JPH1178269A - 熱転写シートおよびその製造方法 - Google Patents

熱転写シートおよびその製造方法

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JPH1178269A
JPH1178269A JP10191782A JP19178298A JPH1178269A JP H1178269 A JPH1178269 A JP H1178269A JP 10191782 A JP10191782 A JP 10191782A JP 19178298 A JP19178298 A JP 19178298A JP H1178269 A JPH1178269 A JP H1178269A
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transfer sheet
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urethane
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Kazuo Nozu
一雄 野津
Kenji Nakama
憲司 中間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式により耐水性の高い記録
画像を形成し、この記録画像を被転写体へ熱転写し、耐
洗濯性の高い転写画像を得る。 【解決手段】 離型性基材の少なくとも一方の面に、カ
チオン性重合体及び/又はウレタン系重合体、親水性重
合体およびホットメルト接着性樹脂(ナイロン系,ポリ
エステル系,ポリウレタン系樹脂)で構成されたインク
受容層を形成する。カチオン性重合体は、アクリル系又
はウレタン系重合体(ポリエステル型ウレタン系重合
体)の水性エマルジョンで構成でき、親水性重合体は、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロ
ース誘導体又はこれらの変性体であってもよい。さら
に、インク受容層は、架橋剤,可塑剤,染料定着剤を含
んでいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写シートおよび
その製造方法、さらに詳しくはインクジェット記録方式
におけるインクの吸収性、記録画像の耐水性および耐洗
濯性に優れ、記録画像を被転写体に転写して転写画像を
形成するのに有用な熱転写シートおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易であり、低騒音で印字品質に優れている。イン
クジェット記録には、安全性、記録適性の点から主に水
系インクが使用され、ノズルから記録用シートにむけて
インク小滴を飛翔させることにより記録が行われる。こ
のため、記録用シートは、速やかにインクを吸収するこ
と、高い定着性が要求される。また、衣類などの被転写
体に記録画像を熱転写して転写画像を形成する場合、転
写画像用シートには、熱転写性および接着性のみなら
ず、高い耐水性および耐洗濯性が要求される。
【0003】特開昭63−60784号公報には、支持
体の表面に、インク(特に油性インク)中の溶剤に溶解
又は膨潤する有機高分子微粒子を含有するインク吸収層
を形成したインクジェット記録用シートが開示されてい
る。特開平7−25133号公報には、ポリオレフィン
樹脂被覆紙又はポリエステルフィルムで形成された支持
体の少なくとも一方の面に、平均粒子径5〜15μmの
球状微粒子ポリマーを、乾燥重量で5〜30mg/m2
の割合で含み、かつ厚みが前記球状微粒子ポリマーの平
均粒子径よりも小さなインク受理層が形成されたインク
ジェット記録シートが開示されている。特開昭63−1
15780号公報には、4級アンモニウム塩を含む重合
体を支持体に塗布したインクジェット記録用シートが開
示され、合成シリカを併用すること、バインダーとして
ポリビニルアルコールなどを併用することも記載されて
いる。しかし、これらの記録用シートでは、インクの定
着性や耐水性を高いレベルに向上させることができな
い。特に、記録画像を被転写体へ熱転写するのが困難で
ある。さらに、仮に、被転写体に転写画像を形成したと
しても、耐洗濯性および耐久性が劣る。
【0004】特開平8−324106号公報には、基材
の一方の面に、ホットメルト樹脂(エチレン−酢酸ビニ
ル系,ポリエステル系,ゴム系など)で構成された多孔
質構造のインク受容層が形成されたインクジェット記録
用シートが開示されている。特開平8−207425号
公報には、基材の一方の面に、ホットメルト樹脂(ポリ
アミド系,ポリエステル系などのほか、飽和ポリエステ
ル樹脂などの水溶性ホットメルト樹脂)と親水性樹脂
(ポリアクリルアミド,ポリビニルアルコール,ポリビ
ニルピロリドンなど)とを含むインク受容層が形成され
たインクジェット記録用シートが開示されている。この
記録用シートは、加熱によりフィルムなどと貼合わせる
ことができる。しかし、これらのインク受容層は、イン
クの定着性および耐水性が十分でない。特に耐洗濯性が
十分でないため、衣類などへ記録画像を熱転写したとし
ても、長期間に亘り鮮明な転写画像を維持できなくな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、熱転写性を有するとともに、耐水性およびインク吸
収性を高度に改善できる熱転写シートとその製造方法を
提供することにある。本発明の他の目的は、耐洗濯性が
大きく改善され、衣類などの被転写体への熱転写により
長期間に亘り鮮明な画像を維持できる熱転写シートおよ
びその製造方法を提供することにある。本発明のさらに
他の目的は、耐水性および耐洗濯性に優れているととも
に、風合いに優れる転写画像を形成できる熱転写シート
およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討の結果、基材シートに対して
剥離可能なインク受容層として、カチオン性重合体及び
/又はウレタン系重合体と親水性重合体とホットメルト
接着性樹脂との組合わせたインク受容層を形成すると、
熱転写性に加えて、耐水性およびインク吸収性を向上で
きることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本
発明の熱転写シートは、基材の少なくとも一方の面に、
インク受容層が剥離可能に形成されており、前記インク
受容層は、カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合
体、親水性重合体およびホットメルト接着性樹脂で構成
されている。本発明の熱転写シートは、離型性基材の少
なくとも一方の面に、カチオン性重合体及び/又はウレ
タン系重合体,親水性重合体およびホットメルト接着性
樹脂で構成されたインク受容層を形成する方法により製
造できる。
【0007】なお、本明細書において、「親水性重合
体」とは、水に対して親和性を有する種々の高分子を意
味し、吸水性高分子や水溶性高分子も含む意味に用い
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写シートは、基材
と、この基材に対して剥離可能に形成されたインク受容
層とを備えており、このインク受容層は、通常、カチオ
ン性重合体及び/又はウレタン系重合体、親水性重合体
およびホットメルト接着性樹脂で構成された単一層構造
を有している。インク受容層は熱転写により被転写体に
対して高い密着強度を示すとともに、例えば、100〜
700%程度の伸度を示し、可撓性,耐久性に優れる。
このような熱転写シートは、飛翔するインク小滴により
記録し、記録画像を被転写体に熱転写して転写画像を形
成するインクジェット熱転写シートとして有用である。
【0009】[基材]基材としては、インク受容層に対
して剥離可能である限り、不透明、半透明や透明な基材
が使用できる。基材としては、通常、離型性基材、例え
ば、離型処理紙、離型処理していてもよいプラスチック
フィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルムを構
成するポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン、酢酸セルロースなどのセルロース誘
導体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート,ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナ
フタレートなどのポリアルキレンナフタレートなど)、
ポリアミド(ポリアミド6,ポリアミド6/6など)な
どが挙げられる。これらのフィルムのうち、通常、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどが使用さ
れ、特に、機械的強度、耐熱性、作業性などの点からポ
リエステル(特にポリエチレンテレフタレートなど)が
好ましい。
【0010】基材の厚みは、用途に応じて選択でき、通
常、10〜250μm、好ましくは15〜200μm程
度である。離型性は、慣用の方法、例えば、離型剤(ワ
ックス,高級脂肪酸塩,高級脂肪酸エステル、高級脂肪
酸アミド、シリコーンオイルなど)で基材を処理するこ
とにより付与できる。プラスチックフィルムには、必要
に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑
剤、顔料などの慣用の添加剤を添加してもよい。
【0011】[インク受容層]本発明の熱転写シートに
おいて、インク受容層は、カチオン性重合体及びウレタ
ン系重合体から選択された少なくとも一種の重合体、親
水性重合体及びホットメルト接着性樹脂で構成でき、前
記ウレタン系重合体は、前記カチオン性重合体を構成し
てもよい。
【0012】カチオン性重合体 カチオン性重合体には、カルボキシメチルセルロースの
第4級アンモニウム塩などの他、カチオン性単量体(第
3級アミノ基又はその塩基を有する単量体、第4級アン
モニウム塩基を有する又は第4級アンモニウム塩基を形
成可能な単量体)の単独又は共重合体が含まれる。カチ
オン性重合体は、通常、ビニル系重合体、特にアクリル
系重合体(アクリル系重合体水性エマルジョンなど)で
構成できる。
【0013】カチオン性単量体としては、例えば、ジC
1-4 アルキルアミノ−C2-3 アルキル(メタ)アクリル
アミド又はその塩[ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドな
ど]、ジC1-4 アルキルアミノ−C2-3 アルキル(メ
タ)アクリレート又はその塩[ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート
など]、ジC1-4 アルキルアミノ−C2-3 アルキル基置
換芳香族ビニル又はその塩[4−(2−ジメチルアミノ
エチル)スチレン、4−(2−ジメチルアミノプロピ
ル)スチレンなど]、窒素含有複素環式単量体又はその
塩[ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロ
リドンなど]などが含まれる。塩としては、ハロゲン化
水素酸塩(塩酸塩,臭化水素酸塩など)、硫酸塩、アル
キル硫酸塩(メチル硫酸塩,エチル硫酸塩など)、アル
キルスルホン酸塩,アリールスルホン酸塩、カルボン酸
塩(酢酸塩など)などが例示できる。なお、第3級アミ
ノ基にアルキル化剤(エピクロルヒドリンや塩化メチ
ル,ベンジルクロライドなど)を反応させることにより
第4級アンモニウム塩基を生成させてもよい。
【0014】前記カチオン性重合体は架橋性単量体との
共重合により架橋性基を有していてもよい。架橋性単量
体には、自己架橋性又は反応性官能基を有する種々の単
量体、例えば、カルボキシル基含有単量体[(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸などのカルボキシル基又は酸無水物基を有する
単量体、およびこれらの塩(アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)]、不飽
和多価カルボン酸又はその酸無水物とC1-10アルコール
とのハーフエステル[マレイン酸モノエステルなど]、
ヒドロキシル基含有単量体[(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシC2-6 アルキルエステルな
ど]、スルホン酸基含有単量体[スチレンスルホン酸、
ビニルスルホン酸など]、エポキシ基含有単量体[(メ
タ)メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテ
ルなど]、メチロール基含有単量体又はその誘導体[N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどのN−C1-4 アルコキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチロール(メ
タ)アクリルアミドなど]、シリル基などの加水分解縮
合性基含有単量体[ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、
ビニルエトキシジメチルシラン、ビニルジメトキシメチ
ルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(ビニルフェ
ニルアミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−(ビニ
ルフェニルアミノプロピル)トリエトキシシラン、γ−
(ビニルベンジルアミノプロピル)トリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルビス(ジメチ
ルアミノ)メチルシラン、ビニルメチルジクロロシラ
ン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、アリルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプ
ロピルトリメトキシシラン、アリルメチルジクロロシラ
ン、アリルトリクロロシラン、β−(メタ)アクリロキ
シエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキ
シエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シランなど]、アジリジニル基含有単量体[(メ
タ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)エチル、(メ
タ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)プロピル、
(メタ)アクリル酸3−(1−アジリジニル)プロピル
など]などが例示できる。これらの架橋性単量体は単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0015】カチオン性重合体を構成するこれらの単量
体は、通常、成膜性や被膜特性を調製するため共重合性
単量体と組み合わせて使用される。共重合性単量体に
は、例えば、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステ
ル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシルなど]、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸
ベンジル、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレンなど]、ビニルエステル類[酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル
など]、アミド基含有単量体[(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミドなど]、エーテル基含有
単量体[ビニルC1-4 アルキルエーテル類など]、ポリ
オキシアルキレン基含有単量体[ジエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートなど]、ハロゲン含有単量体[塩
化ビニリデン、塩化ビニルなど]、シアン化ビニル
[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エ
チレン、プロピレンなど]などが挙げられる。これらの
共重合性単量体も単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。
【0016】共重合性単量体としては、通常、(メタ)
アクリル酸C1-18アルキルエステル(特にアクリル酸C
2-10アルキルエステルやメタクリル酸C1-6アルキルエ
ステル)、芳香族ビニル類(特にスチレン)、ビニルエ
ステル類(特に酢酸ビニル)が使用される。
【0017】前記カチオン性単量体,架橋性単量体およ
び共重合性単量体の使用量は、耐水性およびインク定着
性を損なわない範囲で選択でき、例えば、カチオン性単
量体は、単量体全体の0.1〜50モル%、好ましくは
0.5〜40モル%、さらに好ましくは1〜30モル%
(例えば、2〜25モル%)程度である。また、架橋性
単量体の量は、例えば、単量体全体の0〜25モル%、
好ましくは0〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜
15モル%程度であり、通常、0.3〜10モル%程度
である。単量体の残余は共重合性単量体で構成されてい
る。
【0018】カチオン性重合体のガラス転移温度は、成
膜性などを損なわない範囲で選択でき、例えば、−60
℃〜70℃、好ましくは−40℃〜50℃、さらに好ま
しくは−30℃〜40℃程度である。カチオン性重合体
の重量平均分子量は、例えば、0.1×104 〜100
×104 、好ましくは0.1×104 〜10×104
度の範囲から選択できる。
【0019】カチオン性重合体の形態は、有機溶媒溶
液、水溶液などの溶液であってもよいが、通常、カチオ
ン性エマルジョン(特に水性エマルジョン)の形態であ
る。カチオン性エマルジョン中の重合体粒子の平均粒子
径は、例えば、1〜200nm、好ましくは10〜10
0nm、さらに好ましくは15〜50nm程度である。
【0020】このようなカチオン性重合体を含むエマル
ジョンは、慣用の方法、例えば、ノニオン系界面活性剤
および/又はカチオン系界面活性剤を含む乳化重合系で
前記単量体を乳化重合する方法、前記単量体を重合した
後、第3級アミン塩又は第4級アンモニウム塩を形成し
て水性エマルジョンとする方法などにより得ることがで
きる。
【0021】ウレタン系重合体 ウレタン系重合体は、ジイソシアネート成分と、ジオー
ル成分との反応により得ることができ、必要によりジア
ミン成分を鎖伸長剤として使用してもよい。ウレタン系
重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0022】ジイソシアネート成分には、例えば、芳香
族ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソ
シアネート(例えば、キシリレンジイソシアネートな
ど)、脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジ
イソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート(例え
ば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネートなど)などが含まれる。ジイソシアネ
ート成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。ジイソシアネート成分は、アダクト体であってもよ
く、必要によりトリフェニルメタントリイソシアネート
などのポリイソシアネート成分と併用してもよい。
【0023】ジオール成分としては、例えば、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネー
トジオールなどが挙げられる。ポリオール成分は単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリエステルジ
オールは、ジオール、ジカルボン酸又はその反応性誘導
体(低級アルキルエステル,酸無水物)との反応に限ら
ず、ラクトンから誘導してもよい。ジオールには、例え
ば、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、ト
リメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3
−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのC
2-10アルキレンジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコールなどのポリオキシC2-4 アルキレン
グリコールなど)、脂環式ジオール、芳香族ジオールな
どが含まれる。ジオールは、単独で又は二種以上組み合
わせて使用できる。ジオールは、必要により、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオー
ルと併用してもよい。ジオールは、通常、脂肪族ジオー
ルである。
【0024】ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジ
カルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸など)、脂
環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)などが例示さ
れる。ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせ
て使用できる。ジカルボン酸は、必要により、トリメリ
ット酸などの多価カルボン酸と併用してもよい。ラクト
ンには、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カ
プロラクトン、ラウロラクトンなどが含まれ、単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。
【0025】ウレタン系重合体は、ジオール成分として
ポリエーテルジオール(ポリオキシテトラメチレングリ
コールなど)を用いたポリエーテル型ウレタン系重合体
であってもよいが、少なくともポリエステルジオール
(特に、脂肪族成分を主たる反応成分とする脂肪族ポリ
エステルジオール)を用いたポリエステル型ウレタン系
重合体(例えば、1,4−ブタンジオールなどのC2-6
アルキレンジオールと、アジピン酸などのC4-12脂肪族
ジカルボン酸、およびイソフタル酸又はフタル酸との反
応により得られるポリエステルジオールや前記ラクトン
から誘導されるポリエステルジオールを用い、イソホロ
ンジイソシアネートなどのジイソシアネートと反応させ
たウレタン樹脂など)であるのが好ましい。
【0026】ウレタン系重合体は、有機溶媒溶液、水溶
液、水性エマルジョンとして用いてもよい。ウレタン系
重合体の水溶液又は水性エマルジョンは、ウレタン系重
合体を、乳化剤を用いて、溶解又は乳化分散させて調製
してもよく、ウレタン系重合体の分子内に遊離のカルボ
キシル基や3級アミノ基などのイオン性官能基を導入
し、アルカリや酸を用いて、ウレタン系重合体を溶解又
は分散させることにより調製してもよい。このような分
子内に遊離のカルボキシル基や3級アミノ基が導入され
たウレタン系重合体は、ジイソシアネート成分と、遊離
のカルボキシル基又は3級アミノを有するジオール(特
に高分子ジオール)成分との反応により得られる。な
お、前記遊離のカルボキシル基を有するジオール(特に
高分子ジオール)は、例えば、ジオール成分と、3以上
のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその無水
物(例えば、無水ピロメリット酸などの4塩基酸無水物
など)や,スルホン酸基を有する多価カルボン酸(スル
ホイソフタル酸など)との反応、開始剤としてジメチロ
ールプロピオン酸などを用い、ラクトンを開環重合する
方法などにより得られる。また、3級アミノ基を有する
ジオール(特に高分子ジオール)は、開始剤としてN−
メチルジエタノールアミンなどを用い、アルキレンオキ
サイドやラクトンを開環重合することにより調製でき
る。
【0027】なお、前記カチオン性重合体とウレタン系
重合体は混合などにより組合わせて使用してもよい。ま
た、前記カチオン性重合体とウレタン系重合体は、ウレ
タン系重合体エマルジョンの存在下、アクリル系単量体
(特にカチオン性単量体)を含む単量体を乳化重合する
方法などにより複合化してもよい。
【0028】親水性重合体 前記親水性重合体としては、例えば、親水性天然高分子
又はその誘導体(アルギン酸ナトリウム、アラビアゴ
ム、ゼラチン、カゼイン、デキストリンなど)、セルロ
ース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、メ
チルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシエチルセルロース、シアノエチルセ
ルロースなどのセルロースエーテル類、セルローススル
フェート、アセチルメチルセルロースなどのセルロース
エステル類)、ビニルアルコール系重合体(ポリビニル
アルコール,エチレン−ビニルアルコール共重合体,変
性ポリビニルアルコールなど)、エチレン系重合体(エ
チレン−無水マレイン酸共重合体など)、酢酸ビニル系
共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体、変
性酢酸ビニル系重合体など)、ポリアルキレンオキサイ
ド(ポリエチレンオキサイド,エチレンオキサイド−プ
ロピレンオキサイドブロック共重合体など)、カルボキ
シル基又はスルホン酸基を有する重合体又はその塩[ア
クリル系重合体(ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩
(アンモニウム,ナトリウムなどのアルカリ金属塩),
メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体,ア
クリル酸−ポリビニルアルコール共重合体など)、ビニ
ルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエーテル,ポリ
ビニルイソブチルエーテルなどのポリビニルアルキルエ
ーテル,メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合
体などの変性ポリビニルエーテルなど)、スチレン系重
合体(スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸
ナトリウムなど)、ポリビニルスルホン酸ナトリウムな
ど]、窒素含有重合体(又はカチオン性ポリマー)又は
その塩(ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ドなどの4級アンモニウム塩、ポリジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジン、
ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン、ポリア
ミドポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロ
リドン、変性ポリビニルピロリドンなど)などが挙げら
れる。これらの親水性重合体は単独で又は二種以上組み
合わせて使用できる。親水性重合体は、前記カチオン性
重合体又はウレタン系重合体に対する反応性基を有して
いてもよい。これらの親水性重合体のうち、酢酸ビニル
系共重合体、ビニルアルコール系重合体(ポリビニルア
ルコール又は変性ポリビニルアルコールなど)、セルロ
ース誘導体(カルボキシメチルセルロースなどのセルロ
ースエーテル類など)、窒素含有重合体(ポリビニルピ
ロリドン又は変性ポリビニルピロリドンなどのビニルピ
ロリドン系重合体)などが好ましい。特に、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体
およびこれらの変性体から選択された少なくとも一種の
親水性重合体が好ましい。
【0029】前記酢酸ビニル系共重合体は、酢酸ビニル
と他の共重合性モノマー(カルボキシル基、スルホン酸
基やこれらの塩、ヒドロキシル基、エーテル基などの親
水性基を有するモノマー)との共重合体であり、その部
分ケン化物(例えば、ケン化度10〜90%程度の部分
ケン化物)なども含まれる。好ましい共重合性モノマー
には、エーテル基、なかでもオキシアルキレン単位(例
えば、エチレンオキサイドの単位(付加モル)数が1〜
100、好ましくは2〜80、さらに好ましくは5〜7
0(例えば、10〜50)程度)を有する(メタ)アク
リレート又はアリルエーテルが含まれる。酢酸ビニル系
共重合体において、共重合性モノマーの割合は、例え
ば、モノマー全体の0.1〜50モル%、好ましくは1
〜30モル%、さらに好ましくは2.5〜25モル%
(例えば、3〜20モル%)程度である。変性ポリビニ
ルアルコールや変性ポリビニルピロリドンとしては、前
記のようなポリオキシアルキレンエーテル基を有する重
合体のほか,アセトアセチル基、カルボキシル基、酸無
水物基、エポキシ基などの変性基で変性された重合体が
含まれる。より具体的には、ヒドロキシル基を有する親
水性重合体とアセト酢酸エステルとの反応により生成す
るアセトアセチル基含有親水性重合体(例えば、アセト
アセチル基含有ポリビニルアルコール,アセトアセチル
基含有ポリビニルピロリドンなど)、ビニルエステル又
はビニルピロリドンと、カルボキシル基,酸無水物基又
はエポキシ基含有不飽和単量体との共重合体(例えば、
ビニルエステルと上記変性基含有不飽和単量体との共重
合体のケン化により生成するカルボキシル基変性ポリビ
ニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルピロリ
ドン、エポキシ変性ポリビニルアルコール、エポキシ基
変性ポリビニルピロリドンなど)、活性水素原子(例え
ば、水酸基,アミノ基,カルボキシル基など)を有する
親水性重合体とエピクロルヒドリンとの反応により生成
するエポキシ基含有ポリビニルアルコール又はポリビニ
ルピロリドンなどが例示できる。変性基の含有量は、単
量体全体に対して0.01〜10モル%、好ましくは
0.1〜5モル%(例えば、0.2〜3モル%)程度で
ある。
【0030】カチオン性重合体及び/又はウレタン系重
合体と、親水性重合体との割合は、耐水性,インク定着
性やインク吸収性を損なわない範囲、例えば、固形分換
算で、前者/後者=10/90〜90/10(重量
%)、好ましくは20/80〜80/20(重量%)、
さらに好ましくは30/70〜70/30(重量%)程
度の範囲から選択できる。
【0031】ホットメルト接着性樹脂 ホットメルト接着性樹脂としては、種々の樹脂、例え
ば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン,エチレン−プロ
ピレン共重合体,アタクチックポリプロピレンなど)、
エチレン共重合樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体,
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体,エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体,アイオノマーなど)、ナイロ
ン系樹脂,ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
アクリル系樹脂、ゴムなどが例示できる。これらのホッ
トメルト接着性樹脂は単独で又は二種以上組合わせて使
用できる。ホットメルト接着性樹脂は、通常、水不溶性
である。ホットメルト接着性樹脂は、末端に反応性基
(カルボキシル基,ヒドロキシル基,アミノ基,イソシ
アネート基,シリル基など)を有する反応性ホットメル
ト接着性樹脂であってもよい。
【0032】熱転写性および耐久性(耐洗濯性など)を
付与するための好ましい樹脂はナイロン系樹脂,ポリエ
ステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂である。特にナイロ
ン系樹脂で構成されたホットメルト接着性樹脂は、被転
写体が衣類などである場合、転写画像に優れた耐洗濯性
および耐水性と、高い風合いを付与できる。
【0033】ナイロン系ホットメルト接着性樹脂として
は、ナイロン11およびナイロン12から選択された少
なくとも一方の単位を有するポリアミド樹脂(例えば、
ナイロン11,ナイロン12などのホモポリアミド,ナ
イロン6/11,ナイロン6/12,ナイロン66/1
2,ダイマー酸とジアミンとラウムラクタム又はアミノ
ウンデカン酸との共重合体などのコポリアミド)、ダイ
マー酸とジアミンとの反応により生成するポリアミド樹
脂などが含まれる。
【0034】ポリエステル系ホットメルト接着性樹脂と
しては、少なくとも脂肪族ジオールを用いたホモポリエ
ステル樹脂又はコポリエステル樹脂が含まれる。ホモポ
リエステル樹脂には、脂肪族ジオール(エチレングリコ
ール,プロピレングリコール,1,4−ブタンジオー
ル,1,6−ヘキサンジオールなどのC2-10アルキレン
シオール、ジエチレングリコールなどのポリオキシC
2-4 アルキレングリコール)と、脂肪族ジカルボン酸
(アジピン酸,スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸など)と、必要によりラクト
ンとの反応により生成する飽和脂肪族ポリエステル樹脂
が含まれる。コポリエステル樹脂には、ポリエチレンテ
レフタレート又はポリブチレンテレフタレートの構成成
分の一部を他のジオール(エチレングリコール,プロピ
レングリコール,1,4−ブタンジオールなどC2-6
ルキレングリコールなど)又はジカルボン酸(前記脂肪
族ジカルボン酸,フタル酸,イソフタル酸などの非対称
型芳香族ジカルボン酸など)若しくは前記ラクトンで置
換した飽和ポリエステル樹脂が含まれる。
【0035】ポリウレタン系ホットメルト接着性樹脂と
しては、少なくとも一部のジオール成分として、前記ポ
リエステル系ホットメルト接着性樹脂に対応するポリエ
ステルジオールを用いたポリエステル樹脂が含まれ、ジ
イソシアネート成分は、芳香族,芳香脂肪族,脂環族又
は脂肪族ジイソシアネートが使用できる。
【0036】ホットメルト接着性樹脂の融点は、通常、
70〜250℃、好ましくは80〜200℃、さらに好
ましくは100〜150℃程度の範囲から選択できる。
ホットメルト接着性樹脂は粉粒体として使用される。ホ
ットメルト接着性樹脂は、インク受容層の表面から突出
させてホットメルト接着性を有効に発現させるため、通
常、インク受容層の厚みよりも平均粒子径が大きな粉粒
状樹脂で構成されている。ホットメルト接着性樹脂の平
均粒径は、例えば、1〜100μm、好ましくは3〜8
0μm、さらに好ましくは5〜50μm程度である。イ
ンク吸収性や耐洗濯性などを向上させるため、ホットメ
ルト接着性樹脂の粉粒体は多孔質体であってもよい。
【0037】ホットメルト接着性樹脂の使用量は、カチ
オン性重合体及び/又はウレタン系重合体および親水性
重合体で構成された樹脂組成物(インク受容層を構成す
る重合体成分)100重量部に対して、例えば、10〜
300重量部、好ましくは15〜200重量部、さらに
好ましくは20〜150重量部程度の範囲から選択でき
る。
【0038】架橋剤 インク受容層に架橋剤を添加すると、耐水性および耐洗
濯性を大きく向上できる。架橋剤としては、インク受容
層を構成する重合体および樹脂成分(カチオン性重合
体,ウレタン系重合体、親水性重合体やホットメルト接
着性樹脂)の種類に応じて適当に選択でき、例えば、ア
ミノ樹脂(尿素樹脂,グアナミン樹脂,メラミン樹脂な
ど)、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、多
価カルボン酸又はその酸無水物、ポリアミン、シラン化
合物などが例示できる。これらの架僑剤は単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0039】架橋剤の割合は、例えば、インク受容層を
構成する重合体および樹脂成分(カチオン性重合体,ウ
レタン系重合体,親水性重合体およびホットメルト接着
性樹脂)の総量100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは5〜
30重量部程度の範囲から選択できる。
【0040】可塑剤,染料定着剤 インク受容層は、転写画像に高い柔軟性を付与するた
め、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としては、例
えば、フタル酸系可塑剤(フタル酸エチル,フタル酸ブ
チル,フタル酸ヘキシル,フタル酸オクチル,フタル酸
2−エチルヘキシル,フタル酸ラウリルなど)、脂肪族
ジカルボン酸系可塑剤(アジピン酸2−エチルヘキシ
ル,セバシン酸ジブチル,セバシン酸2−エチルヘキシ
ルなど)、グリコール系可塑剤(エチルフタリル・エチ
ルグリコレート,ポリエチレングリコールエステルな
ど)、リン酸エステル系可塑剤(リン酸トリフェニル,
リン酸トリクレジル,リン酸トリ2−エチルヘキシルな
ど)、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤(エポ
キシ脂肪酸エステルなど)などが例示できる。これらの
可塑剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0041】可塑剤の使用量は、例えば、インク受容層
を構成する重合体および樹脂成分(カチオン性重合体,
ウレタン系重合体,親水性重合体およびホットメルト接
着性樹脂)の総量100重量部に対して0.1〜30重
量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは1
〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0042】さらに、インク受容層は、独立して又は前
記可塑剤とともに、着色剤(染料)の定着性を向上させ
るため、染料定着剤、特に高分子染料固着剤を含有して
いてもよい。染料定着剤(高分子染料固着剤)は、通
常、分子中にカチオン基(特に、グアニジル基や第4級
アンモニウム塩型の強いカチオン基)を有している。な
お、高分子染料定着剤は、前記親水性重合体として機能
させることもできる。染料定着剤としては、例えば、ジ
シアン系化合物(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合
物,ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物
など)、ポリアミン系化合物[ジエチレントリアミン,
トリエチレンテトラミン,ジプロピレントリアミン,ポ
リアリルアミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジ
アミンなどの芳香族ポリアミン、ジシアンジアミドと
(ポリ)C2-4アルキレンポリアミンとの縮合体(ジシ
アンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合体など)な
ど]、ポリカチオン系化合物などが例示できる。ポリカ
チオン系化合物としては、例えば、エピクロルヒドリン
−ジC1-4 アルキルアミン付加重合体(エピクロルヒド
リン−ジメチルアミン付加重合物など)、アリルアミン
又はその塩の重合体(アリルアミン又はその塩の重合
体、ポリアリルアミン又はその塩酸塩の重合体、例え
ば、日東紡績(株),PAA-10C,PAA-HCl-3L,PAA-HCl-1
0Lなど)、ジアリルC1-4 アルキルアミン又はその塩の
重合体(ジアリルメチルアミン又はその塩の重合体、例
えば、日東紡績(株),PAS-M-1など)、ジアリルジC
1-4 アルキルアンモニウム塩の重合体(ジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライドの重合体、例えば、日東紡績
(株),PAS-H-5L,PAS-H-10Lなど)、ジアリルアミン
又はその塩と二酸化イオウとの共重合体(ジアリルアミ
ン塩−二酸化イオウ共重合物、例えば、日東紡績
(株),PAS-92など),ジアリルジC1-4 アルキルアン
モニウム塩−二酸化イオウ共重合体(ジアリルジメチル
アンモニウム塩−二酸化イオウ共重合物、例えば、日東
紡績(株),PAS-A-1,PAS-A-5,PAS-A-120L,PAS-A-12
0Aなど),ジアリルジC1-4 アルキルアンモニウム塩と
ジアリルアミン又はその塩もしくは誘導体との共重合体
(ジアリルジメチルアンモニウム塩−ジアリルアミン塩
酸塩誘導体の共重合物、例えば、日東紡績(株),PAS-
880など)、ジアリルジC1-4 アルキルアンモニウム塩
重合体(ジアリルジメチルアンモニウム塩重合物な
ど),ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4
級塩重合物[ジC1-4 アルキルアルキルアミノエチル
(メタ)アクリレート4級塩の重合体など]、ジアリル
ジC1-4 アルキルアンモニウム塩−アクリルアミド共重
合体(ジアリルジメチルアンモニウム塩−アクリルアミ
ド共重合体、例えば、日東紡績(株),PAS-J-81な
ど)、アミン−カルボン酸共重合体(例えば、日東紡績
(株),PAS-410など)などが例示できる。
【0043】染料定着剤の使用量は、定着性を向上でき
る範囲、例えば、固形分換算で、インク受容層を構成す
る重合体および樹脂成分の総量100重量部に対して
0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さら
に好ましくは2〜20重量部程度の範囲から選択でき
る。
【0044】前記カチオン性重合体,ウレタン系重合
体、親水性重合体は、必要により種々の添加剤、例え
ば、安定化剤(酸化防止剤,紫外線吸収剤,熱安定化剤
など)、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキン
グ剤、充填剤、着色剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤
などを含有していてもよい。ホットメルト接着性樹脂
は、上記添加剤に加えて、粘着付与剤(ロジン又はその
誘導体,炭化水素系樹脂など)、ワックス類などを含有
していてもよい。
【0045】前記カチオン性重合体及び/又はウレタン
系重合体、親水性重合体およびホットメルト接着性樹脂
で構成された樹脂組成物を用い、単一のインク受容層を
形成すると、インクジェット記録においては高いインク
吸収性および耐水性を示し、鮮明な記録画像を形成でき
る。また、インク受容層は、高い熱転写性を示すととも
に、転写画像は耐水性(耐洗濯性)などに優れている。
インク受容層の厚みは、例えば、5〜50μm、好まし
くは10〜30μm程度であり、通常、5〜30μm
(特に5〜20μm)程度である。なお、インク受容層
の厚みは、ホットメルト接着性樹脂を含まない塗布剤を
用いて形成した膜厚、又はホットメルト接着性樹脂を含
む塗布剤を用いて形成した塗膜の最小厚みを意味する。
【0046】なお、インク受容層の上には、必要によ
り、多孔質層、ブロッキング防止層、滑性層、帯電防止
層などを形成してもよい。
【0047】[製造方法]本発明の熱転写シートは、離
型性基材の少なくとも一方の面にインク受容層を形成す
ることにより製造できる。前記インク受容層は、基材の
離型性面に、カチオン性重合体及び/又はウレタン系重
合体、親水性重合体、ホットメルト接着性樹脂および必
要により他の成分で構成された塗布剤を塗布することに
より形成できる。カチオン性重合体及び/又はウレタン
系重合体,親水性重合体は、通常、水性溶液又はエマル
ジョンの形態で使用でき、ホットメルト接着性樹脂は粉
粒体の形態で使用できる。そのため、カチオン性重合体
及び/又はウレタン系重合体,親水性重合体を含む水性
溶液又はエマルジョンと、ホットメルト接着性樹脂の粉
粒体と、必要により他の成分とを混合することにより、
インク受容層用塗布剤を調製できる。水性溶液又は水性
エマルジョンの溶媒は、水単独であってもよく、必要に
よりアルコール類などの親水性有機溶媒を含んでいても
よい。
【0048】塗布剤は、慣用の方法、例えば、ロールコ
ーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッ
ドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビア
コーターなどにより基材の少なくとも一方の面に塗布で
きる。塗膜を、50〜150℃(好ましくは80〜12
0℃)程度の温度で乾燥させることによりインク受容層
を形成ができる。このようにして形成されたインク受容
層は、インク(特に水性インク)の小滴を飛翔させて記
録するインクジェット方式により画像を形成するのに適
している。記録画像は、インク受容層を被転写体と接触
させた状態で、適当な温度(例えば、140〜250
℃、好ましくは140〜200℃程度)および圧力(5
〜500g/cm2 程度)で適当な時間(例えば、5秒
〜1分程度)加熱圧着することにより、基材からインク
受容層を剥離させることにより、被転写体に円滑に転写
又は転移できる。転写画像を含む転写体は必要により加
熱して架橋させてもよい。
【0049】
【発明の効果】本発明では、特定の成分でインク受容層
を形成しているため、熱転写性を有するとともに、耐水
性およびインク吸収性を高度に改善できる。また、耐洗
濯性を大きく改善でき、衣類などの被転写体への熱転写
により長期間に亘り鮮明な画像を維持できる。さらに、
耐水性および耐洗濯性に優れているとともに、風合いに
優れる転写画像を形成できる。
【0050】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、「部」は重量部を示す。ま
た、実施例及び比較例で得られた熱転写シートの各種特
性の評価法は次の通りである。
【0051】インクジェットプリンター(キャノン
(株)製、BJC−420J)を使用し、実施例および
比較例で得られた熱転写シートに、シアン、イエロー、
マゼンタ、ブラックインクを用い、所定の絵柄を印字
し、記録画像を形成した。 (インク吸収性)印字から30秒後に、熱転写シート上
にPPCコピー用紙を載せ、コピー用紙の上から指で5
回擦り、コピー用紙を剥し、インクの転写状態を観察
し、下記の基準で評価した。 ◎ インクの転写がない ○ インクの転写が殆どない △ 若干インクの転写がある × インクの転写が多い (耐洗濯性および耐水性)Tシャツに熱転写シートの記
録画像を当て、ハリロンプレス機を用い、温度160
℃、圧力15g/cm2 で20秒間圧着して、記録画像
をTシャツに熱転写した。温度40℃の温水1リットル
に市販の洗剤1gを添加し、熱転写画像部のTシャツの
試料(サイズ5cm×10cm)を入れ、攪拌機(スリ
ーワンモーター)を用い、回転数600rpmで20分
間撹拌した。そして、洗濯後の試料を取り出し、水をよ
く切り乾燥した後、転写画像部を観察し、以下の基準で
耐洗濯性を評価した。 ◎ 転写画像部が殆ど変化しない ○ 転写画像部がほぼ完全に残っている △ 転写画像部に滲みが認められる × 転写画像部が残っていない 合成例1[カチオン性アクリル系共重合体エマルジョン
の調製] 撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管及び温度計
を備えた2000mlの反応容器に、イソプロピルアル
コール(IPA)219部とアゾイソブチロニトリル
(AIBN)1.23部を入れて撹拌して溶解し、80
℃に加温した。共重合成分として、メチルメタアクリレ
ート(MMA)93.7部、n−ブチルアクリレート
(BA)98.7部、ジエチルアミノエチルメタアクリ
レート(DEAEMA)49.3部及びトリメトキシシ
ランプロピルメタアクリレート(日本ユニカー(株)
製,A−174、以下、単にA−174という場合があ
る)4.93部を混合し、フラスコ中へ約4時間かけて
滴下した。滴下終了後、追加触媒としてAIBN 0.
25部とIPA25部との溶液を滴下し、さらに2時間
反応を継続して重合を完結させた。重合終了後、撹拌を
継続しながら、酢酸16部をフラスコ内に加え、引き続
き水705部を約2時間かけて滴下してエマルジョン化
した。エマルジョン化した後、ロータリーエバポレータ
でIPAを蒸発させ、カチオン性アクリル系共重合体エ
マルジョン1を得た(固形分濃度34.7%)。
【0052】合成例2[カチオン性ウレタン/アクリル
系共重合体エマルジョンの調製] 攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウ
レタンエマルジョン(商品名:ユーコートUWS−14
5,固形分35重量%,三洋化成(株)製)286gお
よびイオン交換水 32gを仕込み撹拌し、75℃に加
温した。メチルメタクリレート 76g、ブチルアクリ
レート 24g、界面活性剤(商品名:ニューコール7
07SF、日本乳化剤社製) 5gおよびイオン交換水
60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム
0.5gとイオン交換水 16.5gとの水溶液)とを
2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を
保持した後、室温に冷却して、高分子エマルジョンを取
り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度4
1重量%、pH7.5、粘度135cps(30℃)で
あった。
【0053】合成例3[カチオン性ウレタン/アクリル
系共重合体エマルジョンの調製] 攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウ
レタンエマルジョン(商品名:NeoRez R-960,固形分濃
度33重量%,ゼネカ(株)製) 303gおよびイオ
ン交換水 15gを仕込み撹拌し、75℃に加温した。
メチルメタクリレート 73g、ブチルアクリレート
23g、ジエチルアミノエチルメタクリレート 4g、
界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳
化剤社製) 5gおよびイオン交換水 60gの混合物
と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gとイオン交換
水 16.5gとの水溶液)とを2時間かけて反応容器
に滴下した。さらに1時間反応を保持した後、室温に冷
却して、高分子エマルジョンを取り出した。高分子エマ
ルジョンの性状は、固形分濃度44重量%、pH7.
6、粘度58cps(30℃)であった。
【0054】実施例1 合成例1で得られた共重合体エマルジョンと変性ポリビ
ニルピロリドン水溶液とナイロン系ホットメルト接着性
樹脂(平均粒径約40μm)とを、固形分換算で30重
量部,20重量部および40重量部となる割合で混合
し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリエチ
レンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μmと
なるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シート
を得た。
【0055】実施例2 合成例2で得られた共重合体エマルジョンと変性ポリビ
ニルピロリドン水溶液とナイロン系ホットメルト接着性
樹脂(平均粒径約40μm)とを、固形分換算で30重
量部,20重量部および50重量部となる割合で混合
し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリエチ
レンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μmと
なるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シート
を得た。
【0056】実施例3 合成例2で得られた共重合体エマルジョンに代えて、合
成例3で得られたカチオン性アクリル系共重合体エマル
ジョンを用いるとともに、ナイロン系ホットメルト接着
性樹脂に代えてウレタン系ホットメルト接着性樹脂(平
均粒径約30μm)を用いる以外、実施例2と同様にし
て、熱転写性シートを得た。
【0057】実施例4 実施例2で用いたナイロン系ホットメルト接着性樹脂に
代えてポリエステル系ホットメルト接着性樹脂(平均粒
径約50μm)を用いる以外、実施例2と同様にして、
熱転写性シートを得た。
【0058】実施例5 合成例2で得られた共重合体エマルジョンと変性ポリビ
ニルピロリドン水溶液とポリエステル系ホットメルト接
着性樹脂(平均粒径約50μm)とメラミン樹脂とを、
固形分換算で、30重量部,20重量部,40重量部お
よび10重量部となる割合で混合し、水性塗布液を調製
した。この水性塗布液をポリエチレンテレフタレートフ
ィルムに乾燥後の厚み15μmとなるように塗布し、乾
燥することにより熱転写性シートを得た。
【0059】実施例6 ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソ
ホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エ
マルジョンと、変性ポリビニルピロリドン水溶液と、ナ
イロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約40μ
m)とを、固形分換算で30重量部,20重量部および
40重量部となる割合で混合し、水性塗布液を調製し
た。この水性塗布液をポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに乾燥後の厚み15μmとなるように塗布し、乾燥
することにより熱転写性シートを得た。
【0060】実施例7 ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソ
ホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エ
マルジョンと、変性ポリビニルピロリドン水溶液と、ナ
イロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約50μ
m)と、メラミン樹脂とを、固形分換算で30重量部,
20重量部,40重量部および10重量部となる割合で
混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリ
エチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μ
mとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シ
ートを得た。
【0061】実施例8 ウレタン系重合体(脂肪族ポリエステルジオールとイソ
ホロンジイソシアネートとの反応により合成)の水性エ
マルジョンと、カルボキシメチルセルロース(CMC)
と、ナイロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約5
0μm)と、メラミン樹脂と、染料定着剤(三洋化成工
業(株)製,サンフィックスPAC700コンク)と
を、固形分換算で40重量部,5重量部,40重量部,
5重量部および10重量部となる割合で混合し、水性塗
布液を調製した。この水性塗布液をポリエチレンテレフ
タレートフィルムに乾燥後の厚み15μmとなるように
塗布し、乾燥することにより熱転写性シートを得た。
【0062】実施例9 ウレタン系重合体の水性エマルジョンに代えて、カチオ
ン性ウレタン系重合体の水性エマルジョン(新中村化学
(株)製,固形分40重量%)を用いる以外、実施例8
と同様にして熱転写性シートを得た。
【0063】比較例1 実施例2で用いた共重合体エマルジョンと、実施例2で
用いた変性ポリビニルピロリドン水溶液とを、固形分換
算で40重量部および20重量部となるように混合し、
水性塗布液を調製した。この塗布液をポリエチレンテレ
フタレートフィルムに乾燥後の厚み15μmとなるよう
に塗布し、乾燥することにより熱転写性シートを得た。
【0064】比較例2 実施例2で用いた変性ポリビニルピロリドン水溶液とナ
イロン系ホットメルト接着性樹脂(平均粒径約40μ
m)とを、固形分換算で20重量部および40重量部と
なる割合で混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗
布液をポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の
厚み15μmとなるように塗布し、乾燥することにより
熱転写性シートを得た。
【0065】比較例3 実施例2で用いた共重合体エマルジョンとナイロン系ホ
ットメルト接着性樹脂(平均粒径約40μm)とを、固
形分換算で30重量部,および40重量部となる割合で
混合し、水性塗布液を調製した。この水性塗布液をポリ
エチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚み15μ
mとなるように塗布し、乾燥することにより熱転写性シ
ートを得た。
【0066】実施例および比較例で得られた熱転写性シ
ートの評価結果を表に示す。
【0067】
【表1】 表から明らかなように、比較例に比べて実施例ではいず
れもインク吸収性および耐水性(耐洗濯性)が高い。ま
た、実施例の熱転写シートを用いて形成された転写画像
は、粘着テープで剥離試験を行っても剥離が生じなかっ
た。特に、実施例5および実施例7〜9で得られた熱転
写シートは耐水性(耐洗濯性)のみならず風合いに優れ
ていた。中でも実施例8〜9で得られた熱転写シートは
インク吸収性および耐水性(耐洗濯性)が高い。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、インク受
    容層が剥離可能に形成された熱転写シートであって、前
    記インク受容層が、カチオン性重合体及び/又はウレタ
    ン系重合体、親水性重合体およびホットメルト接着性樹
    脂で構成されている熱転写シート。
  2. 【請求項2】 カチオン性重合体がアクリル系重合体又
    はウレタン系重合体の水性エマルジョンで構成されてい
    る請求項1記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 ウレタン系重合体が、ポリエステル型ウ
    レタン系重合体である請求項1又は2記載の熱転写シー
    ト。
  4. 【請求項4】 親水性重合体が、ポリビニルアルコー
    ル、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体およびこ
    れらの変性体から選択された少なくとも一種である請求
    項1記載の熱転写シート。
  5. 【請求項5】 ホットメルト接着性樹脂が、ナイロン系
    樹脂,ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂か
    ら選択された少なくとも一種である請求項1記載の熱転
    写シート。
  6. 【請求項6】 ホットメルト接着性樹脂が、インク受容
    層の厚みよりも平均粒子径が大きな粉粒状樹脂で構成さ
    れている請求項1記載の熱転写シート。
  7. 【請求項7】 ホットメルト接着性樹脂の割合が、カチ
    オン性重合体及び/又はウレタン系重合体10〜90重
    量%および親水性重合体90〜10重量%で構成された
    樹脂組成物100重量部に対して、10〜300重量部
    である請求項1記載の熱転写シート。
  8. 【請求項8】 インク受容層が架橋剤を含む請求項1記
    載の熱転写シート。
  9. 【請求項9】 架橋剤の割合が、カチオン性重合体,ウ
    レタン系重合体,親水性重合体およびホットメルト接着
    性樹脂の総量100重量部に対して0.1〜50重量部
    である請求項8記載の熱転写シート。
  10. 【請求項10】 インク受容層が、染料定着剤および可
    塑剤のうち少なくとも一方の成分を含む請求項1記載の
    熱転写シート。
  11. 【請求項11】 離型性基材の少なくとも一方の面に、
    カチオン性重合体及び/又はウレタン系重合体,親水性
    重合体およびホットメルト接着性樹脂で構成されたイン
    ク受容層を形成する熱転写シートの製造方法。
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