JP2002013004A - フィット性に優れたストッキング - Google Patents

フィット性に優れたストッキング

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JP2002013004A
JP2002013004A JP2000190090A JP2000190090A JP2002013004A JP 2002013004 A JP2002013004 A JP 2002013004A JP 2000190090 A JP2000190090 A JP 2000190090A JP 2000190090 A JP2000190090 A JP 2000190090A JP 2002013004 A JP2002013004 A JP 2002013004A
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JP
Japan
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yarn
stitch
feeling
stocking
covering
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JP2000190090A
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English (en)
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Chie Nakajima
千恵 中島
Kenji Sonoda
健二 薗田
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着用時のフィット性、透明感、風合い、締め
付け感、着用圧快適感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜け
に優れたストッキングを提供する。 【解決手段】 少なくともレッグ部がポリトリメチレン
テレフタレート繊維で構成されているストッキングであ
って、レッグ部の少なくとも一部の同一コース内に、二
以上の異なる編目長を有する編目部分が存在し、且つ、
前記編目のうち最も短い編目長を有する編目以外の編目
の編目長が、最も短い編目長の105〜145%の範囲
にあることを特徴とするストッキング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストッキングに関
し、さらに詳しくは、足に装着した際にストッキングの
レッグ部の足周方向(コース方向)に対して着圧差を付
与することができ、フィット性や着用圧快適性などに優
れたストッキングに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的にストッキングに用いられている
素材は、ナイロン6やナイロン66長繊維の原糸および
仮撚加工糸が主流である。これらを用いたストッキング
は、着用時の肌触り、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けな
どの点で総合的に完成されていないという問題がある。
【0003】また、一般にストッキングによる足各部位
への締め付け力は、足各部位と接するストッキング編地
の伸長率により決定される。ストッキングのレッグ部の
編地伸長率は、レッグ部を構成する糸の種類、繊度(d
tex)等の糸要因、編組織要因などにより決定される
が、レッグ部の編地が同一糸使いで同一編組織の場合に
は、編地の編目長によって決定される。
【0004】従来、ストッキングのレッグ部各部位に応
じた締め付け力は、同一糸使いで同一編組織の場合、レ
ッグ部の各部位に応じて、ストッキング丸編機の編針の
引き込み深さを表す度目を変え、編地の編目長が変化す
るよう編成を行う、いわゆるファッショニングにより付
与されている。例えば、ストッキングのレッグ部を、足
長方向(ウェール方向)に太股部、ふくらはぎ部、アン
クル部に細分化し、太股部で締め付け力を最も弱くし、
太股部、ふくらはぎ部、アンクル部の順に締め付け力が
強くなるよう編目長を変化させて編成される。また、さ
らに細かく細分化したものも提案されているが、いずれ
も締め付け力の細分化は足長方向に限られており、各部
位における足周方向(コース方向)の編目の編目長は同
一であり、従って、足周方向に対しては同一の締め付け
力を有するものであった。
【0005】しかしながら、人体の足は足長方向だけで
はなく、足周方向においても曲率、筋構造が異なるた
め、足長方向にだけ締め付け力を変化させただけでは、
十分なフィット感、着用圧快適感、浮腫・疲労感の軽減
効果を得ることができなかった。したがって、これらの
問題を改良すべく、素材の改質、使用する糸の組み合わ
せ、編目組織などの検討が行われているが、充分に満足
できる物が得られていないというのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、着用時のフィット感、着用
圧快適感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けなどに優れた
ストッキングを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、ストッキングのフィット感、着用圧快適感など
について検討した結果、ポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維を用い、レッグ部の少なくとも一部の同一コース
内に、二以上の異なる編目長を有する編目部分を存在さ
せ、かつこれらの編目長の短長比を特定することによ
り、ストッキングのレッグ部の足周方向に対して効果的
に着圧差を付与できることを見いだし、本発明に到達し
たものである。
【0008】すなわち、本発明は下記の通りである。 1.少なくともレッグ部がポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維で構成されているストッキングであって、レッ
グ部の少なくとも一部の同一コース内に、二以上の異な
る編目長を有する編目部分が存在し、且つ、前記編目の
うち最も短い編目長を有する編目以外の編目の編目長
が、最も短い編目長の105〜145%の範囲にあるこ
とを特徴とするストッキング。
【0009】2.前記コース内における前記最も短い編
目長を有する編目以外の編目の編目数が、総編目数の5
〜80%であることを特徴とする上記1記載のストッキ
ング。 3.前記コース内における前記編目のうち、最も長い編
目長を有する編目部分を足前面に位置させてなることを
特徴とする上記1または2に記載のストッキング。
【0010】以下、本発明につき詳述する。本発明にお
いて、ストッキングの種類としては、その構造の一部に
脚部(レッグ部)を有するものであれば特に限定はな
く、一般的に用いられている原糸、仮撚加工糸、また
は、ポリウレタンなどの弾性糸にこれらの糸をカバリン
グ(シングルカバリングまたはダブルカバリングをい
う、以下、同じ)したカバリング糸を用いた通常のスト
ッキングや、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたストッ
キングがあり、例えば、ウェルト部やパンティ部を備え
た薄手のパンティストッキングや厚手のタイツ、ヒザ上
ストッキング、ハイソックス、ショートソックスなどが
包含される。
【0011】本発明において用いる原糸とは、ポリトリ
メチレンテレフタレート繊維等の非弾性糸に対して実質
的に加撚せず、また仮撚加工等の嵩高加工を行っていな
い状態のストレート糸、及び、弾性糸にストレート糸を
カバリング(シングル又はダブルカバリング)したもの
を含む。また、加工糸とは、ポリトリメチレンテレフタ
レート繊維等の非弾性糸を仮撚加工(POYの延伸仮撚
糸を含む。さらに1ヒーター仮撚糸、2ヒーター仮撚糸
を含む。)した糸であり、弾性糸には仮撚加工糸をカバ
リング(シングル並びにダブルカバリング)したものを
含む。
【0012】仮撚加工の方法としては、一般に用いられ
るピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイ
プ、エア加撚タイプ等、いかなる方法によるものでもよ
い。又、本発明の目的を損なわない範囲内で、交絡混
繊、撚糸、さらには、本発明の目的を損なわない範囲内
でセルロース繊維等他の繊維との、カバリング、交絡混
繊、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)などによる複合加
工を施したものを用いてもよい。また、他の繊維との複
合方法として、交編も好適に用いられる。
【0013】本発明のストッキングは、少なくともレッ
グ部がポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成され
ている。本発明において、「ポリトリメチレンテレフタ
レート繊維で構成されている」とは、ポリトリメチレン
テレフタレート繊維のみを用いる場合以外に、ポリトリ
メチレンテレフタレート繊維と他の繊維が複合されてい
る場合を含んでいる。ポリトリメチレンテレフタレート
繊維と他の繊維が複合されている場合の、ポリトリメチ
レンテレフタレート繊維の混率は30%以上が好まし
く、さらに好ましくは45%以上である。ポリトリメチ
レンテレフタレート繊維の混率が30%未満であると、
フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適
感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けな
どが低下する傾向にある。
【0014】ここでいう他の繊維とは、ストッキングと
して好適に用いられる繊維であれば何ら限定されるもの
ではないが、例えば、ナイロン6やナイロン66等のナ
イロン繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル繊維、レーヨン、キ
ュプラ等の再生セルロース繊維、ポリウレタン等の弾性
繊維、天然繊維などが挙げられる。本発明では、弾性繊
維との複合が好適に用いられる。
【0015】弾性繊維としては、好ましくは3.3〜1
10dtex、より好ましくは5.6dtex〜44d
texのポリウレタン繊維が用いられる。弾性繊維のカ
バリングに用いられるカバリング糸は、好ましくは3.
3dtex〜110dtex、より好ましくは5.6d
tex〜78dtexであり、3.3dtex未満で
は、強度の面から破れが生じやすく、又、110dte
xを越えると地厚になり、透明感などが低下しやすい。
また、カバリング糸としては、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維で構成されていることが望ましい。
【0016】カバリング糸を使用する場合、シングルカ
バリングのカバリング数として、好ましくは300T/
m〜3000T/m、特に好ましくは600〜2800
T/mである。カバリング数が300T/m未満の場合
は、芯糸の弾性糸に捲かれる非弾性糸の単繊維がばらけ
て透明感が低下したり、単繊維が引掛かり、いわゆるツ
レが発生しやすく、又、3000T/mを越えると編成
時にビリが発生し、ビリが部分的に編み地のループに編
み込まれ、外観が損なわれたり、風合いが低下する傾向
がある。又、カバリング糸を使用することで編み地が斜
行する場合には、S撚、Z撚のカバリング糸を1本交互
に編成すればよい。
【0017】また、ダブルカバリングのカバリング数と
して、好ましくは300〜3000T/m、特に好まし
くは600〜2800T/mである。カバリング数が3
00T/m未満の場合は、芯糸の弾性糸に捲かれる非弾
性糸の単繊維がばらけて透明感が低下したり、単繊維が
引掛かり、いわゆるツレが発生しやすく、又、3000
T/mを越えると編成時にビリが発生し、ビリが部分的
に編み地のループに編み込まれ、外観が損なわれたり、
風合いが低下する傾向がある。
【0018】パンティストッキングとは、ウエストのゴ
ム部分のウエルト部、ヒップ部分のパンティ部、脚部分
のレッグ部(フート部、かかと部を含む、以下、同
じ)、つま先部分のトウ部などで構成されるパンティ部
のついた薄手のストッキングをいい、またタイツとは、
上記ウエルト部、パンティ部、レッグ部、トウ部などで
構成されるパンティ部のついた厚手のストッキングをい
い、さらにヒザ上ストッキング、ハイソックス、ショー
トソックスとは、脚上部のゴム糸挿入部分の口ゴム部、
脚部分のレッグ部、つま先部分のトウ部などで構成され
るパンティ部のないストッキングをいい、レッグ部の長
さが太ももまでのものをヒザ上ストッキング、ヒザ下ま
でのものをソックス、ふくらはぎまでのものをショート
ソックスという。
【0019】一般的にパンティストッキングは、各部位
に使用される糸が異なり、ウエルト部、パンティ部、ト
ウ部には仮撚加工糸、弾性糸、もしくは弾性糸に仮撚加
工糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)し
たカバリング糸が用いられることが多く、また非弾性糸
に弾性糸をベア編込みしたものもある。トウ部は仮撚加
工糸のみで構成されていることもある。これらのパンテ
ィストッキングはレッグ部に用いられる糸の種類によっ
てそれぞれ、仮撚加工糸を用いたウーリータイプ、弾性
糸にストレート糸をカバリング(シングル又はダブルカ
バリング)したカバリング糸を100%使用したゾッキ
タイプ、カバリング糸とストレート糸を交編した交編タ
イプ、ストレート糸に撚りを加えた有撚糸を用いたシア
ータイプ、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたベアタイ
プなどと呼ばれている。
【0020】タイツとは、ウエストのゴム部分のウエル
ト部、ヒップの部分のパンティ部、脚部の部分のレッグ
部、つま先部分のトウ部で構成されているパンティ部が
付いた厚手のストッキングのことである。一般的にタイ
ツは、ウエルト部、パンティ部、トウ部には仮撚加工
糸、弾性糸、もしくは弾性糸に仮撚加工糸をカバリング
(シングル又はダブルカバリング)したカバリング糸、
非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたものが用いられるこ
とが多く、レッグ部、トウ部は同一の糸種で構成されて
いることもある。これらタイツは、レッグ部に用いられ
る糸の種類によってそれぞれ、仮撚加工糸を用いたウー
リータイプ、弾性糸にストレート糸をカバリング(シン
グル又はダブルカバリング)したカバリング糸を100
%使用したゾッキタイプ、カバリング糸とストレート糸
を交編した交編タイプ、ストレート糸に撚りを加えた有
撚糸を用いたシアータイプ、非弾性糸に弾性糸をベア編
込みしたベアタイプなどと呼ばれている。
【0021】ヒザ上ストッキング、ハイソックス、ショ
ートソックスとは、脚部上部のゴム糸挿入部分の口ゴム
部、脚部の部分のレッグ部、つま先部分のトウ部で構成
されているパンティ部を有しないストッキングのことで
ありレッグ部の各々の長さによってそれぞれ太ももまで
の長さのものがヒザ上ストッキング、ヒザ下までの長さ
のものがハイソックス、ふくらはぎまでの長さのものが
ショートソックスである。一般的に口ゴム部、トウ部に
は仮撚加工糸、弾性糸、もしくは弾性糸に仮撚加工糸を
カバリング(シングル又はダブルカバリング)したカバ
リング糸が用いられることが多く、レッグ部、トウ部は
同一の糸種で構成されていることもある。これらはレッ
グ部に用いられる糸の種類によってそれぞれ、仮撚加工
糸を用いたウーリータイプ、弾性糸にストレート糸をカ
バリング(シングル又はダブルカバリング)したカバリ
ング糸を100%使用したゾッキタイプ、カバリング糸
とストレート糸を交編した交編タイプ、ストレート糸に
撚りを加えた有撚糸を用いたシアータイプ、非弾性糸に
弾性糸をベア編込みしたベアタイプなどと呼ばれてい
る。
【0022】前記において、非弾性糸として有撚糸を使
用する場合、撚数は、ストレート糸の繊度(dtex)
に関わらず、収束性が保たれ、反発弾性がストレート糸
より若干でも向上する撚数であればいずれの撚数でもか
まわないが、好ましくは50〜3000T/m、更に好
ましくは75〜1500T/m、特に好ましくは100
〜500T/mである。有撚糸の撚数が50T/m未満
の場合は、単繊維がばらけて透明感が低下したり、単繊
維が引掛かり、いわゆるツレが発生しやすく、又、30
00T/mを越えると編成時にビリが発生し、ビリが部
分的に編み地のループに編み込まれ、外観を著しく損な
うので好ましくない。又、有撚糸を使用することで編み
地が斜行する場合には、S撚、Z撚の有撚糸を1本交互
に編成すればよい。
【0023】レッグ部を有撚糸のみで構成する場合のポ
リトリメチレンテレフタレート繊維の繊度は、5.6d
tex〜220dtex、好ましくは11dtex〜1
10dtex、更に好ましくは17dtex〜84dt
exである。5.6dtex未満では強度の面から破れ
が生じやすく、又、220dtexを越えると地厚にな
り、透明感などが低下しやすい。
【0024】レッグ部以外のウエルト部、パンティ部、
トウ部は、仮撚加工糸またはカバリング糸100%で構
成してもよいし、カバリング糸と仮撚加工糸を交編して
もよい。また、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしてもよ
い。ベア編込みとは、一つの給糸口に非弾性糸と弾性糸
を同時に供給し、非弾性糸に弾性糸を添え編する編成法
であり、非弾性糸を編地の表面に、弾性糸を編地の裏面
に現出するよう編成する。
【0025】ベア編み込みする弾性糸のドラフト率は特
に限定されないが、適度なフィット感とサポート性を有
し、かつ生地外観、風合い、着用快適性、透明感に優れ
た効果を持たせるには、ドラフト率を1.1〜5.0と
することが好ましく、さらに好ましくは1.5〜4.5
である。1.1未満では伸長回復応力が低下しフィット
性が不足する傾向にあり、しかも若干、着用時の弛みを
生じやすくなるのであまり適当とはとは言いがたい。ま
た、5.0を越える場合、伸長回復応力が高くなる傾向
にあり、しかも、寸法的にも小さ目のストッキングとな
るため、着用の際、若干、伸び硬く、生地の厚みが増し
て透明感が低下しやすく、更には着用時の蒸れ感を生じ
やすくなるのであまり適当とは言えない。
【0026】本発明において、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を
主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、ト
リメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好
ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以
上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従
って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール
成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モ
ル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ま
しくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチ
レンテレフタレートからなる繊維を包含する。
【0027】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコ
ール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当
な反応条件下に結合せしめることにより合成される。こ
の合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成
分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、
ポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレ
フタレート以外のポリエステルやナイロンと、ポリトリ
メチレンテレフタレートとをブレンドしたり、複合紡糸
(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0028】添加する第三成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン
酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボ
ン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸
等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール
等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール
等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテ
ルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキ
シカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキ
シ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上
のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸、グ
リセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使
用出来る。
【0029】さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等
の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線
吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑
剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃
剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤
等が含有されていてもよい。ポリトリメチレンテレフタ
レート繊維を製造する方法としては、例えば、1500
m/分程度の巻取り速度で溶融紡糸して未延伸糸とし、
2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸と延撚工程を直
結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000
m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何
れを採用しても良い。
【0030】又、本発明に用いるポリトリメチレンテレ
フタレート繊維は、形態が長さ方向に均一なものや太細
のあるものでもよく、断面が丸型、三角、L型、T型、
Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形
型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。単糸繊度
は、好ましくは0.11〜5.6dtex、より好まし
くは0.56〜4.4dtexであり、トータル繊度
は、好ましくは5.6〜110dtex、より好ましく
は9〜90dtexである。
【0031】本発明におけるストッキングのレッグ部に
は、その少なくとも一部の同一コース内に、二以上の異
なる編目長を有する編目が存在する。図1に本発明の一
実施例を示すストッキング編地のモデルループを示し
た。図1において、ストッキング編地は、ウェール方向
2の同一コース内に、最も短い編目長を有する編目部分
6と、これよりも長い編目長を有する7列の編目部分5
とが配置され、これらがウェール方向1に繰り返して編
成されている。なお、長い編目長5には最も長い編目長
を有する編目部分5Aが含まれる。
【0032】ここで、編目長とは、一つの編み目を形成
するのに必要な長さを意味し、図1に斜線で示したよう
にニードルループ3の長さとシンカーループ4の長さの
和で表される。また長い編目長を有する編み目部分と
は、同一コース内における最も短い編目長を有する編目
部分以外の編目部分をいう。このような同一コース内に
二以上の異なる編み目長を有するストッキングは、編成
カムの上下動で同一コース内で編目長を変えることがで
きる装置を備えた丸編機を用いて製造することができ
る。
【0033】一般的な丸編機は、その軸を中心に回転運
動を行う円筒(シリンダー)に、縦の溝が複数彫られ、
この溝の各々の中に針が1本ずつセットされており、そ
の針が溝に沿って動く仕組みになっている。この針の1
本、1本にはシリンダーに対して放射状に突起部(バッ
ト)が少なくとも1個ついており、このバットが針の横
に設けられた複数のカムによって形成される上昇、下降
の走行路に沿って走行することにより、針が上下する。
糸が供給される箇所において針が上昇したとき、供給さ
れた糸が針にキャッチされ、針が下降したとき、キャッ
チされた糸が先に形成された前コースの編目を抜けるこ
とで新しい編目が形成される。
【0034】糸が供給される箇所に在るカムは、糸の供
給箇所の上手にあって、糸案内装置によって供給される
糸を針がキャッチできる高さまで針を上昇させる針上げ
カムと、糸の供給箇所の下手にあって、糸をキャッチし
た後の針を下げて先に形成された前コースの編目を抜け
て新しい編目を形成する針下げカムとの一対のカムから
なる。コース方向に編針の引き込み深さである度目を変
えて編成を行う、いわゆるファッショニングはこの一対
のカムに対してシリンダー、すなわち針全体を軸方向に
移動させて編針の引き込み深さを変えることによって行
われる。
【0035】これに対して、本発明のストッキングは、
上記の針下げカムが同一コース内で任意に移動する丸編
機より製造され、1ウェール以上、編機針本数未満の任
意ウェール数の異なる編目長を有する編目部分を任意コ
ース数編成することにより、コース方向およびウェール
方向に、異なる編目長を有する任意編目範囲を形成する
ことができる。
【0036】すなわち、同一コース内において1回以
上、針下げカムが移動することにより、針下げカムの元
の位置と、1回以上移動した位置においてそのカム上を
針が通過する間、針下げカムが移動した距離(一般に
1.00mm以下)に応じた編目長を持つ編目部分が形
成される。従って、針下げカムが移動した位置で、その
カムを針が通過する時間をコントロールすることで、1
ウェール以上、編機針本数未満のウェール数における、
任意のウェール間で、針下げカムの移動する距離に応じ
た編目長を有する編目部分を編成することができる。
【0037】また、同一コース内において、針下げカム
の移動や元の位置に戻すことは任意に行うことが可能で
あるため、同一コース内に、二以上の異なる編目長を有
する編目部分を単独または交互に繰り返して任意に設け
ることができる。また、針下げカムは、シリンダーとは
個別に作動するため、上記したファッショニングが行わ
れていても、その各々のコースの度目に応じた編目の編
目長に対し、針下げカムの移動する距離を設定すること
が可能であり、同一コース内に任意の異なる編目長を持
つ編目部分を設けることができる。
【0038】編目長は、針下げカムの移動する距離に応
じて決定されるが、針下げカムが針頭に対して下方位置
に移動したとき、その距離に応じて、針下げカムが移動
する前の元の位置で編成された同一コース内の編目に比
較して編目長の長い編目部分が得られる。また本発明に
おいて、同一コース内における最も短い編目長を有する
編目以外の編目の編目長(以下、長い編目の編目長とも
いう)は、最も短い編目長の105〜145%、好まし
くは110〜140%の範囲にあることが望ましい。長
い編目の編目長が最も短い編目長の105%未満では、
着用したときの足周方向の着圧差が小さくなる。この着
圧差が小さいと全体が均一に締め付けられ、筋肉に沿っ
た適切な着圧設計が行えず、足の血行促進および足の疲
れや浮腫を軽減させることができない。一方、長い編目
の編目長が最も短い編目長の145%を越える場合に
は、締め付け力が減少し、フィット感、着用快適感ひい
ては疲れにくい等の効果が得られない。ここで、着圧と
は、ストッキングを着用したときに、体(特に脚部)に
接して与えるストッキングの締め付け力をいう。
【0039】本発明のストッキングのレッグ部各部位へ
の締め付け力は、同一コース内における二以上の異なる
編目長を有する各々の編目部分で異なり、その締め付け
力は各々の編目部分の編目長と編目数によって決定され
る。例えば、同一コース内に、他の編目に比較して長い
編目長を有する編目部分がある場合、同一コース内で両
編目部分の着圧差を比較すると、編目長の長い編目部分
の着圧は他の編目部分に比べて小さく、編目長の短い編
目部分の着圧は他の編目部分に比べ大きい。すなわち、
両者の着圧差はその編目長の差により決定され、編目長
の差が大きいほど着圧差が大きくなる。なお、上述した
丸編機における針下げカムの移動可能な距離は、ストッ
キング用丸編み機の構造上、一般には1.00mm以下
であるため、最も短い編目長より150%以上の長い編
目長を形成することはできない。
【0040】また本発明において、編み目長の長短によ
る着圧差を効果的に発現させる点から、同一コース内に
おける長い編目長を有する編目数(ウェール数)は、同
コースの総編目数の5〜80%であることが好ましく、
より好ましくは10〜50%である。長い編目長を有す
る編目数が5%未満の場合または80%を越える場合に
は、着圧差が小さすぎ、フィット感、着用圧快適感ひい
ては疲れにくい等の効果が十分には得られにくい。
【0041】このように、少なくともレッグ部の一部に
おいて、目的に応じた着圧差が生じるよう、同一コース
内に二以上の異なる編目長を有する1ウェール以上で編
機針本数未満の任意ウェール数および任意コース数から
なる任意の編目範囲を単独または組み合わせることによ
り、ウェール方向に着圧差を付与できるストッキングを
得ることができる。このとき、任意の編目範囲にある柄
の種類としては、後記する図2に示すような縦すじ柄が
好ましい。
【0042】同一コース内における最も長い編目長を有
する編目部分5Aを足前面に位置させるほうが、筋肉深
部の血流を促進し、血行が促進され、浮腫、怠さの緩和
を促すことができる。さらに好ましくは同一コース内に
おける最も長い編目長を有する編目部分5Aを足前面
に、かつ同一コース内における最も短い編目長を有する
編目部分を足後面に位置させるほうが、筋肉深部の血流
促進効果や血行促進効果がさらに増進し、浮腫、怠さの
緩和がより効果的となり、快適な着用感が継続される。
なお、本発明において、足前面とは、ストッキングを着
用した状態で正面から見たときに見える部分をいい、足
後面とはこれ以外の部分をいう。
【0043】また、最も短い編目長を有する編目部分6
と長い編目長を有する編目部分を交互に配置してもよい
が、外観的にすっきりした物が得られず、着用した際の
足の美しさが損なわれる場合がある。また、着圧差を設
けた同一コース内の編目部分、またはコース、ウェール
両方向の任意の編目範囲の糸使い、編組織は特に限定さ
れないが、同一糸使い、同一編組織とするのが好まし
い。
【0044】図2は、本発明の一実施例を示すパンティ
ストッキングの説明図であり、(A)には正面図を、
(B)には側面図を示した。図2において、パンティス
トッキング11は、ウエストのゴム部分のウエルト部
7、ヒップ部分のパンティ部8、脚部のレッグ部9およ
びつま先部のトウ部10で構成され、レッグ部9は、コ
ース方向に縦すじ状に編成された長い編目長を有する編
目部分5と、最も短い編目長を有する編目部分6とから
なる。
【0045】長い編目長を有する編目部分と最も短い編
目長を有する編目部分の分布形態としては、長い編目長
を有する編目部分5と短い編目長を有する編目部分6と
の間で、針下げカムの移動する距離を、一般に1.00
mm以下の範囲で漸増または漸減させたほうが好まし
い。すなわち、編目長にグラデーションを現出させるこ
とができ、長い編目長を有する編目部分5と最も短い編
目長を有する編目部分6のラインが目立たず、ぼかし機
能を発揮する。
【0046】このような構成のパンティストッキングで
は、脚部の後ろ側に着圧の強い部分を有し、疲れやすい
ふくらはぎ部などが優先的に締め付けられるため、快適
なフィット感が得られ、また浮腫や疲労感を効果的に低
減することができる。本発明のストッキングを製造する
方法はとくに限定されないが、例えば、一般にいうスト
ッキング用丸編機を用いることが出来る。この場合、針
本数は300本から600本、釜径(釜の直径)は7.
62cm(3インチ)から12.7cm(5インチ)が
好ましい。
【0047】本発明のストッキングの編組織は、特に限
定されず、ニット、タック、ウエルトの組織、または、
これらの組合せであって、これにより柄が表現されてい
てもよい。又、ストッキングを構成するループの大きさ
も特に限定されず、例えば、コース方向に編針の引き込
み深さである度目を変えて編成を行う、いわゆるファッ
ショニングや、交編ストッキングの場合などで用いられ
るカバリング糸とストレート糸又は仮撚加工糸など、い
わゆる伴糸のループの大きさを変えてもよい。
【0048】又、ストッキングを構成するループの大き
さも特に限定されず、例えば、コース方向に編針の引き
込み深さである度目を変えて編成を行う、いわゆるファ
ッショニングや、交編ストッキングの場合などで用いら
れるカバリング糸とストレート糸又は仮撚加工糸など、
いわゆる伴糸のループの大きさを変えても良い。ストッ
キングのプレセット条件、縫製条件、染色条件、仕上剤
条件、ファイナルセット条件等は特に限定されず、適宜
選択すればよい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、実施例などにより本発明を
具体的に説明する。尚、測定方法、評価方法等は下記の
通りである。 (1)ポリウレタン弾性糸の繊度(dtex) 20℃、相対湿度65%雰囲気下で、ポリウレタン弾性
糸を無緊張かつ無荷重で直線状に静置し、24時間放置
し放縮させる。この後、試料を1000mmの長さで切
断したものを10本合わせて秤量し、10000mあた
りの質量に換算し、その値を繊度(dtex)とする。
【0050】(2)原糸或いは仮撚加工糸の強度・伸度 JIS−L−1013・1069・1095 引張強伸
度試験方法に準ずる。 (3)原糸或いは仮撚加工糸のヤング率 JIS−L−1013・1015・1095 初期引張
抵抗度(ヤング率)試験方法に準ずる。
【0051】(4)原糸或いは仮撚加工糸の伸縮伸長率
・伸縮弾性率 JIS−L−1090 伸縮性試験方法に準ずる。 (5)編目長 測定部位は、M寸人体足型にM寸パンストを着用させた
ときの、下腿部(下腿最大部を中心とする部分)の拡大
写真を撮影し、同一コース内における長い編目長を有す
る編目部分と最も短い編目長を有する編目部分の編目長
を、各々測定する。
【0052】最も短い編目長を有する編目部分の編目長
に対する、同一コース内における長い編目長を有する編
目部分の編目長の割合(X)を、次式で算出する。な
お、測定数はパンスト3点とし、これらの平均値を評価
値とした。 X(%)=〔(長い編目長を有する編目部分の編目長)
/(最も短い編目長を有する編目部分の編目長)〕×1
00 (6)フィット性 パネラー10名による官能テストを行い、着用時のフィ
ット性について評価した。フィット性について、非常に
良好を5、良好を4、どちらともいえないを3、やや不
良を2、不良を1とした5段階評価を行い、10名の平
均値を評価値とした。
【0053】(7)レッグ部の透明感 パネラー10名による官能テストを行い、着用時のレッ
グ部の透明感について評価した。レッグ部の透明感につ
いて、非常に良好を5、良好を4、どちらともいえない
を3、やや不良を2、不良を1とした5段階評価を行
い、10名の平均値を評価値とした。
【0054】(8)風合い(ソフト感) パネラー10名による官能テストを行い、着用時のソフ
ト感について評価した。ソフト感について、非常に柔ら
かいを5、柔らかいを4、どちらともいえないを3、や
や硬いを2、硬いを1とした5段階評価を行い、10名
の平均値を評価値とした。
【0055】(9)風合い(ドライ感) パネラー10名による官能テストを行い、着用時のドラ
イ感について評価した。ドライ感について、非常にドラ
イであるを5、ドライであるを4、どちらともいえない
を3、ややヌメっているを2、ヌメっているを1とした
5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0056】(10)締め付け感(緊迫力) パネラー10名による官能テストを行い、着用時のレッ
グ部の締め付け感について評価した。測定部位は下腿部
最大周径部の前面及び後面とし、レッグ部の締め付け感
について、適度な締め付け感があり非常に良好を5、良
好を4、どちらともいえないを3、やや不良を2、不良
を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値
とした。
【0057】(11)着用圧快適感 パネラー10名による着用評価を行い静止時、運動時
(5分間の踏み台昇降を1分間の休憩をはさんで3回繰
り返し)におけるフィット感、着用圧快適感を評価し
た。着用圧快適感については、「非常に良好」を5、
「良好」を4、「どちらともいえない」を3、「やや不
良」を2、「不良」を1とした5段階評価を行い、10
名の平均値を評価値とした。
【0058】(12)運動後の疲労感 パネラー10名による着用評価を行い、運動後(5分間
の踏み台昇降を1分間の休憩をはさんで3回繰り返し)
における疲労感を評価した。運動後の疲労感について
は、「疲れを感じさせない」を5、「疲れを感じさせに
くい」を4、「どちらともいえない」を3、「疲れを感
じさせやすい」を2、「疲れを感じさせる」を1とした
5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0059】(13)摩耗耐久性 パネラー10名による着用評価後のものについて摩耗耐
久性について評価した。摩耗耐久性について、非常に良
好を5、良好を4、どちらともいえないを3、やや不良
を2、不良を1とした5段階評価を行い、10名の平均
値を評価値とした。
【0060】(14)膝部及び踵部の抜け パネラー10名による着用評価を行った。パネラーがパ
ンティストッキングを8時間着用し、脱着後、20℃、
65%RHの環境下に1時間放置した後、形態を評価し
た。着用前の状態に比べて、膝部及び踵部の抜けが、全
くないを5、若干抜けるを4、抜けているを3、かなり
抜けているを2、抜けて着用困難を1とした5段階評価
を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0061】〔実施例1〕ηsp/c=0.8のポリト
リメチレンテレフタレートを用い、紡糸温度265℃、
紡糸速度1200m/分で未延伸糸を得、次いで、ホッ
トロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延
伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、56d
tex/36f、33dtex/24f、33dtex
/10f、13dtex/3f、9dtex/4fの延
伸糸を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率並びに10%
伸長時の弾性回復率は表1に示すとおりである。
【0062】尚、10%伸長時の弾性回復率は、試料に
0.0088cN/dtexの初荷重をかけ、毎分20
%の伸びを一定割分の速度で伸ばし、伸度10%になっ
たところで今度は逆に同じ速度で収縮させて、応力−歪
曲線を画く。収縮中、応力が初荷重と等しい0.008
8cN/dtexにまで低下した時の残留伸度をLと
し、下記式で算出した。
【0063】10%伸長時の弾性回復率(%)=[(1
0−L)/10]×100 上記の延伸糸を、三菱重工業(株)製LS−2仮撚加工
機(第1ヒーターは接触式、第2ヒーターは未使用、加
撚機構はピン方式)を用いて、スピンドル回転数27
5,000rpm、仮撚数は各ストレート糸に適した条
件、第1フィード率は±0%の条件でヒーター仮撚加工
を行い、S、Zそれぞれに加撚した1ヒーターの仮撚加
工糸を得た。仮撚加工の条件および得られた加工糸の物
性は表2に示すとおりである。
【0064】得られたポリトリメチレンテレフタレート
繊維を用い、下記条件で各種のパンティストッキングを
製造した。釜径10.16cm(4インチ)、針本数4
00本の通常のパンティストッキング用丸編機を用い
て、コース方向全部位において針本数400本の内、1
00本は針下げカムを、同コースの他の位置に対して
0.6mm下げて編成したパンティストッキングの生機
を得た。
【0065】なお、ウエルト部は155dtexのポリ
ウレタン弾性糸、56dtex/36fのポリトリメチ
レンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(a)、片岡機械
(株)製カバリング機を用い33dtexのポリウレタ
ン弾性糸をドラフト3.0で延伸し、33dtex/1
0fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工
糸を、S、Zそれぞれ600T/mでシングルカバリン
グしたカバリング糸(b)を用いて交編し(1:1タッ
クの組織にて編成)した。
【0066】また、パンティ部及びトウ部は、仮撚加工
糸(a)とカバリング糸(b)を用いて交編し(天竺組
織にて編成;尚、パンティ部の一部にランガードとして
同一の糸使いで1:1タックの組織にて編成)、レッグ
部は、片岡機械(株)製カバリング機を用い44dte
xのポリウレタン弾性糸をドラフト3.0で延伸し、1
3dtex/3fのポリトリメチレンテレフタレート繊
維のストレート糸を、S、Zそれぞれ1800T/mシ
ングルカバリングしたカバリング糸(c)のみを用い
た。
【0067】次いで、通常の方法でプレセットを行った
後、上記で得られたパンティストッキングの生機を縫製
糸(33dtex/10fのポリトリメチレンテレフタ
レート繊維の仮撚加工糸を2本合撚したもの)を用い
て、コース方向全部位において針本数400本の内、1
00本は針下げカムを、同コースの他の位置に対して
0.6mm下げて編成した箇所が足前面に位置するよう
に配置し、股部及びトウ部を縫製した。
【0068】次いで、通常の方法でパンティストッキン
グの一般色である茶色に酸性染料で染色、仕上剤処理、
ファイナルセットを行い製品とした。着用の状態での評
価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明
感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労
感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであっ
た。
【0069】〔実施例2〕実施例1において、針下げカ
ムを同コースの他の位置に対して0.5mm下げて編成
した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキン
グを作成した。着用の状態での評価結果は表3に示すと
おりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け
感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部
・踵部の抜けに優れたものであった。
【0070】〔実施例3〕実施例1において、針下げカ
ムを同コースの他の位置に対して0.4mm下げて編成
した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキン
グを作成した。着用の状態での評価結果は表3に示すと
おりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け
感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部
・踵部の抜けに優れたものであった。
【0071】〔実施例4〕実施例1において、コース方
向全部位において針本数400本の内、200本は針下
げカムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げ
て編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティスト
ッキングを作成した。着用の状態での評価結果は表3に
示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め
付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、
膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
【0072】〔実施例5〕実施例1にて、コース方向全
部位において針本数400本の内の200本間におい
て、20本は針下げカムを同コースの他の位置に対して
0.6mm下げた位置、次の20本を通常の0mm位置
にし、交互に配したものを各々5回繰り返し編成した以
外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作
成した。
【0073】着用の状態での評価結果は表3に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに優れたものであった。 〔実施例6〕実施例1において、レッグ部に44dte
xのポリウレタン弾性糸を片岡機械(株)製カバリング
機を用いドラフト3.0で延伸し、9dtex/4fの
ポリトリメチレンテレフタレート繊維のストレート糸を
上撚りとしてS方向に2000T/m、下撚りとしてZ
方向に1800T/mでダブルカバリングしたカバリン
グ糸(d)のみを用いた以外は、実施例1と同様にして
パンティストッキングを作成した。
【0074】着用の状態での評価結果は表3に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに優れたものであった。 〔実施例7〕実施例4において、レッグ部にカバリング
糸(d)を用いた以外は、実施例4と同様にしてパンテ
ィストッキングを作成した。
【0075】着用の状態での評価結果は表3に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに優れたものであった。 〔実施例8〕実施例1において、ウェルト部に155d
texのポリウレタン弾性糸、パンティ部、レッグ部、
トウ部に44dtexのポリウレタン弾性糸をドラフト
3.0で延伸し、33dtex/24fのポリトリメチ
レンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を用い、片岡機械
(株)製カバリング機でS加撚した仮撚加工糸をS方向
に1200T/m、Z加撚した仮撚加工糸はZ方向に1
200T/m、でシングルカバリングしたカバリング糸
(e)を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリ
ング糸(e)を用いた以外は、実施例1と同様に天竺組
織で編成しタイツを作成した。
【0076】着用の状態での評価結果は表3に示すとお
りであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快
適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜け
に優れたものであった。 〔実施例9〕実施例4において、パンティ部、レッグ
部、トウ部にカバリング糸(d)を用いた以外は、実施
例4と同様に天竺組織で編成しタイツを作成した。
【0077】着用の状態での評価結果は表3に示すとお
りであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快
適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜け
に優れたものであった。 〔実施例10〕実施例1において、ウェルト部に155
dtexのポリウレタン弾性糸、パンティ部、レッグ
部、トウ部に44dtexのポリウレタン弾性糸を片岡
機械(株)製カバリング機を用いドラフト3.0で延伸
し、13dtex/3fのポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維の仮撚加工糸を上撚りとしてS方向に1200
T/m、下撚りとしてZ方向に1000T/mでダブル
カバリングしたカバリング糸(f)を用いた以外は、実
施例1と同様に天竺組織で編成しタイツを作成した。
【0078】着用の状態での評価結果は表3に示すとお
りであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快
適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜け
に優れたものであった。 〔実施例11〕実施例4において、ウェルト部に155
dtexのポリウレタン弾性糸、パンティ部、レッグ
部、トウ部に44dtexのポリウレタン弾性糸を片岡
機械(株)製カバリング機を用いドラフト3.0で延伸
し、13dtex/3fのポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維の仮撚加工糸を上撚りとしてS方向に1200
T/m、下撚りとしてZ方向に1000T/mでダブル
カバリングしたカバリング糸(f)を用いた以外は、実
施例4と同様に天竺組織で編成しタイツを作成した。
【0079】着用の状態での評価結果は表3に示すとお
りであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快
適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜け
に優れたものであった。 〔比較例1〕実施例1において、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維に代えてナイロン6を用い、針下げカム
を同一コースの他の位置に対して0.2mm下げて編成
した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキン
グを作成した。
【0080】着用の状態での評価結果は表4に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例2〕実施例1において、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維に代えてナイロン6を用い、針下げカム
を同一コースの他の位置に対して0.65mm下げて編
成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキ
ングを作成した。
【0081】着用の状態での評価結果は表4に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例3〕実施例1において、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向
全部位において針本数400本の内、390本は針下げ
カムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げて
編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッ
キングを作成した。
【0082】着用の状態での評価結果は表4に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例4〕実施例1において、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向
全部位において針本数400本の内、10本は針下げカ
ムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げて編
成した以外は、実施1と同様にしてパンティストッキン
グを作成した。
【0083】着用の状態での評価結果は表4に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例5〕実施例1において、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向
全部位において針本数400本の内、100本は針下げ
カムを同コースの他の位置に対して0.6mm下げた位
置、次の100本を通常の0mm位置にし、交互に配し
たものを各々2回繰り返し編成した以外は、実施例1と
同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0084】着用の状態での評価結果は表4に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例6〕実施例1において、ポリトリメチレンテレ
フタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向
全部位において針本数400本の内、20本は針下げカ
ムを同コースの他の位置に対して0.6mm下げた位
置、次の20本を通常の0mm位置にし、各々10回繰
り返し交互に配して編成した以外は、実施例1と同様に
してパンティストッキングを作成した。
【0085】着用の状態での評価結果は表4に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例7〕比較例3において、カバリング糸(d)を
用いた以外は、比較例3と同様にしてパンティストッキ
ングを作成した。
【0086】着用の状態での評価結果は表4に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例8〕比較例4において、カバリング糸(d)を
用いた以外は、比較例4と同様にしてパンティストッキ
ングを作成した。
【0087】着用の状態での評価結果は表5に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例9〕比較例5において、カバリング糸(d)を
用いた以外は、比較例5と同様にしてパンティストッキ
ングを作成した。
【0088】着用の状態での評価結果は表5に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例10〕比較例6において、カバリング糸(d)
を用いた以外は、比較例6と同様にしてパンティストッ
キングを作成した。
【0089】着用の状態での評価結果は表5に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例11〕比較例3において、カバリング糸(e)
を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸
(e)を用いた以外は、比較例3と同様にしてタイツを
作成した。
【0090】着用の状態での評価結果は表5に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例12〕比較例4において、カバリング糸(e)
を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸
(e)を用いた以外は、比較例4と同様にしてタイツを
作成した。
【0091】着用の状態での評価結果は表5に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例13〕比較例5において、カバリング糸(e)
を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸
(e)を用いた以外は、比較例5と同様にしてタイツを
作成した。
【0092】着用の状態での評価結果は表5に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。 〔比較例14〕比較例6において、カバリング糸(e)
を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸
(e)を用いた以外は、比較例6と同様にしてタイツを
作成した。
【0093】着用の状態での評価結果は表5に示すとお
りであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵
部の抜けに問題があるものであった。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】なお、表3、4、5において、針下げカム
部分のウエール数にて、分母はコース方向全部位におけ
る針本数を示し、針下げカム部分の割合(%)は、全編
目部分に対する編目長が長い編目部分の割合である。
【0100】
【発明の効果】本発明のストッキングは、従来のものに
比較して、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、
着用圧快適感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れた
ストッキングであり、医療用ストッキング、スポーツ用
ストッキング等に用いることができる。さらにまた、手
袋などに応用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すストッキング編地のモ
デルループを示す図である。
【図2】本発明の一実施例を示すパンティストッキング
の説明図であり、(A)は正面図、(B)は側面図であ
る。
【符号の説明】
1…足長方向(ウェール方向) 2…足周方向(コース方向) 3…ニードルループ 4…シンカーループ 5…長い編目長を有する編目部分 5A…最も長い編目長を有する編目部分 6…最も短い編目長を有する編目部分 7…ウエルト部 8…パンティ部 9…レッグ部 10…トウ部 11…パンティストッキング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B018 AA01 AB02 AC01 AD05 HA05 HB01 4L035 BB31 BB77 BB89 BB91 EE20 FF08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともレッグ部がポリトリメチレン
    テレフタレート繊維で構成されているストッキングであ
    って、レッグ部の少なくとも一部の同一コース内に、二
    以上の異なる編目長を有する編目部分が存在し、且つ、
    前記編目のうち最も短い編目長を有する編目以外の編目
    の編目長が、最も短い編目長の105〜145%の範囲
    にあることを特徴とするストッキング。
  2. 【請求項2】 前記コース内における前記最も短い編目
    長を有する編目以外の編目の編目数が、総編目数の5〜
    80%であることを特徴とする請求項1記載のストッキ
    ング。
  3. 【請求項3】 前記コース内における前記編目のうち、
    最も長い編目長を有する編目部分を足前面に位置させて
    なることを特徴とする請求項1または2に記載のストッ
    キング。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200112A (ja) * 2005-06-03 2006-08-03 Gunze Ltd ストッキング類
JP2014152420A (ja) * 2013-02-12 2014-08-25 Asahi Kasei Fibers Corp 体型補整衣料に適した弾性編地及び製造方法
WO2017115445A1 (ja) * 2015-12-29 2017-07-06 株式会社アシックス 運動用のウェアおよびその使用方法

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