JP2003211897A - 転写シート及びそれを用いて製造した化粧材 - Google Patents

転写シート及びそれを用いて製造した化粧材

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JP2003211897A
JP2003211897A JP2002018227A JP2002018227A JP2003211897A JP 2003211897 A JP2003211897 A JP 2003211897A JP 2002018227 A JP2002018227 A JP 2002018227A JP 2002018227 A JP2002018227 A JP 2002018227A JP 2003211897 A JP2003211897 A JP 2003211897A
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Naoteru Maekawa
直輝 前川
Kazuteru Kato
一照 加藤
Yukio Suzuki
幸雄 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリオレフィン系樹脂製の基材シートを用いた
転写シートであって、ポリ塩化ビニル樹脂製の基材シー
トを用いたものと同等の熱成形性を有し、しかも、表面
に凹部を有する立体形状の被転写基材に転写した場合に
も、成形後の剥離時に被転写基材の表面の凹部における
剥離不良を発生することのない、熱成形性及び転写性
(剥離性)に優れた転写シート、及びそれを用いて製造
した立体形状の化粧材を提供する。 【解決手段】ポリエチレン系樹脂層12の表裏にポリプ
ロピレン系樹脂層11、13が積層された3層積層フィ
ルムを基材シート1とし、その片面に剥離層21、保護
層、絵柄層23、隠蔽ベタ層24及び/又は接着層等か
らなる転写層2を設けて転写シートとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に少なくとも
凹部を有する立体形状の被転写基材の表面に、印刷によ
る絵柄等を転写形成するに好適な転写シートと、当該転
写シートを用いて製造した化粧材とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】建築物の内外装材や家具什器類、家電製
品外装材などの分野では、消費者の嗜好の多様化・高度
化により、三次元立体形状を有する立体成形品の表面
に、木目模様等の所望の意匠を施してなる、立体化粧材
製品に対する要望がますます高まっている。三次元立体
形状を有する立体成形品の表面への絵付け方法のひとつ
として、真空成形法を利用した転写絵付け法が広く採用
されている。
【0003】これは、被転写基材である立体成形品の表
面上に、熱可塑性樹脂等からなる熱成形性を有する基材
シート上に絵柄層等からなる転写層を具備する転写シー
トを、加熱軟化させた状態で載置し、該転写シートの立
体成形品側の空間を真空吸引により減圧し、併せて必要
に応じて転写シートの背面側の空間を圧縮空気の導入等
により加圧することによって、転写シートの両面間での
気圧差を利用して転写シートを被転写基材の表面の三次
元立体形状に沿って成形させつつ密着させ、しかる後、
転写シートの基材シートを剥離除去することによって、
転写シートの転写層を被転写基材の表面に転写するもの
である。
【0004】係る真空成形法を利用した転写絵付け法に
使用するための転写シートの基材シートとしては、熱成
形性に優れた熱可塑性樹脂として、ポリ塩化ビニル樹脂
からなるシート乃至フィルムが、従来最も広く採用され
ていた(特開平5−96614号公報、特公平6−69
759号公報、特開平7−1825号公報、特公平7−
29518号公報、特公平7−100398号公報
等)。
【0005】しかしながら、転写シートの基材シート
は、転写工程の終了後は産業廃棄物となるものであるの
で、廃棄処分の容易な材料を使用することが望まれるの
に対し、ポリ塩化ビニル樹脂は、焼却処分を行うと、燃
焼条件によっては塩化水素ガスを発生して焼却炉を損耗
させたり、有毒物質であるダイオキシンを発生したりす
る危険性があり、また一方、埋立処分を行った場合に
も、ポリ塩化ビニル樹脂に添加されている重金属等の安
定剤やフタル酸エステル類等の可塑剤が環境中に溶出
し、これが生物に対し毒性作用や内分泌攪乱(いわゆる
環境ホルモン)作用をする危険性があることが指摘され
ており、地球環境問題に対する社会的な関心が益々高ま
る中、ポリ塩化ビニル樹脂以外、すなわち塩素を含有し
ない樹脂による代替が強く要望されている。また、転写
シートの基材シート用材料としての性能上も、ポリ塩化
ビニル樹脂は、耐溶剤性に乏しいために転写層に使用可
能な材料の種類が限定されることや、耐熱性に劣るため
に接着剤の接着温度が制限されることなどの問題点が指
摘されている。
【0006】係る問題点を解決するために、塩素を含有
しない熱可塑性樹脂として、例えばポリオレフィン系樹
脂からなる基材シートを用いた転写シート(特開平10
−35086号公報、特開平10−250213号公
報、特開平10−297192号公報、特開平11−1
51898号公報、特開2000−127693号公
報、特開2001−310596号公報等)や、ポリエ
ステル系樹脂からなる基材シートを用いた転写シート
(特開2000−296591号公報、特開2001−
171295号公報)等が、既に提案されている。
【0007】しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は加熱により
極めて緩やかに軟化し、しかも軟化状態でも十分な耐破
断性を有するのに対し、ポリオレフィン系樹脂やポリエ
ステル系樹脂は加熱による軟化や耐破断性の低下が急激
で、成形可能な条件範囲が狭く、被転写基材の表面形状
への追従が不十分なための転写抜けや、不均一な変形に
よる柄伸び、破断による転写不能事故等が発生し易いこ
と、汎用樹脂での対応は困難で特殊グレードのため高価
になること、また、特にポリエステル系樹脂は、熱成形
性に優れた柔軟な樹脂は耐溶剤性に乏しく、成形適性と
印刷適性との両立が困難であることなどの問題があり、
ポリ塩化ビニル樹脂と同等の熱成形性、転写性、印刷適
性、経済性を備えたものは得られていないのが実情であ
る。
【0008】そこで、本出願人は既に、非晶質ポリオレ
フィン樹脂を主成分とするオレフィン系樹脂組成物層の
表裏に、エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロ
ピレン樹脂からなる樹脂層が積層された、3層積層フィ
ルムを基材シートとする転写シートを提案した(特開平
10−217692号公報)。この転写シートにおける
基材シートは、非晶質ポリオレフィン樹脂を主成分とす
るオレフィン系樹脂組成物層の優れた柔軟性や熱軟化性
と、エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレ
ン樹脂からなる樹脂層の優れた剛性や破断強度とが相俟
って、加熱により容易に軟化しながら耐破断性の低下が
少なく、ポリ塩化ビニル樹脂に近似した加熱軟化特性を
示すと共に、転写層形成面は耐溶剤性に優れたエチレン
系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂からな
る樹脂層であるので、印刷適性や転写性にも優れること
などの利点がある。
【0009】しかしながら、上記の基材シートは、加熱
軟化特性をポリ塩化ビニル樹脂と近似させるために、シ
ートを全体として非常に柔軟にした結果、被転写基材の
表面における凹凸形状に極めて忠実に追従して成形さ
れ、しかも、その成形された形状が冷却によりそのまま
固定される結果、特に表面に深く急峻な凹部を有する被
転写基材への転写に際し、成形後の剥離時に基材シート
が被転写基材の凹部から抜けにくく、無理に剥離する
と、基材シートが破断したり、転写層が傷付いたりする
場合があることが判明した。この様な現象は、従来のポ
リ塩化ビニル樹脂製の基材シートを用いた場合には見ら
れないものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的とするところは、ポリオレフィン系
樹脂製の基材シートを用いた転写シートであって、ポリ
塩化ビニル樹脂製の基材シートを用いたものと同等の熱
成形性を有し、しかも、表面に凹部を有する立体形状の
被転写基材に転写した場合にも、成形後の剥離時に被転
写基材の表面の凹部における剥離不良を発生することの
ない、熱成形性及び転写性(剥離性)に優れた転写シー
ト、及びそれを用いて製造した立体形状の化粧材を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の転写シートは、
基材シート上に転写層を有する転写シートにおいて、前
記基材シートが、ポリエチレン系樹脂層の表裏にポリプ
ロピレン系樹脂層が積層された3層積層フィルムである
ことを特徴とするものである。
【0012】また特に、前記転写層が、剥離層、保護
層、絵柄層、隠蔽ベタ層、及び接着層の少なくとも一つ
を含むことを特徴とするものである。
【0013】本発明の化粧材は、上記の転写シートを使
用して、表面に少なくとも凹部を有する立体形状の被転
写基材の表面に転写層を転写してなるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の転写シートは、図1や図
2に示す様に、基材シート1の片面に転写層2が剥離可
能に積層されてなる転写シートであって、その支持体で
ある基材シート1が、ポリエチレン系樹脂層12の表裏
にポリプロピレン系樹脂層11、13が積層された3層
積層フィルムによって構成されている。
【0015】上記基材シート1におけるポリプロピレン
系樹脂層11、13は、基材シート1に転写シートの支
持体としての適度の強度や剛性を付与すると共に、その
転写層2側の面のポリプロピレン系樹脂層13にあって
は、転写層2の印刷面としての耐溶剤性や剥離性(非粘
着性)を付与する目的で設けられるものである。
【0016】上記ポリプロピレン系樹脂層11、13を
構成するポリプロピレン系樹脂は、例えばプロピレンの
単独重合体であるホモポリプロピレン樹脂や、プロピレ
ンを主成分とし、少量(通例15重量%以下)のエチレ
ンを共重合させてなるランダム重合ポリプロピレン樹脂
やブロック重合ポリプロピレン樹脂、プロピレンを主成
分とし、これに例えばブテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1等のα−オレフィンを少量(通例15重量%以
下)共重合させてなるプロピレン−α−オレフィン共重
合体や、これらに更にエチレンを少量(通例15重量%
以下)共重合させてなるプロピレン−α−オレフィン−
エチレン共重合体等、或いはそれらの複数種の混合物等
であって、少なくとも結晶部分を含む結晶性の樹脂組成
物であることが望ましい。
【0017】一方、上記基材シート1におけるポリエチ
レン系樹脂層12は、基材シート1に適度な柔軟性を与
えると共に、転写時の加熱により容易に軟化し、被転写
基材の表面の三次元立体形状に沿った転写シートの成形
が容易な熱成形性を付与する目的で設けられるものであ
る。
【0018】上記ポリエチレン系樹脂層12を構成する
ポリエチレン系樹脂は、例えば高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン等のエチレンの単独重合体や、エチレンを主
成分とし、これに例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1等のα−オレフィン、酢酸ビニ
ル等のビニルエステル若しくはその鹸化物、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸若しくはそ
の無水物、エステル又は金属塩等の共重合可能なモノマ
ー成分を少量(通例15重量%以下)共重合させてなる
エチレン系共重合体等、或いはそれらの複数種の混合物
等であって、少なくとも結晶部分を含む結晶性の樹脂組
成物であることが望ましい。
【0019】上記ポリエチレン系樹脂は、単に転写時の
加熱により容易に軟化して基材シート1に被転写基材の
表面の立体形状への優れた追従性を与えるのみならず、
加熱軟化状態においても半ばエラストマー的な挙動を示
す特徴がある。このため、転写シートが加熱軟化状態に
おいて被転写基材の表面の立体形状に沿って成形された
時点では、その基材シート1におけるポリエチレン系樹
脂層12は、半ばは加熱軟化による塑性変形により、半
ばはエラストマー的な弾性変形により、被転写基材の表
面の立体形状に沿った形状を成しているのであって、該
成形の後、転写シートの両面間での気圧差等による被転
写基材面への押圧力が解除され、及び/又は、冷却によ
りポリエチレン系樹脂層12の弾性率が上昇すると、エ
ラストマー的な弾性変形の部分は、成形前の形状に戻ろ
うとする作用を発生する。
【0020】この作用によって、表面に少なくとも凹部
を有する被転写基材の表面の立体形状に沿って熱成形さ
れた時点では、該立体形状に忠実に追従して成形されて
いた転写シートの基材シート1が、成形後に押圧力が解
除されると共に冷却されると、被転写基材の表面の凹部
においては、特に剥離力を加えなくても該凹部の表面か
ら自動的に剥離しようとする力が発生し、剥離が容易と
なる。従って、従来の転写シートにおいて屡々発生して
いた様な、凹部に入り込む様に成形された転写シートの
基材シート1を無理に剥離しようとすることによる破断
や転写された転写層の損傷等の事故を、効果的に防止す
ることが可能となるのである。
【0021】基材シート1の転写層2形成側の面には、
必要に応じて、メラミン系樹脂やシリコーン樹脂等によ
る離型処理を施すことも可能である。しかしながら、ポ
リプロピレン系樹脂層13は表面張力が低く非粘着性で
あり、印刷インキ等からなる転写層2に対する剥離性に
優れるから、一般的には特に離型処理を施す必要がない
場合が多い。
【0022】基材シート1の厚さは、本発明において特
に限定されるものではないが、立体形状の被転写基材の
表面への熱成形性を考慮すると、薄過ぎると熱成形時に
破断し易く、逆に厚過ぎると形状追従性が悪化したり、
転写シートを軟化させるために要する熱量が増してエネ
ルギーロスの増大や生産性の低下にも繋がるので、具体
的な被転写基材の形状や寸法、材質にもよるが、一般的
には概ね20〜300μm程度の範囲内であり、中でも
50〜120μm程度が最も好適である。
【0023】基材シート1におけるポリエチレン系樹脂
層12及びポリプロピレン系樹脂層11、13の厚みに
関しては、本発明において特に限定されるものではない
が、ポリエチレン系樹脂層12の厚みが薄過ぎると熱成
形性や形状追従性が低下し、逆に厚過ぎると、相対的に
ポリプロピレン系樹脂層11、13の厚みが減ることに
より、基材シート1の強度や剛性が低下して、熱成形時
に破断したり皺が寄ったりし易くなるので、基材シート
1の総厚に占めるポリエチレン系樹脂層12の厚みの比
率は20〜80%、より好ましくは33〜67%程度と
することが好ましい。また、表裏面のポリプロピレン系
樹脂層11、13の厚みは互いに異なっていても良い
が、反りや不均一変形の防止の観点からは、両者は同一
の厚みとすることが最も好ましい。
【0024】本発明において、基材シート1の製造方法
は特に限定されず、例えば熱ラミネート法、ドライラミ
ネート法、押出ラミネート法、共押出法等、従来公知の
任意の方法が適用可能である。また、積層時に接合面に
例えば接着剤やアンカー剤、プライマー剤等の塗布や、
コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、オゾン
処理、酸処理、紫外線又は電子線等の電離放射線処理等
の表面処理を施すことによって、各構成層間の接着強度
を向上する処置を施すことも任意である。
【0025】以上に説明した基材シート1の片面側に、
被転写基材の表面に転写させるための転写層2が設けら
れる。この転写層2として、如何なる材料からなる層を
如何なる順序で設けるかについては、本発明において一
切限定されるものではなく、例えば従来のポリ塩化ビニ
ル樹脂等からなる基材シートを用いた転写シートにおけ
る転写層と基本的に同様の構成とすることができる。
【0026】具体的には、図1に示す様に、基材シート
1面側から順に、剥離層21及び絵柄層23を設けた構
成などが代表的なものである。また、被転写基材の表面
の色調のばらつきや欠陥を隠蔽して、意匠的に安定した
仕上がりを得るために、絵柄層23の裏面側に隠蔽ベタ
層24が設けられる場合も多い。
【0027】その他、絵柄層23が基材シート1から容
易に剥離可能であれば、剥離層21は省略しても良い
し、図2に示す様に、転写後の絵柄層23の保護のため
に、絵柄層23の基材シート1側に保護層22を設けた
り、転写前に被転写基材の表面又は転写シートの転写層
2面に接着剤を塗布する手間を省くために、基材シート
1とは反対側の表面に接着層25を設けたりしても良
い。また、絵柄の付与の必要がなければ絵柄層23も省
略可能であり、例えば保護層転写用の転写シートなどと
することもできる。
【0028】剥離層21は、転写層2の基材シート1か
らの剥離の重さを適当な範囲内に調整し、基材シート1
からの安定的な剥離性を確保するために設けられるもの
である。その材質としては特に制限されるものではない
が、例えば塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体や、
天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセ
ルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊
維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド
系、ポリイミド系、ポリエステル系、ポリアセタール
系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系等の熱可
塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、
シリコーン系等の熱硬化性樹脂等からなる剥離剤を挙げ
ることができる。
【0029】保護層22は、転写後に絵柄層23等を外
部からの物理的又は化学的な刺激から保護するために設
けられるものである。その材質としては特に制限され
ず、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アミノア
ルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、尿
素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹
脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や、(メタ)ア
クリレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキ
シ系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等が用いられる場合
が多いが、熱可塑性樹脂であっても例えばアクリル系樹
脂等の様に表面硬度や耐溶剤性に優れた樹脂であれば使
用可能である。
【0030】絵柄層23は、所望の意匠を印刷等によっ
て表現したものであり、染料又は顔料等の着色剤を、適
当な結着剤樹脂と共に適当な溶剤に溶解又は分散してな
る印刷インキ又は塗料によって設けられるのが一般的で
ある。上記結着剤樹脂としては特に制限されるものでは
ないが、立体形状の被転写基材の表面に沿って成形する
際の伸びに追従可能な柔軟性を備えていることが望まし
く、具体的には、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、繊維素誘導体等を好適に使用することができる。
【0031】隠蔽ベタ層24は、転写層2に被転写基材
の表面の色彩や欠陥を隠蔽可能な隠蔽性を付与するため
に設けられるものであり、その材質は、着色剤として例
えば二酸化チタンや酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラッ
ク、金属粉、真珠光沢顔料等の、隠蔽性の高い顔料が大
量に添加されていることのほかは、上記絵柄層23にお
ける印刷インキ又は塗料と概ね同様である。なお、隠蔽
ベタ層24に代えて、金属蒸着層を設けることによって
も、隠蔽性の付与は可能である。
【0032】接着層25は、転写層2を被転写基材の表
面に接着させるために設けられるものであり、その材質
は転写時に利用する接着機構によって例えば感熱接着
剤、感圧接着剤(粘着剤)、再湿接着剤、熱硬化型接着
剤、電離放射線硬化型接着剤等が利用可能であるが、一
般的には、転写時の熱により活性化して接着性を発現
し、転写後の冷却により固化して強固に接着する性質を
有する、感熱接着剤が利用される場合が多い。該感熱接
着剤としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、
繊維素誘導体等を好適に使用することができる。
【0033】上記転写層2を構成する各層の形成方法は
特に限定されないが、印刷法又は塗工法によるのが一般
的である。印刷法としては例えばグラビア印刷法、オフ
セット印刷法、グラビアオフセット印刷法、ドライオフ
セット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、凸
版印刷法、転写印刷法、静電印刷法、電子写真法、イン
クジェット印刷法等、塗工法としては例えばグラビアコ
ート法、マイクログラビアコート法、ロールコート法、
フローコート法、スプレーコート法、ディップコート
法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコー
ト法、リップコート法、コンマコート法、ロッドコート
法、キスコート法等を適宜用いることができる。
【0034】本発明の転写シートを使用して製造する化
粧材の基材すなわち被転写基材としては特に限定され
ず、例えば木材、合板、積層材、中密度繊維板、パーテ
ィクルボード等の木質系基材や、ガラス、陶磁器、石膏
ボード、珪酸カルシウム板、木毛セメント板、軽量気泡
コンクリート等の無機質系基材、鋼、真鍮、アルミニウ
ム、ステンレス等の金属系基材、ポリオレフィン系樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ABS樹脂、ガラス繊維プラスチック等の合成樹
脂系基材等、或いはそれらの複数種の混合物、複合体、
積層体等、任意の材質からなる基材を使用することがで
きる。そして、既に述べた様に、係る被転写基材として
特に、表面に少なくとも凹部を有する立体形状のものを
使用した際に、本発明の効果が最も顕著に発揮される。
【0035】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を示して詳細
に説明する。
【0036】<実施例1>ポリエチレン系樹脂層の表裏
にポリプロピレン系樹脂層が積層された3層積層フィル
ム(出光ユニテック(株)製 ピュアソフティフィルム
シリーズ、厚み80μm、弾性率260〜310MP
a)を基材シートとし、その片面に、ポリビニルブチラ
ール樹脂(東洋インキ製造(株)製 K323MTP)
を塗工して剥離層を形成し、次いで硝化綿系グラビアイ
ンキ(大日精化工業(株)製 OH及びTHB)により
絵柄層を形成し、更に隠蔽ベタ層及び接着層として上記
硝化綿系グラビアインキを塗工して、本発明の転写シー
トを作成した。
【0037】表面に深さ5mmの凹部を含む三次元立体
形状を切削形成し、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂系接着剤を塗布した中密度繊維板からなる被転写基材
の表面に、上記転写シートを、メンブレンプレス式の真
空成形機を使用してメンブレン温度120〜140℃、
基材温度66〜77℃の条件にて真空成形して密着させ
た後、解圧し自然冷却させたところ、被転写基材の表面
の凹部において転写シートの基材シートが自然に剥離
し、基材シートが剥離時に破断したり凹部の転写層を損
傷したりすることなく、絵柄の歪みもなく凹部の内面に
まで良好に絵柄を転写させることができた。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の転写
シートは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材シートを
採用したことにより、ポリ塩化ビニル樹脂を使用したも
のと異なり、基材シートの廃棄時の問題がなく環境に優
しいことは勿論のこと、特にポリエチレン系樹脂層の表
裏にポリプロピレン系樹脂層が積層された3層積層フィ
ルムを基材シートとしたことにより、表面に少なくとも
凹部を有する立体形状の被転写基材の表面に沿って成形
密着させた後の解圧・冷却により、該凹部において転写
シートの基材シートが被転写基材及び転写層から自動的
に剥離するため、転写後に基材シートを剥離させる際の
付加が少なく、該剥離時における基材シートの破断や転
写層の損傷等の事故が防止され、品質の良好な化粧材等
の転写絵付製品を作業性良く製造することができるとい
う顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【図2】本発明の転写シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【符号の説明】
1 基材シート 11 ポリプロピレン系樹脂層 12 ポリエチレン系樹脂層 13 ポリプロピレン系樹脂層 2 転写層 21 剥離層 22 保護層 23 絵柄層 24 隠蔽ベタ層 25 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B005 EA01 EA06 EB01 EC22 FA18 FB01 FB11 FB21 FB61 FE04 FF00 FG01X GA07 GB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート上に転写層を有する転写シート
    において、前記基材シートが、ポリエチレン系樹脂層の
    表裏にポリプロピレン系樹脂層が積層された3層積層フ
    ィルムであることを特徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】前記転写層が、剥離層、保護層、絵柄層、
    隠蔽ベタ層、及び接着層の少なくとも一つを含むことを
    特徴とする請求項1に記載の転写シート。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の転写シートを使用
    して、表面に少なくとも凹部を有する立体形状の被転写
    基材の表面に転写層を転写してなる化粧材。
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