JP4728499B2 - 上半身衣類 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上半身の少なくとも胸部に密着する本体見頃を備えた上半身衣類に関する。かかる上半身衣類は、男性用衣類又は女性用衣類に限定されるものではなく、例えば、シャツ(長袖、半袖、ランニングシャツ)、ボディスーツ、水着、レオタード等を含む。
【0002】
なお、本明細書で「伸縮性が低い」とは、外力に対し伸縮しにくく、伸ばした場合に強い反発力(縮む力)を生じる性質を意味する。また、「伸縮性が高い」とは、外力に対し伸縮し易く、伸ばした場合に生じる反発力(縮む力)が弱いという性質を意味する。
【0003】
【従来の技術】
近年、日本人の体格が良くなり平均身長も伸びているが、その反面、背中が丸く姿勢が悪い人が多いと言われる。このような姿勢の悪化は、高齢者については背筋等の筋力の低下により、年齢層の若い人については筋肉(特に背中部分)の使い方を知らないことにより生じると言われている。特に、年齢層の若い人については、自己の持っている身体能力を十分に発揮できていないといえる。
【0004】
このような姿勢悪化の解決手段として、姿勢に着目し、肩を後ろに引くことで脊柱を直立させる構造の衣類が多く提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、それらの衣類は、脊柱を直立させたとしても、脊柱の動きを固定してしまい、筋肉(特に背中部分)の動作の自由度を低下させ、筋力の低下につながるおそれがあるという問題点がある。
【0006】
一方、人間が深呼吸を行うときには背筋を伸ばし胸を張り良好な姿勢が形成される。ところが、従来の上半身や胸部のサポートに関する技術としては、背中の筋骨格をサポートするもの(特許第3115816号)や乳房造型機能を有するブラジャー(特公昭41―6061号、特公昭40―17627号)等があるが、いずれも、息を吸う時に使う筋肉をサポートするという点は提案されていない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、脊柱の動きを阻害せずに、息を吸う時に使う筋肉を重点的にサポートすることができる上半身衣類を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の出願人の長年の研究の結果、人間が深呼吸を行うとき、図7(a)の通常状態と図7(b)の深呼吸での吸気時の状態とを比較すれば明らかなように、吸気時には胸椎後湾90の曲率が小さくなる。また、図6には深呼吸時の胸骨80の動きを深呼吸前の位置80Aと深呼吸後の位置80Bにより示しているが、この図6にも示すように胸骨80を矢印K1、K2に示す前上方向(図7(b)では矢印K3方向)へ持ち上げるよう筋肉が作用していることを発見した。このような吸気時に働く主な筋肉は外肋間筋であり、これを補助するように広背筋、大胸筋が使用されることが判明した。
【0009】
具体的には、外肋間筋は、肋骨の隙間に位置し肋骨同士を連結する筋肉だが、この外肋間筋は吸気時に図8(a)に示すように肋骨92全体を矢印L方向へ持ち上げる(即ち、胸骨を前上方向に移動させる)働きをする。
【0010】
また、図8(b)に示す広背筋94は、吸気時に胸郭を後ろ中心へ向けて矢印M方向に引っ張ることで、胸郭を外へ広げ、胸を張らせる働きをする。また、図8(c)に示す大胸筋96は、吸気時に胸郭を脇部へ向けて矢印N方向に引っ張ることで、胸郭を外へ広げ、胸を張らせる働きをする。
【0011】
これらの働きを踏まえ、本発明に係る上半身衣類は、前述した目的を達成するために、着用者の上半身の少なくとも胸部に密着する本体見頃を備えた上半身衣類であって、本体見頃よりも伸縮性が低く、かつ当該伸縮性が長手方向に構成されている帯状の布が、本体身頃における前面の胸骨中央相当部から左右の肩部に至る2本の第1のライン、胸骨中央相当部から胸部下方を通り左右の脇部に至る2本の第2のライン、及び第2のラインにおける左右の脇部近傍を背面で結ぶ第3のラインに沿って、本体身頃に縫合され、第1のライン及び第2のラインに沿う帯状の布が、着用時に、着用者の外肋間筋の動きをサポートし、第3のラインに沿う帯状の布が同じく着用者の広背筋の動きをサポートすることを特徴とする。
【0012】
このような本発明によれば、本体身頃に縫合され、第1のライン及び第2のラインに沿う帯状の布が、着用時に、胸郭を前上方向へ持ち上げる働きをする外肋間筋の動きをサポートする。
【0013】
また、第2のラインにおける左右の脇部近傍を背面で結ぶ第3のラインに沿って縫合された伸縮性が低い帯状の布は、着用時に、脇部から後ろ中心(具体的には第7、8胸椎の近傍)に向かう広背筋の動きをサポートする。
【0014】
帯状の布の伸縮性は本体見頃よりも低いので、本発明に係る上半身衣類が着用されると、第1〜第3のラインに沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉としての外肋間筋及び広背筋の筋収縮運動をサポートすることができる。このとき、筋肉を自然にサポートしているため、従来のような肩を無理に後ろに引く矯正用衣類等とは異なり、身体に無理な力をかけて筋肉運動などを阻害することはない。
【0015】
このようにして、本発明に係る上半身衣類を着用することで、胸を張るような力が自然と働き、脊柱の動きを阻害せずに、息を吸う時に使う筋肉を重点的にサポートすることができる。
【0016】
なお、第3のラインは、第2のラインにおける左右の脇部近傍を背面で結ぶが、このとき、第3のラインが第2のラインと連結された構成でもよいし、直接連結されていないが第2のラインの左右の脇部より少し上又は少し下で連結された構成でもよい。
【0017】
また、第3のラインに沿う布と第2のラインに沿う布とで同じ幅としてもよいし、異なる幅としてもよい。例えば、第3のラインに沿う布と第2のラインに沿う布とは1cm幅くらい連結されているが、それ以外の幅部分が連結されていない構成を採用してもよい。なお、上記で異なる幅とする場合は、背中側に位置する第3のラインに沿う布の幅が第2のラインに沿う布の幅よりも広くなるように構成すれば、胸郭を背中中央に引く力がかかりやすくなるという効果が得られる。
【0018】
もちろん、第3のラインが、第2のラインにおける左右の脇部同士を背面で結ぶよう構成してもよく、この場合、第3のラインに沿う布と第2のラインに沿う布とが直接連結された構成又は連続した構成となり、外肋間筋及び広背筋の筋収縮運動をより効果的にサポートすることができるという利点がある。
【0019】
本発明に係る上半身衣類では、布の伸縮方向が当該布の長手方向となるよう構成すれば、当接される筋肉の収縮方向と布の伸縮方向とがほぼ一致し、布は低い伸縮性を維持しつつも着用者の筋肉の動きに追随して伸縮するので、着用者にあまり拘束感や窮屈感を与えることなく、筋肉の動きをサポートし自然な着心地を実現することができる。
【0020】
本発明に係る上半身衣類では、第1及び第2のラインに沿って縫合された帯状の布のうち、左の第1のラインと右の第2のライン、及び右の第1のラインと左の第2のラインに沿う帯状の布が、それぞれ、同一の一連の布から構成することが望ましい。この場合、左の肩部から胸骨中央相当部を通り右の脇部に至る布と、右の肩部から胸骨中央相当部を通り左の脇部に至る布とが胸骨中央相当部で交差する構成となるが、肩部から脇部までのライン全体を同一の一連の布でサポートするので、所要の伸縮性がかかりやすく、外肋間筋をより効果的にサポートすることができる。
【0021】
本発明に係る上半身衣類では、帯状の布が、胸骨中央相当部から胸部上方を通り脇部に至る第4のラインに沿って、本体見頃に縫合された構成とすることが望ましい。この場合、第4のラインに沿って縫合された伸縮性が低い帯状の布は、着用時に、胸骨中央相当部から脇部に向かう大胸筋の動きをサポートするので、この第4のラインに沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉としてさらに大胸筋をサポートすることができる。これにより、息を吸う時に使う筋肉のサポート効果が増大する。
【0022】
本発明に係る上半身衣類では、帯状の布が、第1のライン上の胸部上部の所定位置から脇部に至る第5のラインに沿って、本体見頃に縫合された構成とすることが望ましい。この場合、第5のラインに沿って縫合された伸縮性が低い帯状の布は、着用時に、胸骨中央相当部から脇部に向かう大胸筋の動きをサポートするので、この第5のラインに沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉としてさらに大胸筋をサポートすることができる。これにより、息を吸う時に使う筋肉のサポート効果が増大する。
【0023】
また、帯状の布が、第5のラインにおける左右の脇部近傍を背面で結ぶ第6のラインに沿って、本体見頃に縫合された構成とすることが望ましい。この場合、上記同様、第6のラインに沿って縫合された伸縮性が低い帯状の布は、着用時に、脇部から後ろ中心(具体的には第7、8胸椎の近傍又は少し上方)に向かう広背筋の動きをサポートするので、この第6のラインに沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉としての広背筋のサポート効果が増大する。
【0024】
なお、第6のラインは、第5のラインにおける左右の脇部近傍を背面で結ぶが、このとき、第6のラインが第5のラインと連結された構成でもよいし、直接連結されていないが第5のラインの左右の脇部より少し上又は少し下で連結された構成でもよい。
【0025】
また、第6のラインに沿う布と第5のラインに沿う布とで同じ幅としてもよいし、異なる幅としてもよい。例えば、第6のラインに沿う布と第5のラインに沿う布とは1cm幅くらい連結されているが、それ以外の幅部分が連結されていない構成を採用してもよい。なお、上記で異なる幅とする場合は、背中側に位置する第6のラインに沿う布の幅が第5のラインに沿う布の幅よりも広くなるように構成すれば、胸郭を背中中央に引く力がかかりやすくなるという効果が得られる。
【0026】
もちろん、第6のラインが、第5のラインにおける左右の脇部同士を背面で結ぶよう構成してもよく、この場合、第6のラインに沿う布と第5のラインに沿う布とが直接連結された構成又は連続した構成となり、大胸筋及び広背筋の筋収縮運動をより効果的にサポートすることができるという利点がある。
【0027】
本発明に係る上半身衣類では、帯状の布が、第1のラインと左右の肩部で連続し当該肩部と第3のライン上の所定位置及び第6のライン上の所定位置の少なくとも一方とを連結する第7のラインに沿って、本体見頃に縫合された構成とすることが望ましい。この場合、第7のラインは、第1のラインと左右の肩部で連続するとともに、第3のライン上の所定位置及び第6のライン上の所定位置の両方と肩部とを連結するか又は第3のライン上の所定位置及び第6のライン上の所定位置のうち一方と肩部とを連結する構成である。
【0028】
このような第7のラインに沿って縫合された伸縮性が低い帯状の布は、着用時に、肩を後ろに引くとともに第1のラインに沿った持ち上げる力を背中側で保持する働きを行うので、外肋間筋をサポートし胸を張らせる効果を増強することができる。
【0029】
また、帯状の布が、第1のラインと左右の肩部で連続し当該肩部と第3のライン上の所定位置とを連結する第8のラインに沿って、本体見頃に縫合された構成とすることが望ましい。この場合、上記同様、第8のラインに沿って縫合された伸縮性が低い帯状の布は、着用時に、肩を後ろに引くとともに第1のラインに沿った持ち上げる力を背中側で保持する働きを行うので、外肋間筋をサポートし胸を張らせる効果を増強することができる。
【0030】
本発明に係る上半身衣類では、左右の脇部に、伸縮性が布よりも低い芯材が、当該芯材の長手方向が脇部上下方向に沿うように当接された構成とすることが望ましい。この場合、左右の脇部に上下方向に芯材を当接することで、第2のライン、第3のライン等、脇部に力が作用する場合に当該芯材が支点となるので、第2のラインに沿った外肋間筋のサポート及び第3のラインに沿った広背筋のサポートをより効果的に行うことができる。
【0031】
また、本体見頃が、左右の脇部で前見頃と後見頃とが縫合された構成とされ、当該脇部の伸縮性が布よりも低くなるよう設定された構成とすることが望ましい。この場合、左右の脇部における前見頃と後見頃との縫合箇所では、生地の伸びがほとんど無くなるので、上記同様、第2のライン、第3のライン等、脇部に力が作用する場合に当該縫合箇所が支点となるので、第2のラインに沿った外肋間筋のサポート及び第3のラインに沿った広背筋のサポートをより効果的に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る上半身衣類の実施の形態を説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る上半身衣類10の一構成例を示す斜視図である。この図1に示すように、上半身衣類10は、身体に密着する長袖の丸首シャツ12と、このシャツ12に対し以下の所定位置で縫合された複数の帯状の布14a、14b…とを含んで構成されている。なお、複数の帯状の布14a、14b…は布14と総称する。
【0034】
シャツ12は、前見頃12A、後見頃12B及び袖部12Cが互いに縫合されて構成されており、前見頃12Aと後見頃12Bの縫合箇所である脇部18、20、肩部16は、生地の伸びがほとんど無くなるので、後述の力の作用における支点として有効に機能する。
【0035】
各布14は、トリコット又はパワーネット等から成り、その伸縮性がシャツ12の伸縮性よりも低くなるよう構成されている。また、各布14の伸縮方向が当該布の長手方向となるよう構成されている。
【0036】
布14は、左右の肩部16から胸骨中央相当部Pに至る第1のラインに沿って縫合された布14c、14dと、胸骨中央相当部Pから胸部下方を通り左右の脇部18に至る第2のラインに沿って縫合された布14a、14bと、第2のラインにおける左右の脇部18同士を背面で結ぶ第3のラインに沿って縫合された布14eと、第1のライン上の胸部上部の所定位置Qから脇部20に至る第5のラインに沿って縫合された布14h、14iと、第5のラインにおける左右の脇部20同士を背面で結ぶ第6のラインに沿って縫合された布14jと、第1のラインと左右の肩部16で連続し当該肩部16と第6のライン上の所定位置Rとを連結する第7のラインに沿って縫合された布14k、14lとから構成される。
【0037】
このうち、第1のライン及び第2のラインに沿って縫合された布14a、14c、14b、14dは、胸郭を前上方向へ持ち上げる働きをする外肋間筋の筋繊維に沿った方向に位置する。このため、第1、第2のラインに沿って、即ち、外肋間筋の筋繊維に沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉として外肋間筋をサポートすることができる。また、布14aと布14cは点Pで縫合されているわけではなく、同一の一連の布から構成されている。同様に、布14bと布14dも同一の一連の布から構成されている。このため、外肋間筋を筋繊維に沿ってより効果的にサポートすることができるという利点がある。
【0038】
また、第3のラインに沿って縫合された布14eは、吸気時に脇部を後ろ中心へ向けて引っ張ることで胸郭を外へ広げ胸を張らせる働きをする広背筋の筋繊維に沿った方向に位置する。このため、第3のラインに沿って、即ち、広背筋の筋繊維に沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉としての広背筋をサポートすることができる。
【0039】
また、第5のラインに沿って縫合された布14h、14iは、吸気時に胸郭を脇部へ向けて引っ張ることで、胸郭を外へ広げ胸を張らせる働きをする大胸筋の筋繊維に沿った方向に位置する。このため、第5のラインに沿って、即ち、大胸筋の筋繊維に沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉としての大胸筋をサポートすることができる。
【0040】
また、第6のラインに沿って縫合された布14jは、脇部から後ろ中心(具体的には第7、8胸椎の近傍又は少し上方)に向かう広背筋の筋繊維に沿った方向に位置する。このため、第6のラインに沿って、即ち、広背筋の筋繊維に沿って、適度な圧力が加わることとなり、息を吸う時に使う筋肉としての広背筋をサポートすることができる。
【0041】
また、第7のラインに沿って縫合された布14k、14lは、肩を後ろに引くとともに第1のラインに沿った胸郭を持ち上げる力を背中側で保持する働きをするので、外肋間筋を筋繊維に沿ってサポートし胸を張らせる効果を増強することができる。
【0042】
このように各ラインに沿って、息を吸う時に使う筋肉(外肋間筋、広背筋及び大胸筋)をサポートすることができる。このとき、筋肉を筋繊維に沿って自然にサポートしているため、従来のような肩を無理に後ろに引く矯正用衣類等とは異なり、脊柱を直立させたとしても脊柱の動きを阻害することは避けられる。
【0043】
このようにして、上半身衣類10を着用することで、胸を張るような力が自然と働き、息を吸う時に使う筋肉を重点的にサポートすることができる。
【0044】
また、各布14の伸縮方向がその長手方向となるよう構成しているので、布14は低い伸縮性を維持しつつも、着用者の身体の動きに追随して若干伸縮可能となるので、着用者にあまり拘束感や窮屈感を与えることなく、自然な着心地を実現することができる。
【0045】
なお、図1(b)では、布14k、14lが肩部16と布14jの所定位置Rとを連結した構成を示したが、布14k、14lが肩部16と布14eの途中の所定位置とを連結した構成を採用してもよく、この場合も、布14k、14lが、着用時に、肩を後ろに引くとともに第1のラインに沿った持ち上げる力を背中側で保持する働きを行うので、外肋間筋を筋繊維に沿ってサポートして胸を張らせる本実施形態の効果を増強することができる。
【0046】
また、図5に示すように、図1の構成において、布14c、14dが互いに離れすぎないようにするため、布14c、14dを胸部上部で連結し、布14cと布14dが左右に開きすぎて当接箇所がずれ所要箇所に力がかからなくなることを防止する布22を追加してもよい。ただし、胸の押し付け感を回避するため、この布22は、シャツ12よりも伸縮性が低いが布14c、14dよりも伸縮性が高い素材で構成することが、当接箇所を過度に圧迫することがなく望ましい。
【0047】
以下、図2〜図4を用いて、本発明に係る他の実施形態を説明する。図2に示す上半身衣類10Xは、丈の短い半袖のU首シャツ12と、このシャツ12に対し図1とほぼ同様の所定位置で縫合された複数の帯状の布14とを含んで構成されている。
【0048】
ただ、この上半身衣類10Xでは、U首の首周りに布14c、14dが縫合され、前中央の支点Pから胸の下方を通り脇へ抜けるラインに沿って幅広の布14a、14bが縫合されている。このうち布14a、14bは、左右の上縁部が外肋間筋の筋繊維に沿った方向に位置するので、これら布14a、14bと、これらと支点Pで連結された布14c、14dとが一体となり、外肋間筋をサポートすることができる。
【0049】
また、支点Pから胸の上方を通り脇へ抜ける第4のラインに沿って布14h、14iが縫合されている。これら布14h、14iは、支点Pから脇部に向かう大胸筋の筋繊維に沿った方向に位置するので、大胸筋の筋繊維に沿って適度な圧力が加わることとなり、大胸筋をサポートすることができる。
【0050】
また、左右の脇部には、伸縮性が布14よりもさらに低い芯材として、ほとんど伸びの無い圧縮ポリウレタンシート30が上下方向に当接されている。この圧縮ポリウレタンシート30は、脇部に布14の力が作用する場合に支点となるので、第2のラインに沿った外肋間筋のサポート、第3のラインに沿った広背筋のサポート、第4のラインに沿った大胸筋のサポートをより効果的に行うことができる。なお、圧縮ポリウレタンシート30以外にも、芯材としては、樹脂ボーン、樹脂シート、ほとんど伸びの無いダブルラッセル、圧縮不織布等の素材のものを使用することができる。
【0051】
また、図2(b)に示すように、布14k、14lが背中の中央で交差する構成となっている。布14k、14lについては、図1(b)のように交差しない構成でも、図2(b)のように交差する構成でもよい。いずれにしても、肩を後ろに引くとともに第1のラインに沿った持ち上げる力を背中側で保持する働きを行うので、外肋間筋を筋繊維に沿ってサポートして胸を張らせる本実施形態の効果を増強することができる。
【0052】
また、本発明は以下の図3、図4のような実施形態でも実現でき、上記同様の作用・効果を奏する。
【0053】
例えば、図3に示す上半身衣類10Yは、女性用水着に本発明を適用した構成例であり、布14の配置は図1の例とほぼ同様であるが、左右の脇部には、伸縮性が布14よりもさらに低い芯材として圧縮ポリウレタンシート30が当接され、背中の布14k、14lは背中の中央部で布32により連結された構成となっている。
【0054】
また、図4に示す上半身衣類10Zは、ミニトップに本発明を適用した構成例であり、布14の配置は図1の例とほぼ同様であるが、支点Pから胸の下方を通り脇へ抜けるラインD(上記第2のラインに相当)と、このラインDから胸の下部で分岐しバージスライン脇側に沿って布14h、14iに到達するラインEのそれぞれに、布14が縫合されている。また、背中の布14k、14lは背中の中央部で連結された構成となっている。
【0055】
このように本発明は、男性用衣類又は女性用衣類に限定されることなく、身体に密着するタイプの各種の上半身衣類(例えば、シャツ(長袖、半袖、ランニングシャツ)、ボディスーツ、水着、レオタード等を含む)に適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る上半身衣類は、着用時に、第1〜第3のラインに沿って、適度な圧力が加わることとなるので、胸を張るような力が自然と働き、息を吸う時に使う筋肉を重点的にサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る上半身衣類の構成図であり、(a)は前面を投影した斜視図、(b)は背面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る上半身衣類の構成図であり、(a)は前面を投影した斜視図、(b)は背面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る上半身衣類の構成図であり、(a)は前面を投影した斜視図、(b)は背面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る上半身衣類の構成図であり、(a)は前面を投影した斜視図、(b)は背面図である。
【図5】図1の上半身衣類に対し着崩れ防止用布をさらに設けた構成図である。
【図6】深呼吸時の胸骨の動きを示す図である。
【図7】(a)は通常の胸椎後湾の状態を示す図であり、(b)は吸気時の胸椎後湾の状態を示す図である。
【図8】(a)は吸気時の外肋間筋の働きを説明するための図であり、(b)は吸気時の広背筋の働きを説明するための図であり、(c)は吸気時の大胸筋の働きを説明するための図である。
【符号の説明】
10…上半身衣類、12…シャツ(本体見頃)、12A…前見頃、12B…後見頃、14…布、16…肩部、18、20…脇部、30…圧縮ポリウレタンシート(芯材)、P…胸骨中央相当部

Claims (8)

  1. 着用者の上半身の少なくとも胸部に密着する本体見頃を備えた上半身衣類であって、
    前記本体見頃よりも伸縮性が低く、かつ当該伸縮性が長手方向に構成されている帯状の布が、
    前記本体身頃における前面の胸骨中央相当部から左右の肩部に至る2本の第1のライン、
    前記胸骨中央相当部から胸部下方を通り左右の脇部に至る2本の第2のライン、
    及び前記第2のラインにおける左右の脇部近傍を背面で結ぶ第3のライン
    に沿って、前記本体身頃に縫合され、
    前記第1のライン及び前記第2のラインに沿う前記帯状の布が、着用時に、着用者の外肋間筋の動きをサポートし、前記第3のラインに沿う前記帯状の布が同じく着用者の広背筋の動きをサポートすることを特徴とする上半身衣類。
  2. 前記第3のラインは、前記第2のラインにおける左右の脇部同士を背面で結ぶことを特徴とする請求項1記載の上半身衣類。
  3. 前記第1及び第2のラインに沿って縫合された前記帯状の布のうち、
    左の第1のラインと右の第2のライン、及び右の第1のラインと左の第2のラインに沿う前記帯状の布が、それぞれ、同一の一連の布から構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の上半身衣類。
  4. 前記帯状の布が、前記第1のライン上の胸部上部の所定位置から前記脇部に至る第5のラインに沿って、前記本体見頃に縫合され、
    前記第5のラインに沿う前記帯状の布が、着用時に、着用者の大胸筋の動きをサポートすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の上半身衣類。
  5. 前記帯状の布が、前記第5のラインにおける左右の脇部近傍を背面で結ぶ第6のラインに沿って、前記本体見頃に縫合され、
    前記第6のラインに沿う前記帯状の布が、着用時に、着用者の広背筋の動きをサポートすることを特徴とする請求項4記載の上半身衣類。
  6. 前記第6のラインは、前記第5のラインにおける左右の脇部同士を背面で結ぶことを特徴とする請求項5記載の上半身衣類。
  7. 前記左右の脇部に、伸縮性が前記帯状の布よりも低い芯材が、当該芯材の長手方向が脇部上下方向に沿うように当接されたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の上半身衣類。
  8. 前記本体見頃が、前記左右の脇部で前見頃と後見頃とが縫合された構成とされ、当該脇部の伸縮性が前記帯状の布よりも低くなるよう設定されたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の上半身衣類。
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