JP2002337272A - 木質化粧材およびその製造方法 - Google Patents

木質化粧材およびその製造方法

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JP2002337272A
JP2002337272A JP2001147871A JP2001147871A JP2002337272A JP 2002337272 A JP2002337272 A JP 2002337272A JP 2001147871 A JP2001147871 A JP 2001147871A JP 2001147871 A JP2001147871 A JP 2001147871A JP 2002337272 A JP2002337272 A JP 2002337272A
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dye
wooden
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hot
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Masayuki Oshima
正之 大島
Takahito Shimojo
隆仁 下庄
Yasuhiro Harada
康裕 原田
Yasushi Oyama
靖 大山
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体感と透明感を有する絵柄模様からなる印
刷層を木質基板の内部にまで設けることによって優れた
意匠的外観に呈する木質化粧材を提供する。 【解決手段】 突板単板からなる木質基板1の表面に染
料受容性を有するホットメルト型接着剤2を介して、裏
面に昇華性染料または熱溶融移行性染料で印刷された絵
柄模様を含む半透明の印刷層3を設けている転写シート
4を積層したのち、加熱、加圧することによって上記ホ
ットメルト型接着剤2を木質基板1の内部にまで浸透、
固化させると共に上記印刷層3の絵柄模様もこのホット
メルト型接着剤2の内部に浸透させた状態で固着させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の家具や建具の
表面化粧材として使用される木質化粧材とその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から家具や建具、或いは内装材等に
使用される木質化粧材を製造する方法としては、例え
ば、特開平7−195813号公報に記載されているよ
うに、グラスウールやロックウール等の多孔質基材の表
面に酢酸ビニル系樹脂等の塗料の塗布による樹脂被膜を
形成したのち、この樹脂被膜の表面に、裏面に染料イン
キで印刷した絵柄模様を有する転写紙を重ね合わせて加
圧加熱することにより、転写紙の絵柄模様の染料を昇華
させて多孔質基材表面の樹脂被膜に固着させる方法や、
特開平8−25566号公報に記載されているように、
裏打ち基材上に感熱性接着剤層を介して単板突板を固着
してなる突板シート上に、支持体シートの下面に模様層
を設けてなる転写印刷シートを感熱性接着剤層を介して
重ねたのち、熱圧着することにより模様層を単板突板上
に転写させ、しかるのち、支持体シートを剥離する方法
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法によれば、多孔質基材の表面の樹脂被膜に転写紙の
絵柄模様の染料を加圧加熱により昇華させて強固に固着
させることができるが、吸音性を付与するために多孔質
基材の孔を塞がないように仕上げるものであるから、樹
脂被膜の厚みが薄くて且つ絵柄模様は単に多孔質基材の
表面にのみ固着された構造となり、絵柄模様に深みを付
与することができず、化粧板の立体感が乏しくなるとい
う問題点があった。また、グラスウールやロックウール
等の多孔質基材では、木質基材と異なって素材の持つ化
粧性を現出させることができない。
【0004】一方、後者の方法によれば単板突板上に転
写模様層を設けるものであるから、転写模様層と共に単
板突板の持つ木質感の化粧性も現出させることができる
が、転写模様層は前者の方法と同様に、単板突板の表面
にのみ形成された構造となって平坦な模様層となり、深
みのある模様層を形成することができないという問題点
がある。
【0005】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、木質基板の表層
に立体感と透明感とを備えた絵柄模様を現出させると共
に、木質基板の持つ木質感と絵柄模様とが調和した意匠
的にも優れた高級な外観を呈する木質化粧材とその木質
化粧材の製造方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の木質化粧材は、木質基板の表面に透明または
半透明な合成樹脂を介して昇華性染料または熱溶融移行
性染料で印刷された絵柄模様を含む半透明な印刷層を一
体に設けてなる木質化粧材であって、上記透明または半
透明の合成樹脂が上記木質基板内の深部にまで浸透、固
化していると共に上記昇華性染料又は熱溶融移行性染料
で印刷された絵柄模様が木質基板の表面から内部に浸
透、固化している合成樹脂内にまで浸透、固着させてな
る構造としている。
【0007】このように構成した木質化粧材において、
請求項2に係る発明は、離型性を有する基材シートに上
記昇華性染料または熱溶融移行性染料で印刷された絵柄
模様を含む半透明な印刷層を設けてなる転写紙を、熱転
写法によって合成樹脂に昇華転写することによって合成
樹脂の内部にまで印刷層を形成していることを特徴とす
るものである。
【0008】請求項3に係る発明は、上記昇華性染料ま
たは熱溶融移行性染料で印刷された印刷層の絵柄模様を
内部にまで浸透、固着させた合成樹脂であって、染料受
容性を有する透明または半透明の合成樹脂であることを
特徴とする。
【0009】このような染料受容性を有する合成樹脂と
しては、請求項4に記載したように熱可塑性の溶剤乾燥
型またはホットメルト型の樹脂組成物を採用している。
【0010】請求項5に係る発明は上記木質化粧材の製
造方法であって、基材シートの裏面に昇華性染料または
熱溶融移行性染料で印刷された絵柄模様を含む半透明な
印刷層を設けている転写シートを染料受容性を有する合
成樹脂を介して木質基板の表面に積層したのち加熱加圧
することにより、染料受容性を有する合成樹脂を木質基
板の内部にまで浸透させると同時に印刷層の絵柄模様を
木質基板の表面から合成樹脂の内部にまで浸透、固着さ
せたのち、冷却して上記印刷層の絵柄模様を浸透させた
合成樹脂を固化させ、しかるのち、基材シートを剥離す
ることを特徴としている。
【0011】この木質化粧材の製造方法において、請求
項6に係る発明は、熱圧によって透明または半透明の染
料受容性を有する合成樹脂を木質基板の裏面に達するま
で浸透させることを特徴とする。
【0012】
【作用効果】木質基板内にはその深部にまで合成樹脂が
浸透、固化しているので、木質基板全体が所謂、WPC
(Wood Plastic Combination) の状態となって該木質基
板の透明感を増大させることができるばかりでなく、用
いる合成樹脂によって木質化粧材の物性を改善させるこ
とができる。さらに、木質基板内に浸透、固化している
合成樹脂と共にこの合成樹脂内に半透明な絵柄模様を浸
透、固着させているから、半透明な絵柄模様が透明また
は半透明な合成樹脂内であかたも浮き上がった立体的な
絵柄模様を発現して立体感と深みのある階調性に富んだ
優れた意匠的外観を呈することができ、その上、木質基
板の持つ照り感が上記透明または半透明の合成樹脂と絵
柄模様とによって反映されて木質基板の化粧性も効果的
に現出し、高級なイメージを与えることができる。
【0013】また、上記透明または半透明な合成樹脂は
染料受容性を有する合成樹脂である一方、絵柄模様は昇
華性染料または熱溶融移行性染料で印刷されているもの
であるから、加熱加圧によって合成樹脂が木質基板の内
部に浸透する際に、昇華性染料または熱溶融移行性染料
が染料受容性を有する合成樹脂の内部にまで容易に移行
し、合成樹脂の浸透、固化による木質基板の透明ないし
は半透明化と同時に絵柄模様を木質基板の表面から透明
または半透明な合成樹脂の内部にまで固着させて絵付け
することができ、立体感と奥行き感のある化粧層を形成
することができると共に、透明または半透明な合成樹脂
とこの内部にまで浸透、固着している絵柄模様と相まっ
て、木質基板の表面の照り感も反映されて意匠的にも優
れた高級な外観を呈する木質化粧材を得ることができ
る。
【0014】この木質化粧材に要求される性能に応じて
上記透明または半透明な合成樹脂を選択することがで
き、例えば、熱硬化性樹脂液を採用すれば、木質基板に
優れた剛性、耐傷性を付与することができ、床材やカウ
ンタートップの表面化粧材として適した木質化粧材を得
ることができる。一方、軟質の熱可塑性樹脂、特に、ホ
ットメルト型の樹脂組成物を採用すれば、木質基板に良
好な柔軟性、屈曲性を付与することができ、曲率半径の
大きい製品基材であっても亀裂や割れが生じることなく
簡単且つ正確に貼着することができる木質化粧材を得る
ことができる。
【0015】また、熱圧によって透明または半透明の染
料受容性を有する合成樹脂を木質基板の裏面に達するま
で浸透、固化させることによって全体的に透明感と立体
感を呈する木質化粧材を得ることができる。なお、木質
基板の内部に浸透させる上記合成樹脂が接着性を有する
ことによって、木質基板の内部に合成樹脂を浸透させる
と同時に木質基板表面に上記印刷層を強固に固着させる
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
について説明すると、図1は本発明の木質化粧材Aの一
例を示すもので、この木質化粧材Aは、木質基板1の表
面に透明または半透明な合成樹脂2'を介して半透明な絵
柄模様を有する印刷層3を一体に層着していると共に上
記透明または半透明な合成樹脂2は木質基板1内の深部
にまでにまで浸透、固化していて、この合成樹脂2によ
って木質基板1が全体的にWPC化されている。さら
に、上記印刷層3の絵柄模様は、木質基板1内への合成
樹脂2の浸透によってこの合成樹脂2内に浸透、固着3'
された状態で木質基板1の内部に含浸されてあり、透明
感を有する立体的な絵柄模様に形成されている。
【0017】木質基板1の表面から内部にまで浸透、固
化3'している透明または半透明な合成樹脂2としては、
染料受容性を有する合成樹脂が使用されている一方、木
質基板1の表面からこの合成樹脂2の内部にまで浸透、
固着している印刷層3としては、上記染料受容性を有す
る合成樹脂2が加熱加圧によって木質基板1内に浸透す
る際に、この合成樹脂2内に浸透、移行し得る昇華性染
料または熱溶融移行性染料による印刷層である。さら
に、木質基板1の表面全面に上記印刷層3を被覆した透
明な保護層6を層着していると共に、裏面には和紙や不
織布等の薄い繊維質シートからなる裏打ちシート7が一
体に設けられている。
【0018】上記木質基板1としては、合板、パーティ
クルボード、或いは木質繊維板等の表面に木材薄板を積
層してなるものや、木質薄板そのものが採用される。な
お、木質薄板とは、天然木をスライス等によって得られ
た厚さが3mm以下の薄単板であり、その樹種は特に限
定されないが、安価で大量に入手できるものが望まし
い。
【0019】また、木質化粧材Aが、湾曲面を有する製
品にラッピング可能な屈曲性を有する木質化粧材として
用いられるようにするには、0.15〜0.6 mmの厚さ、好
ましくは0.2 〜0.5 mmの厚さにスライスされた木質薄
板を木質基板1として採用するものであり、この場合、
木質薄板を連続的に加工するために、フィンガージョイ
ントによって接合して帯状の長尺シートに形成しておく
ことが好ましい。この長尺化された木質薄板は通常、そ
の裏面に接着剤を介して繊維質の裏打ちシート7を一体
に積層、接着される。なお、木質薄板の厚さが0.2 mm
以下ではフィンガジョイントが困難となる上に、得られ
る木質化粧材Aに立体感を付与することができなく、ま
た、0.6 mm以上の厚さにすると、木質薄板の柔軟性が
阻害されて木質化粧材Aを曲率半径の大きな製品基材面
に貼着やラッピングをすることが困難となる。
【0020】次に、上記のように構成した木質化粧材A
の製造方法について説明すると、まず、木質基板1に転
写印刷を設けるための転写シート4を作成しておく。こ
の転写シート4は、図2に示すように、厚さが10〜150
μm、好ましくは15〜100 μmのポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリプロピレ
ン等のオレフィン系樹脂フィルム、又は合成紙などから
なる基材シート5の裏面に昇華性染料または熱溶融移行
性染料でもって適宜な図柄模様を印刷することによって
印刷層3を設けてなるものである。
【0021】なお、転写シート4の上記基材シート5の
厚みが15μm以下では強度が不足する一方、厚くなり過
ぎるとコストアップになるので上述したように15〜100
μmの厚みのものを使用している。また、この基材シー
ト5と昇華性染料または熱溶融移行性染料によって印刷
された印刷層3との界面には、必要に応じて離型層やマ
スキング層、オーバーレイコート層8が設けられてい
る。
【0022】印刷層3を形成する昇華性染料としては、
公知のものを使用することができ、代表的なものとして
はピリドンアゾ系、アントラキノン系、インドアニリン
系、アゾ系、キノリン系の染料があげられる。また、こ
の昇華性染料を担持するバインダーとしても従来から公
知のものを使用することができ、好ましいバインダーと
してはポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−ア
クリルニトリル共重合樹脂、エチルセルロースあるいは
ヒドロキシエチルセルロース等の耐熱性、染料移行性等
に優れた樹脂をあげることができる。なお、印刷層3に
おける昇華性染料とバインダー樹脂との比率は、重量比
で3/1 〜1/4 が望ましい。この印刷層3は、グラビア印
刷、ロールコート等の公知の手法によって絵柄模様イン
キ層、透明ベタインキ層、半透明インキ層などを順次基
材シート5の裏面に積層することによって形成される
が、目的に応じて必要な層を使用して他の層を省くこと
ができる。
【0023】また、必要に応じて、上記昇華性染料の発
色を向上させるために無機化合物、有機化合物、金属も
しくは金属酸化物が添加される。代表的なものとして、
グウジョウ、チタン白などの無機顔料、アゾ系、キノリ
ン系などの有機顔料、鉄、アルミなどの金属もしくはそ
れらの酸化物があげられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0024】上記のように構成している転写シート4を
図3に示すように、木質基板1の表面に層状に塗布した
染料受容性を有する透明または半透明な液状の合成樹脂
2を介して積層したのち加熱加圧することによって、こ
の液状の合成樹脂2を木質基板1の細胞空隙部内に浸
透、充填させると同時にこの合成樹脂2上に重ね合わせ
た転写シート4の裏面に層着している印刷層3の絵柄模
様を合成樹脂2内に浸透させる。
【0025】この際、絵柄模様は昇華性染料または熱溶
融移行性染料で印刷されている一方、合成樹脂2は染料
受容性を有しているので、絵柄模様が容易に合成樹脂2
内に浸透して内包され、木質基板1の表面のみならず、
該表面から内部に至るまで浸透した状態となって透明ま
たは半透明な合成樹脂2の浸透による木質基板1のWP
C化と共に立体感と奥行き感のある絵柄模様を付与する
ことができるものである。
【0026】次いで、木質基板1を冷却させると、上記
印刷層3の絵柄模様は、木質基板1の表面においては該
表面に固化した合成樹脂2の表層部に固着され、木質基
板1の内部においては木質基板1に浸透、固化した合成
樹脂2の上層部内に浸透、固定された状態となる。しか
るのち、転写シート4の基材シート5を剥離することに
よって木質化粧材Aを得る。
【0027】この木質化粧材Aの製造方法において、木
質基板1に浸透、固化させる染料受容性を有する透明ま
たは半透明な合成樹脂2としてはポリオレフィン系樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂等があげられ、熱
硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。
【0028】屈曲性、柔軟性を有するシート状の木質化
粧材Aを得るためには、合成樹脂2が固化後、可塑性を
有しているものが望ましく、熱硬化性樹脂そのものに可
塑性を付与するには反応条件を調整するか、或いは可塑
剤を添加した合成樹脂を用いる。
【0029】熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン
系、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリアミド系、ウレタン系等の合成樹脂であって、溶剤
乾燥型またはホットメルト型の樹脂組成物で接着性を有
するように変性された合成樹脂を使用することが望まし
い。
【0030】この熱可塑性樹脂を上記合成樹脂2として
用いる場合であっても、木質化粧材Aに柔軟性と共に適
度の硬さを付与することが可能で、このような合成樹脂
としてはポリエステル系ホットメルトや湿気硬化型ウレ
タン系ホットメルト、ポリアミド系ホットメルトなど、
架橋タイプのホットメルト型接着剤があり、作業環境中
のVOC(揮発性有機化合物)などを考慮すると、この
ようなホットメルト型接着剤を上記合成樹脂2として用
いることが好ましい。
【0031】このホットメルト型接着剤の粘度は、80〜
180 ℃の温度範囲で1000〜60000 mPa・s、好ましくは
2000〜40000 mPa・sの粘度範囲のものがよい。粘度が
1000mPa・s未満であると木質基板1(木質薄板)の内
部への浸透性は良くなるが、樹脂の凝集力が低下して印
刷層3と木質基板1との接着性が低下し、粘度が60000
mP・sを超えると、木質基板1の内部への浸透性が悪
くなり、木質基板1の透明感が不足して意匠性が低下す
る。
【0032】上記ホットメルト型接着剤に必要に応じて
有機または無機系の顔料、染料、光輝性顔料等の着色
剤、体質顔料、ロジン等の改質剤、ワックス等を適量、
混合しておいてもよい。このような着色剤や改質剤、ワ
ックス等を添加、混合しているホットメルト型接着剤を
木質基板1に浸透、固化させると共にこのホットメルト
型接着剤によって木質基板に印刷層3を層着させること
により、上記木質化粧材Aを製造すると、得られた木質
化粧材Aに木質基板内部から濡れ状の艶を有する照り感
を発現させることができ、木質感を一層向上させること
ができる。
【0033】このホットメルト型接着剤の塗布は、木質
基板1の表面または転写シート4の裏面のいずれの面で
あってもよく、カーテンスプレー方式や面コーティング
方式等のアプリケータによって所定の厚みに塗布する塗
布方法を採用する。熱圧される以前のこのホットメルト
型接着剤の塗布厚は、ホットメルト型接着剤を浸透させ
る木質基板1の樹種によって多少異なるが、20〜250 μ
m、好ましくは、50〜150 μmの範囲する。
【0034】このように、木質基板1又は転写シート4
に塗布したホットメルト型接着剤の層厚を20〜250 μm
とすることにより、木質基板1と転写シート4とを加
熱、加圧した後の木質基板1には、この木質基板1の内
部にまでホットメルト型接着剤が浸透して透明感が付与
される。なお、ホットメルト型接着剤の塗布厚が20μm
未満では木質基板1の深部にまで浸透する樹脂量が不足
するため、木質基板1の透明感が低下すると共に樹脂に
よる木質基板1の補強効果も低下することになり、塗布
量が250 μm以上になると木質基板1の表面に多量の樹
脂が残存してその樹脂層によりシート感が付与され、木
質感が低下することになるので好ましくない。
【0035】なお、ホットメルト型接着剤を塗布手段に
よることなく、押し出し方式でホットメルト型接着剤を
上記厚み範囲、即ち、20〜250 μmの厚みを有するフィ
ルム状に成形しておき、このフィルム状のホットメルト
型接着剤を木質基板1と転写シート4との間に挿入、介
在させたのち、ホット・コールド機能を有するロールラ
ミや平板プレス等を使用して加熱加圧することによりホ
ットメルト型接着剤を溶融軟化させ、木質基板1の内部
にまで浸透させると同時にこの浸透したホットメルト型
接着剤内に印刷層3の絵柄模様を浸透3'させ、しかるの
ち、冷却してホットメルト型接着剤を固化させる。
【0036】このように、木質基板1と転写シート4と
の間にホットメルト型接着剤2を介在させ、ロールラミ
や平板プレス等によって加熱、加圧することより、ホッ
トメルト型接着剤を溶融させて木質基板1に浸透、固化
させると共にその一部によって木質基板1上に密接して
いる転写シート4の裏面の印刷層3を木質基板1に接着
させた合成樹脂接着剤層2'を形成し、しかるのち、転写
シート4の基材シート5を剥離して木質化粧材Aを製造
するものである。木質化粧材Aの製造後、必要に応じて
木質基板1の表面全面に上記印刷層3を被覆した透明な
保護層を層着してもよい。なお、ロールラミや平板プレ
スによる加圧力は、木質基板1の樹種によって異なる
が、2〜20kg/cm2 、好ましくは5〜15kg/cm
2 である。次に、本発明の具体的な実施例を示す。
【0037】
【実施例1】厚みが0.20mmにスライスした人工突板を
フィンガジョイント等により縦継ぎして連続シートを作
製したのち、この突板シートの裏面に酢ビ系接着剤を介
してポリエステル系不織布を裏打ちすることによって突
板シートを作製した。一方、この突板シートとは別に、
厚み30μmのポリプロピレンコート紙に、剥離補助層、
オーバレイコート層、木目柄の絵柄インキ層、透明ベタ
インキ層、半透明のベタインキ層をグラビア印刷にて順
次印刷し、転写シートを作製した。次いで、吐出温度を
140 ℃、塗布量を50g/m2 にセットしてなる加熱可能
なダイコーターによって上記突板シートの表面にポリエ
ステル系ホットメルト型接着剤(アロンメルトPES1
20H、ショアー硬度(D40);東亜合成株式会社
製)を塗布した。このホットメルト型接着剤層の厚みは
50μmであった。
【0038】しかるのち、ホットメルト接着剤層を設け
ている突板シートの表面に上記転写シートを重ね合わ
せ、170 ℃のヒートローラで加熱加圧した後、冷却ロー
ラにて冷却することによって突板シートと転写シートの
印刷層とをホットメルト型接着剤によって一体に接着さ
せると共に突板シート内にホットメルト型接着剤を浸
透、固化させた。
【0039】続いて、この積層体から転写シート4の基
材シート5を剥がした後、印刷層3を設けている突板シ
ートの表面に軟質のウレタン系の表面保護層を設け、木
質化粧シートを得た。こうして作製した木質化粧シート
は、絵柄模様のインキ層が突板シートに浸透、固化して
いるホットメルト型接着剤内に浸透、固着しており、透
明感と奥向き感を有して階調性に富んだ意匠的にも優れ
た外観を呈するものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】木質化粧材の一部の簡略拡大縦断面図、
【図2】転写シートの一部の簡略拡大縦断面図、
【図3】製造方法を説明するための簡略拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 木質基板 2 合成樹脂 3 印刷層 4 転写シート 5 基材シート A 木質化粧材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 康裕 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 (72)発明者 大山 靖 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 Fターム(参考) 3B005 EB01 FA04 FB26 4F100 AK01B AK07 AK41 AK41G AP00A BA03 BA07 BA10A BA10C DG10 DG15 EC03 EC032 EC18 EH46 EH462 EJ19 EJ192 EJ42 EJ422 EJ50 GB08 HB31 HB31C HB312 JN01 JN01B JN02B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質基板の表面に透明または半透明な合
    成樹脂を介して昇華性染料または熱溶融移行性染料で印
    刷された絵柄模様を含む半透明な印刷層を一体に設けて
    なる木質化粧材であって、上記透明または半透明の合成
    樹脂が上記木質基板内の深部にまで浸透、固化している
    と共に、上記昇華性染料又は熱溶融移行性染料で印刷さ
    れた絵柄模様が木質基板の表面から内部に浸透、固化し
    ている合成樹脂内にまで浸透、固着させていることを特
    徴とする木質化粧材。
  2. 【請求項2】 昇華性染料または熱溶融移行性染料で印
    刷された絵柄模様を含む半透明な印刷層は、離型性を有
    する基材シートに該印刷層が設けられた転写紙から、熱
    転写法によって合成樹脂に昇華転写されてなることを特
    徴とする木質化粧材。
  3. 【請求項3】 透明または半透明な合成樹脂は、染料受
    容性を有する合成樹脂であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の木質化粧材。
  4. 【請求項4】 染料受容性を有する合成樹脂は、熱可塑
    性の溶剤乾燥型またはホットメルト型の樹脂組成物であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の木質化粧材。
  5. 【請求項5】 基材シートの裏面に昇華性染料または熱
    溶融移行性染料で印刷された絵柄模様を含む半透明な印
    刷層を設けている転写シートを、染料受容性を有する合
    成樹脂を介して木質基板の表面に積層したのち加熱加圧
    することにより、染料受容性を有する合成樹脂を木質基
    板の内部にまで浸透させると同時に印刷層の絵柄模様を
    木質基板の表面から合成樹脂の内部にまで浸透、固着さ
    せたのち、冷却して上記印刷層の絵柄模様を浸透させた
    合成樹脂を固化させ、しかるのち、基材シートを剥離す
    ることを特徴とする木質化粧材の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱圧によって透明または半透明の染料受
    容性を有する合成樹脂を木質基板の裏面に達するまで浸
    透させることを特徴とする請求項5に記載の木質化粧材
    の製造方法。
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