JPWO2020101031A1 - 液体肥料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の液体肥料の製造方法は、リンが溶解した液体肥料を製造する方法であって、リンおよび重金属を含む被処理物と酸性の液体とを混合し、前記被処理物中に含まれるリンおよび重金属を溶解させる第1の溶解工程と、リンおよび重金属が溶解した第1の液体を固体成分と分離する第1の固液分離工程と、前記第1の液体から重金属を除去する重金属除去工程とを有することを特徴とする。本発明によれば、リンを含み、重金属の含有率が低い液体肥料を、低コストで効率よく製造できる液体肥料の製造方法を提供することができる。

Description

本発明は、液体肥料の製造方法に関する。
植物のハウス栽培等において、リンを含有する液体肥料が広く用いられている。
このような液体肥料は、通常、複数種の純度の高い化合物を所定の割合で混合することにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、汚泥灰には、リンが比較的高い含有率で含まれており、その有効利用が求められている。しかしながら、汚泥灰には、リンとともに、Ni、As、Cd、Pb等の重金属が比較的高い含有率で含まれており、液体肥料等に有効利用することが困難であった。
特表2017−536328号公報
本発明の目的は、リンを含み、重金属の含有率が低い液体肥料を、低コストで効率よく製造できる液体肥料の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体肥料の製造方法は、リンが溶解した液体肥料を製造する方法であって、
リンおよび重金属を含む被処理物と酸性の液体とを混合し、前記被処理物中に含まれるリンおよび重金属を溶解させる第1の溶解工程と、
リンおよび重金属が溶解した第1の液体を固体成分と分離する第1の固液分離工程と、
前記第1の液体から重金属を除去する重金属除去工程とを有することを特徴とする。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記重金属除去工程は、
前記第1の液体を析出剤と混合するとともにpHを上昇させ、リンおよび重金属を含む第1の固体を析出させる第1の析出工程と、
前記第1の固体を液体成分と分離する第2の固液分離工程とを有することが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第1の析出工程の終了時における液相のpHが2.0以上12以下であることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第1の析出工程で、pHが10以上のアルカリ性液体を用いることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第1の析出工程で、前記析出剤としてカルシウムイオンを含む成分またはマグネシウムイオンを含む成分を用いることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第1の析出工程で、前記析出剤としてCaCl、Ca(OH)およびCaCOよりなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第1の析出工程で、前記析出剤としてMgCl、Mg(OH)およびMgCOよりなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記重金属除去工程は、
前記第2の固液分離工程の後に、さらに、
前記第1の固体中に含まれるリンをアルカリ性の液体で溶解させる第2の溶解工程と、
リンが溶解した第2の液体を、重金属を含む固体成分と分離する第3の固液分離工程とを有することが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第2の溶解工程で、NaOHを含む液体を用いることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第2の溶解工程の終了時における液相のpHが10以上であることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第2の液体のpHを調整するpH調整工程をさらに有することが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記pH調整工程後のpHが5.0以上9.0以下であることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記重金属除去工程は、
前記第1の液体を吸着剤と接触させ、前記第1の液体に含まれる重金属を、前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、
前記吸着剤を前記第1の液体から分離除去する分離除去工程とを有することが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記吸着工程において、前記吸着剤としてドロマイト類を用いることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記ドロマイト類は、水酸化ドロマイトであることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記ドロマイト類は、ドロマイトであることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記吸着工程をpHが2.0以上13以下の条件で行うことが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記重金属除去工程の後に、
リンが溶解した液体から、リンを析出させる第2の析出工程と、
リンを含む第2の固体を液体から分離する第4の固液分離工程と、
前記第2の固体を、硝酸を含む液体に溶解させる第3の溶解工程とを有することが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記第1の溶解工程で、前記酸性の液体としてpHが−1.0以上1.5以下の強酸を用いることが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記重金属除去工程よりも後に、系内にカリウム系の肥料成分を添加するK成分添加工程をさらに有することが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記重金属除去工程よりも後に、系内に窒素系の肥料成分を添加するN成分添加工程をさらに有することが好ましい。
本発明の液体肥料の製造方法では、前記重金属除去工程よりも後に、系内にマグネシウム系の肥料成分を添加するMg成分添加工程をさらに有することが好ましい。
本発明によれば、リンを含み、重金属の含有率が低い液体肥料を、低コストで効率よく製造できる液体肥料の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の液体肥料の製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 図2は、第1の析出工程の終了時における液相のpHと、最終的なリンの回収率との関係を模式的に示す図である。 図3は、本発明の液体肥料の製造方法の第2実施形態を示す工程図である。 図4は、実施例1、2および3についての、第1の析出工程の終了時における液相のpHと、析出物のX線回折(XRD)パターンとの対応を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の液体肥料の製造方法の第1実施形態を示す工程図である。図2は、第1の析出工程の終了時における液相のpHと、最終的なリンの回収率との関係を模式的に示す図である。
本発明の液体肥料の製造方法は、リンが溶解した液体肥料を製造する方法であって、リンおよび重金属を含む被処理物と酸性の液体とを混合し、被処理物中に含まれるリンおよび重金属を溶解させる第1の溶解工程と、リンおよび重金属が溶解した第1の液体を固体成分と分離する第1の固液分離工程と、第1の液体から重金属を除去する重金属除去工程とを有することを特徴とする。
このような構成により、リンおよび重金属を含む被処理物から重金属を分離することにより、リンを含み、重金属の含有率が低い液体肥料を、低コストで効率よく製造できる液体肥料の製造方法を提供することができる。
特に、本発明の方法によれば、重金属が除去され、リン成分が含まれている溶液を液体肥料として利用することにより、固体肥料の製造よりも低コストで、液体肥料を製造することができる。
なお、本発明では、重金属とは、対応する単体金属が、25℃において、鉄の比重よりも大きい比重を有する金属元素のことをいう。
被処理物としては、例えば、汚泥を焼却処理して得られる汚泥灰、鉄鋼スラグ、キノコ排菌床の燃焼灰等の産業廃棄物等を用いることができるが、被処理物は、汚泥灰であるのが好ましい。
汚泥灰は、一般に、貴重な資源であるリンを比較的高い含有率で含んでおり、また、世界各地で大量に発生している。
したがって、被処理物として汚泥灰を用いることにより、資源を有効活用することができ、産業廃棄物量の削減効果が特に大きい。
また、汚泥灰を液体肥料の原料として用いることで、汚泥灰の新しい再利用方法となり、近年埋立地の不足や処理費の増加等の問題が深刻化している汚泥灰の処理コスト削減や、液体肥料の原料コスト削減の観点からも好ましい。
また、汚泥灰は、一般に、リンおよび重金属とともに、Fe、Al、Mg等をより適切な割合で含有している。したがって、後述するようなリン酸塩の結晶粒径の制御をより好適に行うことができ、重金属の分離効率、リンの回収効率をより向上させることができる。言い換えると、被処理物として汚泥灰を用いることにより、本発明による効果がより顕著に発揮される。
以下、各工程について詳細に説明する。
<第1の溶解工程>
第1の溶解工程では、リンおよび重金属を含む被処理物と、酸性の液体とを混合する。
これにより、被処理物中に含まれるリンおよび重金属を溶解させる。
なお、被処理物中において、リンは、通常、酸化物、リン酸鉄、リン酸アルミ、リン酸、リン酸塩等の形態で含まれている。以下の説明では、これらの形態を含めて原子としてのリンを含む化合物(イオン性物質を含む)や当該化合物中に含まれるリン原子のことを、単にリンということがある。
また、被処理物中において、重金属は、重金属酸化物(複酸化物を含む)や単体重金属、合金、重金属塩等の形態で含まれている。以下の説明では、これらの形態を含めて原子としての重金属を含む化合物(イオン性物質を含む)や当該化合物中に含まれる重金属原子のことを、単に重金属ということがある。
本工程で用いる被処理物は、リンおよび重金属を含んでいれば、いかなるものであってもよいが、リンおよび重金属に加え、さらに、Fe、Al、Mg等を含んでいるのが好ましい。
これにより、本工程において、被処理物中に含まれるリンおよび重金属とともに、Fe、Al、Mg等を溶解させることができる。これらの成分は、後の第1の析出工程において、不純物として機能し、リン酸塩(特に、例えば、リン酸水素カルシウム2水和物、リン酸カルシウム等のリン酸のカルシウム塩、または、リン酸水素マグネシウム2水和物、リン酸マグネシウム等のリン酸のマグネシウム塩)の結晶の粗大化をより効果的に防止することができる。その結果、形成されるリン酸塩の結晶は、比較的不安定で、アルカリ性の液体で溶解しやすくなる。その結果、第2の溶解工程で、より高い選択性で、リン酸塩を溶解させることができる。
本工程で用いる酸性の液体は、特に限定されないが、pH(水素イオン指数)が−1.0以上1.5以下の強酸であるのが好ましい。
これにより、安全性を確保しつつ、酸性の液体の使用量を抑制し、本工程を効率よく行うことができる。また、本工程での処理後の組成物(すなわち、被処理物と酸性の液体との混合物)の体積が大きくなりすぎることを効果的に防止することができる。また、その後の工程のし易さ、処理すべき廃液量の削減の観点からも好ましい。
本工程で用いる酸性の液体のpHは、−1.0以上1.5以下であるのが好ましいが、特に、−0.5以上1.3以下であるのがより好ましく、0以上1.0以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
酸性の液体としては、例えば、硫酸、硝酸、酢酸、塩酸や、これらのうちの2種以上を含む液体等を用いることができる。
本工程の終了時における液相(すなわち、リンおよび重金属が溶解した第1の液体)のpHは、0.5以上6.8以下であるのが好ましいが、特に、1.0以上6.5以下であるのがより好ましく、1.5以上6.0以下であるのがさらに好ましい。
これにより、リンおよび重金属をより効率よく溶出させることができ、本工程の終了時における固相中におけるリンおよび重金属の残存量をより確実に少なくすることができる。また、後の第1の析出工程より前にリンや重金属が不本意に析出することをより確実に防止することができる。
本工程の終了時における液相中へのリンの溶解率は、70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、有用物質であるリンをより効率よく回収することができる。
また、本工程は、被処理物と酸性の液体との混合物を撹拌しつつ行うのが好ましい。
これにより、被処理物と酸性の液体とをより効率よく接触させることができ、より効率よく、リンおよび重金属を溶解させることができる。
被処理物と酸性の液体との混合物の撹拌には、各種撹拌装置、各種混合装置を用いることができる。
また、本工程は、バッチ式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。
<第1の固液分離工程>
第1の固液分離工程では、リンおよび重金属が溶解した第1の液体を固体成分と分離する。
これにより、重金属を実質的に含まない固体を得ることができる。このような固体は、例えば、産業廃棄物ではない一般の廃棄物として廃棄することができる。また、例えば、埋め立て用材や、レンガ、コンクリート等の構成材料として好適に利用することができる。また、このような固体は、リンの含有率が低いため、セメント原料、土地改良材として有効利用も望ましい。
固液分離の方法は、特に限定されないが、例えば、デカンテーション、ろ過、遠心分離等が挙げられ、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
また、本工程では、必要に応じて、一旦分離された固相を水、アルカリ溶液等により洗浄してもよい。
これにより、酸成分由来のイオン濃度、固体中のリン、重金属の含有率をより低くすることができる。
なお、固相の洗浄に用いた液体は、回収後、先の固液分離により得られた液相と合わせて、次工程に用いてもよい。
これにより、液相中のリンの含有量をより高くすることができる。
固液分離された固相中におけるリンの含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましく、1.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
固液分離された固相中における重金属の含有率(複数種の重金属元素を含む場合には、これらの総量。以下、同様。)は、3質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以下であるのがより好ましく、0.01質量%以下であるのがさらに好ましい。
<重金属除去工程>
重金属除去工程では、リンおよび重金属が溶解した第1の液体から重金属を除去する。
これにより、リンを含みかつ重金属が除去された液体が得られる。このような液体は、そのまま、もしくは、適切な後処理を施して、液体肥料として用いることができる。
特に、本実施形態では、重金属除去工程は、第1の液体を析出剤と混合するとともにpHを上昇させ、リンおよび重金属を含む第1の固体を析出させる第1の析出工程と、第1の固体を液体成分と分離する第2の固液分離工程とを有する。
このように、酸を用いた第1の溶解工程の後に、アルカリを用いた第1の析出工程を行うことにより、第1の析出工程で析出するリン酸塩(例えば、リン酸水素カルシウム2水和物、リン酸カルシウム、リン酸水素マグネシウム2水和物、リン酸マグネシウム等)の結晶粒径を好適に制御すること(より具体的には微結晶として析出させること)ができる。
また、本実施形態では、重金属除去工程は、第2の固液分離工程の後に、さらに、第1の固体中に含まれるリンをアルカリ性の液体で溶解させる第2の溶解工程と、リンが溶解した第2の液体を、重金属を含む固体成分と分離する第3の固液分離工程とを有する。
このように、結晶粒径が好適に制御された状態のリン酸塩を含む第1の固体に対して、アルカリを用いた第2の溶解工程を行うことにより、リン酸塩を高い溶解率で溶解させることができ、リンを高い回収率で回収することができるとともに、第1の固体中に含まれる重金属の溶解を防止しつつ、リンを選択的に溶解させることができるため、リン(液相)と重金属(固相)とを好適に分離することができる。
(第1の析出工程)
第1の析出工程では、第1の固液分離工程で固体成分(固相)から分離された第1の液体を、析出剤と混合するとともにpHを上昇させ、リンおよび重金属を含む第1の固体を析出させる。特に、リンをリン酸塩(例えば、リン酸水素カルシウム2水和物、リン酸カルシウム、リン酸水素マグネシウム2水和物、リン酸マグネシウム等)として析出させる。
これにより、後の工程における、リンおよび重金属以外を含む物質(例えば、第2の固液分離工程で第1の固体から分離される液体成分)の取り扱いが容易となる。
また、このような条件でリン酸塩を析出させることにより、当該リン酸塩の核生成および成長を好適に制御することができ、当該リン酸塩を微結晶として析出させることができる。その結果、後の第2の溶解工程において、当該リン酸塩を溶解させやすくすることができ、リン(溶解状態)を重金属(固体状態)から好適に分離することができる。
本工程では、析出剤と混合するとともにpHを上昇させることができれば、どのような物質、組成物を用いてもよいが、pHが10以上のアルカリ性液体を用いるのが好ましい。
これにより、混合物のpHを好適に上昇させることができ、リンおよび重金属を含む第1の固体をより効率よく析出させることができる。また、後の第2の固液分離工程の完了前にリンや重金属が不本意に再溶解してしまうことをより確実に防止することができる。また、本工程において析出する析出物中に含まれるリン酸塩の結晶が粗大化することをより効果的に防止することができる。
析出剤は、リン酸塩等の析出を促進する機能を有していればよく、例えば、CaCl、Ca(OH)、CaCO等のCa系物質、MgCl、Mg(OH)、MgCO等のMg系物質、Al塩等のAl系物質、Fe塩等のFe系物質等を用いることができるが、Ca系物質、Mg系物質を用いるのが好ましい。これにより、本工程で、リンをリン酸のカルシウム塩(例えば、リン酸水素カルシウム2水和物、リン酸カルシウム等)またはリン酸のマグネシウム塩(例えば、リン酸水素マグネシウム2水和物、リン酸マグネシウム等)として析出させることができ、後の工程をより好適に行うことができる。
本工程では、pHが10以上のアルカリ性液体を用いるのが好ましいが、当該アルカリ性液体のpHは、11以上であるのがより好ましく、12以上14以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮されるとともに、当該アルカリ性液体を容易かつ安定的に入手または調製することができる。
また、本工程では、析出剤として、アルカリ性カルシウム化合物(カルシウムイオンを含む成分)を用いるのが好ましく、CaCl、Ca(OH)、CaCO3、および、Al、Fe成分を持つ塩化物よりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのがより好ましく、CaCl、Ca(OH)、CaCOよりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのがさらに好ましく、CaClを用いるのがもっとも好ましい。
これらのカルシウム化合物は、析出剤として好適に機能させることができ、リン酸のカルシウム塩の一部となるカルシウム成分を系内に効率よく供給しつつ、混合物のpHを好適に調整することができる。その結果、本工程で、第1の液体に混合される物質の使用量を抑制し、本工程を効率よく進行させることができる。また、本工程での混合物中における、カルシウム含有率とpHとのバランスを好適に調整することができ、リンおよび重金属の析出効率を向上させつつ、第1の液体中における不純物の含有率をより低くすることができる。また、後の第2の固液分離工程の完了前にリンや重金属が不本意に再溶解してしまうことをより確実に防止することができる。
また、本工程では、析出剤として、アルカリ性マグネシウム化合物(マグネシウムイオンを含む成分)を用いるのが好ましく、MgCl、Mg(OH)、MgCOおよび、Al、Fe成分を持つ塩化物よりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのがより好ましく、MgCl、Mg(OH)およびMgCOよりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのがさらに好ましく、MgClを用いるのがもっとも好ましい。
これらのマグネシウム化合物は、析出剤として好適に機能させることができ、リン酸のマグネシウム塩の一部となるマグネシウム成分を系内に効率よく供給しつつ、混合物のpHを好適に調整することができる。その結果、本工程で、第1の液体に混合される物質の使用量を抑制し、本工程を効率よく進行させることができる。また、本工程での混合物中における、マグネシウム含有率とpHとのバランスを好適に調整することができ、リンおよび重金属の析出効率を向上させつつ、第1の液体中における不純物の含有率をより低くすることができる。また、後の第2の固液分離工程の完了前にリンや重金属が不本意に再溶解してしまうことをより確実に防止することができる。
本工程の終了時における液相のpHは、2.0以上12以下であるのが好ましく、2.5以上9.0以下であるのがより好ましく、3.0以上8.0以下であるのがさらに好ましい。
これにより、後の第2の固液分離工程の完了前にリンや重金属が不本意に再溶解してしまうことをより確実に防止することができる。
また、pHの上昇に用いる材料の使用量が必要以上に多くなることを防止しつつ、液相中に残存するリン、重金属の量をより少なくすることができる。
また、粒径が適度に小さく、不安定なリン酸塩の結晶を多く含む析出物を得ることができる。その結果、後の第2の溶解工程で、リン酸塩をより効率よく溶解させることができる。
これに対し、本工程の終了時における液相のpHが低すぎると、リンの析出率が低下して最終的なリンの回収率が低下する。
また、本工程の終了時における液相のpHが高すぎると、本工程で得られる析出物(第1の固体)中に含まれるリンのアルカリ性の液体への溶解度、溶解速度が低くなり、最終的なリンの回収率が低下する。
図2は、第1の析出工程の終了時における液相のpHと、最終的なリンの回収率との関係を模式的に示す図である。
析出剤としてカルシウム化合物、マグネシウム化合物のうちの少なくとも一方を用いる場合、本工程では、以下の条件を満足するように、当該析出剤を加えるのが好ましい。すなわち、本工程の終了時における系内のリンの物質量をX[mol]、マグネシウムの物質量をXMg[mol]、カルシウムの物質量をXCa[mol]としたとき、1.0≦(XMg+XCa)/X≦4.0の関係を満足するのが好ましく、1.3≦(XMg+XCa)/X≦3.0の関係を満足するのがより好ましく、1.5≦(XMg+XCa)/X≦2.5の関係を満足するのがさらに好ましい。
これにより、第1の液体中に含まれていたリンをリン酸のカルシウム塩、マグネシウム塩のうちの少なくとも一方としてより好適に析出させること(特に、ほぼ100%析出させること)ができ、溶解状態で液相中に残存するリンの割合を特に低くさせることができる。また、本工程において析出する析出物中に含まれるリン酸のカルシウム塩、マグネシウム塩の結晶が粗大化することをより効果的に防止することができる。
(第2の固液分離工程)
第2の固液分離工程では、リンおよび重金属を含む第1の固体を、液体成分と分離する。
これにより、高濃度のリンおよび重金属を含む固体(第1の固体)と、重金属を実質的に含まない液相とに分離することができる。また、一般に、液相中に含まれるリンの含有量は十分に少ない。
このような液相(重金属を実質的に含まず、リンの含有量が十分に少ない液相)は、環境に対する負荷が小さく、排水しても問題がない。また、固液分離された液相は、本実施形態の液体肥料の製造方法に利用してもよい。これにより、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも一方を比較的高い含有率で含む液体を再利用することができ、資源のさらなる有効利用の観点から好ましい。
固液分離の方法は、特に限定されないが、例えば、デカンテーション、ろ過、遠心分離等が挙げられ、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
また、本工程では、必要に応じて、一旦分離された固相を水やアルカリ溶液により洗浄してもよい。
固液分離された液相中におけるリンの含有率は、1000ppm以下であるのが好ましく、100ppm以下であるのがより好ましく、1ppm以下であるのがさらに好ましい。
固液分離された液相中における重金属の含有率は、4000ppm以下であるのが好ましく、500ppm以下であるのがより好ましく、0.1ppm以下であるのがさらに好ましい。
(第2の溶解工程)
第2の溶解工程では、第1の固体中に含まれるリンをアルカリ性の液体で溶解させる。
このようにアルカリ性の液体を用いることにより、第1の固体中に含まれる重金属の溶解を防止しつつ、リンを選択的に溶解させることができる。特に、前述したように、第1の析出工程では、所定の条件でリン酸塩を析出させているため、当該リン酸塩の核生成および成長が好適に制御され、当該リン酸塩がアルカリに溶解しやすい状態になっている。その一方で、重金属は、一般に、アルカリ性の液体には、溶解しにくい。その結果、液体肥料に利用可能な有用物質としてのリンと、重金属とを好適に分離することができる。また、最終的な固体廃棄物(産業廃棄物)を少なくすることができる。
特に、汚泥灰のような被処理物から直接選択的にリンを溶解させようとする場合(言い換えると、重金属の溶解を防止しつつ、リンを選択的に溶解させようとする場合)に比べて、約3倍の高溶解率でリンを溶解させることができる。
また、前述した工程(特に、第1の固液分離工程)で、被処理物はすでに大幅に減量されているため、本工程では、小型の装置(例えば、従来の方法で用いていた処理装置の5分の1程度の体積の装置)を用いることができる。
本工程で用いるアルカリ性の液体のpHは、特に限定されないが、10以上であるのが好ましく、11以上14以下であるのがより好ましく、12以上14以下であるのがさらに好ましい。
これにより、重金属の再溶解を防止しつつ、リン(リン酸塩)をより効率よく溶解させることができる。また、後の第3の固液分離工程の完了前にリンが不本意に析出してしまうことをより確実に防止することができる。
アルカリ性の液体は、液体全体としてアルカリ性を呈するものであればよく、アルカリ性の液体中に含まれるアルカリ性物質としては、例えば、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Al(OH)等の金属水酸化物、CaCO、MgCO等の金属炭酸塩、アンモニア、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系物質等が挙げられる。
中でも、本工程で用いるアルカリ性の液体は、アルカリ性物質として、金属水酸化物を含んでいるのが好ましく、アルカリ金属の水酸化物を含んでいるのがより好ましく、NaOHを含んでいるのがさらに好ましい。
これにより、重金属の再溶解をより効果的に防止しつつ、第1の固体中に含まれるリンをより効率よく溶解させることができる。また、このようなアルカリ性物質は、安価でかつ入手が容易であり、コスト削減、安定的な処理等の観点からも好ましい。
本工程の終了時における液相のpHは、特に限定されないが、10以上であるのが好ましく、11以上14以下であるのがより好ましく、12以上14以下であるのがさらに好ましい。
これにより、重金属の再溶解をより効果的に防止しつつ、第1の固体中に含まれるリンをより効率よく溶解させることができ、pHの上昇に用いる材料の使用量が必要以上に多くなることを防止しつつ、液相中に残存するリンの量をより少なくすることができる。また、後の第3の固液分離工程の完了前にリンが不本意に析出してしまうことや重金属が不本意に溶解してしまうことをより確実に防止することができる。
(第3の固液分離工程)
第3の固液分離工程では、第2の溶解工程を経てリンが溶解した第2の液体を、重金属を含む固体成分と分離する。
これにより、リンと重金属とを分離することができる。また、厳重な処理が求められる重金属を固体として取り扱うことができるため、重金属の取り扱いが容易となる。また、重金属を含む材料の体積を大幅に減少させることができるため、例えば、産業廃棄物として処理する場合であってもその処理が容易となる。また、分離された第2の液体は、リンを高濃度で含んでおり、かつ、重金属を実質的に含んでいないため、そのまま、もしくは、適切な後処理を施して、液体肥料として好適に用いることができる。
固液分離の方法は、特に限定されないが、例えば、デカンテーション、ろ過、遠心分離等が挙げられ、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
また、本工程では、必要に応じて、一旦分離された固相を水等により洗浄してもよい。
これにより、固体中のリンの含有率をより低くすることができる。
なお、固相の洗浄に用いた液体は、回収後、先の固液分離により得られた液相と合わせてもよい。
これにより、液相中のリンの含有量をより高くすることができる。
固液分離された固相中におけるリンの含有率は、30質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましく、2質量%以下であるのがさらに好ましい。
固液分離された液相(第2の液体)中における重金属の含有率は、1000ppm以下であるのが好ましく、10ppm以下であるのがより好ましく、0.01ppm以下であるのがさらに好ましい。
<K成分添加工程>
本実施形態では、重金属除去工程よりも後に、系内(第2の液体)にカリウム系の肥料成分を添加するK成分添加工程をさらに有している。
これにより、肥料成分(特にカリウム系成分)が豊富で、付加価値が高い液体肥料を製造することができる。
また、K成分添加工程を有することで、成分調節が容易であり、例えば、栽培される作物に応じて好適な肥料成分を有する液体肥料を製造することができる。
カリウム系の肥料成分としては、特に限定されないが、例えば、酸化カリウム、水酸化カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム等が挙げられる。
本工程において、カリウム系の肥料成分は、例えば、固体状態で添加してもよいし、液体状態(例えば、水溶液状態)で添加してもよいし、ペースト状態で添加してもよい。
<N成分添加工程>
本実施形態では、重金属除去工程よりも後に、系内(第2の液体)に窒素系の肥料成分を添加するN成分添加工程をさらに有している。
これにより、肥料成分(特に窒素系成分)が豊富で、付加価値が高い液体肥料を製造することができる。
また、N成分添加工程を有することで、成分調節が容易であり、例えば、栽培される作物に応じて好適な肥料成分を有する液体肥料を製造することができる。
窒素系の肥料成分としては、特に限定されないが、例えば、尿素、硝酸アンモニウム等が挙げられる。
本工程において、窒素系の肥料成分は、例えば、固体状態で添加してもよいし、液体状態(例えば、水溶液状態)で添加してもよいし、ペースト状態で添加してもよい。
<Mg成分添加工程>
本実施形態では、重金属除去工程よりも後に、系内(第2の液体)にマグネシウム系の肥料成分を添加するMg成分添加工程をさらに有している。
これにより、肥料成分(特にマグネシウム系成分)が豊富で、付加価値が高い液体肥料を製造することができる。
また、Mg成分添加工程を有することで、成分調節が容易であり、例えば栽培される作物に応じて好適な肥料成分を有する液体肥料を製造することができる。
マグネシウム系の肥料成分としては、特に限定されないが、例えば、リン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
本工程において、マグネシウム系の肥料成分は、例えば、固体状態で添加してもよいし、液体状態(例えば、水溶液状態)で添加してもよいし、ペースト状態で添加してもよい。
<微量要素添加工程>
前述した工程に加えて、重金属除去工程よりも後に、系内(第2の液体)に微量要素を添加する微量要素添加工程をさらに有していてもよい。微量要素としては、例えば、各種ビタミン類、マンガン、ほう素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン等が挙げられる。
<pH調整工程>
本実施形態では、第3の固液分離工程(重金属除去工程)よりも後に、第2の液体のpHを調整するpH調整工程をさらに有している。
これにより、第2の液体は、液体肥料として好適なpHを有するものとなり、液体肥料としてより好適に用いることができる。
本実施形態では、第3の固液分離工程を所定の処理を行った後の第2の液体に対して、pH調整工程を行う。
pH調整工程は、第3の固液分離工程により分離された第2の液体に対してそのまま行ってもよいし、第3の固液分離工程により分離された第2の液体に対して所定の処理を行った後に、当該処理を受けた第2の液体に対して行うものであってもよい。
特に、本実施形態では、pH調整工程を、K成分添加工程、N成分添加工程、Mg成分添加工程、微量要素添加工程のような肥料成分の添加工程の後に行う。
これにより、最終的に得られる液体肥料のpHを、より確実に好適な値となるように調整することができる。
pH調整工程後の第2の液体(液体肥料)のpHは、5.0以上9.0以下であるのが好ましく、5.5以上8.5以下であるのがより好ましく、6.0以上8.0以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
第2の液体のpHを調整するのに用いられるpH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、酢酸、カルボン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸等の各種酸性物質等が挙げられる。
本工程において、pH調整剤は、例えば、固体状態で用いてもよいし、液体状態(例えば、水溶液状態)で用いてもよいし、気体状態で用いてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。図3は、本発明の液体肥料の製造方法の第2実施形態を示す工程図である。
本実施形態の液体肥料の製造方法は、第1の溶解工程と、第1の固液分離工程と、重金属除去工程と、リンが溶解した液体から、リンを析出させる第2の析出工程と、リンを含む第2の固体を液体から分離する第4の固液分離工程と、第2の固体を、硝酸を含む液体に溶解させる第3の溶解工程と、K成分添加工程と、N成分添加工程と、Mg成分添加工程と、pH調整工程とを有する。そして、本実施形態において、重金属除去工程は、第1の液体を吸着剤と接触させ、第1の液体に含まれる重金属を、吸着剤に吸着させる吸着工程と、吸着剤を第1の液体から分離除去する分離除去工程とを有する。すなわち、重金属除去工程の構成が異なり、重金属除去工程の後に、第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程をさらに有している以外は、前述した実施形態と同様である。
重金属除去工程が、吸着工程と分離除去工程とを有することにより、第1の液体から重金属を効率よく除去することができる。そして、第1の液体中に含まれるリンと、吸着剤に吸着した重金属とを好適に分離することができる。また、重金属除去工程での工程数、処理時間を減らすことができ、液体肥料の生産性をより高める上で有利である。
また、重金属除去工程の後に、第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程を有することにより、リンを含む液体中における、好ましくない不純物(重金属等)の含有率を極めて低い状態とすることができる。また、第3の溶解工程で得られる液体は、窒素源としての硝酸イオンを含むものである。したがって、最終的に得られる液体肥料を、より好適に、適切な割合で窒素系肥料を含むものとするものができる。
(吸着工程)
吸着工程では、リンおよび重金属が溶解した第1の液体を吸着剤と接触させ、第1の液体に含まれる重金属を、吸着剤に吸着させる。
これにより、第1の液体から重金属を効率よく吸着させることができ、第1の液体から効率よく重金属を除去することができる。
第1の液体を吸着剤と接触させる方法としては、特に限定されないが、例えば、第1の液体中に、粒子状の吸着剤を加え、攪拌する方法、または、吸着剤を充填したカラムに、第1の液体を通す方法等が挙げられる。
これにより、第1の液体と吸着剤とを効率よく接触させることができ、より効率よく重金属を除去することができる。
特に、第1の液体は、液状であることで、吸着剤と好適に接触(例えば、吸着剤が有する空孔内に好適に侵入)し、より効率よく重金属を除去することができる。
吸着剤は、通常、多孔質体である。
これにより、吸着剤の単位質量(単位体積)当たりの表面積を大きくすることができ、重金属の除去効率をさらに向上させることができる。
吸着剤における平均細孔径は、特に限定されないが、1nm以上200nm以下であるのが好ましく、2nm以上100nm以下であるのがより好ましく、5nm以上30nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、吸着剤の耐久性を確保しつつ、吸着剤による重金属の除去効率をさらに向上させることができる。
吸着剤のBET比表面積は、特に限定されないが、10m/g以上が好ましい。40m/g以上1000m/g以下であれば十分な重金属除去性能が得られる。
これにより、吸着剤による重金属の除去効率はさらに向上する。
吸着剤の形状、大きさは特に限定されないが、吸着剤が粒子状をなしている場合、その平均粒径は、0.5μm以上20000μm以下であるのが好ましく、1μm以上500μm以下であるのがより好ましく、50μm以上300μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、吸着剤の単位質量(単位体積)当たりの粒子表面積を大きくすることや吸着剤に重金属を均一に吸着させることができるとともに、粒子状の吸着剤が不本意に凝集してしまうこと等が効果的に防止され、吸着剤の流動性、取り扱いのしやすさが向上する。また、吸着剤を容器(カラム)に充填して用いる場合に、容器への充填性(充填のしやすさ、容器の形状に対する追従性)を向上させることができ、所望の形状への成形が容易となる。
本工程で用いる吸着剤は、特に限定されないが、ドロマイト類であるのが好ましい。
これにより、第1の液体中に含まれる重金属をドロマイト類により効率よく吸着させることができる。特に、リンの吸着を防止しつつ、重金属をより高い線体制でかつ高効率で吸着することができる。
また、ドロマイト類は、それ自体がCa,Mgを含有しており、第1の液体とドロマイト類とを接触させたときに、ドロマイト類のCa成分、Mg成分が液相中に溶出することにより、第1の液体中にCa成分、Mg成分が供給される。
これにより、最終的に得られる液体を、Ca成分、Mg成分が豊富で、高い肥料成分を有する液体肥料とすることができる。
本工程で用いるドロマイト類としては、ドロマイト、水酸化ドロマイト(消化ドロマイト。ドロマイトプラスターを含む)、軽焼ドロマイト、ドロマイトクリンカー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、水酸化ドロマイトを用いることにより、第1の液体中に含まれる重金属をドロマイト類にさらに効率よく吸着させることができる。
また、ドロマイトを用いることにより、ドロマイト類の選択の幅が広がり、ドロマイト類の粒径や細孔径等の条件を好適に調整することができる。また、原料がより安価であるため、吸着剤のコストのさらなる低減の観点からも有利である。
本工程で用いるドロマイト類は、通常、多孔質である。
これにより、吸着剤の単位質量(単位体積)当たりの表面積を大きくすることができ、重金属の除去効率をさらに向上させることができる。
吸着剤と第1の液体とを接触させる際の、吸着剤と第1の液体との混合物のpH(水素イオン指数)は、2.0以上13以下であるのが好ましく、3.5以上12以下であるのがより好ましく、4.0以上11以下であるのがさらに好ましい。
これにより、吸着剤による重金属の除去効率をさらに向上させることができる。
(分離除去工程)
分離除去工程では、重金属を吸着した吸着剤を第1の液体から分離除去する。
これにより、第1の液体から重金属を効率よく除去することができる。
吸着剤を第1の液体から分離除去する方法は、特に限定されないが、例えば、デカンテーション、ろ過、遠心分離等が挙げられ、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
また、本工程では、必要に応じて、一旦分離された吸着剤を水等により洗浄してもよい。
これにより、吸着剤中のリンの含有率をより低くすることができる。
なお、吸着剤の洗浄に用いた液体は、回収後、先の分離除去により得られた液相と合わせてもよい。
これにより、液相中のリンの含有量をより高くすることができる。
固液分離された吸着剤中におけるリンの含有率は、30質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましく、2質量%以下であるのがさらに好ましい。
固液分離された液相中における重金属の含有率は、1000ppm以下であるのが好ましく、10ppm以下であるのがより好ましく、0.01ppm以下であるのがさらに好ましい。
<第2の析出工程>
第2の析出工程は、前述した重金属除去工程よりも後に行うものであり、当該第2の析出工程では、リンが溶解した液体を析出剤と混合するとともにpHを低下させ、リンを含む固体(第2の固体)を析出させる。
これにより、重金属を実質的にほぼ含まない純度の高いリン酸塩を得ることができる。
本工程では、析出剤と混合するとともにpHを下降させることができれば、どのような物質、組成物を用いてもよいが、pHが−1.0以上2.0以下の酸性液体を用いるのが好ましい。
これにより、混合物のpHを好適に低下させることができ、リンを含む第2の固体をより効率よく析出させることができる。また、後の第4の固液分離工程の完了前にリンが不本意に再溶解してしまうことをより確実に防止することができる。
本工程では、pHが−1.0以上2.0以下の酸性液体を用いるのが好ましいが、当該酸性液体のpHは、−0.5以上1.3以下であるのがより好ましく、0以上1.0以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮されるとともに、当該酸性液体を容易かつ安定的に入手または調製することができる。
また、本工程では、析出剤として、リン酸塩等の析出を促進する機能を有するものを用いればよく、例えば、CaCl、Ca(OH)、CaCO等のCa系物質、MgCl、Mg(OH)、MgCO等のMg系物質、Al塩等のAl系物質、Fe塩等のFe系物質等を用いることができる。これにより、アルカリ溶液での溶解性能を調節可能になり、さらに、リン酸塩を、肥料等に有用なリン酸金属塩やリン酸カルシウム塩として得ることができる。
特に、本工程では、CaCl、Ca(OH)、CaCO3、MgCl、Mg(OH)およびMgCOよりなる群から選択される1種または2種以上を用いるのが好ましく、CaClまたはMgClを用いるのがより好ましい。
これにより、リン酸塩の一部となるカルシウム成分またはマグネシウム成分を系内に効率よく供給しつつ、混合物のpHを好適に調整することができる。その結果、本工程で、リンが溶解した液体に混合される物質の使用量を抑制し、本工程を効率よく進行させることができる。また、本工程での混合物中における、カルシウム、マグネシウム含有率とpHとのバランスを好適に調整することができ、リンの析出効率を向上させつつ、固体中における不純物の含有率をより低くすることができる。また、後の第4の固液分離工程の完了前にリンが不本意に再溶解してしまうことをより確実に防止することができる。
本工程の終了時における液相のpHは、2.0以上12.0以下であるのが好ましく2.5以上10.0以下であるのがより好ましく、3.0以上8.0以下であるのがさらに好ましい。
これにより、後の第4の固液分離工程の完了前にリンが不本意に再溶解してしまうことをより確実に防止することができる。また、pHの上昇に用いる材料の使用量が必要以上に多くなることを防止しつつ、液相中に残存するリンの量をより少なくすることができる。
析出剤としてカルシウム化合物、マグネシウム化合物のうちの少なくとも一方を用いる場合、本工程では、以下の条件を満足するように、当該析出剤を加えるのが好ましい。すなわち、本工程の終了時における系内のリンの物質量をX[mol]、マグネシウムの物質量をXMg[mol]、カルシウムの物質量をXCa[mol]としたとき、1.0≦(XMg+XCa)/X≦4.0の関係を満足するのが好ましく、1.3≦(XMg+XCa)/X≦3.0の関係を満足するのがより好ましく、1.5≦(XMg+XCa)/X≦2.5の関係を満足するのがさらに好ましい。
これにより、第1の液体中に含まれていたリンをリン酸のカルシウム塩、マグネシウム塩のうちの少なくとも一方としてより好適に析出させることができ、溶解状態で液相中に残存するリンの割合を特に低くさせることができる。
<第4の固液分離工程>
第4の固液分離工程では、前述した第2の析出工程の後に、リンを含む第2の固体(固相)と液体成分(液相)とを分離する。
これにより、好ましくない不純物の含有率が低く、リンの含有率がより高められた固体(第2の固体)を得ることができる。なお、分離された液相は、重金属を実質的に含んでいないため、産業廃棄液として処理する必要がない。また、分離された液相は、リンの含有率が十分に低いため、当該液相を廃棄しても、有用資源の有効利用の観点から不利ではない。また、固液分離された液相は、本実施形態の液体肥料の製造方法に利用してもよい。
固液分離の方法は、特に限定されないが、例えば、デカンテーション、ろ過、遠心分離等が挙げられ、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
また、本工程では、必要に応じて、一旦分離された固相を水等により洗浄してもよい。
これにより、固体中の塩素イオンの含有率をより低くすることができる。
なお、固相の洗浄に用いた液体は、回収後、先の固液分離により得られた液相と合わせてもよい。
固液分離された固相(第2の固体)中における重金属の含有率は、500ppm以下であるのが好ましく、5ppm以下であるのがより好ましく、0.005ppm以下であるのがさらに好ましい。
<第3の溶解工程>
第3の溶解工程では、リンを含む第2の固体と、硝酸を含む液体とを混合し、リンを含む第2の固体を、硝酸を含む液体に溶解させる。
第4の固液分離工程で分離された固相(第2の固体)は、リン酸塩を高純度で含み、重金属の含有率が極めて低いため、このような固体を溶解させた液体は、リンを含み、重金属の含有率が極めて低くなり、液体肥料として好適に用いることができる。特に、本工程で得られる液体は、硝酸イオンを含んでいる。したがって、液体肥料を、より好適に、適切な割合で窒素系肥料を含むものとするものができる。
また、前述の方法により得られた液体には、リン成分以外に、Mg成分、Ca成分が含まれている。そこに肥料成分(例えばK成分、N成分)を添加することにより、液体肥料として好適に用いることができる。
以上、説明してきた方法により製造された液体肥料は、リンを含み、重金属の含有率が極めて低いため、例えば、ハウス栽培用の液体肥料等として好適に用いることができる。
特に、本発明の方法では、被処理物をアルカリ性の溶液で処理することで、被処理物に含まれる微量肥料成分も溶解することができる。また、成分調節が容易であり、安定した品質の製品を提供することができる。
また、被処理物として汚泥灰を用いることにより、原料が安価であるとともに、安定した供給が可能になる。
このように本発明の方法によれば、固体肥料の製造よりも低コストで、固体肥料よりも高価な液体肥料を製造することができる。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるリン元素(P)の含有率は、特に限定されないが、0.1質量%以上20質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上10質量%以下であるのがより好ましく、5質量%以上8質量%以下であるのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるカルシウム元素(Ca)の含有率は、特に限定されないが、0.01質量%以上5質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であるのがより好ましく、0.2質量%以上0.7質量%以下であるのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるマグネシウム元素(Mg)の含有率は、特に限定されないが、0.01質量%以上3質量%以下であるのが好ましく、0.05質量%以上1質量%以下であるのがより好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であるのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるカリウム元素(K)の含有率は、特に限定されないが、1質量%以上15質量%以下であるのが好ましく、2質量%以上10質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以上7質量%以下であるのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中における窒素元素(N)の含有率は、特に限定されないが、1質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上15質量%以下であるのがより好ましく、5質量%以上8質量%以下であるのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるリン元素(P)の含有率をX[質量%]、カルシウム元素(Ca)の含有率をXCa[質量%]としたとき、0.04≦XCa/X≦0.25の関係を満足するのが好ましく、0.1≦XCa/X≦0.2の関係を満足するのがより好ましく、0.1≦XCa/X≦0.09の関係を満足するのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるリン元素(P)の含有率をX[質量%]、マグネシウム元素(Mg)の含有率をXCa[質量%]としたとき、0.01≦XMg/X≦0.15の関係を満足するのが好ましく、0.02≦XMg/X≦0.1の関係を満足するのがより好ましく、0.05≦XMg/X≦0.063の関係を満足するのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるリン元素(P)の含有率をX[質量%]、カリウム元素(K)の含有率をX[質量%]としたとき、0.5≦X/X≦10の関係を満足するのが好ましく、0.75≦X/X≦2の関係を満足するのがより好ましく、0.8≦X/X≦0.9の関係を満足するのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中におけるリン元素(P)の含有率をX[質量%]、窒素元素(N)の含有率をX[質量%]としたとき、0.5≦X/X≦10の関係を満足するのが好ましく、0.7≦X/X≦1.5の関係を満足するのがより好ましく、0.9≦X/X≦1の関係を満足するのがさらに好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造された液体肥料中における重金属の含有率は、300ppm以下であるのが好ましく、3ppm以下であるのがより好ましく、0.003ppm以下であるのがさらに好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体肥料の製造方法は、前述した工程以外の工程(例えば、前処理工程、中間処理工程、後処理工程等)を有していてもよい。
また、各工程の順番は入れ替えて行ってもよい。例えば、前述した実施形態では、K成分添加工程、N成分添加工程およびMg成分添加工程を、この順番で行うものとして説明したが、これらの工程の順番は、特に限定されず、これらの工程の順番を入れ替えて行ってもよい。
また、前述した工程のうち2つ以上を同時進行的に行ってもよい。例えば、K成分添加工程、N成分添加工程、Mg成分添加工程および微量要素添加工程のうち、2つ以上の工程を同時に行ってもよい。言い換えると、カリウム系の肥料成分、窒素系の肥料成分、マグネシウム系の肥料成分、前述した微量要素のうち2つ以上を同じタイミングで系内に供給してもよい。
また、前述した第2実施形態では、重金属除去工程(吸着工程および分離除去工程)の後に、第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程を行い、さらに、K成分添加工程、N成分添加工程、Mg成分添加工程およびpH調整工程を行う場合について説明したが、重金属除去工程(吸着工程および分離除去工程)の後の第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程を省略して、K成分添加工程、N成分添加工程、Mg成分添加工程およびpH調整工程を行ってもよい。特に、被処理物中における重金属の含有率が比較的低い場合に、第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程を省略することにより、最終的に得られる液体肥料中における重金属の含有率を十分に低いものとしつつ、液体肥料の製造工程の簡略化を図ることができ、液体肥料の生産性をより優れたものとすることができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《1》液体肥料の製造
(実施例1)
まず、汚泥灰を用意し、これに110℃で2時間の乾燥処理を施し、含水率を0%にした。この汚泥灰は、リン、重金属に加え、Fe、Al、Mgを含んでいた。
次に、300mLの三角フラスコに1Mの塩酸200mLを入れ、80℃で加熱した後、汚泥灰10gをこの三角フラスコ内に添加し、マグネットスターラーを用いて40分間撹拌した。これにより、汚泥中の酸化リンをリン酸イオンとして溶出させた(第1の溶解工程)。
60分間撹拌を行った後、ろ紙を濾過器にセットし、固液分離した(第1の固液分離工程)。
500mLメスフラスコを用いて、固液分離した濾液(液相)である第1の液体をメスアップし、サンプル液とした。
サンプル液を希釈し、モリブデン青吸光度法にてリン濃度を測定し、測定結果から、リンの溶解率を算出した。溶出液の分析には、UV分光分析器を用いた。
また、ICP−AES、ICP−MSを用いてサンプル液中の金属・重金属の濃度を求め、金属・重金属について、固相に含まれる量と液相に含まれる量とを算出した。
次に、第1の液体を用いて調製したサンプル液に対し、溶出したリンの物質量とカルシウムの物質量との比が1:2となるように塩化カルシウムを添加し、1MのNaOH溶液を添加しながら、pHメーターを用いてpHを測定し、撹拌を行いながらリンおよび重金属を析出させた(第1の析出工程)。このとき、リンは、主にリン酸塩として析出した。
pHを4に調整した後、さらに30分撹拌し、その後、ろ紙を濾過機にセットし、真空ポンプを用いて固液分離を行った(第2の固液分離工程)。
500mLメスフラスコを用いて、固液分離した濾液(液相)をメスアップした。
メスアップした濾液を特定の割合で希釈し、モリブデン青吸光度法によりリン濃度を測定し、測定結果から、リンの析出率を算出した。リン濃度の測定には、UV分光分析器を用いた。
また、ICP−AES、ICP−MSを用いて濾液中の金属・重金属の濃度を求め、金属・重金属について、固相に含まれる量と液相に含まれる量とを算出した。
また、第2の固液分離工程で得られた固相(第1の固体)については、105℃で2時間乾燥した後に、粉末にし、XRDによる分析も行った。
第2の固液分離工程で得られた第1の固体を、乾燥した後、200mLの1.0MのNaOH水溶液が入っている三角フラスコに投入し、60℃で20分間撹拌した。これにより、リンを再溶出させた(第2の溶解工程)。
リンが溶解した第2の液体(液相)をろ紙で固液分離し、重金属を含む固体成分(固相)と分離した(第3の固液分離工程)。この工程で得られたリンが溶解した液体(第2の液体)にK成分、N成分、Mg成分、Ca成分を添加し(K成分添加工程、N成分添加工程およびMg成分添加工程)、各成分の濃度とpHを調節すること(pH調整工程)で、液体肥料を製造した。
なお、K成分添加工程、N成分添加工程およびMg成分添加工程では、それぞれ、カリウム系の肥料成分として塩化加里(塩化カリウム)を用い、窒素系の肥料成分として硝酸アンモニアを用い、マグネシウム系の肥料成分として塩化マグネシウムを用い、これらを水溶液の状態で添加した。
また、pH調整工程では、硝酸の水溶液と酢酸水溶液を用い、pH調整工程後の液体肥料のpHが7.0となるように調整した。
(実施例2〜5)
第1の析出工程の終了時におけるpHを表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして液体肥料を製造した。
(比較例1)
本比較例では、第1の溶解工程および第1の固液分離工程のみを行った以外は、前記実施例1と同様にして液体肥料を製造した。すなわち、本比較例では、重金属除去工程を省略し、第1の固液分離工程で分離された第1の液体を液体肥料とした。
(比較例2)
本比較例では、被処理物に対し、1MのNaOH溶液を添加し、pHを14に調整した後、さらに30分撹拌し、その後、ろ紙を濾過機にセットし、真空ポンプを用いて固液分離を行った。その後、固液分離により得られた液相に対して、前記実施例1と同様にして、K成分、N成分、Mg成分、Ca成分を添加し(K成分添加工程、N成分添加工程およびMg成分添加工程)、各成分の濃度とpHを調節すること(pH調整工程)で、液体肥料を製造した。
前記各実施例および各比較例の方法での処理条件(第1の溶解工程、第1の析出工程の処理条件)を表1にまとめて示す。なお、前記各実施例では、第1の固液分離工程で分離された固相中におけるリンの含有率は、いずれも、5質量%以下であり、第1の固液分離工程で分離された固相中における重金属の含有率は、いずれも、初期含有率の1%以下であり、第2の固液分離工程で分離された液相中におけるリンの含有率は、いずれも、1質量%以下であり、第2の固液分離工程で分離された液相中における重金属の含有率は、いずれも、1質量%以下であり、第3の固液分離工程で分離された固相中におけるリンの含有率は、いずれも、5質量%以下であり、第3の固液分離工程で分離された固相中における重金属の含有率は、いずれも、初期含有率の90%以上であり、第4の固液分離工程で分離された固相中における重金属の含有率は、いずれも、初期含有率の0.1%以下であった。リンの含有率は、初期含有率の60%以上であった(最高は85%)。
言い換えると、第3の固液分離工程で分離された液相中におけるリンの含有率はいずれも高く、第3の固液分離工程で分離された液相中における重金属の含有率はいずれも低かった。
Figure 2020101031
《2》評価
被処理物から液体肥料へのリンの移行率(回収率)、液体肥料中に含まれるリン元素(P)、カルシウム元素(Ca)、マグネシウム元素(Mg)、カリウム元素(K)、窒素元素(N)、重金属の含有率を求めた。
これらの結果を表2にまとめて示す。なお、表2には、後述する実施例6についての結果も併せて示す。
また、実施例1、2および3についての、第1の析出工程の終了時における液相のpHと、析出物のX線回折(XRD)パターンとの対応を図4に示した。
Figure 2020101031
本発明では、好適な含有率でリンを含み、重金属の含有率が低い液体肥料を、低コストで効率よく製造できた。なお、本発明の液体肥料中におけるヒ素(As)の含有率は、他の重金属に比べると高いが、肥料の基準値である4000mg/kgを大幅に下回っており、安全性に問題はないと考えられる。
これに対し、各比較例では満足のいく結果が得られなかった。すなわち、比較例1では、被処理物から高い割合で重金属およびリンを抽出することができたものの、重金属とリンとを分離することはできず、重金属を高い含有率で含んでいた。また、比較例2では、リンの抽出率が特に低かった。
また、第3の固液分離工程の後に、さらに、以下の条件で、第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程を行った以外は、前記各実施例と同様にして液体肥料を製造したところ、最終的に得られた液体肥料中における好ましくない不純物(重金属等)の含有率を極めて低い状態(0.6ppm以下)とすることができ、また、最終的に得られた液体肥料は、より適切な割合で窒素系肥料を含むものであった。
第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程は以下のようにして行った。すなわち、まず、固液分離した第2の液体に対し、第2の液体中のリンの物質量と、添加するカルシウムの物質量との比が1:2となるように塩化カルシウムを添加し、1Mの塩酸を添加しながら、pHメーターを用いてpHを測定し、撹拌を行いながら、リン酸のカルシウム塩を析出させた(第2の析出工程)。本工程は、液温が20℃以上80℃以下となるようにして行った。pHを2.0〜12の間で調整しながら、さらに60分間撹拌した後、固液分離を行い、主としてリン酸のカルシウム塩で構成された固体(第2の固体)を得た(第4の固液分離工程)。この第2の固体26gを、1Mの硝酸100mLに溶解させることにより、液体肥料を得た(第3の溶解工程)。
また、第1の析出工程の終了時における液相のpHが2.0以上10以下となるようにアルカリ性液体の使用量を変更した以外は、前記実施例と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
また、第1の析出工程で、CaClの代わりに、Ca(OH)およびCaCOを用いた以外は、前記実施例と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
また、第1の析出工程で、CaClの代わりに、MgCl、Mg(OH)およびMgCOを用いた以外は、前記実施例と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
(実施例6)
汚泥灰に対し、前記実施例1と同様にして第1の溶解工程、第1の固液分離工程を行い、第1の液体を用いてサンプル液を調製した。
次に、前記サンプル液に対し1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHが4となるように調整した。
サンプル液:50mLに対し、吸着剤:0.1gを加え、1時間撹拌した(吸着工程)。吸着剤としては水酸化ドロマイトを用いた。その後、固液分離し(分離除去工程)、液相を液体肥料として得た。
本実施例で得られた液体肥料について、前記実施例1〜5と同様の評価を行ったところ、前記と同様に、好適な含有率でリンを含み、重金属の含有率が低い液体肥料を、低コストで効率よく製造できたことが確認された。
また、分離除去工程の後に、さらに、以下の条件で、第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程を行った以外は、前記各実施例6と同様にして液体肥料を製造したところ、最終的に得られた液体肥料中における好ましくない不純物(重金属等)の含有率を極めて低い状態(0.6ppm)とすることができ、また、最終的に得られた液体肥料は、より適切な割合(7質量%)で窒素系肥料を含むものであった。
第2の析出工程、第4の固液分離工程および第3の溶解工程は以下のようにして行った。すなわち、まず、分離除去工程で分離した液相に対し、当該液相中のリンの物質量と、添加するカルシウムの物質量との比が1:2となるように塩化カルシウムを添加し、1Mの塩酸を添加しながら、pHメーターを用いてpHを測定し、撹拌を行いながら、リン酸のカルシウム塩を析出させた(第2の析出工程)。本工程は、液温が20℃以上80℃以下となるようにして行った。pHを2.0〜12の間で調整しながら、さらに60分間撹拌した後、固液分離を行い、主としてリン酸のカルシウム塩で構成された固体(第2の固体)を得た(第4の固液分離工程)。この第2の固体26gを、1Mの硝酸100mLに溶解させた(第3の溶解工程)。この工程で得られたリンが溶解した液体にK成分、N成分、Mg成分、Ca成分を添加し(K成分添加工程、N成分添加工程およびMg成分添加工程)、各成分の濃度とpHを調節すること(pH調整工程)で、液体肥料を製造した。
なお、K成分添加工程、N成分添加工程およびMg成分添加工程では、それぞれ、カリウム系の肥料成分として塩化加里(塩化カリウム)を用い、窒素系の肥料成分として硝酸アンモニアを用い、マグネシウム系の肥料成分として塩化マグネシウムを用い、これらを水溶液の状態で添加した。
また、pH調整工程では、硝酸の水溶液と酢酸水溶液を用い、pH調整工程後の液体肥料のpHが7.0となるように調整した。
また、吸着工程におけるpHを2.0以上13以下の範囲で変更した以外は、前記実施例6と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
また、第2の析出工程の終了時における液相のpHが2.0以上12.0以下となるように酸性液体の使用量を変更した以外は、前記実施例6と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
また、第2の析出工程で、CaClの代わりに、Ca(OH)およびCaCOを用いた以外は、前記実施例6と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
また、第2の析出工程で、CaClの代わりに、MgCl、Mg(OH)およびMgCOを用いた以外は、前記実施例6と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
また、第1の溶解工程で用いる酸性の液体を、pHが−1.0以上1.5以下の範囲で変更した以外は、前記実施例と同様の方法で液体肥料を製造したところ、前記と同様の結果が得られた。
本発明による液体肥料の製造方法は、リンが溶解した液体肥料を製造する方法であって、リンおよび重金属を含む被処理物と酸性の液体とを混合し、前記被処理物中に含まれるリンおよび重金属を溶解させる第1の溶解工程と、リンおよび重金属が溶解した第1の液体を固体成分と分離する第1の固液分離工程と、前記第1の液体から重金属を除去する重金属除去工程とを有する。そのため、リンおよび重金属を含む被処理物から、低コストで効率よく重金属を分離することができる液体肥料の製造方法を提供することができる。したがって、本発明の液体肥料の製造方法は、産業上の利用可能性を有する。

Claims (22)

  1. リンが溶解した液体肥料を製造する方法であって、
    リンおよび重金属を含む被処理物と酸性の液体とを混合し、前記被処理物中に含まれるリンおよび重金属を溶解させる第1の溶解工程と、
    リンおよび重金属が溶解した第1の液体を固体成分と分離する第1の固液分離工程と、
    前記第1の液体から重金属を除去する重金属除去工程とを有することを特徴とする液体肥料の製造方法。
  2. 前記重金属除去工程は、
    前記第1の液体を析出剤と混合するとともにpHを上昇させ、リンおよび重金属を含む第1の固体を析出させる第1の析出工程と、
    前記第1の固体を液体成分と分離する第2の固液分離工程とを有する請求項1に記載の液体肥料の製造方法。
  3. 前記第1の析出工程の終了時における液相のpHが2.0以上12以下である請求項2に記載の液体肥料の製造方法。
  4. 前記第1の析出工程で、pHが10以上のアルカリ性液体を用いる請求項2または3に記載の液体肥料の製造方法。
  5. 前記第1の析出工程で、前記析出剤としてカルシウムイオンを含む成分またはマグネシウムイオンを含む成分を用いる請求項2ないし4のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  6. 前記第1の析出工程で、前記析出剤としてCaCl、Ca(OH)およびCaCOよりなる群から選択される1種または2種以上を用いる請求項2ないし5のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  7. 前記第1の析出工程で、前記析出剤としてMgCl、Mg(OH)およびMgCOよりなる群から選択される1種または2種以上を用いる請求項2ないし6のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  8. 前記重金属除去工程は、
    前記第2の固液分離工程の後に、さらに、
    前記第1の固体中に含まれるリンをアルカリ性の液体で溶解させる第2の溶解工程と、
    リンが溶解した第2の液体を、重金属を含む固体成分と分離する第3の固液分離工程とを有する請求項2ないし7のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  9. 前記第2の溶解工程で、NaOHを含む液体を用いる請求項8に記載の液体肥料の製造方法。
  10. 前記第2の溶解工程の終了時における液相のpHが10以上である請求項8または9に記載の液体肥料の製造方法。
  11. 前記第2の液体のpHを調整するpH調整工程をさらに有する請求項8ないし10のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  12. 前記pH調整工程後のpHが5.0以上9.0以下である請求項11に記載の液体肥料の製造方法。
  13. 前記重金属除去工程は、
    前記第1の液体を吸着剤と接触させ、前記第1の液体に含まれる重金属を、前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着剤を前記第1の液体から分離除去する分離除去工程とを有する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  14. 前記吸着工程において、前記吸着剤としてドロマイト類を用いる請求項13に記載の液体肥料の製造方法。
  15. 前記ドロマイト類は、水酸化ドロマイトである請求項14に記載の液体肥料の製造方法。
  16. 前記ドロマイト類は、ドロマイトである請求項14に記載の液体肥料の製造方法。
  17. 前記吸着工程をpHが2.0以上13以下の条件で行う請求項13ないし16のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  18. 前記重金属除去工程の後に、
    リンが溶解した液体から、リンを析出させる第2の析出工程と、
    リンを含む第2の固体を液体から分離する第4の固液分離工程と、
    前記第2の固体を、硝酸を含む液体に溶解させる第3の溶解工程とを有する請求項1ないし17のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  19. 前記第1の溶解工程で、前記酸性の液体としてpHが−1.0以上1.5以下の強酸を用いる請求項1ないし17のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  20. 前記重金属除去工程よりも後に、系内にカリウム系の肥料成分を添加するK成分添加工程をさらに有する請求項1ないし19のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  21. 前記重金属除去工程よりも後に、系内に窒素系の肥料成分を添加するN成分添加工程をさらに有する請求項1ないし20のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
  22. 前記重金属除去工程よりも後に、系内にマグネシウム系の肥料成分を添加するMg成分添加工程をさらに有する請求項1ないし21のいずれか1項に記載の液体肥料の製造方法。
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