WO2000001204A1 - Ecran electroluminescent - Google Patents

Description

明 細 書 エレク卜ロルミネセンス 技術分野

本発明は、 透明導電材料からなり選択的発光により任意形状を表現するために 特定形状の複数のセグメント状にて形成された表示電極を有する透明電極とこれ に対向する背面電極間に発光層を介在させるエレク卜ロルミネセンスに関する。 背景技術

透明基板上に、 表示電極と配線電極とに機能分離して形成される透明電極、 中 間層として誘電体材料からなる絶縁層、 発光層、 及び少なくとも透明電極と対向 する背面電極、 とを順次積層した所謂薄膜エレクトロルミネセンスは、 例えば特 許第 2 7 5 8 7 8 5号公報で開示されており、 また、 透明基板上に透明導電材料 からなる陽極， ひとつ以上の層で構成される有機層 （少なくとも有機発光層から 成り、 あるいは、 同時に正孔注入層や必要に応じて正孔輸送層等の有機層を積層 した多層構造から成る） 及び金属導電材料からなる陰極を少なくとも有する所謂 有機エレク卜ロルミネセンスは、 例えば特公平 6— 3 2 3 0 7号公報で開示され ている。

斯かるエレクトロルミネセンスは、 透明電極と背面電極との間に数百ボル卜程 度の交流電圧を印加することにより、 発光層中の発光中心である蛍光物質が励起 され、 励起された蛍光物質が基底状態へ戻る際に光りを放出する。

ところで、 前記透明電極は、 発光層からの発光を透過させるために酸化インジ ゥ厶錫 （ I T O ) 等の透明導電性材料が用いられ、 選択的発光により任意形状を 表現するために特定形状の複数の画素に区画形成されたセグメン卜状にて形成さ れるが、 端子から表示電極までの途中に位置する配線電極の抵抗値が数十 Ω Ζ口 程度であって、 この配線電極における電圧降下により、 配線電極の距離が異なる と各画素における印加電圧に差が発生して発光ムラが生じ、 表示品位を低下させ るという問題がある。

また、 前記背面電極は、抵抗率が低くて膜形成が容易なアルミ二ユウ厶（A I ) 等の金属導電性材料が用いられるが、 前記膜形成によリ背面電極の表面は鏡面状 態となつて、 周囲風景が背面電極で反射して見えることがあり、 表示品位を低下 させるという問題がある。

更に、 前記有機エレクトロルミネセンスは、 陽極と陰極との間に数ボル卜〜数 十ボル卜の直流電圧を印加することにより、 有機層が光りを放出するもので、 他 の種類のエレク卜ロルミネセンスに比べて低電圧駆動が可能となる利点を有する。 ところで、 斯かる有機エレクトロルミネセンスの陰極は、 抵抗率が低くて膜形 成が容易なアルミ二ユウ厶 （A I ) 等の金属導電性材料が用いられるが、 前記膜 形成により陰極の表面は鏡面状態となって、 周囲風景が陰極で反射して見えるこ とがあり、 表示品位を低下させるという問題がある。 発明の開示

透明基板 1上に表示電極 2 1 と配線電極 2 3とに機能分離して形成される透明 電極 2を形成し、 この透明電極 2の上に少なくとも 1層の中間層たる絶縁層 4及 び発光層 5を順次形成し、 この発光層 5の上に表示電極 2 1と対向して背面電極 6を形成したエレク卜ロルミネセンスであって、 配線電極 2 3上に透明電極 2に 比べて抵抗率の小さい金属導電材料からなる補助電極 3を形成する。

これにより、 配線電極 2上に形成された配線電極 2 3に比べて抵抗率の小さい クロム （C r ) 等の金属導電材料からなる補助電極 3を設けることにより、 端子 2 2から表示電極 2 1までの途中に位置する配線電極 2 3における電圧降下を抑 えられる。

特に、 背面電極 6及び補助電極 3を同一材料、 例えば C r又はアルミ二ユウ厶 ( A I ) にて形成する。

これにより、 背面電極 6を補助電極 3と同じ材料とすることにより、 エレクト ロルミネセンスを見た時に補助電極 3部分が背面電極 6上に浮かんで見えること が抑えられる。

透明基板 1上に表示電極 2 1と配線電極 2 3とに機能分離して形成される透明 電極 2及び C rからなる補助電極 3を全面に形成し、 表示電極 2 1及び配線電極 2 3の各個所を除いて透明電極 2及び補助電極 3をエッチングで除去し、 表示電 極 2 1個所を覆っている補助電極 3を除去し、 その上に順次少なくとも発光層 5 及び背面電極 6を形成する。

これにより、 エッチング選択性に優れ、 工程の簡略化が可能であり、 端子 2 2 から表示電極 2 1までの途中に位置する配線電極 2 3における電圧降下を抑えら れる。

透明基板 1上に表示電極 2 1と配線電極 2 3とに機能分離して形成される透明 電極 2及び C rから成るマスク層 3 1を全面に形成し、 表示電極 2 1個所を除い て透明電極 2及びマスク層 3 1をエッチングで除去し、 その上に配線電極 2 3と なる補助電極 3用の A Iを形成し、 表示電極 2 1個所を除いて補助電極 3をエツ チングで除去し、 表示電極 2 1を保護していたマスク層 3 1を除去し、 その上に 順次少なくとも発光層 5及び A Iからなる背面電極 6を形成する。

これにより、 エレク卜ロルミネセンスを見た時に補助電極 3部分が背面電極 6 上に浮かんで見えることが抑えられる。

透明基板 1上に表示電極 2 1と配線電極 2 3とに機能分離して形成される透明 電極 2と、 この透明電極 2と対向して設けられる背面電極 6と、 この背面電極 6 と透明電極 2との間に形成される発光層 5とを有し、 配線電極 2 3が透明基板 1 の周囲側へ引き出し形成されて端子 2 2となるエレク卜ロルミネセンスであって、 表示電極 2 1個所を除く透明電極 2上に形成される補助電極 3を、 少なくとも表 示電極 2 1個所を除いて透明基板 1の表面全体を覆うように形成する。

これにより、 エレクトロルミネセンスを見た時に表示電極 2 1個所以外は、 補 助電極 3の色で統一されるため、 表示電極 2 1 と配線電極 2 3とそれら以外の各 個所とが 3つの異なる色彩で見えることを抑えられる。

透明基板 1上に表示電極 2 1と配線電極 2 3とに機能分離して形成される透明 電極 2と、 この透明電極 2と対向して設けられる背面電極 6と、 この背面電極 6 と透明電極 2との間に形成される発光層 5とを有し、 配線電極 2 3が透明基板 1 の周囲側へ引き出し形成されて端子 2 2となるエレク卜ロルミネセンスであって、 表示電極 2 1個所を除く透明電極 2上に形成される補助電極 3と、 透明電極 2又 は補助電極 3と発光層 5との間に位置する中間層 4とを有し、 この中間層 4は黒 色等の光遮断性の高い色彩の材料からなり、 かつ、 表示電極 2 1及び端子 2 2の 各個所を除いて透明基板 2の表面全体を覆うように形成する。

これにより、 エレクトロルミネセンスを見た時に表示電極 2 1個所以外は、 補 助電極 3の色で統一されるため、 表示電極 2 1と配線電極 2 3とそれら以外の各 個所とが 3つの異なる色彩で見えることを抑えられる。

透明基板 2 0 0上に透明導電材料からなる陽極 3 0 0， ひとつ以上の層で構成 される有機層 4 0 0及び導電材料からなる陰極 5 0 0を少なくとも有するエレク 卜ロルミネセンス 1 0 0であって、 陰極 5 0 0を光反射率の低い材料にて形成し、 この陰極 5 0 0と有機層 4 0 0との間に陰極 5 0 0から有機層 4 0 0への電子注 入を促進させる薄膜層 6 0 0を介在させた。

これにより、 エレクトロルミネセンス 1 0 0を見た時に陰極 5で周囲風景が反 射して見えることが抑えられ、 表示品位を高く保つことができる。

特に、 上記構成において、 陰極 5 0 0をカーボン （C ) で形成した。

これにより、 陰極 5 0 0の膜形成も比較的容易におこなわれ、 陰極 5 0 0形成 における工程の複雑化を生じない。

特に、 上記構成において、 薄膜層 6が、 電子伝達化合物又は電子輸送材料に仕 事関数の低い金属材料をドープしたもので形成した。

これにより、 薄膜層 6 0 0形成における工程の複雑化を生じない。

透明基板 2 0 0上に透明導電材料からなる陽極 3 0 0， ひとつ以上の層で構成 される有機層 4 0 0及び導電材料からなる陰極 5 0 0を少なくとも有するエレク 卜ロルミネセンス 1 0 0であって、 陰極 4 0 0を光反射率の低い材料にて形成し、 この陰極 4 0 0と有機層 4 0 0との間に有機層 4 0 0に近い側から電子輸送材料 から成る電子輸送層 6 1 0及び電子伝達化合物又は電子輸送材料に仕事関数の低 い金属材料をドープしたものから成る電子注入層 6 2 0を順次積層形成した。 これにより、 エレクトロルミネセンス 1 0 0を見た時に陰極 5 0 0で周囲風景 が反射して見えることが抑えられ、 表示品位を高く保つことができる。

特に、 上記構成において、 陰極 5 0 0をカーボン （C ) で形成した。

これにより、 陰極 5 0 0の膜形成も比較的容易に行われ、 陰極 5 0 0形成にお ける工程の複雑化を生じない。 図面の簡単な説明

第 1図は本発明の第 1実施例の要部断面図、 第 2図は同上実施例の要部平面図、 第 3図は同上実施例の製造方法を説明する工程図、 第 4図は本発明の第 2実施例 の製造方法を説明する工程図、 第 5図は本発明の第 3実施例の要部断面図、 第 6 図は本発明の第 4実施例の要部平面図、 第 7図は本発明の第 5実施例の要部断面 図、 第 8図は本発明の第 6実施例の要部断面図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明を、 添付図面に示した実施例に基づき説明するが、 第 1図から第 6図は エレク卜ロルミネセンスに関する。

第 1図から第 3図は、 本発明の第〗実施例に係り、 1は脱脂洗浄を行ったソー ダガラス等の透明基板、 2は透明基板 1上に形成された I T O等の透明導電材料 からなり選択的発光により任意形状を表現するために特定形状の複数のセグメン 卜状にて形成された表示電極 2 1と透明基板 1の周囲側へ引き出し形成された端 子 2 2と表示電極 2 1から端子 2 2をつなぐ配線電極 2 3とに機能分離して形成 されると共に後述する背面電極用に端子 2 4を形成された透明電極、 3は配線電 極 2 3上に形成された透明電極 2に比べて抵抗率の小さいクロム （C r ) 等の金 属導電材料からなる補助電極、 4は表示電極 2 1及び端子 2 2を除いて透明電極 2上に形成されたアルミナゃ窒化シリコン等の誘電材料からなる中間層たる絶縁 層、 5は表示電極 2 1及び絶縁層 4上に形成された母材たる硫化亜鉛と発光中心 たるマンガンとの発光材料からなる発光層、 6は発光層 5上に位置して表示電極 2 1と対向するように形成されたアルミ二ユウ厶 （A I ) 等の金属導電材料から なる背面電極であってこの背面電極 6の一部も透明電極 2と同様に透明基板 1の 周囲側へ引き出し形成されて端子 2 4に接続されている。

なお、 この端子 2 4は、 背面電極 6の一部を直接透明基板 1の周囲側まで引き 伸ばし形成してここに電源を接続する構成とする場合には、 設ける必要はない。 これら透明電極 2〜背面電極 6の積層体は、 順次蒸着やスパッタリング等の適 宜方法により積層形成される。

7は透明基板 1に接着固定された透明基板 1 と同様な材料からなる封止部材で あって中央部には凹部を有して絶縁保護液体 8を収納している。 この絶縁保護液 体 8は、 封止部材 7の凹部に予めディスペンザ一等の用具を用いて注入しておき、 その後に透明電極 2〜背面電極 6を形成した透明基板 1を、 接着剤 9を設けた封 止部材 7に合わせて固定することにより凹部へ注入したり、 あるいは、 透明電極 2〜背面電極 6を形成した透明基板 1に接着剤を設けた封止部材 7を合わせて固 定した後に、 封止部材 7に用意した注入口 1 0から絶縁保護液体 8を凹部へ注入 する等の方法によリ形成される。

しかして、 斯かるエレクトロルミネセンスは、 配線電極 2上に形成された配線 電極 2 3に比べて抵抗率の小さい C r等の金属導電材料からなる補助電極 3を設 けることにより、 端子 2 2から表示電極 2 1までの途中に位置する配線電極 2 3 における電圧降下を抑えられることから、 配線電極 2 3の距離の差に起因して生 じる発光ムラを改善して、 見栄えを向上させることができる。

第 3図は、 前記実施例において、 補助電極 3として C rを用いる場合の製造方 法を示しており、 透明基板 1上に I T Oの透明電極 2と C rから成る補助電極 3 を全面に形成し （同図 （A ) )、 補助電極 3の C rをエッチングの際のマスク材と して利用することにより表示電極 2 1， 端子 2 2 , 配線電極 2 3及び端子 2 4の 各個所を除いて I T Oの透明電極 2とじ rの補助電極 3をエッチングで除去し (同図（ B ) )、更に表示電極 2 1個所を覆っている C rの補助電極 3を除去し（同 図 （C ) )、 その上に順次必要な層を形成して最後に A Iから成る背面電極 6を形 成する （同図 （D ) )。

このように、 補助電極 3として C rを用いることにより、 透明基板 1， 透明電 極 2， 補助電極 3と連続して成膜後、 表示電極 2 1， 端子 2 2， 配線電極 2 3及 び端子 2 4のパターニングを行い、 その後に表示電極 2 1のみ補助電極 3を除去 することができ、 エッチング選択性に優れ、 工程の簡略化が可能であり、 端子 2 2から表示電極 2 1までの途中に位置する配線電極 2 3における電圧降下を抑え られることから、 配線電極 2 3の距離の差に起因して生じる発光ムラを改善して、 見栄えを向上させることができる。

なお、 背面電極 6を補助電極 3と同じ材料、 例えば両方とも C rとすれば、 ェ レク卜ロルミネセンスを見た時に補助電極 3部分が背面電極 6上に浮かんで見え るという不具合を解消することができ、 見栄えを向上させることができる。

第 4図は、 本発明の第 2実施例に係り、 背面電極 6を補助電極 3と同じ材料、 例えば両方とも A Iにする場合の製造方法を示しており、 透明基板 1上に I T O の透明電極 2と C rから成るマスク層 3 Ίを全面に形成し （同図 （A ) )、 表示電 極 2 1個所を除いて透明電極 2とマスク層 3 1をエッチングで除去し （同図 ( B ) )、 その上に端子 2 2， 配線電極 2 3及び端子 2 4となる A Iから成る補助 電極 3を形成し （同図 （C ) )、 表示電極 2 1個所を除いて A Iの補助電極 3をェ ツチングで除去し （同図 （D ) )、 表示電極 2 1を保護していたマスク層 3 1を除 去し （同図 （E ) )、 補助電極 3を所定の形状にパターニングし （同図 （F ) )、 そ の上に順次必要な層を形成して最後に A Iから成る背面電極 6を形成する （同図

( G ) ) ₀

これにより、 エレク卜ロルミネセンスを見た時に補助電極 3部分が背面電極 6 上に浮かんで見えるという不具合を解消することができ、 見栄えを向上させるこ とができる。

第 5図は、 本発明の第 3実施例に係り、 透明基板 1上に表示電極 2 1と配線電 極 2 3とに機能分離して形成されると共に背面電極 6用に端子 2 4を形成された 透明電極 2と、 この透明電極 2と対向して設けられる背面電極 6と、 この背面電 極 6と透明電極 2との間に形成される発光層 5とを有し、 配線電極 2 3が透明基 板 1の周囲側へ引き出し形成されて端子 2 2となるエレク卜ロルミネセンスであ つて、 表示電極 2 1個所を除く透明電極 2上に形成される補助電極 3を、 透明電 極 2上だけでなく、 少なくとも表示電極 2 1個所を除いて （端子 2 2個所を除く ことも可能） 透明基板 1の表面全体を覆うように形成しているもので、 4は透明 電極 2又は補助電極 3と発光層 5との間に位置する中間層たる絶縁層である。 斯かる構成により、 エレクトロルミネセンスを見た時に表示電極 2 1個所以外 は、 補助電極 3の色で統一されるため、 表示電極 2 1と配線電極 2 3とそれら以 外の各個所とが 3つの異なる色彩で見えることがあるという従来の不具合を解消 することができ、 見栄えを向上させることができる。

第 6図は、 本発明の第 4実施例に係り、 透明基板 1上に表示電極 2 1と配線電 極 2 3とに機能分離して形成されると共に背面電極 6用に端子 2 4を形成された 透明電極 2と、 この透明電極 2と対向して設けられる背面電極 6と、 この背面電 極 6と透明電極 2との間に形成される発光層 5とを有し、 配線電極 2 3が透明基 板 1の周囲側へ引き出し形成されて端子 2 2となるエレク卜ロルミネセンスであ つて、 表示電極 2 1個所を除く透明電極 2上に形成される補助電極 3と、 透明電 極 2又は補助電極 3と発光層 5との間に位置する中間層たる絶縁層 4とを有し、 この絶縁層 4は黒色等の光遮断性の高い色彩の絶縁材料からなり、 かつ、 表示電 極 2 1及び端子 2 2の各個所を除いて透明基板 1の表面全体を覆うように形成し ている。

斯かる構成により、 エレク卜ロルミネセンスを見た時に表示電極 2 1個所以外 は、 補助電極 3の色で統一されるため、 表示電極 2 1と配線電極 2 3とそれら以 外の各個所とが 3つの異なる色彩で見えることがあるという従来の不具合を解消 することができ、 見栄えを向上させることができる。

なお、 本発明は、 透明導電材料からなり選択的発光により任意形状を表現する ために特定形状の複数のセグメン卜状にて形成された表示電極を有する透明電極 とこれに対向する背面電極間に発光層を介在させるエレク卜ロルミネセンスに関 するもので、 透明基板上に、 表示電極と配線電極とに機能分離して形成される陽 極 （前記実施例の透明電極に対応)、 正孔インジェクション層 （同中間層）、 発光 層、 及び少なくとも陽極と対向する陰極 （同背面電極） とを順次積層し、 陽極と 陰極との間に数十ボル卜程度の直流電圧を印加することにより、 発光層に正孔と 電子とを注入し、 これらの再結合時に生じるエネルギーにより発光層から光りを 放出する、 例えば特公平 6— 3 2 3 0 7号公報や特開昭 6 3— 2 6 4 6 9 2号公 報等で開示されている所謂有機エレク卜ロルミネセンスにおいても、 第 1図から 第 6図に示した第 1から第 4実施例と同様に本発明を実施することができる。 す なわち、 前記各実施例に関する記述における 「エレクトロルミネセンス」 には、 「薄膜エレクトロルミネセンス」 のみならず 「有機エレクトロルミネセンス」 を 包含している。

第 7図及び第 8図は、 有機エレク卜ロルミネセンスに限定したエレク卜口ルミ ネセンスに関する。

第 7図に示す第 5実施例において、 エレクトロルミネセンス 1 0 0は、 透明基 板 2 0 0上に透明導電材料からなる陽極 3 0 0， ひとつ以上の層で構成される有 機層 4 0 0 (少なくとも有機発光層から成り、 あるいは、 同時に正孔注入層ゃ必 要に応じて正孔輸送層等の有機層を積層した多層構造から成る） を少なくとも有 する。

この実施例では、 有機層 4 0 0の上に光反射率の低い導電材料からなる陰極 5 0 0を形成している。 この陰極 5 0 0は、 エレクトロルミネセンス 1 0 0の表示 品位を良好に保っために周囲風景を反射させにくくする性質の材料が好ましく、 高コントラス卜を得られる材料として例えばカーボン （C ) が利用できる。 この 場合の膜厚は 1 5 0 n m程度で、 蒸着法や溶液被覆法等の適宜方法により形成さ れる。 陰極 5材料である Cは、 入手しやすく膜形成も比較的容易であるという利 点を有し、 陰極 5 0 0形成における工程の複雑化を生じない。

また、 陰極 5 0 0から有機層 4 0 0への電子注入を促進させる薄膜層 6 0 0を 有機層 4 0 0と陰極 5 0 0との間に形成している。 この薄膜層 6 0 0は、 陰極 5 0 0からの電子の注入を促進させることで、 発光効率を高めることに寄与する。 この薄膜層 6 0 0としては、 電子伝達化合物例えばアルミ二ユウ厶 （A I ) とリ チウ厶 （L i ) との化合物又は電子輸送材料例えば A I q 3 ： 卜リス （8—キノ リノラト） アルミニウム（III) に仕事関数の低い金属材料例えば L iをドープし たものが利用できる。 この場合の膜厚は 1 O n m程度で、 蒸着法や溶液被覆法等 の適宜方法により形成される。 この薄膜層 6 0 0を透明又は半透明とすることに より、 背後に位置する暗色の陰極 5による高コントラス卜の効果を発揮しゃすく するのもである。 薄膜層 6 0 0は、 電子伝達化合物又は電子輸送材料に仕事関数 の低い金属材料をドープしたものを利用することにより、 有機層 4 0 0や陰極 5 0 0と同じ製造方法での膜形成が可能となり、 薄膜層 6 0 0形成における工程の 複雑化を生じない。

このような構成により、 エレクトロルミネセンス 1 0 0を見た時に陰極 5 0 0 で周囲風景が反射して見えることが抑えられ、 表示品位を高く保つことができる。 第 8図に示す第 6実施例において、 エレクトロルミネセンス 1 0 0は、 透明基 板 2 0 0上に透明導電材料からなる陽極 3 0 0 , ひとつ以上の層で構成される有 機層 4 0 0 (少なくとも有機発光層から成り、 あるいは、 同時に正孔注入層ゃ必 要に応じて正孔輸送層等の有機層を積層した多層構造から成る） を少なくとも有 し、 有機層 4 0 0の上に光反射率の低い導電材料からなる陰極 5 0 0を形成して おり、 この陰極 5 0 0として、 エレクトロルミネセンス 1 0 0の表示品位を良好 に保っために周囲風景を反射させにくくする性質の材料が好ましく、 高コントラ ス卜を得られる材料として、 例えば Cを用いて膜厚が 1 5 O n m程度となるよう に蒸着法や溶液被覆法等の適宜方法により形成している点は、 第 5実施例と同様 である。

この実施例では、 陰極 5 0 0と有機層 4 0 0との間に有機層 4 0 0に近い側か ら電子輸送材料例えば A I q 3から成る半透明な電子輸送層 6 1 0及び電子伝達 化合物例えば A Iと L iとの化合物又は電子輸送材料例えば A I q 3に仕事関数 の低い金属材料例えばし iをドープした材料から成る半透明な電子注入層 6 2 0 を順次積層形成しており、 これら電子輸送層 6 1 0及び電子注入層 6 2 0が、 第 5実施例における薄膜層 6 0 0に相当するもので、 この場合の膜厚は夫々 1 0 n m程度で、 蒸着法や溶液被覆法等の適宜方法により形成される。

このような構成により、 エレクトロルミネセンス 1 0 0を見た時に陰極 5 0 0 で周囲風景が反射して見えることが抑えられ、 表示品位を高く保つことができる。 産業上の利用可能性

本発明によれば、 表示品位を高めたエレク卜ロルミネセンスを提供することが できる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 透明基板上に表示電極と配線電極とに機能分離して形成される透明電極を形 成し、 この透明電極の上に少なくとも 1層の中間層及び発光層を順次形成し、 こ の発光層の上に前記表示電極と対向して背面電極を形成したエレク卜口ルミネセ ンスであって、 前記配線電極上に前記透明電極に比べて抵抗率の小さい金属導電 材料からなる補助電極を形成したことを特徴とするエレク卜ロルミネセンス。

2 . 前記背面電極及び前記補助電極を同一材料にて形成したことを特徴とする請 求項 1に記載のエレク卜ロルミネセンス。

3 . 前記背面電極及び前記補助電極をクロムで形成したことを特徴とする請求項 2に記載のエレクトロルミネセンス。

4 . 前記背面電極及び前記補助電極をアルミ二ユウ厶で形成したことを特徴とす る請求項 2に記載のエレク卜口ルミネセンス。

5 . 透明基板上に表示電極と配線電極とに機能分離して形成される透明電極及び クロムからなる補助電極を全面に形成し、 前記表示電極及び前記配線電極の各個 所を除いて前記透明電極及び前記補助電極をエッチングで除去し、 前記表示電極 個所を覆っている前記補助電極を除去し、 その上に順次少なくとも発光層及び背 面電極を形成したことを特徴とするエレク卜ロルミネセンス。

6 . 透明基板 1上に表示電極と配線電極とに機能分離して形成される透明電極及 びマスク用のクロムを全面に形成し、 前記表示電極個所を除いて前記透明電極及 び前記クロムをエッチングで除去し、 その上に前記配線電極となる補助電極用の アルミ二ユウ厶を形成し、 前記表示電極個所を除いて前記補助電極をエッチング で除去し、 前記表示電極を保護していた前記クロムを除去し、 その上に順次少な くとも発光層及びアルミ二ユウ厶からなる背面電極を形成したことを特徴とする エレクトロルミネセンス。

7 . 透明基板上に表示電極と配線電極とに機能分離して形成される透明電極と、 この透明電極と対向して設けられる背面電極と、 この背面電極と前記透明電極と の間に形成される発光層とを有し、 前記配線電極が前記透明基板の周囲側へ引き 出し形成されて端子となるエレクトロルミネセンスであって、 前記表示電極個所 を除く前記透明電極上に形成される補助電極を、 少なくとも前記表示電極個所を 除いて前記透明基板の表面全体を覆うように形成したことを特徴とするエレク卜 ロルミネセンス。

8 . 透明基板上に表示電極と配線電極とに機能分離して形成される透明電極と、 この透明電極と対向して設けられる背面電極と、 この背面電極と前記透明電極と の間に形成される発光層とを有し、 前記配線電極が前記透明基板の周囲側へ引き 出し形成されて端子となるエレク卜ロルミネセンスであって、 前記表示電極個所 を除く前記透明電極上に形成される補助電極と、 前記透明電極又は前記補助電極 と前記発光層との間に位置する中間層とを有し、 この中間層は黒色等の光遮断性 の高い色彩の材料からなり、 かつ、 前記表示電極及び前記端子の各個所を除いて 前記透明基板の表面全体を覆うように形成したことを特徴とするエレクトロルミ ネセンス。

9 . 透明基板上に透明導電材料からなる陽極， ひとつ以上の層で構成される有機 層及び導電材料からなる陰極を少なくとも有するエレク卜ロルミネセンスであつ て、 前記陰極を光反射率の低い材料にて形成し、 この陰極と前記有機層との間に 前記陰極から前記有機層への電子注入を促進させる薄膜層を介在させたことを特 ¾ [とするエレク卜ロルミネセンス。

1 0 . 前記陰極が、 カーボンから成ることを特徴とする請求項 9に記載のエレク 卜ロルミネセンス。

1 1 . 前記薄膜層が、 電子伝達化合物又は電子輸送材料に仕事関数の低い金属材 料をドープしたものであることを特徴とする請求項 9に記載のエレクトロルミネ