JPWO2019082920A1 - 映像表示装置、ワイヤグリッド偏光板及びその製造方法、ワイヤグリッド偏光板の観測方法、並びに、ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向の推定方法 - Google Patents

映像表示装置、ワイヤグリッド偏光板及びその製造方法、ワイヤグリッド偏光板の観測方法、並びに、ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向の推定方法 Download PDF

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Abstract

反射型偏光板の偏光軸方向を簡単且つ精度よく識別でき、高精度に偏光反射軸方向の調整が可能な映像表示装置、及び、簡単に偏光軸方向を調べることが可能なワイヤグリッド偏光板等を提供すること。本発明におけるヘッドアップディスプレイ装置(1)は、偏光した光である映像光を出射する映像表示器(14)と、映像光を反射する反射面(28)を有する反射型偏光板(15)と、反射型偏光板で反射された映像光が投影される映写板(11)と、を具備する映像表示装置であって、反射型偏光板は、反射面の偏光軸方向を示す表示としての輝線(B)が観察可能とされることを特徴とする。

Description

本発明は、映像表示装置、それに用いられるワイヤグリッド偏光板及びその製造方法、ワイヤグリッド偏光板の観測方法、並びに、ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向の推定方法に関する。
近年、車載表示機器であるヘッドアップディスプレイ装置の利用が拡大している。ヘッドアップディスプレイ装置は、映写板に投影し、ドライバーが視認する道路等景色と車速等情報の映像を重畳できる。ドライバーの視点移動が軽減されるため、安全運転に貢献できる。
一方で、ヘッドアップディスプレイ装置は映写板近傍に設置されるため、太陽光がヘッドアップディスプレイ装置の光学系に侵入する場合がある。ヘッドアップディスプレイ装置は映像表示器として、小型の液晶ディスプレイを用いて映像を生成することが多いものの、液晶ディスプレイに用いられた吸収型偏光板まで到達した太陽光は吸収されて熱を発してしまう恐れがある。更に、ヘッドアップディスプレイ装置は小型の液晶ディスプレイの生成する映像を拡大するために拡大鏡やレンズを用いることが多く、ヘッドアップディスプレイ装置に侵入した太陽光は、液晶ディスプレイへ到達する割合が高まっており、ヘッドアップディスプレイ装置内部が破壊されてしまう懸念が強くなっている。
このような対策として、ワイヤグリッド偏光板のような反射型偏光板を反射鏡として利用し、太陽光の影響を半減させることが提案されている。
特開2010−79169号公報 特開2015−7763号公報
上述のヘッドアップディスプレイ装置では、液晶ディスプレイで生成した映像光は偏光であり、反射鏡として用いる反射型偏光板の偏光反射軸方向と合わせる必要がある。昨今のヘッドアップディスプレイ装置は映像の拡大率が大きくなっており、映写板に投影される映像の明るさの均一性を高めるために、偏光反射軸方向の調整が重要となっている。
しかしながら、一般的に、偏光板の偏光軸(偏光吸収軸、偏光反射軸あるいは偏光透過軸)方向を視認することは難しい。例えば、偏光軸方向が既知の偏光板を重畳して回転させ、その透過率の変化等から測定対象の偏光板の偏光軸方向を調べる手法が提案されているが、測定が煩雑化し、簡単に偏光軸方向を調べることができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、反射型偏光板の偏光軸方向を認識して高精度に偏光反射軸方向を調整できる映像表示装置、容易に偏光軸方向を認識できるワイヤグリッド偏光板及びその製造方法、ワイヤグリッド偏光板の観測方法、並びに、ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向の推定方法を提供することを目的とする。
本発明は、偏光した光である映像光を出射する映像表示器と、前記映像光を反射する反射面を有する反射型偏光板と、前記反射型偏光板で反射された映像光が投影される映写板とを具備する映像表示装置であって、前記反射型偏光板は、前記反射面の偏光軸方向を示す表示を有することを特徴とする。
反射面の偏光軸方向を示す表示とは、特定波長の光を入光させた場合に蛍光発光して偏光軸方向を表示する方法や、回折光を発する構造を作製して偏光軸方向を表示する方法等、常時は視認し難いものの特定条件下では偏光軸方向が視認できる表示を意味する。表示形状に制限は無く、方向を判別し易い直線や幾何学図形等とすることができる。特定条件下で発現するため、当該反射型偏光板の使用領域(有効領域)内に表示を施すことができ、偏光軸方向の調整と確認が容易となる。
また、本発明においては、前記反射型偏光板がワイヤグリッド偏光板であり、前記ワイヤグリッド偏光板は金属細線領域を有し、前記金属細線領域は、所定方向に延在する複数本の金属細線を含み、前記金属細線領域は、周囲の金属細線とは異なる構造を有する金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記ワイヤグリッド偏光板は、所定方向に延在する凹凸構造を表面に有する基材を含み、前記複数本の金属細線は前記基材の前記凹凸構造に接していることが好ましい。
また、本発明においては、前記基材の前記凹凸構造は、周囲の凸部とは幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する凸部を含むことが好ましい。
本発明は、金属細線領域を有するワイヤグリッド偏光板であって、前記金属細線領域は、所定方向に延在する複数本の金属細線を含み、前記金属細線領域は、周囲の金属細線とは異なる構造を有する金属細線を含むことを特徴とする。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、金属細線が欠落した領域、又は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、若しくは、高さが異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記周囲の金属細線とは異なる構造を有する前記金属細線の延在する方向が、前記周囲の金属細線が延在する方向と実質的に平行であることが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが3%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが10%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが15%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが20%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが30%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する前記金属細線を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域における金属細線と金属細線の間隔が50nm以上150nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記間隔が50nm以上120nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、所定方向に延在する凹凸構造を表面に有する基材を含み、前記複数本の金属細線は前記基材の前記凹凸構造に接していることが好ましい。
また、本発明においては、前記複数本の金属細線は前記基材の前記凹凸構造の凸部の一方側面に偏在するように設けられていることが好ましい。
また、本発明においては、前記基材の前記凹凸構造は、周囲の凸部とは異なる構造を有する凸部を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記基材の前記凹凸構造は、前記周囲の凸部とは幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する前記凸部を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記基材の前記凹凸構造の凸部と凸部の間隔が50nm以上150nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記間隔が50nm以上120nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記周囲の金属細線とは異なる構造を有する前記金属細線に含まれる前記周囲の金属細線とは異なる構造の前記金属細線が延存する方向の長さが50nm以上800nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記周囲の金属細線とは異なる構造の前記金属細線が延存する方向の長さが偏光分離を所望する光の波長以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは異なる構造を有する前記金属細線を複数本含む異常構造領域を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向とは垂直方向の幅が50nm以上800nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向とは垂直方向の幅が偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることが好ましい。
また、本発明においては、前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向の幅が50nm以上800nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向とは幅が偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることが好ましい。
本発明は、上記ワイヤグリッド偏光板を下記条件で観測することを特徴とする。
観測条件:
前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線領域を有する面に光を照射して、照射された光の正反射方向ではない角度から前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線領域を有する面を観測する。
本発明は、上記方法でワイヤグリッド偏光板を観測することで前記ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向を推定することを特徴とする。
本発明は、所定方向に延在する金属細線を有するワイヤグリッド偏光板であり、下記条件で前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面を観測した場合に輝線が観察可能であることを特徴とする。
観測条件:
周囲が暗所の条件で、前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面に20cmの距離を離して点光源の白色LEDを配置し、前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面に照度3000ルクスの非偏光の白色光を照射する。前記ワイヤグリッド偏光板に前記白色光を照射した際の正反射方向ではない角度全てで前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面を観測する。
また、上記条件で前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面を観測した場合に、前記ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向に対して概略平行、又は、概略垂直方向に延びる輝線が観察可能であることが好ましい。
本発明は、金属細線領域を有するワイヤグリッド偏光板の製造方法であって、基材上に所定方向に延在する複数本の金属細線を前記金属細線領域に含まれるように形成する金属細線形成工程と、前記金属細線形成工程と同時、又は、異なる工程で、前記基材上に周囲の金属細線とは異なる構造を有する金属細線を前記金属細線領域に含まれるように形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明においては、前記基材上に前記所定方向に延在する凹凸構造を形成する凹凸構造形成工程と、凹凸構造形成工程と同時、又は、異なる工程で、前記基材上に周囲の凸部とは異なる構造を有する凸部を形成する工程と、を含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記複数本の金属細線がアルミを含むことが好ましい。
本発明の映像表示装置によれば、反射鏡として用いる反射型偏光板の偏光反射軸方向を容易に調整できるため、映写板に投影される映像の明るさの均一性を高めることができる。
また、本発明のワイヤグリッド偏光板及びその製造方法、ワイヤグリッド偏光板の観測方法、並びに、ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向の推定方法は、偏光軸方向を容易に認識することができる。
本実施の形態のヘッドアップディスプレイ装置が発する映像光が視認されるまでの光路の一例を示す概念図である。 本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ装置を示す断面模式図である。 図3Aは、ヘッドアップディスプレイ装置に組み込まれる反射型偏光板の平面図であり、図3Bは、反射型偏光板の表面を、例えば、微分干渉顕微鏡を用いて、観察した際の模式図である。 ワイヤグリッド偏光板の部分断面模式図である。 本実施の形態のワイヤグリッド偏光板の表面を示す平面模式図の一例である。 本実施の形態のワイヤグリッド偏光板の表面を示す平面模式図の一例である。 本実施の形態のワイヤグリッド偏光板の表面を示す平面模式図の一例である。 本実施の形態のワイヤグリッド偏光板を観察した際の図である。 金属細線の高さを周囲よりも低くすることにより、周囲と異なる構造(形状)の金属細線の領域を作製したワイヤグリッド偏光板の断面図である。 金属細線の幅を周囲よりも太くすることにより、周囲と異なる構造(形状)の金属細線の領域を作製したワイヤグリッド偏光板の平面図である。 金属細線の一部を欠けさせることにより、周囲と異なる構造(形状)の金属細線の領域を作製したワイヤグリッド偏光板の平面図である。
以下、本発明の映像表示装置の一例として、ヘッドアップディスプレイ装置の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、技術常識として「直線偏光」は、完全な直線偏光のみならず、わずかに楕円化した偏光も含むものである。本実施の形態においては、楕円の長軸の長さに対する短軸の長さが0.3以下の楕円偏光は、該長軸方向を振動方向とする直線偏光であるとみなす。楕円の長軸の長さに対する短軸の長さが0.1以下の楕円偏光であることがより好ましい。同様に、複数の直線偏光が含まれる場合には、最も高強度の直線偏光を本実施の形態の直線偏光とする。
図1に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、例えば、車両のダッシュボード2に設けられ、映像光(表示光)3を、映写板としてのフロントガラス4に投影し、運転情報を虚像5として表示する映像表示装置である。運転者6は、虚像5を、フロントガラス4を通した風景と重畳させて視認することができる。なお、映写板としては、自動車のフロントガラスや、コンバイナと呼ばれる半透過板を挙げることができる。
図2に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ装置1は、映像表示器14、反射型偏光板15、反射器30等をハウジング17内に収容し、映像光Lを取り出すための透光性の窓部18を該ハウジング17に設けたものである。
映像光Lは、映像表示器14から出光されて反射型偏光板15に入光するまでを第一の映像光L1、反射型偏光板15で反射されてから映写板11に入光するまでを第二の映像光L2、L3とする。なお、図2のように、反射型偏光板15と映写板11との間に反射器30を有することも可能であり、反射器30を凹面鏡(以下、凹面反射鏡30という)として、映像の投影範囲を拡大することも可能である。
映像表示器14としては、直線偏光の第一の映像光L1を出光するものとして、液晶表示器を挙げることができる。映像表示器14は、液晶表示パネル20と、光源21と、光源21を内部に収容しつつ液晶表示パネル20を保持する保持体22と、を有する。なお、光源21の周辺には、リフレクタが配置されており、光源21からの光は、リフレクタにより、液晶表示パネル20に向けて反射される。
液晶表示パネル20は、透明電極膜が形成された一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セル24と、液晶表示パネルの出光側、すなわち、液晶セル24の光源21と反対側に貼着された第1の直線偏光板25と、液晶セル24の光源21側に貼着された第2の直線偏光板26とを備えている。
第1の直線偏光板25は、固有の偏光軸を有し、この偏光軸に沿って液晶セル24で変調された光源光を偏光分離して、映像を生成する。
第2の直線偏光板26により、液晶セル24に入光する光源光の偏光状態を制御できる。第2の直線偏光板26としては、固有の偏光軸を有した反射型偏光板とすることも可能であり、映像表示器14の液晶セル24に貼着せずに間隔をあけて傾斜配置することや、湾曲形状のものを配置することも可能である。
光源21としては、特に制限無く、白色発光する発光ダイオード等を単数または複数用いることができる。なお、光源21の周囲に光を反射する反射板を設けて光利用率を向上させることや、光源21と液晶表示パネル20の間に拡散板やプリズムシート等を設けて液晶表示パネル20面内の照度の均一性を向上させることができる。
保持体22は、第一の映像光L1を回転中心軸とする回転方向に液晶表示パネル20の設置方向を調整する機構を有することも可能である。この設置方向を調整することによって、第1の直線偏光板25の偏光軸方向を変えて映像光の偏光状態を調整することができる。
反射型偏光板15は、支持部材37を介してハウジング17内面に支持されている。反射型偏光板15は、反射面28を備え、この反射面28に対して映像表示器14から出光する第一の映像光L1が傾斜入光するように映像表示器14と反射型偏光板15とが配置されている。また、反射型偏光板15の裏面に位置する支持部材37に、ヒートシンク(放熱部材)29を設けることが好ましく、例えば、前記ヒートシンク29は、複数の放熱フィンによって形成することが好ましい。
反射型偏光板15は、固有の偏光反射軸を有し、可視光から赤外光の波長の光を偏光分離可能なワイヤグリッド偏光子を用いることが好適である。なお、本文中におけるワイヤグリッド偏光子とは、ワイヤグリッド偏光板を映像表示装置であるヘッドアップディスプレイ装置に用いるために部品化した場合の総称としており、フィルム基材からなるワイヤグリッド偏光板を平板状のガラス基板等に貼着したもの、ガラス基板上にワイヤグリッド構造を有したもの、他光学機能材料と組み合わせたもの等を含む。ワイヤグリッド偏光子としては、光学特性や形状に制限は無く、形状を平板状としたもの、湾曲状としたもの等を好適に用いることができる。
なお、「固有の偏光反射軸」とは、偏光分離をする層(偏光分離層)が固有の軸方向を有し、前記固有の軸方向に対して電場の振動方向が平行あるいは直交する光の成分をそれぞれ反射あるいは透過するものを意味する。したがって、前記反射型偏光板15へ入光する光の入光方向及び入光角度に、偏光分離された光の偏光軸方向は依存しないため、広角に入光する光(第一の映像光L1)の偏光状態を変化させることなく偏光反射できる。また、可視光から赤外光の波長の光を偏光分離できることにより、映像表示器14や映像光の光路上の光学部材に入光する可視光から赤外光の波長の外光の半分を除去できるため、映像表示器14や映像光の光路上の光学部材の過熱による劣化を防止できる。
また、反射型偏光板15の裏面は、偏光分離され透過した光を吸収するための黒色層を設けることや、または、迷光を発生させない構成や構造とすることが好ましい。
図2に示すように、第二の映像光L2は、反射型偏光板15から凹面反射鏡30に至り、非球面鏡19で反射させられる。
図2に示す非球面鏡19は、所定の波長の光を反射できれば特に制限は無く、例えば、アルミニウム、銀、銅、白金、金、またはこれらの金属を主成分とする合金を使用した金属膜ミラー等を好適に用いることができる。図2に示すように、非球面鏡19は、凹面状で形成されており、これにより、第二の映像光L3を拡大して出光させることができる。
図2に示すように、非球面鏡19は、角度調整部を介して支持されている。角度調整部は、ハウジング17の内面に取り付けられた支持台31と、この支持台31に設けられたステッピングモータ32と、このステッピングモータ32の回転軸に取り付けられた歯車部34と、この歯車部34に噛合するとともに、軸部35を介して非球面鏡19に取り付けられた歯車部36とを備えている。角度調整部では、ステッピングモータ32を駆動することで、各歯車部34,36を回転して非球面鏡19を回転方向に可動でき、映写板11への第二の映像光L3の投影方向が調整可能となっている。
図2に示すように、ハウジング17は透光性の窓部18を有し、第二の映像光L3は、窓部18を透過し、フロントガラス4等の映写板11に至る。第二の映像光L3は、映写板11にて反射されて、第三の映像光L4が、運転者(観察者)6に至る。これにより、運転者6は、映写板11の方向に虚像5を観察することができる。なお、ハウジング17内には遮光壁38が設けられ、この遮光壁38によって太陽光等の外光が入光して迷光となることを防止できる。また、ハウジング17の外周面には、複数の放熱フィン39が設けられている。ただし、遮光壁38や放熱フィン39を設けるか否かは任意である。
ところで、反射型偏光板15は、上述したように、固有の偏光軸を有したワイヤグリッド偏光子が好ましい。偏光軸には偏光反射軸と偏光透過軸とがあり、互いに直交する。偏光透過軸と平行の偏光成分の光を透過し、それ以外の光を反射する。映像表示器14から反射型偏光板15に入光する第一の映像光L1は直線偏光であり、その直線偏光は、反射型偏光板15の反射面28にて反射するように、偏光反射軸を調整する。
図3Aに示すように、反射型偏光板15であるワイヤグリッド偏光子の反射面28には、一方向(図3Aでは横方向)に延在する複数本の金属細線16が設けられている。この複数本の金属細線が設けられた領域を金属細線領域とする。この金属細線16の延在方向と、偏光反射軸方向Aは実質的に平行となる。しかしながら、金属細線16の延在方向を視認することは、例えば、電子顕微鏡を用いた微視的観察でないと困難である。
そこで、本発明者らは、複数ある前記金属細線16中に、周囲と異なる構造の金属細線16の領域16aを作製し、反射観察時に回折光を発する領域を設け、図3Bに示すように、前記領域16aを輝線Bとして巨視的観察により認識できるようにした。
ワイヤグリッド偏光子を構成する金属細線16の周期は、偏光分離を所望する光の波長の1/3から1/4以下とすることが好ましく、これにより、金属細線16が延在する方向と直交する偏光成分の光は透過できる。上述した、周囲と異なる構造の金属細線16の領域16aとは、隣り合う金属細線16を連結させたり、断続的としたり、金属細線自体の幅を大きくして細線間隔を小さくしたり、あるいは、金属細線自体の幅を小さくして細線間隔を大きくしたりとした領域を意味する。周囲と異ならせることにより、回折が発生する。
前記領域16aが伸びる方向に制限はないものの、金属細線16が延在する方向と実質的に平行、あるいは、実質的に直交することが好ましい。偏光反射軸、及び、偏光透過軸は金属細線の延在方向と実質的に平行、あるいは、直交していて、前記領域の回折光と偏光軸方向を誤認する懸念を低下できる他、製造を容易にできるためである。また、偏光透過軸と偏光反射軸を容易に理解できるよう、回折光の発生間隔を偏光透過軸方向と偏光反射軸方向とで異ならせることも、効果的である。
また、前記領域16aは線状であることが好ましく、その幅は、所望する光の波長以下であることが好ましい。所望する波長とは、ワイヤグリッド偏光子に入光させて偏光分離させたい光の波長であり、可視光550nmの光であれば、前記領域16aの幅は550nm以下が好ましいということになる。前記領域16aの幅を大きくすると、回折光が強くなったり、あるいは反射光が拡散したような濃淡ムラが発生し、正反射光を用いる用途においては、利用効率を低下させてしまう恐れがある。
このように、金属細線16の延存方向を把握するためには、従来においては、nmオーダーの微視的な観察を行う必要があったが、本実施の形態のように、例えば、金属細線16に断続的な領域16aを金属細線16の延在方向に設けることで、微視的な観察ではなく、巨視的な観察でも、格子縞16の延存方向、即ち、反射型偏光板15の偏光反射軸方向Aを適切に把握することが可能である。
ここで、観察条件に関して述べる。周囲が暗所の条件で、目視観察に十分な大きさのワイヤグリッド偏光子の金属細線を有する面に20cmの距離を離して点光源である白色LEDを配置し、ワイヤグリッド偏光子の金属細線16を有する面に照度3000ルクスの非偏光の白色光を照射する。ワイヤグリッド偏光子に白色光を照射した際の正反射方向と異なる角度全てで観察者がワイヤグリッド偏光子を目視する。本実施の形態における「目視」とは、例えば、巨視的に観察することをいい、具体的には、肉眼により観察することをいう。
本実施形態のワイヤグリッド偏光板は上記観測条件で観測した際に輝線Bが観察可能であるため、偏光軸方向を容易に推定することが可能となる。輝線Bが伸びる方向は、ワイヤグリッド偏光板の透過軸方向であってもよく、反射軸方向であってもよい。輝線Bは、ワイヤグリッド偏光板を上記観測条件で観測した際にワイヤグリッド偏光子の偏光軸方向に対して概略平行、又は、概略垂直方向に延びる輝線であることが好ましい。上記観察者がワイヤグリッド偏光子を目視した角度のうちのある角度で、輝線Bが観察できればよい。
図8は、上記観察条件で本実施の形態のワイヤグリッド偏光板を観察した際の図であり、輝線が観測できる。
以上により、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ装置1によれば、反射鏡として用いる反射型偏光板15の偏光反射軸方向Aを容易に調整できるため、映写板11に投影される映像の明るさの均一性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、金属細線16の延在する方向と周囲と異なる構造の金属細線の領域16aの伸びる方向が平行であり、反射型偏光板15の反射面28に強い光(偏光/自然光の区別無し)を入光させた場合、回折光である輝線Bの観察が可能である。
すなわち、本実施の形態において、「偏光反射軸方向Aを示す表示を有する」とは、具体的には、巨視的観察をしたときに観察される輝線Bとなる。
本実施の形態では、反射型偏光板15は、ワイヤグリッド偏光子であることが好ましい。ワイヤグリッド偏光子に関しては、上述したように、ヘッドアップディスプレイ装置に組み込む部品の名称である。以下、ガラス基板にフィルム基材上に金属細線を有したワイヤグリッド偏光板を貼着した場合について説明する。
図4に示すように、ワイヤグリッド偏光板は、基材50aと、基材50aの表面に設けられた偏光分離層50bと、を有して構成されている。なお、基材50aはフィルムが好ましく、これにより、巻き取って連続的に生産ができるため、コストを安価にできる。
図4に示すように、基材50aの表面には、複数の格子状凸部23が設けられている。図4に示すように、各格子状凸部23の表面の少なくとも一部に誘電体層26を介して金属細線(金属ワイヤ)27が形成されている。誘電体層26は形成されていなくてもよい。かかる場合、金属細線27が直接、格子状凸部23の表面に形成される。
金属細線27は、概略等間隔に整列している。図4に示すように、基材50aの表面に複数の格子状凸部23を作製して凹凸構造を形成することにより、金属細線27と基材50aとの接触面積が拡大し、物理的な外力に対する耐久性が向上する。これにより、金属細線27上への保護フィルムの使用が可能となり、ワイヤグリッド偏光板の取り扱いが容易となる。
図4に示すように、反射型偏光板15として用いられるワイヤグリッド偏光板は、所定方向に延在する凹凸構造を表面に有する基材50aと、凹凸構造の格子状凸部23の一方側面に偏在するように設けられた金属細線27と、を有する。
そして、ワイヤグリッド偏光板において、図3Bに示したような、偏光反射軸方向Aを示す表示としての輝線B等を観察可能とするように、例えば、金属細線27が断続的となった領域を、凹凸構造(金属細線27)の延在方向に伸長させる。すなわち、図3Aに準じて説明すると、金属細線16の延在方向は、金属細線27(凹凸構造)の延在方向であり、図3Aの金属細線16の断続的な領域16aと同様に、金属細線27を断続的に形成し、このような断続的な領域を、金属細線27の延在方向に設ける。これにより、図3Bに示す巨視的な観察において、例えば、偏光軸反射軸方向Aを示す表示としての輝線Bを観察でき、よって、ワイヤグリッド偏光板の偏光反射軸方向Aを容易に調整でき、図1に示すヘッドアップディスプレイ装置1において、映写板11に投影される映像の明るさの均一性を高めることができる。
また、別の実施の形態のワイヤグリッド偏光板について説明すると、例えば、図5に示すように、金属細線の例えば、隣り合う金属細線23同士を連結させる。連結部分を符号23aで示した。このように、金属細線23を連結させることでも、巨視的な観察において、例えば、偏光反射軸方向を示す表示としての輝線Bを観察することができる。
或いは、金属細線23が延在方向に伸長していても、巨視的な観察において、例えば、偏光反射軸方向を示す表示としての輝線Bを観察することができる。
また、図6に示すように、金属細線27のうち金属細線27aは、細線幅が、周囲の金属細線27に比べて狭い。金属細線27aは延在方向の全域で細線幅が狭くなっていなくても、金属細線27aの一部の領域で細線幅が狭くなり、その細線幅の狭い領域が、金属細線の延在方向に伸長している構成であってもよい。或いは、金属細線27のうち細線幅が、周囲の金属細線27に比べて広くなっており、このような細線幅の広い領域が、凹凸構造の延在方向に伸長している構成であってもよい。これによっても、巨視的な観察において、例えば、偏光軸方向を示す表示としての輝線Bを観察することができる。
金属細線27の周期及び凹凸構造の周期(格子状凸部23間のピッチP)(図4参照)、すなわち金属細線27及び凸部23の間隔は、特に限定されないが、可視光領域の光の利用を考慮する場合、金属細線27の周期と基材50aの凹凸構造の周期を150nm以下とすることが好ましく、より好ましくは130nm以下とすることであり、さらに好ましくは120nm以下とすることであり、最も好ましくは100nm以下とすることである。金属細線27の周期と基材50aの凹凸構造の周期の下限に特に限定はないが、製造容易性の観点から、50nm以上が好ましく、60nm以上がより好ましく、80nm以上がさらに好ましい。金属細線27の周期が短いほど、偏光軸方向を示す輝線B(図3B参照)の観測が容易になり、好ましい。
また、輝線Bの観測が容易となるとの観点から、上記周囲とは異なる構造を有する金属細線27は、周囲の金属細線27とは幅、又は、高さが3%以上異なる構造を有することが好ましく、5%以上異なることがより好ましく、10%以上異なることがさらに好ましく、15%以上異なることがさらにより好ましく、20%以上異なることが特に好ましく、30%以上異なることが最も好ましい。上限は特に限定はないが、60%以下異なることが好ましく、50%以下異なることがより好ましく、40%以下異なることがさらに好ましい。ここで、金属細線27を断面視したときの金属の幅が最も太い部分の長さを、その断面視した箇所での金属細線27の幅とする。金属細線27を断面視したときの金属の高さが最も高い部分の長さを、その断面視した箇所での金属細線27の高さとする。輝線Bの観測が容易となるとの観点から、上記周囲とは異なる構造の金属細線27が延存する方向の長さは、偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることが好ましい。より詳細にはこの長さは50nm以上800nm以下であることが好ましく、より好ましくは100nm以上600nm以下であり、さらにより好ましくは100nm以上500nm以下である。
輝線Bの観測が容易となるとの観点から、基材50aの凹凸構造は、周囲の凸部23とは構造が異なる凸部23を有することが好ましく、周囲の凸部23とは幅、又は、高さが3%以上異なる構造を有することが好ましく、5%以上異なることがより好ましく、10%以上異なることがさらに好ましく、15%以上異なることがさらにより好ましく、20%以上異なることが特に好ましく、30%以上異なることが最も好ましい。上限は特に限定はないが、60%以下異なることが好ましく、50%以下異なることがより好ましく、40%以下異なることがさらに好ましい。ここで、基材50aの凹凸構造を断面視したときの凸部23の幅の最も太い部分の長さを、その断面視した箇所での凸部23の幅とする。基材50aの凹凸構造を断面視したときの凸部23の高さが最も高い部分の長さを、その断面視した箇所での凸部23の高さとする。
なお、上述は、金属細線の延在方向と周囲と異なる領域の延在方向が実質的に平行な場合である。これを、実質的に直交させることは可能であり、適宜実施可能である。
以下、凹凸構造を有した場合のワイヤグリッド偏光板の製造方法等を詳細に説明する。
基材50aには、目的とする波長領域において実質的に透明であればよく、例えば、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を用いることもできるが、フィルム(樹脂材料)を用いることが好ましい。基材50aとして樹脂基板を用いることにより、ロールプロセスが可能となるフレキシブル性を持たすことができる等のメリットがある。基材50aに用いることができる樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。この他、トリアセテート樹脂(TAC)等があり、具体的には、富士フィルム社製のTD80ULやZRD60SL、コニカミノルタ社製のKC6UA等を好適に用いることができる。また、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂や、トリアセテート樹脂とを組み合わせたり、単独で用いて基材を構成させたりすることができる。なお、前記UV硬化性樹脂を塗布する方法としては、グラビアロールを用いたグラビア方式や、スロットダイ方式、ナイフコーティング方式の他に、インクジェット方式や電位差を利用したスプレーコーティング方式等を挙げることができる。また、硬化させるために、UV光や、添加された紫外線吸収剤での吸収を考慮した405nm程度の可視光を発する光源を使用したり、電子線を発する光源を利用したりすることも可能である。
基材50aの表面に形成された格子状凸部23を有する凹凸構造は、凹凸構造の延在方向に対して垂直な断面において、矩形形状であることが好ましい。矩形形状とは、凹部と凸部の繰り返しからなり、それは、台形形状、矩形形状、方形形状を含む。また、断面視における凹凸構造の輪郭を関数と見なした場合の変曲点前後が、放物線のようになだらかに曲率が変化する曲線部を有することもでき、凸部にくびれがある形状も含むことができる。凹凸構造の形状により、基材表面にある凹凸形状の凸部の側面、及び、凹部の底部に、後述する斜め蒸着法で金属細線間は離間しつつも鉛直方向に連続した形状の金属細線を形成することが容易となる。なお、斜め蒸着法で金属細線を形成した場合、凸部23の一方側面に偏在するように金属細線27が設けられる。このため、凹凸構造の周期と金属細線27の周期(ピッチP)は概略同一の間隔となる。
凹凸構造の周期(格子状凸部23間のピッチP)(図4参照)は、特に限定されないが、偏光分離特性を発揮できる周期にすることが好ましい。一般に、ワイヤグリッド偏光板は、金属細線27の周期が小さくなるほど、広帯域で良好な偏光分離特性を示す。金属細線27が空気(屈折率1.0)と接する場合には、金属細線27の周期を対象とする光の波長の1/3から1/4以下とすることで、実用的に十分な偏光分離特性を示すことになる。このため、可視光領域の光の利用を考慮する場合、金属細線27の周期と基材50aの凹凸構造の周期を150nm以下とすることが好ましく、より好ましくは130nm以下とすることであり、さらに好ましくは120nm以下とすることであり、最も好ましくは100nm以下とすることである。金属細線27の周期と基材50aの凹凸構造の周期の下限に特に限定はないが、製造容易性の観点から、50nm以上が好ましく、60nm以上がより好ましく、80nm以上がさらに好ましい。金属細線27の周期が短いほど、偏光軸方向を示す輝線B(図3B参照)の観測が容易になり、好ましい。
なお、当該ワイヤグリッド偏光板は、凹凸構造の格子状凸部23の一方側面に偏在するように金属細線27を設けることが好ましい。したがって、凹凸構造の延在方向と金属細線27の延在方向は実質的に平行となる。また、凹凸構造と金属細線27は実質的に所定の方向に延在していればよく、凹凸構造の凹部、凸部、金属細線の各々が厳密に平行に延在している必要はない。また、前記凹凸構造の周期(ピッチ)は、周囲と異なる領域16a(図3A参照)を除いて、等間隔であることが好ましい。
表面に凹凸構造を有する基材50aの製造方法は特に限定されないものの、金属スタンパを用いた製造方法を例示する。凹凸構造の作製に、半導体製造のフォトリソグラフィ技術の応用により作製したシリコン系基板等を用いる。半導体製造のフォトリソグラフィ技術を用いることで、周囲と異なる領域を選択的に作製することができる。凹凸構造を有するシリコン系基板を鋳型として、凹凸構造を表面に有する樹脂版を作製する。続いて、得られた凹凸構造を表面に有する樹脂版から、電解メッキ法等を用いて、凹凸構造を有する金属スタンパを作製する。基材上に塗布したUV硬化性樹脂に前記金属スタンパを押し当てつつUV光を照射し、前記基材上に凹凸構造を転写することで、表面に凹凸構造を有する基材50aを作製できる。なお、金属スタンパの表面に離型性を付与する離型剤を塗布することは有効であり、フッ素系やシリコン系の離型剤を適宜用いることができる。例えば、KF−965、KS−62F、KF−965SP、KS−7201、KS−707(信越シリコーン製)等を挙げることができ、この他に、ダイフリーやオプツール(DSXやHD1100TH、HD2100TH、ダイキン製)等を挙げることができる。
前記シリコン系基板等表面に凹凸構造を作製する手法の一つとして、隙間をあけることなくレチクルのパターンを隣接させるように順次、転写(露光)する方法を挙げることができる。当該方法では、隣接する露光領域の境界(継ぎ目)に、周囲と異なる領域を選択的に作成することが容易である。
上述した金属スタンパは、基材の表面に凹凸構造を転写して形成できさえすれば、その外形に制限は無く、平板状、円筒状、あるいはその他の形状とすることができる。量産性を考慮すると、円筒状が好ましく、これにより、円筒状の金属スタンパを版材として版胴に備え、凹凸形状を連続して形成するロールプロセスが可能となる。
円筒状の金属スタンパを作製する方法としては、例えば、平板状の金属スタンパを円筒状に丸め、端部を接合する手法を挙げることができる。平板状の金属スタンパに折り目をつけることなく一定の曲率で丸めるためには、3本ロール等の使用が好ましい。また、円筒状にした金属スタンパを容易に着脱するために、版胴(シリンダー、シャフト)に張り出すような機能を付与し、円筒状の金属スタンパを固定することが好ましい。なお、版胴に円筒状にした金属スタンパをセットする際に、版胴と金属スタンパの間に、高真円度の円筒の鋼管を伸びる方向に割り、スペーサーとして用いることが好ましい。これにより、金属スタンパを円形状を維持したまま張り出せ、版胴に備えられた金属スタンパの真円度を高くすることができる。版胴と金属スタンパの間に挿入するスペーサーとしては、隙間を埋めたり、円筒状にした金属スタンパの円筒内側の凸状突起の緩衝材としたりできるようなシリコン系フィルムやPETフィルムといった柔軟性を有するフィルム類を用いることも可能である。
上述したように、当該ワイヤグリッド偏光板の基材はフィルムが好ましく、これにより、ロールプロセスを実現できる。平板上の金属スタンパを円筒状にした金属スタンパは、接合部を有する。円筒状の金属スタンパを用い、基材であるフィルムにUV硬化性樹脂を塗布して凹凸構造を転写するロールプロセスを実施した場合、フィルム上には接合部も転写される。凹凸構造が転写されたフィルムのうち、金属スタンパの接合部が転写された周辺は、前記UV硬化性樹脂の厚みが周囲と異なる。金属細線27の形状としては、凹凸構造の凸部の側面、及び、凹部の底部に連続した形状の金属細線27を形成することが好ましく、また、フィルム面内に同様の金属細線27を形成することが好ましい。しかし、後述する斜め蒸着法により金属細線27を作製する場合、金属スタンパの接合部が転写された周辺は、前記UV硬化性樹脂の厚みが周囲と異なるため、金属の蒸着によって形成される金属細線の形状が周囲と異なってしまう。これを防止するため、隣接する金属細線27の間隔であるピッチPに対して凸部の高さHを、1.0倍以下とすることが好ましい。ピッチPに対して凸部23の高さHが1.0倍を超えると、シート面内の偏光分離性に差異が発生し易い。また、反射型偏光板としては、入光する光のうち、偏光反射軸方向に直交する偏光成分(偏光透過軸方向に平行な偏光成分)の反射率に対する偏光反射軸方向に平行な偏光成分の反射率から算出される反射消光比が高いものが好まれる。当該映像表示装置でも同様であり、これを成すためには、隣接する金属細線27の間隔であるピッチPに対して凸部の高さHを、1.0倍以下とすることが好ましい。
なお、基材上に、上述の凹凸構造を有し、また、本発明の特徴である周囲と異なる凹凸構造の領域を作製した場合には、金属細線27を作製する以前であっても、巨視的な観察において、回折光を確認できる。ナノサイズの凹凸構造は、例えば、屈折率差で生じる表面反射を抑制して低反射性を示したり、凹凸構造の延在方向と直交する方向とで生じる屈折率差から複屈折性を示したりといった光学的機能を有する。前記光学的機能には軸方向があり、巨視的な観察にて視認できる回折光(輝線)を利用するという本発明を用いることで、目視が難しい軸方向の判別を可能とすることができる。
金属細線27は、凹凸構造の格子状凸部23の一方側面に形成される。これにより、所定の方向に連続して延在する金属細線27を作製できる。金属細線27は、アルミニウム、銀、銅、白金、金またはこれらの各金属を主成分とする合金などの導電材料を用いて形成することができる。特に、アルミニウムは、可視域での吸収損失を小さくできるため、好ましい。金属細線27の作製方法に、制限は無い。例えば、電子線リソグラフィ法、または、干渉露光法によるマスクパターニングとドライエッチングとを用いて形成する方法や、斜め蒸着法によって作製する方法等を挙げることができる。生産性の観点からは、斜め蒸着法が好ましい。
斜め蒸着法とは、凹凸構造の延在方向に垂直な断面(以下、「断面視」と略記する。)において、蒸着源が基材の表面の垂直方向に対して傾斜した方向に存在し、所定の角度を保持して金属を基材に蒸着して積層させていく方法である。蒸着角度は、凹凸構造の凸部と作製する金属細線の断面形状から好ましい範囲が決まり、一般には、5度〜45度が好ましく、より好ましくは5度〜35度である。さらに、蒸着中に積層した金属の射影効果を考慮しながら、蒸着角度を徐々に減少、又は、増加させることは、金属細線27の高さ等断面形状を制御する上で好適である。なお、基材50aの表面が湾曲している場合には、基材50aの表面の法線方向に対して傾斜した方向から蒸着を行うこととしてもよい。また、蒸着源の形状は、被蒸着領域を十分に蒸着できるものであれば制限がなく、断続的な点状や、連続的な線状を選択できる。蒸着源が点状である場合、凹凸構造の延在方向に対して斜め方向からも蒸着できることになり、見かけ上、凹凸構造の間隔が広がって凹部の底部まで蒸着できるため、好ましい。
具体的には、特定方向に所定のピッチをもって概略平行に延在する凹凸構造を表面に有した基材50aの表面の被蒸着領域の中心における垂直方向に対して、5度以上45度未満となる方向に蒸着源の中心を設け、凹凸構造上に金属細線27を形成する。さらに好ましくは、基材50aの表面の被蒸着領域の中心における垂直方向に対して5度以上35度未満となる角度方向に蒸着源の中心を設けることである。これにより、金属細線27を、基材50aの表面の凹凸構造の凸部23のいずれか一方の側面に、選択的に設けることが可能となる。なお、基材50aを搬送しながら蒸着する場合には、ある瞬間における被蒸着領域の中心と蒸着源の中心が、上述した条件となるように蒸着を行ってもよい。
上述の斜め蒸着法を用いた場合、凹凸構造の凸部23と金属細線27の延在方向は等しくなる。また、ワイヤグリッド偏光板の断面視における金属細線27の形状は、射影効果を与える凹凸構造の凸部23の高さHと幅、また、金属蒸着量の影響を受ける。
周囲と異なる構造(形状)の金属細線27の領域を作製するために、周囲と異なる凹凸構造の領域を作製することは好ましく、凸部23の高さHと幅のうち少なくともいずれか一方を、周囲と異なるようにすることは好適である。また、凹凸構造のうち、隣接する凸部23間の凹部の深さ(高さ)を浅く(小さく)したり、延在する凹凸構造の凸部23を断続的にすることで、周囲と異なる構造の金属細線27の領域を作製できる。周囲と異なる構造(形状)の金属細線27の領域は、例えば、金属細線27の幅や高さを周囲の金属細線27と異ならせることにより作製可能である。この他、金属細線27の一部を欠けさせることによっても作製可能である。
輝線B(図3B参照)の観測が容易となるとの観点から、この周囲とは異なる構造を有する金属細線27は、周囲の金属細線27とは幅、又は、高さが3%以上異なる構造を有することが好ましく、5%以上異なることがより好ましく、10%以上異なることがさらに好ましく、15%以上異なることがさらにより好ましく、20%以上異なることが特に好ましく、30%以上異なることが最も好ましい。上限は特に限定はないが、60%以下異なることが好ましく、50%以下異なることがより好ましく、40%以下異なることがさらに好ましい。この周囲の金属細線27とは幅、又は、高さが異なる構造を有する領域16a(図3A参照)は、線状の領域であることが好ましい。輝線Bの観測が容易となるとの観点から、この線状の領域16aの面積は1000nm以上であることが好ましく、2000nm以上であることがより好ましく、5000nm以上であることがさらに好ましく、10000nm以上であることがさらにより好ましく、100000nm以上であることが最も好ましい。
金属細線27を断面視したときの金属の幅が最も太い部分の長さを、その断面視した箇所での金属細線27の幅とする。同様に、金属細線27を断面視したときの金属の高さが最も高い部分の長さを、その断面視した箇所での金属細線27の高さとする。
輝線Bの観測が容易となるとの観点から、基材50aの凹凸構造は、周囲の凸部23とは構造が異なる凸部23を有することが好ましく、周囲の凸部23とは幅、又は、高さが3%以上異なる構造を有することが好ましく、5%以上異なることがより好ましく、10%以上異なることがさらに好ましく、15%以上異なることがさらにより好ましく、20%以上異なることが特に好ましく、30%以上異なることが最も好ましい。上限は特に限定はないが、60%以下異なることが好ましく、50%以下異なることがより好ましく、40%以下異なることがさらに好ましい。この周囲の凸部23とは構造が異なる構造を有する領域16aは、線状の領域であることが好ましい。輝線Bの観測が容易となるとの観点から、この線状の領域16aの面積は1000nm以上であることが好ましく、2000nm以上であることがより好ましく、5000nm以上であることがさらに好ましく、10000nm以上であることがさらにより好ましく、100000nm以上であることが最も好ましい。
基材50aの凹凸構造を断面視したときの凸部23の幅の最も太い部分の長さを、その断面視した箇所での凸部23の幅とする。同様に、基材50aの凹凸構造を断面視したときの凸部23の高さが最も高い部分の長さを、その断面視した箇所での凸部23の高さとする。
周囲の金属細線27とは異なる構造を有する金属細線27を形成する工程は、周囲の金属細線27を形成する工程と同時であってもよく異なる工程であってもよい。また、基材50a上に周囲の凸部23とは異なる構造を有する凸部23を形成する工程は、基材50a上に凹凸構造を形成する工程と同時であってもよく異なる工程であってもよい。
図9は金属細線の高さを周囲よりも低くすることにより、周囲と異なる構造(形状)の金属細線の領域を作製したワイヤグリッド偏光板の断面図である。図9の点線部分が周囲と異なる構造(形状)の金属細線の領域となる。
図10は金属細線の幅を周囲よりも太くすることにより、周囲と異なる構造(形状)の金属細線の領域を作製したワイヤグリッド偏光板の平面図である。図10の点線部分が周囲と異なる構造(形状)の金属細線を複数含む異常構造領域となる。異常構造領域の金属細線が延存する方向とは垂直方向の幅は、偏光軸方向を示す輝線の観測を容易にするとの観点から、偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることが好ましい。より詳細にはこの幅は50nm以上800nm以下であることが好ましく、より好ましくは100nm以上600nm以下であり、さらにより好ましくは100nm以上500nm以下である。図10において、異常構造領域の金属細線が延存する方向とは垂直方向の幅は、点線部分の幅であり400nmとなる。周囲とは異なる構造の好ましい高さ、幅の範囲は上述の範囲と同様である。
図11は金属細線の一部を欠けさせることにより、周囲と異なる構造(形状)の金属細線の領域を作製したワイヤグリッド偏光板の平面図である。図11の点線部分が周囲と異なる構造(形状)の金属細線を複数含む異常構造領域となる。異常構造領域の金属細線が延存する方向の幅は、偏光軸方向を示す輝線の観測を容易にするとの観点から、偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることが好ましい。より詳細にはこの幅は50nm以上800nm以下であることが好ましく、より好ましくは100nm以上600nm以下であり、さらにより好ましくは100nm以上500nm以下である。図11において、異常構造領域の金属細線が延存する方向の幅は、点線部分の幅であり400nmとなる。周囲とは異なる構造の好ましい高さ、幅の範囲は上述の範囲と同様である。
例えば、図7に示すように、格子状凸部23のうち格子状凸部23bは、凸部幅が、周囲の格子状凸部23に比べて狭い。図7では、金属細線27及び誘電体層26を除いて図示した。よって、図7には、基材に形成された凹凸構造の表面形状が現れている。なお、格子状凸部23bは延在方向の全域で凸部幅が狭くなっていなくても、格子状凸部23bの一部の領域で凸部幅が狭くなり、凸部幅の狭い領域が、凹凸構造の延在方向に伸長している構成であってもよい。或いは、格子状凸部23のうち凸部幅が、周囲の格子状凸部23に比べて広くなっており、このような凸部幅の広い領域が、凹凸構造の延在方向に伸長している構成であってもよい。これによっても、巨視的な観察において、例えば、偏光軸方向を示す表示としての輝線Bを観察することができる。
また、金属蒸着量(平均厚み)は50nmから300nm程度が好ましい。なお、ここでいう平均厚みとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、金属蒸着量の目安として使用する。
また、光学特性の観点から、金属細線27の不要な部分をエッチングにより除去してもよい。エッチング方法は、基材50aや、誘電体層26に悪影響を及ぼさず、金属部分が選択的に除去できる方法であれば、特に限定は無い。生産性の観点から、アルカリ性の水溶液に浸漬させる方法が好ましいものの、金属細線27は非常に薄く作製されるため、上述のエッチングは必須ではない。
基材50aを構成する材料と金属細線27との密着性向上のため、両者の間に、両者と密着性の高い誘電体層26を介在させることができる。これにより、基材50aと金属細線27の密着性を高めることで、金属細線27の剥離を防ぐことができる。好適に用いることができる誘電体としては、例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混じった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光性能を対象の波長領域において実質的に透明であることが好ましい。誘電体材料の積層方法には特に限定は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。
また、耐湿熱性、及び、防汚性の観点から、金属細線27が作製された表面に被膜層を設けることが好ましい。前記被膜層により、ワイヤグリッド偏光板の金属細線27への直接的な水分子による酸化劣化に対する耐性が向上し、ヘッドアップディスプレイ装置が設置される車内空間においても持続的な耐湿熱性を発揮できる。被膜層の材料や形成方法は、導電体の耐湿熱性を向上させるものであれば特に限定されないが、特開2014−85516号公報に記載の材料や作製方法を挙げることができる。被膜層の材料は特に限定されないが、ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素及びダイヤモンドライクカーボン等の無機材料や酸化チタンやインジウムスズ酸化物(ITO)等の金属酸化物、パーフルオロエーテル基やパーフルオロアルキル基等を含有したフッ素系有機分子等のフッ素含有組成物等が挙げられる。また、被膜層の積層前後での透過率の低下を防ぐため、少なくとも対象とする波長域において実質的に吸収のない材料であることが好ましい。被膜層の形成方法は特に限定されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の乾式法、蒸気拡散法や液滴下法や液浸漬法等の湿式法等を好適に用いることができる。乾式法では特に、薄く、且つ、均一な成膜が可能な方法であり、物質衝突によって物理的な密着性を高め易く、且つ、凹凸構造の形状に追従し易い真空蒸着法及びスパッタリング法が好ましい。反応性の材料を用いた場合、金属細線27への積層後、反応を促進させる所定の温度及び湿度においてエイジングしてもよい。被膜層は、金属細線27頂部だけではなく、金属細線27表面全体と凹凸構造を有する基材50a表面までを同時に被覆することが好ましい。被膜層の層構成は、単一組成からなる単層構成や、複数層からなる多層構成、または、複数組成が混合された層から構成されていても構わない。特に、被膜層と金属細線27の密着性の観点から、被膜層は無機材料、及び、金属酸化物材料の少なくとも一方を含む第1被膜層と、少なくとも前記第1被膜層の表面を被膜する、フッ素含有組成からなる第2被膜層を有することが好ましい。上述した構成においては、第1被膜層の厚さは、被覆前後での透過率や偏光性性能の低下を防ぐため20nm以下の厚さが好ましく、成膜後の曲げによるクラックの発生を防止するため、15nm以下であることがより好ましい。また、第2被膜層は、第1被膜層に安定に固定化させるため、分子構造の末端に反応基を有することが好ましい。第2被膜層の厚みは、5nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは3nm以下である。なお、蒸気拡散法を用いる場合は、ワイヤグリッド偏光子とした後に部品全体の表面を処理することも可能である。ワイヤグリッド偏光板をガラス基板に貼合したワイヤグリッド偏光子においては、第2被膜層がガラス基板面の表層となり、フッ素含有組成からなる前記第2被膜層は低屈折率にできるため、界面反射を低減できる。
上述のワイヤグリッド偏光板は基材50aがフィルムである。本実施の形態の映像表示装置1(図2参照)に用いる反射型偏光板15には、映像光を反射する機能も求められるため、前記映像表示装置1の設計に応じて、平板状のガラス基板に貼着加工をしたり、樹脂板に貼着加工後に熱成型したりすることもできる。以下、ワイヤグリッド偏光板を平板上のガラス基板に貼着加工したワイヤグリッド偏光子を例示する。
平板状のガラス基板にワイヤグリッド偏光板を貼着加工する方法としては、例えば、ワイヤグリッド偏光板の金属細線27を有する面に保護フィルムを貼着し、金属細線27を有しない基材50aが露出する面に粘着加工を施した後、平板状のガラス基板へ貼着加工を行い、最後に保護フィルムを剥離する方法等を挙げることができる。
上述した貼着方法において、基材であるフィルム(樹脂材料)の内部残留応力を低減させ、且つ、上述した被膜層のエイジングの観点から、熱処理を加えることが好ましい。用いる材料次第だが、100℃から140℃程度の環境に、30分から2時間程度置くことで、ヘッドアップディスプレイ装置1に組み込み後の耐環境特性を向上できる。
保護フィルムとしては、弱粘着性のシリコン系粘着層を有したものやアクリル系粘着層を有したもの、ウレタン系粘着層を有したもの等を挙げることができ、具体的には、きもと社製のProsave SQ(登録商標)(50SQ、50SQD)、Prosave RC(登録商標)(25THS)、Prosave EP(登録商標)(75LS、75MS)等を挙げることができる。特に、前記被膜層を有したワイヤグリッド偏光板においては、密着性と前記被膜層への汚染性の観点から、アクリル系粘着層を有した保護フィルムを用いることが好ましい。
また、粘着加工前に、ワイヤグリッド偏光板の金属細線27を有しない基材50aが露出する面に、コロナ処理等表面処理を施すことは、粘着強度の向上に効果がある。基材50aがCOPである場合には、金属細線27が、基材50aの凹凸構造から脱離することを防止するため、放電電極長、基材フィルム搬送速度、及び、放電電力から算出される放電量を10〜120W・min/m相当となるように処理条件を調整することが好ましい。また、金属細線27の脱離の防止の観点から、コロナ処理装置が有する電極と誘電体の間に、更に十分な厚みを有する平板状の樹脂板を挿入し、ワイヤグリッド偏光板の基材50aが露出する面に表面処理を施すことも有効である。
粘着加工に用いる粘着材料としては、その両面を剥離紙で覆った両面テープを用いることができる。目的とする波長の光を透過できる透明性を有した材料であれば問題無く使用でき、例えば、日東電工製CS9861US、CS9862UA、HJ−9150Wやリンテック製MO−T015、MO−3005、MO−3006、MO−3014、積水化学社製5405X−75等を好適に使用できる。なお、基材50aがフィルムであるワイヤグリッド偏光板をガラス基板に貼着する場合、環境温度の変化に伴うフィルムの膨張、及び、収縮を考慮する必要がある。ガラス基板と前記フィルムの膨張率の差異により、ガラス基板が反ってしまうと、ワイヤグリッド偏光子を偏光反射する鏡として利用する場合、投影する映像の歪みが生じてしまう懸念がある。ガラス基板の反りの発生を抑制するためには、柔軟性を有する粘着材料が有効であり、上述したようなアクリル系樹脂からなるものや、シリコン系樹脂からなる粘着材料が好ましい。また、粘着材料の厚みは、柔軟性を保持する観点から、50μm以上が好ましい。一方で、粘着材料を厚くし過ぎてしまうと、鏡面性(平坦性)を確保し難くなってしまうため、100μm以下が好ましい。
貼着対象となるガラス基板は、本実施の形態の映像表示装置1がワイヤグリッド偏光子に要求する鏡面性が実現できる平坦度を有していればよく、更には、ワイヤグリッド偏光板を透過した光を透過ないし吸収できる性質を有することが好ましい。また、アルカリ性成分含有量の少ないものが好ましい。ソーダライムガラス等のアルカリ性成分含有量を多く含むガラス基板を用いた場合、結露と乾燥を繰り返すことによってアルカリ性成分が溶出し、ガラス基板表面を汚染したり、ワイヤグリッド偏光板を構成する金属ワイヤを腐食してしまったりする可能性が生じる。
ガラス基板にワイヤグリッド偏光板を貼着加工後、オートクレーブ処理や、ガラス基板と粘着材料の密着力を高めるためのアニール処理を実施することが好ましい。
本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、車両用、またはその他の用途のヘッドアップディスプレイシステムとして、好適に使用できる。
本出願は、2017年10月24日出願の特願2017−204880に基づく。この内容は、全てここに含めておく。
また、本発明においては、前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向幅が偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることが好ましい。
また、別の実施の形態のワイヤグリッド偏光板について説明すると、例えば、図5に示すように、金属細線の例えば、隣り合う金属細線23´同士を連結させる。連結部分を符号23a´で示した。このように、金属細線23´を連結させることでも、巨視的な観察において、例えば、偏光反射軸方向を示す表示としての輝線Bを観察することができる。
或いは、金属細線23´が延在方向に伸長していても、巨視的な観察において、例えば、偏光反射軸方向を示す表示としての輝線Bを観察することができる。

Claims (37)

  1. 偏光した光である映像光を出射する映像表示器と、前記映像光を反射する反射面を有する反射型偏光板と、前記反射型偏光板で反射された映像光が投影される映写板とを具備する映像表示装置であって、
    前記反射型偏光板は、前記反射面の偏光軸方向を示す表示を有することを特徴とする映像表示装置。
  2. 前記反射型偏光板がワイヤグリッド偏光板であり、
    前記ワイヤグリッド偏光板は金属細線領域を有し、
    前記金属細線領域は、所定方向に延在する複数本の金属細線を含み、
    前記金属細線領域は、周囲の金属細線とは異なる構造を有する金属細線を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
  4. 前記ワイヤグリッド偏光板は、所定方向に延在する凹凸構造を表面に有する基材を含み、
    前記複数本の金属細線は前記基材の前記凹凸構造に接していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の映像表示装置。
  5. 前記基材の前記凹凸構造は、周囲の凸部とは幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する凸部を含むことを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置。
  6. 金属細線領域を有するワイヤグリッド偏光板であって、
    前記金属細線領域は、所定方向に延在する複数本の金属細線を含み、
    前記金属細線領域は、周囲の金属細線とは異なる構造を有する金属細線を含むことを特徴とするワイヤグリッド偏光板。
  7. 前記金属細線領域は、金属細線が欠落した領域、又は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、若しくは、高さが異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項6に記載のワイヤグリッド偏光板。
  8. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項7に記載のワイヤグリッド偏光板。
  9. 前記周囲の金属細線とは異なる構造を有する前記金属細線の延在する方向が、前記周囲の金属細線が延在する方向と実質的に平行であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  10. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが3%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  11. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが10%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項10に記載のワイヤグリッド偏光板。
  12. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが15%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項10に記載のワイヤグリッド偏光板。
  13. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが20%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項10に記載のワイヤグリッド偏光板。
  14. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが30%以上異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項10に記載のワイヤグリッド偏光板。
  15. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは金属細線の幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する前記金属細線を含むことを特徴とする請求項10に記載のワイヤグリッド偏光板。
  16. 前記金属細線領域における金属細線と金属細線の間隔が50nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項6から請求項15のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  17. 前記間隔が50nm以上120nm以下であることを特徴とする請求項16に記載のワイヤグリッド偏光板。
  18. 所定方向に延在する凹凸構造を表面に有する基材を含み、
    前記複数本の金属細線は前記基材の前記凹凸構造に接していることを特徴とする請求項6から請求項17のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  19. 前記複数本の金属細線は前記基材の前記凹凸構造の凸部の一方側面に偏在するように設けられていることを特徴とする請求項18に記載のワイヤグリッド偏光板。
  20. 前記基材の前記凹凸構造は、周囲の凸部とは異なる構造を有する凸部を含むことを特徴とする請求項18又は請求項19に記載のワイヤグリッド偏光板。
  21. 前記基材の前記凹凸構造は、前記周囲の凸部とは幅、又は、高さが3%以上60%以下異なる構造を有する前記凸部を含むことを特徴とする請求項20に記載のワイヤグリッド偏光板。
  22. 前記基材の前記凹凸構造の凸部と凸部の間隔が50nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項18から請求項21のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  23. 前記間隔が50nm以上120nm以下であることを特徴とする請求項22に記載のワイヤグリッド偏光板。
  24. 前記周囲の金属細線とは異なる構造を有する前記金属細線に含まれる前記周囲の金属細線とは異なる構造の前記金属細線が延存する方向の長さが50nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項6から請求項23のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  25. 前記周囲の金属細線とは異なる構造の前記金属細線が延存する方向の長さが偏光分離を所望する光の波長以下であることを特徴とする請求項24に記載のワイヤグリッド偏光板。
  26. 前記金属細線領域は、前記周囲の金属細線とは異なる構造を有する前記金属細線を複数本含む異常構造領域を含むことを特徴とする請求項6から請求項25のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  27. 前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向とは垂直方向の幅が50nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項26に記載のワイヤグリッド偏光板。
  28. 前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向とは垂直方向の幅が偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることを特徴とする請求項26に記載のワイヤグリッド偏光板。
  29. 前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向の幅が50nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項26に記載のワイヤグリッド偏光板。
  30. 前記異常構造領域の前記金属細線が延存する方向とは幅が偏光分離を所望する光の波長以下の長さであることを特徴とする請求項26に記載のワイヤグリッド偏光板。
  31. 請求項6から請求項30のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板を下記条件で観測することを特徴とするワイヤグリッド偏光板の観測方法。
    観測条件:
    前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線領域を有する面に光を照射して、照射された光の正反射方向ではない角度から前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線領域を有する面を観測する。
  32. 請求項31に記載の方法でワイヤグリッド偏光板を観測することで前記ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向を推定することを特徴とするワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向の推定方法。
  33. 所定方向に延在する金属細線を有するワイヤグリッド偏光板であり、下記条件で前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面を観測した場合に輝線が観察可能であることを特徴とするワイヤグリッド偏光板。
    観測条件:
    周囲が暗所の条件で、前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面に20cmの距離を離して点光源の白色LEDを配置し、前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面に照度3000ルクスの非偏光の白色光を照射する。前記ワイヤグリッド偏光板に前記白色光を照射した際の正反射方向ではない角度全てで前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面を観測する。
  34. 前記条件で前記ワイヤグリッド偏光板の前記金属細線を有する面を観測した場合に、前記ワイヤグリッド偏光板の偏光軸方向に対して概略平行、又は、概略垂直方向に延びる輝線が観察可能であることを特徴とする請求項33に記載のワイヤグリッド偏光板。
  35. 金属細線領域を有するワイヤグリッド偏光板の製造方法であって、
    基材上に所定方向に延在する複数本の金属細線を前記金属細線領域に含まれるように形成する金属細線形成工程と、
    前記金属細線形成工程と同時、又は、異なる工程で、前記基材上に周囲の金属細線とは異なる構造を有する金属細線を前記金属細線領域に含まれるように形成する工程と、を含むことを特徴とするワイヤグリッド偏光板の製造方法。
  36. 前記基材上に前記所定方向に延在する凹凸構造を形成する凹凸構造形成工程と、
    凹凸構造形成工程と同時、又は、異なる工程で、前記基材上に周囲の凸部とは異なる構造を有する凸部を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項35に記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
  37. 前記複数本の金属細線がアルミを含むことを特徴とする請求項35又は請求項36に記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
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