインクジェ
    ットプリント品において、 上記ポリエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポ
    リオールにより変性されたポリウレタン樹脂100重量
    部に対して、上記吸水剤として架橋アクリル酸塩が30
    〜500重量部配合されていることを特徴とするインク
    ジェットプリント品。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載されているインクジェ
    ットプリント品において、 上記ポリエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポ
    リオールにより変性されたポリウレタン樹脂100重量
    部に対して、上記吸水剤として炭酸カルシウムが30〜
    500重量部配合されていることを特徴とするインクジ
    ェットプリント品。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載されているインクジェ
    ットプリント品において、 上記ポリエチレンオキサイドを含有するポリエーテルポ
    リオールにより変性されたポリウレタン樹脂100重量
    部に対して、上記吸水剤として、シリカ、コラーゲン、
    架橋アクリル酸塩及び炭酸カルシウムのうちから選択さ
    れた2種以上が合計で30〜500重量部配合されてい
    ることを特徴とするインクジェットプリント品。
  13. 【請求項13】 請求項7乃至請求項12のいずれか一
    に記載されているインクジェットプリント品において、 上記インク吸収材層の厚みが5〜200μmであること
    を特徴とするインクジェットプリント品。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項13のいずれか一
    に記載されているインクジェットプリント品において、 上記ベースが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂等の熱可塑性樹
    脂フィルム、ポリエステル系布、綿布、ポリエステルと
    綿との混紡布、レーヨン布、又はターポリンであること
    を特徴とするインクジェットプリント品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012014096A (ja) * 2010-07-05 2012-01-19 Three M Innovative Properties Co 表示体用フィルム
JP2017090387A (ja) * 2015-11-16 2017-05-25 三菱瓦斯化学株式会社 バリア性樹脂の分散性を評価する方法
US20220154019A1 (en) * 2020-11-18 2022-05-19 International Imaging Materials, Inc. Digital textile printing inks having zero volatile organic compound solvents therein

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