JP3696766B2 - ケーシング筒状担持具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーセージ類の原料を製造加工時に上記原料を充填せしめる際に使用されるケーシング筒状担持具及び上記ケーシング筒状担持具を使用して上記ソーセージを製造するためのソーセージ製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記ソーセージの製造は、従来、肉類からなる原料を通常ケーシングと言われている被膜に上記原料を充填して製品化している。
上記ケーシングは通気性,伸縮性に富み且つ食用にできるため羊,豚等の天然腸が多く適用されている。
【0003】
一方、何時でも所要量の生産ができるところから、食べることができないが、塩化ビニリデン,セルロース等の人工的な上記ケーシングも適用されている。
上記天然腸は、現在,多くのものが外国から輸入されており、品質保証のため塩漬けにして輸入されている。
次に、従来の上記天然腸を適用して上記ソーセージを製造する場合について説明する。
【0004】
上記天然腸に原料である肉等を肉詰めし製品化するため、上記肉詰を充填機の充填ノズルに上記天然腸を蛇腹状に挿入しセットする方法としては、次に説明する2通りの方法が適用されている。
先ず、第1の方法は、輸入された上記塩漬けの束状の天然腸を水により塩抜きを行い、その後、上記天然腸を1本ずつ上記充填ノズルに直接手作業により蛇腹状にセットして、上記肉詰めの充填加工を行なうものである。
【0005】
しかし、この第1の方法は、上記のように天然腸を1本ずつ充填ノズルに直接手作業で挿入するものであり、小規模の生産にはよいが、生産性が悪い。
又、第2の方法は、細長い硬質の合成樹脂性のパイプに1本の上記天然腸を挿入させ、蛇腹状にセットし、上記原料の肉を充填加工時に、上記パイプにセットされた天然腸を上記充填ノズルに移し替え、この天然腸に適宜上記肉詰めを行なうものである。
【0006】
又、上記第1及び第2の方法の他に、板状に構成された合成樹脂製のチューブを使用する方法もあるが、柔らかい天然腸を板状のチューブに装着してもその取扱いに手間がかかり、その生産性が悪い。
この上記第2の方法のパイプを使用する場合には、上記パイプを巻取機の水噴射ノズルに挿入せしめ、上記パイプの先端から天然腸を所要の長さ嵌挿し、蛇腹状に上記パイプにセットせしめている。
【0007】
一般に上記パイプの一本に対する天然腸の長さは、例えば約3〜12mをセットしているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の方法は、上記第2の方法と比較して上記パイプの製造コストがかからないため、コストが安いが、上記天然腸を1本ずつ作業者の手作業により原料の上記充填ノズルにセットすることが必要であるため、上記手作業に要する時間がかかり、生産性が悪い。
【0009】
又、上記第2の方法は上記パイプの端部の開口を上記充填ノズルに突き合わて、天然腸を比較的簡単に上記充填ノズルに移し替えができるので、上記ソーセージの原料の充填作業の効率が向上せしめられる大量生産に向いているが、上記コストの高い上記パイプを使用するために、その保管や輸送の堆積が増大し、コストが嵩さむと共に、上記原料詰め加工後に上記パイプを再使用するために行なう、洗浄の手間や返却のための輸送コストがかかる等の欠点がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用ケーシングを移し替えるためのケーシング担持具において、上記ケーシング担持具を長手方向に沿って間隙が設けられた筒状に構成することによって、上記ケーシングの脱落の防止と、上記のケーシングが嵌挿されたケーシング筒状担持具の輸送を容易にし、又上記間隙を有するケーシング筒状担持具を使用してソーセージの生産性のよいソーセージ製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明のケーシング筒状担持具は、ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部の夫々の上記端部に設けられ上記端部の外周径より大きい突出するリング状に設けられて凸部から構成された脱落防止手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項1記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が、上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の両端に向かって先細りになるように構成されていることを特徴としている。
請求項3記載の本発明のケーシング筒状担持具は、ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具が上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された湾曲手段と、上記湾曲手段により湾曲された上記ケーシング筒状担持具の両端の係合により上記ケーシングが上記ケーシング筒状担持具より脱落するのを防止する脱落防止手段とを有することを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が上記長手方向の両端部のうちの一方の端部に設けられた舌片に設けられた孔に上記ケーシング筒状担持具の他方の端部を嵌合されるように構成されていることを特徴としている。
請求項5記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3又は4記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部のいずれか一方に設けられ上記長手方向に沿う間隙を有する筒状の嵌合脱落防止部材で形成し、上記脱落手段により上記ケーシング筒状担持具をせしめて上記嵌合脱落防止部材を上記他方の端部に重合させるように構成したことを特徴としている。
【0014】
請求項6記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項5記載の構成において、上記手段が設けられる部位が蛇腹状の構成,上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さの構成,及び上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料の構成のうちの少なくともいずれか一つの構成を備えていることを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の構成において、上記湾曲手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間に設けられた切欠部をそなえ、上記切欠部を中心として曲げられるように形成されたことを特徴としている。
請求項8記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の構成において、上記ケーシング担持具に自身の長手方向に沿って仕様により設定される間隙が設けられるケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具の長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された上記湾曲手段と、上記ケーシング筒状担持具の両端部のうちいずれか一方の端部から上記湾曲手段までの間の上記一方のケーシング筒状担持具をケーシング嵌挿側筒状担持具にして上記ケーシングを嵌挿し、上記他方の端部から上記手段までの間の他方のケーシング筒状担持具の上記間隙を介して上記ケーシングが嵌挿された上記一方の上記ケーシング嵌挿側ケーシング筒状担持具の少なくとも一部分の外周を覆い挟着されるように構成されていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の説明図であり、(A)はケーシング筒状担持具の概略斜視説明図、(B)は図1(A)の変形例を示す概略斜視説明図、図2は図1の天然腸をケーシング筒状担持具にセットする状態を示す概略説明図、図3は図1に示したケーシング筒状担持具その他の変形例を示す概略平面図、図4は図3の正面を示す概略正面図、図5は図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図、図6は図5に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図、図7は図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げ、その両端部を係止部材(脱落防止部材)の孔に係止される状態を示す概略説明図、図8は図7で天然腸が嵌挿されたケーシング筒状担持具を連接手段により所定本数を保持した状態を示す概略説明図、図9は本発明の第2実施形態を示すケーシング筒状担持具の、図3と同様の状態を示す概略平面図、図10は図9の正面を示す概略正面図、図11は図10に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図、図12は図11に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図、図13は図12に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態のその他の変形例を示す概略説明図、図14は本発明の3実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の概略斜視説明図、図15はケーシングが嵌挿されたケーシング筒状担持具をソーセージ製造装置の原料充填機の充填ノズルにセットした状態を示す概略説明図、図16はソーセージ製造装置を模式的に示したの概略説明図、図17は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状を示すものであり、(A)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が円筒状を示す概略説明図、(B)上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が楕円筒状を示す概略説明図、(C)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が台形状を示す概略説明図である。
【0022】
先ず、本発明の第1実施形態を、図1〜図8について説明するが、本発明の ケーシング筒状担持具2,2Nは、ポリプロピレン,ポリエチレン等の合成樹脂により形成されている。
図1に示したようにケーシング筒状担持具2は、自身の長手方向軸線に沿って設計仕様により設定される所望の間隙4が設けられた筒状に構成されており、本実施形態の場合には円筒状に形成されている。
【0023】
そして、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6には、ソーセージの原料が充填される被膜といわれるケーシング3が、ケーシング筒状担持具2に嵌挿された場合に、このケーシング筒状担持具2から脱落するのを防止する脱落防止手段8が設けられている。
本実施形態の場合には、脱落防止手段8はケーシング筒状担持具2の上記両端部6a,6bの外周辺に沿ってリング状の凸部8が設けられており、この凸部8にケーシング3の弾性力に抗して嵌合されるので、上記弾性力による嵌合により上記のケーシング3が凸部8から脱落するのを防止することができる。
【0024】
又、脱落防止手段8は上記に限られるものではなく、ケーシング筒状担持具2と別体に設けられたケーシング筒状担持具2の円筒状の直径と略同径もしくは若干小さい直径の孔10aを有する脱落防止部材10で構成してもよく、この脱落防止部材10を、図1(A)に二点鎖線で示したように、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部に設けても上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
又、図1(B)に示したようにケーシング筒状担持具2の両端部6a,6bに向かって先細りになる先端部11を有するように構成して、ケーシング3を嵌挿する際に、円滑に挿入作業が行なわれるようにすれば、上記の作業効率を向上することができる。
又、図2に示したように、開閉弁Vに取付けられた湯又は水を供給するための湯水ノズル5にケーシング筒状担持具2を嵌挿し、且つ、図2におけるケーシング筒状担持具2の一方の端部6aにケーシング3である天然腸を嵌挿せしめて湯水ノズル5から、例えば水を供給すると共に、上下に設けられた一対のローラRを作動してケーシング筒状担持具2に蛇腹状3aに嵌挿せしめる。
【0026】
この時、湯水ノズル5から水が天然腸3とケーシング筒状担持具2との間に浸入し、潤滑剤の役割を果たし、上記嵌挿作業を円滑に行なうことができるものである。
又、上記第1実施形態のその他の変形例は、図3に示したようにケーシング筒状担持具2が長手方向の両端部6a,6bの間で彎曲できるように構成された彎曲手段12が設けられている。
【0027】
又、図3に示したようにその他の変形例の場合には、彎曲手段12は、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bとの間に切欠部14を設け、切欠部14の上記長手方向の切欠部14の端部14a,14bとの間に略平面部14cを設けて、ケーシング筒状担持具2が彎曲状に二つ折れに曲がるように構成されているので、長さを短くしてコンパクトにすることができる。
【0028】
更に、図3,図4に示したように彎曲手段12はケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bとの間に設けられた切欠部14のそれぞれの長手方向の端部14a,14bから平面部14cに向かって漸減する周壁14dが設けられており、略平面に構成される平面部14cからなる彎曲手段12により彎曲せしめられた時、上記の漸減する平面部14cから延設されている周壁14dにより急激な変形が生じないように剛性が保持できるようになっている。
【0029】
又、図3,図4に示したようにケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aから延設される把持するための舌片16が設けられている。
この舌片16は後述する、図15に示すソーセージ製造装置の原料を充填する充填機34の充填ノズル32に、天然腸3が巻きとられたケーシング筒状担持具2を嵌挿した後、ケーシング筒状担持具2を充填ノズル32から引抜くことにより、ケーシング筒状担持具2に巻きとられているケーシング3を充填ノズル32に移し替える時に使用するものである。
【0030】
即ち、上記のようにケーシング筒状担持具2を引き抜く時に、舌片16を把持して引き抜くと充填ノズル32が上記の間隙4を押し開くことができるので、素早く容易に抜くことができるように構成されている。
この間隙4の幅は設計仕様により設定されるもので、例えば約2〜4mmに構成されている。
【0031】
又、図3〜図6に示したように上記ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6a又は舌片16にケーシング筒状担持具2を引抜くための作業者の指又は引抜き部材が嵌合する嵌合部18が、本実施形態の場合には孔18が設けられており、この孔18に作業者の指又は図15に示した引抜き部材20を嵌合せしめて引き抜くようにすれば極めて容易に作業を行なうことができるソーセージの製造効率を向上させることができる。
【0032】
そして、天然腸を使用した場合には、特に舌片16は、天然腸3の脂肪等により滑り易く、且つ掴み難い時でも、極めて容易にケーシング筒状担持具2を引抜くことができ、ソーセージの生産性の向上を図ることができる。
又、彎曲手段12が設けられる部位が、図示しないが蛇腹状に構成するか、上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さに構成するか、或いは上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料で構成にしてもよく、又上記三つの構成のうちのいずれか二つあるいは全ての構成を組合わせた構成にしてもよい。
【0033】
又、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aにケーシング3がケーシング筒状担持具2から脱落を防止するための脱落防止手段8が設けられているが、図1に示したケーシング筒状担持具2の上記の両端部6a,6bのそれぞれの外周に設けられたリング状の突起8に限られるものではない。
【0034】
又、脱落防止手段8は、 例えば図7に示したようにケーシング筒状担持具2の上記の両端部6a,6bに嵌合される別体に設けられる脱落防止部材10により構成してもよい。
又、脱落防止手段8は、図5,図6に示したように、例えばケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aに設けられた嵌合部である孔18に他方の端部6bを係合せしめて係止する係止部26で構成される脱落防止手段8を設け、ケーシング3の脱落を防止すると共に、ケーシング筒状担持具2を彎曲手段12によりコンパクトに、図5,図6に二点鎖線で示した位置より実線で示した位置に彎曲せしめられるように構成されている。
【0035】
又、上記の係止部26はケーシング筒状担持具2の一方の端部6aに設けられた孔18に他方の端部6b嵌入するのみで、孔18から他方の端部6bを係止することができるが、更に上記の彎曲手段12の切欠部14における曲げ反力や弾性力によって、上記脱落防止の上記係止力を強化させることができる。
又、図8に示したようにケーシング3を長手方向に沿って設けられた間隙4を有するケーシング筒状担持具2に嵌入せしめられ、このケーシング筒状担持具2の上記の両端部6a,6bからケーシング3が脱落防止手段8により脱落しないようにしたケーシング3が嵌入されたケーシング筒状担持具2Cを製造することができる。
【0036】
そして、上記のケーシング筒状担持具2Cに嵌挿されたケーシング3の防腐のため塩漬けにして保管する保管時及びソーセージメーカでの上記塩漬けのケーシング筒状担持具2Cを湯,水漬にする塩抜き作業時等に、上記のケーシング3がケーシング筒状担持具2から脱落するのを防止することができる。
又、ソーセージメーカへの販売や輸送時の取扱いに便利になる作用効果がある。
【0037】
図5,図6に実線で示したように、彎曲手段12を介して上記の間隙4が背中合わせになるように曲げられる場合を示したが、これに限られるものではく、例えば、図5に太線の二点鎖線で示したように、上記曲げられた時上記の間隙4が対向するように彎曲手段12を介して曲げるようにしても、図5,図6に実線で示したように曲げた場合と略同様の作用効果を奏することができる。
【0038】
又、図8に示したようにケーシング3が嵌入された複数本のケーシング筒状担持具2Cと、上記のケーシング筒状担持具2Cのそれぞれの長手方向の上記の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aを上記嵌挿されたケーシング3の外周から直径が縮小する方向に押圧しながら連結手段31の係合孔31aに係合して上記押圧力を開放せしめて連結せしめる連結手段31により、例えば所定長さのケーシング3を嵌挿したケーシンング筒状担持具2Cを10本連接しておけば、この10本のケーシング3の合計の長さが把握できるので、商取引上,生産性の向上もできるし、又商取引時の流通を明確にすることができる。
【0039】
次に、本願発明の第2実施形態を図9〜図11について説明するが、上記第1実施形態と実質的に同一部位には同一符号を付して、相違点に関して説明する。上記第1実施形態の変形例の場合は、図3〜図6に示したようにケーシング筒状担持具2は上記彎曲手段12を中心に略左右対象に、長手方向に間隙4を有するケーシング筒状担持具2に構成されていたが、第2実施形態のケーシング筒状担持具2Nは上記左右のいずれか一方側をケーシング3を嵌挿するケーシング嵌挿側筒状担持具2aと、他方側の部分を上記一方側のケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿したケーシング3の外周に嵌合することによりケーシング3の脱落を防止する脱落防止側筒状担持具2bとから構成されている。
【0040】
即ち、図9〜図11に示した第2実施形態の場合には、彎曲手段12は、ケーシング筒状担持具2Nの長手方向の両端部6a,6bとの間に切欠部14を設け、切欠部14の上記長手方向の切欠き14の端部14a,14bとの間に略平面部14cを設けて、図11に示したようにケーシング筒状担持具2Nが彎曲状に二つ折れに曲がり、ケーシング3が嵌挿されるケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3の外周から、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aからケーシング3が脱落するのを防止する脱落防止手段8である嵌合脱落防止部材60を有する脱落防止側筒状担持具2bが、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aと一体的に構成されている。
【0041】
上記のケーシング筒状担持具2Nは、図9,図10に示したように切欠部14の切欠端部14aから左側は長手方向に間隙4を有する筒状に形成されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aに構成され、切欠部14の切欠端部14bから右側は長手方向に切欠部14の平面部14cから略平面状に又は多少彎曲した帯状又は紐状に形成される延設部材62である連結帯が設けられている。
【0042】
そして、この連結帯62の端部には脱落防止手段8である嵌合脱落防止部材60が設けられており、彎曲手段12を介してケーシング筒状担持具2Nが彎曲状に二つ折れに曲げられた時、図11に示したようにケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3の外周からケーシング嵌挿側筒状担持具2aの弾性力に抗して押圧すると上記の間隙4があるので、上記ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの内径が縮小する方向に縮小され嵌合脱落防止部材60を容易に嵌合することができると共に、上記押圧力を開放すると上記で縮小されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aの反発力によりケーシング3をケーシング嵌挿側筒状担持具2aと嵌合脱落防止部60との間に挟持せしめて、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aからケーシング3の脱落を防止することができる。
【0043】
又、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿された切欠部14側のケーシング3は、上記の曲げられた切欠部14付近の部位によって脱落が防止される。
又、上記の嵌合脱落防止部材60は、図9〜図11に二点鎖線で示したように上記長手方向に沿って間隙4Nを設けておけば、上記実施形態の場合よりは上記嵌合が脱落し易くなる恐れもあるが、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aにケーシング3が嵌挿されて外周の直径が大きくなっても、嵌合脱落防止部材60の直径が上記間隙4Nで伸縮でき上記外周直径の増減に関係なく上記増減の許容範囲であれば容易に嵌合することができる。
【0044】
又、彎曲手段12による彎曲方向は、図11に矢印イ,ロで示したようにいずれの方向でもよいが、上記の曲げ易さを考慮すると好ましくは嵌挿されたケーシング3が少しでも邪魔にならない矢印イ方向がよい。
又、ケーシング筒状担持具2Nを彎曲手段12により曲がるように構成されているので、長さを短くしてコンパクトにすることができる。
【0045】
又、脱落防止手段8である延設部材62に接続されている嵌合脱落防止部材60は、上記の延設部材62がなく、ケーシング筒状担持具2Nと独立した単独に構成された筒状のキャップ60により形成し、例えば、図1(A),(B),図11,図12に示したような上記のケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Nの端部6a,6bのうちの少なくとも一方の端部に着脱可能に上記のキャップ60を嵌合して、ケーシング3がケーシング筒状担持具2,2Nから脱落するのを防止するようにしてもよい。
【0046】
次に、上記第2実施形態の変形例を、図12,図13について説明する。
図9〜図11に示した上記第2実施形態では、ケーシング筒状担持具2Nをケーーシング嵌挿側筒状担持具2aと脱落防止部材側筒状担持具2bとを有するようにしたが、本その他の変形例では、他方側を延設部材(連結帯)62を有する脱落防止側筒状担持具2bで構成したものであったが、これに限られるものではない。
【0047】
即ち、第2実施形態の変形例は基本的構成が、図3〜図5に示した第1実施形態のケーシング筒状担持具2で構成されており、図3〜図5の第1実施形態と相違する点について説明する。
図12に示した変形例は、ケーシング筒状担持具2Nが切欠部14で曲げられ、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの間隙4と脱落防止部材側筒状担持具2bの各々の上記の間隙4が対象的に同様に設けられ、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aと脱落防止部材側筒状担持具2bの間隙4が互いに対向するように曲げられるので、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3が上記曲げる時に邪魔にならないように上記切欠部14の長手方向の長さを、第1実施形態の場合より設計仕様の応じて長く設定される長さに設定され、水平部14cが長くなるように形成されていることが好まし。
【0048】
又、脱落防止部材側筒状担持具2bの端部6bには、図9に示した筒状に形成された嵌合脱落防止部材60が設けられている。
この嵌合脱落防止部材60には、図3に示した舌片16が設けられているものであってもよい。
本変形例は上記のように構成されているので、一方側のケーシング嵌挿側筒状担持具2aにケーシング3を嵌挿した後、彎曲手段12を介して曲げ、図12に示したように嵌合脱落防止部材60を、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの端部6a部分を外周直径が縮小する方向に押圧して縮小せしめて嵌合させ、その後上記押圧力を開放した時に発生する縮小されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aの反発力により、上記したようにケーシング3のケーシング嵌挿側筒状担持具2aの端部6aからの脱落を防止することができる。
【0049】
又、本変形例の場合にも嵌合脱落防止部材60に二点鎖線で示したように間隙4Nを設けておけば、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aのケーシング3の嵌挿による外周直径の変動に対しても嵌合脱落防止部材60の内径が伸縮でき、容易に着脱することがが可能になる。
次に、図13に示した第2実施形態のその他の変形例について説明する。
【0050】
図12に示した変形例と同様に切欠部14が長く形成され水平部14cが長く設定されているものであるが、図12の変形例と相違する点は嵌合脱落防止部材60がない場合である。
即ち、図13に示したようにケーシング筒状担持具2Nは脱落防止部材側筒状担持具2bとケーシング嵌挿側筒状担持具2aとは同様に長手方向に沿って間隙4が設けられている場合であり、上記両者は切欠部14を中心として略対象的な形状に形成されている。
【0051】
又、図13に示した、その他の変形例は上記のように構成されているので、彎曲手段12で曲げられた時、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3の外周を脱落防止部材側筒状担持具2bの間隙4より挿入せしめてケーシング3の外周を覆うことができできるため、ケーシング3の保護にもなり、且つケーシング3の脱落防止をすることができる。
【0052】
又、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの間隙4Naより脱落防止部材側筒状担持具2bの間隙4Nbの巾を広く形成しておけば、ケーシング嵌挿されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aの外周を間隙4Nbを介して容易に嵌合可能にし着脱を簡単に行なうことができる。
次に、第3実施形態を、図14について説明する。
【0053】
第3実施形態のケーシング筒状担持具2は、図1(A),(B)のように構成されている。
このケーシング筒状担持具2は、自身の長手方向軸線に沿って設計仕様により設定される間隙4が設けられた筒状に構成されており、本実施形態の場合には円筒状に形成されている。
【0054】
そして、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bには、ソーセージの原料が充填される被膜といわれるケーシング3が、ケーシング筒状担持具2に嵌挿された場合に、このケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cの一方側の端部6aから脱落するのを防止する脱落防止手段8が設けられている。
【0055】
又、本実施形態では第2実施形態のような脱落防止部材側筒状担持具2bがなく、ケーシング筒状担持具2の他方側の端部6bの端面6bfの一方側から突出するように設けられた凸部6tを有し、他方側の端部6bの端面6bfの他方側から延設される上記第2実施形態と略同様の短い延設部材62である連結帯62を介して脱落防止部材60になる舌片16を設け、この舌片16に上記の凸部6tと着脱可能な孔16hを設け係合せしめてケーシング3がケーシング筒状担持具2の他方側の端部6bから脱落するのを防止されるように構成されている。
【0056】
上記の孔16hは凸部6tを係合させる時、ケーシング3の外周をケーシング筒状担持具2Cの直径が伸縮する方向に押圧するが、凸部6tが上記伸縮する方向に移動可能な形状の孔16hに構成されており、本第3実施形態の場合には上記伸縮する方向に長い孔形状に構成されている。
第3実施形態は上記のように構成されているので、上記各実施形態と同様にケーシング3のケーシング筒状担持具2への嵌挿も容易であり、又ケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cの搬送中等におけるケーシング筒状担持具2からのケーシング3の脱落も上記の凸部6tと孔16hとの係合により防止することができる。
【0057】
又、上記の脱落防止部材60になる舌片16は、図14に示したようにケーシング筒状担持具2の他方側の端部6bに設けた場合を示したが、ケーシング筒状担持具2の一方側の端部6aに設けてもよいが、ケーシング3をケーシング筒状担持具2に嵌挿する際、ケーシング3を損傷する恐れがあるので、上記の舌片16,凸部6tをケーシング筒状担持具2の端部内方向に曲げてケーシング3に直接接触しないように配設しておき、上記脱落防止を行なうときに、必要に応じて取り出し脱落防止部材60aとして使用するようにすれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
又、ケーシング筒状担持具2の端部6aに向かって先細りになるように構成して、ケーシング3を嵌挿する際に、円滑に挿入作業が行なわれるようにすれば、上記の作業効率を、更に向上することができる。
次に、上記実施形態の応用例を、図15,図16について説明する。
図15,図16はソーセージの製造装置29を示すもので、例えば図8に示した長手方向に沿って設けられる間隙4を有しケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2をソーセージの原料を充填するソーセージ製造装置の充填機34の充填ノズル32に嵌挿し、図15に二点鎖線で示したように舌片16の孔18に作業者の指を入れてケーシング筒状担持具2を抜取り、ケーシング3を充填ノズル32に移し替えた後、ケーシング3の先端が閉じられたケーシング3に充填ノズル32により、設計仕様により設定されるソーセージの1個分の原料を充填せしめ、ケーシング3と共に1コ分のソーセージsができるように構成されている。
【0059】
更に、例えば図16に示したケーシング3の捩じり加工によりケーシング3を数回捩じりソーセージの加工が完了するが、更に続いて一個分の上記原料が上記のように供給され、連続的に連結された複数個の上記ソーセージを製造することができる。
そして、ソーセージ製造装置29は上記原料を充填するための充填機34に上記原料を適宜制御して供給するための配管36により上記原料が供給される原料38を予備室40を介して充填ノズル32の先端よりケーシング3に供給して充填せしめる。
【0060】
図15に示した応用例では、間隙4を有しケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cの舌片16が充填ノズル32の先端にくるように嵌挿されているが、図15に二点鎖線で示したように舌片16が充填機34側にくるように嵌挿すれば、上記のケーシング筒状担持具2Cの上記嵌挿方向と同一方向にケーシング筒状担持具2を引抜くことができるので作業効率を向上させることができる。
【0061】
又、上記の舌片16のないケーシング筒状担持具2Cであってもケーシング筒状担持具2の長手方向の端部6a,6bを把握して上記引抜き作業を行なうことができるものである。
又、図15に二点鎖線でしめしたように第2実施形態のように、例えば図9に示した脱落防止部材側筒状担持具2bはケーシング3が嵌挿されていないので、極めて容易に上記彎曲部12で下方向に下がり連結帯62を握持してケーシング筒状担持具2を引き抜くことができる。
【0062】
又、第3実施形態で説明した、図14に示されている短い延設部材62に連接されるケーシング筒状担持具2も、図15に二点鎖線で示したように延設部材62が短い脱落防止部材60である舌片16で構成されているので、充填機34が邪魔にならず容易にケーシング筒状担持具2を引き抜くことがきる。
次に、図15に示したソーセージ製造装置の変形例を、図16について説明するが、図15に示したソーセージ製造装置と実質的に同一部位には同一符号を付して説明する。
【0063】
そして、図16に示したソーセージ製造装置との相違は、図15に示したソーセージ製造装置に、ケーシング3をプッシュ手段50で一本分のケーシング3を押出せしめる機構が配設された場合である。
即ち、図16に示したようにギヤ連動回転機構44はギヤ43のボス部3aの端部の内周に設けられた内歯43bと充填ノズル32の充填機34側の端部の外周に設けられたギヤ32aとが係合し連動するように構成されている。
【0064】
又、充填ノズル32の流通路32bとボス部43aの流通路43cとを連通せしめ上記原料が上記の内歯43b側に漏れないようにする回転自在継手46が設けられている。
次に、プッシュ手段50を機械的又は自動的にソーセージSの一本分だけ押圧してケーシング3を前進せしめた後、充填機34の作動により所定の上記原料を供給して充填せしめ、上記加工程を繰返して次のソーセージS2を製造し、上記の加工を繰返してソーセージSを効率よく製造する。
【0065】
従って、上記製造工程において、ケーシング3の充填ノズル32への移し替えを極めて容易にできると共に、上記の間隙4を有するため、ケーシング筒状担持具2の引抜きが容易になりソーセージSの生産性を向上せしめることができる。
又、上記製造装置29は上記に限られるものではなく、充填ノズル32があるものであれば、手動でも自動でも適用することができる。
【0066】
又、上記のケーシング筒状担持具2,2Nは、図17(A)に示したように自身の横断面形状が、上記実施形態では円筒状であったが、図17(B),(C)に示したように楕円形状,台形形状あるいは多角形形状のものであっても、上記形状の角部をRや面取りを施してケーシング3の挿入の際に、抵抗になって損傷を生じないものであればよい。
又、天然腸3の場合には、動物の種類やそれらの個々の動物によって、1本の長い天然腸であっても部位により大,中,小等の異なる天然腸の直径を有するもので、ケーシング筒状担持具2の筒状部の直径の異なる複数種類のケーシング筒状担持具2を用意しておけば、汎用性を向上することができる。
【0067】
又、ケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cは、食用に認可されている防腐剤を使用すれば、上記塩漬けをする必要がなく、且つソーセージメーカーでのソーセージ加工時の上記塩抜き作業をする必要がなくなるので、大幅に作業コストを削減でき、生産コストを低減せしめることができる。
又、上記実施形態ではケーシング3を天然腸を使用する場合を説明したが、合成樹脂製のケーシング3でも適用することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部の夫々の上記端部に設けられ上記端部の外周径より大きい突出するリング状に設けられて凸部から構成された脱落防止手段とを備えているので、上記ケーシングを上記間隙を有する筒状担持具に嵌挿が容易である。
又、上記ケーシング筒状担持具の端部を先細りの構成にした場合には、更に上記ケーシングの上記ケーシング筒状担持具への嵌挿が容易である。
【0069】
又、ソーセージの製造時に、上記ケーシングが間隙を有する筒状担持具に保持されているので、上記ケーシングが嵌挿された間隙を有する筒状担持具を、ソーセージ原料用の充填ノズルの先端から嵌挿が容易になり生産効率を向上させることができる。
又、上記ケーシングが嵌挿された間隙を有する筒状担持具を充填ノズルに嵌入後、上記間隙を有するケーシング筒状担持具に嵌挿されている上記ケーシングを上記充填ノズルに移し替えるために、上記ケーシング筒状担持具の端部を把持して引抜くとき、上記充填ノズルにより上記間隙を押し開かせながら引抜くことが極めて容易にできる。
【0070】
そして、上記引抜いた用済み後の上記ケーシング筒状担持具は使い捨てにできるので、従来のパイプ型のケーシング担持具の洗浄も、送り返しの作業を省くことができ、生産コストを低減することができる。
又、上記彎曲手段の部位を作業者の手で把握して上記ケーシング筒状担持具をできるだけ変形しないようにして取扱うことができるので、例えば、上記ケーシング筒状担持具をソーセージ加工時に原料充填ノズルに嵌挿する場合に容易に行なうことができる。
【0071】
請求項2記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、請求項1記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が、上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の両端に向かって先細りになるように構成されているので、ケーシングを嵌挿する際に、円滑に挿入作業が行なわれるようにすれば、上記の作業効率を向上することができる。
又、上記ケーシング筒状担持具を上記湾曲手段により湾曲に曲げてコンパクトにすることができ、細長い従来のケーシング担持具その取扱いや輸送に便利である。
【0072】
請求項3記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具が上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された湾曲手段と、上記湾曲手段により湾曲された上記ケーシング筒状担持具の両端の係合により上記ケーシングが上記ケーシング筒状担持具より脱落するのを防止する脱落防止手段とを有しているので、例えば、上記湾曲手段が設けられる部位が蛇腹状の構成,上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さの構成,及び上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料の構成のうちの少なくともいずれか一つの構成を備えていれば、上記ケーシング筒状担持具を効果的に湾曲に曲げることができ、上記少なくともいずれか二つの構成を採用した場合には、更に上記湾曲に曲げることが容易になる。
【0073】
請求項4記載の本発明のケーシング筒状担持具は、上記脱落防止手段は、請求項3記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が上記長手方向の両端部のうちの一方の端部に設けられた舌片に設けられた孔に上記ケーシング筒状担持具の他方の端部を嵌合されるように構成されているので、上記ケーシング筒状担持具を上記平面部により上記湾曲形状の曲がりやすくなり円滑に容易に行なうことできる。
【0074】
請求項5記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3又は4記載の構成において、上記脱落防止手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部のいずれか一方に設けられ上記長手方向に沿う間隙を有する筒状の嵌合脱落防止部材で形成し、上記手段により上記ケーシング筒状担持具を湾曲せしめて上記嵌合脱落防止部材を上記他方の端部に重合させるように構成したので、上記の凸部又は脱落防止部材により上記ケーシングの上記ケーシング筒状担持具からの脱落を簡単に防止することができる。
【0075】
請求項6記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、請求項5に記載の構成において、上記湾曲手段が設けられる部位が蛇腹状の構成,上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さの構成,及び上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料の構成のうちの少なくともいずれか一つの構成を備えているので、上記ケーシング筒状担持具を効果的に彎曲に曲げることができ、上記少なくともいずれか二つの構成を採用した場合には、更に上記彎曲に曲げることが容易になる。
【0076】
請求項7記載の本発明のケーシング筒状担持具によれは、請求項3〜6のいずれか1項に記載の構成において、請求項3〜6のいずれか1項に記載の構成において、上記湾曲手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間に設けられた切欠部をそなえ、上記切欠部を中心として曲げられるように形成されているので、上記ケーシング筒状担持具を上記切欠部により上記彎曲形状の曲がりやすくなり円滑に容易に行なうことできる。
【0077】
請求項8記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、請求項3〜5のいずれか1項に記載の構成において、請求項3〜5のいずれか1項に記載の構成において、上記ケーシング担持具に自身の長手方向に沿って仕様により設定される間隙が設けられるケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具の長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された上記湾曲手段と、上記ケーシング筒状担持具の両端部のうちいずれか一方の端部から上記湾曲手段までの間の上記一方のケーシング筒状担持具をケーシング嵌挿側筒状担持具にして上記ケーシングを嵌挿し、上記他方の端部から上記湾曲手段までの間の他方のケーシング筒状担持具の上記間隙を介して上記ケーシングが嵌挿された上記一方の上記ケーシング嵌挿側ケーシング筒状担持具の少なくとも一部分の外周を覆い挟着されるように構成されているので、上記他方のケーシング筒状担持具の間隙を介して上記ケーシングが嵌挿された上記一方のケーシング嵌挿側ケーシング筒状担持具の外周を覆うように挟着して、上記脱落の防止と上記ケーシングの保護を行い、上記ケーシングの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の説明図であり、(A)はケーシング筒状担持具の概略斜視説明図、(B)は図1(A)の変形例を示す概略斜視説明図である。
【図2】図1のケーシング筒状担持具に天然腸をセットする状態を示す概略説明図である。
【図3】図1に示したケーシング筒状担持具のその他の変形例を示す概略平面図である。
【図4】図3の正面を示す概略正面図である。
【図5】図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図である。
【図6】図5に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図である。
【図7】図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げ、その両端部を係止部材の孔に係止される状態の変形例を示す概略説明図である。
【図8】図7で天然腸が嵌挿されたケーシング筒状担持具を連接手段により所定本数を保持した状態の変形例を示す概略説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示すケーシング筒状担持具の、図3と同様の状態を示す概略平面図である。
【図10】図9の正面を示す概略正面図である。
【図11】図10に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図である。
【図12】図11に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図である。
【図13】図12に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態のその他の変形例を示す概略説明図である。
【図14】本発明の3実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の概略斜視説明図である。
【図15】図1(A),図12,図13,図14のケーシングが嵌挿されたケーシング筒状担持具をソーセージ製造装置の充填機の充填ノズルにセットした状態を示す概略説明図である。
【図16】図15のソーセージ製造装置を模式的に示したの概略説明図である。
【図17】図1のケーシング筒状担持具の横断面形状を示すもので、(A)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が円筒状を示す概略説明図、(B)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が楕円筒状を示す概略説明図、(C)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が台形状を示す概略説明図である。
【符号の説明】
2 ケーシング筒状担持具
3 ケーシング
4 間隙
6 端部
8 脱落防止手段
10 脱落防止部材
12 彎曲手段
14 切欠部
14a,14b 切欠部の端部
14c 平面部
14d 周壁
16 舌片
18 孔
20 引抜き部材
26 係止部
29 ソーセージ製造装置
32 充填ノズル
34 充填機
44 ギヤ連動回転機構
50 プッシュ手段
R ローラー
S ソーセージ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーセージ類の原料を製造加工時に上記原料を充填せしめる際に使用されるケーシング筒状担持具及び上記ケーシング筒状担持具を使用して上記ソーセージを製造するためのソーセージ製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記ソーセージの製造は、従来、肉類からなる原料を通常ケーシングと言われている被膜に上記原料を充填して製品化している。
上記ケーシングは通気性,伸縮性に富み且つ食用にできるため羊,豚等の天然腸が多く適用されている。
【0003】
一方、何時でも所要量の生産ができるところから、食べることができないが、塩化ビニリデン,セルロース等の人工的な上記ケーシングも適用されている。
上記天然腸は、現在,多くのものが外国から輸入されており、品質保証のため塩漬けにして輸入されている。
次に、従来の上記天然腸を適用して上記ソーセージを製造する場合について説明する。
【0004】
上記天然腸に原料である肉等を肉詰めし製品化するため、上記肉詰を充填機の充填ノズルに上記天然腸を蛇腹状に挿入しセットする方法としては、次に説明する2通りの方法が適用されている。
先ず、第1の方法は、輸入された上記塩漬けの束状の天然腸を水により塩抜きを行い、その後、上記天然腸を1本ずつ上記充填ノズルに直接手作業により蛇腹状にセットして、上記肉詰めの充填加工を行なうものである。
【0005】
しかし、この第1の方法は、上記のように天然腸を1本ずつ充填ノズルに直接手作業で挿入するものであり、小規模の生産にはよいが、生産性が悪い。
又、第2の方法は、細長い硬質の合成樹脂性のパイプに1本の上記天然腸を挿入させ、蛇腹状にセットし、上記原料の肉を充填加工時に、上記パイプにセットされた天然腸を上記充填ノズルに移し替え、この天然腸に適宜上記肉詰めを行なうものである。
【0006】
又、上記第1及び第2の方法の他に、板状に構成された合成樹脂製のチューブを使用する方法もあるが、柔らかい天然腸を板状のチューブに装着してもその取扱いに手間がかかり、その生産性が悪い。
この上記第2の方法のパイプを使用する場合には、上記パイプを巻取機の水噴射ノズルに挿入せしめ、上記パイプの先端から天然腸を所要の長さ嵌挿し、蛇腹状に上記パイプにセットせしめている。
【0007】
一般に上記パイプの一本に対する天然腸の長さは、例えば約3〜12mをセットしているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の方法は、上記第2の方法と比較して上記パイプの製造コストがかからないため、コストが安いが、上記天然腸を1本ずつ作業者の手作業により原料の上記充填ノズルにセットすることが必要であるため、上記手作業に要する時間がかかり、生産性が悪い。
【0009】
又、上記第2の方法は上記パイプの端部の開口を上記充填ノズルに突き合わて、天然腸を比較的簡単に上記充填ノズルに移し替えができるので、上記ソーセージの原料の充填作業の効率が向上せしめられる大量生産に向いているが、上記コストの高い上記パイプを使用するために、その保管や輸送の堆積が増大し、コストが嵩さむと共に、上記原料詰め加工後に上記パイプを再使用するために行なう、洗浄の手間や返却のための輸送コストがかかる等の欠点がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用ケーシングを移し替えるためのケーシング担持具において、上記ケーシング担持具を長手方向に沿って間隙が設けられた筒状に構成することによって、上記ケーシングの脱落の防止と、上記のケーシングが嵌挿されたケーシング筒状担持具の輸送を容易にし、又上記間隙を有するケーシング筒状担持具を使用してソーセージの生産性のよいソーセージ製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明のケーシング筒状担持具は、ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部の夫々の上記端部に設けられ上記端部の外周径より大きい突出するリング状に設けられて凸部から構成された脱落防止手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項1記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が、上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の両端に向かって先細りになるように構成されていることを特徴としている。
請求項3記載の本発明のケーシング筒状担持具は、ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具が上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された湾曲手段と、上記湾曲手段により湾曲された上記ケーシング筒状担持具の両端の係合により上記ケーシングが上記ケーシング筒状担持具より脱落するのを防止する脱落防止手段とを有することを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が上記長手方向の両端部のうちの一方の端部に設けられた舌片に設けられた孔に上記ケーシング筒状担持具の他方の端部を嵌合されるように構成されていることを特徴としている。
請求項5記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3又は4記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部のいずれか一方に設けられ上記長手方向に沿う間隙を有する筒状の嵌合脱落防止部材で形成し、上記脱落手段により上記ケーシング筒状担持具をせしめて上記嵌合脱落防止部材を上記他方の端部に重合させるように構成したことを特徴としている。
【0014】
請求項6記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項5記載の構成において、上記手段が設けられる部位が蛇腹状の構成,上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さの構成,及び上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料の構成のうちの少なくともいずれか一つの構成を備えていることを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の構成において、上記湾曲手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間に設けられた切欠部をそなえ、上記切欠部を中心として曲げられるように形成されたことを特徴としている。
請求項8記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の構成において、上記ケーシング担持具に自身の長手方向に沿って仕様により設定される間隙が設けられるケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具の長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された上記湾曲手段と、上記ケーシング筒状担持具の両端部のうちいずれか一方の端部から上記湾曲手段までの間の上記一方のケーシング筒状担持具をケーシング嵌挿側筒状担持具にして上記ケーシングを嵌挿し、上記他方の端部から上記手段までの間の他方のケーシング筒状担持具の上記間隙を介して上記ケーシングが嵌挿された上記一方の上記ケーシング嵌挿側ケーシング筒状担持具の少なくとも一部分の外周を覆い挟着されるように構成されていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の説明図であり、(A)はケーシング筒状担持具の概略斜視説明図、(B)は図1(A)の変形例を示す概略斜視説明図、図2は図1の天然腸をケーシング筒状担持具にセットする状態を示す概略説明図、図3は図1に示したケーシング筒状担持具その他の変形例を示す概略平面図、図4は図3の正面を示す概略正面図、図5は図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図、図6は図5に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図、図7は図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げ、その両端部を係止部材(脱落防止部材)の孔に係止される状態を示す概略説明図、図8は図7で天然腸が嵌挿されたケーシング筒状担持具を連接手段により所定本数を保持した状態を示す概略説明図、図9は本発明の第2実施形態を示すケーシング筒状担持具の、図3と同様の状態を示す概略平面図、図10は図9の正面を示す概略正面図、図11は図10に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図、図12は図11に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図、図13は図12に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態のその他の変形例を示す概略説明図、図14は本発明の3実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の概略斜視説明図、図15はケーシングが嵌挿されたケーシング筒状担持具をソーセージ製造装置の原料充填機の充填ノズルにセットした状態を示す概略説明図、図16はソーセージ製造装置を模式的に示したの概略説明図、図17は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状を示すものであり、(A)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が円筒状を示す概略説明図、(B)上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が楕円筒状を示す概略説明図、(C)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が台形状を示す概略説明図である。
【0022】
先ず、本発明の第1実施形態を、図1〜図8について説明するが、本発明の ケーシング筒状担持具2,2Nは、ポリプロピレン,ポリエチレン等の合成樹脂により形成されている。
図1に示したようにケーシング筒状担持具2は、自身の長手方向軸線に沿って設計仕様により設定される所望の間隙4が設けられた筒状に構成されており、本実施形態の場合には円筒状に形成されている。
【0023】
そして、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6には、ソーセージの原料が充填される被膜といわれるケーシング3が、ケーシング筒状担持具2に嵌挿された場合に、このケーシング筒状担持具2から脱落するのを防止する脱落防止手段8が設けられている。
本実施形態の場合には、脱落防止手段8はケーシング筒状担持具2の上記両端部6a,6bの外周辺に沿ってリング状の凸部8が設けられており、この凸部8にケーシング3の弾性力に抗して嵌合されるので、上記弾性力による嵌合により上記のケーシング3が凸部8から脱落するのを防止することができる。
【0024】
又、脱落防止手段8は上記に限られるものではなく、ケーシング筒状担持具2と別体に設けられたケーシング筒状担持具2の円筒状の直径と略同径もしくは若干小さい直径の孔10aを有する脱落防止部材10で構成してもよく、この脱落防止部材10を、図1(A)に二点鎖線で示したように、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部に設けても上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
又、図1(B)に示したようにケーシング筒状担持具2の両端部6a,6bに向かって先細りになる先端部11を有するように構成して、ケーシング3を嵌挿する際に、円滑に挿入作業が行なわれるようにすれば、上記の作業効率を向上することができる。
又、図2に示したように、開閉弁Vに取付けられた湯又は水を供給するための湯水ノズル5にケーシング筒状担持具2を嵌挿し、且つ、図2におけるケーシング筒状担持具2の一方の端部6aにケーシング3である天然腸を嵌挿せしめて湯水ノズル5から、例えば水を供給すると共に、上下に設けられた一対のローラRを作動してケーシング筒状担持具2に蛇腹状3aに嵌挿せしめる。
【0026】
この時、湯水ノズル5から水が天然腸3とケーシング筒状担持具2との間に浸入し、潤滑剤の役割を果たし、上記嵌挿作業を円滑に行なうことができるものである。
又、上記第1実施形態のその他の変形例は、図3に示したようにケーシング筒状担持具2が長手方向の両端部6a,6bの間で彎曲できるように構成された彎曲手段12が設けられている。
【0027】
又、図3に示したようにその他の変形例の場合には、彎曲手段12は、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bとの間に切欠部14を設け、切欠部14の上記長手方向の切欠部14の端部14a,14bとの間に略平面部14cを設けて、ケーシング筒状担持具2が彎曲状に二つ折れに曲がるように構成されているので、長さを短くしてコンパクトにすることができる。
【0028】
更に、図3,図4に示したように彎曲手段12はケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bとの間に設けられた切欠部14のそれぞれの長手方向の端部14a,14bから平面部14cに向かって漸減する周壁14dが設けられており、略平面に構成される平面部14cからなる彎曲手段12により彎曲せしめられた時、上記の漸減する平面部14cから延設されている周壁14dにより急激な変形が生じないように剛性が保持できるようになっている。
【0029】
又、図3,図4に示したようにケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aから延設される把持するための舌片16が設けられている。
この舌片16は後述する、図15に示すソーセージ製造装置の原料を充填する充填機34の充填ノズル32に、天然腸3が巻きとられたケーシング筒状担持具2を嵌挿した後、ケーシング筒状担持具2を充填ノズル32から引抜くことにより、ケーシング筒状担持具2に巻きとられているケーシング3を充填ノズル32に移し替える時に使用するものである。
【0030】
即ち、上記のようにケーシング筒状担持具2を引き抜く時に、舌片16を把持して引き抜くと充填ノズル32が上記の間隙4を押し開くことができるので、素早く容易に抜くことができるように構成されている。
この間隙4の幅は設計仕様により設定されるもので、例えば約2〜4mmに構成されている。
【0031】
又、図3〜図6に示したように上記ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6a又は舌片16にケーシング筒状担持具2を引抜くための作業者の指又は引抜き部材が嵌合する嵌合部18が、本実施形態の場合には孔18が設けられており、この孔18に作業者の指又は図15に示した引抜き部材20を嵌合せしめて引き抜くようにすれば極めて容易に作業を行なうことができるソーセージの製造効率を向上させることができる。
【0032】
そして、天然腸を使用した場合には、特に舌片16は、天然腸3の脂肪等により滑り易く、且つ掴み難い時でも、極めて容易にケーシング筒状担持具2を引抜くことができ、ソーセージの生産性の向上を図ることができる。
又、彎曲手段12が設けられる部位が、図示しないが蛇腹状に構成するか、上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さに構成するか、或いは上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料で構成にしてもよく、又上記三つの構成のうちのいずれか二つあるいは全ての構成を組合わせた構成にしてもよい。
【0033】
又、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aにケーシング3がケーシング筒状担持具2から脱落を防止するための脱落防止手段8が設けられているが、図1に示したケーシング筒状担持具2の上記の両端部6a,6bのそれぞれの外周に設けられたリング状の突起8に限られるものではない。
【0034】
又、脱落防止手段8は、 例えば図7に示したようにケーシング筒状担持具2の上記の両端部6a,6bに嵌合される別体に設けられる脱落防止部材10により構成してもよい。
又、脱落防止手段8は、図5,図6に示したように、例えばケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aに設けられた嵌合部である孔18に他方の端部6bを係合せしめて係止する係止部26で構成される脱落防止手段8を設け、ケーシング3の脱落を防止すると共に、ケーシング筒状担持具2を彎曲手段12によりコンパクトに、図5,図6に二点鎖線で示した位置より実線で示した位置に彎曲せしめられるように構成されている。
【0035】
又、上記の係止部26はケーシング筒状担持具2の一方の端部6aに設けられた孔18に他方の端部6b嵌入するのみで、孔18から他方の端部6bを係止することができるが、更に上記の彎曲手段12の切欠部14における曲げ反力や弾性力によって、上記脱落防止の上記係止力を強化させることができる。
又、図8に示したようにケーシング3を長手方向に沿って設けられた間隙4を有するケーシング筒状担持具2に嵌入せしめられ、このケーシング筒状担持具2の上記の両端部6a,6bからケーシング3が脱落防止手段8により脱落しないようにしたケーシング3が嵌入されたケーシング筒状担持具2Cを製造することができる。
【0036】
そして、上記のケーシング筒状担持具2Cに嵌挿されたケーシング3の防腐のため塩漬けにして保管する保管時及びソーセージメーカでの上記塩漬けのケーシング筒状担持具2Cを湯,水漬にする塩抜き作業時等に、上記のケーシング3がケーシング筒状担持具2から脱落するのを防止することができる。
又、ソーセージメーカへの販売や輸送時の取扱いに便利になる作用効果がある。
【0037】
図5,図6に実線で示したように、彎曲手段12を介して上記の間隙4が背中合わせになるように曲げられる場合を示したが、これに限られるものではく、例えば、図5に太線の二点鎖線で示したように、上記曲げられた時上記の間隙4が対向するように彎曲手段12を介して曲げるようにしても、図5,図6に実線で示したように曲げた場合と略同様の作用効果を奏することができる。
【0038】
又、図8に示したようにケーシング3が嵌入された複数本のケーシング筒状担持具2Cと、上記のケーシング筒状担持具2Cのそれぞれの長手方向の上記の両端部6a,6bのうちの少なくともいずれか一方の端部6aを上記嵌挿されたケーシング3の外周から直径が縮小する方向に押圧しながら連結手段31の係合孔31aに係合して上記押圧力を開放せしめて連結せしめる連結手段31により、例えば所定長さのケーシング3を嵌挿したケーシンング筒状担持具2Cを10本連接しておけば、この10本のケーシング3の合計の長さが把握できるので、商取引上,生産性の向上もできるし、又商取引時の流通を明確にすることができる。
【0039】
次に、本願発明の第2実施形態を図9〜図11について説明するが、上記第1実施形態と実質的に同一部位には同一符号を付して、相違点に関して説明する。上記第1実施形態の変形例の場合は、図3〜図6に示したようにケーシング筒状担持具2は上記彎曲手段12を中心に略左右対象に、長手方向に間隙4を有するケーシング筒状担持具2に構成されていたが、第2実施形態のケーシング筒状担持具2Nは上記左右のいずれか一方側をケーシング3を嵌挿するケーシング嵌挿側筒状担持具2aと、他方側の部分を上記一方側のケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿したケーシング3の外周に嵌合することによりケーシング3の脱落を防止する脱落防止側筒状担持具2bとから構成されている。
【0040】
即ち、図9〜図11に示した第2実施形態の場合には、彎曲手段12は、ケーシング筒状担持具2Nの長手方向の両端部6a,6bとの間に切欠部14を設け、切欠部14の上記長手方向の切欠き14の端部14a,14bとの間に略平面部14cを設けて、図11に示したようにケーシング筒状担持具2Nが彎曲状に二つ折れに曲がり、ケーシング3が嵌挿されるケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3の外周から、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aからケーシング3が脱落するのを防止する脱落防止手段8である嵌合脱落防止部材60を有する脱落防止側筒状担持具2bが、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aと一体的に構成されている。
【0041】
上記のケーシング筒状担持具2Nは、図9,図10に示したように切欠部14の切欠端部14aから左側は長手方向に間隙4を有する筒状に形成されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aに構成され、切欠部14の切欠端部14bから右側は長手方向に切欠部14の平面部14cから略平面状に又は多少彎曲した帯状又は紐状に形成される延設部材62である連結帯が設けられている。
【0042】
そして、この連結帯62の端部には脱落防止手段8である嵌合脱落防止部材60が設けられており、彎曲手段12を介してケーシング筒状担持具2Nが彎曲状に二つ折れに曲げられた時、図11に示したようにケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3の外周からケーシング嵌挿側筒状担持具2aの弾性力に抗して押圧すると上記の間隙4があるので、上記ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの内径が縮小する方向に縮小され嵌合脱落防止部材60を容易に嵌合することができると共に、上記押圧力を開放すると上記で縮小されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aの反発力によりケーシング3をケーシング嵌挿側筒状担持具2aと嵌合脱落防止部60との間に挟持せしめて、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aからケーシング3の脱落を防止することができる。
【0043】
又、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿された切欠部14側のケーシング3は、上記の曲げられた切欠部14付近の部位によって脱落が防止される。
又、上記の嵌合脱落防止部材60は、図9〜図11に二点鎖線で示したように上記長手方向に沿って間隙4Nを設けておけば、上記実施形態の場合よりは上記嵌合が脱落し易くなる恐れもあるが、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aにケーシング3が嵌挿されて外周の直径が大きくなっても、嵌合脱落防止部材60の直径が上記間隙4Nで伸縮でき上記外周直径の増減に関係なく上記増減の許容範囲であれば容易に嵌合することができる。
【0044】
又、彎曲手段12による彎曲方向は、図11に矢印イ,ロで示したようにいずれの方向でもよいが、上記の曲げ易さを考慮すると好ましくは嵌挿されたケーシング3が少しでも邪魔にならない矢印イ方向がよい。
又、ケーシング筒状担持具2Nを彎曲手段12により曲がるように構成されているので、長さを短くしてコンパクトにすることができる。
【0045】
又、脱落防止手段8である延設部材62に接続されている嵌合脱落防止部材60は、上記の延設部材62がなく、ケーシング筒状担持具2Nと独立した単独に構成された筒状のキャップ60により形成し、例えば、図1(A),(B),図11,図12に示したような上記のケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Nの端部6a,6bのうちの少なくとも一方の端部に着脱可能に上記のキャップ60を嵌合して、ケーシング3がケーシング筒状担持具2,2Nから脱落するのを防止するようにしてもよい。
【0046】
次に、上記第2実施形態の変形例を、図12,図13について説明する。
図9〜図11に示した上記第2実施形態では、ケーシング筒状担持具2Nをケーーシング嵌挿側筒状担持具2aと脱落防止部材側筒状担持具2bとを有するようにしたが、本その他の変形例では、他方側を延設部材(連結帯)62を有する脱落防止側筒状担持具2bで構成したものであったが、これに限られるものではない。
【0047】
即ち、第2実施形態の変形例は基本的構成が、図3〜図5に示した第1実施形態のケーシング筒状担持具2で構成されており、図3〜図5の第1実施形態と相違する点について説明する。
図12に示した変形例は、ケーシング筒状担持具2Nが切欠部14で曲げられ、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの間隙4と脱落防止部材側筒状担持具2bの各々の上記の間隙4が対象的に同様に設けられ、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aと脱落防止部材側筒状担持具2bの間隙4が互いに対向するように曲げられるので、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3が上記曲げる時に邪魔にならないように上記切欠部14の長手方向の長さを、第1実施形態の場合より設計仕様の応じて長く設定される長さに設定され、水平部14cが長くなるように形成されていることが好まし。
【0048】
又、脱落防止部材側筒状担持具2bの端部6bには、図9に示した筒状に形成された嵌合脱落防止部材60が設けられている。
この嵌合脱落防止部材60には、図3に示した舌片16が設けられているものであってもよい。
本変形例は上記のように構成されているので、一方側のケーシング嵌挿側筒状担持具2aにケーシング3を嵌挿した後、彎曲手段12を介して曲げ、図12に示したように嵌合脱落防止部材60を、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの端部6a部分を外周直径が縮小する方向に押圧して縮小せしめて嵌合させ、その後上記押圧力を開放した時に発生する縮小されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aの反発力により、上記したようにケーシング3のケーシング嵌挿側筒状担持具2aの端部6aからの脱落を防止することができる。
【0049】
又、本変形例の場合にも嵌合脱落防止部材60に二点鎖線で示したように間隙4Nを設けておけば、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aのケーシング3の嵌挿による外周直径の変動に対しても嵌合脱落防止部材60の内径が伸縮でき、容易に着脱することがが可能になる。
次に、図13に示した第2実施形態のその他の変形例について説明する。
【0050】
図12に示した変形例と同様に切欠部14が長く形成され水平部14cが長く設定されているものであるが、図12の変形例と相違する点は嵌合脱落防止部材60がない場合である。
即ち、図13に示したようにケーシング筒状担持具2Nは脱落防止部材側筒状担持具2bとケーシング嵌挿側筒状担持具2aとは同様に長手方向に沿って間隙4が設けられている場合であり、上記両者は切欠部14を中心として略対象的な形状に形成されている。
【0051】
又、図13に示した、その他の変形例は上記のように構成されているので、彎曲手段12で曲げられた時、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aに嵌挿されたケーシング3の外周を脱落防止部材側筒状担持具2bの間隙4より挿入せしめてケーシング3の外周を覆うことができできるため、ケーシング3の保護にもなり、且つケーシング3の脱落防止をすることができる。
【0052】
又、ケーシング嵌挿側筒状担持具2aの間隙4Naより脱落防止部材側筒状担持具2bの間隙4Nbの巾を広く形成しておけば、ケーシング嵌挿されたケーシング嵌挿側筒状担持具2aの外周を間隙4Nbを介して容易に嵌合可能にし着脱を簡単に行なうことができる。
次に、第3実施形態を、図14について説明する。
【0053】
第3実施形態のケーシング筒状担持具2は、図1(A),(B)のように構成されている。
このケーシング筒状担持具2は、自身の長手方向軸線に沿って設計仕様により設定される間隙4が設けられた筒状に構成されており、本実施形態の場合には円筒状に形成されている。
【0054】
そして、ケーシング筒状担持具2の長手方向の両端部6a,6bには、ソーセージの原料が充填される被膜といわれるケーシング3が、ケーシング筒状担持具2に嵌挿された場合に、このケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cの一方側の端部6aから脱落するのを防止する脱落防止手段8が設けられている。
【0055】
又、本実施形態では第2実施形態のような脱落防止部材側筒状担持具2bがなく、ケーシング筒状担持具2の他方側の端部6bの端面6bfの一方側から突出するように設けられた凸部6tを有し、他方側の端部6bの端面6bfの他方側から延設される上記第2実施形態と略同様の短い延設部材62である連結帯62を介して脱落防止部材60になる舌片16を設け、この舌片16に上記の凸部6tと着脱可能な孔16hを設け係合せしめてケーシング3がケーシング筒状担持具2の他方側の端部6bから脱落するのを防止されるように構成されている。
【0056】
上記の孔16hは凸部6tを係合させる時、ケーシング3の外周をケーシング筒状担持具2Cの直径が伸縮する方向に押圧するが、凸部6tが上記伸縮する方向に移動可能な形状の孔16hに構成されており、本第3実施形態の場合には上記伸縮する方向に長い孔形状に構成されている。
第3実施形態は上記のように構成されているので、上記各実施形態と同様にケーシング3のケーシング筒状担持具2への嵌挿も容易であり、又ケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cの搬送中等におけるケーシング筒状担持具2からのケーシング3の脱落も上記の凸部6tと孔16hとの係合により防止することができる。
【0057】
又、上記の脱落防止部材60になる舌片16は、図14に示したようにケーシング筒状担持具2の他方側の端部6bに設けた場合を示したが、ケーシング筒状担持具2の一方側の端部6aに設けてもよいが、ケーシング3をケーシング筒状担持具2に嵌挿する際、ケーシング3を損傷する恐れがあるので、上記の舌片16,凸部6tをケーシング筒状担持具2の端部内方向に曲げてケーシング3に直接接触しないように配設しておき、上記脱落防止を行なうときに、必要に応じて取り出し脱落防止部材60aとして使用するようにすれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
又、ケーシング筒状担持具2の端部6aに向かって先細りになるように構成して、ケーシング3を嵌挿する際に、円滑に挿入作業が行なわれるようにすれば、上記の作業効率を、更に向上することができる。
次に、上記実施形態の応用例を、図15,図16について説明する。
図15,図16はソーセージの製造装置29を示すもので、例えば図8に示した長手方向に沿って設けられる間隙4を有しケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2をソーセージの原料を充填するソーセージ製造装置の充填機34の充填ノズル32に嵌挿し、図15に二点鎖線で示したように舌片16の孔18に作業者の指を入れてケーシング筒状担持具2を抜取り、ケーシング3を充填ノズル32に移し替えた後、ケーシング3の先端が閉じられたケーシング3に充填ノズル32により、設計仕様により設定されるソーセージの1個分の原料を充填せしめ、ケーシング3と共に1コ分のソーセージsができるように構成されている。
【0059】
更に、例えば図16に示したケーシング3の捩じり加工によりケーシング3を数回捩じりソーセージの加工が完了するが、更に続いて一個分の上記原料が上記のように供給され、連続的に連結された複数個の上記ソーセージを製造することができる。
そして、ソーセージ製造装置29は上記原料を充填するための充填機34に上記原料を適宜制御して供給するための配管36により上記原料が供給される原料38を予備室40を介して充填ノズル32の先端よりケーシング3に供給して充填せしめる。
【0060】
図15に示した応用例では、間隙4を有しケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cの舌片16が充填ノズル32の先端にくるように嵌挿されているが、図15に二点鎖線で示したように舌片16が充填機34側にくるように嵌挿すれば、上記のケーシング筒状担持具2Cの上記嵌挿方向と同一方向にケーシング筒状担持具2を引抜くことができるので作業効率を向上させることができる。
【0061】
又、上記の舌片16のないケーシング筒状担持具2Cであってもケーシング筒状担持具2の長手方向の端部6a,6bを把握して上記引抜き作業を行なうことができるものである。
又、図15に二点鎖線でしめしたように第2実施形態のように、例えば図9に示した脱落防止部材側筒状担持具2bはケーシング3が嵌挿されていないので、極めて容易に上記彎曲部12で下方向に下がり連結帯62を握持してケーシング筒状担持具2を引き抜くことができる。
【0062】
又、第3実施形態で説明した、図14に示されている短い延設部材62に連接されるケーシング筒状担持具2も、図15に二点鎖線で示したように延設部材62が短い脱落防止部材60である舌片16で構成されているので、充填機34が邪魔にならず容易にケーシング筒状担持具2を引き抜くことがきる。
次に、図15に示したソーセージ製造装置の変形例を、図16について説明するが、図15に示したソーセージ製造装置と実質的に同一部位には同一符号を付して説明する。
【0063】
そして、図16に示したソーセージ製造装置との相違は、図15に示したソーセージ製造装置に、ケーシング3をプッシュ手段50で一本分のケーシング3を押出せしめる機構が配設された場合である。
即ち、図16に示したようにギヤ連動回転機構44はギヤ43のボス部3aの端部の内周に設けられた内歯43bと充填ノズル32の充填機34側の端部の外周に設けられたギヤ32aとが係合し連動するように構成されている。
【0064】
又、充填ノズル32の流通路32bとボス部43aの流通路43cとを連通せしめ上記原料が上記の内歯43b側に漏れないようにする回転自在継手46が設けられている。
次に、プッシュ手段50を機械的又は自動的にソーセージSの一本分だけ押圧してケーシング3を前進せしめた後、充填機34の作動により所定の上記原料を供給して充填せしめ、上記加工程を繰返して次のソーセージS2を製造し、上記の加工を繰返してソーセージSを効率よく製造する。
【0065】
従って、上記製造工程において、ケーシング3の充填ノズル32への移し替えを極めて容易にできると共に、上記の間隙4を有するため、ケーシング筒状担持具2の引抜きが容易になりソーセージSの生産性を向上せしめることができる。
又、上記製造装置29は上記に限られるものではなく、充填ノズル32があるものであれば、手動でも自動でも適用することができる。
【0066】
又、上記のケーシング筒状担持具2,2Nは、図17(A)に示したように自身の横断面形状が、上記実施形態では円筒状であったが、図17(B),(C)に示したように楕円形状,台形形状あるいは多角形形状のものであっても、上記形状の角部をRや面取りを施してケーシング3の挿入の際に、抵抗になって損傷を生じないものであればよい。
又、天然腸3の場合には、動物の種類やそれらの個々の動物によって、1本の長い天然腸であっても部位により大,中,小等の異なる天然腸の直径を有するもので、ケーシング筒状担持具2の筒状部の直径の異なる複数種類のケーシング筒状担持具2を用意しておけば、汎用性を向上することができる。
【0067】
又、ケーシング3が嵌挿されたケーシング筒状担持具2Cは、食用に認可されている防腐剤を使用すれば、上記塩漬けをする必要がなく、且つソーセージメーカーでのソーセージ加工時の上記塩抜き作業をする必要がなくなるので、大幅に作業コストを削減でき、生産コストを低減せしめることができる。
又、上記実施形態ではケーシング3を天然腸を使用する場合を説明したが、合成樹脂製のケーシング3でも適用することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部の夫々の上記端部に設けられ上記端部の外周径より大きい突出するリング状に設けられて凸部から構成された脱落防止手段とを備えているので、上記ケーシングを上記間隙を有する筒状担持具に嵌挿が容易である。
又、上記ケーシング筒状担持具の端部を先細りの構成にした場合には、更に上記ケーシングの上記ケーシング筒状担持具への嵌挿が容易である。
【0069】
又、ソーセージの製造時に、上記ケーシングが間隙を有する筒状担持具に保持されているので、上記ケーシングが嵌挿された間隙を有する筒状担持具を、ソーセージ原料用の充填ノズルの先端から嵌挿が容易になり生産効率を向上させることができる。
又、上記ケーシングが嵌挿された間隙を有する筒状担持具を充填ノズルに嵌入後、上記間隙を有するケーシング筒状担持具に嵌挿されている上記ケーシングを上記充填ノズルに移し替えるために、上記ケーシング筒状担持具の端部を把持して引抜くとき、上記充填ノズルにより上記間隙を押し開かせながら引抜くことが極めて容易にできる。
【0070】
そして、上記引抜いた用済み後の上記ケーシング筒状担持具は使い捨てにできるので、従来のパイプ型のケーシング担持具の洗浄も、送り返しの作業を省くことができ、生産コストを低減することができる。
又、上記彎曲手段の部位を作業者の手で把握して上記ケーシング筒状担持具をできるだけ変形しないようにして取扱うことができるので、例えば、上記ケーシング筒状担持具をソーセージ加工時に原料充填ノズルに嵌挿する場合に容易に行なうことができる。
【0071】
請求項2記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、請求項1記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が、上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の両端に向かって先細りになるように構成されているので、ケーシングを嵌挿する際に、円滑に挿入作業が行なわれるようにすれば、上記の作業効率を向上することができる。
又、上記ケーシング筒状担持具を上記湾曲手段により湾曲に曲げてコンパクトにすることができ、細長い従来のケーシング担持具その取扱いや輸送に便利である。
【0072】
請求項3記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具が上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された湾曲手段と、上記湾曲手段により湾曲された上記ケーシング筒状担持具の両端の係合により上記ケーシングが上記ケーシング筒状担持具より脱落するのを防止する脱落防止手段とを有しているので、例えば、上記湾曲手段が設けられる部位が蛇腹状の構成,上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さの構成,及び上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料の構成のうちの少なくともいずれか一つの構成を備えていれば、上記ケーシング筒状担持具を効果的に湾曲に曲げることができ、上記少なくともいずれか二つの構成を採用した場合には、更に上記湾曲に曲げることが容易になる。
【0073】
請求項4記載の本発明のケーシング筒状担持具は、上記脱落防止手段は、請求項3記載の構成において、上記ケーシング筒状担持具が上記長手方向の両端部のうちの一方の端部に設けられた舌片に設けられた孔に上記ケーシング筒状担持具の他方の端部を嵌合されるように構成されているので、上記ケーシング筒状担持具を上記平面部により上記湾曲形状の曲がりやすくなり円滑に容易に行なうことできる。
【0074】
請求項5記載の本発明のケーシング筒状担持具は、請求項3又は4記載の構成において、上記脱落防止手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部のいずれか一方に設けられ上記長手方向に沿う間隙を有する筒状の嵌合脱落防止部材で形成し、上記手段により上記ケーシング筒状担持具を湾曲せしめて上記嵌合脱落防止部材を上記他方の端部に重合させるように構成したので、上記の凸部又は脱落防止部材により上記ケーシングの上記ケーシング筒状担持具からの脱落を簡単に防止することができる。
【0075】
請求項6記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、請求項5に記載の構成において、上記湾曲手段が設けられる部位が蛇腹状の構成,上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さの構成,及び上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料の構成のうちの少なくともいずれか一つの構成を備えているので、上記ケーシング筒状担持具を効果的に彎曲に曲げることができ、上記少なくともいずれか二つの構成を採用した場合には、更に上記彎曲に曲げることが容易になる。
【0076】
請求項7記載の本発明のケーシング筒状担持具によれは、請求項3〜6のいずれか1項に記載の構成において、請求項3〜6のいずれか1項に記載の構成において、上記湾曲手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間に設けられた切欠部をそなえ、上記切欠部を中心として曲げられるように形成されているので、上記ケーシング筒状担持具を上記切欠部により上記彎曲形状の曲がりやすくなり円滑に容易に行なうことできる。
【0077】
請求項8記載の本発明のケーシング筒状担持具によれば、請求項3〜5のいずれか1項に記載の構成において、請求項3〜5のいずれか1項に記載の構成において、上記ケーシング担持具に自身の長手方向に沿って仕様により設定される間隙が設けられるケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具の長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された上記湾曲手段と、上記ケーシング筒状担持具の両端部のうちいずれか一方の端部から上記湾曲手段までの間の上記一方のケーシング筒状担持具をケーシング嵌挿側筒状担持具にして上記ケーシングを嵌挿し、上記他方の端部から上記湾曲手段までの間の他方のケーシング筒状担持具の上記間隙を介して上記ケーシングが嵌挿された上記一方の上記ケーシング嵌挿側ケーシング筒状担持具の少なくとも一部分の外周を覆い挟着されるように構成されているので、上記他方のケーシング筒状担持具の間隙を介して上記ケーシングが嵌挿された上記一方のケーシング嵌挿側ケーシング筒状担持具の外周を覆うように挟着して、上記脱落の防止と上記ケーシングの保護を行い、上記ケーシングの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の説明図であり、(A)はケーシング筒状担持具の概略斜視説明図、(B)は図1(A)の変形例を示す概略斜視説明図である。
【図2】図1のケーシング筒状担持具に天然腸をセットする状態を示す概略説明図である。
【図3】図1に示したケーシング筒状担持具のその他の変形例を示す概略平面図である。
【図4】図3の正面を示す概略正面図である。
【図5】図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図である。
【図6】図5に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図である。
【図7】図4に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げ、その両端部を係止部材の孔に係止される状態の変形例を示す概略説明図である。
【図8】図7で天然腸が嵌挿されたケーシング筒状担持具を連接手段により所定本数を保持した状態の変形例を示す概略説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示すケーシング筒状担持具の、図3と同様の状態を示す概略平面図である。
【図10】図9の正面を示す概略正面図である。
【図11】図10に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態を示す概略説明図である。
【図12】図11に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態の変形例を示す概略説明図である。
【図13】図12に示したケーシング筒状担持具を彎曲状に曲げる状態のその他の変形例を示す概略説明図である。
【図14】本発明の3実施形態を示すもので、本発明のケーシング筒状担持具の概略斜視説明図である。
【図15】図1(A),図12,図13,図14のケーシングが嵌挿されたケーシング筒状担持具をソーセージ製造装置の充填機の充填ノズルにセットした状態を示す概略説明図である。
【図16】図15のソーセージ製造装置を模式的に示したの概略説明図である。
【図17】図1のケーシング筒状担持具の横断面形状を示すもので、(A)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が円筒状を示す概略説明図、(B)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が楕円筒状を示す概略説明図、(C)は上記ケーシング筒状担持具の横断面形状が台形状を示す概略説明図である。
【符号の説明】
2 ケーシング筒状担持具
3 ケーシング
4 間隙
6 端部
8 脱落防止手段
10 脱落防止部材
12 彎曲手段
14 切欠部
14a,14b 切欠部の端部
14c 平面部
14d 周壁
16 舌片
18 孔
20 引抜き部材
26 係止部
29 ソーセージ製造装置
32 充填ノズル
34 充填機
44 ギヤ連動回転機構
50 プッシュ手段
R ローラー
S ソーセージ
Claims (8)
- ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用 ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケ ーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕 様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシ ング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の 両端部の夫々の上記端部に設けられ上記端部の外周径より大きい突出するリング状に設 けられて凸部から構成された脱落防止手段とを備えたことを特徴とする、ケーシング筒 状担持具。
- 上記ケーシング筒状担持具が、上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の両端に向かって先細りになるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のケーシング筒状担持具。
- ソーセージの原料を供給するための充填ノズルの外周にソーセージ用ケーシングを移し替えるための合成樹脂で形成されたケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具は上記ケーシング筒状担持具自身の長手方向の一端から他端まで仕様により設定される間隙が設けられその横断面形状が略同じ直径を有し且つ上記ケーシング筒状担持具と一体に筒状に構成され、上記ケーシング筒状担持具が上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された湾曲手段と、上記湾曲手段により湾曲された上記ケーシング筒状担持具の両端の係合により上記ケーシングが上記ケーシング筒状担持具より脱落するのを防止する脱落防止手段とを有することを特徴とする、ケーシング筒状担持具。
- 上記脱落防止手段は、上記ケーシング筒状担持具が上記長手方向の両端部のうちの一方の端部に設けられた舌片に設けられた孔に上記ケーシング筒状担持具の他方の端部を嵌合されるように構成されていることを特徴とする、請求項3記載のケーシング用筒状担持具。
- 上記脱落防止手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部のいずれか一方に設けられ上記長手方向に沿う間隙を有する筒状の嵌合脱落防止部材で形成し、上記手段により上記ケーシング筒状担持具を湾曲せしめて上記嵌合脱落防止部材を上記他方の端部に重合させるように構成したことを特徴とする、請求項3又は4記載のケーシング用筒状担持具。
- 上記湾曲手段が設けられる部位が蛇腹状の構成,上記ケーシング筒状担持具の他の部位の厚さより薄い厚さの構成,及び上記ケーシング筒状担持具の他の部位より可撓性のある材料の構成のうちの少なくともいずれか一つの構成を備えていることを特徴とする、請求項5記載のケーシング用筒状担持具。
- 上記湾曲手段は、上記ケーシング筒状担持具の上記長手方向の両端部との間に設けられた切欠部をそなえ、上記切欠部を中心として曲げられるように形成されたことを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載のケーシング筒状担持具。
- 上記ケーシング担持具に自身の長手方向に沿って仕様により設定される間隙が設けられるケーシング筒状担持具と、上記ケーシング筒状担持具の長手方向の両端部との間で湾曲にできるように構成された上記湾曲手段と、上記ケーシング筒状担持具の両端部のうちいずれか一方の端部から上記湾曲手段までの間の上記一方のケーシング筒状担持具をケーシング嵌挿側筒状担持具にして上記ケーシングを嵌挿し、上記他方の端部から上記湾曲手段までの間の他方のケーシング筒状担持具の上記間隙を介して上記ケーシングが嵌挿された上記一方の上記ケーシング嵌挿側ケーシング筒状担持具の少なくとも一部分の外周を覆い挟着されるように構成されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載のケーシング筒状担持具。
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