JP2002088514A - ストッキング - Google Patents

ストッキング

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JP2002088514A
JP2002088514A JP2000278958A JP2000278958A JP2002088514A JP 2002088514 A JP2002088514 A JP 2002088514A JP 2000278958 A JP2000278958 A JP 2000278958A JP 2000278958 A JP2000278958 A JP 2000278958A JP 2002088514 A JP2002088514 A JP 2002088514A
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Japan
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yarn
strength
polyamide
stocking
product
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JP2000278958A
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English (en)
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Yumiko Sawai
由美子 澤井
Naoyuki Kinoshita
直之 木下
Shohei Nakagawa
正平 中川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性が改善されかつストッキングの生産性が
向上したストッキングを提供することができる。 【解決手段】弾性繊維を芯糸としその周囲にポリアミド
長繊維を巻き付けるカバリング弾性糸のみでレッグ部を
編成するストッキングにおいて、ポリアミド長繊維が、
(1)マグネシウム化合物を0.01〜1重量%含有
し、(2)98%硫酸相対粘度が2.8〜3.5であ
り、(3)強伸度積が9cN/dT以上であり(ここで強伸
度積=強度×(1+伸度×0.01))、(4)糸条繊
度が8〜18dTであり、(5)単糸繊度が1.0〜
3.0であることを特徴とするストッキングおよびさら
に、ストッキングが、(6)破裂強さが45N以上であ
り、(7)擦過強度が4級以上であり、(8)製品を分
解して得られるポリアミド繊維の強伸度積が6.5cN/d
T以上であるストッキング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストッキングの改
良に関するものであり、特に耐久性が改善されかつスト
ッキングの生産性が向上したストッキングに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、女性の生活環境の変化や、ファッ
ション思考の高まりは、ストッキングの要求特性にも変
革をもたらしている。特に最近では、サンダルやミュー
ルが流行しストッキングのつま先部分の切り替えのない
タイプが多くなってきている。しかしながら、つま先の
切り替えのないタイプのストッキングはレッグ部分の糸
をそのままつま先部分に用いているので、耐久性に劣る
問題を抱えている。
【0003】この問題点の改善のため、ストッキングを
構成するカバリング弾性糸巻糸のポリアミド繊維の繊度
を太くすればよいが、ストッキングの審美性である透明
性、肌触りが悪くなる。一方で、耐久性を向上させるた
め、ストッキングを構成するカバリング用ポリアミド長
繊維を高強力化するため、糸粘度を高粘度化する方法が
一般的であるが、高粘度化すると、ポリアミド長繊維の
製糸性が悪くなるため、生産性が劣るという問題を抱え
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記のような従来技術の解消についてさらに検討を
続けた結果、本発明をなすに至ったものである。即ち、
本発明の主たる目的は、従来のストッキングの有する審
美性や機能性を損うことなく、耐久性を大幅に改善させ
るストッキングを提供することと、ストッキングの生産
性を高めることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のストッキングは、次の構成を有する。すなわ
ち、弾性繊維を芯糸としその周囲にポリアミド長繊維を
巻き付けるカバリング弾性糸のみでレッグ部を編成する
ストッキングにおいて、ポリアミド長繊維が、(1)マ
グネシウム化合物を0.01〜1重量%含有し、(2)
98%硫酸相対粘度が2.8〜3.5であり、(3)強
伸度積が9cN/dT以上であり(ここで強伸度積=強度×
(1+伸度×0.01))、(4)糸条繊度が8〜18
dTであり、(5)単糸繊度が1.0〜3.0であるこ
とを特徴とするストッキングである。さらに加えて、本
発明は、ストッキング編地が、(6)破裂強さが45N
以上であり、(7)擦過強度が4級以上であり、(8)
製品を分解して得られるポリアミド繊維の強伸度積が
6.5cN/dT以上であることを特徴とするストッキング
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の対象とするストッキング
は、パンティストッキング、ロングストッキング、ショ
ートストッキングで代表されるストッキング製品であ
る。例えば、トウ部及びヒール部を有するロングストッ
キングの場合、レッグ部は、ヒール部のすぐ上の足首に
相当する部分から上方の部分であり、そのレッグ部の上
端には、通常、伸縮性ベルト部が設けられている。ま
た、パンティストッキングの場合は、トウ部とパンティ
部との間がレッグ部に相当する。
【0007】本発明のストッキングは、このようなスト
ッキングの少なくともレッグ部の編地をカバリング弾性
糸のみで編成することが必要であり、これにより、横段
斑の問題を解消することができる。なお、このレッグ部
編地には、他素材からなる編込み模様やワンポイントの
ような装飾が施されていてもよい。
【0008】カバリング弾性糸は、シングルカバリング
弾性糸(SCY)であってもよいし、また、ダブルカバ
リング弾性糸(DCY)であってもよい。シングルカバ
リング弾性糸は、弾性繊維糸の周囲にカバリング用糸を
一重に巻付けてなる複合弾性糸である。ダブルカバリン
グ弾性糸は、弾性繊維糸の周囲にカバリング用糸を巻付
け方向を異ならせて二重に巻付けてなる複合弾性糸であ
る。
【0009】本発明は、弾性繊維を芯糸としその周囲に
ポリアミド長繊維を巻き付けるカバリング弾性糸のみで
レッグ部を編成するストッキングにおいて、ポリアミド
長繊維が、(1)マグネシウム化合物を0.01〜1重
量%含有し、(2)98%硫酸相対粘度が2.8〜3.
5であり、(3)強伸度積が9cN/dT以上であり(ここ
で強伸度積=強度×(1+伸度×0.01))、(4)
糸条繊度が8〜18dTであり、(5)単糸繊度が1.
0〜3.0であることが重要であり、さらにストッキン
グが、(6)破裂強さが45N以上であり、(7)擦過
強度が4級以上であり、(8)製品を分解して得られる
ポリアミド繊維の強伸度積が6.5cN/dT以上であるこ
とが好ましい。
【0010】本発明で使用するポリアミド長繊維は、マ
グネシウム化合物を含有することが重要である。マグネ
シウム化合物を含有せしめることにより、繊維とガイド
などの接触物との摩擦抵抗を小さくすることができる。
本発明のポリアミド系長繊維に含有されるマグネシウム
化合物としては、マグネシウムの酸化物または塩が好ま
しい。具体的には酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグ
ネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグ
ネシウム、クエン酸マグネシウム等であるが、これに限
定されるものではない。本発明のポリアミド系フィラメ
ント繊維に含有されるマグネシウム化合物はポリアミド
に対して0.01〜1重量%でなければならない。0.
01重量%未満の場合、糸ガイド類との擦過抵抗低減効
果が不充分であり、毛羽、単糸切減少の効果は少なく、
ポリアミド長繊維の生産性およびストッキング編成の生
産性を向上させる効果が得られず、1重量%を超える
と、製糸性が不安定になるとともに強度低下が発生し好
ましくない。さらに好ましくは、0.01〜0.5重量
%含有するこのがよい。
【0011】また、本発明で使用するポリアミド長繊維
は、98%硫酸相対粘度が2.8〜3.5であることが
重要である。2.8未満の場合、所望の耐久性を得るこ
とができない。一方、3.5を越えると、製糸性が悪く
なり生産上好ましくない。ここで、98%硫酸相対粘度
とは、繊維25gを98硫酸25mlに溶解し、オスト
ワルド粘度計を用いて25℃で測定した値を言う。
【0012】本発明で使用するポリアミド長繊維は、強
伸度積が9.0cN/dT以上である必要がある。9.0cN/
dT未満の場合、所望の耐久性を得ることができない。特
に9.5cN/dT以上が好ましい。ここで強伸度積とは 強伸度積=強度×(1+伸度×0.01) で表される数値をいう。強度および伸度はJIS L1
069のストリップ法に基づく測定値をいう。
【0013】本発明で使用するポリアミド長繊維は、糸
条繊度が8〜18デシテックスのマルチフィラメント糸
であることが必要である。特に10〜16デシテックス
が、透明性、肌触り、耐久性をさらに向上させるために
好ましい。
【0014】本発明で使用するポリアミド長繊維は、単
糸繊度が1.0〜3.0デシテックスであることが必要
である。1.0デシテックス未満の場合、所望の耐久性
を得ることができず、また、ポリアミド長繊維の生産
性、ストッキング編成生産性が悪くなり生産上好ましく
ない。一方、3.0デシテックスを越えると、風合いが
悪くなり好ましくない。
【0015】このポリアミド長繊維は、ナイロン6繊
維、ナイロン66繊維等の通常のポリアミド繊維であれ
ばよいが、なかでも、透明性や光沢感が特に優れるナイ
ロン6繊維が、繊維自体の透明性や光沢感が特に重要と
なるストッキングのカバリング用糸として好ましい。ま
た、このナイロン6繊維は、ナイロン6単位のみから構
成されるポリアミドであることが好ましいが、その機械
的特性や透明性等を阻害しない程度の少量、例えば3モ
ル%以下程度であれば、他のポリマ単位、例えばナイロ
ン66単位やナイロン610単位等が共重合されていて
もよい。また同様にその機械的特性や透明性等を阻害し
ない程度の少量、例えば3重量%以下程度であれば、他
のポリマがブレンドされていてもよい。
【0016】このポリアミド長繊維は、酸化チタンを含
まないことが好ましい。酸化チタンは艶消し剤として衣
料用ポリアミド繊維に一般に配合されてきたものである
が、ストッキングに用いられるカバリング用糸の場合
は、酸化チタンが0.02〜0.3重量%のように少量
でも含有されるとストッキングの透明性を向上させるこ
とが困難であるので、耐久性や透明性等の本発明の所期
の目的を達成するためには、酸化チタンを実質的に含有
させないことが好ましい。なお、酸化チタン以外の艶消
し剤や顔料は、ストッキングのカバリング用糸には従来
から添加されていないので、これらも従来同様に実質的
に添加しないことが好ましい。
【0017】以下、本発明のポリアミド長繊維の製造方
法を図面を参照して説明する。本発明で用いるポリアミ
ド長繊維は通常の紡糸方法である溶融紡糸法により製糸
される。その製糸方法は溶融紡糸、冷却、給油の後に、
一旦巻き取り延伸を施す通常の方法以外に、紡糸速度1
000m/分以上で引き取り、一旦巻き取ることなく延
伸して巻き取る直接紡糸延伸方法によっても良いが、3
000m/分以上の高速で紡糸し、延伸することなく巻
き取る高速紡糸法によっても良い。
【0018】図1は本発明によるポリアミド長繊維の直
接溶融紡糸延伸装置の1例を示した図であり、98%硫
酸相対粘度が2.8以上、総添加剤含有量が0.001
〜1.0重量%のポリアミドを溶融紡糸し、それを一旦
巻き取ることなく引き続き延伸する直接紡糸延伸方法に
よって長繊維とする装置である。図1において、図示し
ない溶融紡糸機の溶融部で硫酸相対粘度ηrが2.7以
上で、ポリアミドの劣化を抑制する効果を持つ添加剤を
含む総添加物含有量が0.001〜1.0重量%のポリ
アミドを溶融したのち、それを溶融紡糸口金1からポリ
アミド糸条Yaとして溶融紡糸し、第1ゴデットローラ
4で引き取るようにする。このように糸条をローラで引
き取る間に、紡糸口金1の下方で溶融紡出糸条Yaをク
ーリングチムニー2から吹き出す冷風により冷却し、給
油ガイド3により油剤を付与する。
【0019】第1ゴデーローラ4に引き続いて、この第
1ゴデーローラ4よりも速い表面速度で回転する第2ゴ
デーローラ5に引き取ることにより、上記未延伸の糸条
Yaを延伸して延伸糸条Ybにし、最後にスピンドル駆
動もしくはタッチローラ駆動されるボビンホルダー6上
のボビンに巻き上げられてパッケージPになる。パッケ
ージPの表面にはタッチローラ7を押圧し、そのパッケ
ージ形状が良好になるように整える。
【0020】図示の実施形態では、第1ゴデーローラ4
に進入する直前、すなわち延伸工程に進入する直前の未
延伸糸条Yaに、圧空交絡ノズル8によって軽い交絡を
付与している。この交絡処理は必ずしも必要ではない
が、この軽い交絡を与えることによって延伸を均一に行
えるように助成することができる。
【0021】上記第1ゴデーローラ4と第2ゴデーロー
ラ5は、それぞれ一つのローラから構成されている。こ
れらのローラに対して図中では巻き付け角がほぼ180
°となるよう巻き付けて送り出されるようになってい
る。これらのローラの表面は実質上鏡面状態に加工され
ている。
【0022】また、第2ゴデーローラ5の方は、表面が
実質上鏡面加工されているとともに、130〜220℃
の高温に加熱され、延伸糸を加熱処理するようになって
いる。
【0023】本発明で実施する直接紡糸延伸方法の延伸
工程には第1ゴデーローラと第2ゴデーローラとが設け
られ、その両ゴデーローラ間で1段延伸を行うようにす
る。第1ゴデーローラと第2ゴデーローラとは、それぞ
れ一つずつのローラから構成されていることが生産設備
のコストダウンの観点から好ましい。第1ゴデーローラ
と第2ゴデーローラからなる延伸工程においては、その
第1ゴデーローラ側のローラ表面を実質上鏡面加工する
必要がある。このように第1ゴデーローラ側の表面を鏡
面加工することにより糸条の滑りを抑制し、第1ゴデー
ローラ(供給ローラ)から第2ゴデーローラ(延伸ロー
ラ)へ送り出される未延伸糸の延伸点(ネッキングポイ
ント)を1点に確実に固定するようにすることができ
る。
【0024】特に本発明が適用する高粘度のポリアミド
長繊維の場合は、第1ゴデーローラの表面が梨地加工で
あると、糸条とローラ表面とのスリップにより、その延
伸点が不安定になりやすくなるため、延伸むらを生じや
すくなる。しかし、上記のように第1ゴデーローラの表
面実質上を鏡面にすることによってローラへの巻き付け
角が360°以下であっても糸条のスリップを抑制し、
延伸点を確実に固定することができるので、破断強度を
向上させるとともに破断エネルギーを向上させ、かつ延
伸むらのない高品質の延伸糸条を得ることができる。
【0025】第2ゴデーローラを構成するローラは表面
が実質上鏡面加工され、しかも130〜220℃の高温
に加熱することが必要である。このように延伸ローラ側
の第2ゴデーローラの表面温度を高温にして熱処理する
作用が、糸条に第三成分が実質的に微量しか含有され
ず、すなわち総添加物含有量が0.001〜1.0重量
%であることと、さらにポリアミド長繊維の硫酸相対粘
度が2.8以上と高いこととが相まって、延伸後のマル
チフィラメント糸条の破断強度を高くすることができ
る。ポリアミドの硫酸相対粘度が2.8よりも低かった
り、或いは添加物含有量が1.0重量%よりも多かった
りすると、これを第2ゴデーローラを高温にして熱処理
することによりかえって破断強度が低下してしまうよう
になる。第2ゴデットローラの温度が150℃より低い
と、ポリアミド延伸糸条に対する熱セットによる構造固
定が不足し、沸騰水収縮率の増加による寸法安定性の悪
化や染色処理前後での強度保持率低下を招く。逆に第2
ゴデットローラ温度が220℃より高いと、ローラ上で
の油剤の劣化速度及び汚れ量が増加し、第2ゴデットロ
ーラとタッチローラ間での糸張力変動によるパッケージ
フォームの悪化や糸切れ率の増加を招き、その対策とし
て短周期でローラ洗浄を実施しなければならず、いずれ
にしても操業性、生産性を低下させる。
【0026】前述したように、第1ゴデットローラ及び
第2ゴデットローラの双方を実質上鏡面加工することに
より、そのそれぞれのローラに対する糸条の巻き付け角
が360°以下であってもローラ上での糸条のスリップ
を抑制し、延伸点を確実に固定することができるように
なるので、破断強度を向上させるとともに破断エネルギ
ーを向上させ、かつ延伸むらのない高品質の延伸糸条に
することができる。
【0027】かくして、本発明によって製造されたポリ
アミド長繊維は、(1)マグネシウム化合物を0.01
〜1重量%含有し、(2)98%硫酸相対粘度が2.8
〜3.5であり、(3)強伸度積が9cN/dT以上であり
(ここで強伸度積=強度×(1+伸度×0.01))、
(4)糸条繊度が8〜18dTであり、(5)単糸繊度
が1.0〜3.0であるので、特に耐久性が改善されか
つストッキングの生産性が向上したストッキングとして
好適である。
【0028】また、第1ゴデットローラ及び第2ゴデッ
トローラの双方を実質上鏡面加工することにより、その
それぞれのローラに対する糸条の巻き付け角が360°
以下であってもローラ上での糸条のスリップを抑制し、
延伸点を確実に固定することができるようになるので、
破断強度を向上させるとともに破断エネルギーを向上さ
せ、かつ延伸むらのない高品質の延伸糸条をコンパクト
な製糸設備で得ることができる。
【0029】かくして得られたポリアミド長繊維を用い
て、弾性繊維を芯糸としてその周囲にポリアミド長繊維
を巻き付けるカバリング弾性糸のみでレッグ部を編成す
るストッキングを製造する。
【0030】このストッキング製品は、破裂強さ45N
以上であればよい。45N未満の場合、所望の耐久性を
得ることができない。特に55N以上であればよい。
【0031】このストッキング製品は、擦過強度4級以
上であればよい。4級未満の場合、所望の耐久性を得る
ことができない。このストッキングを分解して得られる
ポリアミド長長繊維は、強伸度積 7.0cN/dT以上で
あればよい。7.0cN/dT未満の場合、所望の耐久性を
得ることができない。特に7.5cN/dT以上が好まし
い。
【0032】そのポリアミドは、その透明性を損わない
添加剤であれば、必要に応じて光安定剤、熱安定剤、酸
化防止剤、帯電防止剤、染色性向上剤等が添加されてい
てもよい。
【0033】また、そのカバリング弾性糸の芯糸をなす
弾性糸としては、ポリウレタン系弾性繊維、ポリアミド
系エラストマ弾性繊維、ポリエステル系エラストマ弾性
繊維、天然ゴム系繊維、合成ゴム系繊維、ブタジエン系
繊維等が用いられるが、ストッキング用としてその弾性
特性、熱特性、耐久性等から好ましいのは、ポリウレタ
ン系弾性繊維及びポリアミド系エラストマ弾性繊維であ
る。
【0034】その弾性繊維の太さは、ストッキングの用
途、締め付け圧の設定により異なるが、一般に8〜60
デシテックス程度であればよい。好ましいのは10〜4
0デシテックスである。8デシテックス未満では、糸強
力が不足するのでカバリング時及び編立て時に芯糸切れ
等のトラブルを生じ易く、ストッキングとしての伸縮
性、耐久性が不十分となり易いので好ましくない。逆
に、60デシテックスを越えると締付け力が強くなり過
ぎて圧迫感が強くなり、透明感の低下や粗硬感の増加と
なり易く好ましくない。
【0035】このカバリング弾性糸のみからのレッグ部
編地は、2口あるいは4口給糸の編機を用い、カバリン
グ弾性糸のみを供給して編成するという通常の方法で編
成すればよい。シングルカバリング弾性糸の場合は、S
方向カバリングのシングルカバリング弾性糸とZ方向カ
バリングのシングルカバリング弾性糸とを交互に編む方
法が好適である。このようにしてレッグ部編地を編成し
てストッキング製品とすればよい。
【0036】ストッキングの破損は、大きく大別する
と、着用時に指に力が入って編地組織の破損から生じる
破損と、靴と足との擦過により、カバリング原糸が劣化
して弱くなって糸が破断して生じる破損がある。前者を
模擬的に評価すると破裂強さ(JIS L 1018 定速伸長
形法)で表され、後者を模擬的に評価すると擦過強度で
表される。この擦過強度は、下記実施例で示す項目の流
用で評価できる。ストッキングの耐久性は、この破裂強
さと擦過強度の両面が高いほど耐久性の良いストッキン
グといえる。また、擦過強度が高いカバリング原糸は、
ストッキング編成の折りにガイド擦過に強く、フィラメ
ント割れ(毛羽)などの発生が減少し生産性も高くな
る。
【0037】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例におけるストッキング製品のレッグ部の評価
は次の方法によった。 破裂強さ:ストッキングを一般足型に履かせ、太股部分
の編密度を保持した状態で固定し、JIS L 101
8により、破裂強さ定速伸長形法に準じ測定する。
【0038】擦過強度:図1に示すような試験装置で、
ナイロンタフタを擦過布、あて布とし、サンプル布を2
kgの荷重、湿潤状態下で、3cmピッチの往復運動6
000回擦過させた後の編地状態を5段階評価した。
【0039】着用擦過強度:20人のモニターによる着
用評価により評価した。ストッキングを5日間着用後、
足裏及びつま先部の編み地の状態を5段階評価した。
【0040】着用PS残存率:20人のモニターによる
着用評価により評価した。ストッキングを5日間着用
後、破損していないストッキングの割合を示した。
【0041】透明度: ストッキング製品を一般足型に
履かせ、太股部分の編密度を保持した状態で固定し、カ
ラースタンダード白板上に静置したときの編地のL値
(Lw)、およびカラースタンダード黒板上に静置した
ときの編地のL値(Lb)を色差計Σ80(日本電色工
業(株)製)により測定する。そして、それらL値から
次の算式により透明度を求める。 透明度(%)=(Lw−Lb)/(W−B) W:カラースタンダード白板のL値 B:カラースタンダード黒板のL値。
【0042】肌触り:ストッキングを人体足型に履か
せ、検査者(20人)の触感によってソフト感を相対評
価したものであり、その結果は、◎:極めて良好、○:
良好、△: やや不良、×:不良、の基準でもって示
す。
【0043】ポリアミド長繊維生産性、ストッキング
(PS)編成生産性:糸切れ回数、品質などを相対評価
したものであり、その結果は、○:良好、×:不良の基
準でもって示す。
【0044】実施例1 98%硫酸相対粘度3.3で酸化チタンを含まないナイ
ロン6に酸化マグネシウムを0.05重量%ドライチッ
プブレンドしたものを紡糸温度280℃で溶融し、丸型
の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油し、
伸度が40〜45%になるように延伸し、熱処理した
後、3500m/分で巻き取り、11デシテックス5フ
ィラメントのナイロン6糸条を得た。得られた糸条をカ
バリング用糸に用い、18デニールのポリウレタン弾性
糸“ライクラ”(登録商標、東レデュポン(株)製)を
芯糸とし、ドラフト2.9倍に設定し、カバリング撚数
を2200t/mでシングルカバリングして、シングル
カバリング弾性糸(SCY)を得た。得られたカバリン
グ弾性糸を針本数400本の4口給糸の靴下編機で、レ
ッグ部をプレーン編成して得られた生地を染色し、仕上
げ及び型板セットして得たストッキング製品の特性評価
結果を表1に示す。
【0045】実施例2、比較例1〜6 98%硫酸相対粘度を表1に示すように変え、酸化マグ
ネシウムの量、糸条繊度およびフィラメント数などを表
1に示すように変更した以外は実施例1と同様に溶融、
紡糸、吐出、冷却給油後、延伸し、表1に示すナイロン
6糸条を得た。られた糸条をカバリング用糸に用い、1
8デニールのポリウレタン弾性糸“ライクラ”(登録商
標、東レデュポン(株)製)を芯糸とし、ドラフト2.
9倍に設定し、カバリング撚数を2200t/mでシン
グルカバリングして、シングルカバリング弾性糸(SC
Y)を得た。得られたカバリング弾性糸を針本数400
本の4口給糸の靴下編機で、レッグ部をプレーン編成し
て得られた生地を染色し、仕上げ及び型板セットして得
たストッキング製品の特性評価結果を表1に示す。得ら
れた糸条をカバリング用糸に用い、18デニールのポリ
ウレタン弾性糸“ライクラ”(登録商標、東レデュポン
(株)製)を芯糸とし、ドラフト2.9倍に設定し、カ
バリング撚数を2200t/mでシングルカバリングし
て、シングルカバリング弾性糸(SCY)を得た。得ら
れたカバリング弾性糸を針本数400本の4口給糸の靴
下編機で、レッグ部をプレーン編成して得られた生地を
染色し、仕上げ及び型板セットして得たストッキング製
品の特性評価結果を表1に示す。
【0046】比較例7 98%硫酸相対粘度4.0で酸化チタンを含まないナイ
ロン6に酸化マグネシウムを0.05重量%ドライチッ
プブレンドしたものを紡糸温度280℃で溶融し、丸型
の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油し、
伸度が40〜45%になるように延伸し、熱処理した
後、3500m/分で巻き取り、11デシテックス5フ
ィラメントのナイロン6糸条を得ようとしたが、製造で
きなかった。
【0047】これら得られた糸条をカバリング用糸に用
い、18デニールのポリウレタン弾性糸“ライクラ”
(登録商標、東レデュポン(株)製)を芯糸とし、ドラ
フト2.9倍に設定し、カバリング撚数を2200t/
mでシングルカバリングして、シングルカバリング弾性
糸(SCY)を得た。得られたカバリング弾性糸を針本
数400本の4口給糸の靴下編機で、レッグ部をプレー
ン編成して得られた生地を染色し、仕上げ及び型板セッ
トして得たストッキング製品の特性評価結果を表1に示
す。
【0048】
【表1】 実施例1〜2で得たストッキングは、耐久性、透明性、
肌触りに優れており、また、生産性にも優れていた。比
較例1で得たストッキングは、ポリアミド長繊維生産の
糸切れが多く、生産性に劣っていた。また、ストッキン
グ編立においても、フィラメント割れの不良が多く発生
し、生産性に劣っていた。比較例2で得たストッキング
は、耐久性に劣っていた。比較例3で得たストッキング
は肌触りに劣っていた。比較例4で得たストッキング
は、透明性、肌触りに劣っていた。比較例5で得たスト
ッキングは、耐久性に劣っていた。比較例6で得たスト
ッキングは、耐久性に劣っていた。また、ポリアミド長
繊維生産の糸切れが多く、生産性に劣っていた。また、
ストッキング編立においても、フィラメント割れの不良
が多く発生し、生産性に劣っていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリアミド繊維製造方法を実施す
る溶融紡糸延伸装置の一例の概略図である。
【図2】本発明の実施例において使用した擦過強度の装
置の概略図である。
【符号の説明】
1 溶融紡糸口金 2 クーリングチムニー 3 給油ガイド 4 第1ゴデーローラ 5 第2ゴデーローラ 6 ボビンホルダー 7 タッチローラ 8 圧空交絡ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B018 AA01 AC05 AD02 AD07 HB05 HB07 4L035 BB31 EE08 EE20 HH10 JJ05 4L036 MA06 MA39 PA01 PA46 RA24 UA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性繊維を芯糸としその周囲にポリアミ
    ド長繊維を巻き付けるカバリング弾性糸のみでレッグ部
    を編成するストッキングにおいて、ポリアミド長繊維
    が、(1)マグネシウム化合物を0.01〜1重量%含
    有し、(2)98%硫酸相対粘度が2.8〜3.5であ
    り、(3)強伸度積が9cN/dT以上であり(ここで強伸
    度積=強度×(1+伸度×0.01))、(4)糸条繊
    度が8〜18dTであり、(5)単糸繊度が1.0〜
    3.0であることを特徴とするストッキング。
  2. 【請求項2】ストッキングが、(6)破裂強さが45N
    以上であり、(7)擦過強度が4級以上であり、(8)
    製品を分解して得られるポリアミド繊維の強伸度積が
    6.5cN/dT以上であることを特徴とする請求項1記載
    のストッキング。
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