JPH0874102A - ストッキング及びその製造方法 - Google Patents

ストッキング及びその製造方法

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Publication number
JPH0874102A
JPH0874102A JP20677894A JP20677894A JPH0874102A JP H0874102 A JPH0874102 A JP H0874102A JP 20677894 A JP20677894 A JP 20677894A JP 20677894 A JP20677894 A JP 20677894A JP H0874102 A JPH0874102 A JP H0874102A
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JP
Japan
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yarn
stocking
denier
covering
elastic yarn
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Application number
JP20677894A
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English (en)
Inventor
Yasushi Kobayashi
裕史 小林
Yumiko Ogawa
由美子 小川
Naoto Nagayasu
直人 永安
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シングルカバリング弾性糸のみでレッグ部
を編成してなるストッキングであり、そのシングルカバ
リング弾性糸として、乾式紡糸されたポリウレタン弾性
糸(8〜40デニール)を芯糸にしカバリングドラフト
比2.0〜2.7で、5〜15デニールのフィラメント
糸をカバリングしたシングルカバリング弾性糸を用い
る。その型セット仕上げは、熱セット温度115〜12
0℃かつ熱セット長60〜80cmで行えばよい。 【効果】 乾式紡糸ポリウレタン弾性体のシングルカ
バリング弾性糸使いのゾッキストッキングでありなが
ら、極めて良好な生地外観、フィット性および耐久性を
有し、さらに、優れた肌触り、ソフトな風合、良好な透
明感を有する。従って、着用のフィット性、外観及び快
適性がともに優れたストッキング製品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実質的にシングルカバ
リング弾性糸のみでレッグ部編地を編成してなるストッ
キングの改良に関するものであり、特にその生地外観、
フィット性、耐久性、風合及び触感の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年におけるパンティストッキングの変
革は著しく、従来のウーリーナイロン糸を用いたパンス
トから、ポリウレタン弾性糸にナイロン糸を巻付けてな
るカバリング弾性糸を用いた“サポート”パンストへと
急激にシフトして来ている。この“サポート”パンスト
は、ポリウレタン弾性糸の有する優れた伸長回復特性に
よる優れたフィット性、伸長回復性があり、しかも、ナ
イロン糸の巻付けにより耐久性にも優れている。
【0003】この“サポート”パンストの主流は、カバ
リング弾性糸とナイロン糸とを一本ずつ交互に編成して
製造された交編タイプ“サポート”(以下、交編ストッ
キングという)である。この交編ストッキングでは、カ
バリング弾性糸が非伸縮性のナイロン糸と交編されてい
るために、できるだけ強い伸長回復応力を有するカバリ
ング弾性糸を用いることが必要である。そのために、伸
長回復応力が強い乾式紡糸ポリウレタン弾性糸を芯糸と
しカバリングドラフト比3.0程度でナイロン糸をカバ
リングしてなるカバリング弾性糸が用いられている。
【0004】一方、交編ストッキングは交編によって横
段状のコース斑が生じるという問題があるので、この横
段状のコース斑を解消するとともに、より高いフィット
感やソフト感を得ることを目的にして、カバリング弾性
糸のみでレッグ部編地を編成してなるストッキング、所
謂、ゾッキ“サポート”(以下、ゾッキストッキングと
いう)が開発され使用されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このゾッキス
トッキングはカバリング弾性糸のみで編成されるので、
特にシングルカバリング弾性糸使いの場合、交編タイプ
用の従来のカバリング弾性糸をそのまま使用すると、フ
ィット性が強過ぎ、さらに、編地均一性や着用耐久性等
のストッキング特性が劣るという種々の問題が生じてく
る。
【0006】即ち、ゾッキストッキングはカバリング弾
性糸のみで構成されるために、交編ストッキングと比較
して伸長回復応力が高くなり過ぎ、従って、シングルカ
バリング弾性糸のゾッキストッキングでは、着用しよう
とする時の伸長や着用時の伸長回復による応力レベルが
高いこと等によって破れが発生し易い。
【0007】さらには、編成されたストッキングを足型
熱セットして適正な大きさに仕上げる時に収縮応力が大
き過ぎるために寸法が小さ過ぎるストッキングに仕上が
ってしまう。寸法の小さ過ぎるストッキングでは外観が
不均一であり、着用使用時に必要以上に引張られて初期
破損を招き易い。また、カバリング弾性糸のみで編立て
ている編地であるため繊度むら、収縮応力変動、さらに
編立て時の張力変動による欠点がコースむらとなり外観
上の欠点となる。
【0008】従って、シングルカバリング弾性糸から適
正水準のフィット性や良好な編地均一制等を有するゾッ
キストッキングを得るためには、乾式紡糸ポリウレタン
弾性糸使いのカバリング弾性糸ではなく、伸長回復応力
が比較的小さい溶融紡糸ポリウレタン弾性糸使いのカバ
リング弾性糸を用いることが必要と考えられてきた。
【0009】しかしながら、乾式紡糸ポリウレタン弾性
糸は優れた特性を有するので、乾式紡糸ポリウレタン弾
性糸使いのシングルカバリング弾性糸を用いたゾッキス
トッキングで、適正水準のフィット性及び優れた編地均
一性や着用耐久性等の特性を有するストッキング製品の
開発が強く望まれてきていた。
【0010】そこで、本発明は、実質的に、乾式紡糸ポ
リウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバリング弾性
糸のみからレッグ部が編成されてなるストッキングであ
って、適正水準のフィット性を有し、かつ生地外観、着
用耐久性、風合、着用快適性、透明感等に優れたゾッキ
ストッキングを提供することを主たる目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のストッキングは、ポリウレタン弾性繊維か
らなる8〜40デニールの芯糸に熱可塑性重合体からな
る糸条繊度が5〜15デニールのフィラメント糸を一重
に巻付けてなるシングルカバリング弾性糸のみでレッグ
部を編成してなるストッキングにおいて、前記ポリウレ
タン弾性繊維が乾式紡糸によるポリウレタン弾性繊維で
あり、かつ、前記シングルカバリング弾性糸のカバリン
グドラフト比が2.0〜2.7であることを特徴とす
る。
【0012】また、乾式紡糸ポリウレタン弾性繊維から
なる8〜40デニールの芯糸に熱可塑性重合体からなる
糸条繊度が5〜15デニールのフィラメント糸をカバリ
ングドラフト比2.0〜2.7で一重に巻付けてなるシ
ングルカバリング弾性糸のみでレッグ部を編成してスト
ッキングとした後、熱セット温度115〜120℃かつ
熱セット長60〜80cmで型セット仕上げする方法に
よってゾッキストッキングを製造することが好ましい。
【0013】そして、カバリング弾性糸は、SP×ND
×NYで表される被覆指数が1000以上であることが
好ましい。ここで、SPはポリウレタン弾性糸の糸条繊
度(デニール)、ND、NYは巻付けフィラメント糸の
糸条繊度(デニール)、フィラメント数(本)である。
【0014】カバリング弾性糸を構成する巻付けフィラ
メント糸は、フィラメント数(NY)が7以上、強伸度
積が9.0以上、その単糸繊度が0.7〜1.2デニー
ルであることが好ましく、また、98%硫酸相対粘度
2.6〜3.5を有するポリアミドフィラメント糸であ
ることが好ましい。
【0015】更に、ストッキングは下記特性を満足する
ことが好ましい。 180g≦60%BP≦300g 55%≦HEST≦90% ここで、60%BPはストッキングの60%伸長回復応
力(g)であり、HESTはストッキングの熱セット
率、即ち、仕上げセットによるストッキングの型止り率
(%)である。
【0016】本発明におけるシングルカバリング弾性糸
は、乾式紡糸されたポリウレタン弾性糸(8〜40デニ
ール)を芯糸にし、かつ、カバリングドラフト比2.0
〜2.7とすることが重要である。
【0017】そのポリウレタン弾性糸の太さは、ゾッキ
ストッキング用のシングルカバリング弾性糸であること
から8〜40デニールであることが必要である。8デニ
ール未満では、糸強力が不足するのでカバリング時及び
編立て時に芯糸切れ等のトラブルが生じ易く、ストッキ
ングとしての伸縮性、耐久性が不十分となり不適当であ
る。逆に、40デニールを越えるとゾッキストッキング
では締付け力が強くなり過ぎて圧迫感が強くなるし、し
かも、透明感の低下や粗硬感の増加となるので不適当で
ある。好ましくは10〜30デニールである。
【0018】カバリングドラフト比(カバリング時のト
ータルドラフト率)は2.0〜2.7とすることが必要
である。2.0未満では伸長回復応力が低下しフィット
性が不足するとともに着用時のタルミを生じるので不適
当である。また、2.7を越える場合、シングルカバリ
ング弾性糸のゾッキストッキングでは回復応力が高くな
り過ぎ、しかも、寸法が小さ過ぎるストッキングとなつ
て外観の不均一や耐久性の悪化、更には着用時のムレ感
を生じるので不適当である。
【0019】さらに、そのカバリング弾性糸は、前記し
たように被覆指数(SP×ND×NY)が1000以上
となるように、ポリウレタン弾性糸の繊度(SPデニー
ル)、巻付けフィラメント糸の糸条繊度(NDデニー
ル)、フィラメント数(NY本)を選択することが好ま
しい。
【0020】この被覆指数が1000未満であると巻付
け糸による被覆性が低下し着用時の耐久性悪化となり易
い。また、あまりにも高過ぎると耐久性は向上するもの
の弾性糸が嵩高となりストッキングの透明感が悪化して
くるので高くとも3500以下とすることが好ましい。
さらに好ましくは1050〜2500である。
【0021】また、カバリング弾性糸を構成する巻付け
糸は、糸条繊度が5〜15デニールであることが必要で
ある。さらにそのフィラメント数(NY)が7以上特に
7〜20、強伸度積が9.0以上、その単糸繊度が0.
7〜1.2デニールであること、また、98%硫酸相対
粘度が2.6〜3.5のポリアミドフィラメント糸であ
ることが好ましい。
【0022】糸条繊度は5〜15デニールであることが
優れた透明感、耐久性、風合、着用快適性を得るために
必要である。5デニール未満では実用上の耐久性が不十
分となり、逆に15デニールを越えると透明感が不十
分、風合が粗硬となるので不適当である。
【0023】フィラメント数が6以下と少な過ぎる場合
は、被覆性の低下、風合の粗硬化、耐久性の悪化となり
易く好ましくない。さらに好ましくは8以上、例えば8
〜20、特に好ましくは10〜15であることが、透明
性、着用感、耐久性を一層高めるために好ましい。なお
20以上とあまりにも多過ぎると透明感、耐久性が不十
分となり易く好ましくない。
【0024】また、耐久性を十分に満足するレベルとす
るには巻付け糸の強伸度積を9.0以上とすることが好
ましく、更に好ましくは9.5以上である。
【0025】この強伸度積は、通常の引張り試験により
求められる強度(T g/d) 及び破断伸度(E%)の値か
ら、T×(1+E/100)の式により算出される値で
ある。
【0026】その単糸繊度は、ストッキングのソフト
感、つるつる感のような触感、風合及び生地外観を向上
させるために0.7〜1.2デニールと細いことが好ま
しい。
【0027】この巻付け糸は、98%硫酸相対粘度が
2.6〜3.5の重合度のポリアミドフィラメント糸で
あることが好ましい。例えば、ポリカプロラクタム(ナ
イロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン
66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4.
6)、これらのポリアミドのコポリマ等からなるポリア
ミド糸であればよい。
【0028】そのポリアミドには必要に応じて艶消し剤
や顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、染色性向上剤等が配合されていてもよいが、酸化チ
タンで代表される艶消し剤や顔料の類は、実質的に含有
されないことが透明性向上、耐久性向上のために好まし
い。
【0029】また、ポリアミドに対して0.01〜1.
0重量%の下記一般式(A)、(B)で表される酸アミ
ド化合物を含有させることにより、ストッキング編地の
柔軟性を向上させ、編地面の凹凸に起因するザラツキ感
を減少させ、ソフト風合を向上させ、さらに透明性や染
色鮮明性を向上させてもよい。
【0030】
【化1】 この酸アミド化合物は、ジカルボン酸とアルキルモノア
ミンとの反応により、あるいはモノカルボン酸とアルキ
レンジアミンとの反応により調整することができる化合
物である。その代表的なジアミンとしてはメチレンジア
ミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレ
ンジアミンがあり、炭素数1〜10のアルキレンジアミ
ンが含まれる。アルキルモノアミンとしてはオクタデシ
ルアミン、メチルオクタデシルアミン、エチルオクタデ
シルアミンなどのように、炭素数10〜20のアルキル
基を有する一級アミンおよびそれらがさらにメチル基、
エチル基で置換された二級アミンが含まれる。また、代
表的なジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸があり、炭素数2〜12のジカルボン酸が含ま
れる。モノカルボン酸としてはラウリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸のように、炭素数12〜22のアルキ
ルモノカルボン酸が含まれる。
【0031】この巻付け糸をシングルカバリングする際
の巻付け回数は、前記した被覆指数等に応じた最適回数
とすればよいが、一般的には1200〜2200t/m
程度が、巻付け糸による被覆性、耐久性、生産性、均整
性等の点から好ましい。
【0032】本発明によると、乾式紡糸ポリウレタン弾
性糸を芯糸とするシングルカバリング弾性糸からのゾッ
キストッキングでありながら、60%伸長回復応力(6
0%BP)が180〜300g好ましくは200〜30
0gと、適正なフィット性及び良好な耐久性とすること
ができる。しかも、熱セット率(HEST)が55〜9
0%と良好な生地外観や編地風合とすることができる。
【0033】即ち、この60%BPは着用時のフィット
性の指標となる値であり、その値が低過ぎる場合はスト
ッキングとしてのフィット性が不十分でシワ、タルミが
発生し易く好ましくない。逆に高過ぎる場合は、フィッ
ト性は良好であるものの編地における応力が高過ぎて締
付け圧が高くなり過ぎ、窮屈感、ムレ感が強過ぎるし、
編地収縮が大き過ぎて均一外観が損われ易く、さらに、
編地応力が高過ぎることから伸張回復の繰返しによって
芯糸の破断が誘発し易く好ましくない。
【0034】60%BPを上記水準とするためには、芯
のポリウレタン弾性糸の弾性回復特性を適正化すること
が特に有効であり、またシングルカバリング弾性糸の糸
構成、編成、染色、仕上げ加工の条件等の制御によって
もよい。例えば、芯の弾性糸の弾性ポリマの種類(エー
テル系ポリウレタン、エステル系ポリウレタン等)、そ
の糸条繊度、ストッキングの編設計(針数、度目等)、
その熱セット条件(仕上げ型板サイズ、温度等)の調整
によって制御できる。
【0035】ここで、60%伸長回復応力(60%B
P)は、次の方法で求められる。ストッキング試料の一
端に2kgの荷重を掛けて伸長した時の試料長をL1と
する。次に、定伸長型引張り試験機TOMー100E型
(新興通信工業(株)製)を用い、このストッキング試
料を2つ折りにして引張り試験機にかけ、L1/2の7
5%まで伸長後回復させた応力歪みのヒステリシス曲線
を描かせる。このヒステリシス曲線の回復曲線から、L
1/2の60%伸長の長さに回復した時の応力値を60
%BP(g)とする。
【0036】また、HESTが55%未満であるとスト
ッキングの寸法が小さ過ぎしかも熱セット後に収縮して
生地外観が悪化し好ましくない。90%を越えると外観
上は良好であるが生地が大きくなり過ぎてアンクル部等
がタルミ易くなるし編地に粗硬感がでるために好ましく
ない。
【0037】また、ストッキングの熱セット率(HES
T)は、仕上げセット用のストッキング足型の太腿部寸
法をa(cm)、仕上げセット後に24時間静置した仕上げ
ストッキングの静置状態での太腿部寸法をb(cm)とした
場合、(b/a)×100(%)でもって求められる。
【0038】本発明のストッキングの場合は、これら6
0%BP、HESTのようなストッキング特性を所望の
水準とするためには、型セット時の熱セット温度及び熱
セット長を、それぞれ、115〜120℃、60〜80
cmとすることが好ましい。
【0039】その熱セット温度が115℃未満や熱セッ
ト長が60cm未満ではセット後のポリウレタン弾性糸
の応力レベルが高過ぎて生地の収縮が発生し易く生地外
観等の点から好ましくない。また、熱セット温度120
℃や熱セット長80cmを越える場合は巻付け糸の強伸
度低下を招き易く好ましくない。
【0040】本発明のストッキングは、巻付けフィラメ
ント糸を一重巻きしたシングルカバリング弾性糸のみで
レッグ部編地が編成されたゾッキストッキングを対象と
するものであり、他の“サポート”ストッキングでは本
発明の作用効果を得ることはできない。なお、このレッ
グ部編地には、他素材からなる編込み模様やワンポイン
トのような装飾が施されていてもよい。
【0041】このシングルカバリング弾性糸のみからの
レッグ部は、2口あるいは4口給糸の編機を用い、S方
向カバリングのシングルカバリング弾性糸とZ方向カバ
リングのシングルカバリング弾性糸とを交互に編むとい
う通常の方法で編成すればよく、本発明の対象とするス
トッキングは、パンティストッキング、ストッキング、
ショートストッキングなどのストッキング製品であれば
よい。
【0042】
【作用】以上の如く、本発明では、乾式紡糸されたポリ
ウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバリング弾性糸
のゾッキサポートでも、カバリングドラフト比を2.0
〜2.7と従来よりも低い特定水準とし、ポリウレタン
弾性糸の繊度及び巻付け糸の繊度を適正化することによ
り、従来のゾッキストッキングでは得られなかった極め
て良好な生地外観、フィット性及び耐久性を有し、さら
に、優れた肌触り、ソフトな風合いを有し、しかも、透
明感にも優れたゾッキストッキングとすることができ
る。
【0043】即ち、本発明の条件とすると、ストッキン
グの回復応力レベル、シングルカバリング弾性糸の被覆
性が良好となるため仕上げセットが均一となり生地外観
の美しいゾッキストッキングとなり、さらに優れた耐久
性を発揮する。
【0044】また、シングルカバリング弾性糸のみで編
成することにより、より高く適正水準のフィット力を得
ることができ極めて快適なストッキングとすることがで
き、60%回復応力を180〜300gという好適な水
準とすることが容易となる。
【0045】さらに、このような高いパワーレベルとす
ると、従来のシングルカバリング弾性糸のゾッキストッ
キングの場合は、生地の収縮により生地外観は悪化する
が、本発明で特定したカバリング条件のシングルカバリ
ング弾性糸を用いると、被覆性が均一で芯の弾性糸の露
出が少なく、編地不均一による収縮が抑制されるので、
良好な生地外観とすることができ、さらに、編成ないし
仕上げ工程における工程通過性が改善される。
【0046】
【実施例】以下におけるストッキング製品のレッグ部の
評価は次の方法によった。
【0047】生地外観: 検査者(5人)の肉眼によっ
て相対評価したものであり、その結果は、◎:極めて良
好、○:良好、△:やや不良、×:不良、の基準でもっ
て示す。
【0048】フィット感: 1日8時間の被験者の着用
を3日間繰り返す着用試験によって評価したものであ
り、その結果は上記同様の基準でもって示す。
【0049】つるつる感: ストッキング製品を人体足
型に履かせ、検査者(5人)の触感によってつるつる感
を相対評価したものであり、その結果は上記同様の基準
でもって示す。
【0050】着用耐久性: 1日8時間の被験者の着用
を5日間繰り返す着用試験によって評価したものであ
り、その結果は、◎:欠点無し、○:芯糸切れ無し、
△:単糸切れ発生、×:穴あき、生地破れ発生の基準で
もって示す。
【0051】破裂強度による耐久性: JIS P−8
131ミューレン高圧試験機による破裂強さ試験方法に
より破裂強度を測定し、その破裂強度の水準により、次
の基準で表示した。◎:1.2kg/cm2 以上、○:
1.0kg/cm2 以上1.2kg/cm2 未満、△:0.
9kg/cm2 以上1.0kg/cm2 未満、0.9kg/
cm2 未満
【0052】[実施例1]市販の乾式紡糸ポリエーテル
系ポリウレタン弾性糸“スパンデックス”(10、1
5、20、30、70デニール)に、12デニール7フ
ィラメントのナイロン6フィラメント糸(98%硫酸相
対粘度2.8、強伸度積9.8)をカバリングドラフト
比を3.2、2.6、2.4、1.8、撚数1700t
/mの条件で通常の方法でシングルカバリングし、カバ
リング弾性糸を得た。
【0053】得られたシングルカバリング弾性糸のそれ
ぞれを用い、永田精機(株)製のスーパー4編機(針数
400本)で、S方向カバリングシングルカバリング弾
性糸とZ方向カバリングシングルカバリング弾性糸とを
交互に編機の給糸口に供給し、レッグ部がシングルカバ
リング弾性糸のみで編成されたパンティストッキングと
し、通常の方法にて染色、仕上げ及び型板セットしてパ
ンティストッキング製品とした。なお、足型セット時の
熱セット温度は115℃、熱セット長は64cmとし
た。
【0054】得られたパンティストッキング製品のレッ
グ部について評価した結果は表1のとおりであった。
【0055】なお、水準2−3の60%BPは240
g、HESTは70%であった。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示す結果からわかるように、本発明
によるパンティストッキングは、生地外観、フィット
感、つるつる感及び着用耐久性のいずれにも優れてい
た。特に、SP×ND×NYの被覆指数が1000〜3
500の範囲内の場合はフィット感及び着用耐久性が特
に優れていた。
【0058】これに対し、カバリングドラフト比が1.
8と低過ぎる場合はフィット感が劣り、逆に3.2と高
過ぎる場合は着用耐久性及び生地外観が劣っていた。
【0059】[実施例2]通常の方法で溶融紡糸し延伸
する製糸方法によって、98%硫酸相対粘度が2.8、
2.6の12デニール7フィラメント、12デニール1
2フィラメントのナイロン6フィラメント糸を得た。
【0060】このナイロン6フィラメント糸を、カバリ
ングドラフト比2.5、撚数1500t/mの条件で、
市販の乾式紡糸ポリエーテル系ポリウレタン弾性糸“ス
パンデックス”(15デニール)に通常の方法でシング
ルカバリングし、カバリング弾性糸を得た。
【0061】得られたシングルカバリング弾性糸のそれ
ぞれを用い、実施例1と同様の方法にてストッキング製
品とした。得られたストッキング製品のレッグ部につい
て評価した結果は表2の通りであった。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示す結果からわかるように、本発明
によるゾッキストッキングの中でも単糸繊度が1.0と
細い場合には触感性に優れていた。更に、巻付け糸の強
伸度積が9.0を越える No.6−1、6−2の場合は、
耐久性が特に優れていた。
【0064】[実施例3]実施例2の No.6−2のシン
グルカバリング弾性糸のゾッキストッキングにおける足
型仕上げ熱セット条件を、表3のように変更して No.A
〜Hのストッキングを得た。得られたストッキング製品
のレッグ部について評価した結果は表3の通りであっ
た。また、実施例1の No.4−4の場合を No.Iとして
併記した。
【0065】
【表3】
【0066】請求項7の本発明法により製造されたスト
ッキングは、60%BPが180〜300g、HEST
が55〜80%であり、しかも、生地外観、着用耐久性
のすべてにおいて優れていた。
【0067】また、本発明外の条件のシングルカバリン
グ弾性糸を用いた No.Iの場合は、請求項7の型セット
条件をとってもストッキングの生地外観、着用耐久性は
ともに不良であった。
【0068】
【発明の効果】本発明では、ゾッキストッキングに用い
るカバリング弾性糸として、乾式紡糸されたポリウレタ
ン弾性糸8〜40デニールを芯糸にしカバリングドラフ
ト比2.0〜2.7で、5〜15デニールの巻付け糸を
カバリングしたシングルカバリング弾性糸を用いている
ので、従来のゾッキストッキングでは得られなかった極
めて良好な生地外観、フィット性及び耐久性を有し、さ
らに、優れた肌触り、ソフトな風合、良好な透明感を有
し、優れたゾッキストッキングとすることができる。
【0069】従って、着用時のフィット性、外観及び快
適性がともに優れたゾッキストッキング製品が得られ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン弾性繊維からなる8〜4
    0デニールの芯糸に熱可塑性重合体からなる糸条繊度が
    5〜15デニールのフィラメント糸を一重に巻付けてな
    るシングルカバリング弾性糸のみでレッグ部編地を編成
    してなるストッキングにおいて、前記ポリウレタン弾性
    繊維が乾式紡糸によるポリウレタン弾性繊維であり、か
    つ、前記シングルカバリング弾性糸のカバリングドラフ
    ト比が2.0〜2.7であることを特徴とするストッキ
    ング。
  2. 【請求項2】 前記シングルカバリング弾性糸を構成
    するポリウレタン弾性糸の糸条繊度(SPデニール)、
    巻付けフィラメント糸の糸条繊度(NDデニール)及び
    単糸数(NY本)の積(SP×ND×NY)で表される
    被覆指数が1000以上であることを特徴とする請求項
    1記載のストッキング。
  3. 【請求項3】 前記シングルカバリング弾性糸を構成
    する巻付けフィラメント糸の単糸数が7以上、かつ、強
    伸度積が9.0以上であることを特徴とする請求項1又
    は2記載のストッキング。
  4. 【請求項4】 前記シングルカバリング弾性糸を構成
    する巻付けフィラメント糸の単糸繊度が0.7〜1.2
    デニールであることを特徴とする請求項1、2又は3記
    載のストッキング。
  5. 【請求項5】 前記シングルカバリング弾性糸を構成
    する巻付けフィラメント糸が、98%硫酸相対粘度2.
    6〜3.5を有するポリアミドフィラメント糸であるこ
    とを特徴をする請求項1、2、3又は4記載のストッキ
    ング。
  6. 【請求項6】 ストッキングの60%伸長回復応力
    (60%BP)が180〜300gであり、かつ、熱セ
    ット率(HEST)が55〜80%であることを特徴を
    する請求項1、2、3、4又は5記載のストッキング。
  7. 【請求項7】 乾式紡糸ポリウレタン弾性繊維からな
    る8〜40デニールの芯糸に熱可塑性重合体からなる糸
    条繊度が5〜15デニールのフィラメント糸をカバリン
    グドラフト比2.0〜2.7で一重に巻付けてなるシン
    グルカバリング弾性糸のみでレッグ部編地を編成してス
    トッキングとした後、熱セット温度115〜120℃か
    つ熱セット長60〜80cmで型セット仕上げすること
    を特徴とするストッキングの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999029947A1 (fr) * 1997-12-05 1999-06-17 Sukaraa Haitatti Co., Ltd. Produit en fibres forme de fil(s) elastique(s) guipe(s)
JP2009079331A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Toray Ind Inc カバリング糸およびそれを用いた着圧ストッキング
JP2016094681A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 旭化成せんい株式会社 編地
EP3219835A4 (en) * 2014-11-12 2018-07-11 Toray Industries, Inc. Ultra-fine high-strength polyamide multifilament, and covering yarn, stocking, and fabric using same
JP2019189953A (ja) * 2018-04-18 2019-10-31 旭化成株式会社 筒状編地及びそれを含む製品並びに衣料

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