WO2000007171A1

WO2000007171A1 - Tableau d'affichage magnetique et son procede de production

Info

Publication number: WO2000007171A1
Application number: PCT/JP1999/004125
Authority: WO
Inventors: Hirohisa Satoh
Original assignee: Takara Co., Ltd.
Priority date: 1998-07-31
Filing date: 1999-07-30
Publication date: 2000-02-10
Also published as: DE69933983D1; GB2345270B; CA2306263C; CN1286785A; AU4931899A; EP1022710A1; EP1022710B1; US6629847B1; CA2306263A1; KR20010030858A; GB0008382D0; EP1022710A4; AU742475B2; CN1127712C; HK1029551A1; GB2345270A; KR100352678B1; TW396049B

Description

明細書磁気表示パネル及びその製造方法技術分野

本発明は主として幼児の描画用に供される磁気表示パネル及びその製造方法に関し、特に、コアブロックとこれを両側から密封する部材の材料を複合化することにより構造に改善を加えて改良した磁気表示パネル及びその製造方法に関する。背景技術

一般に、幼児用のお絵描きボードとして、透明又は半透明な描画面板（基板）とこれに対向する面材との間に多数の六角形のセルを有するハニカムコアを密封し、上記各セル内に磁性粒子を含む塑性分散液体を封入した磁気画板が知られている。

これは、磁気ペンの先端を描画面に接触させることにより、分散液体に磁界を作用させ、底部に沈潜した磁性粒子を描画面に浮上させて分散媒と磁性粒子とのコントラストの差で描画面に絵や文字を表示し、また基板の下で磁石等を配した字消し棒を動かすことにより、浮上した磁性粒子を再び沈潜させて絵や文字を消去するものである。

ところで、幼児はときどき予測できない行動をする。例えば、磁気ペンの先端で磁気画板の基板を強く突いたり叩いたりすることがある。この場合、磁気ベンの衝撃により描画面が破れたり、あるいは合成樹脂製のハニカムコアの壁が変形して上記描画面とハニカムコアとの接着が破壊されたりするおそれがある。

描画面が破れると、セル中に封入された液体が外部に漏れ出て衣服を汚損したり、誤って口に入れて飲んだり、目に入れたりする可能性がある。衣服に付着した塑性分散液体は落ちにくいので洗濯が面倒であるが、それよりも分散液体中には金属製の磁性粒子が混入されているので、誤って飲んだときは幼児の胃腸等を傷つける可能性があり、目に入ったときは無意識に目をこすって目の表面を傷つけるおそれがある。さらには、描画面の破損した部分が鋭い角になっている場合は、手、腕などの身体を傷つけるおそれもある。磁気表示パネルはほとんどが幼児の使用に供されるものであるから、内臓や身体の安全には万全の対策が要求される。

また、描画面が破れなくても、衝撃によって描画面の一部が変形することにより互いに比較的硬い塩化ビニル製の描画面とハニカムコアとの接着部分が破壊されて隣り合うセルが破壊された部分で連通してしまうことがある。この場合は、図 1 2 Aのように、セル 2 0中に封入された液体 2 1が描画面 2 2の変形によつて連通部分から漏れて隣りのセル 2 0に流れ込む現象が生じる。ところで、ハニカムコア内に塑性分散液体 2 1を注ぎ入れるときに空気の一部が混入して液中で気泡となって残る。大きな気泡は撹拌中に破裂して大気中に放散されるが、塑性分散液体 2 1自体は乳液状であるから、微小な気泡 2 5は分散液体中に取り込まれたまま残留してしまう。隣り合うセル 2 0の隔壁 2 3が破れた状態で磁気表示パネルを使用すると、両セル 2 0上を磁気ペンで摺動させると、その筆圧が両セル 2 0にかかるときに内圧が変化し、また磁気画板を強く動かすことによって隣り合うセル 2 0の内部の塑性分散液体が出入りするようになり、図 1 2 Bのように、両セル 2 0内の塑性分散液体 2 1中に存在する微小な気泡 2 5が流れの中でぶっかりあって集合するから段々と大きくなる。気泡 2 5が成長して大きくなると、塑性分散液体 2 1の上方に浮き上って描画面 2 2の裏側に付着する。このような状態になると、磁気ペンでこすって磁性粒子を浮上させようとしても、大きな気泡 2 5が邪魔になって磁性粒子 2 3は描画面 2 2の裏側まで浮上することはできない。このため磁性粒子は描画面 2 2から視認できないか、あるいは視認しにくくなつてしまい、表示された描線が不鮮明になってしまう。

さらに、従来の磁気画板は、基板、描画面、ハニカムコアともに上述のように塩化ビニルで構成されていたので、静電気が発生しやすい。特に空気が乾燥する冬期には、静電気が帯電しやすい。静電気が帯電すると、磁性粒子が基板や描画面板に吸引され、磁気ベンの磁力によっても磁性粒子が流動しにくくなつてしまうので、描線に明暗のムラが生じたり、線自体が現われなかったりする。このため、使用前に字消し棒を左右に大きく動かして十分に磁性粒子が流動しやすい状態にしておかなければならず、取り扱いが面倒であった。加えて、塩化ビニル製のハニカムコアは各セルの端面が比較的厚く、ここに外部の光が反射するなどしてハニカム形状が描画面に現われる。このため、描画面積が小さくなるだけでなく、自由な描画を損なうことがあった。

加えて、塩化ビニル製の磁気表示パネルは、廃棄時に低温で焼却されると、有毒なダイォキシンが発生し、またその研究は現在進められている状況ではあるが、環境ホルモンと疑いのある物質になるといわれている。特に磁気画板は主に幼児の使用に供されるものであり、それに自体が安全であることはもちろん、廃棄されたときにも身体に害が及ばないようなものでなければならない。このため、磁気画板についても安全に処分するための対策が求められている。

ところで、ハニカムコアの各セル内に磁性粒子を含む塑性分散液体を封入することは、ハニカムコアの両側開口端面を基板と面材とに接着することにより行なつていた。具体的には、基板、面材、ハニカムコアをともに塩化ビニルで構成し、その熱可塑性を利用して、ハニカムコアを軟化点まで加熱した上で、ハニカムコァの各セルの開口端面を溶融（圧潰）して基板と面材を接着する方法と、面材の裏側に接着剤を塗布し、接着剤を乾燥させた後に面板をハニカムコアの開口端面に押圧して加熱し、溶融した接着剤によって面材をハ二カムコアに接着させる方法とが考えられる。

しかしながら、上記いずれの方法でも、加熱温度が高すぎるとハニカムコア自体が軟化してその剛性が劣化するので、描画面も変形してしまう。描画用基板や面材自体はまた、その加熱温度によっても変形しやすい。これに対し、加熱温度が低いと接着不良が生じやすい。

基板や面材が凸凹に変形したのでは商品性が損なわれるだけでなく、磁気ペンも円滑に滑らないから、描きにくくて操作性が悪い。また、描画基板とハニカムコアとの接着部分に不良があると、接着不良部分で隣り合うセルが互いに連通してしまう。

このように、従来の製造方法では温度管理に精度を要求されるから、製造が非常に面倒であった。

本発明は上記問題点を解消するとともに、この種の磁気表示パネルがほとんど幼児のみによって使用されるものであることに鑑み、幼児の身体に安全で害となる危険性が少ないようにすることを第一の目的として成立したもので、幼児が磁気ペンの先端で磁気画板の描画面を強く突いても描画面が破損したり、描画面とハニカムコアとの接着が破壊されたりしにくく、幼児の身体の安全を十分に確保することができるとともに、常にクリアな描線を表示することができ、しかも不要になった場合でも公害を起こさないように安全に処分することができる磁気表示パネルを提供することをその課題とする。

そして、本発明は、温度管理を容易にして製造効率を上げることができるとともに、廃棄後も環境を汚染せず、健康にも害のない安全な処分をすることができる磁気表示パネルの製造方法を提供することをその課題とする。発明の開示

前記課題を解決するため、本発明に係る磁気表示パネルは、周縁部を高くして内側に凹部を形成したコア収納体と、凹部を覆う面板との間に、磁性粒子を含む塑性分散液体を封入した多数のセルを有するコアプロックを接着剤によって密封し、コア収納体及び面板がそれそれォレフィン系合成樹脂製であって、かつ、コァ収納体及び面板のうち、描画面を構成する一方のものを透明又は半透明にし、コアプロックをパルプ原料紙製としたことを特徴とする。

なお、コアブロックはグラシン紙製としてもよく、また、コアブロックはパ一チメント紙製としてもよい。

さらに、コア収納体は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフ夕レート、ポリプロビレンから選択した素材で構成すればよい。

同様に、接着剤は酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、紫外線硬化性の接着剤から選択すればよい。

さらに、コア収納体の凹部の上端部は上記ハニカムコアの上端部よりもわずかに高くするのが好ましい。

さらにまた、コア収納体の凹部と上記ハニカムコアの上端部の高さの差は 0より大きく 0 . 1 mm以下とするのがよい。

塑性分散液体に含まれる着色剤は、コアプロックと同系色にするのが好ましい _c また、本発明に係る磁気表示パネルの製造方法は、ォレフィン系の合成樹脂製コア収納体の周縁部を高くして内側に凹部を形成し、この凹部内に多数の独立したセルを有する紙製のコアプロックを配置し、このコアプロヅクと凹部とを接着剤で接着することと、その後、コアブロックに磁性粒子を含む塑性分散液体を充填することと、さらに、コア収納体とコアブロックを挟んで反対側に設けたォレフィン系の合成樹脂製面板の裏側に接着剤を塗布し、これをコアブロックの開口面に接着して塑性分散液体を各セル内に封入することとを含むことを特徴とする。なお、接着剤は室温硬化型接着剤か、あるいは紫外線硬化型接着剤とするのが好ましい。

また、コアブロックはハニカムコアであるのが好ましい。

さらに、面板をコアブロックの開口面に接着するにあたっては、適宜の手段によって面板をコアプロックの開口面に押し付けながらこの開口面に沿って移動させて接着させるか、あるいは適宜の押圧手段によって面板をコアプロックの開口面に押し付けて接着させるようにするのがよい。図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係る磁気表示パネルの実施例を裏側から見た斜視図である。図 2は、図 1の磁気表示パネルの断面図である。

図 3は、図 1の磁気表示パネルの分解斜視図である。

図 4 A〜図 4 Cは、ハニカムコアの製作態様を示す説明図である。

図 5 A及び図 5 Bは、ハニカムコアの他の例の製作態様を示す説明図である。図 6 A〜図 6 Eは、塑性分散液体の封入態様を示す説明図である。

図 7は、ハニカムコア上への面板の接着態様の他の例を示す説明図である。図 8は、コア収納体の他の例を示す縦断面図である。

図 9 A及び図 9 Bは、塑性分散液体の封入態様の他の例を示す説明図である。図 1 0は、塑性分散液体の封入態様のさらに他の例を示す説明図である。

図 1 1 A、図 1 1 B及び図 1 1 Cは、それそれコアブロックの他の例を示す平面図である。

図 1 2 A及び図 1 2 Bは、ハニカムコアのセル間が連通した場合の気泡の成長態様を示す説明図である。発明を実施するための最良の形態

図 1は本発明に係る磁気表示パネル 1の斜視図、図 2はその断面図であり、図 3は分解斜視図を示すもので、この磁気表示パネル 1は面板 2とコア収納体 3との間に多数のセル 4を有するコアプロックとしてハニカムコア 5を密封し、ハニカムコア 5の各セル 4の内部に磁性粒子を含む塑性分散液体 7を封入したものでめる。

上記構成において、磁気ペン（図示せず）の先端を描画面（コア収納体 3の表面）に接触させ、あるいは面板 2の裏側に摺動自在に配置された磁石等を配した字消し棒（図示せず）を左右に動かすことにより、塑性分散液体 7に磁界を作用させて磁性粒子を描画面に浮上させ又は描画面から離反するように沈降させて描画面に絵や文字を表示し又は消去させることができる。

コァ収納体 3は描画面を構成するもので、透明又は半透明なォレフィン系合成樹脂、例えばポリエチレンテレフ夕レート（P E T ) などのポリエチレン系合成樹脂あるいはポリプロピレンなどのポリプロピレン系合成樹脂から構成し、図 2 及び図 3に示すように、コア収納体 3の周縁部 3 aを高くして内側に凹部 8を形成しておく。このような形状は通常のバキューム成形によって得ることができる。なお、コア収納体 3は通常はポリエチレン、ポリエチレンテレフ夕レート、ポリプロピレン、ポリブテンから選択した素材で構成するのが好ましい。

次に、ハニカムコア 5は多数の独立したセル 4を有するハニカム構造で、耐水、耐油性の紙製部材である。通常はグラシン紙（例えば王子製紙製の「グラシン

(商標名）」及び「クリスラップ（商標）」）を使用するのが好ましい。グラシン紙は厳選されたパルプを原料とし、透明度が高いのが特長である。しかも、従来の塩化ビニル製のハニカムコアの肉厚（ 6 0〃m程度）の半分の 3 0 Αί π！〜 4 0 / m程度の厚さとすることができる。そのほか、耐油脂性が高く、強度 '抗張力が抜群に高い等の特長を有する。

グラシン紙としてはその坪量が 2 5〜 5 0 g /m ²の範囲のものが適当である。その理由は、 2 5 g /m²以下であると、厚みは 2 5〃m以下となり、全体の強度が不足し、 5 0 g/m²以上であると強度は十分であるが、透明度が低下し、厚みがアップしてしまうので、描画面に現われてしまうという欠点がある。最適なものは 35. 5 ± 2. 0〜4 1. 0± 2. O g/m²である。

表 1に、グラシン紙の物性値を示す。表 1

なお、同様の特長を有するパーチメント紙を使ってもよい。この場合は、坪量が 30. 0〜60. 0 g/m²のものが適当であるが、 35. 0〜45. 0 g/m ²のものが最適である。

ハニカムコア 5は、例えば図 4 Aに示すように、多数の帯状紙片 9のそれそれの表裏面に交互に一定の間隔をおいて接着剤 1 1を塗布し、これらを図 4Bのように同じ大きさの 2枚の紙片 9 aの間に挟んで重合し、加熱、押圧等によって重合した帯状紙片 9， 9 aを接着した後、全体を図 4 Cのように紙片 9の正背方向に引き出して展張させることによって得ることができる。

グラシン紙の場合、接着剤 1 1としては、例えば酢酸ェチル 49〜5 1 %とゥレ夕ン樹脂 49〜5 1%とを混合したものを主剤とし、ポリイソシァネートプレポリマー 7 5%と酢酸ェチルとを混合したものを硬化剤とし、主剤 100部に対して硬化剤 10部を配合した 2液混合タイプのものを使用すればよい。また、図 5 Aに示されるように、多数の紙シート 1 0のそれそれの表裏面に交互に一定の間隔をおいて接着剤 1 1を帯状に塗布し、これらを図 5 Bのように同じ大きさの 2枚の紙シート 1 0 aの間に挟んで重合し、加熱、押圧等によって重合した紙シート 1 0， 1 0 aを接着した後、図 5 Bのように接着剤の塗布方向と直交する方向に所定の幅で線 Pのように切断し、切断したものを上述と同じく正背方向に引き出して展張させることによつても得ることができる。もちろん、他の構成であってもよい。

ハニカムコア 5の各セル 4の大きさは、通常はその最大幅が 2 . 0〜8 . 0 m mの円に内接する程度とするのが好ましい。最大幅が 2 . O mm以下のものを紙で形成するのは技術的に困難であるほか、幼児用の描画に精細なものは不要であり、 8 . O mm以上のものではセル 4が大きくなりすぎてセル 4内の全ての磁性粒子の上昇、沈降をコントロールすることが難しく、描画にムラが生じるおそれがある。最適値は 3 . 0〜4 . O mmである。ハニカムコア 5の厚みはコア収納体 3の凹部 8の高さと関係するので、後述する。

なお、コア収納体 3の凹部 8の上端部はハニカムコア 5の上端部と同じになるように形成してもよいが、後述する理由により、上記コア収納体 3の凹部 8の上端部は図 6 Bに示すようにハニカムコア 5の上端部よりも差 d分（後述）だけわずかに高くなるように形成されている。

面板 2もォレフィン系合成樹脂から構成されている。面板 2を描画面とする場合は、こちらを透明又は半透明にする。

ハニカムコア 5の表裏の開口端面は、上記コァ収納体 3と面板 2の裏面に接着し、これによりハニカムコア 5はコア収納体 3と面板 2との間に密封されている c また、ハニカムコア 5の各セル 4の内部には磁性粒子を含む乳白色の塑性分散液体 7が封入されている。

次に、上記構成のコア収納体 3と面板 2との間にハニカムコア 5を密封するとともに、磁性粒子を含む塑性分散液体 7をハニカムコア 5の各セル 4中に封入する要領を説明する。

まず、ハニカムコア 5を図 6 Bのようにコァ収納体 3の凹部 8に収納配置して接着する。この場合、接着剤 1 2を凹部 8の底面に塗布してからその表面にハニカムコア 5を押圧すればよい。コア収納体 3とハニカムコア 5とを接着する接着剤 1 2としては、ォレフィン系合成樹脂と紙とを接着するのに適合するものを使用することができる。変性ォレフィン系ホットメルト接着剤などのように熱硬化型の接着剤でもよく、後述するような常温で硬化する接着剤でもよい。変形防止の点からいえば、熱硬化型接着剤を使用すると描画面を構成するコア収納体 3が熱のために歪む可能性があるから、常温硬化型のものの方が好ましい。

次に、図 6 Cに示すように、コア収納体 3の凹部 8内に十分に撹拌した塑性分散液体 7を充填する。塑性分散液体 7としては、磁気ペンの先端を描画面に接触させ、あるいは字消し棒を動かすことにより、分散液体 7に磁界を作用させて磁性粒子を描画面に浮上させ又は描画面から離反するように沈潜させて描画面に絵や文字を表示し又は消去させることができるものであればよい。このような塑性分散液体 7としては、分散媒に磁性粒子、微粒子増稠剤及び着色剤を配合したものが知られている。

分散媒としては、例えば、水、グリコール類等の極性分散媒、有機溶剤、油類等の非極性分散媒などが挙げられる。磁性粒子としては、黒色マグネタイト、ァ —へマ夕イト、二酸化クロム、フェライトなどの酸化物磁性材料や鉄、コバルト、ニッケル等の合金系の金属性磁性材料の粒子等を用いればよい。微粒子増稠剤としては、例えば、無水けい酸、含水けい酸カルシウム、含水けい酸アルミニウム、シリカ粉、けい藻土、カオリン、クレー、ベントナイト、等の単独又は混合物からなる微粉けい酸塩、アルミナ、極微細炭酸カルシウム、極微細活性炭酸カルシゥム、重質炭酸カルシウム、含水塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等があり、さらに、着色剤としては、白色顔料や染料などがある。

ところで、ハニカムコア 5の各セル 4の内部に塑性分散液体 7を封入するためには、コア収納体 3上にハニカムコア 5を接着固定してから塑性分散液体 7を充填し、さらにハニカムコア 5上に面板 2を接着するという工程を踏む。

なお、コア収納体 3の凹部 8の上端部がハニカムコア 5の上端部よりもわずかに高い場合は、コア収納体 3の凹部 8内に磁性粒子を含む塑性分散液体 7を充填したとき、図 6 Cのように、上記塑性分散液体 7の液面はハニカムコア 5の上面を越えて凹部 8の周縁部 3 aの高さまで達する。次に、ハニカムコア 5上に面板 2を接着固定する。まず、面板 2の裏面に接着剤を塗布する。接着剤は面板 2の変形を防止するため、常温で硬化するものが好ましく、エポキシ樹脂系接着剤又は紫外線の照射によって硬化する変性ァクリル樹脂系接着剤が適する。いずれを使うかは、後述のように接着作業を短時間で行なうか長時間で行なうかによつて対応すればよい。

エポキシ樹脂はビスフエノール又はその誘導体とェピクロロヒドリンとの反応にによって得られるェピービスタイプのほか、グリシルエステルタイプ、フエノ —ルノボラックタイプなどいろいろな種類があるが、いずれも分子中に 2個以上のォキシラン環（エポキシ基）を持つオリゴマ一のことである。室温で硬化するのは、例えばエポキシ—ポリアミドゃエポキシ樹脂とポリメルカブタン系硬化剤を組み合わせた速硬化エポキシなどの 2液性のものが多いが、最近は 1液性の変性エポキシも閧発されてきている。水中硬化エポキシとしてエポキシ一変性ポリァミンなども使用することができる。エポキシ樹脂はまた、ほとんど全ての被着材に対して接着性がよく、一般に揮発性の溶剤を含まないから、硬化後ほとんど収縮せず、肉やせがない、プラスチックなどに対して溶剤による白化、ひび割れなどがなく接着できる、耐薬品性、耐湿性などに優れているなどの特長がある。なお、エポキシ樹脂系接着剤は硬化完了まで固定しておくが、圧締は接触圧程度でよく、一般には室温で 2 4時間放置して硬化が完了する。硬化時間を短くする場合は、 6 0〜 1 0 0 ° Cで 3 0 ~ 6 0分間加熱すれば硬化する。したがって、接着作業を長時間で行なう場合に適している。

また、紫外線硬化型接着剤は紫外線エネルギーを吸収して光重合反応を起こし硬化するもので、ラジカル重合型であり、不飽和ポリエステル、ポリエステルァクリレート、ウレタンァクリレート、シリコーンァクリレート、エポキシァクリレートなどのオリゴマー、モノマーと、ベンゾインエーテル系、ベン Vフエノン系、ァセトフエノン系、チォキサントン系の光重合開始材が主成分であり、これに種々の添加剤を添加したものである。他に、ラジカル付加形のポリエチレンチオールを主成分としたもの、カチオン重合形のエポキシ樹脂/光分解性ォニゥム塩を主成分としたものなどがある。通常は被接着材の合わせ面には紫外線は届かないが、面板 2は透明なォレフィン系樹脂材から構成され、紫外線を透過するから、問題はない。

なお、紫外線硬化型接着剤は、紫外線の照射により秒単位で硬化するので、ラインの自動化、スピード化ができる、 1液性で混合の必要がない、熱硬化に比してエネルギー効率が高いなどの特長があり、可撓性、密着力、耐薬品性など種々の物性を有した硬化物が得られる。したがって、接着作業を短時間で行なう場合に適している。

次に、上述のように面板 2の裏面に接着剤を塗布した後、図 6 Dのように面板 2をコア収納体 3上に重合し、さらに図 6 Eのように適宜の丸棒状、板状等の擦り切り手段 1 3によって面板 2をハニカムコア 5の開口面に押し当てながらこの開口面に沿ってゆつくりと摺動させる。擦り切り手段 1 3は転動させるように構成してもよい。これにより、余分な塑性分散液体 7は粉体の擦り切りと同じ効果で凹部 8から排除され、同時に面板 2はハニカムコア 5の各セル 4の上端面に押圧されて接着されるから、その内部に空気が入ることがなく、ハニカムコア 5の各セル 4内には塑性分散液体 7が封入される。

この場合は、接着作業を短時間で行なわなければならないので、接着剤は紫外線硬化型接着剤を使用するのが好ましい。

しかし、図 7に示す押圧手段 1 4をハニカムコア 5の開口面に押圧固定して接着するようにしてもよい。この場合は、接着作業は短時間で行なう必要はないので、接着剤は紫外線硬化型接着剤よりも、エポキシ樹脂系接着剤を使用する方が望ましい。エポキシ樹脂系接着剤を使用するときは、押圧手段 1 4によって面板 2をハニカムコア 5に押圧固定するにあたり、圧締は接触圧程度でよいので、作業は簡単である。なお、面板 2も平板状ではなく、予め凹部 8とハニカムコア 5 の上端部との段差に応じて皿状に形成しておくのが好ましい。

ところで、コァ収納体 3の凹部 8の上端部とハニカムコア 5の上端部との差 d が小さいときは、コア収納体 3に塑性分散液体 7を充填した後、円筒状等に形成された適宜の擦り切り手段（図示せず）によって面板 2をハニカムコア 5に押し当てながら図 6 Eと同じ要領でハニカムコア 5の開口面に沿って比較的速い速度で摺動又は転動により移動させることができる。これにより、ハニカムコア 5の上面を越えた余分な塑性分散液体 Ίは粉体の擦り切りと同じ効果で凹部 8から排除され、同時に面板 2はハニカムコア 5の開口面に押圧されて接着され、塑性分散液体 7はハニカムコア 5のセル 4内に充填される。面板 2は擦り切り動作により余分な塑性分散液体 7を押し除けながらハニカムコア 5の上端に接着されるから、外部の空気は排除される分散液体 7が邪魔して面板 2とハニカムコア 5との間に進入することができない。したがって、空気はハニカムコア 5の内部に入ることがないので、ハニカムコア 5の各セル 4には塑性分散液体 7のみが封入される

以上のうち、押圧手段によれば塑性分散液体 7の封入は確実であるが、擦り切り手段によれば作業を迅速に行なうことができる。

ところで、ハニカムコア 5よりも上の塑性分散液体 7は、ハニカムコア 5に面板 2が接着されるときに空気が入り込まないようにするためのものであるが、その反面、ハニカムコア 5には充填されることのない余分な液であり、この余分な液の量が大きすぎると、擦り切り時の擦り切り手段 1 3の移動に対する抵抗も大きくなるほか、擦り切り手段 1 3によって押されるときの波の力がハニカムコア 5の形を変形させる要素になる。このため、擦り切り手段 1 3の移動速度を抑えなければならないので、作業を迅速に行なうことができない。したがって、ハニカムコア 5と凹部 8の上端部の寸法差 dは小さい方が好ましい。最適値は 0 . 0 l mm程度であるが、実用に適する値としては 0 . 1 mm以下にするのが好ましい。もちろん、上記寸法差 dが 0 mmの場合は除く。 0 mmよりも大きいことが必要である。

なお、ハニカムコア 5の厚みは 0 . 5 mm〜 5 . 0 mm程度であるのが好ましい。厚みが 0 . 5 mmよりも小さいと磁性粒子がセル 4の底部に沈潜した状態で面板 2の外部から透視できてしまい、また 5 . 0 mmよりも大きいと磁気ペンや字消し棒の磁力を必要以上に大きくしなければならないからである。最適値は 0 . 8 mn！〜 2 . 0 mmである。したがって、コア収納体 3の凹部 8の高さは、ハニカムコア 5の厚みに上記寸法差 dを加えた分となる。

上述のように、ハニカムコア 5の各セル 4の内部に塑性分散液体 7を封入するためには、コア収納体 3上にハニカムコア 5を接着固定してから塑性分散液体 7 を充填し、さらにハニカムコア 5上に面板 2を接着するという工程を踏むことになる。したがって、コア収納体 3の肉厚を面板 2の肉厚よりも大きく、例えば前者が 0 . 2 mmで、後者が 0 . 1 mm程度とするのがよい。その理由は、コア収納体 3は描画面を構成するので、表面が平滑でしかも描画時に橈まないようにするために肉厚の方がよいのに対し、面板 2は塑性分散液体を擦り切りながらハニカムコア 5に接着させるために柔軟であることが必要だからである。

また、コァ収納体 3の周縁部 3 aの幅は少し大き目にしておく方が好ましい。それは、上記周縁部 3 aが面板 2の周縁部とののり代でもあるためコァ収納体 3 と面板 2との接着強度が高くなる、磁気画板用枠体などの表示手段に組み付ける際に、表示手段との間に余分なガ夕付きが生じないので位置合わせがしゃすい、表示手段に固定するための穴あけ加工が容易になるなどの理由による。

次に、擦り切りによる封入態様は上述の例に限定されない。例えば、図 8に示されるように、コア収納体 3の周縁部 3 aを斜めに形成してもよく、あるいは図 9 Aに示されるように、コア収納体 3の周縁部 3 aを 2段構造とし、中段部 3 b の上端部とハニカムコア 5の上端部とを同じに形成してもよい。この場合、図 9 Bに示されるように、磁性粒子を含む塑性分散液体 7の液面をコア収納体 3の上段部 3 cの上面まで充填し、次に、面板 2をハニカムコア 5の上面に被せる。このとき、面板 2の周縁部はハニカムコア 5の中段部 3 bに重合される。この状態で、上述と同じ要領で擦り切り手段を作動させることにより、面板 2はハニカムコア 5に接着すると同時に、余分な塑性分散液体 7は排除され、ハニカムコア 5 の各セル 4内には塑性分散液体 7が封入される。

また、図 1 0に示されるように、コア収納体 3の凹部 8内に、凹部 8の高さと同じ厚みのハニカムコア 5を収納固定した状態のものを、コア収納体 3の高さよりも高い寸法のパネル収納体 1 5の内部に収納配置して面板 2を接着固定するようにしてもよい。この場合、パネル収納体 1 5の内部に磁性粒子を含む塑性分散液体 7を充填すると、上記塑性分散液体 7の液面はコァ収納体 3とハニカムコア 5の上面を越えてパネル収納体 1 5の周壁上端まで達する。そこで、上述と同じ要領で適宜の擦り切り手段又は押圧手段によって面板 2をハニカムコア 5の開口面に沿って移動させ、またはハニカムコア 5の開口面に押し当てることにより、面板 2は塑性分散液体 7の液中でハニカムコア 5の各セル 4の上端面に押圧されて接着され、その内部に空気が入ることがない。接着後、余分な塑性分散液体 7 は排除すればよい。

上記例の場合は、面板 2は全面が平面状となり、その周縁部も変形することがないので、ハニカムコア 5との接着も確実となる。また、パネル収納体 1 5の周壁の高さはコア収納体 3等の高さと関係なく決めることができるので、周壁を高くすることにより内部に充填した塑性分散液体 7を十分に振動、撹拌することができ、これによつて充填時に混入した気泡をかなり微小なものまで大気に放散させることができる。

なお、面板 2とコア収納体 3とハニカムコア 5とを接着する接着剤としては、室温で硬化するァクリル系接着剤や、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型接着剤が好ましい。熱硬化型接着剤を使用すると特に描画面であるコア収納体 3が熱のために歪む可能性があるから好ましくない。

ところで、コア収納体 3と面板 2との間に密封されるコアブロック 5は、セル 4がハニカム状のハニカムコアに限定されない。例えば、セル 4が図 1 1 Aに示されるような方形状のものであってもよく、また図 1 1 Bに示されるように波形が交互に連続するような形状であってもよい。さらには、図 1 1 Cに示されるように、ダイヤ又は菱形形状であってもよい。

なお、コア収納体 3及び面板 2をォレフイン系樹脂から構成するときは、吸水性が小さい点が優れているが、通常の場合、接着が困難である。度重なる実験により酢酸ビニル系、ァクリル樹脂系あるいは紫外線硬化性接着剤が良好であることが分かった。しかし、その中でも、酢酸ビニル樹脂系接着剤を使用することにより紙との接着性が良好となることが判明した。その理由は、酢酸ビニル樹脂系接着剤の固化は含有溶剤の消失によって行なわれるから、少なくとも被着材のー方が多孔質であることが必要であるが、ハニカムコア 5は紙製で、紙の繊維が含有溶剤を消失させるからであると思われる。

上述のように、ハニカムコア 5とコア収納体 3及び面板 2とは接着剤によって接着するものであり、加熱温度を細かく管理する必要がなく、温度管理が容易になるから製造効率を上げることができる。

一方、上述のように、上記構成の磁気表示パネル 1は、コア収納体 3及び面板 2を構成するォレフィン系合成樹脂とハニカムコア 5を構成する紙とを複合化した磁気表示パネル 1であるが、同時にほとんど幼児の使用にのみ供されるものである。したがって、幼児が磁気ペンの先端で磁気表示パネル 1の描画面を強く突いたり叩いたりすることもある。

このような場合、磁気ペンの衝撃は描画面を構成するコァ収納体 3からハニカムコア 5に伝えられるが、ハニカムコア 5は比較的柔軟な紙製であり、衝撃を受けたときにクヅシヨンとなる効果があるので、衝撃はコア収納体 3とハニカムコァ 5とにより柔軟に吸収される。このように、上記磁気表示パネル 1は衝撃力が一点に集中しないようにし、その周囲で吸収する構成であるから、コア収納体 3 が破れにくい。したがって、幼児が磁気ペンの先端で磁気表示パネル 1のコア収納体 3を強く突いたり叩いたりしても、ハニカムコア 5内の塑性分散液体 7が漏れ出して衣服に付着したり、幼児が飲んだり、目に入れたりする事故を有効に防止することができる。

さらに、ハニカムコア 5を紙製とすることにより、従来の塩化ビニル製のハニ力ムコアに比べて加工性に優れ、肉厚を半分程度に薄くすることができるので、ハニカムコア 5の各セルの端面が描画面に占める割合が小さくなる。その分だけ描画面積が大きくなる。また、上記端面の面積が小さくなれば、外部からの光の反射面が小さくなる。さらに、グラシン紙の場合は前述のように通常の紙よりも薄く、軽量である上、透明度が高く、光をよく透過させるほか、紙のなかでも高ぃ耐油性を有し、また塑性分散液体 7が含浸するとさらに透明度が上がり、隣り合うセル内の塑性分散液体 7との境界がわかりにくい。このため、描画面はハニカムコア 5のハニカム形状が現われにくい、均質で一体的な画面となる。しかも、ハニカムコア 5の肉厚が小さいことにより、磁性粒子を充填したハニカムコア 5 とコア収納体 3とを接着するとき、磁性粒子がハニカムコア 5のセルの端面とコァ収納体 3の裏面との間に入り込みにくい。したがって、描画効率が格段に向上する。パーチメント紙を使用した場合も同様の効果を有する。

同様に、塑性分散液体に含まれる着色剤とハニカムコア 5とを同系色（通常は白色）にすることにより、描画面に映りこんだハニカムコア 5のセルを見掛け上は消失させて描画面全面を同一色にすることができる。また、変形はコア収納体 3の一部が曲面状に曲がるものであって、従来のように弾性限界を越えて角度をなして曲がる変形ではないから、衝撃が加えられた後にコア収納体 3は固有の弾性によって元の平面形状に復元するが、この復元力に助けられてハニカムコア 5の変形部分も原形状に戻りやすい。

さらに、ハニカムコア 5は紙製であるから接着性がよく、コア収納体 3及び面板 2とハニカムコア 5とは強固に接着される。このため、通常の幼児が加える程度の衝撃では、隣り合うセル 4間が連通してしまうことによる描線表示の不鮮明や液漏れなどの現象が発生することはなく、長期間クリアな描線を描くことがでぎる。

加えて、ハニカムコア 5は紙製であるから、静電気が帯電しにくい。したがつて、磁性粒子の流動性が静電気によって阻害されることがないので、初めから円滑にきれいで明瞭な線を描くことができる。

さらに、磁気表示パネル 1のコア収納体 3及び面板 2はそれぞれォレフィン系合成樹脂から成り、上記ハニカムコア 5は紙から構成されている。したがって、不要になって廃棄された後に焼却処分されても、ダイォキシンを発生することがない。

なお、面板は必ずしもォレフィン系樹脂製でなく、従来のように塩化ビニル樹脂から構成してもよい。塩化ビニルは加工性や接着性がよい点で優れており、塩化ビニルを使用した場合でも、ハニカムコア 5は紙製であり、コア収納体はォレフィン系合成樹脂から構成されているので、環境への影響を緩和することができ本発明の磁気表示パネルでは、幼児が不用意に磁気ペンの先端で磁気表示パネルの描画面を強く突いたり叩いたりした場合、磁気ペンの衝撃は描画面を構成するコア収納体からコアプロヅクに伝えられるが、コアプロヅクはクヅシヨン効果のある比較的柔軟な紙製であるから、衝撃はコアプロックの変形によって吸収され、描画面に穴があく可能性は小さい。したがって、コアブロック内の塑性分散液体が漏れ出して衣服に付着したり、幼児が飲んだり、目に入れたりする事故を有効に防止することができ、幼児の身体の安全を十分に確保することができる。また、衝撃を受けたとき、コア収納体やコアブロックは曲面状になって変形する傾向が強い。したがって、変形後も元の形状に復元しやすいから、耐久性も向上する。

さらに、コアブロックは紙製であるため、接着剤がコアブロックの開口端面の繊維に浸透し、コアブロックとコア収納体とは強固に接着されているから、磁気ペン等の衝撃があっても、コア収納体とコアプロヅクとの接着が破壊されにくい。したがって、通常の幼児が加える程度の衝撃では、液漏れや表示不鮮明などの現象が生じることはなく、耐久性が向上する。

同様に、コアブロックは紙製であるから、静電気が帯電しにくい。したがって、磁性粒子の流動性が静電気によって阻害されることがないので、初めから円滑にクリアな線を描くことができる。

さらに、コアブロックを紙製とすることにより、従来の塩化ビニル製のコアブ口ヅクに比べて肉厚を半分程度に薄くすることができるので、コアプロヅクの端面が描画面に占める割合が小さくなる。その分だけ描画面積が大きくなる。また、上記端面の面積が小さくなれば、外部からの光の反射面が小さくなるだけでなく、コアプロックのセル内に磁性粒子等を封入するときにこれらが上記端面と描画上に乗ってりにくい。しかも、紙は光をよく吸収するから、描画面にコアブロックの端面形状が現われにくい。したがって、描画効率が格段に向上する。

加えて、コア収納体及び面板はそれそれォレフィン系合成樹脂から成り、上記コアプロックは紙から構成されている。したがって、廃棄された後に焼却処分されても、ダイォキシンが発生することがないから、環境を汚染したり、健康を害したりすることがなく、安全に処分することができる。

さらに、本発明の一実施態様によれば、コアブロックはグラシン紙又はパーチメント紙から構成され、これらの紙は透明度が高く、光をよく透過させるほか、塑性分散液体がよく含浸するので、隣り合うセル内の塑性分散液体との境界がわかりにくい。このため、描画面はコアブロックのセル形状が現われにくい、均質で一体的な画面となる。しかも、コアブロックの肉厚が小さいことにより、磁性粒子を充填したコアプロックとコア収納体とを接着するとき、磁性粒子がコアブ口ヅクのセルの端面とコア収納体の裏面との間に入り込みにくい。したがって、描画効率が格段に向上する。さらに、本発明の一実施態様によれば、コア収納体は、ポリエチレン、 P E T 又はポリプロピレンからいずれかを選択して構成することができるので、透明性や強度の高いコア収納体を得ることができる。

さらに、本発明の一実施態様によれば、接着剤は酢酸ビニル樹脂系、アクリル系、紫外線硬化性の接着剤からいずれかを選択すればよく、その選択に幅ができる

さらに、本発明の一実施態様によれば、上記コア収納体の凹部の上端部は上記コアブロックの上端部よりもわずかに高く形成されている。したがって、磁気表示パネルを製造する場合に、塑性分散液体をコア収納体内のコアプロックの各セルから溢れさせておき、コアブロック上に面板を接着するときに擦り切りすることにより、各セル内に空気が混入することのない良好な磁気表示パネルを製造することが可能となる。

さらに、本発明の一実施態様によれば、コア収納体の凹部とコアブロックの上端部の寸法差は 0 . 1 mm以下としたから、コアブロックの各セル内に空気が混入させることなく、面板をコアプロックに接着する作業を迅速に行なうことができる。

さらに、本発明の一実施態様によれば、着色剤とコアブロックとは同系色であるから、描画面に映りこんだコアプロックのセルを見掛け上は消失させて描画面全面を同一色にすることができる。

そして、本発明の磁気表示パネルの製造方法では、コアブロックとコア収納体及び面板とは接着剤によって接着するものであり、加熱温度を細かく管理する必要がなく、温度管理が容易になるから製造効率を上げることができる。

しかも、コアブロックは紙であるから、面板とコアブロックとを接着する接着剤は、コアブロックの開口端面の繊維に浸透する。このため、面板とコアブロヅクとは強固に接着される。したがって、塑性分散液体は各セル内に確実に封入され、幼児が磁気ペンで突いたり叩いたりする程度の衝撃に対しても十分に耐えられるとともに、常にクリアな描線を描くことができる。

本発明の方法の一実施態様によれば、接着剤は室温硬化型接着剤であるから、コア収納体を加熱する必要がないので、コア収納体自体が変形することがない。したがって、描画時の磁気ペンの滑りが滑らかとなり、商品としての完成度が高い。

本発明の方法の一実施態様によれば、接着剤は紫外線硬化型であるから、秒単位で硬化するので、接着作業を迅速に行なうことができる。

本発明の方法の一実施態様によれば、コアプロックはハニカムコアであるから、最も製造が安定して強度も高いものが得られる。

本発明の方法の一実施態様によれば、面板をコアプロックの開口面に接着するにあたっては、適宜の手段によって面板をコアプロックの開口面に押し付けながらこの開口面に沿って移動させて接着させるので、接着作業を迅速におこなうことができる。

本発明の方法の一実施態様によれば、面板をコアプロックの開口面に接着するにあたり、適宜の押圧手段によって面板をコアプロックの開口面に押し付けて接着させるものであるから、塑性分散液中で確実に面板をコアプロックに接着させることができるとともに、面板の周縁部を変形させることなく接着させることができるので、面板の表面をより平面に近くなるように形成することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 周縁部を高くして内側に凹部を形成したコア収納体と、前記凹部を覆う面板との間に、磁性粒子を含む塑性分散液体を封入した多数のセルを有するコアブ口ックを接着剤によって密封し、

前記コア収納体及び前記面板がそれそれォレフィン系合成樹脂製であって、かつ、前記コア収納体及び前記面板のうち、描画面を構成する一方のものを透明又は半透明にし、

前記コアプロックをパルプ原料紙製としたことを特徴とする磁気表示パネル。

2 . 前記コアプロックがグラシン紙である請求項 1記載の磁気表示パネル。

3 . 前記コアプロックがパーチメント紙である請求項 1記載の磁気表示パネル。

4 . 前記コァ収納体をポリエチレンテレフ夕レートで形成した請求項 1ないし 3のいずれか 1項に記載の磁気表示パネル。

5 . 前記コア収納体をポリエチレンで形成した請求項 1ないし 3のいずれか 1 項に記載の磁気表示パネル。

6 . 前記コア収納体をポリプロピレンで形成した請求項 1ないし 3のいずれか 1項に記載の磁気表示パネル。

7 . 前記接着剤が酢酸ビニル樹脂系接着剤である請求項 1ないし 3のいずれか 1項に記載の磁気表示パネル。

8 . 前記接着剤がァクリル樹脂系接着剤である請求項 1ないし 3のいずれか 1 項に記載の磁気表示パネル。

9 . 前記接着剤が紫外線硬化性の接着剤である請求項 1ないし 3のいずれか 1 項に記載の磁気表示パネル。

1 0 . 前記コア収納体の凹部の上端部を前記ハニカムコアの上端部よりもわずかに高くした請求項 1ないし 3のいずれか 1項に記載の磁気表示パネル。

1 1 . 前記コア収納体の凹部と前記ハニカムコアの上端部の高さの差を 0より大きく 0 . 1 mm以下とした請求項 1 0記載の磁気表示パネル。

1 2 . 前記塑性分散液体にはコアブロックと同系色の着色剤を含む請求項 1ないし 3のいずれか 1項に記載の磁気表示パネル。

1 3 . ォレフィン系の合成樹脂製コア収納体の周縁部を高くして内側に凹部を形成し、この凹部内に多数の独立したセルを有する紙製のコアプロックを配置し、このコアプロックと前記凹部とを接着剤で接着することと、

その後、前記コアプロックに磁性粒子を含む塑性分散液体を充填することと、さらに、前記コア収納体と前記コアプロックを挟んで反対側に設けたォレフィン系の合成樹脂製面板の裏側に接着剤を塗布し、これを前記コアプロックの開口面に接着して前記塑性分散液体を各セル内に封入することとを含む磁気表示パネルの製造方法。

1 4 . 前記接着剤が室温硬化型接着剤である請求項 1 3記載の磁気表示パネルの製造方法。

1 5 . 前記接着剤が紫外線硬化型接着剤である請求項 1 3記載の磁気表示パネルの製造方法。

1 6 . 前記接着剤が酢酸ビニル樹脂系接着剤である請求項 1 4に記載の磁気表示パネルの製造方法。

1 7 . 前記接着剤がァクリル樹脂系接着剤である請求項 1 4に記載の磁気表示パネルの製造方法。

1 8 . 前記コアブロックがハニカムコアである請求項 1 3ないし 1 7のいずれか 1項に記載の磁気表示パネルの製造方法。

1 9 . 前記面板を前記コアブロックの開口面に接着するにあたり、適宜の手段によって前記面板を前記コアプロックの開口面に押し付けながらこの開口面に沿つて移動させて接着させる請求項 1 3ないし 1 7のいずれか 1項に記載の磁気表示パネルの製造方法。

2 0 . 前記面板を前記コアブロックの開口面に接着するにあたり、適宜の押圧手段によって前記面板を前記コアプロックの開口面に押し付けて接着させる請求項 1 3記載ないし 1 7のいずれか 1項にの磁気表示パネルの製造方法。