WO1996008172A1

WO1996008172A1 - Bas

Info

Publication number: WO1996008172A1
Application number: PCT/JP1995/001825
Authority: WO
Inventors: Hirofumi Kobayashi; Nagafumi Himeno; Yumiko Sawai
Original assignee: Toray Industries, Inc.
Priority date: 1994-09-13
Filing date: 1995-09-13
Publication date: 1996-03-21
Also published as: EP0729713A1; KR960705489A; EP0729713B1; DE69520874D1; DE69520874T2; CN1135709A; EP0729713A4; CN1107466C

Description

明細書

ストッキング

技術分野

本発明は、少なくともレツグ部編地が実質的にカバリング弾性糸のみで編成されてなるストッキングに関するものである。特に、良好な透明感、フラット感、懿慼、触感、フィット性、耐久性、着用快適性等を有するストツキングに関するものである。

背景技術

近年におけるパンティストッキングの変革は著しく、従来の仮撚り加工ナイ口ン糸を用いたパンティストッキングから、ポリウレタン弾性糸の周りにナイロン糸を卷き付けてなる力バリング弾性糸を用いたパンティストッキングへと急激にシフトして来ている。この力バリング弾性糸を用いたパンティストッキングは、ポリウレタン弾性糸の伸長回復による優れたフィット性とともに耐久性も良好であるので、市場において好評を得ている。

また、このカバリング弾性糸を用いたパンティストッキングは、従来は力バリング弾性糸とナイ口ン糸とを交互に編成して製造されていたが、最近になって、交編による横段斑を解消するとともに、より高いフィット性を得ることを目的にして、力バリング弾性糸のみでレツグ部編地を編成してなるパンティス卜ッキング、所謂、ゾツキパンティストッキングが市販されてきている。以下、カバリング弾性糸のみでレツグ部編地を編成してなるストッキングを「ゾッキストツキング」という。

ところで、力バリング弾性糸はポリゥレタン弾性糸にナイ口ン糸を卷付けカバリングした構造であるので太織度となり易いため、これを用いてなるストツキングは、仮撚加工糸や複合繊維からなる従来のストツキングと比較して透明感に劣る、むれる、生地厚である等の短所を抱えている。この短所はゾッキストツキングにした場合にさらに悪化し、その上、ゾツキストッキングでは ¾感が失われ、しかも、生地の均一性が低下しフラット感が劣るという大きな問題点があった。そこで、これらカバリング弾性糸の有する透明性不良、むれ感、生地厚感の改善のために、そのカバリング用糸をより細繊度とすること、あるいは、カバリング撚り数を下げるという手段が提案されている。

しかし、力バリング用糸を細繊度化するとストッキングの耐久性の悪化という実用上好ましくない問題を誘発するし、また、カバリング撚り数を低下するとストッキングの耐久性の悪化や透明感の低下という実用上好ましくない問題を誘発するので、有効な改善策にはならず、さらなる改善が望まれていた。

—方、力バリング弾性糸においては、いかにポリゥレタン弾性糸が表面に出ないようにかつ均整にナイロン糸を卷付けるかという被覆性が、得られるス卜ツキングの耐久性、生地外観、色調、風合等を高めるために重要である。

そこで、この被 ¾性を向上させる技術として、断面形状係数が 1 . 2 0 - 1 . 6 0である非円形（Y字形、丁字形、 X字形、 U字形、 H字形、 L字形、 E字形）の横断面を有する長鏃維を力バリング用糸として用いポリウレタン弾性糸に卷付けることが、特公昭 6 4— 3 9 6 5号公報で提案されている。

また、ストッキングの審美性や耐久性を向上させる技術として、異形度が 1 . 0 3 - 1 . 1 5である多葉形（ 3葉形、 5葉形）の横断面を有する高強力ポリアミド糸を力バリング用糸として用いポリウレタン弾性糸に巻付けることが、特開平 2— 8 0 6 3 5号公報で提案されている。

しがし、上記した非円形横断面の長繊維はいずれもその緘維横断面形状にかなりの凹凸を有するものであるので、得られるストッキングの透明感、旌感、フラット感、触感等が著しく悪化するという大きな問題点をかかえている。

従って、これら従来技術をゾツキストッキングに適用しても、その透明感、着用快適性、フラット感、艷感、触感、生地厚感等を十分に改善することは困難であった。

本発明は、上述した従来技術の欠点を解消し、実質的にカバリング弾性糸のみで編成されたゾツキストッキングにおいて、透明感、フラット感、 ¾感、触感、生地厚感、着用快適性等を改善することにより、従来のゾツキストッキング技術では得られなかった優れた透明感、フラット感、 K感、触感及び着用快適性を兼ね備えしかも、フイツト性ゃ耐久性等も良好なゾッキス卜ッキングを得ることを主たる目的とする。

発明の開示本発明は、少なくともレツグ部編地が、実質的に、弾性繳維からなる芯糸の周囲にポリァミド長維維が卷付けられてなる力バリング弾性糸のみで編成されてなるストッキングにおいて、前記ポリアミド長繊維の繊維横断面形状が、 4個の突出部を有し実質的に凹部を有さない四辺形であって、前記突出部を頂点とする内接四角形の各辺より外側に実質的に凸状に張り出した 4曲辺から構成される凸四辺形（以下、単に「凸四辺形」という）であることを特徴とする。

本発明は、少なくともレツグ部編地を実質的に力バリング弾性糸のみで構成したゾツキストッキングにおいて、そのカバリング弾性糸のカバリング用糸に、前記した特定の凸四辺形の横断面形状を有するポリァミド長繊維が用いられてなるので、従来のゾツキストッキングでは得られなかった優れた特性、例えば、極めて良好な透明感、 ¾感、清涼感、生地外観、ソフト感、滑り感、フイツ卜性等を有し、優れた着用快適性及び高ファッション性を具備することができるのである _c 即ち、本発明によると、カバリング弾性糸の均整性や透明性が向上し、ストツキング編地の透明感、 K感、触感、生地外観等が向上する。しかも、カバリング時に芯の弾性糸との密着性、被 S性が向上し、従来の丸断面糸を用いた場合に生じ易いカバリング用糸の浮きが減少し、生地外観、肌触り感が向上するし、さらに、芯の弾性糸の露出が少なくなつて耐久性が向上する。

さらに、レツグ部の摩擦係数及びそのばらつきを、従来のゾツキストッキングでは得られなかった低水準とすることができ、この結果、着用時の滑り感に優れ、着用時のざらつき感が小さく肌触りが優れたストッキングが得られる。

また、実質的にカバリング弾性糸のみで編成されるので、高いフィット力が容易に得られ、 6 0 %回復応力が 1 8 0〜 3 5 0 gという好適な範囲とすることが容易となる。このような高いパワーレベルとすると、従来のゾツキストッキングの場合、生地の収縮により生地外観は悪化するが、本発明では前記した特定の凸四辺断面のポリアミド長維維をカバリング用糸に用いているために、被現性が均一で芯の弾性糸の露出が少なく編地の不均一な収縮が抑制され、生地外観悪化を防止することができ、さらに、編成ないし仕上げ工程における工程通過性が改善できる。

図面の簡単な説明図 1は、カバリング弾性糸のカバリング用糸を構成する凸四辺断面ポリアミド長織維の繊維断面形状の典型例を模式的に示す繊維横断面図である。なお、図 1 における符号は次のことを表す。

1 ：凸四辺の維維横断面形状、 2 ：その外接円、 3 ：その内接四角形、

4、 4 ' ：突出部、 5、 5 ' ：曲辺、 a ：外接円 3の中心から突出部 4までの距離、 b ：外接円 3の中心から曲辺 5の中央部までの距離、

図 2は、本発明の対象とするストッキングを例示する正面図であり、（ a ) はロングストッキングを、（ b ) はパンティス卜ッキングを例示する。

図 3は、実施例において用いた力バリング用糸の維維断面形状を示す繊維横断面図である。（ a ) は本発明の場合、（ b ) ~ ( d ) は本発明外の場合である。なお、図 3における符号は次のことを表す。

1 1 ：トウ部、 1 2 : ヒール部、 1 3 ：レツグ部、 1 4 ：ノぐンティ部、

1 5 ：伸縮性ベルト部

B月を ¾するための ¾ の

本発明の対象とするストッキングは、パンティストッキング、ロングストツキング、ショートストッキングで代表されるストッキング製品である。

図 2 ( a ) は、トウ部 1 1及びヒール部 1 2を有する口ングストッキングを例示するものであり、レツグ部 1 3は、ヒール部 1 2のすぐ上の足首に相当する部分から上方の部分である。そのレツグ部 1 3の上端には、通常、伸縮性ベルト部 1 5が設けられている。

図 2 ( b ) は、ハ°ンティストッキングを例示するものであり、トウ部 1 1、レッグ部 1 3、パンティ部 1 4及び伸縮性ベルト部 1 5から構成され、パンティ部 1 4及び伸縮性ベルト部 1 5において左右の部分が縫合されている。

本発明のストツキングは、このようなストッキングの少なくともレツグ部の編地をカバリング弾性糸のみで編成することが必要であり、これにより、横段斑の問題を解消することができる。なお、このレツグ部編地には、他素材からなる編込み模様やワンポイントのような装飾が施されていてもよい。また、レツグ部以外の部分（例えばパンティ部）もレツグ部と同じカバリング弾性糸でもって編成してもよい。これに対し、力バリング弾性糸とナイ口ン生糸とを交互に編成した交編ストッキングの場合、本発明で特定した力バリング弾性糸を用いることにより飽感改善効果は得られるが、他の特性の改善効果が小さく、良好なフィット性、風合、触感、さらには横段斑が全くなく肌触りが良好であるという本発明の目的とするストッキングを得ることはできない。

力バリング弾性糸は、弾性維維糸の周囲に力バリング用糸を一重に巻付けてなるシングル力バリング弾性糸（ S C Y ) であってもよいし、また、弾性維維糸の周囲に力バリング用糸を卷付け方向を異ならせて二重に卷付けてなるダブルカバリング弾性糸（D C Y ) であってもよいが、特にシングルカバリング弾性糸であることが、ストツキングの透明感向上及び生地厚さやむれ感の改善の点から好ましい。

本発明で用いるカバリング弾性糸は、そのカバリング用糸が、繊維横断面形状が 4個の突出部を有し実質的に凹部を有さない四辺形であって、前記突出部を頂点とする内接四角形の各辺より外側に実質的に凸状に張り出した 4曲辺から構成される凸四辺形であるポリァミド長維維から構成されることが重要である。

このポリアミド長維維は、ナイ口ン 6繊維、ナイロン 6 6繊維、ナイロン 4 6 織維等の通常のポリアミド繊維であればよいが、なかでも、透明感ゃ光沢感が特に優れるナイ口ン 6繊維が、繊維自体の透明性や光沢感が特に重要となるゾツキス卜ッキングの力バリング用糸として好ましい。

そのポリアミドは、実質的に、ナイロン 6、ナイロン 6 6、ナイロン 4 6等のポリマ単位のいずれか 1種類のみからなるポリアミドであることが好ましいが、その機械的特性や透明性等を阻害しない程度の少量、例えば 3モル％以下程度であれば、他のポリマ単位が共重合されていてもよい。また同様にその機械的特性や透明性等を阻害しない程度の少量、例えば 3重量％以下程度であれば、他のポリマがプレンドされていてもよい。

また、そのカバリング用糸の強伸度特性、ゾツキストッキングの耐久性を所望の水準とするためには、 9 8 %硫酸相対粘度が 2 . 5 - 3 . 5の重合度とすることが好ましく、特に 2 . 6〜 3 . 3が好ましい。

そのポリアミドは、その透明性を損わない添加剤であれば、必要に応じて光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染色性向上剤等が添加されていてもよいが、.酸化チタンで代表される雜消し剤や顔料の類は実質的に含有されないことが、ゾツキストッキングの透明感、触感、色彩鲜明性、耐久性等をより一層向上させるために好ましい。

酸化チタンは 86消し剤として靴下用ポリァミド繊維に一般に配合されているものであり、特に、 3葉（Y字形）断面や 5葉断面のような非円形断面繊維の場合は繊維表面でのきらつき感が大きいのでそのきらつき感を抑えるために酸化チタンの配合は必須と考えられてきた。し力、し、本発明でいう凸四辺断面繊維をカバ

o C =

リング用糸に用いる場合には、酸化チタンを含有させなくてもきらつき感の問題

N

は生じず、むしろ酸化チタンが実質的に含有されない方がストッキングの透明感、色彩觯明性、強度等を向上させるために有効であり、酸化チタンを実質的に含有させないことが好ましい。

さらに、この力バリング用糸としてのポリァミド繊維は、ポリアミドに対して 0. 0 1〜 1. 0重量 96の下記一般式（A) または（B) で表される酸アミド化合物を含有することが、ストッキングの透明感、色彩鲜明性、耐久性、ソフト風合等をさらに向上させ、編地面の凹凸に起因するざらつき感の減少ゃソフト風合の更なる向上を図るために好ましい。

R > 0 R

II

N - C - ( C H₂) ( A)

/

R R

0 R₂ Rs O

II I I II (B)

R,— C一 N— ( C H ₂) „- N - C - R. ただし、 R ,, R<は炭素原子数 1 0〜 2 0のアルキル基、 R₂, R,は水素原子, メチル基またはェチル基、 nは 1〜 1 0の整数を示す。

この酸アミド化合物は、ジカルボン酸とアルキルモノアミンとの反応により、あるいはモノカルボン酸とアルキレンジアミンとの反応により調整することができる化合物であり、エチレンビスステアリルアミドで代表される。

その反応で使用されるジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸があり、炭素数 2〜 1 2のジカルボン酸が含まれる。アルキルモノアミンとしてはォクタデシルァミン、メチルォクタデシルァミン、ェチルォクタデシルアミンなどのように、炭素数 1 0 ~ 2 0のアルキル基を有する一級ァミンおよびそれらがさらにメチル基、ェチル基で置換された二級ァミンが含まれる。

また、使用されるモノカルボン酸としてはラウリン酸、ノ"?ルミチン酸、ステアリン酸のように、炭素数 1 2〜 2 2のアルキルモノカルボン酸が含まれる。アルキレンジァミンとしては、メチレンジァミン、エチレンジァミン、プロピレンジァミン、プチレンジァミンがあり、炭素数 1〜 1 0のアルキレンジアミンが含まれる。

本発明で用いる力バリング弾性糸において力バリング用糸をなすポリァミド長繊維は、 4個の突出部を有し実質的に凹部を有さない四辺形であって、前記突出部を頂点とする内接四角形の各辺より外側に実質的に凸状に張り出した 4曲辺から搆成されるという凸四辺形の織維横断面を有する。

また、この凸四辺形は、 4曲辺から構成される四辺形であって、この 4曲辺がその四辺形の中心からみて外側に実質的に凸状に張り出してなり、かつ実質的に凹部を有しない形状と表わすこともできる。

本発明でいう凸四辺形を図示すれば、図 1、図 3 ( a ) の形状で代表される。図 1は、本発明でいう凸四辺形の典型例を模式的に示す図である。図 3は、実施例におけるカバリング用糸の単繊維の横断面図であり、（ a ) は本発明の場合、それ以外は本発明外の場合である。

図 1において、 1は繊維横断面形状、 2 (—点鎖線）はその外接円、 3 (破線）はその内接四角形を示す。この繊維横断面形状 1は、 4個の突出部 4、 4 ' を有しており、隣接する突出部 4と 4 ' を結ぶ曲辺 5、 5 ' は、突出部 4、 4 ' を頂点とする内接四角形 3の各辺より外側に実質的に凸状に張り出している。この曲辺 5、 5 ' は常に内接四角形 3の辺より外側に実質的に凸の状態になつていて、その曲辺 5、 5 ' の途中においても凹状の部分は実質的に存在しない。即ち、繊維横断面形状 1の外郭は内接四角形 3と外接円 2との中間に存在し、どの部分も外に実質的に凸の状態である。

これに対し、曲辺 5 , 5 ' が外接円 2よりも外側に突出していたり、また内接四角形 3よりも内側に入り込んでいたりすると、内接四角形 3の角部分（突出部 4、 4 ' に相当する部分）や、曲辺 5、 5 ' の途中部分において凹状の部分が生じるので本発明でいう凸四辺形とはなり難い。

前記のような外に凸の状態とするには、外接円が真円、内接四角形が正方形である図 1の場合、外接円 3の中心から突出部 4までの距離 aに対する、外接円 3 の中心から曲辺 5の中央部までの距離 bの値（b Z a ) を、 0 . 8 0 ~ 0 · 9 6 とすることが好ましい。

なお、本発明における維維横断面形状とは実質的に凹部を有さないものであればよく、繊維製造、加工工程、あるいはストッキング製造過程等において生じる可能性のある微小な凹みを、本発明の所期の目的が達成される程度ならば、維維横断面形状が有していてもよい。

本発明で特定した凸四辺形は、図 1の形状の他、本発明で特定した形状条件を截足すれば外接円が略惰円形、内接四角形が長方形や平行四辺形のような四角形である場合でもよいが、透明感、滑り感、 ¾感等の効果をより顕著にするためには、その内接四角形は相対する 2辺が 2組とも実質的に平行であることが好ましく、特に、正方形、長方形あるいはそれに近似する形が好ましい。

また、相対する曲辺 5、 5 ' の中央を結ぶ線分 Β 1、 Β 2は、 1 2く Β 1 Ζ Β 2く 2 / 1であることが好ましく、さらに 1 1 . 5≤ Β 1 / Β 2≤ 1 . 5 / 1であることが好ましい。

繊維横断面が上記した凸四辺形である繊維は、透明感、光沢感、滑り感等が、丸断面織維よりも優れる。し力、し、従来の四葉形や三葉形のように凹部のある異形断面の繊維ではこの効果は得られない。

そして、カバリング用糸にこの凸四辺断面繊維を用いることにより、ゾッキストツキングは透明感、 ¾感、清涼感、生地外観等が向上する。この凸四辺形断面識維で力バリングすると、力バリング時の単織維の配列が芯糸の周りで 1段配列となり易く、その維維が凹部を有しない断面であることと相まって、特に透明感, 艷感、触感等の向上効果が大きく、従来のゾツキストッキングに比べて格段に優れた透明感、 K感、触感等を、ストッキングに要求される耐久性ゃフィット性等の他の特性を悪化させることなく得ることができる。

これに対し、従来の四葉形や三葉形のように凹部のある異形断面の繊維をカバリング用糸に用いてなる場合は、維維横断面の凹部の存在によりストッキングの透明感が悪化し、反射によるきらつきやざらつきが発生して艷感が悪化し、さらに、ソフト感が悪化するので、本発明の所期の目的が達成できない。また、三葉形や五葉形のような横断面形状では丸断面繊維と同様に力バリング時の単繊維の配列が芯糸の周りで 2段配列などの多段配列となり易く、しかも力バリング弾性糸の表面における凹凸が大きくなるので本発明の所期の目的が達成できない。本発明で特定した凸四辺断面のポリアミド蛾維は、紡糸口金の吐出孔形状や使用ポリマの重合度等の制御により所望の断面形状を得るという通常の方法によつて得ることができる。例えば、十字形スリッ卜の紡糸口金からポリアミドを溶融紡糸し、その際のポリマ重合度（相対粘度）ゃスリッ卜寸法を制御することによつて得ることができ、一般的にはスリット足長 Zスリッ卜幅の比は 1以下がよい。また、本発明で特定した凸四辺断面のポリァミド織維は、密度が 1 . 1 2 9〜 1 . 1 3 2 g / c m ^s 、初期引張抵抗度が 2 8 . 0〜 4 0 . O g Z d、沸腾水収縮率が 1 2〜 1 5 %、及び、強度 6 . 0 d以上を有すること、さらには、伸度 4 5 %以下を有することが、透明感、ソフト感、生地外観、耐久性等をさらに向上させるために好ましい。

低速紡糸された未延伸糸や高速紡糸された未延伸糸（所謂 P O Y ) のように、初期引張抵抗度が 2 8 . 0 d未満という場合は、ゾツキストッキングの編地における編目の形態がルーズとなり生地外観が悪化する傾向にあり好ましくない。逆に、低速紡糸された未延伸糸を高倍率延伸してなる延伸糸のように、初期引張抵抗度が 4 0 . 0 dを越える場合は、ゾツキストッキングの編地における透明感ゃソフト性等の点から好ましくない。

また、低速紡糸された未延伸糸を高倍率延伸してなる延伸糸のように、沸騰水収縮率が 1 5 %超と高過ぎると、染色等の熱処理工程における収縮が大き過ぎるので卷付けられたポリァミド糸による強い締め付けによって力バリング用弾性糸自体が剛直となり易く生地のソフト性がさらに損なわれ、生地の編目形成において目荒れ、目すじ等の欠点が顕在化し易いので好ましくない。

上記した初期引張抵抗度、強度、伸度の各値は、 2 0て、 6 5 %RHの雰囲気中で自由収縮状態で放置した繊維試料を、テンシロン引張り試験機により、初荷重 1 3 0 g / d、試料長 5 0 c m、引張速度 5 0 c 分の条件で測定した伸長—荷重曲線（ S— Sカーブ）を描くことによって求められる値である。そして、初期引張抵抗度は、その S - Sカーブの立上り部分で最も高い勾配の接線を引き、その伸度 1 0 %時の応力值を、 1 0 0 1 0倍することによつた求められる值である。

上記した物性値を有する凸四辺断面のポリアミド繳維は、溶融紡糸した糸条を冷却した後に引取り、引き続いて 3. 0倍以下で延伸し、 1 5 0て以上で熱処理した後、 3 5 0 0 mZ分以上で卷取る高速直接紡糸延伸方法により製造できる。上記の高速直接紡糸延伸方法により得られるポリアミド繊維は、織維構造的には密度が 1. 1 2 90〜 1. 1 3 2 0 gZc m' で表わすことができ、これら物性值を有する凸四辺断面ポリアミド繊維は、低速紡糸法、延伸を行わない高速紡糸法、低速紡糸一高倍率延伸法のような他の製糸方法では得ることが困難である < 本発明で用いる力バリング用糸の糸条繊度は、シングル力バリングに用いる場合には 5〜 1 2デニール、特に 5 ~ 1 0デニールであることが、ダブルカバリングに用いる場合には 5~ 1 0デニールであることが、透明感をさらに向上させ、優れた耐久性や着用感を得るために好ましい。糸条繊度が細過ぎる場合は実用上の耐久性が不十分となり易く、逆に太過ぎる場合は透明慼が不十分となり易く風合が粗硬となり易く、好ましくない。

また、フイラメント数が 2〜 7のマルチフィラメント糸であること力、透明感、着用感、耐久性を一層高めるために好ましい。これに対し、フィラメント数 1では、風合が粗硬となり易く耐久性が不十分となり易く、逆に 8以上では透明感、耐久性が不十分となり易く、好ましくない。

また、そのカバリング弾性糸の芯糸をなす弾性糸としては、ポリウレタン系弾性繊維、ポリアミド系エラス卜マ弾性繊維、ポリエステル系エラストマ弾性繊維- 天然ゴム系繊維、合成ゴム系繊維、ブタジエン系繊維等が用いられるが、ストツキング用としてその弾性特性、熱特性、耐久性等から好ましいのは、ポリウレタン系弾性繊維及びポリアミド系エラストマ弾性繊維である。また、ポリウレタン弹性体は、乾式紡糸、溶融紡糸、湿式紡糸のいずれの製法により得られた物でも良い。

その弾性維維の太さは、ストッキングの用途、締め付け圧の設定により異なるが、一般に 8〜 7 0デニール程度であればよい。好ましいのは 1 0〜 4 0デニールである。 8デニール未満では、糸強力が不足するので々バリング時及び編立て時に芯糸切れ等のトラブルを生じ易く、ストッキングとしての伸縮性、耐久性が不十分となり易いので好ましくない。逆に、 7 0デニールを越えると締付け力が強くなり過ぎて圧迫感が強くなり、透明感の低下や粗硬感の増加となり易く好ましくない。

本発明で用いるカバリング弾性糸は、特定の凸四辺形断面を有するポリアミド長織維の複数本からなる力バリング用糸を、弾性繊維の周囲に通常の方法で一重又は二重に卷付けることによって製造できる。

弾性繊維からなる芯糸の周りにポリアミド長繊維糸を卷付ける力バリング撚数は、その卷付けが一重か二重か等の条件によって異なるが、シングルカバリングの力バリング撚数は 2 2 0 0 ~ 2 8 0 0 t Z mであることが、ストッキングの肌触り、耐久性、生地外観等をより向上させるために好ましい。 2 2 0 0 t / m未満（従来のシングル力バリング弾性糸の場合と同じ水準）でも良好なストツキングを得ることが出来るが、生地外観の点から、また、カバリング用糸の細繊度化した場合の耐久性の点から、 2 2 0 0 t Z m以上が好ましい。逆に、 2 8 0 0 t を越える場合は、肌触り、透明感、耐久性は良いもののカバリング撚りによるトルクや、力バリング弾性糸自体の堅さ等の点から生地外観や耐久性が損われ易くなるので好ましくない。肌触り、耐久性、透明感、生地外観等のを全てにおいて良好なゾッキストッキングとするためには、シングル力バリング弾性糸の力バリング撚数は、さらに 2 3 0 0〜 2 7 0 0 t であることが好ましい。

また、ダブルカバリングの場合は、下卷付けのカバリング撚数を 2 2 0 0 ~ 2 8 0 0 t / mとすることが上記と同様の観点から好ましい。

本発明において力バリング弾性糸のみからなるレツグ部編地は、 2口あるいは

4口給糸の編機を用い、力バリング弾性糸のみを供給して編成するという通常の方法で編成すればよい。シングルカバリング弾性糸の場合は、 S方向カバリングのシングル力バリング弾性糸と Z方向力バリングのシングル力バリング弾性糸とを交互に編む方法が好適である。このようにしてレッグ部編地を編成してストッキング製品とすればよい。

このようなゾッキストッキングの場合、ストッキングのパワーレベルは一般に高くなり過ぎる傾向にあるので、 6 0 %伸長回復応力（ 6 0 % B P ) を 1 8 0〜 3 5 0 gの水準とすることが好ましく、さらに 2 0 0 ~ 3 0 0 gの範囲とすることが好ましい。

この 6 0 % B Pは、着用時フィット性の指標となる値であり、その値が低過ぎる場合は皴、弛みが発生し易く好ましくない。逆に高過ぎる場合は、締付け圧が高くなり過ぎ、窮屈感、むれ感が強過ぎるし、また、編地収縮が大き過ぎて均一外観が損われ易いので、好ましくない。

6 0 % B Pを上記水準とするためには、芯の弾性糸の弾性回復特性を適正化することが特に有効であり、またカバリング弾性糸の糸構成、編成、染色、仕上げ加工の条件等の制御によってもよい。例えば、芯の弾性糸の弾性ポリマの種類 (エーテル系ポリウレタン、エステル系ポリウレタン等）、その紡糸方法（溶融紡糸方法、乾式紡糸方法や湿式紡糸方法等）、その糸条織度、ストッキングの編設計（針数、度目等）、その熱セット条件（仕上げ型板サイズ、温度等）の調整によって制御できる。

ここで、 6 0 %伸長回復応力（ 6 0 % B P ) は、次の方法で求められる。ス卜ッキング試料の一端に 2 k gの荷重を掛けて伸長した時の試料長を L 1 とする。次に、定伸長型引張り試験機 T O M - 1 0 0 E型（新興通信工業（株）製）を用い、このストッキング試料を 2つ折りにして引張り試験機にかけ、 L 1 Z 2の 7

5 %まで伸長後回復させた応力歪みのヒステリシス曲線を描かせる。このヒステリシス曲線の回復曲線から、 L 1 Z 2の 6 0 %伸長の長さに回復した時の応力値を 6 0 96 B P ( g ) とする。以下におけるストッキング製品のレッグ部の評価は次の方法によった。透明度

ストッキング製品を人体足型に履かせ、その大腿部に履かれた状態のレッグ部編地をサンプリングし、カラースタンダード白板（L値 8 8. 2 9 ) 上に静置した時の編地の L値（L w) 、および力ラースタンダード黒板（ L値 7. 7 4 ) 上に静置する。その静置時の編地の L値（L b ) を、色差計∑ 8 0 (日本電色工業

(株）製）により測定する。そして、それら L値から、次の算式により、透明度を求める。この値が高い程、透明感は優れている。

透明度 = ( L w— L b ) / (W - B )

(ここで、 Wはカラースタンダード白板の L値、 Bはカラースタンダード黒板の L値である。）

触感性

ストッキング製品を人体足型に履かせ、検査者（ 5人）の触慼によって風合いのソフト感、清涼感、滑り感を相対評価したものであり、その結果は、 ◎ ：極めて良好、〇：良好、 △ ：やや不良、 X ：不良、の基準でもって示す。

耐久性

J I S P — 8 1 3 1 ミユーレン高圧試験機による破裂強さ試験方法により破裂強度を測定し、その破裂強度の水準により、次の基準で表示した。 © : 1. 2 k g /cm^z 以上、〇： 1. O k g Zcn^ 以上 1. 2 k g /cm² 未満、 △ ： 0. 9 k g cm² 以上 1. O k g Zcra² 未満、 x ： 0. 9 k g /cm² 未満。

½感、生地外観

検査者（ 5人）の肉眼によって相対評価したものであり、その結果は、上記の触感性と同様の基準でもって示す。

フィット性

被験者が 1 日 8時間の着用を 3日間繰り返す着用試験によって評価したものであり、その結果は、上記の触感性と同様の基準でもって示す。

摩擦特性

K E S摩擦特性を編地の経方向に測定し、その摩擦係数（M 1 U ) 及び摩擦係数変動（MMD) により表す。

着用快適性（真夏時）

真夏の環境条件での着用快適性を評価するため、 3 0て、 6 5 %RHの室内で、ストッキングを着用した被験者 4人が踏み台昇降を 2 0分間行い、その際のむれ感から着用快適性を被験者が評価したものであり、その結果は、上記の触感性と同様の基準でもって示す。

実施例 1

9 8 %硫酸相対粘度が 2. 7で酸化チタンを含まないナイロン 6を 2 7 0てで溶融し、スリット幅 0. 1 mm、スリット足長が 0. 0 7 mmである十字形の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油し、 8 0 0 mZ分で未延伸糸としてそれぞれ巻取った。引続き、伸度が 4 0〜 4 5 %になるように延伸して、維維横断面形状が図 3 ( a ) である 1 0デニール 5フィラメントのナイロン 6糸条を得た（ No. 1 ) 。

また、スリット足長が 0. 2 mmである十字形の吐出孔を用いる以外は上記 No. 1 と同様に溶融紡糸し延伸して図 3 ( b ) である 1 0デニール 5フィラメントのナイロン 6糸条を得た（ No. 2 ) 。

比較として、 Y字形の吐出孔または円形の吐出孔を用いた以外は、上記 No. 1 と同様に溶融紡糸し延伸して図 3 ( c ) の三葉断面又は丸断面の 1 0デニール 5 フイラメントのナイロン 6糸条を得た（ No. 3、 4 ) 。

さらに、酸化チタンを 0. 3 5重量％含む以外は、上記 No. 1 と同様に溶融紡糸し延伸して凸四辺断面の 1 0デニール 5フィラメントのナイロン 6糸条を得た ( No. 5 ) 。

No. 1、 2のナイロン 6糸条における断面形状係数（bZa ) は、それぞれ 0. 9 1、 0. 6 2であった。

また、 No. 3のナイロン 6糸条（三葉断面）における断面変形度は 1. 6であつた。なお、ここでいう断面変形度とは外接円半径を内接円半径で除した値であも。

これらのナイロン 6糸条（撚数 1 2 t / m) をそれぞれカバリング用糸に用い、 2 0デニールのポリエーテル系ポリウレタン弾性繊維（スパンデックス）を芯糸とし、芯糸のドラフト 3 . 1倍、力バリング撚数 2 3 0 0 t / mで S方向又は Z 方向にシングル力バリングして、 S方向シングル力バリング弾性糸と Z方向シングルカバリング弾性糸とをそれぞれ製造した。

得られたシングル力バリング弾性糸を用い、永田精機（株）製のスーパー 4編機（針数 4 0 0本）で、 S方向シングル力バリング弾性糸と Z方向シングルカバリング弾性糸とを交互に編機の給糸口に供給し、レッグ部編地が力バリング弾性糸のみで編成されたパンティストッキングとし、通常の方法にて染色、仕上げ及び型板セッ卜してパンテイス卜ッキング製品とした。

得られたパンティストッキング製品のレッグ部について評価した結果は表 1のとおりであった。

表 1に示す結果からわかるように、本発明に係るパンティストッキング（ No. 1 、 5 ) は、ソフト感、清涼感、滑り感、懿感及び耐久性のいずれの特性も優れていた。なお、酸化チタンを含有しない No. 1のものは、特に透明感にも優れ、最も優れたものであった。

これに対し、凹部を有する四葉断面（凹四辺形）のもの（ No. 2 ) 、三葉断面のもの（ No. 3 ) 、丸断面のもの（ No. 4 ) は、触感性、懿感が劣っていた。特に丸断面のものは清涼感に劣りむれ感を感じる結果となつた。

実施例 2

9 8 %硫酸相対粘度が 2 . 8で酸化チタンを含まないナイロン 6を 2 7 0てで溶融し、スリット幅 0 . 1 m m、スリット足長が 0 . 0 7 m mである十字形の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油し、 2 1 0 0 m Z分で第 1ゴデットローラに引取り、引続き、伸度が 4 0 〜 4 5 %になるように 1 . 8倍で延伸した後、 1 6 0ての第 2ゴデットローラで熱処理した後、 4 0 0 0 m Z分で卷取り、繊維横断面形状が図 3 ( a ) である 7デニール 5 フィラメントのナイロン 6糸条を得た（ No. 6 ) 。

比較として、 Y字形の吐出孔または円形の吐出孔を用いた以外は、上記 No. 1 と同様に溶融紡糸し延伸して図 3 ( c ) の三葉断面又は丸断面の 7デニール 5フイラメントのナイ口ン 6糸条を得た（ No, 7、 8 ) 。

さらに、酸化チタンを 0 . 3 5重量％含む以外は、前記 No. 1 と同様に溶融紡糸し延伸して凸四辺断面の 7デニール 5フィラメントのナイロン 6糸条を得た ( No. 9 ) 。

No. 6のナイロン 6糸条における断面形状係数（ b / a ) は、それぞれ 0 . 9 3であった。また、 No. 8のナイロン 6糸条（三葉断面）における断面変形度は 1 . 8であった。なお、ここでいう断面変形度とは外接円半径を内接円半径で除した値である。

これらのナイロン 6糸条（撚数 1 2 t / ) をそれぞれカバリング用糸に用い， 2 0デニールのポリエーテル系ポリウレタン弾性維維（スパンデックス）を芯糸とし、芯糸のドラフト 3 . 1倍、力バリング撚数 2 3 0 0 1 0で8方向又は2 方向にシングル力バリングして、 S方向シングル力バリング弾性糸と Z方向シングルカバリング弾性糸とをそれぞれ製造した。

得られたシングル力バリング弾性糸を用い、永田精機（株）製のスーパー 4編機（針数 4 4 0本）で、 S方向シングル力バリング弾性糸と Z方向シングルカバリング弾性糸とを交互に編機の給糸口に供給し、レツグ部編地か力バリング弾性糸のみで編成されたパンティストッキングとし、通常の方法にて染色、仕上げ及び型板セットしてパンティストッキング製品とした。

得られたパンティス卜ッキング製品のレッグ部について評価した結果は表 2のとおりであった。

表 2に示す結果からわかるように、本発明のパンティストッキング（ No. 6、 9 ) は、ソフト感、清涼感、滑り感、 K慼及び耐久性のいずれの特性も使れていた。特に、酸化チタンを含有しない No. 6のものは、特に透明感等にも優れ、最も優れたものであつた。

これに対し、三葉断面の場合 ( No. 7 ) 、丸断面の場合（ No. 8 ) は、触感性, K感が劣っていた。特に丸断面の場合は清涼感に劣りむれ感を感じる結果となつた。

実施例 3

実施例 1で得られた No. 1のナイロン 6糸条、及び、実施例 2で得られた No. 6、 7、 8のナイロン 6糸条をカバリング用糸条とした。

また、実施例 2と同様に、溶融紡糸し、冷却、給油した後、延伸も熱処理もすることなく 4 5 0 0 mZ分で卷取り、繊維横断面形状が図 3 ( a ) で伸度 6 2 % の 7デニール 5フィラメントのナイロン 6糸条を得た（ No. 1 0 ) 。このナイ口ン 6糸条における断面形状係数（b Z a ) は 0. 9 2であった。

さらに、同様に高速紡糸して卷取り、丸断面で伸度 6 5 %の 7デニール 5フィラメントのナイロン 6糸条を得た（ No. 1 1 ) 。

これら No. 1、 6、 7、 8、 1 0及び 1 1のナイロン 6糸条をそれぞれ力バリング用糸に用い、 2 0デニールのポリエステル系ポリウレタン弾性維維（スパンデックス）を芯糸とし、芯糸のドラフト 2. 9倍、力バリング撚数 2 3 0 0 t / mで S方向又は Ζ方向にシングル力バリングして、 S方向シングル力バリング弾性糸と Ζ方向シングル力バリング弾性糸とをそれぞれ製造した。

得られたシングルカバリング弾性糸を用い、実施例 1、 2と同様にパンテイストッキング製品を製造し、そのレツグ部について評価した結果は表 3のとおりであつた。

表 3に示す結果からわかるように、請求項 5、 6に係る No. 6のものは、透明感、生地外観、ソフト感、耐久性の全てにわたって特に優れていた。

実施例 4

実施例 1の No. 1のナイロン 6糸を力バリング用糸に用い、 1 5デニールのポリエーテル系ポリウレタン弾性維維（スパンデックス）を芯糸とし、芯糸のドラフト 2. 9倍、力バリング撚数 1 9 0 0、 2 3 0 0、 2 6 0 0、 2 9 0 0 t / でシングルカバリングして、シングルカバリング弾性糸を製造した（ No. 1 2 ~ 1 5 ) ₀

また、酸化チタンを含有せず、エチレンビスステアリルアミド ( E B A ) を 0. 5重量％含有する 9 8 %硫酸相対粘度 2. 7のナイロン 6を用い、これを実施例 1の No. 1 と同様に溶融紡糸し延伸して凸四辺形断面の 1 0デニール 5フィラメントのナイロン 6糸条を得た。このナイロン 6糸条をカバリング用糸とし、カバリング撚数 2 6 0 0として、上記同様に力バリングしてシングルカバリング弾性糸を製造した。（ No. 1 6 )

得られたシングル力バリング弾性糸をそれぞれ実施例 1 と同様にしてパンティストッキング製品として評価した。その結果は表 4のとおりであった。表 4に示す結果からわかるように、得られたパンティストッキングはいずれも、透明度、ソフト感、清涼感、滑り感、生地外観のいずれにも優れていた。なかでも、カノ、'リング撚数を 2 3 0 0、 2 6 0 0 t /mとしたもの（ Νο· 1 3、 1 4、 1 6 ) は、ソフト感、清涼感、滑り感、生地外観か極めて良好であった。これら特性は、摩擦係数及び摩擦係数変動がともに小さく、滑りが良くなめらかな風合であることでも示されていた。

また、本発明で特定した酸アミド化合物を含有する維維を用いたもの（ No. 1 6 ) は特に透明慼等に優れていた。

実施例 5

実施例 1の No. 1のナイロン 6糸条をカバリング用糸に用い、 1 0、 1 5、 2 0、 3 0デニールのポリエーテル系ポリウレタン弾性繊維（スパンデックス）を芯糸とし、芯糸のドラフトをそれぞれ 3. 0、 2. 8、 2. 8、 2. 6倍に設定し、力バリング撚数を 2 5 0 0 t としてカバリングし、それぞれのシングル力バリング弾性糸を製造した（ No. 1 7~ 2 0 ) 。

得られたシングル力バリング弾性糸をそれぞれ実施例 1 と同様にしてパンティストッキング製品を製造して評価した。その結果は表 5のとおりであった。

表 5に示す結果からわかるように、いずれのパンテイストツキングも優れた特性を有していた。その中でも、ストッキングの 6 0 %回復応力（ B P ) 力、 1 8 0 ~ 3 5 0 gの範囲内のもの（ No. 1 7 ~ 1 9 ) は、真夏の環境条件下における着用快適性が特に優れていた。

実施例 6

実施例 2の No. 1のナイロン 6糸条をカバリング用糸に用い、 1 5デニールのポリエーテル系ポリウレタン弾性繊維（スパンデックス）を芯糸とし、芯糸のドラフトをそれぞれ 3. 0倍に設定し、下巻付けを力バリング撚数 2 0 0 0 t /m の S方向カバリングとし、上巻付けを力バリング撚数 2 3 0 0 t Zmの Z方向力バリングとしてダブルカバリングし、ダブルカバリング弾性糸を製造した（ No. 2 1 )

得られたダブル力バリング弾性糸を用い、永田精機（株）製のスーパー 4編機 (針数 4 0 0本）で、レツグ部編地がカバリング弾性糸のみで編成されたパンテイストツキングとし、実施例 1 と同様にしてパンティストッキング製品を製造して評価した。その結果は下記のとおりであり、優れた特性を有するストッキングであった。

産業上の利用可能性

本発明によれば、従来のゾッキストッキングでは得られなかった極めて良好な透明感、清涼感、 K感、生地外観を有し、さらに肌触り、ソフト風合、着用快適性、フイツト性、耐久性にも優れたストッキングを提供することができる。

従って、着用時のフィット性、ファッション性、快適性及び耐久性等に優れたストッキング製品を提供できる。

表力バリング弾性糸の巻付け糸ストッキングのレッグ部編地の特性

No. 酸化チタン ΠΠ 触感性

透明度

繊維横断面形伏の含有量ソフ卜耐久性清涼感滑り感

(ft X) (%) 感

1 凸四辺形図 3(a) 0 70 ◎〜〇 ◎ ◎ ◎ ◎〜〇

2 (比校例) 凹四辺形図 3 (b) 0 63 Δ 〇〇〜△ 〇 O

3 (比铰例) 三葉形図 3 (c) 0 57 Δ 〇 X Δ 〇

4 (比校例) 丸図 3(d) 0 62 Δ X 〇〜△ Δ 〇

5 凸四辺形図 3 (a) 0. 35 60 〇 ◎〜〇〇〇〇

2 力バリング弾性糸の巻付け糸ストッキングのレッグ部編地の特性

No. 酸化チタン触感性

透明度 til. 繊維横断面形状の含有量ソフ卜艷愍耐久性清涼感滑り感

(wt X) (%) 感

6 凸四辺形図 3 (a) 0 73 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

7 (比絞例) 三葉形図 3 (c) 0 60 厶〇 X Δ 〇

8 (比校例) 丸図 3 (d) 0 65 Δ X 〇〜△ 厶〇

9 凸四辺形図 3 (a) 0. 35 62 〇 ◎〜〇 ◎〜〇〇〇

表 3

表 4 カバリング弾性力バリング用糸ストッキングのレツグ部編地の特性

N₀ 糸、 1こお 1 け，メる E B Aの触感性摩擦特性

透明度生地力バリング撚数含有量ソフト

清 J»感滑り感 M I U MMD 外観 (t/m) (wt X) (%) 感

12 1900 0 69 〇〇〇 0. 21 0. 09 O

1 3 2300 0 71 ◎ ◎ ◎ 0. 17 0. 06 ◎

1 5 2900 0 70 ◎ 〇 ◎ 0. 15 0. 07 〇〜△

16 2600 0. 50 75 ◎ ◎ ◎ 0. 15 0. 06 ◎

表 5 芯糸のストッキングのレツグ部編地の特性芯糸の

No. 卜フフ回復応力真夏時フイツ

繊度ト率 60XBP 滑り感着用ト性

(d) (倍） (g) 快適性

17 10 3. 0 180 〇〇 ◎

1 8 15 2. 8 270 ◎ ◎ ◎

1 9 20 2. 8 310 ◎ ◎ ◎

20 30 2. 6 390 ◎ 〇〜△

Claims

請求の範囲

1. 少なくともレツグ部編地が、実質的に、弾性繊維からなる芯糸の周囲にポリァミド長繊維が巻付けられてなる力バリング弾性糸のみで編成されてなるス卜ッキングにおいて、前記ポリアミド長繊維の維維横断面形状が、 4個の突出部を有し実質的に凹部を有さない四辺形であって、前記突出部を頂点とする内接四角形の各辺より外側に実質的に凸状に張り出した 4曲辺から構成される凸四辺形であることを特徵とするストツキング。

2. 請求項 1において、前記凸四辺形の相対する 2曲辺の中央を結ぶ線分 B 1、 B 2の長さの比（B 1 ZB 2 ) が、 1 2 < 8 1 82 < 2 1でぁることを特徵とするストッキング。

3. 請求項 1または 2において、前記凸四辺形の内接四角形の形状が、実質的に長方形あるいは正方形であることを特徴とするストッキング。

4. 請求項 1において、前記ポリアミド長繊維が実質的に酸化チタンを含有しなぃポリァミドからなることを特徵とするストツキング。

5. 請求項 1 において、前記ポリアミド長繊維が、密度 1. 1 2 9〜 1. 1 3 2 gZ c m^s 、初期引張抵抗度 2 8. 0〜 4 0. 0 gノ d、沸騰水収縮率 1 2 ~ 1 5 %、及び、強度 6. 0 g d以上を有することを特徵とするストッキング。

6. 請求項 1 において、前記ポリアミド長繊維が、溶融紡糸された繊維を冷却及び給油した後に引取り、続いて 3. 0倍以下で延伸し、 1 5 0 °C以上で熱処理し、 3 5 0 0 m /分以上で卷取る高速直接紡糸延伸方法により製造されるポリァミド長織維であることを特徴とするストツキング。

7. 請求項 1において、前記カバリング弾性糸が、弾性繊維からなる芯糸の周囲に力バリング用長縝維糸を一重に卷付けてなるシングル力バリング弾性糸であることを特徴とするストッキング。

8. 請求項 7において、前記カバリング用長維維糸の卷付けのカバリング撚数が 2 2 0 0〜 2 8 0 0 t mであることを特徴とするストツキング。

9. 請求項 7において、前記カバリング用糸が、糸条維度 5〜 1 2デニール、フイラメント数 2〜 7であることを特徵とするストッキング。

1 0. 請求項 1において、前記カバリング弾性糸が、弾性繊維からなる芯糸の周囲に力バリング用長繊維糸を二重に卷付けてなるダブル力バリング弾性糸であることを特徵とするス卜ッキング。

1 1. 請求項 1 0において、前記カバリング用長繊維糸の下卷付けのカバリング撚数が 2 2 0 0- 2 8 0 0 t Zmであることを特徴とするストツキング。

1 2. 請求項 1 0において、前記力バリング用長繊維糸が、糸条維度 5 ~ 1 0デニール、フイラメント数 2 ~ 7であることを特徴とするストツキング。

1 3. 請求項 1において、前記力バリング用長維維糸を構成するポリァミドがナィロン 6であることを特徴とするストツキング。

1 4. 請求項 1において、前記力バリング用長織維糸を成するポリ了ミドが、ポリアミドに対して 0. 0 1〜 1. 0重量％の下記一般式（A) 又は（B) で示される酸アミド化合物を含有するポリアミド組成物であることを特徵とするス卜ッキング。

R！ 0 0 R

\ II II /

N - C - (C H 一 C一 N ( A)

/ \

R R

0 R z R, 0

II I I II (Β)

R,— C一 N— ( C H ₂) „ - Ν - C - R 4 ただし、 R,, R<は炭素原子数 1 0〜 2 0のアルキル基、 R₂, R，は水素原子, メチル基またはェチル基、 nは 1 ~ 1 0の整数を示す。

1 5. 請求項 1において、ストッキングのレツグ部編地における 6 0 %伸長回復応力が 1 8 0~3 5 0 gであることを特徴とするストツキング。