以下、図面を参照しながら、本発明の具体的実施の形態例について説明するが、本発明では、本発明の下肢部サポート用被服のどの部分に緊締力の強い伸縮性部が配置されているか、緊締力の強い伸縮性部が配置されている被服上における位置の説明に身体の一部や筋肉や骨格相当部分の名称を使用している部分もあるので、理解を容易にするために、先ず、本発明で緊締力の強い部分の位置等の説明に使用する骨格や筋肉の人体における位置を説明しておく。
図123は図の右半分が人体下肢部の前面側から見た骨格図、また、左半分が人体下肢部の前面側から見た筋肉図である。図124は図の左半分が人体下肢部の後面側から見た骨格図、また、右半分が人体下肢部の後面側から見た筋肉図である。また、図125は人体の右側の下肢部の外側側面側から見た一部骨格付きの筋肉図、また、図126は人体の右側の下肢部の内側側面側から見た一部骨格付きの筋肉図である。尚、図123〜図126において、本発明の説明に特に必要のない部分の筋肉や骨格は説明を省略している。
図123〜図126において、701が中殿筋、702が大殿筋、703が大転子、704が外側広筋、705が腸脛靭帯、706が大内転筋、707が半膜様筋、708が半腱様筋、709が大腿二頭筋、710が薄筋、711が縫工筋、712が内側広筋、713が大腿骨の外側顆、714が大腿骨の内側顆、715が膝蓋部(膝蓋骨)、716が前脛骨筋、717が脛骨、718がヒラメ筋(718aが外側のヒラメ筋で718bが内側のヒラメ筋)、719が腓腹筋(719aが外側の腓腹筋で719bが内側の腓腹筋)、720が長腓骨筋、721が外果(外踝)、722が内果(内踝)、723が大腿直筋、724が大腿骨、725が腓骨、726が腓骨頭、727が大腿骨頭、728が寛骨臼、729が仙骨である。なお、腰椎は、第1腰椎から第5腰椎があり、これらの腰椎については図示を省略しているが、仙骨729の上に存在している。また、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋についても図示していないが、腹直筋は腹部中央に縦方向に胸の下の腹部上部から下腹部にかけて存在する筋肉であり、外腹斜筋は、腹直筋の左右の脇側に存在し、筋繊維方向が脇側方向に斜め上向きの筋肉であり、内腹斜筋はほぼ腹直筋と外腹斜筋の背面側に存在し、筋繊維方向は人体前中心から左右にそれぞれほぼ斜め下向き方向である。
次に内側側幅靱帯などを説明するために、膝関節近傍の骨格と靱帯の部分図として、図127と図128を示した。
図127は、膝関節を後ろ側から見た背面図に相当し、矢印A側が人体の内側であり、矢印B側が外側である。また、図128は、膝関節を内側(矢印A側)から見た側面図に相当し、矢印D側が人体の前側であり、矢印E側が後側である。図128は、膝を折り曲げている状態である。800が内側側幅靱帯、801が外側側幅靱帯、803が頸骨の内側顆、804が腓骨の外側顆、805が内側半月、806が外側半月、807が後十字靱帯、709´は大腿二頭筋の腱の部分の一部であり、上方の筋肉は図示していない。
これらの図からも明らかなように、内側側副靭帯は膝関節の内側側面において、大腿骨下端部近傍と頸骨上端部近傍をつなぐような形で膝関節の内側側面やや後ろ寄りに存在している。
なお、これらの骨格や筋肉の位置、形、大きさは個体それぞれに応じて若干相違するので、上記筋肉ならびに骨格図は代表例の一つとして示したものである。
また、各筋肉の筋繊維の方向は、図示の各筋肉中に示した細線の長さ方向であり、この筋繊維の方向が筋肉の収縮方向である。なお、これらの骨格や筋肉の位置、形、大きさは個体それぞれに応じて若干相違するので、上記筋肉ならびに骨格図は代表例の一つとして示したものである。
上述したように骨格や筋肉の位置、形、大きさは個体それぞれに応じて相違するし、人体全体の大きさも相違するので、緊締力の強い伸縮性部と緊締力の弱い部分とが配置されている被服上における位置が所定の指定された位置から多少のずれがあっても、本発明の目的が達成できる範囲においては差し支えない。
次に、本発明の理解を容易にするために、図面を参照しながら、本発明の下肢部サポート用被服の具体的実施の形態例について説明するが、本発明の下肢部サポート用被服は、図示したもののみに限定されるものではない。
また、以下の説明においては、本発明の下肢部サポート用被服において、当該被服の緊締力の強い伸縮性部などの位置を示すのに、人体の筋肉や靭帯、腱、骨などの名称を用いて説明しているが、これは、緊締力の強い伸縮性部などが、人体の当該筋肉や靭帯、腱、骨などの存在する部分上またはその近傍上を通っていることを示すために、前記筋肉や骨などの名称を用いて略述したものである。また、被服において、緊締力の強い伸縮性部以外の部分は、縫合ラインの部分とか、特に伸縮性の小さい又は伸縮性のない生地を用いる小部分を除いて、主たる部分は緊締力の強い伸縮性部に比べて、それより緊締力の弱い伸縮性の生地からなっている。そして、上述した事項は、以下に示す他の実施態様についても同様である。
また、本発明において、「緊締力の強い伸縮性部が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯を実質的にカバーし」とは、内側側副靭帯の全部をカバーしていなくても、大部分をカバーしていればよいことを意味しており、具体的には、膝関節より上側の内側側副靭帯はほぼカバーされ、膝関節より下側は、膝蓋骨の下端に相当する位置まで内側側副靭帯が緊締力の強い伸縮性部でカバーされていればよい。
更に、以下の本発明の被服の実施態様を示す各図面において、図1〜図4を代表参考例として取り上げて説明するならば、1は膝蓋骨の存在する位置を模式的に示したものであり、膝蓋骨の大きさがこの大きさであることを意味するものではない。そして、これはまた、膝関節の中心位置を示すためにも用いられている。なお、本発明の被服の実施態様の背面図においても、膝蓋骨の存在する位置にマークをつけておくことは、各図面の説明において、本発明の被服の理解を容易にするので、背面図においても膝蓋骨の存在する位置を鎖線の丸で示した。また、それぞれのA−A´ラインにおける断面図や側面図にも、膝蓋骨の存在する位置を半円で示した。
図1は参考例としての股部を有しウエストラインから踝の上方までの長さを有する下肢部サポート用被服(以下、このような長い形状の被服を「ロングタイツタイプ」と略称することがある。)の一参考実施態様の背面図、図2はその正面図、図3は図2のA−A´ラインにおける断面図、図4は正面図を基準とした場合の正面図(この場合は図2)の右側から見た場合に相当する被服の側面図である。以下、このような、正面図の右側から見た場合に相当する側面図のことを単に右側面図と略称する。
図1〜4に示されたロングタイツタイプの下肢部サポート用被服は、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分2が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外側に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7を通り、大転子近傍8に至っている緊締力の強い伸縮性部(A1)121からなる緊締力の強い伸縮性部を有している下肢部サポート用被服である。
上記参考態様とすることにより、緊締力の強い伸縮性部121が膝蓋骨1の下側部分の一部4をカバーし膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、更に縫工筋6をサポートし、大腿部を内側から外側に向かって斜めに大転子8に至るまで螺旋状に緊締力の強い伸縮性部121が存在するので、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが更に一層強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯3の機能を補助している縫工筋6をサポートでき好ましい。
次に、図5〜8は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の別の一参考実施態様を示す図であり、図5はその背面図、図6はその正面図、図7は図6のA−A´ラインにおける断面図、図8はその右側面図である。
この態様においては、図1〜図4に示した態様における緊締力の強い伸縮性部(A1)で表わされる部分121が、更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10にまで伸びている緊締力の強い伸縮性部(A1−1)122を有している点が図1〜図4の示した態様と異なっている。従って、図1〜図4の示した態様と、同一の部分には、同一の符号を付し、重複説明を省略している。以下の、図面の各実施態様についても、特に断らない限り、先の図面に示した態様と、同一の部分には、同一の符号を付し、重複説明を省略している。
上記参考態様とすることにより、更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10に至っている緊締力の強い伸縮性部(A1−1)122を有しているので、前記図1〜4を用いて説明したと同様の機能が更に強化され、また、大転子8をより強く押さえる機能が強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合を良好にし、従って、更に股関節の安定性を向上させる機能が発揮され好ましい。
次に、図9〜12は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図9はその背面図、図10はその正面図、図11は図10のA−A´ラインにおける断面図、図12はその右側面図である。
この態様の被服は、図5〜図8で示した態様の被服の変形態様であり、緊締力の強い伸縮性部(A1)で表わされる部分121が、更に膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺から膝蓋骨1の上側部分11の少なくとも一部をカバーしている下肢部サポート用被服である。
上記参考態様とすることにより、前記図5〜8を用いて説明した被服と同様の機能が発揮されるとともに、緊締力の強い伸縮性部(A1)121が、更に膝蓋骨1の上側部分の少なくとも一部11もカバーしているので、膝蓋骨1の下側部分4と両方から膝関節のサポートができ、より膝関節の安定性を保つことができ好ましい。
次に、図13〜16は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図13はその背面図、図14はその正面図、図15は図14のA−A´ラインにおける断面図、図16はその右側面図である。
この態様の被服は、図1〜図4で示した態様の被服の変形態様であり、緊締力の強い伸縮性部(A1)121で表わされる部分が、更に、内側の腓腹筋側方から膝蓋骨の下側の周囲近辺12を通って斜め上方に向かい膝蓋骨1の外側側方13に至る緊締力の強い伸縮性部(A1−2)123を有している。
上記参考態様とすることにより、図1〜図4で示した態様と同様の機能が発揮されるとともに、更に膝蓋骨1周囲を内側の腓腹筋側方からすなわち内側下側から包み込み斜め上方に引き上げるようなパワーが作用し、より一層膝関節の安定性をはかることができ好ましい。
次に、図17〜20は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図17はその背面図、図18はその正面図、図19は図18のA−A´ラインにおける断面図、図20はその右側面図である。
この態様の被服は、図5〜図8で示した態様の被服の変形態様であり、図5〜図8で示した態様の被服に更に次に説明する緊締力の強い伸縮性部(B)が付加された態様である。すなわち、更に、大転子近傍8から下側に向かって、ほぼ腸脛靭帯9に沿って膝蓋骨1の外側側部側に至り、膝蓋骨の外側から下側部分14の一部をカバーし、外側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方15を通って外踝の上側16に至っている緊締力の強い伸縮性部(B)124を有している。緊締力の強い伸縮性部(B)124が緊締力の強い伸縮性部(A1)121と合体した上方部分(A1−1)122の部分は、図5〜8に示したものに比べて緊締力の強い伸縮性部の幅が若干太くなっている。
上記参考態様とすることにより、図5〜8に示した下肢部サポート用被服と同様の機能が発揮されるとともに、緊締力の強い伸縮性部(B)124を更に有しているので、大腿部並びに下腿部において両側から膝と脚部をサポートし、しかも腓腹筋及びヒラメ筋の活動を阻害しないようにその側方から腓腹筋及びヒラメ筋をサポートできる。また、大転子8を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。
次に、図21〜24は、参考例としてのロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の一参考実施態様を示す図であり、図21はその背面図、図22はその正面図、図23は図22のA−A´ラインにおける断面図、図24はその右側面図である。
この態様の被服は、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って膝蓋骨の周囲のほぼ1/4を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分4の一部をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をほぼ半腱様筋21に沿って臀溝近傍22に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2)130からなる緊締力の強い伸縮性部を有している下肢部サポート用被服である。
上記参考態様とすることにより、緊締力の強い伸縮性部130が膝蓋骨1の下側部分4の一部をカバーし膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、更に大腿部の内側に存在する半腱様筋21をサポートし、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯の機能を補助している半腱様筋をサポートでき好ましい。
次に、図25〜28は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の別の一参考実施態様を示す図であり、図25はその背面図、図26はその正面図、図27は図26のA−A´ラインにおける断面図、図28はその右側面図である。
この態様の被服は、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って膝蓋骨の周囲のほぼ1/4を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分4の一部をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をほぼ薄筋23に沿って股下近傍24に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2)131からなる緊締力の強い伸縮性部を有している下肢部サポート用被服である。
上記参考態様とすることにより、緊締力の強い伸縮性部131が膝蓋骨1の下側部分4の一部をカバーし膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、更に大腿部の内側に存在する薄筋23をサポートし、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯の機能を補助している薄筋をサポートでき好ましい。
次に、図29〜32は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図29はその背面図、図30はその正面図、図31は図30のA−A´ラインにおける断面図、図32はその右側面図である。
この態様の被服は、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って膝蓋骨の周囲のほぼ1/4を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分4の一部をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をほぼ半腱様筋と薄筋の両者25に沿って股下近傍24並びに臀溝近傍22に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2)132からなる緊締力の強い伸縮性部を有している下肢部サポート用被服である。
上記参考態様とすることにより、緊締力の強い伸縮性部132が膝蓋骨1の下側部分4の一部をカバーし膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、更に大腿部の内側に存在する半腱様筋と薄筋の両者25をサポートし、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯の機能を補助している半腱様筋と薄筋の両者をサポートでき好ましい。
次に、図33〜36は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図33はその背面図、図34はその正面図、図35は図34のA−A´ラインにおける断面図、図36はその右側面図である。
この態様の被服は、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って膝蓋骨1の周囲のほぼ1/4を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部を上方向に内側から後側を経て外側に向かい、且つほぼ半腱様筋及び半膜様筋26に沿い、更に大腿二頭筋27を斜めに通って大転子近傍8に至っている緊締力の強い伸縮性部(A3)133からなる緊締力の強い伸縮性部を有している下肢部サポート用被服である
上記参考態様とすることにより、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5から上に伸び、大腿部内側から後側を経て外側に向かって斜めに大転子近傍8に至るまで螺旋状に緊締力の強い伸縮性部(A3)133が存在するので、膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが更に強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯の機能を補助している半腱様筋及び半膜様筋をサポートでき好ましい。
次に、図37〜40は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図37はその背面図、図38はその正面図、図39は図38のA−A´ラインにおける断面図、図40はその右側面図である。
この態様の被服は図5〜8に示した態様の被服と図21〜24に示した態様の被服の特徴を併せて有する被服である。すなわち、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7、大転子近傍8に至り(A1)121、更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10にまで伸びている緊締力の強い伸縮性部(A1−1)122を有しているとともに、緊締力の強い伸縮性部(A1)121の膝関節上側において、分岐点31から大腿部をほぼ半腱様筋21に沿って臀溝近傍22に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2´)140を更に有している。
上記参考態様とすることにより、大腿部を内側から外側に向かって斜めに大転子8を越えてウェスト近傍10に至るまで螺旋状に緊締力の強い伸縮性部(A1)121と(A1−1)122が存在するとともに、膝関節上側において、二俣に分かれて、大腿部をほぼ半腱様筋21沿って臀溝近傍22に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2´)140を更に有するので、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーがこの両者の作用により更に一層強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯3の機能を補助している縫工筋6とともに半腱様筋21の筋肉もサポートでき好ましい。更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10に至っている緊締力の強い伸縮性部(A1−1)122を有しているので、大転子を押さえる機能が付与されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能が発揮され好ましい。
次に、図41〜44は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図41はその背面図、図42はその正面図、図43は図42のA−A´ラインにおける断面図、図44はその右側面図である。
この態様の被服は図5〜8に示した態様の被服と図25〜28に示した態様の被服の特徴を併せて有する被服である。すなわち、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7、大転子近傍8に至り(A1)121、更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10にまで伸びている緊締力の強い伸縮性部(A1−1)122を有しているとともに、緊締力の強い伸縮性部(A1)121の膝関節上側において、分岐点31から大腿部をほぼ薄筋23に沿って股下近傍24に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2´)141を更に有している。
上記参考態様とすることにより、大腿部を内側から外側に向かって斜めに大転子8を越えてウェスト近傍10に至るまで螺旋状に緊締力の強い伸縮性部(A1)121と(A1−1)122が存在するとともに、膝関節上側において、二俣に分かれて、大腿部をほぼ薄筋23沿って股下近傍24に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2´)141を更に有するので、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーがこの両者の作用により更に一層強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯3の機能を補助している縫工筋6とともに薄筋23の筋肉もサポートでき好ましい。更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10に至っている緊締力の強い伸縮性部(A1−1)122を有しているので、大転子を押さえる機能が付与されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能が発揮され好ましい。
次に、図45〜48は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図45はその背面図、図46はその正面図、図47は図46のA−A´ラインにおける断面図、図48はその右側面図である。
この態様の被服は緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨1の周囲のほぼ1/2強を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分4と上側部分11の一部をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をほぼ半腱様筋及び薄筋に沿って股下近傍24ないし臀溝近傍22に至っている緊締力の強い伸縮性部(A2´)142であり、更に、ウエスト近傍10の脇側からほぼ腸脛靭帯9に沿って大転子近傍8を通り、ほぼ腸脛靭帯9に沿って膝蓋骨1の外側側部側に至り、膝蓋骨1の人体外側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/2強を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分32と上側部分33の一部をカバーし、外側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方15を通っている緊締力の強い伸縮性部(B´)143を有している下肢部サポート用被服である。
そしてこの態様においては、緊締力の強い伸縮性部(A2´)142の膝蓋骨1の下側部分4と上側部分11の一部をカバーしている人体内側方向に向いた2つの凸部の位置4と11が、これと対向する緊締力の強い伸縮性部(B´)143の膝蓋骨1の下側部分32と上側部分33の一部をカバーしている人体外側方向に向いた2つの凸部の位置32、33よりもそれぞれ若干下側にずれた位置にあり、且つ、緊締力の強い伸縮性部(A2´)142の膝蓋骨1の下側部分4を覆う正面側から見える面積が、大き目となっている。
上記参考態様とすることにより、大腿部前面側の外側広筋、内側広筋の活動を妨げないようにし、緊締力の強い伸縮性部が、大腿部並びに下腿部の両側から膝と脚部をサポートし、しかも膝関節を包み込むように周囲からサポートしているので、より一層の膝関節のサポートを行うことができ、また、大転子8を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化され好ましい。
また、下腿部においては内側は筋肉が少なく、頸骨が体表面に接しており、一方、下腿部外側は腓腹筋が腓骨の外側に付いているので、より筋肉の少ない内側をより多く下から引き上げるように膝関節をサポートでき、内側側副靭帯のサポート力も強化され好ましい。
なお、上記したように、この態様においては、緊締力の強い伸縮性部(A2´)142の膝蓋骨1の下側部分4と上側部分11の一部をカバーしている人体外側方向に向いた2つの凸部の位置4と11が、これと対向する緊締力の強い伸縮性部(B´)143の膝蓋骨1の下側部分32と上側部分33の一部をカバーしている人体内側方向に向いた2つの凸部の位置32、33は、凸部の位置4が凸部の位置32よりも若干下側にずれた位置にあり、しかも凸部の位置11が凸部の位置33よりも若干下側にずれた位置にあることが、より筋肉の少ない内側をより多く下から引き上げるように膝関節をサポートでき、内側側副靭帯のサポート力も強化され好ましいが、凸部の位置4が凸部の位置32と同じ高さの位置であったり、凸部の位置11が凸部の位置33と同じ高さの位置であったりすることは差し支えない。また、人体外側方向に向いた2つの凸部の位置4と11が脚部前側の中心ラインより更に外側に突出しており、これと対向する凸部の位置32と33が脚部前側の中心ラインより更に内側に突出していてもよいし、あるいは2つの凸部の位置4と32とが連結していたり、同様に凸部の位置11と33が連結した態様であってもかまわない。更には、凸部の位置4が凸部の位置32よりも若干上側にずれた位置にあり、しかも凸部の位置11が凸部の位置33よりも若干上側にずれた位置にある態様とすることも可能である。
次に、図49〜52は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図49はその背面図、図50はその正面図、図51は図50のA−A´ラインにおける断面図、図52はその右側面図である。
この態様の被服は、図17〜図20で示した態様の被服の変形態様であり、図17〜図20で示した態様の被服に更に次に説明する緊締力の強い伸縮性部(C)と(D)の応用タイプの緊締力の強い伸縮性部が付加された態様である。従って、図17〜図20で示した態様と同じ部分の説明は、図面中に同一の符号を付することにより重複説明を省略している。図17〜図20で示した態様とほぼ同様の部分においても、若干異なる点があり、図17〜図20の緊締力の強い伸縮性部(B)124は、外踝の上側16にまで至っているが、図49〜52に示した態様の緊締力の強い伸縮性部(B)124´は、外側の腓腹筋及びヒラメ筋15の側方に至っているところで止まっており、外踝の上側16にまで至っていない点が若干異なっている。
それ以外の点は、図17〜図20で示した態様の被服とほぼ同様であり、更に次に説明する緊締力の強い伸縮性部が更に設けられている。
後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置35に於いて左右部分が連結しており、前記位置35から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子8近傍に至る部分をカバーしている緊締力の強い伸縮性部(C)145を有し、ほぼウェスト部の後中心位置近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋の一部に当接され少なくとも脇位置までの部分をカバーしている緊締力の強い伸縮性部146を有しているので、緊締力の強い伸縮性部(C)145により、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、緊締力の強い伸縮性部146により、ウェスト部の後中心位置近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能を補助する機能を発揮できる。
また、この態様の被服は、更に、腹部の腹直筋36上に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上の位置から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい大転子8近傍に至る部分をカバーしている緊締力の強い伸縮性部(D)147と、腹部の腹直筋36上に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋36上から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇までの部分をカバーしている緊締力の強い伸縮性部148を有している。
従って、緊締力の強い伸縮性部(D)147により腹直筋の一部と内腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を付与しうる。また、緊締力の強い伸縮性部148により、腹直筋の一部と外腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を付与しうる。
なお、このような緊締力の強い伸縮性部(C)145、146、(D)147あるいは148等は必要に応じて他の態様の被服の緊締力の強い伸縮性部にも適用できることは勿論である。
次に、図53〜56は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図53はその背面図、図54はその正面図、図55は図54のA−A´ラインにおける断面図、図56はその右側面図である。
この態様の被服は、膝関節の内側側面の側副靭帯3より上側に伸びている緊締力の強い伸縮性部は、図1〜4に示された下肢部サポート用被服とほぼ同一であるが、それより下側に伸びる緊締力の強い伸縮性部の位置が図1〜4の被服と異なっている。即ち、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分2が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーしているが、それから下に伸びる緊締力の強い伸縮性部150は、下肢部前面を斜め外側に外踝方向16´に向かって伸びている。緊締力の強い伸縮性部150は、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7を通り、大転子近傍8に至っている。
したがって、膝関節上側の部分は、図1〜4の場合と同様の機能を発揮すると共に、内側側副靭帯3を上下部分とも斜め外側に引っ張るように緊締力が作用するので、内側側副靭帯3をよりしっかりとサポートすることが出来る。
次に、図57〜60は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図57はその背面図、図58はその正面図、図59は図58のA−A´ラインにおける断面図、図60はその右側面図である。
この態様の被服は、緊締力の強い伸縮性部151が膝蓋骨1の下方を取り巻いている態様は図13〜図16に示した態様とよく似ている。異なる点は、緊締力の強い伸縮性部が、内側の腓腹筋側方から膝蓋骨の下側の周囲近辺12を通って斜め上方に向かい膝蓋骨1の外側側方13を通り更に外側広筋37及び腸脛靭帯9に沿って上方に伸びていて、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7を通り更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10に至っている緊締力の強い伸縮性部と合流点38で合流している点である。
この態様とすることにより、図13〜図16で示した被服と同様の機能が発揮されると共に、膝関節をより安定にサポートすることが出来る。また、図13〜図16で示した被服に比べて、更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10に至っている緊締力の強い伸縮性部を有するので、大転子8をより強く押さえる機能が強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合を良好にし、従って、更に股関節の安定性を向上させる機能が発揮され好ましい。
次に、図61〜64は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図61はその背面図、図62はその正面図、図63は図62のA−A´ラインにおける断面図、図64はその右側面図である。
この態様の被服は、図57〜図60に示した態様の変形態様であり、図57〜図60に示した態様の緊締力の強い伸縮性部151に更に、分岐点39から下方に向かって、外側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方を通り、外踝の上方16に至る緊締力の強い伸縮性部152が更に設けられている点である。
この態様とすることにより、図57〜図60で示した被服と同様の機能が発揮されると共に、腓腹筋及びヒラメ筋の活動を阻害せずに、腓腹筋及びヒラメ筋を脇側からサポートすることが出来好ましい。
次に、図65〜68は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図65はその背面図、図66はその正面図、図67は図66のA−A´ラインにおける断面図、図68はその右側面図である。
この態様の被服は、図13〜図16に示した態様の変形応用態様である。緊締力の強い伸縮性部153が膝蓋骨1の周囲を完全に取り巻いている点が特徴である。このことにより、膝の安定性をより一層向上させている。尚、緊締力の強い伸縮性部153の上記以外の点は、図13〜図16に示した態様緊締力の強い伸縮性部と同様の態様である。
この態様とすることにより、図13〜図16で示した被服と同様の機能が発揮されると共に、上述したように、膝関節をより安定にサポートすることが出来る。
次に、図69〜72は、本発明のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の一実施態様を示す図であり、図69はその背面図、図70はその正面図、図71は図70のA−A´ラインにおける断面図、図72はその右側面図である。
この態様の被服は、図1〜図4に示した態様の変形応用態様である。すなわち、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分2が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5に至っており、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7を通り、大転子近傍8に至っている緊締力の強い伸縮性部(A1)121からなる緊締力の強い伸縮性部を有している点は、図1〜4の下肢部サポート用被服と共通しており、この態様においては、更に略三角形状の緊締力の強い伸縮性部154が膝蓋骨1の外側下側に設けられており、緊締力の強い伸縮性部121の膝蓋骨1の下側部分の一部4の凸部の頂点と緊締力の強い伸縮性部154の頂点40とが膝蓋骨1の下で接しており、左右および下方から膝をサポートしている。従って図1〜4の下肢部サポート用被服と同様の機能を発揮しうると共に、膝を下からサポートする機能が強化されている。尚、緊締力の強い伸縮性部121の膝蓋骨1の下側部分の一部4の凸部の頂点と緊締力の強い伸縮性部154の頂点40とは頂点で接するだけでなく、互いに重なり合った形になっていてもよい。
次に、図73〜76は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図73はその背面図、図74はその正面図、図75は図74のA−A´ラインにおける断面図、図76はその右側面図である。
この態様の被服は、図5〜図8に示した態様の変形応用態様である。すなわち、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分2が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5から更に内側の腓腹筋及びヒラメ筋の下方の側方41を通り内踝上方42に至っており、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7を通り、大転子近傍8を経由して腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10にまで伸びている緊締力の強い伸縮性部121+122と類似した緊締力の強い伸縮性部122´を有する。緊締力の強い伸縮性部122´が、図5〜図8の緊締力の強い伸縮性部121+122と若干異なる点は、緊締力の強い伸縮性部122´が、内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5から更に内側の腓腹筋及びヒラメ筋の下方の側方41を通り内踝上方42に至っている点である。
そしてこの態様においては、更に、膝蓋骨1の上方から、膝蓋骨1の外側を回り膝蓋骨の下方32をカバーし、更に外側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方43を通り下方の外踝上方16に至っている緊締力の強い伸縮性部155を更に有している。
従って、図5〜図8の態様の被服と同等の機能を発揮出来、更に、膝関節を内側と外側からサポートし、より膝関節の安定なサポートに寄与するとともに、緊締力の強い伸縮性部が、腓腹筋及びヒラメ筋の内側と外側の側方を通っているので、腓腹筋及びヒラメ筋の活動を阻害せずにこれらの筋肉をサポート出来好ましい。
次に、図77〜80は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図77はその背面図、図78はその正面図、図79は図78のA−A´ラインにおける断面図、図80はその右側面図である。
この態様の被服は、図9〜図12に示した態様の応用態様である。すなわち、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分2が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4と膝蓋骨1の上側部分11の一部をカバーし内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5から更に内側の腓腹筋及びヒラメ筋の下方の側方41を通り下方の内踝上方42に至っており、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7を通り、大転子近傍8を経由して腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10にまで伸びている緊締力の強い伸縮性部121+122と類似した緊締力の強い伸縮性部156を有する。緊締力の強い伸縮性部156が、図9〜図12の緊締力の強い伸縮性部121+122と若干異なる点は、緊締力の強い伸縮性部156の内側下方部分が内側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方5から更に内側の腓腹筋及びヒラメ筋の下方の側方41を通り内踝上方42に至っている点である。
そして、本態様の被服が、図9〜図12の被服の態様と大きく異なる点は、本態様の被服の緊締力の強い伸縮性部156が、分岐点44から、更に、脚部外側を下降して外踝16に至る部分をカバーしている点である。すなわち、緊締力の強い伸縮性部156は、分岐点44から、更に、ほぼ腸脛靭帯9に沿って膝蓋骨1の外側側部側に至り、膝蓋骨1の人体外側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/2強を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分32と上側部分33の一部をカバーし、外側の腓腹筋及びヒラメ筋の側方43を通り下方の外踝上方16に至っている。
上記参考態様とすることにより、図9〜図12の態様の被服と同等の機能を発揮出来、更に、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが更に一層強められ、より一層内側側副靭帯3のサポート力を向上させることができるとともに、膝関節を内側と外側からサポートし、より膝関節の安定なサポートに寄与できる。更に緊締力の強い伸縮性部が、腓腹筋及びヒラメ筋の内側と外側の側方を通っているので、腓腹筋及びヒラメ筋の活動を阻害せずにこれらの筋肉をサポート出来好ましい。
次に、図81〜84は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図81はその背面図、図82はその正面図、図83は図82のA−A´ラインにおける断面図、図84はその右側面図である。
この態様の被服は、図17〜図20で示した態様の被服の変形態様であり、図17〜図20で示した態様の被服において、緊締力の強い伸縮性部(A)121と緊締力の強い伸縮性部(B)124′が膝蓋骨の下側で接している態様である。従って、図17〜図20で示した態様と同じ部分の説明は、図面中に同一の符号を付することにより重複説明を省略している。図17〜図20で示した態様とほぼ同様の部分においても、若干異なる点があり、図17〜図20の緊締力の強い伸縮性部(B)124は、外踝の上側16にまで至っているが、図81〜84に示した態様の緊締力の強い伸縮性部(B)124´は、外側の腓腹筋及びヒラメ筋15の側方に至っているところで止まっており、外踝の上側16にまで至っていない点が若干異なっている。
上述以外の点は、図17〜図20で示した態様の被服とほぼ同様である。
すなわち、緊締力の強い伸縮性部121の膝蓋骨1の下側部分の一部4の凸部の頂点と緊締力の強い伸縮性部124′の膝蓋骨1の下側部分の一部14の凸部の頂点とが膝蓋骨1の下で接しており、左右および下方から膝をサポートしている。従って図17〜20の下肢部サポート用被服と同様の機能を発揮しうると共に、膝を下からサポートする機能が強化されている。
次に、図85〜88は、参考例のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図85はその背面図、図86はその正面図、図87は図88のA−A´ラインにおける断面図、図88はその右側面図である。
この態様の被服は、図81〜図84で示した態様の被服の変形態様であり、図81〜図84で示した態様の被服において、緊締力の強い伸縮性部(A)121と緊締力の強い伸縮性部(B)124′が膝蓋骨の下側で接している部分が点接触ではなくやや広幅になって連結している態様である。従って、図81〜図84で示した態様と同じ部分の説明は、図面中に同一の符号を付することにより重複説明を省略している。
すなわち、緊締力の強い伸縮性部121の膝蓋骨1の下側部分の一部4と緊締力の強い伸縮性部124′の膝蓋骨1の下側部分の一部14とが膝蓋骨1の下で連結しており、左右および下方から膝をサポートしている。従って図81〜84の下肢部サポート用被服と同様の機能を発揮しうると共に、膝を下からサポートする機能が一層強化されている。
尚、この態様の場合、緊締力の強い伸縮性部を形成するのに、被服本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを縫合することにより形成する場合等には、緊締力の強い伸縮性部121の膝蓋骨1の下側部分の一部4と緊締力の強い伸縮性部124′の膝蓋骨1の下側部分の一部14との連結は、緊締力の強い伸縮性部121と緊締力の強い伸縮性部124′を連続した1枚の布で形成してあらかじめこの部分が連結された1体の生地を用いてもよいし、緊締力の強い伸縮性部121と緊締力の強い伸縮性部124′とはそれぞれ別個の生地で作成し、当該別個の生地の4と14で示した部分が重ねられて縫合されることにより連結部が形成されたものでもよい。
以上、ロングタイツタイプの下肢部サポート用被服についての具体例を挙げて本発明について説明したが、本発明の目的が阻害されない限り、本発明のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服において、必要に応じて上半身部分が更に付加された設計にすることを何ら除外するものではない。
次に、下肢部サポート用被服として、股部を有しウエストラインから膝下までの長さを有する下肢部サポート用被服(以下、これらをセミロングタイツタイプと略称することがある。)の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、前述したように、「少なくとも膝下までの長さを有する」とは、少なくとも膝蓋骨の下端ないしはそれより下まで裾が伸びていることを意味し、好ましくは、裾の位置が、少なくとも膝蓋骨の下端より3〜5cmまで伸びているものが好ましい。また、特に限定するものではないが、最も裾が長いものでも被服の下端の位置は、好ましくは膝関節から下方の下腿部の長さの半分までの位置か又はそれより上であることが好ましい。但し、本発明はこれより更に長い裾丈を有するものを排除するものではない。
図89〜92は、参考例のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の一参考実施態様を示す図であり、図89はその背面図、図90はその正面図、図91は図90のA−A´ラインにおける断面図、図92はその右側面図である。
この態様の被服は、図5〜図8に示したロングタイツタイプの下肢部サポート用被服において、緊締力の強い伸縮性部121の膝蓋骨1の下側部分の一部4のところでそれより下側部分がカットされた設計のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服に相当するものである。
すなわち、緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分2が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨の周囲のほぼ1/4以上(ここでは約1.7/4)を取り囲んでいて膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーしており、膝関節上側においては、大腿部をその内側から前側を通り外面に向かってほぼ縫工筋6に沿い更に大腿直筋のうちの上方部分7を通り、大転子近傍8に至る緊締力の強い伸縮性部(A21)121aと更に大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10にまで伸びている緊締力の強い伸縮性部(A21−1)122aを有する。なお、この実施態様における裾の下端は膝蓋骨の下端より5cmの位置にある。(以下のセミロングタイツタイプの実施態様についても特に断らない限り、裾の下端の位置については同様である。)
図89〜92に示されたセミロングタイツタイプの参考例の下肢部サポート用被服は、上記参考態様とすることにより、緊締力の強い伸縮性部(A21)121aが膝蓋骨1の下側部分の一部4をカバーし膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、更に縫工筋6をサポートし、大腿部を内側から外側に向かって斜めに大転子8に至るまで螺旋状に緊締力の強い伸縮性部121aが存在するので、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが更に一層強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。そして更に、内側側副靭帯3の機能を補助している縫工筋6をサポートでき好ましい。また121aが更に上方に伸びて大転子近傍8から腸脛靭帯9に沿ってウェスト近傍10に至っている緊締力の強い伸縮性部(A21−1)122aを有しているので、大転子8をより強く押さえる機能が強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合を良好にし、従って、更に股関節の安定性を向上させる機能が発揮され好ましい。
次に、図93〜96は、参考例のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の一参考実施態様を示す図であり、図93はその背面図、図94はその正面図、図95は図94のA−A´ラインにおける断面図、図96はその右側面図である。
この態様の被服は、図89〜図92で示した態様の被服の変形態様であり、図89〜図92で示した態様の被服に更に次に説明する緊締力の強い伸縮性部(B2)124aが付加された態様である。すなわち、更に、大転子近傍8から下側に向かって、ほぼ腸脛靭帯9に沿って膝蓋骨1の外側側部側に至り、膝蓋骨の外側から下側部分14の一部をカバーしている緊締力の強い伸縮性部(B2)124aを有している。緊締力の強い伸縮性部(B2)124aが緊締力の強い伸縮性部(A21)121aと合体した上方部分(A21−1)122aの部分は、図89〜92に示したものに比べて緊締力の強い伸縮性部の幅が若干太くなっている。
上記参考態様とすることにより、図89〜92に示した下肢部サポート用被服と同様の機能が発揮されるとともに、緊締力の強い伸縮性部(B2)124aを更に有しているので、膝を両側からサポートでき、膝関節のサポートがより強化される。また、大転子8を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。
次に、図97〜100は、参考例のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図97はその背面図、図98はその正面図、図99は図98のA−A´ラインにおける断面図、図100はその右側面図である。
この態様の被服は、図21〜図24で示したロングタイツタイプの下肢部サポート用被服において、緊締力の強い伸縮性部121の膝蓋骨1の下側部分の一部4のところでそれより下側部分がカットされた設計のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服に相当するものである。
緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨1の周囲のほぼ1/4を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋の上部側方に至っており、膝関節上側においては、大腿部をほぼ半腱様筋21に沿って臀溝近傍22に至っている緊締力の強い伸縮性部(A22)130aからなる緊締力の強い伸縮性部を有している下肢部サポート用被服である。
上記参考態様とすることにより、緊締力の強い伸縮性部130aが膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーし膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、更に大腿部の内側に存在する半腱様筋21をサポートし、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯の機能を補助している半腱様筋をサポートでき好ましい。
次に、図101〜104は、参考例のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図101はその背面図、図102はその正面図、図103は図102のA−A´ラインにおける断面図、図104はその右側面図である。
この態様の被服は、図25〜図28で示したロングタイツタイプの下肢部サポート用被服において、緊締力の強い伸縮性部131の膝蓋骨1の下側部分の一部4のところでそれより下側部分がカットされた設計のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服に相当するものである。
緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨1の周囲のほぼ1/4を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分の一部4をカバーし、内側の腓腹筋の上部側方に至っており、膝関節上側においては、大腿部をほぼ薄筋23に沿って股下近傍24に至っている緊締力の強い伸縮性部131aからなる緊締力の強い伸縮性部を有している下肢部サポート用被服である。
上記参考態様とすることにより、緊締力の強い伸縮性部131aが膝蓋骨の下側部分の一部4をカバーし膝蓋骨1を下側から引き上げるようにサポートでき膝関節の安定性を向上するとともに、更に大腿部の内側に存在する薄筋23をサポートし、内側側副靭帯3をサポートしている緊締力の強い伸縮性部を引っ張るようなパワーが強められ、より内側側副靭帯3のサポート力が向上した下肢部サポート用被服が提供でき好ましい。更に、内側側副靭帯の機能を補助している薄筋をサポートでき好ましい。
次に、図105〜108は、参考例のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図105はその背面図、図106はその正面図、図107は図106のA−A´ラインにおける断面図、図108はその右側面図である。
この態様の被服は、図45〜図48で示したロングタイツタイプの下肢部サポート用被服において、膝蓋骨1の外側の下側部分の一部32のところでそれより下側部分がカットされた設計のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服に相当するものである。
この態様の被服は緊締力の強い伸縮性部(A)で表わされる部分が、人体の膝関節の内側側面の側副靭帯3を実質的にカバーし、更に、膝蓋骨1の人体内側側部側のほぼ周囲近辺に沿って少なくとも膝蓋骨1の周囲のほぼ1/2強を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分4と上側部分11の一部をカバーし、内側の腓腹筋の上部側方に至っており、膝関節上側においては、大腿部をほぼ半腱様筋及び薄筋に沿って股下近傍24ないし臀溝近傍22に至っている緊締力の強い伸縮性部(A22´)142aであり、更に、ウエスト近傍10の脇側からほぼ腸脛靭帯9に沿って大転子近傍8を通り、ほぼ腸脛靭帯9に沿って膝蓋骨1の外側側部側に至り、膝蓋骨1の人体外側側部側のほぼ周囲近辺に沿って膝蓋骨の周囲のほぼ1/2強を取り囲んでいて膝蓋骨1の下側部分32と上側部分33の一部をカバーし、外側の腓腹筋の上部側方に至っている緊締力の強い伸縮性部(B2´)143aを有している下肢部サポート用被服である。
そしてこの態様においては、緊締力の強い伸縮性部(A22´)142aの膝蓋骨1の下側部分4と上側部分11の一部をカバーしている人体内側方向に向いた2つの凸部の位置4と11が、これと対向する緊締力の強い伸縮性部(B2´)143aの膝蓋骨1の下側部分32と上側部分33の一部をカバーしている人体外側方向に向いた2つの凸部の位置32、33よりもそれぞれ若干下側にずれた位置にあり、且つ、緊締力の強い伸縮性部(A22´)142aの膝蓋骨1の下側部分4を覆う正面側から見える面積が、大き目となっている。
上記参考態様とすることにより、大腿部前面側の外側広筋、内側広筋の活動を妨げないようにし、緊締力の強い伸縮性部が、大腿部並びに下腿部の両側から膝と脚部をサポートし、しかも膝関節を包み込むように周囲からサポートしているので、より一層の膝関節のサポートを行うことができ、また、大転子8を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化され好ましい。
また、下腿部においては内側は筋肉が少なく、頸骨が体表面に接しており、一方、下腿部外側は腓腹筋が腓骨の外側に付いているので、より筋肉の少ない内側をより多く下から引き上げるように膝関節をサポートでき、内側側副靭帯のサポート力も強化され好ましい。
なお、上記したように、この態様においては、緊締力の強い伸縮性部(A22´)142aの膝蓋骨1の下側部分4と上側部分11の一部をカバーしている人体外側方向に向いた2つの凸部の位置4と11が、これと対向する緊締力の強い伸縮性部(B2´)143aの膝蓋骨1の下側部分32と上側部分33の一部をカバーしている人体内側方向に向いた2つの凸部の位置32、33は、凸部の位置4が凸部の位置32よりも若干下側にずれた位置にあり、しかも凸部の位置11が凸部の位置33よりも若干下側にずれた位置にあることが、より筋肉の少ない内側をより多く下から引き上げるように膝関節をサポートでき、内側側副靭帯のサポート力も強化され好ましいが、凸部の位置4が凸部の位置32と同じ高さの位置であったり、凸部の位置11が凸部の位置33と同じ高さの位置であったりすることは何ら差し支えない。また、人体外側方向に向いた2つの凸部の位置4と11が脚部前側の中心ラインより更に外側に突出しており、これと対向する凸部の位置32と33が脚部前側の中心ラインより更に内側に突出していてもよいし、あるいは2つの凸部の位置4と32とが連結していたり、同様に凸部の位置11と33が連結した態様であってもかまわない。また、凸部の位置4が凸部の位置32よりも若干上側にずれた位置にあり、しかも凸部の位置11が凸部の位置33よりも若干上側にずれた位置にある態様とすることも可能である。
次に、図109〜112は、参考例のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図109はその背面図、図110はその正面図、図111は図110のA−A´ラインにおける断面図、図112はその右側面図である。
この態様の被服は、図93〜図96で示した態様の被服の変形態様であり、図93〜図96で示した態様の被服において、緊締力の強い伸縮性部(A21)121aと緊締力の強い伸縮性部(B2)124aが膝蓋骨の下側で接している態様である。従って、図93〜図96で示した態様と同じ部分の説明は、図面中に同一の符号を付することにより重複説明を省略している。
上記以外の点は、図93〜図96で示した態様の被服とほぼ同様である。
すなわち、緊締力の強い伸縮性部121aの膝蓋骨1の下側部分の一部4の凸部の頂点と緊締力の強い伸縮性部124aの膝蓋骨1の下側部分の一部14の凸部の頂点とが膝蓋骨1の下で接している。従って図93〜96の下肢部サポート用被服と同様の機能を発揮しうると共に、4と14で示した部分が接しているので、膝下部の被服の端部の位置が膝下部に安定してとどまり、ずれ上がりなどの着崩れが生じにくい。
次に、図113〜116は、参考例のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服の更に別の一参考実施態様を示す図であり、図113はその背面図、図114はその正面図、図115は図114のA−A´ラインにおける断面図、図116はその右側面図である。
この態様の被服は、図109〜図112で示した態様の被服の変形態様であり、図109〜図112で示した態様の被服において、緊締力の強い伸縮性部(A21)121aと緊締力の強い伸縮性部(B2)124aが膝蓋骨の下側で接している部分が点接触ではなくやや広幅になって連結している態様である。従って、図109〜図112で示した態様と同じ部分の説明は、図面中に同一の符号を付することにより重複説明を省略している。
すなわち、緊締力の強い伸縮性部121aの膝蓋骨1の下側部分の一部4と緊締力の強い伸縮性部124aの膝蓋骨1の下側部分の一部14とが膝蓋骨1の下で連結しており、左右および下方から膝をサポートしている。従って図109〜112の下肢部サポート用被服と同様の機能を発揮しうると共に、膝を下からサポートする機能がやや強化されている。
尚、この態様の場合、緊締力の強い伸縮性部を形成するのに、被服本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを縫合することにより形成する場合等には、緊締力の強い伸縮性部121aの膝蓋骨1の下側部分の一部4と緊締力の強い伸縮性部124aの膝蓋骨1の下側部分の一部14との連結は、緊締力の強い伸縮性部121aと緊締力の強い伸縮性部124aを連続した1枚の布で形成してあらかじめこの部分が連結された1体の生地を用いてもよいし、緊締力の強い伸縮性部121aと緊締力の強い伸縮性部124aとはそれぞれ別個の生地で作成し、当該別個の生地の4と14で示した部分が重ねられて縫合されることにより連結部が形成されたものでもよい。
以上、セミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服について、いくつかの実施態様を図面を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、先に図示した各種のロングタイツタイプの下肢部サポート用被服を、膝下より下方部分をカットした設計にして、セミロングタイツタイプとして適用することもできる。
また、本発明の目的が阻害されない限り、本発明のセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服において、必要に応じて上半身部分が更に付加された設計にすることを何ら除外するものではない。あるいは本発明の踝丈の下肢部サポート用被服において、必要に応じて、足底を横切り、両裾端を連結する布が設けられているものなども何ら除外するものではない。
尚、本発明のロングタイツタイプあるいはセミロングタイツタイプの下肢部サポート用被服においても、膝関節の内側側面の側副靭帯上に存在する緊締力の強い伸縮性部の少なくとも前記側副靭帯上の領域を、被服本体の縫製ラインが通っていないことが好ましい。
すなわち、本発明のロングタイツタイプあるいはセミロングタイツタイプのいずれのタイプの下肢部サポート用被服においても、脚部を覆う部分を筒状に形成する必要があるが、脚部を筒状に形成するには、例えば平面状の生地を筒状に丸めて生地の一方の縁と他方の縁同士を縫合するなどの手法が用いられる。このように縫合によって生地を筒状にする場合、従来法は、通常、この縫合ラインは脚部内側を通るように縫製されているのが一般的である。
本発明においては、このような縫製ラインが、膝関節の内側側面の側副靭帯上に存在する緊締力の強い伸縮性部の少なくとも前記側副靭帯上の領域を通らないように設計することが好ましい。理解を容易にするために先の少数の図面を引用して上記脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ラインについて具体例を挙げて説明する。
図117は、図7の図面に、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ラインを記入した参考例である。すなわち、図117は、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ライン50が脚部の内側を通っている場合の一態様を示したものである。脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ライン50は、膝関節の内側側面の側副靭帯3上に存在する緊締力の強い伸縮性部121の少なくとも前記側副靭帯3上の領域を避けて緊締力の強い伸縮性部121の一部の縁上を通る様に設計されている。このように「膝関節の内側側面の側副靭帯上に存在する緊締力の強い伸縮性部の少なくとも前記側副靭帯上の領域を通らないように」とは、緊締力の強い伸縮性部の前記側副靭帯上の領域の縁上を通る場合は許容される意味で用いている。もちろん、前記縫製ラインが前記側副靭帯上の領域の縁上を全く通らずに、緊締力の強い伸縮性部の前記側副靭帯上の領域から少し離れた位置を通る設計にしてよいことは当然である。
次に、図118は、被服本体の縫製ラインの位置を説明するための、前記図117で示した参考態様とは別の、本発明用の縫製ラインの位置の態様を示す図であり、図8の図面に、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ラインを記入したものである。すなわち、図118は、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ライン51が脚部の外側を通っている場合の一態様を示したものである。脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ラインが、脚部の外側を通っている場合は、膝関節の内側側面の側副靭帯上に存在する緊締力の強い伸縮性部の少なくとも前記側副靭帯上の領域を通るということはないので、原則的にはかかる縫製ラインは、脚部の外側であればどの位置を通っていてもかまわない。しかし、脚部の外側にも、何らかの緊締力の強い伸縮性部が存在する場合には、可能であれば、緊締力の強い伸縮性部の領域を避けて、その縁上に沿って縫製ラインを設けるとか、緊締力の強い伸縮性部の領域から、少し離れた位置に縫製ラインが通る様な設計にすることが好ましい。図118に示した例では、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ライン51は、上方部分においては、緊締力の強い伸縮性部121の一方の縁に沿って設けられており、ウェスト位置10から被服全体の長さの約1/3程度下方に下がった位置から、縫製ライン51は緊締力の強い伸縮性部121と少し離れて、ほぼ被服の脇側の中央部を通っている設計になっている。
次に、図119は、被服本体の縫製ラインの位置を説明するための、前記図117〜図118で示した態様とは更に別の、本発明用の縫製ラインの位置の態様を示す図であり、図80の図面に、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ラインを記入したものである。すなわち、図118は、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ライン52が脚部の外側を通っている場合の別の一態様を示したものである。図118に示した例では、脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ライン52は、緊締力の強い伸縮性部156の後ろ側の縁に沿って設けられており、この箇所で縫製すると、縫製ラインが緊締力の強い伸縮性部156の縁に沿っているので、かかる縫製ラインのみが別個に被服に現れることがなく被服の外観に響きにくいので、デザイン性を損なうことがないと言う利点を有する。特に、緊締力の強い伸縮性部が当て布によって構成される場合には、この縫製箇所は、当て布と被服本体布との縫製箇所にもなるので、デザイン性を損なうことがなく、かかる共通の縫製箇所とすることにより、少ない縫製箇所で本発明の下肢部サポート被服を作ることができ好ましい。上記の例は一例であるが、このように、緊締力の強い伸縮性部が被服の脚部の外側を通っている場合で、ほぼ被服の上端から下端まで通っている場合などには、緊締力の強い伸縮性部の縁に沿って脚部を筒状に形成する被服本体の縫製ラインを設けることは上述したようなメリットもあり好ましい。
以上、少数の具体例を挙げて、脚部を筒状に縫製する場合の被服本体の縫製ラインについて説明したが、本発明においては、上記図示した具体例に限定されるものではない。
上述したように、膝関節の内側側面の側副靭帯上に存在する緊締力の強い伸縮性部の少なくとも前記側副靭帯上の領域を、被服本体の縫製ラインが通っていない本発明の好ましい態様とすることにより、内側側副靭帯上に存在する緊締力の強い伸縮性部の少なくとも前記内側側副靭帯上の領域を、被服本体の縫製ラインが通っていると、縫製ラインにより伸縮性が低下することにより、内側側副靭帯をサポートするパワーが不十分になることを防止出来る。従って上記本発明の好ましい態様とすることにより、内側側副靭帯上に存在する緊締力の強い伸縮性部の緊締力が十分に発揮され好ましい。
本発明の被服において、緊締力の強い伸縮性部の形成方法としては、被服本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを縫合させることによって形成してもよいし、被服本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを接着することによって形成してもよい。特に前者の方法によれば、容易に耐久性のある被服を製造することができる。もちろん、緊締力の強い伸縮性部とそれ以外の部分をそれぞれ所定形状のパーツにして、それらを接ぎ合わせて本発明の下肢部サポート用被服を形成してもよいが、縫製が複雑になり、やや手間がかかる。
また、そのほか例えば、被服本体に所定形状の伸縮性生地を引き伸ばして重ね合わせて縫合または接着する方法によって緊締力の強い伸縮性部を形成してもよい。これらの方法によれば、緊締力の強い伸縮性部により強力な緊締力を付与する場合に好適である。
また、被服本体を構成する伸縮性生地の編み組織をより緊締力の強い編み組織にする方法によって緊締力の強い伸縮性部を形成してもよい。これらの方法によれば、重ね合わせをしなくてもすむので、緊締力の強い伸縮性部の厚みをより薄いものとすることができる。尚、上述したような編み組織の切り替えによって緊締力の強い伸縮性部を形成する方法の定義には、被服本体を構成する繊維素材のうち、弾性繊維の太さが他の部分より太い弾性繊維を使用する方法や弾性繊維の使用密度を他の部分より大きくすることによって緊締力の強い伸縮性部を形成する方法も含まれる。この方法によっても、重ね合わせをしなくてもすむので、緊締力の強い伸縮性部の厚みをより薄くすることができる。
また、被服を形成する生地として丸編地などを用いる場合には、カットボス編手法によって、緊締力の強い伸縮性部を形成することもできる。
上記した強緊締力部の形成方法の中でも、被服本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを縫合することによって形成する方法と、被服本体に所定形状の伸縮性生地を引き伸ばして重ね合わせて縫合する方法とが容易である。尚、これらの方法によれば、被服本体に縫合される伸縮性生地の緊締力は被服本体の伸縮性生地の緊締力よりもやや小さくても、同じでも、大きくてもよい。被服本体に伸縮性生地が重ね合わせられた結果、重ね合わされた部分の緊締力が増大するからである。どのくらいの緊締力の生地を重ね合わせたらよいかは、被服の種類や使用目的、着用者の好みなどによって適宜選定すればよい。
なお、前述したカットボス編手法によって、緊締力の強い伸縮性部を形成する手法について、以下、理解を容易にするために、参考までに図120〜図122を用いて説明しておく。
図120〜図121は、丸編において、カットボス編手法を説明するための断面概念工程図である。点線の矢印Aで示した側が丸編地の表側で、点線の矢印Bで示した側が丸編生地の裏側である。
まず、図120に示すように、表糸61と裏糸62を供給して丸編機で編む際に、カットボス手法によって緊締力を強くしたい部分に中糸63を表糸61と裏糸62の間に挿入して、表糸61と中糸63と裏糸62をそろえて供給して丸編機で編み込む。この部分は矢印64a〜64bの間と矢印64c〜64dの間の部分である(尚、中糸63は、わかりやすいように1点鎖線で図示してある。)。そして、矢印64b〜64cの間の部分の如く、緊締力が弱い部分に該当する部分は、中糸63が表糸61と裏糸62の間に挿入されないように中糸63を裏側に浮かせて、表糸61と裏糸62のみで編む。次いで矢印64a、64b、64c、64dのところで裏側に浮かされた中糸63をカットし、図120に示したようなZ1とZ3の部分が中糸63が挿入されていて、緊締力の強い伸縮性部となり、Z2の部分が表糸1と裏糸2のみで編まれた緊締力の弱い伸縮性部となる。
図122に、上述のカットボス編手法によって得られた丸編生地の断面概念図を示した。61aが表糸61があらわれている丸編生地の表側、62aが裏糸62があらわれている丸編生地の裏側、63aが中糸63で構成された補強層であり、Z1とZ3の部分が、緊締力の強い伸縮性部となり、Z2の部分が緊締力の弱い部分となる。
本発明においては、前記の如く緊締力の強い伸縮性部と緊締力の弱い伸縮性部をカットボス編手法のみで形成してもよいが、更に、丸編地における同一コース内での度目調整によって、緊締力の変化を付与する手法を併用してもよい。
緊締力の強い伸縮性部の緊締力としては、特に限定するものではないが、ほぼその長さ方向で0.3N〜4Nの緊締力を有する様に設計することが好ましい。このような緊締力の範囲において、本発明の機能が効果的に発揮され、また、圧迫感が余りに強過ぎることもなく着用感が良好で好ましい。尚、緊締力の弱い伸縮性部の緊締力が0.3Nを超えることがあっても、当該被服中に設けられている緊締力の強い伸縮性部よりも、その緊締力が小さければ差し支えない。
緊締力の強い伸縮性部や緊締力の弱い伸縮性部などの生地の緊締力を測定する場合には、次の引張り試験を行って測定する。
素材経方向(ウェール方向)が試験片の長さ方向になるように幅2.5cm×長さ16.0cmの試験片を作成し、その長さ方向を上下方向に向けてその両端をクリップでつかむ。上部つかみ長さを2.5cm、下部つかみ長さを3.5cmとし、従ってつかみ間隔は10.0cmとして定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ”AG−500D)に取り付け、30±2cm/分の速度で試験片を伸度80%まで伸ばす。この際、伸度30%時点で試験片に掛かっている応力を記録しこれを伸長力(単位N)、[1gf≒0.0098N]とし、次に伸度80%まで伸ばした試験片に掛かる応力を取り去ると、試験片が元の長さに戻ろうとして収縮するが、伸度30%まで回復した時の試験片に掛かる応力を緊締力(単位N)とする。これらの値は、上記引張試験機により自動的に記録される様に設定しておく。尚、伸長力、緊締力とも、これらのデータは試験片2つの平均値を求めてそれぞれ伸長力、緊締力とした。
ここで、伸度(%)とは、伸ばした状態で伸び方向の生地の長さをd、伸ばす前の試料の元の長さ(すなわちつかみ間隔)をeとすると、[(d−e)/e]×100の値である。
尚、伸長力や緊締力の測定の際に試験片の大きさとしては、前述のような大きさのものを用いることが好ましいが、かかる大きさの試料が測定対象の衣類から切り出せない場合にはそれより小さくても差し支えない。ただ、試料の大きさが小さくなるほど、測定誤差が大きくなるので、切り出せる範囲でできるだけ大きな試料を採取して測定することが好ましい。
本発明の被服における緊締力の強い伸縮性部の幅は、その存在部位、用いる素材の緊締力の強さ、緊締力の強い伸縮性部の形成手段、被服の使用目的(例えば着用者の膝関節の障害の程度や障害部位、または障害予防の目的、行うスポーツの種類など)、大人か子供かなどによって適宜本発明の目的が達成される範囲で適当な幅にすれば良く、また、部位によって当然幅が異なってくるので、一概に数値で規定することは困難であるが、線状のように幅の狭いものでは意味がなく、例えば、平均で2cm以上の幅であることが好ましく、平均で3cm以上の幅であることがより好ましい。最も幅の広い部分は通常15cm程度以下、より好ましくは13cm程度以下が好ましい。
もちろん本発明の目的が達成される範囲に於いて、緊締力の強い伸縮性部の幅は、部位に応じて部分的に狭幅になったり、広幅になったりすることがあるのは何ら差し支えない。
本発明において、種々説明した筋肉をサポートするための緊締力の強い伸縮性部は、特殊な細部を除いて主として筋肉や靱帯の繊維方向にほぼ沿った方向に向かって設けられており、このような態様とすることによって、筋肉や靱帯の機能を阻害せずに筋肉の収縮や靱帯の機能を助長することができ、好ましい。
また、本発明の被服は、伸縮性生地として、被服本体部分や各緊締力の強い伸縮性部において、伸縮性を有するポリウレタン繊維含有ラッセル編物であるポリウレタン繊維含有パワーネットや、ポリウレタン繊維含有トリコット編物であるポリウレタン繊維含有ツーウェイトリコット編物、ポリウレタン繊維含有丸編物などを好ましく用いることができるので、従来の比較的厚地のパイル地やネオプレンシートなどを用いるサポーターなどに比べて、通常の衣料を作成する際に用いられている程度の厚み、例えば約0.3〜0.8mmの厚みの生地が使用でき、したがって着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、身体によくフィットし、通気性も比較的良好な被服を提供できる。パワーネットの種類としては、例えば、プレーンパワーネット、サテンパワーネット、ツーウェイラッセル、“トリスキン”(ト部株式会社の商標)などが挙げられる。
また、各緊締力の強い伸縮性部の緊締力はすべて同一である必要はなく、部位に応じて異なった緊締力としてもよい。
被服の生地を構成する繊維糸の種類も、特に限定するものではなく、ポリエステル、ナイロンなどで代表される各種の合成繊維糸、木綿、ウール、絹などで代表される天然繊維糸、レーヨンなどで代表される半合成繊維糸、ポリウレタン繊維糸などで代表される弾性繊維糸、あるいは、これらの少なくとも2種類の繊維が混在した混合繊維からなる糸、カバリングヤーン、吸水速乾性糸、その他の加工糸など各種の繊維糸を用いることができる。
尚、弾性糸を使用する場合には、弾性繊維のみから作られた糸を用いてもよいが、目的に応じて、前述したような吸水速乾性糸、発水性に優れた合成繊維糸あるいは天然繊維糸などの他の繊維でカバリングされた弾性糸を用いることがより好適である。