JP2002283501A - 木質化粧シートおよびその製造方法 - Google Patents

木質化粧シートおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2002283501A
JP2002283501A JP2001090152A JP2001090152A JP2002283501A JP 2002283501 A JP2002283501 A JP 2002283501A JP 2001090152 A JP2001090152 A JP 2001090152A JP 2001090152 A JP2001090152 A JP 2001090152A JP 2002283501 A JP2002283501 A JP 2002283501A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
decorative sheet
wooden board
sheet
transparent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001090152A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Oshima
正之 大島
Takahito Shimojo
隆仁 下庄
Yasuhiro Harada
康裕 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiken Trade and Industry Co Ltd filed Critical Daiken Trade and Industry Co Ltd
Priority to JP2001090152A priority Critical patent/JP2002283501A/ja
Publication of JP2002283501A publication Critical patent/JP2002283501A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Making Paper Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性を有して割れや亀裂等を生じさせるこ
となく曲面を有する家具等の製品基材表面に容易に貼着
することができると共に、表面が濡れ状の艶を有する照
り感と明瞭な木目模様を発現した優れた外観を呈する木
質化粧シートを得る。 【解決手段】 突板単板よりなる木質薄板1の表面にホ
ットメルト型接着剤2を介して、裏面に着色された半透
明の印刷層3を設けている転写シート6を積層したの
ち、加熱、加圧することによって上記ホットメルト型接
着剤2を木質薄板1の裏面に達するまで浸透、固化させ
ると共にこのホットメルト型接着剤2によって上記印刷
層3を木質薄板1の表面に一体に接着し、しかるのち、
転写シート6を剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の家具や建具の
表面化粧材として使用される木質化粧シートとその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から家具等の表面化粧材として使用
される木質化粧シートを得る方法としては、例えば、木
質薄板の表面に合成樹脂液の塗布層を介して離型シート
を重ね合わせたのち、熱圧することによって合成樹脂液
を木質薄板内に浸透させる方法が知られているが、この
方法では木質薄板に透明感を与えると共にその物性を改
良することが可能であっても、外観が木質薄板の樹種そ
のものが表面に現出した外観を呈することになるため、
良好な化粧表面を得るには高級な木目模様を有する高級
銘木を用いなければならず、資源の枯渇の問題から入手
し難い上、製品が高価につくという問題点がある。
【0003】このため、安定的に入手できる突板単板か
らなる木質薄板を用いてその表面に木目模様の印刷層を
一体に層着することが行われている。このような方法と
して具体的には、裏面に繊維質シートを裏打ちしている
突板の表面に転写シートを重ね合わせて熱圧することに
より該転写シートに印刷している印刷層を突板の表面に
転写する方法や、半透明性を有する木目模様を印刷した
透明フィルムを突板の表面に貼り付ける方法等が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
木質化粧シートの製造方法によれば、突板の表面に印刷
層を単に転写しているにすぎないものであるから、突板
自体の照り感を現出させることができても、高級な外観
を呈することができる濡れ状の艶を有する照り感を付与
することができず、また、この木質化粧シートを、例え
ば、洗面台や流し台等のカウンタートップのように角部
が円弧状の曲面に形成されている基材の表面に貼り付け
る場合や曲率半径の小さい異形断面形状の基材表面に貼
り付ける場合には、突板を基材の曲面に沿って湾曲させ
た時にその曲げ剛性によって亀裂や割れが生じる虞れが
あると共に印刷層にクラックが入って商品価値を著しく
低下させるという問題点がある。
【0005】一方、後者の木質化粧シートの製造方法に
よれば、得られた木質化粧シートは突板の表面に透明フ
ィルムが一体的に層着された構造となっているために、
シートの透明感が表面に現出して天然の木質感を発現さ
せることができなく、また、廃棄時には分別解体に多大
な手間とコストが掛かってリサイクルが難しくなるとい
う問題点がある。
【0006】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、化粧表面が濡れ状
の艶を有する照り感と明瞭な木目模様を発現して意匠的
にも優れた高級な外観を呈すると共に、使用目的に応じ
た物性を有する木質化粧シートとその木質化粧シートの
製造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の木質化粧シートは、木質薄板の表面に透明ま
たは半透明の着色された接着性を有する合成樹脂を介し
て着色された半透明の印刷層を一体に接着してなる木質
化粧シートであって、上記透明または半透明の着色され
た接着性を有する合成樹脂が上記木質薄板内の深部にま
で浸透、固化している構造を有する。
【0008】このように構成した木質化粧シートにおい
て、請求項2に係る発明は、上記木質薄板として厚さが
0.15〜0.6mm にスライスされた突板単板を用いているこ
とに特徴を有する。なお、請求項3に記載したように、
木質薄板の裏面に繊維質シートからなる裏打ちシートを
接着剤を介して一体に層着しておくことが望ましい。
【0009】請求項4に係る発明は上記木質化粧シート
の製造方法であって、裏面に着色された半透明の印刷層
を設けている転写シートを透明または半透明の着色され
た接着性を有する合成樹脂を介して木質薄板の表面に積
層したのち熱圧することにより、合成樹脂を木質薄板の
深部にまで浸透させると同時に印刷層を合成樹脂によっ
て木質薄板の表面に接着させ、しかるのち、冷却して木
質薄板内の合成樹脂を固化させると共に上記転写シート
を剥離することを特徴としている。
【0010】この木質化粧シートの製造方法において、
請求項5に係る発明は、上記熱圧によって透明または半
透明の着色された接着性を有する合成樹脂を木質薄板の
裏面にまで浸透させることを特徴とする。
【0011】上記透明または半透明の着色された接着性
を有する合成樹脂としては、請求項6に記載したよう
に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれか一方、
若しくはこれらの混合物を用いることができ、また、熱
可塑性樹脂の場合には請求項7に記載したように、溶剤
乾燥型またはホットメルト型の樹脂組成物を用いる。な
お、転写シートの剥離後において、印刷層を設けている
木質薄板の表面全面に保護層を設けてもよい。
【0012】
【作用効果】木質薄板内にはその深部にまで合成樹脂が
浸透、固化しているので、木質薄板全体が所謂、WPC
(Wood Plastic Combination) の状態となって該木質薄
板の透明感を増大させることができるばかりでなく、こ
の合成樹脂によって木質薄板表面に着色された半透明の
印刷層が一体に接着されているから、透明感を有する木
質薄板と相まって表面が濡れ状の艶を有する照り感を発
現し、明瞭な木目印刷模様が現出した優れた外観を呈す
ることができる。その上、木質薄板内に浸透、固化して
いる合成樹脂は、透明又は半透明の着色された合成樹脂
であるから木質薄板はこの合成樹脂によってその内部か
ら発色して表面の印刷層と共に深みのある化粧面を呈す
る。
【0013】さらに、木質化粧シートは、その木質薄板
内に浸透、固化している合成樹脂の種類に応じた物性を
有している。即ち、該合成樹脂が硬質の場合には優れた
剛性、耐磨耗性を発揮して耐傷性が要求される平坦な床
材やカウンタートップの表面化粧シートとして最適に用
いることができ、軟質の合成樹脂の場合にはその柔軟性
により亀裂や割れ等が生じることなくさらには印刷層に
クラックを生じさせることなく、製品基材の曲面や凹凸
面や円筒形状又は円柱形状の製品基材の表面に正確且つ
能率よく貼着することができる。
【0014】また、上記木質薄板はその厚みを0.6mm 以
下の極めて薄い厚みに形成しているから、上述したよう
に曲面を有する製品基材の表面に貼着する場合には、良
好な柔軟性、屈曲性を発揮して小さな曲率半径を有する
曲面であっても円滑且つ確実に表面化粧シートとして貼
着することができ、その上、この木質薄板の裏面に繊維
質シートからなる裏打ちシートを接着しているので、製
品基材との馴染み性が良好であるばかりでなく、木質薄
板がこの裏打ちシートにより補強されて亀裂等の発生を
一層、確実に防止することができる。
【0015】このような木質化粧シートの製造方法とし
ては、請求項4に記載したように、裏面に着色された半
透明の印刷層を設けている転写シートを透明または半透
明の着色された接着性を有する合成樹脂を介して木質薄
板の表面に積層したのち熱圧することにより、合成樹脂
を木質薄板の深部にまで浸透させると同時に印刷層を合
成樹脂によって木質薄板の表面に接着させ、しかるの
ち、冷却して木質薄板内の合成樹脂を固化させると共に
上記転写シートを剥離するので、合成樹脂を木質薄板の
深部にまで浸透、固化させると同時にこの合成樹脂によ
って木質薄板表面に印刷層を強固に接着せることがで
き、その上、木質薄板内に浸透する着色された合成樹脂
によって木質薄板全体が発色した透明感を発現すると共
に、この着色した透明又は半透明の合成樹脂と該合成樹
脂によって木質薄板の表面に接着された印刷層とが良好
に調和して表面の照り感が反映し、意匠的に優れた深み
のある木質化粧シートを簡単且つ能率よく製造すること
ができる。
【0016】合成樹脂は木質薄板の種類や厚み、得られ
る意匠性によって木質薄板内に、その一部またはほぼ全
部が浸透し、より深みのある意匠性を得るには、請求項
5に係る発明のように合成樹脂を木質薄板の裏面にまで
浸透させる必要がある。
【0017】さらに、請求項6に係る発明によれば、上
記透明または半透明の着色された接着性を有する合成樹
脂として、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれか
一方、若しくはこれらの混合物を使用しているので、木
質薄板に浸透させる合成樹脂の種類に応じた物性を有す
る木質化粧シートを得ることができる。即ち、木質薄板
に熱硬化性樹脂液を浸透、固化させることによって優れ
た剛性、耐傷性を付与することができる一方、軟質の熱
可塑性樹脂、特に、ホットメルト型の樹脂組成物を木質
薄板に浸透、固化させることによって良好な柔軟性を発
揮して曲率半径の大きい製品基材であっても亀裂や割れ
が生じることなく簡単且つ正確に貼着することができる
木質化粧シートが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
について説明すると、図1は本発明の木質化粧シートA
の一例を示すもので、この木質化粧シートAは、木質薄
板1の表面に透明または半透明の着色された合成樹脂接
着剤層2'によって印刷層3を接着していると共に木質薄
板1の内部は上記合成樹脂接着剤層2'を形成している合
成樹脂2をその裏面に達した深さまで浸透、固化させて
所謂WPC化されてあり、さらに、木質薄板1の表面全
面に上記印刷層3を被覆した透明な保護層4を層着して
いる。また、木質薄板1の裏面には和紙や不織布等の薄
い繊維質シートからなる裏打ちシート5が一体に設けら
れている。
【0019】上記木質薄板1としては、木材を0.15〜0.
6 mmの厚さ、好ましくは0.2 〜0.5 mmの厚さにスラ
イスされた突板単板であり、突板単板は連続的に加工さ
れるために、フィンガージョイントによって帯状の長尺
シートに形成しておくことが好ましい。この際、長尺シ
ートの裏面に接着剤を介して上記繊維質シートからなる
裏打ちシート5を一体に積層、接着される。なお、木質
薄板1の厚さが0.2 mm以下ではフィンガジョイントが
困難となる上に、木質化粧シートAに立体感を付与する
ことができなく、また、0.6 mm以上の厚さにすると、
木質薄板1の柔軟性が阻害されて木質化粧シートAを曲
率半径の大きな製品基材面に貼着やラッピングをするこ
とが困難となる。この木質薄板1の樹種については特に
限定されないが、安価で容易に入手できるものが望まし
い。
【0020】一方、木質薄板1の表面に貼着される上記
着色された半透明の印刷層3は、図2に示すように厚さ
が10〜150 μm、好ましくは15〜100 μmのポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、ポ
リプロピレン等のオレフィン系樹脂フィルム、又は和紙
などからなる転写シート6の裏面に剥離層7を介して層
着されてあり、木質薄板1の表面に上記透明または半透
明の着色された合成樹脂接着剤層2によって貼着後、転
写シート6を剥離することによって形成されるものであ
る。なお、この印刷層3は、グラビア印刷、ロールコー
ト等の公知の手法により絵柄印刷層、透明ベタインキ
層、半透明インキ層を順次、転写シート6の裏面に積層
することによって形成されているが、所望の表面意匠に
よって必要な層のみを転写シート6の裏面に層着してお
いてもよい。
【0021】次に、上記のように構成した木質化粧シー
トAの製造方法について説明すると、図3に示すよう
に、木質薄板1の表面に接着性を有する未固化の透明ま
たは半透明の着色された合成樹脂2を介して上記転写シ
ート6を積層したのち、加熱、加圧することによって上
記合成樹脂2を木質薄板1の裏面に達する深さにまで浸
透させると同時にこの合成樹脂2の一部によって転写シ
ート6の裏面に層着している上記印刷層3を木質薄板1
の表面に接着し、しかるのち、冷却して木質薄板1内に
浸透している合成樹脂2及び木質薄板1表面の合成樹脂
2'を固化させると共に上記転写シート6を剥離するもの
である。
【0022】上記木質薄板1と転写シート6とは帯状の
長尺シートに形成されており、この長尺シートを繰り出
しながら重ね合わせる際に、これらのシート間に上記合
成樹脂2を介在させるか、或いは一方のシートに塗布
し、熱圧ローラによって加熱、加圧したのち、冷却ロー
ラによって冷却することにより、木質化粧シートAを製
造するものであるが、定尺の木質薄板1と転写シート6
との間に接着性を有する上記合成樹脂2を介在させた状
態で平盤によって加熱、加圧してもよい。なお、転写シ
ート6の厚みは、15μm以下では強度が不足し、厚くな
りすぎるとコストアップにつながるので、上述したよう
に15〜100 μm程度の厚みのものを用いることが好まし
い。
【0023】透明または半透明の着色された合成樹脂2
としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれか
一方、若しくはこれらの混合物を用いることができる。
熱硬化性樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等であ
り、これらの樹脂のプレポリマーやポリマーのみなら
ず、オリゴマーなどを用いてもよい。
【0024】屈曲性、柔軟性を有する木質化粧シートA
を得るためには、合成樹脂2が固化後、可塑性を有して
いるものが望ましく、熱硬化性樹脂そのものに可塑性を
付与するには反応条件を調整するか、或いは可塑剤を添
加した合成樹脂を用いる。
【0025】一方、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフ
ィン系、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリアミド系、エレタン系等の合成樹脂であって、
溶剤乾燥型またはホットメルト型の樹脂組成物で接着性
を有するように変性された合成樹脂を使用することが望
ましい。
【0026】この熱可塑性樹脂を上記合成樹脂2として
用いる場合であっても、木質化粧シートAに柔軟性と共
に適度の硬さを付与することが可能で、このような合成
樹脂としてはポリエステル系ホットメルトや湿気硬化型
ウレタン系ホットメルト、ポリアミド系ホットメルトな
ど、架橋タイプのホットメルト型接着剤があり、作業環
境中のVOC(揮発性有機化合物)などを考慮すると、
このようなホットメルト型接着剤を上記合成樹脂2とし
て用いることが好ましい。
【0027】このホットメルト型接着剤の粘度は、80〜
180 ℃の温度範囲で1000〜60000 mP・s、好ましくは
2000〜40000 mP・sの粘度範囲のものがよい。粘度が
1000mP・s未満であると木質薄板1の内部への浸透性
は良くなるが、樹脂の凝集力が低下して印刷層3と木質
薄板1との接着性が低下し、粘度が60000 mP・sを超
えると、木質薄板1の内部への浸透性が悪くなり、木質
薄板1の透明感が不足して意匠性が低下する。
【0028】上記ホットメルト型接着剤に必要に応じて
有機または無機系の顔料、染料、光輝性顔料等の着色
剤、体質顔料、ロジン等の改質剤、ワックス等を適量、
混合しておいてもよい。このような着色剤や改質剤、ワ
ックス等を添加、混合しているホットメルト型接着剤を
木質薄板1に浸透、固化させると共にこのホットメルト
型接着剤によって木質薄板表面に印刷層3を接着させる
ことにより、上記木質化粧シートAを製造すると、得ら
れた木質化粧シートAに木質薄板内部から濡れ状の艶を
有する照り感を発現させることができ、木質感を一層向
上させることができる。
【0029】このホットメルト型接着剤を熱圧一体され
る前の木質薄板1と転写シート6間に層状に設ける方法
としては、カーテンスプレー方式や面コーティング方式
等のアプリケータによって木質薄板1と転写シート6と
のいずれか一方の対向面に所定の厚みに塗布する塗布方
法を採用する。ホットメルト型接着剤の塗布厚は、この
ホットメルト型接着剤を浸透させる木質薄板1の樹種に
よって多少異なるが、木質薄板1の厚みの1/10〜1/2 、
好ましくは1/5 〜1/3 の厚み範囲とする。
【0030】このように、木質薄板1又は転写シート6
に塗布したホットメルト型接着剤の層厚を1/5 〜1/3 と
することにより、木質薄板1と転写シート6とを加熱、
加圧した後の木質薄板1には、この木質薄板1の裏面に
までホットメルト型接着剤が浸透して透明感が付与され
る。なお、ホットメルト型接着剤の塗布厚が1/10未満で
は木質薄板1の深部にまで浸透する樹脂量が不足するた
め、木質薄板1の透明感が低下すると共に樹脂による木
質薄板1の補強効果も低下することになり、塗布量が1/
2 以上になると木質薄板1の表面に多量の樹脂が残存し
てその樹脂層によりシート感が付与され、木質感が低下
することになるので好ましくない。
【0031】なお、ホットメルト型接着剤を塗布手段に
よることなく、押し出し方式でホットメルト型接着剤を
上記厚み範囲、即ち、木質薄板1の1/5 〜1/3 の厚みを
有するフィルム状に成形しておき、このフィルム状のホ
ットメルト型接着剤を木質薄板1と転写シート6との間
に挿入、介在させてもよい。
【0032】このように、木質薄板1と転写シート6と
の間にホットメルト型接着剤を介在させ、ホット−コー
ルド機能を有するロールラミや平板プレス等の熱圧手段
によって加熱、加圧することより、このホットメルト型
接着剤を溶融させて木質薄板1に浸透、固化させると共
にその一部によって木質薄板1上に密接している転写シ
ート6の裏面の印刷層3を木質薄板1に接着させた合成
樹脂接着剤層2'を形成し、しかるのち、転写シート6を
剥離して木質薄板1の印刷層3を一体に設けた木質化粧
シートAを製造するものである。木質化粧シートAの製
造後、必要に応じて木質薄板1の表面全面に上記印刷層
3を被覆した透明な保護層4を層着してもよい。なお、
熱圧手段による加圧力は、木質薄板1の樹種によって異
なるが、2〜20kg/cm2 、好ましくは5〜15kg/
cm2 である。次に、本発明の具体的な実施例を示す。
【0033】
【実施例1】厚みが0.22mmにスライスしたユーカリの
突板をフィンガジョイント等により縦継ぎして連続シー
トを作製したのち、このシートの裏面に酢ビ系接着剤を
介してポリエステル系不織布を裏打ちすることによって
突板シートを作製した。一方、この突板シートとは別
に、厚み30μmのポリプロピレンコート紙に、剥離補助
層、木目柄の絵柄インキ層、透明ベタインキ層、半透明
のベタインキ層をグラビア印刷にて順次印刷し、転写シ
ートを作製した。次いで、吐出温度を140 ℃、塗布量を
100 g/m2 にセットしてなる加熱可能なダイコーター
によって上記突板シートの表面にEVA系ホットメルト
型接着剤〔UC035、溶融粘度37900 mPa・s(14
0 ℃);アロンエバーグリップリミテッド製〕を塗布し
た。このホットメルト型接着剤層の厚みは95μmであっ
た。
【0034】しかるのち、ホットメルト接着剤層を設け
ている突板シートの表面に上記転写シートを重ね合わ
せ、120 ℃のヒートローラで加熱加圧した後、冷却ロー
ラにて冷却することによって突板シートと転写シートの
印刷層とをホットメルト型接着剤によって一体に接着さ
せると共に突板シート内にホットメルト型接着剤を浸
透、固化させた。この突板シートの裏面からは、ホット
メルト型接着剤が滲み出していた。
【0035】続いて、この積層体から転写シートを剥が
した後、印刷層3を設けている木質薄板の表面に軟質の
ウレタン系の表面保護層を設け、木質化粧シートを得
た。こうして作製した木質化粧シートを角部の曲率半径
が10mmの曲面形状を有する部材を通常のラッピング貼
り合わせ機によりラッピング加工したところ、部材の角
部の表面にクラックもなく、非常に木質の照り感の高い
ものであった。
【0036】
【実施例2】厚みが0.5 mmにスライスしたマンガシロ
の突板をフィンガジョイント等により縦継ぎして連続シ
ートを作製したのち、このシートの裏面に酢ビ系接着剤
を介してポリエステル系不織布を裏打ちすることによっ
て突板シートを作製した。一方、この突板シートとは別
に、厚み30μmのポリプロピレンコート紙に、剥離補助
層、木目柄の絵柄インキ層、透明ベタインキ層、半透明
のベタインキ層をグラビア印刷にて順次印刷し、転写シ
ートを作製した。次いで、吐出温度を140 ℃、塗布量を
80g/m2 にセットしてなる加熱可能なダイコーターに
よって上記突板シートの表面にポリエステル系ホットメ
ルト型接着剤〔アロンメルトPES120H ショアー
硬度(D47);東亜合成株式会社製〕を塗布した。こ
のホットメルト型接着剤の厚みは75μmであった。
【0037】しかるのち、ホットメルト接着剤層を設け
ている突板シートの表面に上記転写シートを重ね合わ
せ、130 ℃のヒートローラで加熱加圧した後、冷却ロー
ラにて冷却することによって突板シートと転写シートの
印刷層とをホットメルト型接着剤によって一体に接着さ
せると共に突板シート内にホットメルト型接着剤を浸
透、固化させた。この突板シートの裏面からは、ホット
メルト型接着剤が滲み出していた。
【0038】続いて、この積層体から表面の転写シート
を剥がした後、鉛筆硬度で3Hのハードコートタイプの
UV硬化塗膜の表面保護層を設け、木質化粧シートを得
た。こうして作製した木質化粧シートを6mm厚のMD
Fに酢ビ系接着剤で接着し、床材を得たところ、この床
材の表面硬度は、鉛筆硬度で3Hで、意匠性に優れたも
のであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】木質化粧シートの一部の簡略拡大縦断面図、
【図2】転写シートの一部の簡略拡大縦断面図、
【図3】製造方法を説明するための簡略拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 木質薄板 2 接着性を有する合成樹脂 3 印刷層 4 保護層 5 裏打ちシート 6 転写シート A 木質化粧シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (72)発明者 原田 康裕 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 Fターム(参考) 2B230 AA16 BA03 CB25 EB02 2B250 AA06 AA13 BA03 CA11 DA03 FA33 HA01 3E075 BA82 CA01 DD03 DE23 GA04 4F100 AK01B AK22G AK41D AK68B AL05B AP00A AP01A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D CB00 DG01D DG15D EC04 GB08 GB81 HB01C HB31C JB13B JB16B JK13 JK17 JL10B JL10C JL11B JN01B JN01C JN21 4F204 AF08 AG01 AG03 FB01 FB28 FG02 FN11 FN15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質薄板の表面に透明または半透明の着
    色された接着性を有する合成樹脂を介して着色された半
    透明の印刷層を一体に接着してなる木質化粧シートであ
    って、上記透明または半透明の着色された接着性を有す
    る合成樹脂が上記木質薄板内の深部にまで浸透、固化し
    ていることを特徴とする木質化粧シート。
  2. 【請求項2】 木質薄板は厚さが0.15〜0.6mm にスライ
    スされた突板単板であることを特徴とする請求項1に記
    載の木質化粧シート。
  3. 【請求項3】 木質薄板の裏面に繊維質シートからなる
    裏打ちシートが接着剤を介して一体に層着されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の木質化粧シート。
  4. 【請求項4】 裏面に着色された半透明の印刷層を設け
    ている転写シートを透明または半透明の着色された接着
    性を有する合成樹脂を介して木質薄板の表面に積層した
    のち熱圧することにより、合成樹脂を木質薄板の深部に
    まで浸透させると同時に印刷層を合成樹脂によって木質
    薄板の表面に接着させ、しかるのち、冷却して木質薄板
    内の合成樹脂を固化させると共に上記転写シートを剥離
    することを特徴とする木質化粧シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 熱圧によって透明または半透明の着色さ
    れた接着性を有する合成樹脂を木質薄板の裏面にまで浸
    透させることを特徴とする請求項4に記載の木質化粧シ
    ートの製造方法。
  6. 【請求項6】 透明または半透明の着色された接着性を
    有する合成樹脂は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の
    いずれか一方、若しくはこれらの混合物であることを特
    徴とする請求項4又は請求項5に記載の木質化粧シート
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂は溶剤乾燥型またはホット
    メルト型の樹脂組成物であることを特徴とする請求項6
    に記載の木質化粧シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 転写シートの剥離後、印刷層を設けてい
    る木質薄板の表面全面に保護層を設けることを特徴とす
    る請求項4に記載の木質化粧シートの製造方法。
JP2001090152A 2001-03-27 2001-03-27 木質化粧シートおよびその製造方法 Pending JP2002283501A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090152A JP2002283501A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 木質化粧シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090152A JP2002283501A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 木質化粧シートおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002283501A true JP2002283501A (ja) 2002-10-03

Family

ID=18944974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001090152A Pending JP2002283501A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 木質化粧シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002283501A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004279470A (ja) * 2003-03-12 2004-10-07 Osaka Sealing Printing Co Ltd 装着ラベル
JP2010234716A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Victor Co Of Japan Ltd 木製成形体およびその製造方法
JP2017113696A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 Dic株式会社 化粧板の製造方法
CN114525988A (zh) * 2022-02-25 2022-05-24 刘育林 一种木门防变形用树脂片的全新环保生产工艺

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004279470A (ja) * 2003-03-12 2004-10-07 Osaka Sealing Printing Co Ltd 装着ラベル
JP2010234716A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Victor Co Of Japan Ltd 木製成形体およびその製造方法
JP2017113696A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 Dic株式会社 化粧板の製造方法
CN114525988A (zh) * 2022-02-25 2022-05-24 刘育林 一种木门防变形用树脂片的全新环保生产工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6145512A (en) Colored and decorative nail files and methods for making them
CN103153608A (zh) 一种包括聚合物复合材料层的板及制造该板的方法
US8563122B1 (en) Thermoplastic architectural composite laminate materials and associated methods of manufacture
US6394099B1 (en) Decorative nail files incorporating glitter and luminescent material
JP4150816B2 (ja) 可撓性皮革積層品
KR101469199B1 (ko) 입체 라벨 및 그 제조방법
JP2002283501A (ja) 木質化粧シートおよびその製造方法
US6319349B1 (en) Plastic tiles and process for preparing the same
JP3994404B2 (ja) ポリカーボネート/単板 積層体
JP2002038698A (ja) 床材及びその製造方法
JP3853427B2 (ja) 化粧シートおよびこれを用いた化粧板
JP4743360B2 (ja) 射出成形同時積層絵付用の化粧シート及びそれを用いた射出成形同時積層絵付方法
JP3168199B2 (ja) 化粧材の製造方法
KR100928665B1 (ko) 가구 및 내외장재용 대형판넬 및 그 제조방법
JP2002347007A (ja) 木質化粧板及びその製造方法
JP2004114574A (ja) 木質化粧シートおよびその製造方法
JPS63107780A (ja) 化粧材の製法
US20230068566A1 (en) Method for the production of a polyvinyl chloride-free top layer, polyvinyl chloride-free top layer and decking element
JP2001001690A (ja) 転写シート
JP2006021512A (ja) 木質ボード及び無機板基材の表面処理方法
JP2002337272A (ja) 木質化粧材およびその製造方法
JPH01155965A (ja) 漆装飾材の製造方法
JP2558382Y2 (ja) 化粧単板シート
JPS59391B2 (ja) 化粧板の製造方法
JP3637623B2 (ja) 木口材を貼り付けた化粧板の製造方法