WO1997033492A1

WO1997033492A1 - Vetements de protection des epaules et des membres superieurs

Info

Publication number: WO1997033492A1
Application number: PCT/JP1997/000707
Authority: WO
Inventors: Mitsukuni Yamaguchi; Takako Fujii; Risa Saka
Original assignee: Wacoal Corp.
Priority date: 1996-03-14
Filing date: 1997-03-06
Publication date: 1997-09-18
Also published as: EP0834264B1; DE69722553D1; JPH09250008A; DE69722553T2; US5937442A; KR100228724B1; JP3115816B2; CN1181692A; KR19990008349A; TW361999B; EP0834264A1; EP0834264A4; CN1108118C; HK1008971A1

Description

明細書肩および上肢部保護衣料技術分野

本発明は肩および上肢部保護衣料に関する。

特に本発明は人体表面にほぼ密着して着用される主として肩から上肢にかけての肩関節近傍の障害などの予防や治療の促進に有効な保護衣料に関する。背景技術

野球のピッチャーやテニス、砲丸投げ、ラグビー、柔道、相撲、レスリングそのほか各種スポーツなどやトレーニングにおいて、上肢部の筋肉や肩の関節に負担がかかり過ぎて、この部位に障害を生じる場合がしばしば生じている。また、五十肩などと呼ばれている肩の障害も、結果的には長年の肩関節にかかる負担によって障害が生じるものと考えられる。また、人類は立位を取るようになつたため、立っているだけでも肩にかかる負担は大きいと言われている。

かかる肩関節近傍の障害を予防するため、あるいは、肩関節近傍の障害が生じた場合に関連する筋肉や骨をサポートするため、粘着テープにより当該障害部分に関連する筋肉部分や骨を強くサポー卜するテーピング処置などが行われている。また、いわゆるサポーターとして知られているほぼ筒状の伸縮性のある比較的厚地のパイル地やネオプレンシートなどを用い、腕や脚などをその周囲から内部方向に向かって締め付けるためのサポーターも非常に多く使用されている。

しかしながら、上記従来行われているテーピングはテーピング技術に熟練度が要求され、不適切なテーゼングなどその処置法を誤ると、傷害の予防と治療と言う目的を達成できないのみならず、運動に不具合が生じたり、血行障害や神経障害が起こりやすく、かえって障害部分やその他のテービングを施した身体部分に悪影響を及ぼす結果となり、従ってテーピング技術を習得した者がテーピングを施す必要があり、素人が簡単に処置できないものであった。特に、肩や背中などにテーピングを施す場合では、自分一人ではテーピングを施すことが実質上できないし、しかも、入浴などのため一度取り外すと専門家に再度テーピングを施してもらう必要があるため、非常に手間と時間がかかり厄介であると言う問題もあった。また、テーピングの場合には、テープが粘着剤で皮膚に密着されているので、皮庸の衛生上も余り好ましいものではなく、また、常にテーピングを施した部分に圧力がかかっているので、苦痛が生じやすいと言う問題もある。

また、近年、肩関節保護用のサポーターやテーピング機能を組み込んだ保護衣料が提案され、この様なサポーターや保護衣料はその装着は簡単なものもあるが、例えば、単に保護目的の所定部位全体を強く圧迫するだけのものなど、余り、医学的に十分な根拠に基づいているとは思われないものが多い。

しかもサポーターなどは、ネオプレンなどのゴム素材や厚手のパィルが使用されるものも多く、着用した場合にその部分が盛り上がってしまい、着用時のプロポーションなどの外観が低下したり、通気性が悪くムレ易いなどの問題もある。

本発明はこれらの従来の問題点を解決し、少なくとも上半身部を有する伸縮性布地からなる衣料本体に、部分的により緊締力の強い部分をテ —プ状に配した構造の衣料とすることにより、装着が容易で素人にも簡単に適正な装着ができ、入浴時などは必要に応じて容易に脱ぐことができ、したがって、テーピングの様にいちいち専門家の処置を受ける煩わしさがなく、気軽に着用でき、着用状態で苦痛がなく着心地が良好で、皮膚の蒸れによる痒みの発生などの衛生上の問題もなく、しかも肩関節やその近傍の筋肉、肩関節近傍の上肢筋肉の障害などの予防や治療の促進に有効な肩および上肢部保護衣料を提供することを目的とする。

更に、また本発明の別の目的は、着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、通気性も比較的良好な肩および上肢部保護衣料を提供することを目的とする。発明の開示

( 1 ) 本発明の肩および上肢部保護衣料は、少なくとも上半身部を有する伸縮性布地からなる衣料であつて、前記衣料は部分的に緊締力の強い部分を有しており、前記緊締力の強い部分として、

A、当該衣料後部に於いて、肩蜂（1) よりやや後中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分（2) から肩甲骨内上角近傍 (3)を通り、第 7胸椎〜第 9胸椎のいずれかの近傍（4) を通って逆の脇側の肋骨下部近傍（5) に至る強緊締カ部（31)からなる強緊締カ部《a》と、

B— 1、当該衣料前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（9) を通って、左右の肩蜂（1)、（1)の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍（10)に至って終了し、当該衣料後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（7) を通って人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) に至り、この部分で更に左右対称に同様に反対側に延びている強緊締カ部（32)からなる強緊締カ部《b— 1》力、、または、

B — 2、当該衣料前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（9) を通って、左右の肩峰（1)、（1)の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍（10)に至って終了し、当該衣料後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（7) を通って肩蜂（1) と後中心までの間（但し肩峰部分は含まず）の衣類上端部分近傍（11)に至って終了する強緊締カ部（32)と、当該衣料後部に於いて強緊締カ部（32)の左右の前記終了部分近傍を連結するための人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) を通り左右の肩（19)方向に延びて強緊締カ部（32)の左右の前記終了部分近傍とオーバーラップして設けられている強緊締カ部（33)との組み合わせからなる強緊締カ部《b— 2》のいずれか、

とを備えた肩および上肢部保護衣料である。

本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締カ部《a》により肩甲骨内上角を押さえ、肩甲骨を胸郭の後側に強力に固定する作用の一部を担っている。しかも、強緊締カ部《a》の始点と終点ならびに途中で左右の強緊締カ部《a》が交差する第 7胸椎〜第 9胸椎のいずれかの近傍（4) のいずれもが、比較的身体の様々な動きの影響を受けにくい位置であり、着用中の動きによる強緊締カ部の押さえる目的部分からのずれを最小限に防止できる。更に強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》により、三角筋遠位置相当部分近傍（6) から三角筋を前後から挟み込む様に三角筋縁近傍に沿って斜め上方向にサポートし、上腕骨頭（上腕骨の上側の先端）を肩甲骨方向に（関節寓の正常な位匿にはまるように）持ち上げるような応力をかけることができる。しかも、強緊締カ部《b 一 1》または《b— 2》は、いずれの場合も人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) を通り左右の肩方向に延びている強緊締カ部を有しているので、腕を下垂させているだけでさえ腕の重さによってかかる肩への負担を軽減させることができる。

上記の本発明の肩および上肢部保護衣料は、両強緊締カ部《a》及び《b— 1》または《b— 2》の各強緊締カ部のそれぞれの主として長さ方向の緊締力の相互に関連した総合的な作用により、一方向への偏った、又は、いきすぎた範囲の運動を抑制し肩関節にかかる負担を軽減させることができる。

また、各強緊締カ部により、上腕と肩関節、肩甲骨の位置関係を最も望ましい本来の位置に保つことができるような保持力を発揮することができる。ちなみに、腕を垂らした時に腕と人体の胴の脇とのなす角度 (すなわち垂直方向に対する腕の角度）がほぼ 3 0度前後に腕を保持し得ると、肩関節にかかる負担が比較的少なく安楽な位置となるが、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、《b— 1》または《b— 2》の各強緊締カ部の力の作用が腕を持ち上げる方向に作用するので、この点てに於いても好都合な設計となっている。

また、五十肩やスポーツによる肩関節障害は、肩甲上腕関節の安定化機構（すなわち、上腕骨関節离に上腕骨の骨頭を押しつける機構）の破綻と肩甲帯機能（すなわち、肩甲骨を胸郭上に固定する機能）の障害が原因として挙げられているが、本発明の前記各強緊締カ部のそれぞれの関節や筋肉の補助効果、ならびに前記各強緊締カ部の相互の総合的作用により、種々の肩関節障害の予防や治療促進に用いることができる。

しかも、シャツを着用するだけでよいので、素人でも容易に着用ができ、テーピングの様に専門家に施してもらう必要が.なく、また、入浴時にも容易に脱いで入浴できるので、テーピングの場合にテーピングを外さなければ洗えない人体表面部分も容易に気軽に洗う事が可能となり、入浴するたびに専門家にテーピングを施してもらう煩わしさがなくなる。また、衣料に強緊締カ部が内臓されていることにより、通常のテーピングのように常にテ一ビングを施した部分に圧力がかかっているという苦痛を伴う状態ではなく、動きによって圧力の緩急の差がつけやすく、通常時は小さいサポート力で楽な着心地であり、動くことにより適度な緊締力が発揮される。したがって、着用による苦痛が少なく着用感が良好である。また、テーピングの場合の如く、テープが粘着剤で皮 itに密着されている状態ではないので、皮膚の蒸れによる痒みの発生などの衛生上の問題も改良される。

( 2 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける左右の肩峰（1)、 (1) の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍（10)に至つて終了する終了部分の位置が、衣料右側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より右側と右の肩峰（1) との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍（10)であり、衣料左側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より左側と左の肩峰（1) との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍（10)であることが好ましい。

かかる態様とすることにより、強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》が右または左腕方向から前中心を通り抜けてその反対側のそれぞれ左身または右身の衣料上端部分近傍にまで達する長い設計のものと比べ、着用伏態で前部の圧迫感が軽減され好ましい。

( 3 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の三角筋遠位部相当部分近傍（6) から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部（34)を有していることが好ましい。

かかる態様とすることにより、前述した強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の作用をより強力にし、上腕骨頭（上腕骨の上側の先端）を肩甲骨方向（関節窩の正常な位置にはまるように）持ち上げるような応力、すなわち、腕を持ち上げる方向に作用する応力がより高められ、肩に掛かる負担を更に軽減でき好ましい。

( 4 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、当該衣料後部に於いて、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) の位置から肩甲骨内上角近傍（3) を通り腋窩下（17)に至る強緊締カ部（4 1)からなる強緊締カ部《c》が更に設けられていることが好ましい。かかる態様とすることにより、強緊締カ部《a》の作用と相俟って、肩甲骨内上角近傍を押さえ、肩甲骨を胸郭の後側に強力に固定する作用をより強力にすることができ好ましい。

( 5 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、当該衣料前部ならびに後部に於いて、肩峰（1) から上腕最小周径上の内脇側位置近傍（18)に向かって斜め下方向に上腕の周囲を取り巻く強緊締カ部 (42)、 (43)とからなる強緊締カ部《d》が更に設けられていることが好ましい。かかる態様とすることにより、この強緊締カ部《d》は肩蜂を起点に前後から肩関節（肩甲上腕関節）を挟み込む様に配した構造により、肩関節を多方面から同時にサボ一トして、肩関節機能を補助する作用が発揮されると共に、前述した強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の作用を更に補助強化し、腕の重さによってかかる肩への負担をより軽減させることができる。

( 6 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締カ部《d》の上腕最小周径上の内脇側位置近傍（18)から更に袖下側に沿つて袖口方向に延在している強緊締カ部 (45)を有していることが好ましい。かかる態様は、特に上記（3 ) 項で述べた様な、本発明の肩および上肢部保護衣料が強緊締カ部《b - 1》または《b— 2》の三角筋遠位部相当部分近傍（6) から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部（34)を有している場合に、袖上側の生地の伸縮力と柚下側の生地の伸縮力とのバランスがとりやすく、袖部分の歪みの発生などを防止でき好ましい。

( 7 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、当該衣料前部に於いて、肩蜂（1) よりやや前中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分（2) から腋窩下（17)に向かって前中心側に若干凸にカーブしながら伸びる強緊締カ部（44)からなる強緊締カ部《e》が更に設けられていることが好ましい。

かかる態様とすることにより、この強緊締カ部《 e》は強緊締カ部《a》、または、強緊締カ部《a》と強緊締カ部《c》との作用をより確実にする補助的役割を発揮すると共に、強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の作用がより発揮されやすい補助的役割が発揮され好ましい。

( 8 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締カ部が、衣料本体に所定形状の伸縮性布地を重ね合わせて縫合または接着されることによって形成された部分であることが好ましい。

かかる態様とすることにより、容易に耐久性のある本発明の衣料を製造することができ好ましい。

( 9 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締カ部が、衣料本体に所定形状の伸縮性布地を引き伸ばして重ね合わせて縫合または接着されることによって形成された部分であることが好ましい。かかる態様とすることにより、強緊締カ部により強力な緊締カを付与したい態様に好適である。

( 1 0 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締力部が、衣料本体の所定部分に弾性樹脂含浸または弾性樹脂フィルムの貼り合わせにより形成された部分であることが好ましい。

かかる態様とすることにより、強緊締カ部の厚みが比較的薄いものが得られ好ましい。 ( 1 1 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締力部が、衣料本体を構成する繊維素材のうち、弾性繊維の太さが他の部分より太い弾性繊維を使用した部分であることが好ましい。

かかる態様とすることにより、強緊締カ部の厚みがより薄いものが得られ好ましい。

( 1 2 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締力部が、衣料本体を構成する伸縮性布地の編み組織がより緊締力の強い編み組織からなる部分であることが好ましい。

( 1 3 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締力部が、 3 0〜4 0 0 g f の緊締カを有することが好ましい。

かかる態様とすることにより、本発明の前記作用が効果的に発揮され、また、圧迫感が余りに強過ぎることもなく着用感が良好で好ましい。

( 1 4 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、伸縮性布地がツーゥヱイトリコット編物およびパワーネット編物から選ばれた編物であることが好ましい。

かかる態様とすることにより、従来の比較的厚地のパイル地やネオプレンシ一トなどを用いるサポーターなどに比べて、通常の衣服を作成する際に用いられている程度の厚みの布地が使用でき、したがって着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、身体によくフィットし、通気性も良好な肩および上肢部保護衣料を提供できるので好ましい。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の長袖のシャツの正面図である。図 2は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の長袖のシャツの背面図である。

図 3は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の長袖のシャツの平面図である。

図 4は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の別の態様の長袖のシャッの正面図である。

図 5は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の別の態様の長袖のシャツの背面図である。

図 6は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の別の態様の長袖のシャッの平面図である。

図 7は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の更に別の態様の長袖のシャツの正面図である。

図 8は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の更に別の態様の長袖のシャツの背面図である。

図 9は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の更に別の態様の長袖のシャッの平面図である。

図 1 0は、本発明の肩および上肢部保護衣料の更に別の一実施例の長袖のシャツの正面図である。

図 1 1は、図 1 0で示したシャッの背面図である。

図 1 2は、図 1 0、図 1 1で示したシャツの平面図である。

図 1 3は、本発明の肩および上肢部保護衣料の更に別の一実施例の長袖のシャツの正面図である。

図 1 4は、図 1 3で示したシャツの背面図である。

図 1 5は、図 1 3、図 1 4で示したシャツの平面図である。

図 1 6は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の半袖のシャッの正面図である。

0 図 1 7は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の半袖のシャッの背面図である。

図 1 8は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の半袖のシャッの平面図である。

図 1 9は、本発明の肩および上肢部保護衣料の別の一実施例の半袖のシャッの正面図である。

図 2 0は、本発明の肩および上肢部保護衣料の別の一実施例の半袖のシャッの背面図である。

図 2 1は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例のクロッチ付き長袖タイプのシャッの正面図である。

図 2 2は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例のクロッチ付き長袖タイプのシャツの背面図である。

図 2 3は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の前開きタイプのシャッの正面図である。

図 2 4は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の前開きタイプのシャッの背面図である。

図 2 5は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例のドルマンスリーブタイプの長袖シャッの正面図である。

図 2 6は、本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例のドルマンスリーブタイプの長袖シャツの背面図である。

図 2 7は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの背面図である。

2 8は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの平面図である。

図 2 9は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの正面図である。図 3 0は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの背面図である。

図 3 1は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの平面図である。

図 3 2は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャツの正面図である。

図 3 3は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャッの背面図である。

図 3 4は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの平面図である。

図 3 5は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの正面図である。

図 3 6は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャッの背面図である。

図 3 7は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャツの平面図である。

図 3 8は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの正面図である。

図 3 9は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの背面図である。

図 4 0は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの平面図である。

図 4 1は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの背面図である。

図 4 2は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの平面図である。

2 図 4 3は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの正面図である。

図 4 4は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの背面図である。

図 4 5は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの平面図である。

図 4 6は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャツの正面図である。

図 4 7は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャッの背面図である。

図 4 8は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャッの平面図である。

図 4 9は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャッに描いたシャッの正面図である。

図 5 0は、本発明で用いる強緊締カ部の一部を本発明の一実施例の長袖シャツに描いたシャツの平面図である。

図 5 1は、人体後側から見た骨格の一部を示した部分骨格図である。図 5 2は、人体後側から見た筋肉の一部を示した部分筋肉図である。図 5 3は、人体前側から見た筋肉の一部を示した部分筋肉図である。図 5 4は、人体の左側面部分図である。

図 5 5は、図 1 0〜図 1 2に示した長袖シャツの着用状態を人体骨格図の上に重ね表示した正面図である。

図 5 6は、図 1 0〜図 1 2に示した長袖シャツの着用状態を人体骨格図の上に重ね表示した背面図である。発明を実施するための最良の形態以下、図面を参照しながら、本発明の具体的実施の形態例について説明するが、本発明では、本発明衣料本体のどの部分に、主としてテ一ピング機能を発揮する緊締力の強い部分が配置されているか、緊締力の強い部分が配置されている衣料上における位置の説明に身体の一部や筋肉や骨格相当部分の名称を使用している部分もあるので、理解を容易にするために、先ず、本発明で緊締力の強い部分の位置の説明に使用する骨格や筋肉の人体における位置を説明しておく。

図 5 1は人体後側から見た骨格の一部を示した部分骨格図である。図 5 1において、 1 0 1が第 7頸椎、 1 0 2が第 3胸椎、 1 0 3が肩甲骨内上角、 1 0 4が肩甲骨、 1 0 5が肋骨下部を示している。また、 1 0 6が第 7胸椎、 1 0 7が第 8胸椎、 1 0 8が第 9胸椎である。

また、図 5 2は人体後側から見た筋肉の一部を示した部分筋肉図であり、図 5 3は人体前側から見た筋肉の一部を示した部分筋肉図である。図 5 2、図 5 3において、 1 1 1が三角筋で、 1 1 3は三角筋の遠位端であり、三角筋の手先方向の終端部付近を意味しているものである。 1 1 2が僧帽筋で 1 1 2 aが僧帽筋上部、 1 1 2 bが僧帽筋下部を示している。そして 1 1 2 cが僧帽筋上部の肩蜂側の端近傍部分である。また、 1 1 4は大胸筋である。

次に図 5 4は人体の左側面部分図であり、先に言及した強緊締カ部《d》の上腕最小周径上の内脇側位置近傍 1 8の位置を説明するための図面である。上腕最小周径は、肘 1 2 3を 9 0度の角度に曲げた時の上腕部 1 2 0と前腕部 1 2 1の接する点を通り、上腕部 1 2 0の周囲を水平：回っている仮想線 1 2 2で示される部分であり、そのほぼ内脇側の点を上腕最小周径上の内脇側位置 1 2 4と定めたものである。尚、本発明において、緊締力の強い部分が配置されている衣料上における位置の説明に「……近傍」と言う用語を用いているが、これは所定の指定され

4 た位置から多少のずれがあつても、本発明の目的が達成できる範囲においては差し支えないと言うことを意味している。

本発明の衣類においては各強緊締カ部《a》と《b— 1》または《b — 2》、更に必要に応じて《じ》、《d》、《e》などの少なくとも 1 つが設けられるが、これらを 1つの衣類の図面上にまとめて表示すると複雑になり、分かりずらくなるので、まず、各強緊締カ部《a》、《b 一 1》、《b— 2》、《 c》、《d》、《e》の理解を容易にするために、図 2 7〜図 5 0にそれぞれ各強緊締カ部毎に個別に表示し、その後本発明の肩および上肢部保護衣料について具体的に説明する。

いずれも代表例として長袖のシャツを用いて各強緊締カ部の説明を行図 2 7〜図 2 8が強緊締カ部《a》を説明するための図面であり、図 2 7がシャツの背面図、図 2 8が平面図である。 1 4がシャツ本体、 1 3はシャツ本体における袖と胴部分の接ぎラインであり、 1 5はシャツ本体を構成する前身頃と後身頃の接ぎライン、 1 6は袖である。

強緊締カ部《a》は、当該衣料後部に於いて、肩峰 1よりやや後中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分 2から肩甲骨内上角近傍 3を通り、第 7胸椎〜第 9胸椎のいずれかの近傍 4を通って逆の脇側の肋骨下部近傍 5に至る強緊締カ部 3 1からなつている。その作用についてはすでに説明したのでここでは省略する。

図 2 9〜図 3 1は強緊締カ部《b— 1》を説明するための図面であり、図 2 9がシャツの正面図、図 3 0がその背面図、図 3 1が平面図である。強緊締カ部《b— 1》は当該衣料前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 9を通って、左右の肩峰 1、 1の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍 1 0に至つて終了し、当該衣料後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三

5 角筋相当部分の縁近傍 7を通って人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8に至り、この部分で更に左右対称に同様に反対側に延びている強緊締カ部 3 2からなる。衣料前部に於ける強緊締カ部《b— 1》の 1 0として示した終了点は、この図 2 9に図示した位置に限られるものではなく、左右の肩蜂 1、 1の間（但し肩峰部分は含まず）の任意の位置でよい。この点は次に説明する強緊締カ部《b— 2》においても同様である。ただ、強緊締カ部《b— 1》または《b _ 2》の衣類前部に於ける左右の肩蜂 1、 1の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍 1 0に至って終了する終了部分の位置が、衣料右側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より右側と右の肩蜂 1との間（但し肩蜂部分は含まず）の衣料上端部分近傍 1 0であり、衣料左側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より左側と左の肩峰 1との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍 1 0であることが好ましい。かかる態様とすることにより、強緊締力部《b— 1》または《b— 2》が右または左腕方向から前中心を通り抜けてその反対側のそれぞれ左身または右身の衣料上端部分近傍にまで達する長い設計のものと比べ、着用状態で前部の圧迫感が軽減され好ましい。

図 3 2〜図 3 4は強緊締カ部《b— 2》を説明するための図面であり、図 3 2がシャツの正面図、図 3 3がその背面図、図 3 4が平面図である。強緊締カ部《b— 2》は、当該衣料前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 9を通って、左右の肩峰 1、 1 の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍 1 0に至つて終了し、当該衣料後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 7を通って肩峰 1と後中心までの間（但し肩蜂部分は含まず）の衣類上端部分近傍 1 1に至って終了する強緊締カ部 3 2と、当該衣料後部に於いて強緊締カ部 3 2の左右の前記終了部分近傍を連結するための人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8 を通り左右の肩 1 9方向に延びて強緊締カ部 3 2の左右の前記終了部分近傍とオーバーラップして設けられている強緊締カ部 3 3との組み合わせからなる。当該衣料後部に於いて 1 1として示した強緊締カ部 3 2の後部における終了部分は、図 3 3に示された位置に限られるものではなく、肩峰 1と後中心までの間（但し肩蜂部分は含まず）の衣類上端部分近傍であれば任意の位置でよい。また、強緊締カ部 3 3は通称 "力布" と呼ばれている。上述した強緊締カ部《b— 2》を採用する場合には力布 3 3は必須である。前述した強緊締カ部《b— 1》を採用する場合には力布 3 3 (強緊締カ部 3 3 ) は必ずしも必要ではないが、強緊締カ部《b— 1》と共に併用することは、より一層強緊締カ部《b— 1》の作用を強化でき好ましい。

図 3 5〜図 3 7は強緊締カ部《b— 1》に強緊締カ部 3 3 (力布 3 3 ) を併用した場合の状態を説明するための図面であり、図 3 5がシャツの正面図、図 3 6がその背面図、図 3 7が平面図である。強緊締カ部《b 一 1》は前述した様に 3 2で示され、強緊締カ部 3 3 (力布 3 3 ) は強緊締カ部 3 2と一部オーバーラップしており、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8を通り左右の肩 1 9方向に延びている。図 3 8〜図 4 0は強緊締カ部《b — 1》の三角筋遠位部相当部分近傍 6から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部 3 4を有している場合を説明するための図面であり、図 3 8がシャッの正面図、図 3 9がその背面図、図 4 0が平面図である。

図 4 1〜図 4 2は強緊締カ部《c》を説明するための図面であり、図

4 1がシャツの背面図、図 4 2が平面図である。強緊締カ部《c》は、当該衣料後部に於いて、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8の位置から肩甲骨内上角近傍 3を通り腋窩下 1 7に至る強緊締カ部 4 1からなる。

図 4 3〜図 4 5は強緊締カ部《d》を説明するための図面であり、図 4 3がシャッの正面図、図 4 4がその背面図、図 4 5が平面図である。強緊締カ部《d》は、当該衣料前部ならびに後部に於いて、肩蜂 1から上腕最小周径上の内脇側位匿近傍 1 8に向かって斜め下方向に上腕の周囲を取り巻く強緊締カ部 4 2、 4 3とからなる。

図 4 6〜図 4 8は強緊締カ部《d》の上腕最小周径上の内脇側位置近傍 1 8から更に袖下側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部 4 5 を説明するための図面であり、図 4 3がシャツの正面図、図 4 4がその背面図、図 4 5が平面図である。

また、図 4 9〜図 5 0は強緊締カ部《e》を説明するための図面であり、図 4 9がシャッの正面図、図 5 0がその平面図である。

強緊締カ部《e》は、当該衣料前部に於いて、肩峰 1よりやや前中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分 2から腋离下 1 7に向かつて前中心側に若干凸にカーブしながら伸びる強緊締カ部 4 4からな以上は、以下の本発明の肩および上肢部保護衣料の実施例の理解を容易にするための各緊締カ部について個別に説明したものである。

以下、本発明の肩および上肢部保護衣料の実施例について説明する。図 1〜 3に本発明の肩および上肢部保護衣料の一実施例の長袖のシャッを示した。図 1が前側から見た正面図、図 2が背面図、図 3が上側から見た平面図である。

図 1〜3のシャツ中に鎖線で害き込まれているほぼ帯状の部分が、シャッ本体の伸縮性布地よりも緊締力の強い部分（強緊締カ部）である。

8 この実施例ならびに以下の実施例においては、図示したものは、強緊締力部が伸縮性生地からなるシャツ本体に所定形状の伸縮性布地を重ね合わせて縫合されることによって形成された強緊締カ部である場合を例にとって説明している力、前述した様に、この強緊締カ部は、衣料本体に所定形状の伸縮性布地を重ね合わせてそれを接着することによって形成してもよいし、そのほか例えば、衣料本体に所定形状の伸縮性布地を引き伸ばして重ね合わせて縫合または接着する方法、衣料本体の所定部分に弾性樹脂含浸または弾性樹脂フィルムの貼り合わる方法、衣料本体を構成する繊維素材のうち、弾性繊維の太さが他の部分より太い弾性繊維を使用する方法、衣料本体を構成する伸縮性布地の編み組織がより緊締力の強い編み組織にする方法など他の手法によつて強緊締カ部を形成してもよい。中でも衣料本体に所定形状の伸縮性布地を重ね合わせてそれを縫合することによって形成する方法と、衣料本体に所定形状の伸縮性布地を引き伸ばして重ね合わせて縫合する方法とが好ましい。尚、これらの方法によれば、衣料本体に縫合される伸縮性布地の緊締カは衣料本体の伸縮性布地の緊締力よりもやや小さくても、同じでも、大きくてもよい。衣料本体に伸縮性布地が重ね合わせられた結果、重ね合わされた部分の緊締力が増大するからである。どのくらいの緊締力の布地を重ね合わせたらよいかは、それぞれの着用者の障害の程度や目的とする障害予防の程度や、衣料本体の有する緊締力の程度などによって適宜選定すればよい。

また、これら衣料の図面に描かれた強緊締カ部の位置は、図 5 1〜図 5 3に示した人体の骨格図や筋肉図の特定位置と多少ずれて記載されている部分もあるが、本発明の衣料の各図面は、着用状態で描いたものではないので、着用状態の場合の様な身体の形状に応じて立体的に見た場合には、その位置が多少変わることになるためであり、そのため主要な

9 位置は用語で説明している。

強緊締カ部の緊締力としては、特に限定するものではないが、ほぼその長さ方向で 3 0〜4 0 0 g f の緊締カを有する様に設計することが好ましい。緊締力の測定方法としては、インスト口ン型万能引張試験機 (島津製作所製 "オートグラフ" A G— 5 0 0 D ) を用い、引張り速度 3 0 0 ± 2 0 m m/m i nにて試料長（つかみ間隔）の 8 0 %までの伸長回復を 3回繰り返し、 3回目の伸長回復の際の 3 0 %伸長時および回復時の値のうちの回復時の値を読み取り緊締力とする。試料の大きさは幅 2 . 5 c m、長さ 1 6 c m、上部つかみ 2 . 5 c m、下部つかみ 3 . 5 c m、引張間隔 1 0 c mとすることが好ましいが、かかる大きさの試料が測定対象の衣料から切り出せない場合にはそれより小さくても差し支えない。ただ、試料の大きさが小さくなるほど、測定誤差が大きくなるので、切り出せる範囲でできるだけ大きな試料を採取して測定することが好ましい。尚、衣料本体に伸縮性布地などが重ね合わせられて強緊締カ部が形成されている様な場合は、その緊締力の測定試料としては、当然のことながら重ね合わされた試料を測定する必要がある。

本発明衣料における強緊締カ部の幅は、強緊締カ部の存在部位、用いる素材の緊締力の強さ、強緊締カ部の形成手段、着用者の障害の程度や障害部位、または障害予防の目的、大人か子供かなどによって適宜本発明の目的が達成される範囲で適当な幅にすれば良く、特に限定するものではないが、例えば、強緊締カ部《b— 1》の強緊締カ部 3 2や力布である強緊締カ部 3 3などの最も幅の広い部分は通常 5〜 1 5 c m程度、より好ましくは 8〜 1 3 c m程度が好ましく、その他の強緊締カ部の幅は通常 2〜 8 c m程度が好ましい。もちろん本発明の目的が達成される範囲に於いて、強緊締カ部の幅は、必要に応じて部分的に狭幅になったり、広幅になったりすることがあるのは差し支えない。図 1〜 3のシャツにおいて、 1 4がシャツ本体、 1 3はシャツ本体における袖と胴部分の接ぎラインであり、 1 5はシャツ本体を構成する前身頃と後身頃の接ぎライン、 1 6は柚である。

このシャツの強緊締カ部は、前述した強緊締カ部《a》と《b— 1》とからなっている。強緊締カ部《a》は、シャツ後部に於いて、肩峰 1 よりやや後中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分 2から肩甲骨内上角近傍 3を通り、第 7胸椎〜第 9胸椎のいずれかの近傍 4を通つて逆の脇側の肋骨下部近傍 5に至る強緊締カ部 3 1からなつている。強緊締カ部《b— 1》は、当該シャツ前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 9を通って、左右の肩蜂 1、 1 の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかのシャツ上端部分近傍 1 0すなわちこの例では首開口 1 2のやや脇側の縁に至って終了し、当該シャッ後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 7を通って人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8に至り、この部分で更に左右対称に同様に反対側にも延びている強緊締カ部 3 2からなつている。

このシャツに於いては、強緊締カ部《a》により肩甲骨内上角を押さえ、肩甲骨を胸郭の後側に強力に固定する作用の一部を担っている。しかも、強緊締カ部《a》の始点と終点ならびに途中で左右の強緊締カ部《a》が交差する第 7胸椎〜第 9胸椎のいずれかの近傍 4のいずれもが、比較的身体の様々な動きの影響を受けにくい位置であり、着用中の動きによる強緊締カ部が押さえる目的部分からのずれを最小限に防止できる。更に強緊締カ部《b — 1》により、三角筋遠位置相当部分近傍 6から三角筋を前後から挟み込む様に三角筋縁近傍に沿って斜め上方向にサポートし、上腕骨頭（上腕骨の上側の先端）を肩甲骨方向に（関節窩の正常な位置にはまるように）持ち上げるような応力をかけることができる。

2 しかも、強緊締カ部《b— 1》は、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8を通り左右の肩 1 9方向に延びている強緊締カ部を有しているので、腕を下垂させているだけでさえ腕の重さによってかかる肩への負担を軽減させることができる。

上記の本発明の一実施例のシャツは、両強緊締カ部《a》及び《b—

1》の各強緊締カ部のそれぞれの主として長さ方向の緊締力の相互に関連した総合的な作用により、一方向への偏った、又は、いきすぎた範囲の運動を抑制し肩関節にかかる負担を軽減させることができ、また、各強緊締カ部により、上腕と肩関節、肩甲骨の位置関係を最も望ましい本来の位置に保つことができるような腕を引っ張り挙げる方向の保持力を発揮することができる。

また、五十肩やスポーツによる肩関節陣害は、肩甲上腕関節の安定化機構（すなわち、上腕骨関節窩に上腕骨の骨頭を押しつける機構）の破綻と肩甲帯機能（すなわち、肩甲骨を胸郭上に固定する機能）の障害が原因として挙げられているが、本発明シャツは前記各強緊締カ部のそれぞれの関節や筋肉の補助効果、ならびに前記各強緊締カ部の相互の総合的作用により、種々の肩関節障害の予防や治療促進に用いることができる。

また、前記シャツを含めて本発明の肩および上肢部保護衣料は、伸縮性布地として、衣料本体部分や各強緊締カ部において、伸縮性を有するポリウレタン繊維含有ラッセル編物であるポリウレタン繊維含有パワーネットや、ポリウレタン繊維含有トリコット編物であるポリウレタン繊維含有ツーゥユイトリコット編物あるいはポリウレタン繊維含有丸編などを好ましく用いることができるので、従来の比較的厚地のパイル地やネオプレンシートなどを用いるサポーターなどに比べて、通常の衣服を作成する際に用いられている程度の厚み、例えば約 0 . 3〜0 . 8 m m の厚みの布地が使用でき、したがって着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、通気性も比較的良好な肩および上肢部保護衣料を提供できる。尚、ちなみに、前記のシャツにおいては具体的な実施例としてシャツ本体を構成する布地としてはポリエステル繊維 8 0 %、ポリゥレタン繊維 2 0 %からなる伸縮性素材であるツーゥユイトリコット編物 (緊締力：シャツ横方向 4 5 g f 、シャツ縦方向 3 3 g f ) を用い、強緊締カ部に裏打ちされた布地としては、ナイロン繊維 6 2 %、ポリウレタン繊維 3 8 %からなる伸縮性素材であるパワーネット編物（緊締力：裏打素材の長手方向 2 7 2 g f 、幅方向 8 8 g f ) を用いたが（以下の実施例も同様）、これに限定されるものではないことはもちろんである。尚、図 1に示した例は、強緊締カ部《b— 1》は、当該シャツ前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 9を通って、左右の肩峰 1、 1の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかのシャツ上端部分近傍 1 0すなわちこの例では首開口 1 2のやや脇側の縁に至って終了している例を示したが、強緊締カ部《b— 1》、《b— 2》の当該衣料前部に於ける上端部分近傍 1 0の終了位置は図 1の例に限られるものではなく、左右の肩峰 1、 1の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍であればよく、他の態様として図 4に強緊締カ部《b— 1》または《b — 2》の当該衣料前部に於ける上端部分近傍 1 0の終了位置が図 1とは異なる位置の別の態様のシャツの前側から見た正面図を示した。

図 4の場合の強緊締カ部 3 2の衣料前部に於ける上端部分近傍 1 0の終て位置は、図 1の場合と異なり右半身で言えば首開口 1 2の右端部と右の肩峰 1とのやや肩峰 1寄りの位置で、また、左半身で言えば首開口 1 2の左端部と左の肩峰 1とのとのやや肩蜂 1寄りの位置でそれぞれ終了している。この態様でも図 1の場合とほぼ同様の効果が達成できる。図 1や図 4で示した態様と異なり、例えば、強緊締カ部 3 2の一つが衣料前部に於いて右の三角筋の縁を通って衣料の前中心を越えて衣料の左半身の上端部分近傍で終了し、他の一つが左の三角筋の縁を通って衣料の前中心を越えて衣料の右半身の上端部分近傍で終了する様なクロスする態様でもよいが、図 1や図 4で示した様に、強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける左右の肩峰 1、 1の間（但し肩蜂部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍 1 0に至って終了する終了部分の位置は、衣料右側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より右側と右の肩蜂 1 との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍 1 0であり、衣料左側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より左側と左の肩峰 1との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍 1 0であることが、強緊締カ部《b — 1》または《b— 2》が右または左腕方向から前中心を通り抜けてその反対側のそれぞれ左身または右身の衣料上端部分近傍にまで達する長い設計のものと比べ、着用状態で前部の圧迫感が軽減され好ましい。図 5に本発明の別の一実施例のシャツの背面図を示した。この例においては、シャツ前部の態様は、例えば図 1または図 4で示した様な本発明の範囲内の任意の態様が採用されるが、シャツ後部に於いて強緊締カ部《b— 1》の代わりに《b— 2》を採用した態様を示した。すなわち、当該シャツ前部に於いては、図 1または図 4で示した様に三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 9を通って、左右の肩蜂 1、 1の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかのシャツ上端部分近傍 1 0 に至って終了し、当該シャツ後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍 6から三角筋相当部分の縁近傍 7を通って肩峰 1と後中心までの間（但し肩峰部分は含まず）のシャツ上端部分近傍 1 1に至って終了する強緊締カ部 3 2と、当該シャツ後部に於いて強緊締カ部 3 2の左右の前記終了部分近傍を連結するための人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8を通り左右の肩 1 9方向に延びて強緊締カ部 3 2の左右の前記終了部分近傍とオーバーラップして設けられている強緊締カ部 3 3との組み合わせからなる強緊締カ部《b— 2》が採用されている。強緊締力部《a》は図 1に示したもの（強緊締カ部 3 1 ) と同様である。シャッ前部において図 4の態様をシャッ後部において図 5の態様を採用した場合のシャッの上側から見た平面図を図 6に示した。

この態様においても図 1〜 3に示したシャツとほぼ同様の作用効果が達成できる。通常この様な強緊締カ部 3 3は、強緊締カ部 3 2の左右の前記終了部分近傍を連結して腕引き上げ力を強化するための強緊締カ部であり、布を用いる場合には前述した様に力布とも呼ばれる。

次に図 7〜 9に本発明の別の一実施例のシャッのそれぞれ正面図、背面図、平面図を示した。図 1〜 3に示した態様に比べて、この例においては、強緊締カ部《b— 1》として強緊締カ部 3 2が三角筋遠位部相当部分近傍 6から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部 3 4を有している点、肩峰 1から上腕最小周径上の内脇側位置近傍 1 8 に向かって斜め下方向に上腕の周囲を取り巻く強緊締カ部 4 2、 4 3とからなる強緊締カ部《d》が更に設けられている点、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8を通り左右の肩 1 9方向に延びて後部の強緊締カ部 3 2の一部とオーバーラップして設けられている強緊締力部 3 3 (力布）が更に設けられている点、当該シャツ前部に於いて、肩峰 1よりやや前中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分 2から腋窩下 1 7に向かって前中心側に若干凸にカーブしながら伸びる強緊締カ部 4 4からなる強緊締カ部《e》が更に設けられている点が異なる。この態様においては、図 1〜 3の態様と同様の効果が発揮される上、強緊締カ部《b— 1》の三角筋遠位部相当部分近傍 6から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部 3 4を有していることにより、前述した強緊締カ部《b— 1》の作用をより強力にし、上腕骨頭（上腕骨の上側の先端）を肩甲骨方向（関節窩の正常な位置にはまるように）持ち上げるような応力、すなわち、腕を持ち上げる方向に作用する応力がより高められ、肩に掛かる負担を更に軽減できる。更に強緊締カ部《d》が設けられることにより肩峰 1を起点に前後から肩関節（肩甲上腕関節）を挟み込む様に配した構造により、肩関節を多方面から同時にサポートして、肩関節機能を補助する作用が発揮されると共に、前述した強緊締カ部《b— 1》の作用を更に補助強化し、腕の重さによってかかる肩への負担をより軽減させることができる。また、衣料後部において強緊締カ部 3 3 (力布）が更に設けられていることにより、前述した強緊締カ部《b— 1》の作用を更に補助強化し、腕の重さによってかかる肩への負担をより軽減させることができる。また、強緊締カ部《e》が更に設けられていることにより、強緊締カ部《a》の作用をより確実にする補助的役割を発揮すると共に、強緊締カ部《b— 1》の作用を補助する作用が発揮される。

次に図 1 0〜図 1 2に本発明の更に別の一実施例のシャッのそれぞれ正面図、背面図、平面図を示した。図 7〜9に示した態様に比べて、この例においては、強緊締カ部《d》 4 2、 4 3の上腕最小周径上の内脇側位置近傍 1 8から更に袖下側に沿って袖口方向に延在している強緊締力 4 5を有している点である。

かかる態様は、前記図 7〜 9で示した態様のシャツと同様の効果が発揮されると共に、強緊締カ部 4 5を有していることにより、強緊締カ部 3 4を有している場合に、袖下側に更に強緊締カ部 4 5を設けることにより、袖上側の生地の伸縮力と袖下側の生地の伸縮力とがバランスされて歪みなどの発生を防止でき好ましい。

尚、より理解が容易になるように、図 1 0〜図 1 2に示した長袖シャッの着用状態での正面図と背面図を人体骨格図の上に重ねて図 5 5と図 5 6に図示した。

次に図 1 3〜図 1 5に本発明の更に別の一実施例のシャツのそれぞれ正面図、背面図、平面図を示した。図 1 0〜図 1 2に示した態様に比べて、この例においては、シャツ後部において、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間 8の位置から肩甲骨内上角近傍 3を通り腋窩下 1 7に至る強緊締カ部 4 1からなる強緊締カ部《c》が更に設けられている点が異なる。

かかる態様とすることにより、図 1 0〜図 1 2に示した長袖シャッと同様の作用効果を発揮できると共に、強緊締カ部《c》が更に設けられていることにより、肩甲骨内上角近傍を押さえ、肩甲骨を胸郭の後側に強力に固定する強緊締カ部《a》の作用を補助し、これをより強力にすることができ好ましい。

尚、図 1 3〜図 1 5に示した態様は、強緊締カ部《a》と《b - 1》のほかに更に強緊締カ部《c》、《d》、《e》その他を全て付け加えた態様であるが、目的に応じて強緊締カ部《a》と《b— 1》以外の強緊締カ部《じ》、《d》、《e》などはこのうちのいずれか 1つまたは 2つの組み合わせを付加するのみでもよい。また強緊締カ部《b— 1》に代えて、強緊締カ部《b— 2》を採用してもよいことは当然である。この点は以下に示す態様においても同様である。

次に図 1 6〜図 1 8に本発明の肩および上肢部保護衣料の一態様の半袖タイプのシャツを示した。図 1 6が前側から見た正面図、図 1 7が背面図、図 1 8が上側から見た平面図である。図 1 3〜図 1 5に示したシャッに比べて袖 1 6が短くなっただけで、その他の部分は基本的に図 1 3〜図 1 5に示したシャツとほぼ同様である。したがって図 1 3〜図 1 5と同一部分については同一の記号を付し、詳細説明は重複するので省略した。

図 1 6〜1 8に示した半袖タイプのシャッに於いても、前記と同様の作用効果を発揮できる肩および上肢部保護衣料が提供できる。

次に図 1 9〜図 2 0に本発明の肩および上肢部保護衣料の一態様の半袖タイプで胴の長さの短いタイプのシャツを示した。図 1 9が前側から見た正面図、図 2 0が背面図である。上側から見た平面図は図 1 8と同一であるので省略した。図 1 3〜図 1 5に示したシャツに比べて袖と胴の長さがが短くなっただけで、その他の部分は基本的に図 1 3〜図 1 5 に示したシャツと同一である。したがって図 1 3〜図 1 5と同一部分については同一の記号を付して、詳細説明は重複するので省略した。

図 1 9〜図 2 0に示した半袖タイプのシャツに於いても、前記と同様の作用効果を発揮できる肩および上肢部保護衣料が提供できる。

次に図 2 1〜図 2 2に本発明の肩および上肢部保護衣料の一態様のクロッチ付き長袖タイプのシャツを示した。図 2 1が前側から見た正面図、図 2 2が背面図である。上側から見た平面図は図 1 5と同一であるので省略した。図 1 3〜図 1 5に示したシャッに比べて更に裾が長くなっており、着用する際に開閉できるクロッチ部 5 0を有しており、クロッチ部を閉じた時に閉じた状態を保持できるように適宜のスナップ 5 1などが設けられている。 5 2は脚部のための開口部である。その他の部分は基本的に図 1 3〜図 1 5に示したシャツと同一である。したがって図 1 3〜図 1 5と同一部分については同一の記号を付し、詳細説明は重複するので省略した。

図 2 1〜図 2 2に示したクロッチ付き長袖タイプのシャツに於いても、前記と同様の作用効果が発揮されると共に、着用状態で運動してもクロッチ部分が存在するので、ずり上がりのない肩および上肢部保護衣料が提供できる。

次に図 2 3〜図 2 4に本発明の肩および上肢部保護衣料の一態様の前開きタイプのシャツを示した。図 2 3が前側から見た正面図、図 2 4が背面図である。図 1 3〜図 1 5に示したシャッに比べて前中心部の一部が開けるようになつており、首開口 1 2の前中心の縁から下側に向かつて約 2 0 c m程度の長さでファスナー 6 0が設けられており、 6 1は前中心を閉じた縫合部を示している。その他の部分は基本的に図 1 3〜図 1 5に示したシャツと同一である。したがって図 1 3〜図 1 5と同一部分については同一の記号を付し、詳細説明は重複するので省略した。図 2 3〜図 2 4に示した前開きタイプのシャツに於いても、前記と同様の作用効果が発揮されると共に、ファスナ一などで前側が開閉できるので、このシャツを着用したり、脱いだりする場合に容易に着脱がしゃすいと言う特徴を有する。

もちろんファスナー 6 0の設けられている部分の長さを例えば裾の最下点まで伸ばして、全開可能な変形態様にしてもよく、またファスナーの代わりにボタン、スナツプその他の開閉手段を採用してもよい。

次に図 2 5〜図 2 6に本発明の肩および上肢部保護衣料の一態様のドルマンスリーブタイプの長袖シャツを示した。図 2 5が前側から見た正面図、図 2 6が背面図である。図 1 3〜図 1 5に示したシャツは袖と胴部分が接ぎライン 1 3で接ぎ合わされている、いわゆるセットインと称されるタイプであるが、図 2 5〜図 2 6に示したシャツは、袖と胴部分が一体になっている、いわゆる、ドルマンスリーブタイプに適用しただけで本質的には図 1 3〜図 1 5に示したシャツと同様である。したがつて図 1 3〜図 1 5と同一部分については同一の記号を付し、詳細説明は重複するので省略した。

図 2 5〜図 2 6に示したドルマンスリーブタイプの長袖シャツに於いても、前記図 1 3〜図 1 5で示したシャツと同様の作用効果を発揮できる肩および上肢部保護衣料が提供できる。また、図示していないがラグランスリーブタイプのシャッにも同様に適用可能である。

尚、図 1 6〜図 2 6に示した態様においては、強緊締カ部《 a》、《b— 1》、《c》、《d》、《e》を全て具備している態様であるが、目的に応じて、図 1〜図 3に示した態様の様に強緊締カ部《c》、《d》、《e》が存在しない強緊締カ部《a》と《b— 1》からなる態様にすることもできるし、強緊締カ部《a》と《b— 1》に強緊締カ部《c》、《d》、《e》のうちのいずれか 1つまたは 2つの組み合わせを付加するのみでもよい。また、強緊締カ部《b— 1》の代わりに強緊締カ部《b— 2》を用いてもよい。

本発明において用いられる衣料本体に用いられる伸縮性布地や、強緊締カ部が衣料本体に所定形状の伸縮性布地を重ね合わせて縫合または接着されることによって形成される場合などに用いられる伸縮性布地としては、特に限定されるものではないが、好ましくは伸縮性を有するポリゥレタン繊維含有ラッセル編物であるポリウレタン繊維含有パワーネットゃ、ポリウレタン繊維含有トリコット編物であるポリゥレタン繊維含有ツーゥヱイトリコッ卜編物などが好ましく用いられる。パワーネットの種類としては例えばプレーンパワーネット、サテンパワーネット、ッ —ウェイラッセル、 "トリスキン" （ト部株式会社の商標）などが挙げられる。

強緊締カ部が、衣料本体の所定部分に弾性榭脂含浸または弾性榭脂フイルムの貼り合わせにより形成される場合には、弾性樹脂としてはポリウレタン樹脂やポリエステルエラストマ一樹脂その他の適宜の弾性樹脂が適用できる。

強緊締カ部《a》〜《e》の緊締カはすべて同一である必要はなく、必要に応じてそれぞれ異なった緊締力とすることもできるし、ある一つの強緊締カ部において部分的に緊締カを強くしたり弱くしたりして同一強緊締カ部において部分的に異なった緊締カを有する様な設計にしてもよいことは勿論である。

( 1 ) 本発明は、少なくとも上半身部を有する伸縮性布地からなる衣料本体の前記特定部分を、より緊締力の強い部分とする構造の衣料とすることにより、装着が容易で素人にも自分一人でも簡単に適正な装着ができ、入浴時などは必要に応じて容易に脱ぐことができ、したがって、テーピングの様にいちいち専門家の処置を受ける煩わしさがなく、気軽に着用でき、しかも肩関節やその近傍の筋肉、肩関節近傍の上肢筋肉の障害などの予防や治療の促進に有効な肩および上肢部保護衣料を提供できる。

また、衣料に強緊締カ部が内臓されていることにより、通常のテーピングのように常にテーピングを施した部分に圧力がかかっているという状態ではなく、動きによって圧力の緩急の差がつけやすく、通常時は小さいサポート力で楽な着心地であり、動くことにより適度な緊締力が発揮される。したがって、着用感が良好で、かつ、肩関節やその近傍の筋肉、肩関節近傍の上肢筋肉の障害などの予防や治療の促進に有効な肩および上肢部保護衣料を提供できる。

また、テーピングの場合の如く、テープが粘着剤で皮膚に密着されている状態ではないので、皮膚の蒸れによる痒みの発生などの衛生上の問題も改良される。

また、テーピングは、過剰な本数による施行は、関節運動を制限して

3 しまうため、損傷した脆弱部に対する保護に止まることが多い。本発明の保護衣料は関節全体の保護に加え脆弱部に対する保護も十分になし得

O

更に、また本発明は、着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、通気性も比較的良好な肩および上肢部保護衣料を提供できる。

( 2 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける左右の肩峰（1)、（1)の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍（10)に至つて終了する終了部分の位置が、衣料右側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より右側と右の肩峰（1) との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍 (10)であり、衣料左側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より左側と左の肩蜂（1) との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍（10)である本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締カ部《b— l》または《b— 2》が右または左腕方向から前中心を通り抜けてその反対側のそれぞれ左身または右身の衣料上端部分近傍にまで達する長い設計のものと比べ、着用状態で前部の圧迫感が軽減され好ましい。

( 3 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の三角筋遠位部相当部分近傍（6) から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部（34)を有している本発明の好ましい態様とすることにより、前述した強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の作用をより強力にし、上腕骨頭（上腕骨の上側の先端）を肩甲骨方向に（関節窩の正常な位置にはまるように）持ち上げるような応力、すなわち、腕を持ち上げる方向に作用する応力がより高められ、肩に掛かる負担を更に軽減でき好ましい。 ( 4 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、当該衣料後部に於いて、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) の位置から肩甲骨内上角近傍（3) を通り腋窩下（17)に至る強緊締カ部（41) からなる強緊締カ部《c》が更に設けられている本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締カ部《a》の作用と相俟って、肩甲骨内上角近傍を押さえ、肩甲骨を胸郭の後側に強力に固定する作用をより強力にすることができ好ましい。

( 5 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、当該衣料前部ならびに後部に於いて、肩峰（1) から上腕最小周径上の内脇側位置近傍（18)に向かって斜め下方向に上腕の周囲を取り巻く強緊締カ部（42)、 (43)とからなる強緊締カ部《d》が更に設けられている本発明の好ましい態様とすることにより、この強緊締カ部《d》は肩峰を起点に前後から肩関節（肩甲上腕関節）を挟み込む様に配した構造により、肩関節を多方面から同時にサポートして、肩関節機能を補助する作用が発揮されると共に、前述した強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の作用を更に補助強化し、腕の重さによってかかる肩への負担をより軽減させることができる。

( 6 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いては、強緊締カ部《d》の上腕最小周径上の内脇側位置近傍（18)から更に袖下側に沿つて袖口方向に延在している強緊締カ部（45)を有している本発明の好ましい態様とすることにより、特に上記（3 ) 項で述べた様な、本発明の肩および上肢部保護衣料が強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の三角筋遠位部相当部分近傍（6) から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部（34)を有している場合に、袖下側に強緊締カ部（45)を更に設けることにより、袖上側の生地の伸縮力と袖下側の生地の伸縮力とがバランスされて歪みなどの発生を防止でき好ましい。 ( 7 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、当該衣料前部に於いて、肩峰（1) よりやや前中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分（2) から腋离下（17)に向かって前中心側に若干凸にカーブしながら伸びる強緊締カ部（44)からなる強緊締カ部《e》が更に設けられている本発明の好ましい態様とすることにより、この強緊締カ部《e》は強緊締カ部《a》、または、強緊締カ部《a》と強緊締カ部《c》との作用をより確実にする補助的役割を発揮すると共に、強緊締力部《b— 1》または《b— 2》の作用がより発揮されやすい補助的役割が発揮され好ましい。

( 8 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部力衣料本体に所定形状の伸縮性布地を重ね合わせて縫合または接着されることによって形成された部分である本発明の好ましい態様とすることにより、容易に耐久性のある本発明の衣料を製造することができ好ましい。

( 9 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部力衣料本体に所定形状の伸縮性布地を引き伸ばして重ね合わせて縫合または接着されることによって形成された部分である本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締カ部により強力な緊締カを付与したい態様に好適に適用できる。

( 1 0 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部が、衣料本体の所定部分に弾性樹脂含浸または弾性樹脂フィルムの貼り合わせにより形成された部分である本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締カ部の厚みが比較的薄いものが得られ好ましい。

( 1 1 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部が、衣料本体を構成する繊維素材のうち、弾性繊維の太さが他の部分より太い弾性繊維を使用した部分である本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締カ部の厚みがより薄いものが得られ好ましい。

( 1 2 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部が、衣料本体を構成する伸縮性布地の編み組織がより緊締力の強い編み組織からなる部分である本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締カ部の厚みがより薄いものが得られ好ましい。

( 1 3 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、強緊締カ部が、 3 0〜4 0 0 g f の緊締カを有する本発明の好ましい態様とすることにより、本発明の前記作用が効果的に発揮され、また、圧迫感が余りに強過ぎることもなく着用感が良好で好ましい。

( 1 4 ) また、本発明の肩および上肢部保護衣料に於いて、伸縮性布地がツーウェイトリコット編物およびパワーネット編物から選ばれた編物である本発明の好ましい態様とすることにより、従来の比較的厚地のパイル地やネオプレンシートなどを用いるサポーターなどに比べて、通常の衣服を作成する際に用いられている程度の厚みの布地が使用でき、したがって着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、身体によくフィットし、通気性も良好な肩および上肢部保護衣料を提供できるので好ましい。産業状の利用可能性

以上のように、本発明の肩および上肢部保護衣料は、肩関節やその近傍の筋肉、肩関節近傍の上肢筋肉の障害などの予防や治療の促進に有効な肩および上肢部保護衣料として有用である。

Claims

請求の範囲

1 . 少なくとも上半身部を有する伸縮性布地からなる衣料であって、前記衣料は部分的に緊締力の強い部分を有しており、前記緊締力の強い部分として、

A、当該衣料後部に於いて、肩峰（1) よりやや後中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分 (2) から肩甲骨内上角近傍 (3) を通り、第 7胸椎〜第 9胸椎のいずれかの近傍（4) を通って逆の脇側の肋骨下部近傍 5に至る強緊締カ部 3 1からなる強緊締カ部《a》と、

B— 1、当該衣料前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（9) を通って、左右の肩峰（1)、（1)の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍（10)に至って終了し、当該衣料後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（7) を通つて人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) に至り、この部分で更に左右対称に同様に反対側に延びている強緊締カ部（32)からなる強緊締カ部《b— 1》か、または、

B— 2、当該衣料前部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（9) を通って、左右の肩峰（1)、（1)の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍 (10)に至って終了し、当該衣料後部に於いては、三角筋遠位相当部分近傍（6) から三角筋相当部分の縁近傍（7) を通って肩峰（1) と後中心までの間（但し肩峰部分は含まず）の衣類上端部分近傍（11)に至つて終了する強緊締カ部（32)と、当該衣料後部に於いて強緊締カ部（32)の左右の前記終了部分近傍を連結するための人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) を通り左右の肩（19)方向に延びて強緊締カ部（32)の左右の前記終了部分近傍とオーバーラップして設けられている強緊締カ部（33)との組み合わせからなる強緊締カ部《b— 2》のいずれか、

とを備えた肩および上肢部保護衣料。

2 . 強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける左右の肩峰（1)、（1)の間（但し肩峰部分は含まず）のいずれかの衣料上端部分近傍（10)に至って終了する終了部分の位置が、衣料右側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より右側と右の肩峰（1) との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍（10)であり、衣料左側の強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の衣類前部に於ける終了部分においては、衣料前中心より左側と左の肩峰（1) との間（但し肩峰部分は含まず）の衣料上端部分近傍 (10)である請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

3 . 強緊締カ部《b— 1》または《b— 2》の三角筋遠位部相当部分近傍（6) から更に袖上側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部

(34)を有してなる請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

4 . 当該衣料後部に於いて、人体の第 7頸椎相当部分から第 3胸椎相当部分の間（8) の位置から肩甲骨内上角近傍（3) を通り腋窩下（17)に至る強緊締カ部（41)からなる強緊締カ部《c》が更に設けられている請求の範囲第 1〜 3項のいずれかに記載の肩および上肢部保護衣料。 . 当該衣料前部ならびに後部に於いて、肩峰（1) から上腕最小周径上の内脇側位置近傍（18)に向かって斜め下方向に上腕の周囲を取り巻く強緊締カ部（42)、（43)とからなる強緊締カ部《d》が更に設けられている請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

6 . 強緊締カ部《d》の上腕最小周怪上の内脇側位置近傍（18)から更に袖下側に沿って袖口方向に延在している強緊締カ部（45)を有してなる請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

7 . 当該衣料前部に於いて、肩峰（1) よりやや前中心側寄りで人体の僧帽筋上部の肩峰側の端近傍部分（2) から腋窩下（17)に向かって前中心側に若干凸にカーブしながら伸びる強緊締カ部（44)からなる強緊締カ部《e》が更に設けられている請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

8 . 強緊締カ部が、衣料本体に所定形状の伸縮性布地を重ね合わせて縫合または接着されることによって形成された部分である請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

9 . 強緊締カ部が、衣料本体に所定形状の伸縮性布地を引き伸ばして重ね合わせて縫合または接着されることによって形成された部分である請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

1 0 . 強緊締カ部が、衣料本体の所定部分に弾性樹脂含浸または弾性樹脂フィルムの貼り合わせにより形成された部分である請求の範囲第

1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

1 1 . 強緊締カ部が、衣料本体を構成する繊維素材のうち、弾性繊維の太さが他の部分より太い弾性繊維を使用した部分である請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

12. 強緊締カ部が、衣料本体を構成する伸縮性布地の編み組織がより緊締力の強い編み組織からなる部分である請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

13. 強緊締カ部が、 30~ 400 g ίの緊締カを有する請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保護衣料。

14. 伸縮性布地がツーゥヱイトリコット編物およびパワーネット編物から選ばれた編物である請求の範囲第 1項に記載の肩および上肢部保 al 料。