JPS5936588B2 - 化粧シ−トの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来基材に貼り合せしたのみで表面化粧出来又化粧板と
同等性能を有する物としては、薄紙及びチタン紙にアミ
ノアルキッド、ウレタン、ポリエステル等の樹脂をコー
ティングした物又は塩化ビニルフィルム等のプラスチッ
クフィルムに印刷やエンボスを行つた物等があるが、こ
れらは次の如き欠点を有している。

すなわち樹脂をコーティングした物は樹脂の含浸が完全
でなく紙層が弱い点が欠点であり又これを改善したシー
ラー紙又は樹脂混抄紙を使用した場合でも柔軟性が残つ
ている事から基材に貼り合せした際基材の凹凸や接着剤
の塗布ムラが表面に表われる。

又、表面のコート層自体もグラビア、ロール、リバース
、カーテン、ナイフ等のコーティング方法によつても樹
脂の性状によりフラットな面を得ることは出来ない。ヌ
、プラスチックフィルムを使用した物はそのフィルム作
成の工程から通常の物は硬度に於いて硬化型樹脂に劣る
。

この事から貼り合せ基材の凹凸や接着剤の塗布ムラを表
面に現わさない為には非常に厚いシートを用意せねぱな
らず作業上、コスト上の問題点がある。本発明者は目ヤ
セ防止を目的として可塑剤２３％含有の厚さ０．７ｍｍ
の塩ビ化粧シートを使用し、該塩ビ化粧シートをラワン
合板に貼り合せて縁甲板を作成した事があつたか、これ
でも目ヤセ防止の目的を達成することはできなかつた。

又性能面でプラスチックフィルムの場合は耐薬品性、耐
汚染性に於いても硬化型樹脂に劣る場合が多い。

この他には高圧メラミン加工シートやデイアリルフタレ
ート加工シートがあるがこれ等は性能は非常に優れた物
である。

しかしながら含浸、プレスの加工工程が更に必要であり
コスト的には非常に高価な物となる。本発明は前記従来
法における種々の欠点を解消し、高圧メラミン加工シー
ト、デイアリルフタレート加工シートに代るもので、し
かも安価で意匠性の良好な、樹脂により完全に含浸され
た化粧シートを提供しようとするものである。

すなわち本発明は適宜模様を有する硬化性不飽和ポリエ
ステル樹脂含浸容易なシート状基材上に硬化性不飽和ポ
リエステル樹脂を塗布し、該硬化性不飽和ポリエステル
樹脂塗布面側には離型性薄膜を配し、反対側には離型性
を有する素材を配して加熱、加圧することにより硬化性
不飽和ポリエステル樹脂を硬化させた後前記離型性薄膜
及び離型性を有する素材を剥離することを特徴とする前
記硬化性不飽和ポリエステル樹脂をシート状基材に完全
に含浸させた化粧シートの製造力法に関するものである
。

次に本発明について図面を参照しながら更に詳細に説明
する。

本発明においては適宜模様２を有する硬化性不飽和ポリ
エステル樹脂含浸容易なシート状基材１か用いられ、該
シート状基材１上には硬化性不飽和ポリエステル樹脂３
を塗布する。

硬化性不飽和ポリエステル樹脂３の塗布量は少なくとも
シート状基材１全体にわたつて含浸するのに必要な量を
塗布しなければならないので用いるシート状基材１の素
材や厚さ等により塗布量は適宜選択する。このように硬
化性不飽和ポリエステル樹脂３を塗布されたシート状基
材１の硬化性不飽和ポリエステル樹脂塗布面側には離型
性薄膜４を配し、反対側には離型性を有する素材５を配
する。第１図はこのような状態を示す説明図である。

硬化性不飽和ポリエステル樹脂塗布面側には離型性薄膜
４を配するが、この離型性薄膜４はフイルムやシート等
の柔軟なものを用いる方が良好な結果を与える。その理
由は離型性薄膜４を配した後気泡を除くのに都合かよい
からである。また反対側に配する離型性を有する素材５
としては離型性を有するものであれば柔軟性を有するも
のでも柔軟性に欠けるものであつても良い。このように
離型性薄膜４及び離型性を有する素材５を配した状態で
加熱、加圧することにより硬化性不飽和ポリエステル樹
脂を硬化させる。

この場合硬化性不飽和ポリエステル樹脂は自然の状態で
の含浸とさらに加圧することによつて含浸が助長される
ためシート状基材全体にわたつて含浸した状態になつて
いる。次いで離型性薄膜４及び離型性を有する素材５を
剥離することにより本発明の化粧シートか得られる。

第２図はこのようにして得られた化粧シートの一実施例
を示す断面図である。本発明の化粧シートは硬化性不飽
和ポリエステル樹脂がシート状基材全体にわたつて含浸
しており、従来の化粧シートに見られた種々の欠点を悉
く解消した優れた性質を有している。

本発明に用いる適宜模様を有する硬化性不飽和ポリエス
テル樹脂含浸容易なシート状基材１としては種々のもの
か用いられる。

そのいくつかを例示すればまず紙ヌは不織布１１を単独
で又はこれらを組み合わせたものを用いることができる
。これらの紙又は不織布等に模様が施してない場合には
これに適宜模様２を施す。これは従来のパターン紙の製
造工程と同じでよく、印刷インキはポリエステル樹脂加
工用の物を使用する。このようなインキとしては例えば
東洋インキ製造（株）製ハイトーンインキやパネルカラ
ーインキが使用できる。透明紙を使用する場合には特に
透明度の高い顔料を選んで使用する場合もある。印刷力
式はグラビア印刷力式が一般的であるが、図柄によつて
いシルクスクリーン印刷方式、オフセツト印刷方式等任
意の方式が利用できる。

第６図はこのようにして得られたシート状基材の一実施
例を示す説明図である。こうして得られたパターン紙を
本発明のシート状基材として用いる場合には坪量３０９
／ｄ以上の紙ではこの紙単独でポリエステル加工を行な
うこともできる。

坪量３０９／ ７７ｚ″以上の紙を単独で用いる場合に
は離型性を有する素材５の上にこのパターン紙を載せ、
この上から硬化性ポリエステル樹脂３を原紙の坪量１に
対して１〜４の割合の量になるように塗布し、さらにこ
の上に離型性薄膜４を載せ気泡を除き、１ｋｇ／ｄ〜
２０ｋｇ／Ｃｄの圧を加え、同時に３０℃〜１００℃の
温度を加えて樹脂を硬化させ、しかる後離型性薄膜４及
び離型性を有する素材５を剥離することにより本発明の
化粧シートが得られる。

このものはパターン紙が完全に樹脂化され、強度の強い
化粧シートとなつており、表面は離型性薄膜４の面によ
つて美虜なる平面となつている。この化粧シートを合板
その他の基材に貼着した場合には従来の樹脂コート化粧
シートを貼着したものでは到底得られない平滑な平面を
もつた化粧板が得られる。

さらに紙そのものか完全に樹脂化されている為に紙層か
破れるということもない。

なおシート状基材として紙を用いる場合にはチタン紙の
如く樹脂を含浸しても不透明であり隠蔽性を有するもの
と一般に透明紙と呼ばれている紙の如く隠蔽性のないも
のとがあるか、隠蔽性のない紙を使用して隠蔽性を付与
したい場合には、不透明顔料を含んだインキによりベタ
刷りの下地印刷を行なつておけば良い。

パターン紙か薄いために該パターン紙単独では樹脂加工
が行い難い場合、あるいはさらに強度を増したり、隠蔽
性を付与したりしたい場合にはこのパターン紙１２の裏
側に樹脂加工が可能な程度の紙や不織布１３等を配して
も良い。

第５図はこの場合の説明図を示す。例えば坪量１５９／
イ〜３０９／イ程度の硬化性不飽和ポリエステル樹脂含
浸容易な紙を用いた場合には、この裏面に坪量３０ｇ程
度あるいはそれ以上の硬化性不飽和ポリエステル樹脂含
浸容易な紙を置けばよい。パタン紙用原紙として隠蔽性
を有していないものを用いて隠蔽性か必要とされる場合
には前記した如く不透明顔料を含むインキによつて下地
印刷を行つて隠蔽性を付与してもよく、あるいは、隠蔽
性を有する紙や不織布１３を用いれば良い。パターン紙
１２が隠蔽性を有する場合には裏側に配置する紙又は不
織布１３は芯材としての厚さと、樹脂含浸性を有したも
のであればよい。

本発明で用いられるシート状基材１としてはさらに天然
木突板１４を使用することもできる。この場合の態様と
しては第４図に示す如く、天然木突板１４の裏面に硬化
性不飽和ポリエステル樹脂含浸可能な紙ヌは不織布１５
を配置したものがある。また他の態様としては第５図に
示す如く天然木突板１４の上にさらに、樹脂含浸した状
態で透明性を有するパターンシート１６を配置してもよ
い。

この場合にはパターンシートの模様は木目模様を施して
おけばよく、パターンシートの木目模様と天然木突板の
模様とが相俟つて立体感を呈する化粧シートか得られる
。天然木突板は巾の広いものは少ないので、巾の広い化
粧シートを必要とする場合にはバリヤーとコア一の役割
を兼ねた紙又は不織布１５の上に複数枚の天然木突板１
４を配置したものを用いればよい。この場合紙又は不織
布１５と天然木突板１４の位置かずれてしまうのを防止
する必要のある場合には接着剤にて貼着しておいてもよ
い。本発明の化粧シートは硬化性不飽和ポリエステル樹
脂をシート状基材１の全体にわたつて含浸させる必要が
あるため、用いる天然木突板１４の厚さは０．１〜０．
５１＆ｍ位までのものか適当であるが０．３５ｍｍ１位
のものは特に適当である。この場合の紙又は不織布１５
としては坪量１５９／イ程度あるいはそれ以上のものが
適当である。天然木突板１４に隠蔽性が欠けているよう
な場合でシート状基材として隠蔽性を必要とするような
場合には紙ヌは不織布１５として不透明なものを用いれ
ばよい。第３図に示す如く天然木突板１４の上にパター
ンシート１６を配置する場合には安価な突板を下地色と
して使用することもできる。

この下地色として用いる場合に下地柄を統一する必要が
あるときには、柾目採りをした天然木突板を用いる方が
良い。このような天然木突板を用いた場合には、加える
圧力や硬化性不飽和ポリエステル樹脂の硬化速度を調整
することにより、突板の導管部が凹部となつた表面を有
する化粧シートを得ることも可能である。

第４図に示す如くパターン紙を用いないで天然木突板を
用いたものは天然木の感じか出る事で木目化粧シートと
しては最高のものか得られるか、天然木のため同一の柄
のものを大量にそろえるという事は不可能に近いという
欠点がある。天然木突板を下地色として用い、天然木突
板の他にパターン紙を用いる場合には、安価な天然木突
板でも使用でき、しかも天然木の深み、輝り、凹凸感を
生かしなから、なおかつ前記した如く、柄をそろえるこ
とはそれ程困難ではなく、従つて柄のそろつた高級柄の
化粧シートを得ることかできる。本発明で用いる剥離性
薄膜４としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニール、ビニロン、テトロン、ナイロン、テフロン
、ウレタン等の樹脂のフイルム又はシートか用いられ、
さらにシリコンゴムのフイルム又はシート等も利用でき
、あるいはこれらの樹脂やシリコン又はアミノアルキツ
ド樹脂やワツクス等を紙その他のシートヌはフイルムに
コートしたものを用いることができる。

また剥離性を有する素材５としては前記剥離性薄膜４と
して列記したものを使用することができ、それ以外にも
前記した剥離性を有する樹脂ワツクスを金属板等の基材
にコートしたものや、前記した剥離性を有する樹脂の樹
脂板でもよい。

本発明で用いる硬化性不飽和ポリエステル樹脂としては
一般に市販されているものでよく不飽和ポリエステル樹
脂に硬化剤、硬化促進剤等を配したものである。

本発明により得られる化粧シートは前記した如く用いる
シート状基材の態様によつて種々の化粧シートが得られ
る。

本発明においては硬化性不飽和ポリエステル樹脂がシー
ト状基材全体に含浸した化粧シートを得る新規な方法を
提供するものであり、このようにして得られた化粧シー
トは、従来の化粧シートの欠点すなわち樹脂の含浸が充
分に行われず従つて強度が弱いという欠点、基材の凹凸
や接着剤の塗布ムラ等か表面に出てしまうという欠点、
表面に樹脂をコートする場合でもフラツトな面は得られ
にくいという欠点、デイアリルフタレート樹脂加工やメ
ラミン樹脂加工を施した化粧シートを得る場合の工程が
多いという欠点を悉く解消したものである。

この他に本発明においては得られる化粧シートは強度が
大きくしかも柔軟性を有しているので平面のみならず曲
面への貼着が可能であり、しかも用いる硬化性不飽和ポ
リエステル樹脂は市販されているものでよく、さらに貼
り合せをしてしまつた後にはポリエステル樹脂加工かで
きないような貼り合せ基材、あるいはポリエステル樹脂
加工はできるが高価なものになつてしまうというものに
は本発明の化粧シートは安価にしかも容易に適用できる
という効果を有する。

次に本発明の実施例を示す。

実施例 大福製紙（株）製オーバーレイ紙１．５ｍｉ１ｓに東洋
インキ（株）製ｒイトーンインキにて木目柄を印刷した
。

一方国光製緬（株）製レーヨン不織布５０ｇ／７ＦＩ’
に酢ビ尿素型接着剤にてマンガシロノ突板（柾目採り）
０．２５ｍ／ｍ厚の物を貼り合せした。厚さ５０μの東
京セロフアン（株）製ポリエステル離型用ビニロンフイ
ルムをしきその上にマンガシロノを上にして不織布と貼
り合せした物を乗せその上に上記のオーバーレイ紙に木
目印刷を施したものをのせさらにこの上に下記配合のポ
リエステル樹脂を塗布しこの上に上記ビニロンフイルム
を乗せローラーにより気泡を除きこれを平面プレスにて
７０℃、１０ｋｇ／一、５分間プレスして、ポリエステ
ル樹脂を硬化させた。その后上下の離型フイルムをはず
，しポリエステル化粧シートであり表面導管部凹みのあ
る製品を得た。ポリエステル樹脂配合 昭和高分ヂ掬製リゴラツク２２０４Ｂ−６１００重量部
日本油脂（株）製パーメツク１重量部

【図面の簡単な説明】

第１図はシート状基材に離型性薄膜及び離型性を有する
素材を配した状態の説明図、第２図は本発明により得ら
れる化粧シートの一実施例の説明図、第３図から第６図
は本発明のシート状基材の種々の態様の説明図をそれぞ
れ示す。 １ ・・−・・シート状基材、２ ・・・・・・模様、
３・・・・・・硬化性不飽和ポリエステル樹脂、４・・
・・・・離型性薄膜、５・・・・・・離型性を有する素
材、１１，１３，１５・・・・・・紙又は不織布、１２
・・・・・・パターン紙、１４・・・・・・天然木突板
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 適宜模様を有する硬化性不飽和ポリエステル樹脂含
   浸容易なシート状基材上に硬化性不飽和ポリエステル樹
   脂を塗布し、該硬化性不飽和ポリエステル樹脂塗布面側
   には離型性薄膜を配し、反対側には離型性を有する素材
   を配して加圧加熱することにより硬化性不飽和ポリエス
   テル樹脂を硬化させた後前記離型性薄膜及び離型性を有
   する素材を剥離することを特徴とする前記硬化性不飽和
   ポリエステル樹脂をシート状基材全体に含浸させた化粧
   シートの製造方法。 ２ 前記シート状基材として紙又は不織布の単独又はこ
   れらを組み合せたものを用いる特許請求の範囲第１項記
   載の製造方法。 ３ 前記シート状基材として厚さ０．１〜０．５ｍｍの
   天然木突板の裏面に、紙、不織布、織布等の柔軟性を有
   するシート状物を配置したものを用いる特許請求の範囲
   第１項記載の製造方法。 ４ 前記シート状基材として、最上部には樹脂の含浸に
   より透明になる紙又は不織布を配し、その下には天然木
   突板を配し、最下部には紙又は不織布を配したものを用
   いる特許請求の範囲第１項記載の製造方法。