JP2017090387A - バリア性樹脂の分散性を評価する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面において、樹脂組成物の種類に影響されることなくバリア性樹脂の分散性を評価する方法を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面におけるバリア性樹脂の分散性を評価する方法であって、(1)成形体の切断面のぬれ指数をJIS K6768に準拠して測定する工程、(2)前記ぬれ指数が40mN/mを超えるか判断する工程、及び(3)前記ぬれ指数が40mN/mを超える場合に、前記の成形体の切断面にヨードチンキを塗布してバリア性樹脂を染色する工程を有し、この順で行う、バリア性樹脂の分散性を評価する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体におけるバリア性樹脂の分散性を評価する方法に関する。
炭化水素類や各種薬品を保存するための容器としては、薬品瓶、自動車や小型エンジンの燃料タンク等が挙げられる。その素材として従来利用されていた金属やガラスは、その多くがプラスチックへ代替されつつある。プラスチックは金属やガラスと比較して、軽量、防錆処理が不要、割れにくい、形状の自由度が高い等の特長がある。
上述の用途の多くは高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」と略する場合がある)等のポリオレフィンを利用したものであり、機械強度、成形加工性及び経済性に優れるものの、容器内部に保存される物品が容器壁を通して大気中に飛散しやすいという欠点がある。
そこで、HDPE等のポリオレフィンからなる容器においてバリア性能を高めるための方法として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」と略する場合がある)やナイロン6、ナイロン66等のポリアミドをバリア性樹脂として用い、このバリア性樹脂を接着性樹脂と共にポリオレフィンとブレンドし、その組成物から単層容器を製造する方法が知られている(例えば特許文献1及び2を参照)。また、上記単層容器において、ナイロン6,66よりもバリア性に優れるポリメタキシリレンアジパミド(以下、「N−MXD6」と略する場合がある)をバリア性樹脂として使用する方法も開示されている(例えば特許文献3及び4を参照)。上記単層容器におけるガスバリア性は、容器を構成する樹脂組成物中にバリア性樹脂が層状に分散することで発揮される。
特開昭55−121017号公報 特開昭58−209562号公報 特開2005−206806号公報 特開2007−177208号公報
成形体を構成する樹脂組成物中のバリア性樹脂の分散性を評価する方法としては、成形体を切断し、その切断面にヨードチンキを塗布してバリア性樹脂を染色し、染色されたバリア性樹脂の分散状況を顕微鏡にて観察することが一般的である。しかしながら、成形体を構成する樹脂組成物の種類によっては、ヨードチンキによる染色が困難な場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面において、樹脂組成物の種類に影響されることなくバリア性樹脂の分散性を評価する方法を提供することにある。
本発明は、以下の<1>〜<6>に関する。
<1>熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面におけるバリア性樹脂の分散性を評価する方法であって、
(1)成形体の切断面のぬれ指数をJIS K6768に準拠して測定する工程、
(2)前記ぬれ指数が40mN/mを超えるか判断する工程、及び
(3)前記ぬれ指数が40mN/mを超える場合に、前記の成形体の切断面にヨードチンキを塗布してバリア性樹脂を染色する工程
を有し、この順で行う、バリア性樹脂の分散性を評価する方法。
<2>(4)前記ぬれ指数が40mN/m以下である場合に、前記の成形体の切断面に表面改質処理を施す工程
を更に有し、ぬれ指数が40mN/mを超えると判断されるまで前記工程(4)、(1)及び(2)を繰り返す、上記<1>に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
<3>前記表面改質処理がフレーム処理である、上記<2>に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
<4>前記成形体が、ポリオレフィン(A)40〜90質量%、酸変性ポリオレフィン(B)3〜30質量%、及びバリア性樹脂(C)3〜30質量%を含む樹脂組成物から構成される中空容器である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
<5>前記バリア性樹脂(C)がポリアミドであって、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位、並びに炭素数6〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位及びイソフタル酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位を含有し、かつ、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位とのモル比率(α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位/イソフタル酸単位)が30/70〜100/0であるポリアミドである、上記<4>に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
<6>前記バリア性樹脂(C)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、セバシン酸を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含有するポリアミド樹脂である、上記<5>に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
本発明の方法によれば、熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面において、樹脂組成物の種類に影響されることなくバリア性樹脂の分散性を評価することができる。
本発明の実施の形態に係るバリア性樹脂の分散性を評価する方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本発明者らは、成形体の切断面にヨードチンキを塗布してもバリア性樹脂の染色が困難な場合がある理由を追求した結果、成形体の切断面のぬれ指数が40mN/mを超えるときにバリア性樹脂の染色が可能であることを見出した。
したがって、本発明の方法は、熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面におけるバリア性樹脂の分散性を評価する方法であって、以下の工程(1)〜(3)を有し、この順で行う方法である。
(1)成形体の切断面のぬれ指数をJIS K6768に準拠して測定する工程
(2)前記ぬれ指数が40mN/mを超えるか判断する工程
(3)前記ぬれ指数が40mN/mを超える場合に、前記の成形体の切断面にヨードチンキを塗布してバリア性樹脂を染色する工程
(ぬれ指数)
ぬれ指数とは、表面の親水性度合を示す値であり、数値が大きいほど親水性が高いことを示す。本発明において、ぬれ指数の測定はJIS K6768に準拠して行われる。具体的には、本発明におけるぬれ指数は、以下の方法で測定された値である。試験用混合液として、22.6〜73.0mN/mの段階的な表面張力を有する一連のぬれ張力試験用混合液(和光純薬工業株式会社製)を使用する。
表面張力の最も高い試験用混合液を綿棒に湿らせ、成形体の切断面に塗布する。塗布2秒後の試験用混合液の液膜の状態を観察する。塗布した液膜が破れた場合には、一段階低い表面張力を有する試験用混合液を用いて同様の試験を行う。この操作を、塗布した液膜が破れなくなるまで繰り返す。塗布した液膜が破れることなく塗布状態を保っているときに用いた試験用混合液の表面張力の値をぬれ指数とする。
本発明の方法では、成形体の切断面のぬれ指数を測定し(工程(1))、ぬれ指数が40mN/mを超えるか判断し(工程(2))、ぬれ指数が40mN/mを超える場合に、成形体の切断面にヨードチンキを塗布してバリア性樹脂を染色する(工程(3))。染色されたバリア性樹脂の分散状況を顕微鏡にて観察することで、バリア性樹脂の分散性を評価することができる。顕微鏡としては特に限定されず、例えば、実体顕微鏡等の光学顕微鏡を使用することができ、透過型電子顕微鏡(TEM)及び走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡を使用することもできる。
(表面改質処理)
また、本発明の方法は、以下の工程(4)を更に有することが好ましい。
(4)前記ぬれ指数が40mN/m以下である場合に、前記の成形体の切断面に表面改質処理を施す工程
ぬれ指数が40mN/m以下である場合に、成形体の切断面に表面改質処理を施すことで、切断面のぬれ性を向上させることができ、ひいてはぬれ指数の値を高くすることができる。
表面改質処理としては公知の方法を適用することができ、その具体例としては、コロナ放電処理、フレーム処理、紫外線照射処理等が挙げられる。装置のコストの観点及び処理の簡便性の観点から、フレーム処理が好ましい。
本発明におけるフレーム処理としては、具体的には、小型ガスバーナーを用いて、成形体から15〜20cm程度離れた距離から、成形体の切断面に5〜10秒間火炎を放射することが行われる。
ぬれ指数が40mN/mを超えると判断されるまで工程(4)、(1)及び(2)を繰り返すことが好ましい。ぬれ指数が40mN/mを超えると判断されたときに工程(3)に移行して、成形体の切断面にヨードチンキを塗布してバリア性樹脂を染色する。その後、染色されたバリア性樹脂の分散状況を顕微鏡にて観察することで、バリア性樹脂の分散性を評価する。
(成形体)
本発明の方法が適用される成形体は、熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物から構成されるものである。成形体を構成する樹脂組成物中においてバリア性樹脂が層状に分散していることが望ましい。熱可塑性樹脂としては、具体的にはポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び植物由来樹脂を挙げることができ、これら樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、ポリオレフィンがより好ましい。また、成形体は、ポリオレフィン(A)40〜90質量%、酸変性ポリオレフィン(B)3〜30質量%、及びバリア性樹脂(C)3〜30質量%を含む樹脂組成物から構成される中空容器であることが好ましい。
以下、樹脂組成物に含有されるこれら各成分について詳細に説明する。
<ポリオレフィン(A)>
ポリオレフィン(A)は、成形体を構成する主要材料である。ポリオレフィン(A)としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等に代表されるポリエチレン、プロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレンブロックコポリマー、エチレン−プロピレンランダムコポリマー等に代表されるポリプロピレン、1−ポリブテン、1−ポリメチルペンテン等の炭素数2以上のエチレン系炭化水素の単独重合体、炭素数3〜20のα−オレフィンの単独重合体、炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体、炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンの共重合体等が例示される。
ポリオレフィンの溶融粘度及び分子量の指標となるものとしては、メルトフローレート(MFR)が代表的なものである。本発明で使用されるポリオレフィン(A)は、例えばMFRが0.01〜10(g/10分)である。ポリオレフィン(A)のMFRは、容器の製造法に応じて最適な範囲が異なる。
例えば、成形体がダイレクトブロー法により製造される中空容器である場合、MFRは、好ましくは0.01〜1(g/10分)、より好ましくは0.02〜0.9(g/10分)、更に好ましくは0.05〜0.9(g/10分)である。また、成形体がTダイ法により製造されるシートである場合、MFRは、好ましくは0.01〜10(g/10分)、より好ましくは0.5〜5(g/10分)、更に好ましくは1〜3(g/10分)である。
成形体がダイレクトブロー法により製造される中空容器である場合、ポリオレフィン(A)のMFRを1(g/10分)以下とすることで、成形加工時のドローダウン等の発生を抑制することができ、容器の厚み精度が優れたものとなる。また、ポリオレフィン(A)のMFRが0.01(g/10分)以上であれば、溶融粘度が成形に適した粘度となるうえに、得られる容器を構成する樹脂組成物中でバリア性樹脂(C)の分散状態が良好となり、その結果、バリア性能に優れた容器とすることが可能である。
なお、ポリオレフィン(A)及び後述する酸変性ポリオレフィン(B)のMFRは、JIS K7210に準拠して測定した値であり、ポリエチレンの場合は190℃、2.16kgfの条件で、ポリプロピレンの場合は230℃、2.16kgfの条件で測定したものである。
ポリオレフィン(A)は、特に限定されないが、例えばその融点(ATm)は100〜180℃となるものであり、好ましくは125〜170℃程度となるものである。
ポリオレフィン(A)は、好ましくは上述のうちのポリエチレンやポリプロピレンであり、更に好ましくは高密度ポリエチレン(HDPE)が使用される
高密度ポリエチレンは、密度が0.942g/cm以上のポリエチレンであり、その密度は、好ましくは0.97g/cm以下、より好ましくは0.945〜0.96g/cmである。ポリエチレンは、密度が高くなることで結晶性が十分なものとなり、容器に収納される内容物の種類によらず、その内容物を保存することが可能となる。また密度が0.97g/cm以下であれば、ポリエチレン(A)がガラスのように脆くなることはなく、容器として実用的な強度を発揮することができる。
これらのポリオレフィンは、容器を構成するポリオレフィン(A)として単独で用いることもできるし、2種類以上の混合物として使用することもできるが、高密度ポリエチレン単体であることが最も好ましい。
<酸変性ポリオレフィン(B)>
酸変性ポリオレフィン(B)は、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性したもので、一般に接着性樹脂として用いられているものである。ポリオレフィンは、上記したポリオレフィン(A)で列挙したものと同様のものが使用され、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンが使用され、より好ましくはポリエチレンが使用される。また、酸変性ポリオレフィン(B)は、使用されるポリオレフィン(A)と同種のポリオレフィンを変性したものが好ましい。すなわち、ポリオレフィン(A)がポリエチレンならば、酸変性ポリオレフィン(B)は、ポリエチレンを変性したものが好ましく、ポリオレフィン(A)がポリプロピレンならば酸変性ポリオレフィン(B)としてはポリプロピレンを変性したものが使用される。
不飽和カルボン酸又はその無水物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、クロロマレイン酸、ブテニルコハク酸、及びこれらの酸無水物が挙げられる。中でも、マレイン酸及び無水マレイン酸が好ましく用いられる。上記不飽和カルボン酸又はその無水物をポリオレフィンにグラフト共重合して酸変性ポリオレフィンを得る方法としては、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、ポリオレフィンを押出機等で溶融させ、グラフトモノマーを添加して共重合させる方法、あるいはポリオレフィンを溶媒に溶解させてグラフトモノマーを添加して共重合させる方法、ポリオレフィンを水懸濁液とした後グラフトモノマーを添加して共重合させる方法等を挙げることができる。
酸変性ポリオレフィン(B)は、ポリオレフィン(A)と該ポリオレフィン(A)中に分散したバリア性樹脂(C)とを接着させて成形体としての強度を保つようにするものである。そして、成形体を構成する樹脂組成物中では、酸変性ポリオレフィン(B)の酸変性された置換基は、バリア性樹脂(C)と化学結合状態をとると考えられる。その結果、バリア性樹脂(C)が酸変性ポリオレフィン(B)の近傍に存在することとなり、酸変性率の違いによって接着力が変わることになる。
酸変性ポリオレフィン(B)の酸変性率の指標となるものとしては酸価が挙げられ、本発明における酸価は、JIS K0070に記載の方法に準拠して測定される。本発明において、酸変性ポリオレフィン(B)の酸価は、好ましくは2〜30mg/g、より好ましくは2〜25mg/g、更に好ましくは3〜20mg/gである。
酸変性ポリオレフィン(B)の酸価が2mg/g以上となると、樹脂組成物中のポリオレフィン(A)とバリア性樹脂(C)との接着性が良好となり、両者の接着界面に空隙等が生じにくくなる。そのため、得られる成形体のバリア性能、機械的強度が良好になりやすく、成形体が中空容器の場合には落下させた際の容器割れが発生しにくくなる。
また、酸変性ポリオレフィン(B)の酸価が30mg/g以下となることで、酸変性ポリオレフィン(B)およびバリア性樹脂(C)が局在化しにくくなり、ダイレクトブロー法により成形される容器の場合、内面に凹凸が生じたり、厚みムラが生じたりすることが防止され、バリア性能や機械的強度が良好になりやすい。
また、バリア性樹脂(C)は一般的に比較的硬い材料であるため、成形体に衝撃等が加わると界面でクラックや剥離が起きやすくなり、成形体の強度やバリア性能を損なうおそれがある。そのため、酸変性ポリオレフィン(B)としては、密度が比較的低く、比較的柔らかい性質を有するものを利用することで、バリア性樹脂(C)に起因する衝撃強度低下を緩和し、構造体の実用的な強度を保つ上で有効である。
このような観点から、酸変性ポリオレフィン(B)の密度は、好ましくは0.89〜0.97g/cm、より好ましくは0.90〜0.965g/cm、特に好ましくは0.91〜0.93g/cmである。酸変性ポリオレフィン(B)の密度が0.89g/cm以上であれば、ポリオレフィン(A)との相溶性が良好なものとなり、さらにバリア性樹脂(C)との接着性が向上して容器の強度やバリア性能が優れたものとなる。また、酸変性ポリオレフィン(B)の密度が0.97g/cm以下であれば、酸変性ポリオレフィン(B)が適度な柔らかさを有するため、容器に衝撃等が加わった場合でも、強度やバリア性能の低下を招くことを抑制できる。
また、酸変性ポリオレフィン(B)のMFRは、成形加工安定性、成形体の強度保持の観点から、溶融粘度が高めのものを用いることが好ましく、JIS K7210に記載の方法に準拠して測定される値として、好ましくは0.1〜10(g/10分)、より好ましくは0.1〜8(g/10分)、さらに好ましくは0.2〜3(g/10分)である。
酸変性ポリオレフィン(B)は、特に限定されないが、例えばその融点(BTm)は110〜180℃となるものであり、好ましくは115〜170℃程度となるものである。
<バリア性樹脂(C)>
バリア性樹脂(C)は、ポリオレフィン(A)よりもバリア性に優れる樹脂であり、具体的には、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂やポリアミドが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばメタキシリレン基含有ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられる。これらの中では、メタキシリレン基含有ポリアミド、ナイロン6、ナイロン666等が好ましく、バリア性能を向上させやすい観点等から、メタキシリレン基含有ポリアミドが特に好ましい。
メタキシリレン基含有ポリアミドは、ジアミン単位及びジカルボン酸単位を含み、そのジアミン単位がメタキシリレンジアミンに由来する単位(メタキシリレンジアミン単位)を有するものである。メタキシリレン基含有ポリアミドを構成するジアミン単位は、ガスバリア性の観点から、メタキシリレンジアミン単位を好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上含む。
メタキシリレン基含有ポリアミドにおいて、メタキシリレンジアミン単位以外のジアミン単位を構成しうる化合物としては、パラキシリレンジアミン等の芳香環を有するジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環式構造を有するジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ポリオキシアルキレンアミン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族ジアミンが例示できるが、これらに限定されるものではない。
メタキシリレン基含有ポリアミドを構成するジカルボン酸単位は、結晶性の観点から、α,ω−脂肪族ジカルボン酸単位を好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上含む。
α,ω−脂肪族ジカルボン酸単位を構成する化合物としてはスベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等が挙げられるが、ガスバリア性及び結晶性の観点から、アジピン酸やセバシン酸が好ましく用いられる。
α,ω−脂肪族ジカルボン酸単位以外のジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸や1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、キシリレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、イソフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸は、メタキシリレン基含有ポリアミドの製造時における重縮合反応を阻害することなく、ガスバリア性能に優れるポリアミドを容易に得ることができるので好ましい。メタキシリレン基含有ポリアミドがイソフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位を有する場合、樹脂組成物中のメタキシリレン基含有ポリアミドの分散性及び成形体のガスバリア性能の観点から、イソフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位の含有量は、全ジカルボン酸単位の好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは15モル%以下である。
本発明においては、バリア性樹脂(C)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪酸ジカルボン酸単位及びイソフタル酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位を含有し、かつ、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位とのモル比率(α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位/イソフタル酸単位)が30/70〜100/0であるポリアミドであることが好ましい。上記のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位とのモル比率は、50/50〜100/0であることがより好ましく、70/30〜100/0であることが更に好ましく、90/10〜100/0であることが特に好ましい。
本発明の方法は、バリア性樹脂(C)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、セバシン酸を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含有するポリアミド樹脂である場合、特に有用である。これまでの知見によれば、バリア性樹脂がセバシン酸単位を含有する場合に、熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面にヨードチンキを塗布してもバリア性樹脂の染色が困難であった。これに対し、本発明によれば、バリア性樹脂がセバシン酸単位を含有する場合であってもバリア性樹脂の染色が可能であり、バリア性樹脂の分散性を評価することができる。
また前記のジアミン単位及びジカルボン酸単位以外にも、メタキシリレン基含有ポリアミドを構成する共重合体単位として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類、p−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等の化合物を共重合単位として使用できる。メタキシリレン基含有ポリアミド中におけるこれら共重合体単位の比率は、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは15モル%以下である。
メタキシリレン基含有ポリアミドは溶融重縮合法(溶融重合法)により製造されることが好ましい。例えばジアミンとジカルボン酸とからなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミンを溶融状態のジカルボン酸に直接加えて、重縮合する方法によっても製造できる。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミンをジカルボン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
メタキシリレン基含有ポリアミドの重縮合系内にはアミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物を添加してもよい。
リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸エチル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられる。これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩がアミド化反応を促進する効果が高く、かつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましいが、本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
メタキシリレン基含有ポリアミドの重縮合系内に添加するリン原子含有化合物の添加量は、重縮合中のメタキシリレン基含有ポリアミドの着色を防止する観点から、メタキシリレン基含有ポリアミド中のリン原子濃度換算で好ましくは1〜500ppm、より好ましくは5〜450ppm、さらに好ましくは10〜400ppmである。
メタキシリレン基含有ポリアミドの重縮合系内には、リン原子含有化合物と併用してアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を添加することが好ましい。重縮合中のメタキシリレン基含有ポリアミドの着色を防止するためにはリン原子含有化合物を十分な量存在させる必要があるが、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を共存させることが好ましい。
例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属の水酸化物や、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属の酢酸塩等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。
メタキシリレン基含有ポリアミドの重縮合系内にアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を添加する場合、該化合物のモル数をリン原子含有化合物のモル数で除した値が、好ましくは0.5〜2.0、より好ましくは0.6〜1.8、さらに好ましくは0.7〜1.5である。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の添加量を上述の範囲とすることでリン原子含有化合物によるアミド化反応促進効果を得つつゲルの生成を抑制することが可能となる。
溶融重縮合で得られたメタキシリレン基含有ポリアミドは一旦取り出され、ペレット化される。得られたペレットは、乾燥したり、更に重合度を高めるために固相重合したりしてもよい。乾燥乃至固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置及びナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミドの固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回転ドラム式の加熱装置が、系内を密閉化でき、かつ着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
本発明で使用されるメタキシリレン基含有ポリアミドの水分率は、好ましくは0.001〜0.5%であり、より好ましくは0.005〜0.4%、さらに好ましくは0.01〜0.3%である。メタキシリレン基含有ポリアミドの水分率が0.5%以下とすることで、成形時に水分が気化して成形体中に気泡が発生したりすることが防止される。一方で、水分率が低くなるにつれて、軟化状態における粘度が高くなり、層状分散状態を維持しやすくなるが、0.001%以上とすることで、メタキシリレン基含有ポリアミド製造時の乾燥時間を短くして着色や熱劣化を防止できる。
メタキシリレン基含有ポリアミドの重合度の指標としてはいくつかあるが、相対粘度が一般的に使われるものである。本発明に用いられるメタキシリレン基含有ポリアミドの相対粘度は1.5〜4.5であり、好ましくは2.0〜4.2、より好ましくは2.5〜4.0である。メタキシリレン基含有ポリアミドは相対粘度が高くなるにつれてポリオレフィン(A)と相溶化しにくくなり、層状分散状態を形成しやすくなる。しかし、メタキシリレン基含有ポリアミドの相対粘度を高くしようとすると重合時間が長くなり、製造コストが増大する。メタキシリレン基含有ポリアミドの相対粘度を上述の範囲に設定することで良好な層状分散状態を形成させることができ、かつ製造コストを低く抑えることができる。
なお、ここで言う相対粘度は、ポリアミド0.2gを96%硫酸20mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t
メタキシリレン基含有ポリアミドの重合度の上記以外の指標として、溶融粘度が使われている。一般的に相対粘度と溶融粘度には相関関係があるが、メタキシリレン基含有ポリアミドが水分を多く含む場合、溶融時に加水分解が進行して溶融粘度が低下することがある。本発明に用いられるメタキシリレン基含有ポリアミドの溶融粘度は、水分率0.001〜0.5%の範囲においては、好ましくは100〜2000Pa・sであり、より好ましくは150〜1900Pa・s、さらに好ましくは200〜1800Pa・sである。
なお、ここで言う溶融粘度は、キャピラリーレオメーターにて、メタキシリレン基含有ポリアミドを260℃設定のバレル内で溶融させた後、直径1mm、長さ10mmのキャピラリーを剪断速度100sec−1で通過させた際の値である。
本発明で使用されるバリア性樹脂(C)は、その融点(CTm)が、通常、150〜250℃となるものであるが、好ましくは190〜245℃となるものである。
また、バリア性樹脂は、その融点(CTm)がポリオレフィン(A)の融点(ATm)より高くなるものであり、その融点差(CTm−ATm)は、好ましくは20〜150℃、より好ましくは50〜120℃である。このように、成分(C)と成分(A)との融点差を大きくすることで、樹脂組成物中でバリア性樹脂(C)が層状分散しやすくなり、ガスバリア性が向上する。さらに、後述する製造方法によって適切に製造することが可能である。
同様に、バリア性樹脂(C)の融点(CTm)は、酸変性ポリオレフィン(B)の融点(BTm)より高くなるものであり、その融点差(CTm−BTm)は、好ましくは20〜150℃、より好ましくは50〜120℃である。
また、メタキシリレン基含有ポリアミドは、容器の外観及びバリア性の観点から、GPCで測定される数平均分子量1000以下の成分が、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
<各材料の配合比率>
本発明に係る成形体を構成する各材料の配合比率は、樹脂組成物全量に対して、ポリオレフィン(A)が40〜90質量%、酸変性ポリオレフィン(B)が3〜30質量%、バリア性樹脂(C)が3〜30質量%である。好ましくはポリオレフィン(A)が50〜90質量%、酸変性ポリオレフィン(B)が3〜25質量%、バリア性樹脂(C)が3〜25質量%であり、より好ましくはポリオレフィン(A)が60〜90質量%、酸変性ポリオレフィン(B)が5〜20質量%、バリア性樹脂(C)が5〜20質量%である。ただし、(A)〜(C)の3成分の合計が100質量%を超えることはない。上述の範囲に各材料の配合比率を設定することによって、容器のバリア性能を効率的に高めることができ、かつ容器の強度低下を最小限にすることができる。本発明の容器は、ポリオレフィン(A)、酸変性ポリオレフィン(B)及びバリア性樹脂(C)の3成分からなることが好ましい。
<その他の成分>
樹脂組成物には、ポリオレフィン(A)、酸変性ポリオレフィン(B)、バリア性樹脂(C)の3成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、様々な材料を配合することができる。例えば、アイオノマー;エチレン−エチルアクリレート共重合体やエチレン−メチルアクリレート共重合体等の各種変性ポリエチレン;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート等の各種ポリエステル;スチレン−ブタジエン共重合体やその水添化物;各種熱可塑性エラストマー等を加えてもよい。
また、酸化防止剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、滑剤、ゲル化防止剤等の添加剤、層状ケイ酸塩等のクレイやナノフィラー等の添加剤を加えてもよい。これら各添加剤は、(A)、(B)及び(C)成分の1つ以上に予め混合された状態で成形機に投入してもよい。
さらに、樹脂組成物は、成形体の製造工程において発生したパージくずやバリ、得られた成形体のうち不良品等になった樹脂固形物を粉砕した再使用樹脂を含んでいてもよい。なお再使用樹脂の混合率は、バリア性能の低下、成形体の強度低下、色調の悪化を最小限とするため、組成物中の含有量として、60質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは50質量%以下であり、更に好ましくは40質量%以下である。また、その下限値は特に限定されないが、1質量%以上であることが好ましい。使用するポリオレフィンの一部代替として再使用樹脂を混合すると成形体に占めるバリア性樹脂(C)の含有率が増加することがある。その際も、成形体の強度が大きく低下することを防止するために、上記した(A)、(B)及び(C)成分の配合比率となるように再使用樹脂の配合を行う。
<成形体>
本発明に係る成形体は、ダイヘッドの吐出口から押し出して成形できるものであれば限定されないが、中空成形体、シート成形体、又はシート成形体を熱成形により二次加工した熱成形体であることが好ましく、特に好ましくは中空容器である。成形体の平均厚みは特に限定されないが、成形体のバリア性や強度の観点からは、0.5mm以上とすることが好ましい。また、成形体の軽量化や低コスト化の観点からは、好ましくは5.0mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下であり、さらに好ましくは1.5mm以下である。なお、成形体が中空容器である場合、容器の平均厚みは、例えば容器を垂直方向に4分割に切断し、底部、コーナー部、側面部の厚みを10mm間隔で測定し、平均値を算出することで求めることができる。
また、バリア性樹脂(C)は、樹脂組成物中において、層状に分散しており、その分散したバリア性樹脂(C)は、一部連続して連続相を形成してもよい。層状に分散したバリア性樹脂(C)は、容器璧の厚さ方向において他の樹脂成分と交互に存在するような分散状態となることが好ましい。また、バリア性樹脂(C)は、容器壁の厚み中心よりも外側に多く配置されることが好ましい。
なお、本発明の容器は、上記成分(A)〜(C)を含む樹脂組成物から形成された層のみからなる単層構造であることが好ましいが、上記成分(A)〜(C)を含む樹脂組成物から形成された層にそれ以外の層を1つ以上組み合わせてなる多層構造であってもよい。
<成形体の製造方法>
本発明に係る成形体は、上記の樹脂組成物から成形機を用いて製造することができる。成形機は、単軸押出機と、ダイヘッドと、単軸押出機から樹脂組成物をダイヘッドに送る連通部とを備えるものが好ましい。ダイヘッドは、Tダイ、ストレートダイ、クロスヘッドダイのいずれから構成されてもよいが、クロスヘッドダイから構成されることが好ましい。成形体の製造方法は特に限定されず、ダイレクトブロー法、Tダイ法等の公知の方法を採用できるが、ダイレクトブロー法が好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例等における各種評価は下記の方法により行った。
(1)ポリオレフィン(A)及び酸変性ポリオレフィン(B)のMFR(g/10分)
メルトインデクサー(株式会社東洋精機製作所製)を使用し、JIS K7210に準拠して、190℃、2.16kgfの条件にて測定を行った。
(2)ポリオレフィン(A)及び酸変性ポリオレフィン(B)の密度(g/cm
押出機、Tダイ、冷却ロール、引き取り機等からなるシート成形装置を用い、厚さが約1mmの単層シートを成形した。次いでシートから縦50mm×横50mmの試験片を切削して真比重計により真比重を求めた。
(3)バリア性樹脂(C)(ポリアミド)の相対粘度
ポリアミド0.2gを精秤し、96%硫酸20mLに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを取り、25℃の恒温層中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また同様の条件で96%硫酸そのものの落下時間(t)を測定した。t及びtから下記式により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t
(4)ポリオレフィン(A)、酸変性ポリオレフィン(B)及びバリア性樹脂(C)の融点
示差走査熱量計(株式会社島津製作所製、商品名:「DSC−60」)を用い、窒素気流下にて、室温から(融点+30℃)まで10℃/分の昇温速度で試料を融解させた後、液体窒素を用いて測定試料を急冷し、再度室温から(融点+30℃)まで10℃/分の速度で昇温して測定を行った。次いで、得られたチャートから融解ピーク頂点の温度を読みとった。
(5)ぬれ指数
ぬれ指数の測定はJIS K6768に準拠して行った。試験用混合液として、22.6〜73.0mN/mの段階的な表面張力を有する一連のぬれ張力試験用混合液(和光純薬工業株式会社製)を使用した。
成形体を切断し、切断面をカッターで平滑にした。表面張力の最も高い試験用混合液を綿棒に湿らせ、成形体の切断面に塗布した。塗布2秒後の試験用混合液の液膜の状態を観察した。塗布した液膜が破れた場合には、一段階低い表面張力を有する試験用混合液を用いて同様の試験を行った。この操作を、塗布した液膜が破れなくなるまで繰り返した。塗布した液膜が破れることなく塗布状態を保っているときに用いた試験用混合液の表面張力の値をぬれ指数とした。
(6)バリア性樹脂の分散性の評価
(6−1)分散状態の視認性
成形体の切断面に希ヨードチンキ(月島薬品株式会社製)を塗布した後、当該切断面を実体顕微鏡により20倍に拡大して観察した。以下の評価基準によりバリア性樹脂の分散状態の視認性を判定した。
良好:ヨードチンキでバリア性樹脂を染色でき、染色されたバリア性樹脂を観察できる。
不良:ヨードチンキでバリア性樹脂を染色できず、バリア性樹脂を観察できない。
(6−2)バリア性樹脂の層状分散性
バリア性樹脂の分散状態の視認性が良好であったものについて、以下の評価基準によりバリア性樹脂の層状分散性を判定した。
良好:樹脂組成物中にバリア性樹脂が層状に分散している。
不良:樹脂組成物中にバリア性樹脂が層状に分散していない。
<使用したポリオレフィン(A)>
HDPE:
日本ポリエチレン株式会社製、高密度ポリエチレン、商品名:「ノバテックHD HB420R」、MFR=0.2g/10分(190℃、2.16kgf)、密度=0.956g/cm、融点=133℃
<使用した酸変性ポリオレフィン(B)>
AD:
三井化学株式会社製、酸変性ポリエチレン、商品名:「アドマー HE810」、MFR=1.7g/10分(190℃、2.16kgf)、密度=0.96g/cm、酸価19mg/g、融点=130.2℃
<使用したバリア性樹脂(C)>
PA6:
宇部興産株式会社製、ポリアミド6、商品名:「UBEナイロン 1022B」、相対粘度=3.35、融点=220℃
PA666:
DSM社製、ポリアミド666、商品名:「ノバミッド N−X138」、相対粘度=3.4、融点=196.6℃
MXD6:
三菱ガス化学株式会社製、ポリメタキシリレンアジパミド、商品名:「MXナイロン S6121」、相対粘度=3.5、融点=238℃
製造例1
(MXD6Iの製造)
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、アジピン酸14100g(96.4mol)、イソフタル酸1023g(6.16mol)次亜リン酸ナトリウム17.3g(0.16mol)、酢酸ナトリウム12.1g(0.15mol)を仕込み、反応容器内部を窒素置換した。次いで、窒素を10ml/分の速度で流通させながら、常圧下で反応缶を170℃まで加熱し、アジピン酸を完全に融解させた後、メタキシリレンジアミン(MXDA)13980g(102.6mol)の滴下を開始した。メタキシリレンジアミンの滴下中は重縮合により生成する水を系内から除去しつつ、反応系内が固化しないように連続的に昇温した。100分かけてメタキシリレンジアミンを全量滴下し、かつ反応容器内温を250℃まで昇温した。次いで常圧のまま10分かけて内温を260℃に上げた後、内温を260℃に保持しつつアスピレーターと圧力調節器を使用して反応缶内を600mmHgまで10分かけて減圧し、600mmHgで重縮合反応を継続した。撹拌機のトルクを観察しながら十分に樹脂の粘度が高くなった時点で撹拌を止め、窒素により反応容器内を0.2MPaに加圧してから反応缶底の樹脂抜き出しバルブを開けてポリマーをストランド状にして抜き出し、水冷後ペレタイザーにてペレット化して、約25kgのポリアミドのペレットを得た。
次いで、窒素ガス導入管、真空ライン、真空ポンプ、内温測定用の熱伝対を設けたジャケット付きのタンブルドライヤーにメタキシリレン基含有ポリアミドのペレットを仕込み、一定速度で回転させつつ、タンブルドライヤー内部を純度が99容量%以上の窒素ガスで十分に置換した後、同窒素ガス気流下でタンブルドライヤーを加熱し、約150分かけてペレット温度を150℃に昇温した。ペレット温度が150℃に達した時点で系内の圧力を1torr以下に減圧した。さらに昇温を続け、約70分かけてペレット温度を200℃まで昇温した後、200℃で70分保持した。次いで、系内に純度が99容量%以上の窒素ガスを導入して、タンブルドライヤーを回転させたまま冷却してイソフタル酸共重合ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6I)を得た。
得られたポリアミド(MXD6I)の相対粘度は2.65であった。また、融点(Tm)は229℃であった。
製造例2
(MXD10の製造)
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したトウゴマ由来のセバシン酸12,135g(60mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)3.105g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として50ppm)及び酢酸ナトリウム1.61gを入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら170℃まで加熱した。次亜リン酸ナトリウム一水和物/酢酸ナトリウムのモル比は0.67とした。
これにメタキシリレンジアミン(MXDA)8,172g(60mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を260℃として40分間溶融重合反応を継続した。
その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出して、これをペレット化し、約24kgのポリアミド樹脂のペレットを得た。このペレットを真空乾燥機にて150℃5時間乾燥した。得られたポリアミド(MXD10)の融点(Tm)は191℃であった。
製造例3
(MPXD10の製造)
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したトウゴマ由来のセバシン酸12,135g(60mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)3.105g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として50ppm)及び酢酸ナトリウム1.61gを入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら170℃まで加熱した。次亜リン酸ナトリウム一水和物/酢酸ナトリウムのモル比は0.67とした。
これにメタキシリレンジアミン(MXDA)5,720g(42mol)及びパラキシリレンジアミン(PXDA)2,450g(18mol)を混合したもの(モル比:MXDA/PXDA=70/30)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を260℃として40分間溶融重合反応を継続した。
その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出して、これをペレット化し、約24kgのポリアミド樹脂のペレットを得た。このペレットを真空乾燥機にて150℃5時間乾燥した。得られたポリアミド(MPXD10)の融点(Tm)は215℃であった。
実施例1
50mm単軸押出機、アダプター、パリソンコントローラー付き円筒ダイ、金型、型締め機、冷却器等を備えた単層ダイレクトブロー容器成形装置を使用し、押出機ホッパー内へ、HDPE/AD/PA6=80/10/10(質量%)の割合でドライブレンドした混合ペレットを投入し、押出機シリンダー温度を190〜235℃、アダプター温度を235℃、ダイ温度を230℃に設定、スクリュー回転数を30rpmとしてパリソンを押し出し、ダイレクトブロー法によって内容積380mL、平均肉厚1.0mmのネジ口栓付きダイレクトブローボトル(ネジ口部直径:20mm、底部直径:58mm、高さ:165mm)の成形を行った。
得られたボトルを切断し、切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数は41.0mN/mであった。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性及びバリア性樹脂の層状分散性について評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜4
実施例1において、PA6を表1に示すバリア性樹脂に変更したこと以外は実施例1と同様にダイレクトブローボトルの成形を行った。
得られたボトルを切断し、切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、いずれもぬれ指数が40mN/mを超えていた。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性及びバリア性樹脂の層状分散性について評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、PA6をMXD10に変更したこと以外は実施例1と同様にダイレクトブローボトルの成形を行った。
得られたボトルを切断し、切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数は35.0mN/mであった。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性について評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1では、ボトルの切断面にヨードチンキを塗布してもバリア性樹脂を染色できず、バリア性樹脂を観察できなかった。そのため、バリア性樹脂の層状分散性を評価することができなかった。
実施例5
比較例1で得られたダイレクトブローボトルの切断面にフレーム処理を施した。具体的には、小型ガスバーナーを用いて、ボトルから15cm程度離れた距離から、ボトルの切断面に5秒間火炎を放射した。再び切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数は65.0mN/mであった。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性及びバリア性樹脂の層状分散性について評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、PA6をMPXD10に変更したこと以外は実施例1と同様にダイレクトブローボトルの成形を行った。
得られたボトルを切断し、切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数は35.0mN/mであった。実施例5と同様に切断面にフレーム処理を施してから、再び切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数は65.0mN/mであった。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性及びバリア性樹脂の層状分散性について評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
50mm単軸押出機、アダプター、パリソンコントローラー付き円筒ダイ、金型、型締め機、冷却器等を備えた単層ダイレクトブロー容器成形装置を使用し、押出機ホッパー内へ、HDPE/AD/MXD6=90/5/5(質量%)の割合でドライブレンドした混合ペレットを投入し、押出機シリンダー温度を200〜235℃、アダプター温度を240℃、ダイ温度を240℃に設定、スクリュー回転数を30rpmとしてパリソンを押し出し、ダイレクトブロー法によって内容積380mL、平均肉厚1.0mmのネジ口栓付きダイレクトブローボトル(ネジ口部直径:20mm、底部直径:58mm、高さ:165mm)の成形を行った。
得られたボトルを切断し、切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数は42.0mN/mであった。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性及びバリア性樹脂の層状分散性について評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2及び3
実施例7において、MXD6を表2に示すバリア性樹脂に変更したこと以外は実施例7と同様にダイレクトブローボトルの成形を行った。
得られたボトルを切断し、切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数はいずれも35.0mN/mであった。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性について評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2及び3では、ボトルの切断面にヨードチンキを塗布してもバリア性樹脂を染色できず、バリア性樹脂を観察できなかった。そのため、バリア性樹脂の層状分散性を評価することができなかった。
実施例8
比較例2で得られたダイレクトブローボトルについて、実施例5と同様に切断面にフレーム処理を施してから、再び切断面のぬれ指数の測定を行ったところ、ぬれ指数は65.0mN/mであった。切断面を観察し、バリア性樹脂の分散状態の視認性及びバリア性樹脂の層状分散性について評価を行った。結果を表2に示す。
本発明の方法によれば、樹脂組成物の種類に影響されることなく、ボトルの切断面におけるバリア性樹脂の分散性を評価することができた。
特に、比較例1と実施例5との対比及び比較例2と実施例8との対比から明らかなように、切断面のぬれ指数が40mN/m以下である場合にそのまま切断面にヨードチンキを塗布してもバリア性樹脂を染色できず、バリア性樹脂を観察できない(比較例1及び2)。これに対して、切断面に表面改質処理を施して切断面のぬれ指数が40mN/mを超える状態にしてから切断面にヨードチンキを塗布すると、染色されたバリア性樹脂を観察することができ、バリア性樹脂の分散性を評価することができるようになる(実施例5及び8)。
従来は、成形体を構成する樹脂組成物の種類によっては、ヨードチンキによる染色が困難な場合があったが、本発明の方法によれば、熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面において、樹脂組成物の種類に影響されることなくバリア性樹脂の分散性を評価することができる。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂及びバリア性樹脂を含む樹脂組成物の成形体の切断面におけるバリア性樹脂の分散性を評価する方法であって、
    (1)成形体の切断面のぬれ指数をJIS K6768に準拠して測定する工程、
    (2)前記ぬれ指数が40mN/mを超えるか判断する工程、及び
    (3)前記ぬれ指数が40mN/mを超える場合に、前記の成形体の切断面にヨードチンキを塗布してバリア性樹脂を染色する工程
    を有し、この順で行う、バリア性樹脂の分散性を評価する方法。
  2. (4)前記ぬれ指数が40mN/m以下である場合に、前記の成形体の切断面に表面改質処理を施す工程
    を更に有し、ぬれ指数が40mN/mを超えると判断されるまで前記工程(4)、(1)及び(2)を繰り返す、請求項1に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
  3. 前記表面改質処理がフレーム処理である、請求項2に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
  4. 前記成形体が、ポリオレフィン(A)40〜90質量%、酸変性ポリオレフィン(B)3〜30質量%、及びバリア性樹脂(C)3〜30質量%を含む樹脂組成物から構成される中空容器である、請求項1〜3のいずれか1つに記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
  5. 前記バリア性樹脂(C)がポリアミドであって、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位、並びに炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位及びイソフタル酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位を含有し、かつ、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位とのモル比率(α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位/イソフタル酸単位)が30/70〜100/0であるポリアミドである、請求項4に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
  6. 前記バリア性樹脂(C)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、セバシン酸を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含有するポリアミド樹脂である、請求項5に記載のバリア性樹脂の分散性を評価する方法。
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