JP2003154797A - 転写シート - Google Patents

転写シート

Info

Publication number
JP2003154797A
JP2003154797A JP2001359052A JP2001359052A JP2003154797A JP 2003154797 A JP2003154797 A JP 2003154797A JP 2001359052 A JP2001359052 A JP 2001359052A JP 2001359052 A JP2001359052 A JP 2001359052A JP 2003154797 A JP2003154797 A JP 2003154797A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
layer
sheet
resin
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001359052A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Matsuzawa
孝教 松沢
Kazuteru Kato
一照 加藤
Yukio Suzuki
幸雄 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2001359052A priority Critical patent/JP2003154797A/ja
Publication of JP2003154797A publication Critical patent/JP2003154797A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】接着層を通常の塗工法により簡便に形成可能で
あり、接着層の保持力、凝集力、ホットタック性共に優
れ、しかも加熱状態で剥離しても接着層の凝集破壊を発
生しにくく、転写後の表面硬度や、多孔質基材への転写
性にも優れた転写シートを提供する。 【解決手段】基材シート1上に、少なくとも接着層23
を含む転写層2を有する転写シートにおいて、前記接着
層23が、ポリアミド系樹脂と硝化綿との混合組成物か
らなることを特徴とする転写シートである。ポリアミド
系樹脂の平均分子量は、5000〜10000であるこ
とが望ましい。必要に応じて、基材シート1の転写層2
形成面に離型層11を設けたり、転写層2における接着
層23の基材シート1側に絵柄層22、保護層21等を
設けたりしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば木質系基
材、無機質系基材、金属系基材、合成樹脂系基材等の各
種の被転写基材の表面に、少なくとも接着層を含む転写
層を転写形成するための転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、住宅等の建築内装材や建具、
家具材等として使用される木質系等の各種被装飾基材の
表面への装飾方法として、直接印刷法や化粧シートラミ
ネート法等と並んで、転写シートを使用した転写法も広
く用いられている。
【0003】上記転写法は、直接印刷法と比較すれば、
直接印刷の困難な材質や形状の被装飾基材(被転写基
材)への表面装飾が可能であることや、転写シート自体
は長尺状の基材シート上への連続印刷によって製造する
ので、高速大量印刷が可能であること等を挙げることが
できる。
【0004】また、化粧シートラミネート法と比較すれ
ば、転写法の場合は被装飾面(被転写面)より大面積の
転写シートを被装飾面に圧着後剥離するだけで、被転写
面のみに転写層を転写することができるので、シートの
精密な予備裁断やラミネート後の不要部の切除(トリミ
ング)工程が不要であり、作業性に優れる利点がある。
【0005】ところで、転写シートを使用した転写法に
おける被転写基材と転写層との接着方法としては、転写
層としての絵柄層等を構成する印刷インキ組成物そのも
のの接着力を利用する方法などもあるが、この方法では
被転写基材及び印刷インキ組成物の材質の制約が大き
く、あまり実用的ではないので、一般的には、被転写基
材と絵柄層等とを接着させるための接着層を介在させる
場合が多い。
【0006】この接着層の形成手法としては、被転写基
材と転写シートとを圧着する直前に、被転写基材の被転
写面又は転写シートの転写層面に接着剤を塗布する方法
もあるが、転写作業の際に接着剤の塗布及び乾燥の工程
が必要となって作業が煩雑であり、転写装置の構造が複
雑化し装置全体としても大型化するほか、圧着時の接着
剤の乾燥状態によって転写不良や品質のばらつきを発生
する場合もあることなどの問題がある。
【0007】そこで、係る問題を回避し、簡便に作業性
良く安定した品質で転写作業が可能な転写シートとし
て、転写シートの転写層の被転写基材との圧着面、すな
わち基材シートとは反対側の面に、被転写基材との接着
のための接着層を予め形成した接着層付きの転写シート
も、既に広く利用されている。
【0008】この接着層は、通常の状態で接着性(粘着
性)を帯びたものであると、巻取状態での保管中や輸送
中にブロッキングを発生して使用不可能となるので、一
般的には、常温では非粘着性の固体状であり、加熱によ
り溶融ないし軟化して接着性を発現し、冷却により再度
固化して接着する、感熱接着剤が使用される場合が多
い。
【0009】この様に感熱接着剤からなる接着層を有す
る転写シートは、平圧熱プレス法や熱ロールプレス法等
により被転写基材の被転写面に熱圧着後、基材シート剥
離することにより、簡便に転写作業を行うことができる
利点がある。
【0010】上記感熱接着剤としては、その塗工剤の形
態から見ればホットメルト型、溶剤型、水性エマルジョ
ン型等、樹脂系から見れば例えばエチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂系、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリ
オレフィン樹脂系、塩素化ポリオレフィン樹脂系、ポリ
ウレタン樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、繊維素誘
導体系等、多くの種類のものが知られている。
【0011】それらの中でも、汎用の塗工設備で簡便に
塗工可能な溶剤型で、保持力・凝集力及びホットタック
性が共に優れ、木質系基材等の多孔質の被転写基材への
転写性にも優れたものとして、ポリアミド系感熱接着剤
で良好な結果が得られることを、本出願人は既に見出し
ている(特願2000−224958号)。
【0012】しかるに、その後の詳細な検討の結果、上
記ポリアミド系感熱接着剤を使用した転写シートにも、
下記の様な種々の問題点が残されていることが判明し
た。
【0013】その第一は、被転写基材への熱圧着後に十
分冷却固化させてから基材シートを剥離すれば良いが、
冷却が不十分な状態で剥離すると、加熱により溶融状態
となったポリアミド系感熱接着剤は凝集力が乏しくなっ
ているので、接着層の凝集破壊による転写不良を発生し
易いことである。
【0014】第二は、冷却固化状態での保持力や凝集力
と、加熱状態でのホットタック性とを意識して、柔軟性
に富む樹脂を採用したことにより、接着後の硬度が不足
し、転写製品の表面物性として十分な耐擦傷性が得られ
にくいことである。
【0015】第三は、特に木質系基材等の多孔質基材へ
の転写に用いた場合に、接着剤が基材の孔部に浸透し易
く、適度に浸透する分には良いが、過度に浸透すると基
材の表面上に残留する接着剤の量が不足して、却って密
着性が低下したり、転写層の表面の艶ムラを発生したり
する場合があることである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的とするところは、転写層を被転写基
材と接着させるための感熱接着剤からなる接着層を有す
る転写シートにおいて、接着層を通常の塗工法により簡
便に形成可能であり、接着層の保持力、凝集力、ホット
タック性共に優れ、しかも加熱状態で剥離しても接着層
の凝集破壊を発生しにくく、転写後の表面硬度や、多孔
質基材への転写性にも優れた転写シートを提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材シート上
に、少なくとも接着層を含む転写層を有する転写シート
において、前記接着層が、ポリアミド系樹脂と硝化綿と
の混合組成物からなることを特徴とする転写シートであ
る。
【0018】また本発明は、前記ポリアミド系樹脂の平
均分子量が、5000〜10000であることを特徴と
する転写シートである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明の転写シートの実
施の形態を示す側断面図である。
【0020】本発明の転写シートは基本的には、図1に
示す様に、支持体である基材シート1の片面に、被転写
基材との接着のための接着層23を少なくとも含む転写
層2が、剥離可能に設けられて構成されるものである。
そして、本発明においては、該接着層23が、ポリアミ
ド系樹脂と硝化綿との混合組成物からなることを特徴と
している。
【0021】転写シートの接着層にポリアミド系感熱接
着剤を使用する技術自体は、例えば実開昭60−648
97号等により夙に公知である。しかるに、従来のポリ
アミド系感熱接着剤としては、ホットメルト型には塗工
適性にも接着性能にも優れたものが数多く知られていた
が、溶剤型のものは塗工適性やホットタック性と凝集力
や保持力との両立が難しいという問題があり、それを改
良したのが前述した本出願人による特願2000−22
4958号記載の技術である。しかるにその後、ポリア
ミド系樹脂の単独系では、加熱時の凝集力不足や、多孔
質基材への浸透過多、冷却固化後の硬度不足などの解消
が困難であることから、さらに改良を加えたのが、上記
混合組成物を使用する本発明である。
【0022】上記混合組成物により良好な性能が得られ
る理由は、冷却固化後の保持力や凝集力、加熱時のホッ
トタック性、溶剤への溶解性、塗工後の指触乾燥性等の
バランスに優れたポリアミド系樹脂に、溶剤への溶解性
を阻害せず、しかも硬質で溶融粘度の低い硝化綿を配合
したことにより、上記ポリアミド系樹脂の弱点である、
加熱時の凝集力の不足や浸透性の過剰、冷却後の硬度の
不足などが補われ、あらゆる面でバランスの取れた接着
層23が実現されているものと考えられる。
【0023】上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、
前述した特願2000−224958号に記載の、平均
分子量6000〜20000のポリアミド系樹脂を主体
とし、これに平均分子量2000〜5000のポリアミ
ド系樹脂を、上記樹脂100重量部当たり10〜50重
量部程度添加した混合ポリアミド系樹脂組成物を使用す
ることも、勿論可能である。
【0024】しかし、本発明においては、上記混合ポリ
アミド系樹脂組成物における高分子量のポリアミド系樹
脂成分の機能の一部を硝化綿に担わせ、残部を低分子量
のポリアミド系樹脂成分をやや高分子量化させることで
補うことによって、単一種類のポリアミド系樹脂と硝化
綿との、2成分系とすることも可能である。この場合の
ポリアミド系樹脂の平均分子量としては、5000〜1
0000のものを使用することが、前述した各種特性の
バランスの面で最も望ましい。
【0025】上記接着層23におけるポリアミド系樹脂
と硝化綿との配合比率は、硝化綿が少なすぎれば十分な
効果が得られず、一方逆に多すぎても、ポリアミド系樹
脂の優れた特性を減殺し、転写適性を低下させる要因と
なるので、転写条件等にもよるが一般的には、ポリアミ
ド系樹脂75〜98重量%、硝化綿2〜25重量%程度
の範囲の配合とすることが望ましい。
【0026】接着層23の厚みは、表面が平滑な被転写
基材への転写用であれば1μm以上あれば良いが、木質
系基材のような多孔質の被転写基材への転写用の場合に
は、少なくとも5μm以上とすることが望ましい。これ
を下回ると、接着力の不足のために転写抜けや脹れ、転
写後の密着不良等の転写不良の原因と原因となり勝ちで
ある。一方、50μmを上回ると、転写箔の箔切れ性が
悪化してバリの発生の原因となったり、塗工時の乾燥不
良のためにブロッキングを発生し易くなったりするの
で、50μm以下とすることが望ましい。
【0027】接着層23には、必要に応じて、例えば着
色剤、充填剤、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、熱
安定剤、可塑剤、粘着賦与剤、ブロッキング防止剤等の
添加剤が添加されていても良い。
【0028】接着層23の形成方法としては、例えばグ
ラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、
フレキソ印刷法等、従来公知の各種の印刷方法や、例え
ばロールコート法、コンマコート法、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、フローコート法、ナイ
フコート法、エアーナイフコート法、ロッドコート法、
キスコート法、リップコート法、ダイコート法、スプレ
ーコート法、ディップコート法等、従来公知の各種の塗
工方法を用いることができる。
【0029】本発明の転写シートにおいて、上記接着層
23以外の層構成やそれらの構成材料については一切限
定されるものではなく、支持体としての基材シート1は
必須であるが、それ以外の層は必要に応じて任意に付加
して構成することができる。
【0030】基材シート1としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン
等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン
−不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(いわゆるアイ
オノマー樹脂)等のオレフィン系共重合体樹脂、ポリア
クリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
ルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、
AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリビニル
アセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のポ
リビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹
脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテ
トラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン
共重合体等のフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂からなるフ
ィルム又はシートや、紙、織布又は不織布、金属箔等、
或いはこれらから選ばれる2種以上の混合物、複合体、
積層体等からなるシート状体を使用することができる。
【0031】基材シート1の転写層2側の表面には、必
要に応じて、転写層2の基材シート1からの剥離を容易
にし、該剥離後には基材シート1の表面に残留する、離
型性の材質からなる離型層11を設けることもできる。
該離型層11としては、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂や、
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−
テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ジメ
チルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等
のシリコーン系樹脂等の様な低表面張力の樹脂組成物
や、例えばメラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬
化性樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等の電離放射線
硬化性樹脂等の高架橋密度の樹脂組成物などが使用され
るのが一般的である。
【0032】被転写基材上への転写後の転写層2の表面
性状は、基材シート1(又は離型層11)の表面性状が
そのまま反転されたものとなる。従って、基材シート1
として表面が平滑な鏡面状のものを使用すれば、転写後
の転写層2の表面も平滑な鏡面仕上げとすることができ
るし、基材シート1として表面が艶消状のものや凹凸の
エンボス形状を有するものを使用すれば、これらの艶状
態やエンボス形状を転写後の転写層2の表面に賦形する
ことができる。
【0033】基材シート1の表面を艶消状にするための
方法としては、無機物粒子又は合成樹脂粒子等からなる
艶消剤を基材シート1に練り込む方法や、表面が艶消状
の金属ロールを使用して表面仕上げを行う方法、サンド
ペーパー加工又はサンドブラスト加工等によって表面を
艶消仕上げ加工する方法、艶消剤を添加した塗工組成物
による離型層11を設ける方法等を挙げることができ
る。エンボス形状の形成方法としても、金属製のエンボ
ス版を使用した熱圧エンボス加工法の他、離型層11を
所望のパターン状に部分的に設ける方法などによること
もできる。
【0034】転写層2としては、上記した接着層23の
ほか、剥離層(図示せず)、保護層21、絵柄層22、
隠蔽層(図示せず)、金属蒸着層(図示せず)等を任意
に設けることができる。
【0035】剥離層は、転写層2の基材シート1(又は
離型層11)からの剥離の重さを適当な範囲内に調整す
るために設けられるものであり、例えば塩化ゴム、環化
ゴム等の天然ゴム誘導体や、天然ワックス、合成ワック
ス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロースアセ
テートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、
ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエ
ステル系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン
系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−酢
酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エ
ポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性
樹脂等からなる、従来公知の各種の剥離剤から適宜選択
して使用することができる。
【0036】保護層21は、被転写基材の表面への転写
後に絵柄層22等を外界からの物理的又は化学的刺激か
ら保護するために設けられるものであり、転写後の塗装
作業を省略したい場合などに設けられる。その材質とし
ては一般的には、表面硬度、耐摩耗性、耐擦傷性、耐溶
剤性、耐汚染性等が要求されることから、三次元架橋構
造を有する硬化性樹脂が用いられる場合が多い。具体的
には、例えばウレタン系、メラミン系、尿素系、フェノ
ール系、エポキシ系、アクリル系、不飽和ポリエステル
系、アルキド系等の熱硬化性樹脂や、(メタ)アクリレ
ート系、不飽和ポリエステル系等の電離放射線硬化性樹
脂等である。また、表面物性や耐候性の優れたものであ
れば熱可塑性樹脂も使用可能であり、例えばアクリル
系、エチレン−ビニルアルコール共重合体、飽和ポリエ
ステル系、フッ素系等の熱可塑性樹脂が使用される場合
もある。
【0037】保護層21は、同種又は異種の材質からな
る2層以上の多層構成とされる場合もある。よく行われ
るのは、表面側(基材シート1側)の第一保護層を硬質
の材質から、裏面側(接着層23側)の第二保護層を軟
質の材質から構成することにより、表面硬度や耐溶剤性
等の表面物性と、折曲加工性等の可撓性とを両立させる
手法である。第一保護層と第二保護層との硬度を相違さ
せるには、架橋密度の異なる硬化性樹脂を組み合わせた
り、硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを組み合わせたりする
ことで実現することができる。最表面の第一保護層に使
用される高架橋密度の硬化性樹脂は、絵柄層22や接着
層23との密着性に乏しい傾向があるので、これらの両
者とよく親和する低架橋密度の硬化性樹脂若しくは熱可
塑性樹脂からなる第二保護層を中間に介在させることに
よって、全体としての層間密着性の向上にも寄与するこ
とができる。
【0038】保護層21の厚さは、本発明において特に
限定されるものではないが、薄すぎると保護効果が不十
分であり、逆に厚すぎると可撓性を喪失して割れ易くな
るので、一般的には1〜50μm程度、更に好ましくは
5〜20μm程度の範囲内で適宜設計される。
【0039】保護層21には必要に応じて、例えば着色
剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、艶調
整剤、滑剤、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、減
摩剤等の各種の添加剤を適宜添加することもできる。
【0040】保護層21の形成方法としては、従来公知
の如く、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、グ
ラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン
印刷法等の各種印刷方法や、グラビアコート法、マイク
ログラビアコート法、ロールコート法、ロッドコート
法、キスコート法、ナイフコート法、エアーナイフコー
ト法、コンマコート法、ダイコート法、リップコート
法、フローコート法、ディップコート法、スプレーコー
ト法等の各種塗工方法を適宜用いることができる。
【0041】絵柄層22は、本発明の転写シートを使用
しての転写後の製品に、絵柄による意匠性を付与するた
めに設けられるものであって、その絵柄の種類には特に
制限はなく、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、
幾何学図形、文字又は記号等、又はこれらから選ばれる
2種以上の組み合わせ等、所望により任意である。
【0042】絵柄層22は、染料又は顔料等の着色剤を
樹脂等の展色剤(バインダー)及び有機溶剤等の希釈剤
と共に混練してなる印刷インキ又は塗料を使用して、適
宜の印刷法又は塗装法により形成されるのが一般的であ
る。着色剤としては、例えば縮合アゾ系、不溶性アゾ
系、キナクリドン系、イソインドリノン系、アントラキ
ノン系、フタロシアニン系、ジケトピロロピロール系等
の有機顔料や、カーボンブラック、酸化鉄系、酸化チタ
ン系等の無機顔料、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金
属粉顔料、酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料等がよ
く使用される。
【0043】上記展色剤としては、例えばニトロセルロ
ース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプ
ロピオネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素
化ポリオレフィン系、ポリビニルブチラール、ポリスチ
レン系、ポリアミド系、アルキド系、フッ素系、ポリウ
レタン系、(メタ)アクリル系、ポリエステル系、金属
アルコキシド系等の樹脂組成物又はそれらの変性物等
を、それぞれ単独で、若しくは複数種を任意に混合して
使用することができる。
【0044】絵柄層22の印刷方法としては、例えばグ
ラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット
印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷
法、ドライオフセット印刷法、インクジェット印刷法、
静電印刷法等の従来公知の印刷法を用いることができ
る。また、ベタ層を設ける場合には、上記各種の印刷法
によるほか、例えばグラビアコート法、マイクログラビ
アコート法、ロールコート法、ロッドコート法、ナイフ
コート法、エアーナイフコート法、キスコート法、ダイ
コート法、リップコート法、コンマコート法、フローコ
ート法、ディップコート法、スプレーコート法等の塗工
方法によることもできる。
【0045】隠蔽層は、意匠的に均一な品質の転写製品
を得るために、被転写基材の表面の望ましくない色彩や
色調のばらつき、表面欠陥等を隠蔽する必要がある場合
に設けられるものであり、その構成材料や形成法は、上
記絵柄層22の場合と基本的に同様である。但し、十分
な隠蔽性を確保するために、例えば酸化チタン系や酸化
亜鉛系、酸化鉄系、カーボンブラック等の不透明な無機
顔料や、アルミニウム粉等の金属粉顔料又は酸化チタン
被覆雲母等の真珠光沢顔料等の光輝性顔料などの不透明
顔料を大量に配合した印刷インキ又は塗料が使用され
る。
【0046】金属蒸着層は、転写後の表面に金属光沢を
与える必要がある場合に設けられるものであり、使用す
る金属としては、例えば金、銀、銅、アルミニウム、ニ
ッケル、クロム等があるが、アルミニウムが最も一般的
である。形成法は、通常の真空蒸着法によるほか、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着
法等によることもできる。また、エッチング法又はリフ
トオフ法等により、金属蒸着層を任意の所望のパターン
状に部分的に設けることにより、光沢の変化による特殊
な意匠感を付与することもできる。
【0047】
【実施例】以下に本発明の転写シートの実施例及び比較
例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
【0048】実施例1 厚み25μmのポリエステル樹脂フィルム(E513
1:東洋紡績(株)製)を基材シートとして、その表面
に、アクリルメラミン系樹脂(TCM01メジウム及び
マットメジウムの混合物:大日本インキ化学工業(株)
製)を乾燥後の厚み1μmに塗布し、温度200℃で焼
付硬化させて離型層を形成し、続いて、主剤としてのア
クリルポリオール化合物(UCクリアーEXP1071
1TR−H:大日本インキ化学工業(株)製)100重
量部と、硬化剤としてのトリレンジイソシアネート(T
DI)系のイソシアヌレート変性イソシアネート化合物
(EXP10424Y:大日本インキ化学工業(株)
製)10重量部との配合物の有機溶剤溶液(溶剤:酢酸
エチル/メチルエチルケトン=50/50、固形分:2
0重量%)を、乾燥後の厚み6μmに塗布して保護層を
形成し、さらに、ウレタン樹脂と硝化綿樹脂との混合物
をバインダーとする印刷インキ(EBT:東洋インキ製
造(株)製)を使用して、グラビア印刷法により絵柄層
を印刷形成し、最後に、平均分子量6000のポリアミ
ド系樹脂90重量部と硝化綿10重量部との混合物から
なる感熱接着剤(TAKダインNC−1:大日精化
(株)製)を、乾燥後の厚み16μmに塗布して接着層
を形成して、本発明の転写シートを作製した。
【0049】比較例1 上記実施例1において、接着層の形成に使用する感熱接
着剤を、硝化綿を配合していないものに変更し、その他
は上記実施例1と同一の条件にて転写シートを作製し
た。
【0050】転写試験 上記実施例1び比較例1の転写シートを使用して、中密
度繊維板(MDF)からなる被転写基材の被転写面に、
通常の熱ロール転写法及び平圧熱プレス転写法にて転写
して、化粧材を作製した。
【0051】その結果、熱ロール転写法において、熱ロ
ールにて圧着した直後に基材シートを剥離したところ、
実施例1の転写シートを使用した場合には、良好な転写
状態が得られたのに対し、比較例1の転写シートを使用
した場合には、接着層の凝集破壊による転写抜けが発生
した。
【0052】一方、平圧熱プレス転写法において、熱プ
レス機にて圧着し、常温放置にて冷却後に基材シートを
剥離したところ、実施例1の転写シートを使用した場合
には、良好な転写状態が得られたのに対し、比較例1の
転写シートを使用した場合には、接着層の被転写基材へ
の浸透のために表面に艶ムラが発生しており、またセロ
ハンテープ剥離試験にて密着不良が認められた。
【0053】また、作製した化粧材についてホフマンス
クラッチ試験を行ったところ(但し、比較例1の転写シ
ートを使用したものは、転写状態の良好な箇所を選んで
使用)、実施例1は荷重800gにて傷付きなしの結果
であったのに対し、比較例1は荷重400gにて傷付き
が認められた。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の転写
シートは、転写層に含まれる接着層を、ポリアミド系樹
脂と硝化綿との混合組成物によって形成したことによ
り、加熱転写時のホットタック性や、転写後の保持力や
凝集力に優れると共に、転写時の加熱状態でも接着層が
十分な凝集力を維持するので、冷却前に基材シートを剥
離しても転写抜けが発生しにくく、転写後の表面硬度に
も優れ、また、多孔質の被転写基材への転写に使用して
も、接着層の基材への浸透が発生しにくい等、種々の優
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【符号の説明】
1 基材シート 11 離型層 2 転写層 21 保護層 22 絵柄層 23 接着層
フロントページの続き Fターム(参考) 3B005 EA01 EB01 EC11 EC21 FB01 FB11 FB21 FF01 FG03Z FG12Z FG20Z GA04 GA05 GB03 4F100 AJ06G AK25 AK36 AK41 AK46G AL01 AL05G AT00A BA02 BA07 GB90 JA07G JL13 YY00G 4J004 AA02 AA04 AA16 AB03 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CB01 CB02 CC02 CC03 CD01 CD05 CD06 FA01 4J040 BA052 EG001 JA09 JB01 LA01 MA01 MA02 MA08 MA10 NA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート上に、少なくとも接着層を含む
    転写層を有する転写シートにおいて、前記接着層が、ポ
    リアミド系樹脂と硝化綿との混合組成物からなることを
    特徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】前記ポリアミド系樹脂の平均分子量が、5
    000〜10000であることを特徴とする請求項1に
    記載の転写シート。
JP2001359052A 2001-11-26 2001-11-26 転写シート Pending JP2003154797A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001359052A JP2003154797A (ja) 2001-11-26 2001-11-26 転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001359052A JP2003154797A (ja) 2001-11-26 2001-11-26 転写シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003154797A true JP2003154797A (ja) 2003-05-27

Family

ID=19170126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001359052A Pending JP2003154797A (ja) 2001-11-26 2001-11-26 転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003154797A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205469A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Tombow Pencil Co Ltd 感圧転写修正テープ
WO2006095695A1 (ja) * 2005-03-08 2006-09-14 Nissha Printing Co., Ltd. 転写フィルム、加飾フィルムおよび加飾品の製造方法並びに加飾品
JP2012111125A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Dainippon Printing Co Ltd 転写箔
JPWO2011062127A1 (ja) * 2009-11-17 2013-04-04 綜研化学株式会社 偏光板用粘着剤組成物およびこれを利用した偏光板

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205469A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Tombow Pencil Co Ltd 感圧転写修正テープ
JP4530356B2 (ja) * 2005-01-26 2010-08-25 株式会社トンボ鉛筆 感圧転写修正テープ
WO2006095695A1 (ja) * 2005-03-08 2006-09-14 Nissha Printing Co., Ltd. 転写フィルム、加飾フィルムおよび加飾品の製造方法並びに加飾品
JP2006247893A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Nissha Printing Co Ltd 転写フィルム、加飾フィルムおよび加飾品の製造方法並びに加飾品
JPWO2011062127A1 (ja) * 2009-11-17 2013-04-04 綜研化学株式会社 偏光板用粘着剤組成物およびこれを利用した偏光板
JP5764496B2 (ja) * 2009-11-17 2015-08-19 綜研化学株式会社 偏光板用粘着剤組成物およびこれを利用した偏光板
JP2012111125A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Dainippon Printing Co Ltd 転写箔

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5681631A (en) Graphics transfer article
CN203391545U (zh) 转印箔及装饰成型品
US5573865A (en) Graphics transfer article
CN102757739B (zh) 通用型预涂膜
US20070264457A1 (en) Material for Decoration
JP2003154797A (ja) 転写シート
JP3633367B2 (ja) 化粧シート
JP2003246194A (ja) 転写シート
JP4292823B2 (ja) 化粧シート
JP3960021B2 (ja) 転写シート
JP2003246198A (ja) 転写シート及び化粧材
JP2003154795A (ja) 転写シート
JP2003154798A (ja) 転写シート
JP5080079B2 (ja) 転写シート
JP2003231394A (ja) 転写シート及び化粧材
JP2003211897A (ja) 転写シート及びそれを用いて製造した化粧材
JPH11348180A (ja) 木質系化粧板及びその製造方法
JP2000351265A (ja) アルミニウム転写蒸着記録用紙及びそれを用いたタック加工記録用紙
JP2004167828A (ja) 転写シート及び化粧材
JPH01146742A (ja) 裏面に接着剤層を有する化粧シートおよびその製造方法
JP2000272072A (ja) 化粧材
JPS6391243A (ja) 化粧材
JP2003300298A (ja) 化粧シート
JPH0825896A (ja) 熱転写シート
JP2002337272A (ja) 木質化粧材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070130