明 細 書 無 電 解 金 め つ き 液
【産業上の利用分野】
本発明は、 金源と して塩化金( I I 1 )酸も し く は亜硫酸 又はチォ硫酸の金( I )錯塩を用いた無電解金めつ き液に 関する。
【背景技術】
無電解金めつ き法は、 その優れた機能特性から複雑な 微細回路や リ ー ドのと り に く い孤立 した部分等へのめつ きが必要と される電子工業分野において幅広 く 利用 され ている。 従来、 一般に使 ίΠ されている無電解金めつ き液 と しては、 金( I )イ オ ンの錯化剂と して毒性の強いシァ ン化合物を含んだものが用いられてお り 、 これを、 高温— 度、 強アルカ リ 条件で使 fflするのが通例であ った。 その ため前述 した如き用途に用いる場台においては、 回路の マスキングに用いた レ ジス トが剥離する とか、 あるいは アルカ リ によ り セラ ミ ッ ク基板素地が侵蝕される等の問 題がおこ り 、 また、 シア ン化合物を含有する無電解金め つ き浴は非常に毒性が高 く 、 取 り扱いや保管上及び管理 上の問題があ り 、 さ らに実作業環境の安全性や廃液処理 経済面についての問題が存在 していた。
他方、 シア ン化合物を用いない金めつ き液と しては、 代表的な ものと して金源に塩化金( I I I )酸を川いた金 'め つ き液が知られている(例えば、 米国特許 4 1 4 2902、 英国
特許 21 14 159参照) 。 こ の塩化金(I I I )酸塩を fflいた金め つ き液は、 塩化金( 1 I I )酸塩と組成成分の亚硫酸又はチ ォ硫酸の塩 《#^ の金錯塩を形成する と されている もので、 シア ン化合物を川いないめつ き液と して実 ffl化 されている。
また、 塩化金( I I I )ナ ト リ ウムまたはチォ硫酸金( I ) ナ ト リ ウムを金源と して fflい、 亚硫酸ナ ト リ ウム、 チォ 尿素を組成成分 とする め つ き 液に関 しては、 米国特許 4804559及び 4880464が知られている。 これら米国特許に 記載されているめっ き液は弱酸性条件においてめっ きが 可能であるが、 めっ き速度が遅 く 、 めっ き速度を上げる ためには高温条件を必要とする。 また、 連続的なめ っ き も可能であるが、 5 ii m以上の厚付けには、 80 °Cの高温条 件でも、 長時間のめっ きを行な う必要がある。
本発明者らは、 先に、 上記塩化金( I 1 I )酸を金源とす る無電解金めつ き液の改良と して、 還元成分と してァス コ ル ビ ン酸を用いた金め つ き液を提供 した (特開 ¥ 1 - 191782号公報参照) 。 この無電解金めつ き液は、 塩化金 ( I I I )酸又はその塩、 亜硫酸又はチォ硫酸のアルカ リ 金 属塩又はア ンモニゥ ム塩、 ァス コルビン酸又はその塩を 組成成分とする もので、 低温度な らびに中性付近の pll条 件で実用的なめっ き速度が得 られ、 また、 セラ ミ ッ クお 板を侵すこ とがな く 、 マスキ ングした レ ジス ト を剥離す る こ と もな しにプ リ ン ト基板等の微細な回路ゃ リ 一 ドの 金めつ き液と して使用 し得る という優れた ものである。
しか しながら、 こ の無電解金めつ き液について も使川 中に微量の沈殿を生成 した り 、 建浴後保存中に金微粒子 の沈殿を生 '安定性の面で解決すべき課题が存 在 してお り 、 満足 し得る ものではない。 こ の場合に、 亚 硫酸金( I )錯塩又はチォ硫酸金( I )錯塩を金源とする金 めっ き浴や塩化金( I I I )酸塩と亜硫酸、 チォ硫酸とから 内部的に金錯体を形成せ しめる金めつ き浴の安定性が保 たれない原因は、 実証的には明 らかに されていないが、 以下のよ う な理由が考え られる。
保存 Φあるいはめっ き時の亜硫酸イ オ ン、 チォ硫酸ィ オ ン等の酸化性成分の自然酸化、 濃度減少によ り溶液内 平衡が変化し金錯体が不安定化 し、 金活量が増加 し浴分 解 しやす く なる こ と、 またァスコルビン酸の酸化活性を 高める微量の金属イ オ ンによ る汚染によ り 、 これらを核 と して金微粒子の生成が起こ り 、 分解を促進する こ とに なる こ となどである。
【発明の目的】
本発明の目的は、 優れた安定性を有する無電解金めつ き液を提供する こ とにある。
さ らに本発明の目的は、 中性付近の ρ II条件と比較的 低い温度における穏ゃかな操作条件で高速度でめっ きを 行う こ とが可能であ り 、 さ らに安定性の点でも優れてい る無電解金めつ き液を提供する こ とにある。
【発明の開示】
本発明者らは、 無電解金めつ き液の安定性の向上を目
的 と して鋭意研究を行っ た結果、 ( a )金源 と しての塩化 金( I I I )酸又はそ の塩 も し く は亜硫酸又はチォ硫酸の金 ( I )錯塩 ( b )亜硫酸又はチォ硫酸のアル力 リ 金厲塩又 はア ンモニゥ ム塩、 ( c )ァ ス コ ル ビ ン酸又はその塩及び ( d ) p ll緩衝剂を組成成分 と して含有する水溶液よ り な る 無電解金めつ き液に対 して、 2 — メ ルカ プ ト ベ ンゾチア ゾー ル 、 6 —ェ ト キ シー 2 —メ ノレカ プ トべ ン ゾチア ゾー ル、 2 — メ ノレカ プ ト べ ンズイ ミ ダゾール、 2 — メ ノレカ ブ ト ベンゾォキサゾール及びこ れ らの塩か ら選択 された化 合物を含有せ しめる こ と によ り 、 め っ き液の保存時及び めづ き実施時におけ る安定性を著 し く 向上させる こ と力 でき、 長期使用な らびに長期保存における め っ き液の安 定性を改善 し得る こ と を見出 した。
ま た、 本発明者 らは、 無電解金め つ き液の安定性を確 保 しつつ、 かつ、 め っ き速度を向上させる こ とを目的 と して鋭意研究を行 っ た結果、 ( a )金源 と しての塩化金 ( I I I )酸又はその塩 も し く は亚硫酸又はチォ硫酸の金( I ) 錯塩、 (b )亜硫酸又はチォ硫酸のアルカ リ 金属塩又はァ ンモニゥ ム塩、 ( c )ァ ス コ ルビ ン酸又はその塩及び( d ) PH緩衝剤を組成成分 と して含有する水溶液よ り る無電 解金め つ き液において、 ( e ) 2 — メ ノレカ ブ ト ベ ンゾチア ゾーノレ 、 6 — ェ ト キ シ ー 2 —メ ノレカ プ ト べ ンゾチア ゾ一 ノレ 、 2 — メ ルカ プ ト べ ンズイ ミ ダゾ一ル、 2 — メ ノレカ プ ト ベ ン ゾォキサゾ一ル も し く は こ れ らの塩力、 ら選択 され た化合物 と ( f )アルキルア ミ ン化合物、 それ らの硫酸塩
及び塩酸塩から選択された化合物とを添加する こ と に よ り 、 上記の 目的が達成 し得る こ とを見出 した。
すなわち、 本発明は、 ( a )金源と しての塩化金( I I I ) 酸又はその塩 も レ く は亚硫酸又はチ ^硫酸の金( 1 )錯塩 ( b )亚硫酸又はチォ硫酸のアル力 リ 傘厲塩又はア ンモ ニ ゥ ム塩、 ( c )ァ ス コルビ ン酸又はその塩、 ( d ) pll緩衝剤 及び( e ) 2 — メ ノレカ プ トべンゾチア ゾール、 6 — ェ ト キ シー 2 — メ ノレカ ブ ト ベ ンゾチア ゾール、 2 — メ ノレカ プ ト ベ ンズィ ミ ダゾール、 2 — メ ノレカ プ トベ ン ゾォキサ ゾー ル及びそれらの塩か ら選択 された化合物を含有する無 解金めつ き液を提供する ものであ る。
さ らに、 本発明は、 ( a )金源と しての塩化金( I I I )酸 又はその塩 も し く は亜硫酸又はチォ硫酸の金( I )錯塩、 ( b )亚硫酸又はチォ硫酸のアル力 リ 金厲塩又はア ン モ ニ ゥ ム塩、 ( c )ァ ス コルビ ン酸又はその塩及び( d ) pll緩衝 剤を組成成分 と して含有する水溶液よ り な る無電解金め つ き液において、 ( e ) 2 — メ ノレカ ブ ト ベンゾチア ゾ一ル 6 —ェ ト キ シー 2 — メ ノレカ プ 卜べンゾチア ゾール、 2 — メ ルカ プ ト べ ンズィ ミ ダゾール、 2 — メ ノレカ プ ト べ ンゾ ォキサゾールも し く はこれ らの塩か ら選択された化合物 と ( f )アルキルア ミ ン化合物、 それ らの硫酸塩及び塩酸 塩か ら選択 された化台物 とを提供する ものであ る。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる無電解金め つ き液の好ま しい態様は以 下のよ う に説明 される。
金塩と して 0.001-0. lOmolZ リ ッ ト ノレ、 亜硫酸ナ ト リ ゥ ム 0.01〜 1. Omol/ リ ッ ト ノレ、 チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 0.01 〜 1. OmolZ リ ッ ト ノレ、 り ん酸ナ ト リ ゥ ム 0.01〜 1. Oraol リ ツ ト ル、 ァ ス コ ル ビ ン酸又はそのナ ト リ ウ ム塩 0. 001 〜 1. Omol / リ ッ ト ル及び 2 — メ ノレカ プ ト べ ン ゾチア ゾ一 ル、 6 —エ ト キ ン 一 2 — メ ノレカ プ ト べ ンゾチア ゾー ル、 2 — メ ノレカ プ トべ ンズイ ミ ダゾ—ル又は 2 — メ ノレカ プ ト ベンゾォキサゾールと して 6 10 - 7 ~ 3 x l0 - 3raol / リ ッ トル、 アルキルア ミ ン化台物 0. 0001〜0. 05molZリ ツ ト ルを含有する。
上記のアルキルァ ミ ン化合物及びその塩の具体的な化 合物 と しては、 エチ レ ン ジ ァ ミ ン、 エチ レ ン ジ ァ ミ ン塩 酸塩、 エチ レ ン ジア ミ ン硫酸塩、 ジエチ レ ン ト リ ア ミ ン ト リ エチ レ ンテ ト ラ ミ ン、 テ ト ラ エ チ レ ンへキサ ミ ン、 1, 2—プ ロ パ ン ジ ア ミ ン、 1, 3— プロノ、。 ン ジ ア ミ ン、 エ タ ノ ーノレア ミ ン、 ト リ エタ ノ ーノレア ミ ン、 へキサメ チ レ ン テ ト ラ ミ ン等を例示する こ とができ る。
本発明者 らは、 本発明にかかる無電解金め つ き液組成 と、 得 られる め っ き速度とめ っ き液安定性と の関係につ いて種々 検討 した と こ ろ、 以下の如き知見を得た。
(1) 金源と して用い られる塩化金( I I I )酸又はその塩 も し く は亜硫酸又はチォ硫酸の金( 1 )錯塩の使用量につ いては、 0. 001〜 0. 1 m 01 Zリ ツ トルが好ま しいが、 特に 好ま し く は 0.005〜 0.05raol/ リ ッ ト ノレであ る。 0. OOlmol Z リ ッ ト ル以下では実用的なめ っ き速度は得 られず、 ま
た 0. lmol/ リ ッ ト ル以上では金の沈殿が生 じやす く な り ま た経済的に も不利であ る。
(2) 亜硫酸塩については例えばナ ト リ ゥ ム塩と して、 0.01〜 1. Omol リ ッ ト ノレ力、'好ま しいが、 特に好ま し く は 0. 04〜 0.5 m 01 / リ ッ トノレである。 0. 01 ra o 1 Zリ ッ トメレ以 下では液が不安定で分解 しやす く 、 l. OmolZ リ ッ ト ル以 上ではめ つ き速度が著 し く 低下 し、 実 ffl的に好ま し く な い o
(3) チォ硫酸塩については、 例えばナ ト リ ウ ム塩と し て、 0.01〜 1. OmolZ リ ッ ト ルが好ま しいが、 特に好ま し く は 0. 04〜 0.5 m 01 /リ ッ トノレである。 0.01 m o 1 Zリ ッ ト ル以下ではめ つ き液の安定性を欠き分解を生 じ易 く 、 ま た、 1. Oraol リ ツ ト ル以上ではめ つ き反応に格別効果を 示 さ ない。
(4) pH緩衝剤と しては、 例えば り ん酸水素ナ ト リ ウ ム によ り 調製された緩衝液が好適であ り 、 その含有量は、 0.01〜: I. OmolZ リ ッ ト ルが好ま しいが、 特に好ま し く は 0. 05〜 0.5 m 0 i Zリ ッ ト ノレである。 0.01 m 01 /リ ッ ト ノレ以 下ではめ つ き面の粗雑化が生 じ易い。 ま た、 l. OraolZ リ ッ ト ル以上では、 格別の効果は期待されない。
(5) ァ ス コルビ ン酸については例えばナ ト リ ウ ム塩と して、 0. 001〜 1. 0 m 01 Zリ ッ トルが好ま しいが、 特に好 ま し く は 0.01〜 0. δπιοΐΖ リ ッ ト ルであ る。 0. OOlmolZ リ ッ ト ル以下ではめ つ き速度が遅 く 、 また、 1. Orao 1ノ リ ツ ト ル以上ではめ つ き液が不安定 とな り 、 分解を生 じ易 く
なる。
( 6 ) 2 — メ ノレカ ブ ト ベ ン ゾチ ア ゾー ノレ 、 6 —ェ 卜 キ シ - メ ルカ プ 卜 べ ン ゾチ ア ゾール、 2 — メ ノレカ プ ト べ ンズイ ミ ダゾ一ル、 2 — メ ノレカプ トベンゾォキサゾ一ル 又はその誘導体も し く はその塩については、 6 X 1 0 - 7〜 3 X 1 0— 3 m 0 1 / リ ツ トルが好ま しいが、 特に好ま し く は 6 X 1 0— 6〜 6 X 1 0 5 m o 1 Z リ ツ トルである。 6 x 1 0 7 m o 1 リ ツ トル以下ではめつ き液が不安定とな り 、 分解を生 じ易いので好ま し く ない。 また、 3 X 1 0— 3 m 0 1 Zリ ッ 卜 ル以上ではめつ き液の安定性は増大するが、 めつ き速度' が遅 く な り好ま し く ない。
( 7 ) 使用時においてめつ き液の p Hは、 めっ き液成分が 分解 しない範囲内において硫酸又はカセイ ソーダ液によ り適時調整する。 好ま しい p H域は 5 〜 9 、 特に pll 6 〜 8 の範囲である。
( 8 ) めっ き液の操作温度は 50〜 80 °Cの範囲で選択でき るが、 好ま し く は 50〜 70 °C、 さ らに好-ま し く は 55〜 65 °C である。 このよ う な低温度においてめつ き可能である こ とは、 被めつ き対照物が温度に抵抗を有 しない物体の場 合、 特に好都合であ り 、 こ のこ とは、 さ らにエネルギー の節約、 作業者の安全性の点から も従来の無電解金めつ き液にない優れた利点を もた らす。
【実施例】
次に、 本発明の実施例を掲げ、 本発明を具体的に説明 する。
例 1
下記組成の無電解金め つ き液(Λ )を用い、 後掲表 1 に 示 されている 0· lppm、 0·5ρρπιゝ i, Oppraおよ び 5· Oppmの各 種濃度において 2 — メ ルカ ブ トベ ン ゾチア ゾールを含有 せ しめた各液を調製 し、 室温で保存 した場合の各液の安 定性を調べた。 その結果は表 1 に示 した と お り であ る。
無電解金め つ き液(Λ )
塩化金(III)酸ナ ト リ ウ ム 金 と して 2g / L 亜硫酸ナ ト リ ウ ム 10g / L チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 20g / L
L—ァ ス コ ノレ ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40g Z L り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 9g / L り ん酸二水素一ナ ト リ ウ ム 3g Z L pll 7.0
表 1 に見 られる よ う に、 2 — メ ノレカ プ ト べ ンゾチア ゾ ールを含有 していない浴 (対照) では、 建浴後 2 曰 目 に は既に金の沈澱物を生成 し、 不安定で長時間使用及び建 浴後数日間保存する こ と も困難であ っ た。
こ れに対 し、 2 — メ ノレカ ブ ト ベ ンゾチア ゾール 0. lppro 0.5ppmおよび 1. Oppmの各添加浴 (実施例) では、 0. Ippm 添加浴で も 6 曰 PB、 0.5ppmおよ び 1. Oppmの各添加浴では 30日間、 金の沈澱物を生成せず、 無添加の浴の場合に比 較 して安定性は大幅に改善され、 長期間室温で保存が可 能であ っ た。 ま た、 5. Oppm添加浴では、 更に安定性が向 上 し、 2 — メ ルカ プ ト べンゾチア ゾールの添加濃度が高
いほ ど安定性が良 く な る傾向にあ る こ と も判っ た。 こ れ らの実施例か らみて本発明に係る無電解金め つ き液が、 浴の安定性向上に著 しい効果を有する ものであ る こ とが 認め られる。
例 2
例 1 に記載さ れている無電解金め つ き組成液( Λ )に対 し、 表 2 に示 されている 各種濃度の 2 — メ ルカ プ トベ ン ゾチア ゾールを含有せ しめた各液を ^い、 め っ き試片 と して、 大き さ 2 cm x 2 cro、 厚さ 0. 1 mmの圧延ニ ッ ケル板 に厚さ 3 /i mのニ ッ ケル皮膜を、 次に厚さ 3 (1 mの金皮膜を それぞれ電気め つ き した ものを用い、 浴負荷 0.8dm 2 L 温度 60°C、 撹拌条件で (5 時間め つ き を行な っ た。 そ の結 果は表 2 に示されている。
表 2 に見 られる よ う に、 2 — メ ノレカ プ ト べ ンゾチア ゾ —ルを含有 していない浴 (対照) では、 約 3 時間で浴中 微量金沈澱物の生成がは じま り 、 6 時間以上使用する こ とは困難であ っ た。
こ れに対 し、 2 — メ ルカ プ ト ベ ンゾチア ゾール添加浴 (実施例) では、 6 時間め つ き 中に金沈澱物の生成は全 く 認め られず、 浴の安定性が向上 した。 ま た金の析出速 度については、 添加量 1 p p m以下の も のでは無添加の場 合 と同様のめ っ き速度であ っ た。 なお、 添加量 2.5ppm以 上の ものでは僅かにめ っ き速度が低下する傾向が認め ら れた。 更に、 添加量 5 ρ p mの も のでは約 3 時 ¾1でめ つ き が停止 した。 金の沈澱物その他分解物の生成は全 く 認め
られな力、つ た o
こ れ らの実施例か らみて本発明に係る無電解め つ き液 は適切な添加濃度では析出速度を低下させる こ とな く 、 浴の安定性向上に著 しい効果を有する ものであ る こ とが 認め られる。
例 3
下記組成の無電解金め つ き液( B )及びこ の金め つ き液 ( B )に 2 — メ ルカ プ ト ベンゾチア ゾール 1 p p mを含有せ しめた金め つ き浴を調製 し、 例 2 と同様のめ っ き試片と め っ き条件で 6 時間め つ き を行い、 室温で一晩放置後、 翌日 も、 すべて同一条件でめ っ き を行 う と い う 同 じ繰 り 返 し操作を 3 日 P 行 つ た。
無電解金めつ き液(B )
塩化金酸ナ ト リ ウ ム 金と して 2. 5 g Z L 亚硫酸ナ ト リ ウ ム 1 1 / L
チォ硫酸ナ ト リ ゥ ム 21 / L
L 一ァ ス コ ノレ ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40 g / L
り ん酸水素ニナ ト リ ゥ ム l O g / L
り ん酸ニ水素ーナ ト リ ウ ム 3 g / L pH 7. 0
その結果、 2 — メ ルカ プ トべ ンゾチア ゾール無添加浴 の場合には 1 曰 目 におけ る 6 時問の平均め つ き速度 1 . 0 /i m/ h rでめ っ き可能であ つ たが、 第 1 日 目 の約 3 時間の めっ き時点で、 め っ き液中に金微粒子の沈澱物が生成'し 更に、 一晩の室温放置中に金沈澱物が徐々 に増加 し、 翌
日 には多量の沈澱物生成が認め られた。 そのため第 2 日 目以降においてばめっ きする こ とができなかった。 これ に対 し、 2 ^ ^" ¾夢 ;ベンゾチァゾ一ル 1 p p m添力 u浴 では、 3 曰間のめっ き期間屮金の沈澱物等の浴中分解物 が全 く 認め られず、 毎曰の繰 り返 し作業に と もない一日 約 10%程度の速度の低下は認め られたが安定に 3 白間め つ き可能であ った。 6時問の平均めつ き速度は、 1 曰 目 1. 0/im/hr. 2 曰目、 0. 91 iim,hr、 3 曰目、 0. 80/imZhr であった。 このよ う に、 2 — メ ノレカプ トべンゾチアゾ一 ルを含有せ しめる こ とによ り 、 めっ き時の浴安定性の向 上のみな らず、 一度加熱 した液の保存状態での分解防止 に も著 しい効果が認められ、 長時間繰 り返 し使用が可能 である こ とが認め られた。
例. 4
例 1 で示 した無電解金めつ き液(Λ )及びこ の金めつ き 液( A ) に 2 — メ ノレカプ トベンゾチアゾール 1 ppmを含有 せ しめためっ き浴を調製 し、 これらのめっ き浴につ き 、 未使用状態で室温で、 表 3 に示されている各保存期間に 保存 した。
これら各保存期間のめっ き液の一部を fflいて、 大き さ 2 cm X 2 cm、 厚さ 1 mmの圧延ニッ ケノレ板に厚さ 3 ii mの ニ ッ ケ ル皮膜を、 次に厚さ 3 // mの金皮膜をそれぞれ電気 めっ きによ りつけた物を試片と して、 浴負荷 0.8dm 2ノ L 温度 60°C、 撹拌条件でめっ きを行い各保存期 P に保存さ れた各めつ き液について、 そのめつ き速度な らびに仕上
り の外観を比較 した。 その結果は表 3 に示 されている。 表 3 に見 られる よ う に、 2 — メ ルカプ ト べンゾチア ゾ ールを添加 しない浴 (対照) では保存期 ΓΡΊ 1 週問で既に 浴中に多量の金沈澱物が生成 し、 め っ き作業を行う こ と ができ なかつ た。 こ れに対 し 2 — メ ノ.レカ プ ト ベ ンゾチァ ゾ一ル 1 p p iD添加浴(実施例) では 28日 ま で液中沈澱物生 成等の変化は認め られなかっ た。 これ らの各保存浴によ るめ つ きでは、 1 4曰保存浴では建浴直後 と同等のめ っ き 速度でめ っ き が可能であ り 、 最大 28曰保存浴ま でめ っ き が可能であ った。 35日保存浴では金沈澱が生成 し、 め つ き不能であ っ た。 なお、 保存 1 4曰以上にな る とめ つ き浴 が僅かに黄色に着色 しは じめ、 保存期問が長 く な る につ れて着色が濃 く な る傾向にあ っ た。
ま た、 2 — メ ノレカ プ ト べンゾチア ゾーノレ 1 p p m添加浴 のめ つ き状態は、 め っ き浴の保存期間に関係な く 、 明黄 色無光沢ま たは半光沢の均一な析山膜が得 られた。
2—メルカプトベンゾ
チアゾール添加量(ppm) 液 の 状 態 対 照 0 2曰目に金の沈澱生成
0 . 1 6曰目に金の沈澱生成
0 . 5 3 0曰目に金の沈澱生成 例
1 . 0 3 0曰目に金の沈澱生成
5 . 0 4 5曰目に金の沈澱生成
2
2—メルカプトべンゾ 析出速度
チアゾール添加量(ppm) (/imZhr) 浴 の 状 態 対 照 、 nリ D .71 0 w q Bき f¾lで金 '殿牛 lit
Π . 丄 1
Π 79 〃
例
1.0 0.72 〃
2.5 0.67
5.0 0.67 〃
表 3 めつき.速度 液 組 成 保存期間 保存時の浴変化 mZhr)
2—メルカプトベン 建浴直後
対 照
ゾチアゾール無添加 7曰 金沈澱生成 めっき不能 建浴直後
j
o O
1曰 沈澱物生成せず 0 o.5O L 0
2 メルカブトべ 7曰 〃 0.57 例 ンゾチアゾール
14曰 〃
I pm添加
21曰 〃 0.41
35曰 沈澱物生成 めっき不能
例 5
例 1 に記載さ れている無電解金め つ き液( Λ )を ffl い、 こ れに表 4 に示 さ 31ている 0. 5ppm、 l. Oppnu 2.5ppm及び 5. Oppmの各種濃度において 6 — ェ ト キ シ一 2 — メ ルカ プ トベ ンゾチア ゾールを含有せ しめた各液を調製 した。 室 温で保存 した場合の こ れ ら各液の安定性を調べた。 その 結果は表 4 に示 されている。
表 4 に見 られる よ う に、 (3 —エ ト キ シー 2 — メ ルカ プ ト ベ ンゾチア ゾールを含有 していない浴 (対照) では、 建浴後 2 曰 目 には既に金の沈殿物を生成 し、 不安定で長 時間使用及び建浴後数日間保存する こ と も困難であ る。
こ れに対 し、 6 —エ ト キ シ一 2 — メ ルカ プ トべ ン ゾチ ァゾーノレ 0. 5ppm、 1. Oppm, 2. 5ppm、 5. 0ppraの各添加浴 (実施例) では、 0. 5ppm添加で も 6 曰間、 1. Oppm及び 2.5 P P mの各浴では 15曰間、 5. 0 p p mの添加浴では 30日間の各 期間に金の沈殿物を生成せず、 無添加の場合に比較 して 安定性が大幅に改善され、 長期問、 室温において保存す る こ とが可能であ っ た。 ま た、 6 —エ ト キ シー 2 — メ ル カ ブ ト ベ ンゾチア ゾ一ルの添加濃度が高いほ ど安定性が 良 く な る傾向にあ る こ と も判っ た。
表 4
下記の組成の無電解金め.つ き液(C )を用 い、 こ れに表
5に示した 50ppm、 100ppm、 250ppm、 500ppmの各種濃度 において 2 — メ ルカ ブ ト ベ ンゾォキサゾ一ルを含有せ し めた各液を調製 した。 室温で保存 した場合の これ ら各液 の安定性を調べた。 その結果を表 5 に示 した。
無電解金め つ き液(C )
亜硫酸金( I )ナ ト リ ウ ム 金 と して 2g Z L 亜硫酸ナ ト リ ウ ム 10g L チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 25g Z L L ァ ス コ ノレ ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 10g / L り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 9g Z L り ん酸二水素 ナ ト リ ウ ム 3g Z L pll 7.0
表 5 に見 られる よ う に、 2 メ ルカ プ ト べ ンゾォキサ ゾールを含有 していない浴 (対照) では、 建浴後 3 日 目 には既に金の沈殿物を生成 し、 不安定で長時間の使用 も
困難であ り、 また、 建浴後数日間保存する こ と も困難で める。
れに対 し、 2 —メ ルカプ トベンゾォキサゾ一ル 5 Opp m、 lOOppn 250ppra、 500ppmの各添加浴 (実施例) で は 、 50ppm添加の場合でも 20曰間、 100ppm、 250ppm、 500pp m では 30曰間、 の期間において金の沈殿物を生成せず、 無 添加の場台に比較 して安定性は大幅に改善され、 長 M問 室温で保存する こ とが可能であ った。 また、 2 — メ ルカ プ トベンゾォキサゾ一ルの添加濃度が高いほど安定性が 良 く なる傾向にある : と も判った。
表 5
例 7
下記の組成の無電解金めつ き液(D )を調製 し、 これに
6 — メ ト キ シ一 2 — メ ノレカブ トベンゾチア ゾールを 0. 5 ppm N l ppra、 2 ppm及び 2. 5ppmの各濃度でそれぞれを含 有せ しめた液を用い、 めっ き試片と して、 大き さ 2 cm X 2 cra、 厚さ 0. 1 mmの圧延ニ ッ ケノレ板に厚さ 3 <imのニッ ケ ル皮膜を、 次に、 厚さ 3 iimの金皮膜をそれぞれ電気めつ き した ものを用い、 浴負荷 1.2dm2/ L、 温度 60°C、 撹拌
条件で 6 時 Pe め っ き を行 つ た その結果を後掲表 6 に示 した。
無電解金め つ き液(D )
亚硫酸金( 1、 )ナ 卜 リ ゥ ム 金と して 2 g / L 亜硫酸ナ ト リ ウ ム 15 g / L チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 30 g / L L ーァ ス コ ル ビ ン酸ナ ト リ ゥ ム 40 g / L り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 12 g / L り ん酸二水素一ナ 卜 リ ゥ ム t / L
P ll 7. 0
表 6 に見 られる よ う に、 6 —エ ト キ シー 2 — メ ノレカ ブ 卜 べ ンゾチア ゾールを含有 していない浴 (対照) では、 約 3 時間で浴中に微量の金沈殿物の生成がは じま り 、 6 時間以上使用する こ と は困難であ っ た。
こ れに対 し、 6 — ェ ト キ シ ー 2 — メ ルカ プ ト べ ン ゾチ ァ ゾール添加浴 (実施例) では、 6 時 P のめ つ き 中に金 沈殿物の生成は全 く 認め られず、 浴の安定性が著 し く 向
上 している こ とが認め られた。 ま た金の析出速度につい ては、 6—エ ト キ シー 2—メ ノレカ プ トべ ンゾチア ゾール 2 ppm以下の添加量では無添加浴(対照) と め つ き速度は ほぼ同様であ り 安定性の向上に と もな う 速度の低下は 認め られなかっ た。 ただ し、 6—エ ト キ シ 一 2—メ ノレ力 プ トベ ン ゾチア ゾ一ル 2.5ppm添加の場合では析出速度は わずかに低下 している こ とが認め られた。
ま た、 析山物の外観は無添加 (対照) が赤味を帯びた 黄色無光沢であ るのに対 し、 実施例では明黄色の华光沢 であ り 、 良好な外観を示 した。
例 8
下記の組成の無電解金め つ き液( E )を調製 し、 こ れに 2—メ ノレカプ トベ ンゾォキサゾールを 50 p pm、 100 p p m、 250ρρπι及び 500ppmの各濃度でそれぞれ含有せ しめた液を fflい、 めづ き試片と して例 3 で fflいた もの と同様処理の ものを用い、 浴負荷 0.8dm2Z L 、 温度 60°C、 撹拌条件で 6 時間めつ きを行っ た。 その結果を後掲表 7 に示 した。 無電解金めつ き液(E )
亜硫酸金( I )ナ ト リ ウ ム 金と して 2g / L 亜硫酸ナ ト リ ウ ム 12.5 g / L チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 25g / L
L—ァ ス コ ノレ ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40g / L り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 9g / L り ん酸二水素一ナ ドリ ゥ ム 3g / L
Pll 7.0
7
表 7 に見られる よ う に、 2 — メ ノレカプ トベンゾォキサ ゾ一ルを含有 していない浴 (対照) では、 約 2時 H
1]で浴 中に微量の金沈殿物の生成がは じま り 、 6時間以上使用 する こ とは困難であ つた。
これに対 し、 2 — メ ノレ力ブ トベンゾォキサゾ一ル添加 浴 (実施例) では、 6時 Π51めっ き中に、 金の沈殿物の生 成は全 く 認められず、 浴の安定性が著 し く 向上 している こ とが認め られた。 また、 金の析出速度につ いて は 、 2 —メ ノレカプ トべンゾォキサゾ一ル添加浴はどの添加濃度 において も無添加浴 (対照 ) に比 し、 めつ き速度はほぼ 同様であ り 、 安定性の向上に と もな う速度の低下は認め られな力、つた。
また、 析出物の外観は、 無添加の比較例の場合が赤味 を帯びた黄色無光沢なのに対 し、 実施例のそれは明黄色 の半光沢で良好であつた。
例 9
下記の無電解金めつ き液(F )に 2 — メ ノレカブ トベンズ
イ ミ ダゾ一ノレ 25 ppmを含有せ しめた金めつ き浴を調製 し 例 7 と同様のめ っ き試片を用い、 同様のめ っ き条件の下 で、 6時間 ^^ 室温で一晩放置 した後、 翌日 以後、 連日 5 日間にわた り 毎日 、 すべて同一条件の下で めっ き を繰 り返 して行 っ た。 対照と レて 2 — メ ルカ プ ト ベ ンズィ ミ ダゾールを添加 しない場合につ いて も同様条 件でめ っ き を行っ た。
無電解金め つ き液 ( F )
塩化金(III)酸ナ ト リ ウ ム 金 と して 2g Z L 亜硫酸ナ ト リ ウ ム 15g / L チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 20g Z L Lー ァス コルビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40g / L り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 9g / L り ん酸二水素一ナ ト リ ウ ム 3g Z L pH 7.0
その結果、 2 — メ ルカ プ トベ ンズィ ミ ダゾール無添加 浴での場合には 1 日 目 におけ る 6時間の平均め つ き速度 0.85/imZ hrでめ っ き可能であ つ たが、 第 1 曰 目の約 3時 間め つ き時点で、 め っ き液中に金微粒子の沈殿物が生成 し、 更に、 一晩の室温放置中に金の沈殿物が徐々 に増加 し、 翌日 には多量の沈殿物の生成が認め られた。 そのた め、 第 2 曰 目以降においては、 め っ き を行う こ とができ なかっ た。 これに対 し、 2 — メ ノレカ プ トべ ンズイ ミ ダゾ ール 25 p p ra添加浴では、 5 曰間のめっ き期間中において 金の沈殿物等浴中に分解物の生成は全 く 認め られず、 毎
日の繰 り返 し作業に と もない一日約 10%程度の速度の低 下は認められたが、 5 曰 Π]めっ き作業を行う こ とが可能 であつた。 6時間の平均めつ き速度は、 1 日 目、 0.85μιη /hr、 2 日 目、 (K 77//m/hr、 3 曰 目、 0.72itm/hr、 4 日 目、 0.66/im/hr、 5 日 目、 0.60/im/ であ った。 これら 実施例の結果からみて、 2 — メ ルカプ トべンズイ ミ ダゾ ールを含有せ しめる こ とによ り 、 めっ き浴の安定性にお いて優れた効果を もた らすこ とが認められ一度加熱 した 液の保存状態における分解物の生成も防止される こ とが 認め られ、 長時間にわたる繰 り返 し使 fflが可能となる こ とが認め られた。
例 10
下記の組成の無電解金めつ き液(G )及びこれに 6 —ェ ト キ シー 2 — メ ノレカプ トべンゾチアゾ一ノレを 2 p p m含有 せ しめた液を調製 し、 これらの各めつ き浴について未使 用状態で室温条件下に後掲の表 8 に示 した各保存期 P に 保存 した。
これらの各保存期間のめっ き液の一部を用いて、 めつ き試片と して実施例 3 と同様処理した ものを用い、 浴負 荷 0.8dm2/ L、 温度 60°C、 撹拌条件で 6 時間めつ.きを行 い、 各保存期 に保存された各めつ き液について、 その 速度な らびに仕上がり の外観を比較 した。 その結果を後 掲表 8 に示 した。
無電解金めつ き液(G )
塩化金(III)酸ナ ト リ ウ ム 金と して 2g Z L
亜硫酸ナ ト リ ゥ ム 12. 5 g / L チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 25 g / L
L —ァス コ ル ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40 g X L り ん酸水素.;!ナ ト リ ゥ ム 9 g / L り ん酸二水素一ナ ト リ ゥ ム 3 g / L pH 7. 0
表 8
表 8 に見 られる よ う に、 6—エ ト キ シー 2—メ ノレカ ブ トベ ンゾチア ゾ一ルを添加 しない浴 (対照) では保存期 間 1 週間で既に、 浴中に多量の金沈殿物が生成 し、 め つ き を行う こ と はでき なかっ た。 これに対 し、 6 — ェ ト キ シ ー 2 — メ ノレカ ブ ト ベ ン ゾチア ゾールの 2 p p in添加浴 (実施例) では 28曰 目 ま で、 液中に沈殿物の生成は認め られなかっ た。 こ れ らの保存浴によ る め つ き では、 建浴 直後よ り 、 わずかにめ っ き速度は低下 したが、 保存日数
によ る め つ き速度の差は認め られず、 最大 28日保存浴ま でめ つ き を行 う こ とが可能であ っ た。 35曰保存浴では金 の沈殿物が生成 したため、 正常にめ っ き を行う こ とが不 可能であ っ た。
ま た、 6 —エ ト キ シ一 2 — メ ノレカ プ トべ ンゾチア ゾー ル 2 p p m添加浴におけるめ っ き においては、 め っ き浴の 保存期問に関係な く 、 明黄色無光沢又は半光沢の均一な 析出膜が得 られた。
例 1 1〜14
下記の組成の無電解金め つ き液( II )を調製 し、 表 9 に 示 した各種濃度においてエチ レ ン ジァ ミ ンを含有せ しめ た各液を用い、 め っ き試片と して、 大き さ 2 cm X 2 cm、 厚さ 0 . 1 m mの圧延ニ ッ ケル板に厚さ 3 ίΐ mのニ ッ ケル皮膜 を、 次に、 厚さ 3 /i mの金皮膜をそれぞれ通常の電気め つ き によ り 施 した ものを試料 と して fflい、 浴負荷 0. 8d m 2 / L、 温度 60°C、 撹拌条件で 6 時間め っ き を行っ た。 対照 ( 1 )と してエチ レ ン ジァ ミ ンを添加 しない場合について 更に対照( 2 )と して H液か ら 2 — メ ルカ プ ト べンゾチア ゾールを除いてエチ レ ン ジァ ミ ン 3 0 0 m g Z L を添加 した 場合について前記 と同 じ条件の下でめ っ き を行っ た。
ま た、 こ れ らの各種濃度でエチ レ ン ジァ ミ ンを添加 し ため つ き液 と対照( 1 )、 対照( 2 )において得 られた もの について室温の保存におけ る安定性を調べた。
無電解金め つ き液( H )
塩化金(I I I )酸ナ ト リ ウ ム 金 と して 2 g Z L
亜硫酸ナ ト リ ウ ム 10 g / L チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 20g Z L L一ァス コノレビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40g Z L り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 9g Z L り ん酸二水素一ナ ト リ ウ ム 3g / L
2 — メ ルカプ ト べ ンゾチア ゾール 1 PPm pll 7.0
上記の各例においてめ つ き を行 つ た結果は後掲図 1 に 示 されているが、 エ チ レ ン ジア ミ ンを添加 して行っ た例 11〜 14の場合は、 いずれ も.エチ レ ン ジァ ミ ン無添加の場 合の対照( 1 )に比 して著 し く 速度が増大 している こ とが わかる。 また、 速度の増大はエチ レ ン ジァ ミ ンの添加濃 度に依存 している こ と及び 300rag以上のエチ レ ン ジア ミ ンの添加では速度の増大の程度は、 次第にお と ろえる傾 向にあ る こ とが確認された。 更に、 めっ き速度が大にな る ほ ど金の消費に と もない析出速度が低下 して く る傾向 が認め られるが、 例 13、 14では 6 時間で lOiira以上の厚め つ きが可能であ っ た。 なお、 析出物はいずれの実施例に おいて も明黄色半光沢の均一な外観を呈 し、 良好な析出 状態が認め られた。
更に、 例 11〜 14では 6 時間のめ っ き 中に金沈殿物の生 成を認めず安定性 も良好であ る のに対 し、 2 — メ ルカ プ ト ベ ン ゾチア ゾールを添加せずにエチ レ ン ジァ ミ ン 300 mgZ Lを添加 した対照( 1 )では速度の増大効果は実施例 と同様に認め られたが、 め っ き浴は不安定であ り 約 30分
頃から金の沈殿物が生成 し、 1 時問以上のめ つ きを行う こ とは困難であった。
^ 温における保存について調べた結果は後掲表 9 に示 されている とおり である。 エチ レ ン ジア ミ ン無添加の場 合の対照( 1 )と比べ、 エチ レ ン ジア ミ ンの添加量が増加 するに従い安定性は低下する傾向が認め られたが、 最低 1 週間は、 安定である こ とが認められた。 なお、 2 — メ ルカプ ト ベ ンゾチア ゾ一ルを添加 しない対照( 2 )の場合 は、 わずか 6時間で金沈殿が生成した。
表 9
前記の例 1 1〜 1 4において記載 した無電解金め つ き液
( H )に表 10に示 した とお り の各種アルキルァ ミ ン類 0. 01 m o 1 Z リ ッ トノレ の添加によ るめつ き浴を用い、 めっ き速 度を調べた。 めっ きの方法は、 めっ き試片と して例 1 1 ~ 14と同様の ものを用い、 浴負荷 0. 8d m 2 / L、 温度 60 °C、 撹拌条件で 1 時間めっ きを行った。
結果は表 10に示される とお り であ るが、 各アルキルァ ミ ンを添加 した場合は、 いずれもアルキルア ミ ン無添加 の対照の場台に比べめ つ き速度の増大が認め られた。 ま た、 析出物はいずれの実施例の場台に も明黄色-半光沢の 均一な外観を呈 し、 良好な析出状態が示 された。 更に、 め っ き操作中においていずれの実施例の場合 も浴中に金 沈殿の生成は認め られなかっ た。
表 】0
下記に示す組成の無電解金め つ き液( I )を調製 し、 こ のめ つ き液を用い、 め っ き試片 と して大き さ 4 cm X 4 cm. 厚さ 0. 1 m mの圧延ニ ッ ケル板に厚さ 3 /i mのニ ッ ケル皮膜 を、 次に厚さ 3 /tmの金皮膜をそれぞれ通常の電気め つ き によ り 施 した ものを用い、 温度 60°C、 撹拌条件で 2 時間 め っ き を行 っ た。
めっ き液の浴負荷を 0. 8、 1. 6、 3. 2、 6. 4各 dm 2 /リ ツ ト ルと変化させて、 浴負荷を大き く した と き の速度増大
効果を調べた
無電解金め つ き液( I )
塩化金(III)酸ナ ト リ ウ ム 金 と して 2g Z L
亜硫酸ナ ト リ ウ ム 12g / L
チォ硫酸ナ ト リ ウ ム 24 g / L
L — ァ ス コ ノレ ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40g / L
り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 7 g Z L
り ん酸二水素一ナ ト リ ゥ ム 3g Z L
2 — メ ノレカ プ トべ ンゾチア ゾ ルナ ト リ ウ ム 2ppm エチ レ ン ジァ ミ ン硫酸塩 800mg/ L
PH 7.0
各浴負荷の 1 時間時のめ っ き速度はそれぞれ 0.8 dm2/ リ ッ ト ノレで 2. Turn/ hr、 1.6dm2/ リ ッ ト ノレで 2.1/im/ hr、 3.2dm2/ リ ッ ト ノレで 2.1/im/ hr、 6. /1dm2/ リ ッ 卜 ノレで 1.8 /iniZ hrであ っ た。 なお、 析山物はいずれの実施例の場合 において も明黄色半光沢の均一な外観を呈 し良好な析山 状態であ る こ とが認め られた。 浴負荷の増加に と もない め っ き速度が低下する傾向が認め られたが、 6.4dm2/ リ ッ ト ルの浴負荷条件において も、 なお、 エチ レ ン ジア ミ ンのめ つ き速度増大効果が認め られ、 短時間において、 大量の対象物に対するめ っ き処理を行 う こ とが可能であ つ た。
例 22
下記の組成の無電解金めつ き液(」 )を調製 し、 室温で 保存 した場合の安定性とめつ き速度、 めっ き時の安定性 を調べた。 めっ き方法は例 11〜 1 こ記載 した条件と同様 である。 対照と して下記組成( J )よ り エチ レ ン ジ ア ミ ン のみを除いた場合 (対照(1 )、 2—メ ノレカプ トべンズィ ミ ダゾ一ルのみを除いた場合 (対照 (2 )) 、 両者を除い た場合 (対照(3 )) について も上記と同様の安定性及び めっ き速度を調べた。 その結果は表 11に示されている。
無電解金めつ き液(J )
塩化金(III)酸ナ ト リ ウ ム 金と して 2g / L 亜硫酸ナ ト リ ウ ム 10 / L チォ硫酸ナ ト リ ウム 20g / L
Lー ァ ス コ ル ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40g / L りん酸水素ニナ ト リ ゥ ム 9g Z L りん酸二水素一ナ ト リ ゥ ム 3g Z L
2—メ ノレカプ トべンズイ ミ ダゾ一ル lOOppm エチ レ ン ジ ァ ミ ン 0.3g / L pH 7.2
表 11
表 1 1に見られる よ う に、 実施例浴組成( J )を用いた場 合では、 対照( 1 )、 (2 )、 (3 )の場合に比べてめっ き速 度が速 く 、 まためつ き時の安定性及び室温保存時の安定 性も良好であった。 エチ レ ンジア ミ ンを添加 していない 対照( 1 )では安定性の点では実施例よ り優れているがめ つ き速度は遅 く 、 2 — メ ルカプ トべンズィ ミ グゾールを 添加 していない対照( 2 )では、 めっ き速度は増大するが 浴は不安定とな り 、 めっ き作業を持続する こ とが困難で あ った。 更にエチ レ ン ジァ ミ ンと 2 —メ ノレカプ トべンズ ィ ミ ダゾールの両方を添加 しない対照( 3 )の場合ではめ つ き速度は遅 く 、 安定性の点でも不充分な結果が見 られ た。
実施例及び対照( 1 )では明黄色半光沢の良好な析出外 観が得られたが、 対照( 2 )では、 金分解物が付着 し表面 状態は不良であ り 、 対照( 3 )では析出外観は赤味を帯び
た黄色無光沢であ っ た。
例 23
下記の組成 金めつ き液(K )を調製 した。 こ の 液を fflいて、 例 U〜 1 こ記截 した条件下で、 め っ き を行 い、 め っ き速度及びめ つ き 時の安定 ¾を調べた。 ま た、 比較 と して下記組成( K )よ り エチ レ ン ジア ミ ンを除い た場合 (対照( 1 )) 、 6 —エ ト キ シ一 2 — メ ルカ プ ト べ ンゾチア ゾ一ルを除いた場合 (対照( 2 ) ) 、 両者を除い た場合(対照( 3 ))について も同様にめ つ き速度と安定性 を調べた。 結果は表 12に示 される とお り であ る。
無電解金め つ き液(K )
亜硫酸金( I )ナ ト リ ウ ム 金と して 2g / L 亜硫酸ナ ト リ ウ ム l g L チォ硫酸ナ ト リ ゥ ム 30 g / L L ー ァ ス コ ル ビ ン酸ナ ト リ ウ ム 40g / L り ん酸水素ニナ ト リ ウ ム 12 g / L り ん酸ニ水素ナ ト リ ウ ム 4 g / L 6 — エ ト キ シー 2 — メ ノレカ プ ト
ベ ンゾナァ ゾ一ノレ 2.5ppm ジエチ レ ン ト リ ア ミ ン 0.25g / L H 7.2
表 12
表 12に見 られる よ う に、 浴組成(K )を用いた場合 (実 施例) では対照( 1 )、 ( 2 )、 ( 3 )の場合に比べてめ っ き 速度が速 く 、 ま ため つ き時の安定性 も良好であ っ た。 ジ エチ レ ン ト リ ア ミ ンを添加 していない対照( 1 )では安定 性は実施例 と同様に良好であるがめ っ き速度は著 し く 遅 く な り 、 6 —エ ト キ シ一 2 — メ ノレカ プ ト べ ン ゾチア ゾ一 ルを添加 していない対照( 2 )では、 め っ き速度は増大す るが浴は不安定 とな り め つ き作業.を持続する こ と は困難 であ っ た。 ジエチ レ ン ト リ ア ミ ン と 6 —エ ト キ シ一 2 — メ ノレカ プ ト ベ ン ゾチ ア ゾ一 ルの両方を添加 しな い対照 ( 3 )の場台ではめ つ き速度は遅 く 、 浴の安定性 も不十分 であ っ た。 なお、 析出物外観は対照( 1 )では赤味を帯び た黄色無光沢であ り 、 対照( 2 )、 ( 3 )では金分解物が付 着 し表面状態は不良であ つ たのに対 し、 実施例は明黄色 の半光沢で、 析出外観は最 も良好であ っ た。
例 24- 26
表 13の例 24、 例 25、 例 26の欄に示されている各種の組 成のめ っ き液を調製 しめ っ き を行っ た。 対照と して こ れ らの組成か らアルキルァ ミ ン化合物を除いた各組成の液 を調製 し、 同 じめ つ き を行 っ た。 め つ.き方法は、 め っ き 試料 と しては.、 例 11〜 14に記載 した試料を用い、 温度 60 °C、 撹拌条件で 3 時間浸漬処理によ り 行つ た。
表 13に見 られる よ う に、 各実施例 と も アルキルア ミ ン 化合物の添加によ り め つ き速度が著 し く 増大する こ と が 認め られ、 例 24と 26においては、 金め つ き析出物の結晶 粒調整剤と して知 られている タ リ ゥ ム塩及び鉛塩をそれ ぞれ併用 したが、 アルキルァ ミ ンの添加に よ るめ つ き速 度増大効果及びメ ルカ プ ト化合物の添加によ る浴安定化 効果に対する影響は認め られなかっ た。
ノ
表 13
【発明の効果】
本発明にかかる無電解金め つ き液は、 極めて安定性が 大であ り 、 建浴後の保存状態及び使用状態において、 浴 中の沈殿物生成を防止 し、 め っ き浴を安定状態で長期間 にわた り 使用する こ とができ、 こ の浴を用 いて繰 り 返 し、
めっ きを行う こ とが可能であ り 、 従来の金めつ き浴が、 建浴後直ちに使用 しなければな らないという欠点を有す るのに対 し、 作業時間について制約されないという優れ た利点を有する u
さ らにアルキルア ミ ン化合物を添加 した本発明に係る 無電解金めつ き液は、 従来用い られている無電解金めつ き液で問題と されていためつ き速度の点を改良 し、 めつ き速度が著 し く 速 く 、 かつ高浴負荷において もめっ き速 度が低下 しないという特性を有 している。 そのため、 短 時間で大量の対象物に対 しめつ き処理を行う こ とが可能 である という優れた利点を有する。 また、 めっ き速度の 持続性がある こ とによ り比較的短時間で厚めつ きを行う こ とが可能である。
【図面の簡単な説明】
例 1 1〜 14と対照(2 )、 ( 3 )によ り得られた結果を対比 して示 した図であ り 、 縦軸に得られためっ き膜厚( m )を 横軸にめっ き時間 ( h r ) が示されている。