JP2000326622A - インク印刷用シートの製造方法 - Google Patents

インク印刷用シートの製造方法

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JP2000326622A
JP2000326622A JP11138391A JP13839199A JP2000326622A JP 2000326622 A JP2000326622 A JP 2000326622A JP 11138391 A JP11138391 A JP 11138391A JP 13839199 A JP13839199 A JP 13839199A JP 2000326622 A JP2000326622 A JP 2000326622A
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ink
sheet
absorbing material
layer
adhesive layer
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Hiroyoshi Sato
裕喜 佐藤
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベース材2の表面に接着剤層3を介してインク
吸収材層4を設けるにあたり、インク吸収材層4に接着
剤が混入することを避ける。 【解決手段】支持体6の表面にインク吸収材層4が形成
されている第1シート5を形成し、ベース材2の表面に
接着剤層3が5μm以上の厚さに形成されている第2シ
ート7を形成し、この第1シート5と第2シート7と
を、互いのインク吸収材層4と接着剤層3とが重なるよ
うに合わせて該インク吸収材層4と接着剤層3とを接着
させ、しかる後に支持体6をインク吸収材層4から剥離
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク印刷用シー
トの製造方法に関し、例えば水性インクによって印刷さ
れ、あるいはインクジェットプリンタを用い水性インク
によって印刷され、屋内や屋外の看板、垂れ幕、懸垂
幕、ロールスクリーン、ブラインド、カーテン、シャッ
ター、壁装材、ランチョンマット、衣服などとして用い
られるインク印刷用シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターによる印刷
は、ノズルよりインクを噴射してフィルムその他の記録
媒体に付着乃至定着させる方式である。この方式の場
合、低沸点溶剤系のインクでは早期に乾燥してノズルが
詰まりやすくなるため、水性インクが一般に使用されて
いる。この水性インクは、着色剤として顔料若しくは染
料、又は該顔料と染料との両者を用い、分散剤として水
を用いたインクであり、フルカラー印刷にあっては、青
色(シアン)、赤色(マゼンタ)、黄色(イエロー)、
黒色(ブラック)のインクをそれぞれ4個のヘッドから
噴射させて、それらの色の重なりで目的の色が得られて
いる。
【0003】従って、インク印刷用シートとしては、水
性インクを吸収し定着させる機能を有することが求めら
れる。一般には図6に示すように合成樹脂フィルム2の
上にインク吸収材層4を形成したインク印刷用シートA
が用いられ、該インク吸収材層4に水性インクを吸収さ
せて定着させている。
【0004】上記インク印刷用シートAは、合成樹脂フ
ィルム2の上にインク吸収材溶液をコーティングするこ
とによって形成されているが、このインク吸収材溶液の
樹脂と合成樹脂フィルム2との接着性(結合力)が悪い
ことがある。その場合、印刷後にインク吸収材層4が軽
微な衝撃によって或いは看板等として屋外で使用してい
るときには雨や風によって合成樹脂フィルム2から部分
的に剥がれ易く、印刷後の取り扱いが難しい、剥離防止
のための後処理を要する、或いは耐久性が得られない、
という問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、図1に
示すように上記合成樹脂フィルム2とインク吸収材層4
との間に当該両樹脂に対して接着性を有するプライマー
層、接着剤層あるいは粘着剤層といった中間層3を設け
ることが考えられるが、以下の問題がある。
【0006】すなわち、上記プライマー層は合成樹脂フ
ィルムの上にプライマー材(樹脂溶液)をコーティング
し又は合成樹脂フィルムと共に押し出すことによって形
成することができる。しかし、このプライマー層の上に
インク吸収材溶液をコーティングすると、プライマー層
を構成する樹脂の種類によっては、その樹脂がインク吸
収材溶液の溶媒に溶解することがある。その場合、得ら
れるインク吸収材層はプライマーの樹脂が混じったもの
になって、インク吸収性ないしは定着性に悪影響が出
る。
【0007】また、図7に示すように、剥離ライナー1
3の上にインク吸収材層4を形成しその上に樹脂溶液の
コーティングによって接着剤層又は粘着剤層3を形成
し、しかる後にこれをニップロールによって合成樹脂フ
ィルム2と貼り合わせることが考えられる。しかし、こ
の方法であっても、上記接着剤層又は粘着剤層3を形成
するための樹脂溶液をコーティングした際にその樹脂が
インク吸収材層に混入する問題があり、また、インク吸
収材層に多孔質材が含まれているときは、該多孔質材の
細孔が接着剤又は粘着剤の樹脂によって塞がれ、該多孔
質材によるインク吸収性に悪影響が出る。
【0008】本発明は、上述の如き中間層を設ける場合
のインク吸収性悪化の問題を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、上述の如き中間層とインク吸収材層との積
層に上述の如き溶液のコーティングを採用するのではな
く、予め成形した層同士の貼り合わせという手法を採用
し、これを解決したものである。
【0010】すなわち、請求項1に係る発明は、ベース
材に接着剤層を介してインク吸収材層が積層されている
インク印刷用シートの製造方法であって、支持体の表面
に上記インク吸収材層が形成されている第1シートを形
成する工程と、上記ベース材の表面に上記接着剤層が5
μm以上の厚さに形成されている第2シートを形成する
工程と、上記第1シートと第2シートとを、互いのイン
ク吸収材層と接着剤層とが重なるように合わせて該イン
ク吸収材層と接着剤層とを接着させる工程と、上記接着
工程の後に上記支持体を上記インク吸収材層から剥離す
る工程とを備えていることを特徴とする。
【0011】この方法によれば、予め形成されているイ
ンク吸収材層と接着剤層とを貼り合わせるものであるか
ら、接着剤層を構成する成分、例えば樹脂がインク吸収
材層に溶け込むことがなくなり、そのインク吸収性を阻
害することが避けられる。ここに、上記第1シートは、
支持体の表面にインク吸収材溶液をコーティングするこ
とによって形成することができ、上記第2シートは、ベ
ース材に接着剤溶液をコーティングすることによって形
成することができる。
【0012】ベース材としては、紙、合成樹脂フィル
ム、布等を採用することができ、その厚さは特に問わ
ず、剛性を有するもの(可撓性ないしは弾性が実質的に
ないもの)であってもよい。他の請求項に係る発明も同
様である。
【0013】上記支持体がインク吸収材層から剥離し難
いものであるときは、該支持体の表面にシリコンのコー
ティング等の剥離処理を施し、該剥離処理面にインク吸
収材層を形成することが好ましい。支持体としては、紙
であっても合成樹脂フィルムであってもよい。他の請求
項に係る発明も同様である。
【0014】接着剤層の厚さを5μm以上とするのは、
インク吸収材層をベース材に確実に保持し、衝撃等によ
るインク吸収材層の剥離を防止するためである。この接
着剤層の厚さは、インク吸収材層の剥離を確実に防止す
る観点から10μm以上であることが好ましく、また、
生産性ないしは経済性等の観点から30μm以下が好ま
しい。
【0015】上記支持体の剥離処理に関しては以下に述
べる他の請求項の発明も同様である。また、上記接着剤
層の厚さに関しては後述する請求項3における粘着剤層
も同様である。
【0016】上記第1シートを形成する工程と第2シー
トを形成する工程とはいずれを先に行なってもよく、ま
た、同時進行的に行なってもよい。
【0017】請求項2に係る発明は、請求項1に記載さ
れているインク印刷用シートの製造方法において、上記
接着剤がホットメルト接着剤であり、上記接着工程が、
当該ホットメルト接着剤層を加熱し上記インク吸収材層
に加圧することによってなされることを特徴とする。
【0018】この方法によれば、第2シートのホットメ
ルト接着剤層は熱を加えることによって溶融し、その冷
却中に結合を形成するものであって、熱を加えない限り
は接着性を有しないものであるから、第2シートの運
搬、保管その他の取り扱い、あるいは第1シートとの積
層の際に、該接着剤の接着性に煩わされることがなく、
作業性の向上に有利になる。ホットメルト接着剤として
は、例えばウレタン樹脂系、ポリエステル系、エチレン
酢ビコポリマー系、ナイロン樹脂系のものを用いること
ができる。
【0019】請求項3に係る発明は、ベース材に粘着剤
層を介してインク吸収材層が積層されているインク印刷
用シートの製造方法であって、支持体の表面に上記イン
ク吸収材層が形成されている第1シートを形成する工程
と、上記ベース材に上記粘着剤層が5μm以上の厚さに
形成されている第2シートを形成する工程と、上記第1
シートと第2シートとを、互いのインク吸収材層と粘着
剤層とが重なるように合わせて該インク吸収材層と粘着
剤層とを接着させる工程と、上記接着工程の後に上記支
持体を上記インク吸収材層から剥離する工程とを備えて
いることを特徴とする。
【0020】本発明の場合も、請求項1に係る発明と同
様の作用効果が得られる。
【0021】請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一に記載されているインク印刷用シート
の製造方法において、上記ベース材が、ポリエステル系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂によって形成されてい
ることを特徴とする。
【0022】すなわち、ベース材が熱可塑性を有するか
ら、得られたインク印刷用シートを例えば印刷後に加熱
軟化させて基板その他の物に貼り付けることが容易にな
る。
【0023】請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一に記載されているインク印刷用シート
の製造方法において、さらに、上記ベース材の上記イン
ク吸収材層が設けられる面とは反対側の面に粘着剤層を
介して剥離ライナーを積層する工程を備えていることを
特徴とする。
【0024】従って、印刷後に当該インク印刷用シート
から剥離ライナーを剥がすことによって、これを基板そ
の他の物に簡単に貼り付けることができる。剥離ライナ
ーは紙製であっても合成樹脂フィルム製であってもよ
い。
【0025】請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一に記載されているインク印刷用シート
の製造方法において、上記インク吸収材層が、ポリエチ
レンオキサイドを含有するポリエーテルポリオールによ
り変性されたポリウレタン樹脂を含有し、インクジェッ
トプリンターを用いて水性インクによって印刷されるこ
とを特徴とする。
【0026】この発明の場合、ポリエチレンオキサイド
がインク吸収材に、水性インク中の水分を吸って膨潤す
る機能を与える。このため、水性インクは、インク吸収
材に接触したときに該インク吸収材に水分を吸収されて
比較的速やかに乾燥するものの、インク吸収材は膨潤す
ることによって水分を当該インク接触部位に保持しよう
とするから、該水分が該接触部位から周囲に大きく広が
っていくことはなく、従って、顔料等のにじみが少なく
なってインク濃度の低下が防止される。
【0027】
【発明の効果】従って、本発明によれば、支持体にイン
ク吸収材層が形成されている第1シートと、ベース材に
厚さ5μm以上の接着剤層又は粘着剤層が形成されてい
る第2シートとを形成し、該第1シートと第2シートと
を、互いのインク吸収材層と接着剤層又は粘着剤層とが
重なるように合わせて該インク吸収材層と接着剤層とを
接着させるようにしたから、接着剤層を構成する成分が
インク吸収材層に溶け込むことがなくなり、所期のイン
ク吸収性能を確保しながら、そのインク吸収材層が衝撃
等でベース材から剥離することを防止することができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0029】<実施例1>図1は本例の水性インク印刷
用シート1を示すものであり、これは、合成樹脂フィル
ム(ベース材)2に接着剤層3を介してインク吸収材層
4が積層されてなる。この水性インク印刷用シート1の
製造方法は次の通りである。
【0030】−第1シートの形成− 図2は第1シート5の構成を示し、これは、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)フィルム(支持体)6にイ
ンク吸収材層4が形成されたものである。すなわち、2
軸延伸された25μm厚のPETフィルム6の表面にイ
ンク吸収材溶液をコーティングし、該溶液の溶剤成分を
100〜130℃の乾燥炉で揮発させることによってイ
ンク吸収材層4を形成し、冷却後に当該第1シート5を
巻き取った。インク吸収材層4の乾燥後の厚さは50μ
mである。
【0031】上記インク吸収材溶液は、吸水性ウレタン
樹脂(三洋化成工業(株)製の高吸水性ポリマー;サン
プレンHMP−17A(ポリエチレンオキサイドを含有
するポリエーテルポリオールにより変性されたウレタン
樹脂であり樹脂固形分30%である。))100重量部
に対し、吸水剤としてシリカ(塩野義製薬(株)製カー
プレックスBS−304F)を36重量部、溶剤として
DMF(ジメチルホルムアミド)を100重量部添加
し、30分間攪拌することによって調製した。
【0032】−第2シートの形成− 図3は第2シート7の構成を示し、これは、合成樹脂フ
ィルム2の表面にホットメルト接着剤層3が形成された
ものである。合成樹脂フィルム2は、次の材料を混合
し、得られた樹脂組成物を150〜180℃の温度で溶
解攪拌し、これを4本逆カレンダーにて延伸し、その両
面にコロナ処理を施すことによって得た厚さ80μmの
ポリエチレンフィルムである。この合成樹脂フィルム2
にウレタン樹脂系ホットメルト接着剤溶液(セイコー化
成(株)製「ラックスキンUB4510」)をコーティ
ングし、該溶液の溶剤成分を揮発させることによって、
厚さ5μmのホットメルト接着剤層3を形成し、得られ
た第2シート7を巻き取った。
【0033】 高密度ポリエチレン 100重量部 (日本ポリケム(株)製「ノバテックHDHB430」, 重量平均分子量Mw=1800000, Mw/Mn=13(Mnは数平均分子量)) 酸化防止剤 0.2重量部 (日本チバガイギー(株)製「イルガノックス1076」) 滑剤(ステアリン酸カルシウム) 0.2重量部
【0034】−シートの積層接着− 図4に示すように、上記第1シート5と第2シート7と
を、互いのインク吸収材層4とホットメルト接着剤層3
とが重なるように合わせ、熱ラミネータ機(ドラム温度
150℃)にて加圧・加熱を施すことによって、該イン
ク吸収材層4とホットメルト接着剤層3とを接着させ、
得られた積層シート9を巻き取った。
【0035】−支持体の剥離− 上記積層シート9のインク吸収材層4から上記PETフ
ィルム6を剥がすことによって図1に示す水性インク印
刷用シート1を得た。
【0036】<実施例2>図5は本例の水性インク印刷
用シート11を示す。これは、実施例1の印刷用シート
1の合成樹脂フィルム2の裏面(インク吸収材層4が設
けられている面とは反対側の面)に粘着剤層12を介し
て剥離ライナー13が積層されているものである。その
製造方法は次の通りである。
【0037】実施例1と同様にして図4に示す積層シー
ト9を得た。一方、剥離ライナー13の剥離処理面に粘
着剤層12が形成されたシートを形成した。このシート
と上記積層シート9とを、互いの粘着剤層12と合成樹
脂フィルム2とが重なるように貼り合わせることによっ
て、本例の水性インク印刷用シート11を得た。
【0038】剥離ライナー13は、2軸延伸された75
μm厚のPETフィルムの片面に厚さ2μmのシリコン
処理層(剥離処理層)が形成されたものである。粘着剤
層12は、剥離ライナー13のシリコン処理面に、アク
リル系粘着剤溶液(綜研化学(株)製「5012B」1
00重量部に硬化剤としてコロネートL45を0.3重
量部配合したもの)をコーティングし、その溶剤成分を
揮発させることによって形成したものであり、乾燥後の
厚さは30μmである。
【0039】<実施例3>本例の水性インク印刷用シー
トは、実施例1と同じく三層構造であるが、ホットメル
ト接着剤溶液に代えてウレタン樹脂系接着剤溶液(セイ
コー化成(株)製「UD417」100重量部にイソシ
アネートを2.25重量部配合したもの)を用い、第1
シートと第2シートとの積層接着にニップロールを用い
た点が実施例1と異なり、他は同じである。
【0040】<実施例4>本例の水性インク印刷用シー
トは、実施例1と同じく三層構造であるが、ホットメル
ト接着剤溶液に代えてアクリル系粘着剤溶液(綜研化学
(株)製「5012B」100重量部に硬化剤としてコ
ロネートL45を0.3重量部配合したもの)を用いて
厚さ5μmの粘着剤層を形成した点、並びに第1シート
と第2シートとの積層接着にニップロールを用いた点が
実施例1と異なり、他は同じである。 <比較例1>本
例の水性インク印刷用シートは、図6に示すように合成
樹脂フィルム2の表面にインク吸収材層4が形成された
二層構造であり、実施例1と同じ合成樹脂フィルムの表
面に実施例1と同じインク吸収材溶液をコーティングし
て同様に乾燥させることによって形成した。インク吸収
材層の厚さは50μmである。
【0041】<比較例2>本例の水性インク印刷用シー
トは、実施例1と同じく三層構造であるが、ホットメル
ト接着剤層の形成方法が異なる。
【0042】すなわち、実施例1と同じ第1シート5を
形成し、そのインク吸収材層4の表面に実施例1と同じ
ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤溶液をコーティング
することによって、図7に示すように厚さ10μmのホ
ットメルト接着剤層3を有する中間品を形成した。この
中間品のホットメルト接着剤層3に実施例1と同じ合成
樹脂フィルムを重ね、熱ラミネータ機(ドラム温度15
0℃)にて加圧・加熱を施すことによって、該合成樹脂
フィルムとホットメルト接着剤層3とを接着させた。得
られた積層シート9のインク吸収材層4から上記PET
フィルム6を剥がすことによって、本例の水性インク印
刷用シートを得た。
【0043】<比較例3>本例の水性インク印刷用シー
トは、実施例1と同じく三層構造であるが、接着剤層の
構成及び製法が異なる。
【0044】すなわち、ポリオレフィンフィルムの表面
にウレタン樹脂系接着剤溶液(セイコー化成(株)製
「UD417」100重量部にイソシアネートを2.2
5重量部配合したもの)をコーティングし、その溶剤成
分を揮発させることによって乾燥後の厚さが20μmの
接着剤層を形成した。この接着剤層の上に実施例1と同
じインク吸収材溶液をコーティングし、その溶剤成分を
揮発させて乾燥後の厚さが50μmのインク吸収材層を
形成した。
【0045】<比較例4>本例は、実施例1の水性イン
ク印刷用シートにおいて、その接着剤層の厚さを2μm
としたものであり、他は実施例1と同じである。
【0046】<比較例5>本例は、実施例3の水性イン
ク印刷用シートにおいて、その接着剤層の厚さを2μm
としたものであり、他は実施例3と同じである。
【0047】<比較例6>本例は、実施例4の水性イン
ク印刷用シートにおいて、その粘着剤層の厚さを2μm
としたものであり、他は実施例4と同じである。
【0048】<評価テスト>上記実施例及び比較例につ
いて、以下の評価を行なった。
【0049】(1)インクジェットプリント適性 インクジェットプリンターとしては、青、黄、赤及び黒
の4つのインクヘッドを有する(株)ミマキエンジニア
リング製JV−1300を用い、インクには水性顔料タ
イプのものを使用して評価した。
【0050】−インク吸収力− 実施例及び比較例のシートの各々に、青100%、黄1
00%、赤100%、黒100%、青100%+黄10
0%(計200%)、青100%+赤100%(計20
0%)、並びに黄100%+青100%(計200%)
の7色を印刷し、インクのにじみ具合を目視で判定し
た。上記各色の印刷図柄はいずれも25mm×25mm
角形状のべた塗りである。また、上記数値100%とは
1つのインクヘッドから噴射することができる最大イン
ク量を噴射させて印刷したという意味であり、計200
%は例えば青100%+黄100%の場合は、青100
%の印刷を行なった後に黄100%の印刷を行なったと
いう意味である。
【0051】−発色性− カラー印刷部分の発色性を目視にて評価した。すなわ
ち、それが鮮明であれば、「○」とし、濃度が薄い場合
には「×」とした。
【0052】−乾燥性− 印刷から20分経過した時点でその印刷部分を手で触っ
て、インクが乾燥している場合には「○」とし、未乾燥
であれば「×」とした。
【0053】(2)インク吸収材層の密着性 インク吸収材層の表面に10mm巾のセロテープを貼
り、その上で荷重3kgのローラを10往復させた後に
セロテープを剥がしたとき、インク吸収材層がその下の
層(接着剤層、粘着剤層又は合成樹脂フィルム層)から
界面剥離することなく、該インク吸収材層自体が破壊す
れば、インク吸収材層と下の層との密着力が高いとして
「○」、上記界面剥離があれば、その密着力が低いとし
て「×」、また、上記接着剤層又は粘着剤層と合成樹脂
フィルムとの界面剥離があった場合も「×」とした。
【0054】<評価結果>結果は表1に示されている。
同表によれば、実施例1〜4はいずれの評価項目に関し
ても全て「○」であり、本発明に係る方法によれば、イ
ンク吸収材層のプリント適性を損なうことなく、該イン
ク吸収材層と下の層との密着力を確保することができる
ことがわかる。
【0055】これに対して、接着剤層又は粘着剤層のな
い比較例1はプリント適性は良好であるものの、インク
吸収材層が合成樹脂フィルムから剥離した。また、接着
剤層を有する比較例2,3は上記密着性は高かったもの
の、プリント適性が悪いという結果になった。これは、
比較例2ではインク吸収材層の上に接着剤溶液をコーテ
ィングし、比較例3では接着剤層の上にインク吸収材溶
液をコーティングしたものであるから、そのコーティン
グの際にインク吸収材に接着剤成分が混じり込んだため
と考えられる。また、比較例4〜6は接着剤層又は粘着
剤層が薄い例であるが、いずれも上記密着性の点で不充
分であり、それらの層を厚くすべきであることがわかっ
た。
【0056】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のインク印刷用シートの断面図。
【図2】同例の第1シートの断面図。
【図3】同例の第2シートの断面図。
【図4】同例の第1シートと第2シートとを重ね合わせ
た状態を示す断面図。
【図5】実施例2のインク印刷用シートの断面図。
【図6】比較例1(従来例)のインク印刷用シートの断
面図。
【図7】比較例2の中間品(第1シートにホットメルト
接着剤層が積層されたもの)の断面図。
【符号の説明】 1 インク印刷用シート 2 合成樹脂フィルム 3 接着剤層又は粘着剤層 4 インク吸収材層 5 第1シート 6 支持体 7 第2シート 9 積層シート 11 インク印刷用シート 12 粘着剤層 13 剥離ライナー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース材に接着剤層を介してインク吸収
    材層が積層されているインク印刷用シートの製造方法で
    あって、 支持体の表面に上記インク吸収材層が形成されている第
    1シートを形成する工程と、 上記ベース材の表面に上記接着剤層が5μm以上の厚さ
    に形成されている第2シートを形成する工程と、 上記第1シートと第2シートとを、互いのインク吸収材
    層と接着剤層とが重なるように合わせて該インク吸収材
    層と接着剤層とを接着させる工程と、 上記接着工程の後に上記支持体を上記インク吸収材層か
    ら剥離する工程とを備えていることを特徴とするインク
    印刷用シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されているインク印刷用
    シートの製造方法において、 上記接着剤がホットメルト接着剤であり、 上記接着工程が、当該ホットメルト接着剤層を加熱し上
    記インク吸収材層に加圧することによってなされること
    を特徴とするインク印刷用シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 ベース材に粘着剤層を介してインク吸収
    材層が積層されているインク印刷用シートの製造方法で
    あって、 支持体の表面に上記インク吸収材層が形成されている第
    1シートを形成する工程と、 上記ベース材の表面に上記粘着剤層が5μm以上の厚さ
    に形成されている第2シートを形成する工程と、 上記第1シートと第2シートとを、互いのインク吸収材
    層と粘着剤層とが重なるように合わせて該インク吸収材
    層と粘着剤層とを接着させる工程と、 上記接着工程の後に上記支持体を上記インク吸収材層か
    ら剥離する工程とを備えていることを特徴とするインク
    印刷用シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載されているインク印刷用シートの製造方法において、 上記ベース材が、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン
    系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等の熱
    可塑性樹脂によって形成されていることを特徴とするイ
    ンク印刷用シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載されているインク印刷用シートの製造方法において、 さらに、上記ベース材の上記インク吸収材層が設けられ
    る面とは反対側の面に粘着剤層を介して剥離ライナーを
    積層する工程を備えていることを特徴とするインク印刷
    用シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載されているインク印刷用シートの製造方法において、 上記インク吸収材層が、ポリエチレンオキサイドを含有
    するポリエーテルポリオールにより変性されたポリウレ
    タン樹脂を含有し、インクジェットプリンターを用いて
    水性インクによって印刷されることを特徴とするインク
    印刷用シートの製造方法。
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