JP5833320B2 - 偏光照明装置及び投影型映像表示機器 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光照明装置及び当該偏光照明装置を具備する投影型映像表示機器に関し、特にワイヤグリッド偏光板を用いた偏光照明装置に関する。
反射型液晶表示素子を利用した反射型液晶プロジェクターや、透過型液晶表示素子を利用した透過型液晶プロジェクターといった液晶表示素子を用いた投影型映像表示機器は、偏光を利用し、映像表示を行なっている。一般的に、光源が発する光の偏光度は低く、偏光を利用した投影型映像表示機器の偏光照明装置には、光源光を高偏光度の偏光とするため、偏光板が用いられている。この偏光板として吸収型偏光板を用いた場合、非透過光は吸収されてしまうため、前記偏光板を透過する光量は小さく、光源が発する光の利用効率は低くなり、偏光照明装置は暗いものであった。
光源光の利用効率が高い、小型の偏光照明装置としては、例えば特許文献1が提案されている。つまり、反射型偏光板を偏光照明装置の偏光板として用い、前記反射型偏光板を透過できない反射光をリサイクルできるシステムを作ることで、前記反射型偏光板を透過する光量を大きくし、光源光の利用効率を高め、明るい偏光照明を提供するものであるが、更なる明るさの向上が求められていた。
特表2007−516452号公報
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、偏光照明装置の明るさを向上させることを目的の一とする。
本発明者は、反射型偏光板であるワイヤグリッド偏光板において、透過しない光の反射率(偏光反射率)は、ワイヤグリッド構造が存在する導電体面に光が入射した場合と、そうでない面(基材面)に入射した場合で異なり、導電体面に入射した場合の光源光の利用効率が向上することを見出した。そこで、その知見を活かし、投影型映像表示機器内の偏光照明装置におけるワイヤグリッド偏光板の配置を工夫することで、偏光照明装置の明るさを向上できることを見出した。
本発明の偏光照明装置の一態様は、光源と、光源から出射した光を反射及び透過することにより偏光分離するワイヤグリッド偏光板と、ワイヤグリッド偏光板からの反射光を反射してワイヤグリッド偏光板に再入射させるように配置された反射材とを具備し、ワイヤグリッド偏光板は、基材と、基材表面の所定方向に延在して設けられた導電体(金属ワイヤ)とを有し、基材は所定方向に延在する格子状凸部を表面に有し、格子状凸部の延在方向に垂直な面において、基材の格子状凸部の頂部を通り格子状凸部の立設方向に沿う凸部軸と、導電体の頂部を通り立設方向に沿う導電体軸が異なり、導電体が基材の格子状凸部の一方の側面に偏析して設けられ、且つ、導電体が格子状凸部の頂部から凹部の底面にかけての側面全面に存在すると共に格子状凸部の頂部より導電体の少なくとも一部が上方に存在する構成であって、光源から出射した光と反射材で反射された光は、基材表面のうち導電体が形成された導電体面に入射することを特徴としている。
本発明の偏光照明装置の一態様において、格子状凸部の延在方向に垂直な面において、前記基材の表面が概略矩形状であることが好ましい。
本発明の偏光照明装置の一態様において、ワイヤグリッド偏光板に入射する光の偏光度が50%以下であることが好ましい。
本発明の偏光照明装置の一態様において、ワイヤグリッド偏光板と反射材との間に変向材を具備し、ワイヤグリッド偏光板の偏光軸と変向材の遅相軸が、非平行且つ非直交であることが好ましい。
本発明の反射型液晶表示装置の一態様は、上述した偏光照明装置と、偏光照明装置から出射した光を反射ないし透過する偏光ビームスプリッターと、前記偏光ビームスプリッターを反射ないし透過した光を変調および反射する反射型液晶表示素子とを有することを特徴としている。
本発明の反射型液晶表示装置の一態様において、偏光ビームスプリッターがワイヤグリッド偏光板で形成され、偏光ビームスプリッターを構成するワイヤグリッド偏光板が、基材と基材表面の所定方向に延在して設けられた導電体を有し、前記偏光照明装置のワイヤグリッド偏光板と直交ニコルの関係となるよう配置され、偏光照明装置から出射した光と反射型液晶表示素子で反射された光は、前記導電体が形成された導電体面に入射することが好ましい。
本発明の透過型液晶表示装置の一態様は、上述した偏光照明装置と、偏光照明装置から出射した光を透過する透過型液晶表示素子と、透過型液晶表示素子を透過した光を吸収及び透過することにより偏光分離する検光子とを有することを特徴としている。
基材表面に導電体を有するワイヤグリッド偏光板を具備する偏光照明装置内において、導電体が形成された基材表面に光を入射させる構成とすることにより、偏光照明装置の明るさを向上させることができる。
本実施の形態に係る偏光照明装置の一例を示す図である。 本実施の形態に係る偏光照明装置の使用形態の一例を示す図である。
本発明について、以下具体的に説明する。
<偏光照明装置>
本実施の形態で示す偏光照明装置100は、光源101と、光源101から出射した光を反射及び透過することにより偏光分離するワイヤグリッド偏光板102と、光源101から出射した光及びワイヤグリッド偏光板102が反射した反射光を反射してワイヤグリッド偏光板102に入射するように配置された反射材103とを具備している(図1参照)。また、ワイヤグリッド偏光板102は、基材111と当該基材111表面の所定方向に延在して設けられた導電体112(金属ワイヤ)から構成され、光源101から出射した光と反射材103で反射された光が、基材111表面のうち導電体112が形成された導電体面に入射する構成となっている。
本実施の形態で示す偏光照明装置100は、導電体112が設けられる基材111表面(導電体面)に、光源101から出射した光と反射材103で反射された光が入射する構成であることを特徴の一つとしており、この構成を有していれば、サイドライト型(図1(A)参照)又は直下型(図1(B)参照)のいずれの構成としてもよい。
図1(A)のサイドライト型では、光源101から出射した光を導光板に入射させて導光板内を伝搬させ、ワイヤグリッド偏光板102を介して所定の偏光を有する光を取り出す構成とすることができる。なお、反射材103又は反射材103が配置する側の導光板の表面に散乱パターン等を設けることにより、光の取り出し効率を向上することができる。図1(A)、(B)において、偏光照明装置100の使用用途に応じて、反射材103とワイヤグリッド偏光板102の間に、拡散シート、プリズムシート等の変向材や、位相差板等を適宜設けることができる。
図1(C)に示すように、光源101と、ワイヤグリッド偏光板102と、反射材103を有する偏光照明装置100において、導電体112が設けられた基材111表面側に、光源101から出射した光と反射材103で反射された光が入射する構成とすることにより、偏光照明装置100の明るさを向上させることができる。
ワイヤグリッド偏光板102は、基材111の凹凸構造と、前記凹凸構造の凸部の一方の側面に偏析する導電体112からなるワイヤグリッド構造を、基材111の一方の表面に有する(図1(C)参照)。導電体112が空気(屈折率1.0)と接し、基材111以外の接着材や粘着材等といった物質で包埋されていない場合、ワイヤグリッド構造の基材面側の構成要素は、樹脂等の基材111を構成する物質と、導電体112となる。また、ワイヤグリッド構造の基材面側の逆側(表面側)は、基材111凸部の頂部より上方に導電体112の少なくとも一部が存在するという構造のため、ワイヤグリッド構造の表面側の構成要素は導電体のみとなる。つまり、基材面側と表面側では、ワイヤグリッド構造の構成要素が異なることとなる。なお、図1では、基材111表面において格子状凸部が延在する方向に垂直な面(以下、「断面視」と記す)を示している。
また、ワイヤグリッド偏光板102の断面視において、表面が概略矩形状である基材111に後述する斜め蒸着法で導電体112を形成した場合、基材111凹部の導電体112の幅(基材111表面と平行な方向の導電体112の幅)に比較し、基材111凸部の頂部より上方に位置する導電体112の幅は大きくなる。このため、基材111凹部の導電体112の存在比に比較して、基材111凸部の頂部より上方の導電体112の存在比は大きくなる。
したがって、本発明のワイヤグリッド偏光板のワイヤグリッド構造は、基材面側と表面側で異なった有効屈折率を有することとなり、基材面側と表面側で異なった偏光反射特性を示す。これにより、ワイヤグリッド偏光板102のワイヤグリッド構造の基材面側に光を入射させた場合、表面側(導電体面)に光を入射させた場合と比較して、低偏光反射率となってしまうため、偏光照明装置100の明るさを向上させる割合が低下してしまう。一方、図1に示すように、ワイヤグリッド偏光板102のワイヤグリッド構造の表面側(導電体面)側に光を入射させた場合には、偏光照明装置100の明るさを向上させることができる。
なお、断面視において、表面が概略矩形状である基材に後述する斜め蒸着法で導電体を形成したワイヤグリッド偏光板102の導電体112を、基材111と概略同様の屈折率を有した接着材あるいは粘着材といった物質で包埋した場合、導電体112が空気(屈折率1.0)と接する場合と同様に、接着材あるいは粘着材といった物質で包埋した側に光が入射した際の偏光反射率は、その逆側(基材面側)に光が入射した際の偏光反射率よりも、大きくなる。
以下に、本実施の形態で示す偏光照明装置100に適用可能な材料等について説明する。
(光源)
偏光照明装置100に適用可能な光源101としては特に制限されず、例えば、蛍光ランプ、ナトリウムランプ、LED、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。偏光照明装置100を小型化するという観点から、光源101としてLEDを適用することが好ましい。なお、先述の光源が発する光は、一般的に、偏光度が50%以下であり、光源が発する光の偏光度は、次のようにして求めることができる。
光源と分光放射計等の測定装置の間に、所定の波長で偏光度99%以上の平板状の偏光板を光源が発する光に対して垂直、且つ偏向軸が特定方向となるように置き、分光放射輝度Taを測定する。続いて、前記偏光板の偏向軸を特定方向に対して90度回転させ、分光放射輝度Tbを測定する。光源が発する光の所定の波長λにおける偏光度P(λ)は、所定の波長λにおけるTaおよびTbから、以下の式で算出でき、百分率で示される。
P(λ)=[|Ta−Tb|/(Ta+Tb)]×100
(ワイヤグリッド偏光板)
ワイヤグリッド偏光板102としては、光源101を出射した光を偏光分離し、反射材103に向けて光を反射することが可能であれば、その形状に制限はなく、平板状であっても湾曲していても構わない。また、ワイヤグリッド偏光板の導電体が形成された導電体面と逆側の面に、偏光反射性を抑制する機能を付加することや、吸収型偏光板を貼合すること、微細な凹凸構造や誘電体を積層することによる反射防止機能の付加、拡散性を有する機能層の付加等が可能である。
ワイヤグリッド偏光板102は、少なくとも基材111と導電体112で構成される。例えば、所定方向に延在して一定の間隔をおいて並設された格子状凸部を表面に有する基材111と、基材111の格子状凸部の一方の側面側に偏析するように所定方向に延在して設けられた導電体112でワイヤグリッド偏光板102とすることができる(図1(C)参照)。
また、ワイヤグリッド偏光板102は、断面視において、基材111の格子状凸部の頂部を通り格子状凸部の立設方向に沿う凸部軸114と、導電体112の頂部を通り立設方向に沿う導電体軸113が異なる(重畳しない)構成であることが好ましい。これにより、導電体と基材の接触面積を増やすことができるため、導電体の剥離を防止でき、また、高さが高い導電体を形成し易くなるため、ワイヤグリッド偏光板の偏光分離特性を向上できるという効果を奏する。
また、ワイヤグリッド偏光板102は、断面視において、基材111の格子状凸部の頂部より導電体112の少なくとも一部が上方に存在する構成であることが好ましい。格子状凸部の頂部より上方の導電体112の側面は、鉛直方向に対して傾斜せず、概略平行である形状が好ましく、断面視における導電体112の頂部の形状は鉛直方向に凸の該略曲面形状あるいは概略平坦状であることが好ましい。また、導電体112を、基材111の格子状凸部の頂部より上方に伸びるよう設けることで、偏光分離特性が向上し、光の損失を減らすことができる。また、格子状凸部の頂部より上方の導電体112が鉛直方向に伸びるよう設けることで、偏光分離特性、具体的には、偏光反射率と平行透過率を向上できる。
また、ワイヤグリッド偏光板102は、断面視において、導電体112が形成される基材111の表面が概略矩形状であることが好ましい。これにより、鉛直方向に高い導電体を形成し易くなる。特に、後述する斜め蒸着法と等方性エッチングを用いてアルミニウムの導電体112を形成した場合、蒸着時のアルミニウム成長方向等から、導電体112の頂部の形状は、基材111の凸部の頂部の形状の相似形となり易く、基材凸部の頂部より上方の導電体の側面を鉛直方向に対して概略平行にできるため、鉛直方向に高い導電体の形成がより容易なものとなり、偏光分離特性、具体的には、透過光の偏光度と偏光反射率を向上させることができる。
(基材)
基材111としては、例えば、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を用いることができる。中でも樹脂材料を用いて基材111を形成することが、ロールプロセスが可能になる、ワイヤグリッド偏光板102にフレキシブル性(屈曲性)を持たすことができる、等のメリットがあるため好ましい。基材111に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化型樹脂や熱硬化型樹脂が挙げられる。また、UV硬化型樹脂や熱硬化型樹脂と、ガラスなどの無機基板、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組み合わせたり、単独で用いて基材111を構成させたりすることもできる。また、基材111と導電体112の密着性を向上させるための薄膜を、基材111の表面に備えても構わない。
また、基材111として、導電体112が形成される表面に格子状凹凸構造が設けられた基材を用いることができる。また、上述したように、基材111の断面視において、凹凸構造は概略矩形状であることが好ましい。また、基材111は、目的とする波長領域において実質的に透明であればよい。なお、所定の方向に延在するとは、格子状凸部がそれぞれ実質的に延在していればよく、格子状凸部の各が厳密に平行に延在している必要はない。
表面に格子状凸部を有する基材111の製造方法は特に限定されない。例えば、本出願人の出願の特許第4147247号公報に記載の方法を挙げることができる。特許第4147247号公報によれば、干渉露光法を用いて作製したピッチ230nmから250nmの格子状凸部がつくる凹凸格子を有する金属スタンパを用いて、凹凸格子を熱可塑性樹脂に熱転写し、凹凸格子を付与した熱可塑性樹脂を格子の長手方向と平行な方向に、延伸倍率が4倍から6倍の自由端一軸延伸加工を施す。その結果、前記熱可塑性樹脂に転写された凹凸格子のピッチが縮小され、ピッチが120nm以下の微細凹凸格子を有する樹脂基材(延伸済み)が得られる。続いて、得られた微細凹凸格子を有する樹脂基材(延伸済み)から、電解メッキ法などを用いて微細凹凸格子を有する金属スタンパを作製する。この金属スタンパにより、基材の表面にその微細凹凸格子を転写、形成することで、ピッチが120nm以下の格子状凸部を有する樹脂基材を得ることが可能となる。
(導電体)
導電体112は、基材111の表面のうち、光源101から出射した光と反射材103で反射された光が入射する表面側に設けられている。上述したように、表面に格子状凸部が形成された基材111上に導電体112を設ける場合には、格子状凸部の一方向側の側面に接し、上部が基材111の格子状凸部頂部より上方に伸びるように設けることが好ましい。
導電体112は、所定の方向に延在する基材111の格子状凸部と概略平行に所定の間隔(周期)をとって直線状に形成されるが、この直線状の導電体112の周期が可視光の波長よりも小さい場合、ワイヤグリッド偏光板102は、導電体112に対して平行に振動する偏光成分を反射し、垂直な偏光成分は透過する偏光素子となる。導電体112としては、アルミニウム、銀、銅、白金、金またはこれらの各金属を主成分とする合金を使用することができ、斜めスパッタリング法や斜め蒸着法により形成することができる。特に、アルミニウムもしくは銀を用いて導電体112を形成することにより、可視域光の吸収損失を小さくすることができるため、好ましい。
一般にワイヤグリッド偏光板102は、導電体112のピッチが小さくなるほど幅広い帯域で良好な偏光特性を示すが、ピッチは、対象とする光の波長の1/4〜1/3であれば実用的に十分な性能を示す。このため、可視光用に使用する場合、ピッチは150nm以下が好ましい。
導電体112の製造方法には特に限定は無いが、製造コストや生産性の観点から真空下における斜め蒸着法が好ましい。斜め蒸着法とは、基材111の断面視において、蒸着源が基材111表面の法線に対して入射角度αを持ちながら金属を蒸着、積層させていく方法である。入射角度αは、格子状凸部と作製する導電体の断面形状から好ましい範囲が決まり、一般には入射角度αは5°〜40°が好ましく、より好ましくは10°〜30°である。さらに、蒸着中に積層した金属の射影効果を考慮しながら、入射角度αを徐々に減少または増加させることは、導電体112の高さなど断面形状を制御する上で好適である。
なお、このような製法を用いた場合、基材111の格子状凸部と導電体112の延在方向は等しくなる。導電体112の形状を達成するための金属蒸着量は、格子状凸部の形状によって決まるが、一般には、平均蒸着厚みは50nm〜200nm程度である。ここでいう平均厚みとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、金属蒸着量の目安として使用する。
また、光学特性の観点から、不要な導電体はエッチングにより除去することが好ましい。エッチング方法は、基材111等に悪影響を及ぼさず、導電体部分が選択的に除去できる方法であれば特に限定は無いが、生産性の観点および導電体112の形状制御の観点から、等方性エッチングが好ましく、例えば、アルカリ性の水溶液に浸漬させるエッチング方法が好ましい。
(基板)
格子状の凹凸構造を有する基材111を保持するものとして、基板を用いることも可能である。基板としては、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を用いることができるが、偏光照明装置を軽量化でき、ロールプロセスによるワイヤグリッド偏光板の製造が可能となる平板状の樹脂材料を用いることが好ましい。
樹脂材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などのUV硬化型樹脂や熱硬化型樹脂が挙げられる。また、UV硬化型樹脂や熱硬化型樹脂と、ガラスなどの無機基板、熱可塑性樹脂等を組み合わせたり、単独で用いたりしてもよい。偏光照明装置から出射する光は、高い偏光度であることが求められるため、波長550nmにおける位相差値を30nm以下とすることが好ましい。このような特性を有する基板としては、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、シクロオレフィンポリマー樹脂(COP)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などがあり、これらの樹脂材料を用いることが好ましい。
(反射材)
反射材103としては、光源101の出射光及びワイヤグリッド偏光板102の反射光を良効率で反射して、ワイヤグリッド偏光板102に入射させる材料、形状であることが好ましい。例えば、反射材103として、樹脂フィルムにアルミニウムや銀をコーティングしたシートや、硫酸バリウム等を含んだ白色のシート、複数の屈折率の異なる薄膜を積層したシート等を用いることができる。また、反射材103の形状に制限はなく、平板状、凹凸を有した平板状、一定の曲率を有した球形であっても構わない。同様に、反射材103の表面を粗面とする、あるいは複屈折性の材料で被覆する、あるいは複屈折性を示す構造とするといったことも可能である。
(変向材)
本実施の形態で示すワイヤグリッド偏光板102において、ワイヤグリッド偏光板102と反射材103との間に変向材を設けてもよい。変向材とは、所望する波長の光を透過する光学材料であり、前記光学材料に入射する光の方向を変化させて出射する光学材料を意味し、拡散シートやプリズム構造を有したシート、光学レンズ、導光板等がこれに該当する。変向材としては、軽量であり破損し難い樹脂からなることが好ましく、ワイヤグリッド偏光板102の偏光軸と当該変向材の遅相軸は、平行ないし直交しない(非平行且つ非直交)構成とすることが好ましい。これにより、変向材によりワイヤグリッド偏光板102を反射した光の偏光状態を変化させ、ワイヤグリッド偏光板102を反射した光の進行方向を制御することができる。その結果、偏光照明装置100の更なる輝度向上が可能となる。
(誘電体)
本実施の形態で示すワイヤグリッド偏光板102において、基材111を構成する材料と導電体112との密着性向上のため、両者の間に両者と密着性が高い誘電体材料を好適に用いることができる。例えば、二酸化珪素などの珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはその複合物(誘電体単体に他の元素、単体または化合物が混じった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光性能を得ようとする波長領域において実質的に透明であればよい。誘電体材料の積層方法には特に限定は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。
<偏光照明装置の使用形態>
本実施の形態で示す偏光照明装置100は、照明装置や、偏光光源を必要とする投影型映像表示機器等の各種光学機器に適用することが可能である。以下に、偏光照明装置100の適用例の一例として、反射型液晶表示装置と透過型液晶表示装置に用いる場合について説明する。なお、以下の説明では、偏光照明装置100としてサイドライト型を用いる場合を示すが、直下型を用いてもよい。
(反射型液晶表示装置)
図2(A)に、上述した偏光照明装置100を適用した反射型液晶表示装置の一例を示す。図2(A)に示す反射型液晶表示装置は、偏光照明装置100と、偏光照明装置100から出射した光を反射する偏光ビームスプリッター121と、偏光ビームスプリッター121で反射された光が入射する反射型液晶表示素子122とを有しているが、これ以外に、光学補償のための位相差板等を必要に応じて用いることができる他、偏光照明装置100と偏光ビームスプリッター121の間に迷光防止等のための吸収型偏光板を備えることも可能である。
偏光ビームスプリッター121は、偏光照明装置100から出射した光を反射ないし透過して、反射型液晶表示素子122に入射させることが可能となる位置に設けられる。反射型液晶表示素子122は、偏光ビームスプリッター121を反射ないし透過した光を変調および反射し、前記反射光が偏光ビームスプリッター121を透過ないし反射するように配置されている。
偏光ビームスプリッター121としては、ワイヤグリッド偏光板を用いることができる。例えば、構成する基材および基板を樹脂としたワイヤグリッド偏光板を用いることで、偏光ビームスプリッター121を湾曲させて設けることも可能である。また、ワイヤグリッド偏光板を三角柱状のプリズム間に備えたものや、複数の相互に異なる屈折率を有した誘電体薄膜を積層した積層体によるもの、前記誘電体薄膜を積層した積層体を三角柱状のプリズム間に備えたもの、複数の相互に異なる複屈折率を有した薄膜を積層した積層体、前記複屈折率を有した薄膜を積層した積層体を三角柱状のプリズム間に備えたもの等を、偏光ビームスプリッターとして用いることができる。三角柱状のプリズムを用いた偏光ビームスプリッターは、接着材や粘着材等を用いることによって、偏光照明装置100のワイヤグリッド偏光板102と光学的接続が可能であり、これにより、前記三角柱状プリズム表面等の反射防止機能の付加を不要にできるといった効果を奏する。
また、偏光ビームスプリッター121として、基板上に凹凸構造を有する基材と導電体から構成されるワイヤグリッド偏光板を用いる場合には、偏光照明装置のワイヤグリッド偏光板の偏光軸と偏光ビームスプリッター121のワイヤグリッド偏光板の偏光軸を直交ニコルの関係とし、偏光照明装置100から出射した光と反射型液晶表示素子122で反射された光が導電体面に入射するよう、配置することが好ましい。
一般的に、偏光ビームスプリッターの偏光分離面は、入射する光に対して傾斜した配置とされる。偏光ビームスプリッターに複屈折性の基板あるいは基材を用いたワイヤグリッド偏光板を用い、その基板面に光を入射させると、面内の位相差だけでなく、厚み方向の位相差の影響を受けることとなる。したがって、偏光照明装置が発する偏光度の高い光を適切に利用し、高品位な映像を表示する反射型液晶表示装置を作製するためには、偏光照明装置が発する光を偏光ビームスプリッター121のワイヤグリッド偏光板の導電体面に入射することが好ましい。
(透過型液晶表示装置)
図2(B)に、上述した偏光照明装置100を適用した透過型液晶表示装置の一例を示す。図2(B)に示す透過型液晶表示装置は、偏光照明装置100と、偏光照明装置100から出射した光を透過する透過型液晶表示素子123と、透過型液晶表示素子123を透過した光を吸収及び透過することにより偏光分離する検光子124とを有している。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。また、上記実施の形態における材質、数量などについては一例であり、適宜変更することができる。その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
まず、実施例中の測定値の測定方法について説明する。
<平行透過率の測定>
平行透過率は、日本分光株式会社製VAP−7070を用いて測定した。前記測定装置は光源近傍に偏光子を備え、鉛直方向から測定光が測定サンプルに入射するものとし、ワイヤグリッド偏光板の平行透過率を測定する際は、導電体面側から測定光が入射するようにワイヤグリッド偏光板を配置した。
<直交反射率の測定>
直交反射率は、日立ハイテクノロジー社製U−4100を用いて測定した。前記測定装置は光源近傍に偏光子を備えている。測定する偏光板は、前記偏光子の偏光軸と直交ニコルの関係となるようにし、入射角度45度でS波を前記偏光板に入射させ、その正反射を測定し、この測定結果を直交反射率とした。ワイヤグリッド偏光板の直交反射率を測定する際は、導電体面側から入射するようにワイヤグリッド偏光板を配置した。
<面内位相差値の測定>
面内位相差値の測定機器として、平行ニコル法を利用した偏光解析装置である王子計測機器製KOBRA−WRを用いた。測定光の波長を550nmとし、入射角度が0度の場合の位相差値を面内位相差値とした。
<屈折率の測定方法>
屈折率の測定は、メトリコン社製レーザー屈折計モデル2010を用いて、測定対象のサンプルを24時間、25度の恒温室で養生した後、屈折率を測定した。同装置による波長532nm、632.8nm及び824nmの屈折率の測定結果からコーシーの分散式を利用して屈折率の波長分散図を求め、波長589nmの屈折率を求めた。なお、硬化型樹脂につては、硬化型樹脂を硬化させた後、屈折率測定を行った。
(参考例1、2)
(ワイヤグリッド偏光板の作製)
次に、本実施例で用いたワイヤグリッド偏光板の作製方法について以下に説明する。
(UV硬化型樹脂を用いた格子状凹凸形状転写フィルムの作製)
格子状凹凸形状転写フィルムの作製には、Ni製金型(以下、「金型A」および「金型B」とする。)を用いた。金型Aはピッチ幅140nmの格子状凹凸形状を有し、断面視における凹凸形状は概略矩形状であった。金型Bはピッチ幅140nmの格子状凹凸形状を有し、断面視における凹凸形状は概略正弦波状であった。基板は、厚み80μmのトリアセチルセルロース系樹脂からなるTACフィルム(TD80UL−H:富士写真フィルム社製)とし、前記TACフィルムの面内位相差値は3.5nmで、表面の屈折率は1.49であった。前記TACフィルムにアクリル系UV硬化型樹脂(屈折率1.52)を約3μm塗布し、塗布面を下に、TACフィルム上に金型Aあるいは金型Bを重畳した。TACフィルム側から中心波長365nmのUVランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、金型Aあるいは金型Bの格子状凹凸形状を転写した。TACフィルムを金型から剥離し、縦300mm、横200mmの格子状凹凸形状を転写した。続いて、格子状凹凸形状転写表面に、スパッタリング法により誘電体層として二酸化珪素を成膜した。スパッタリング装置条件は、Arガス圧力0.2Pa、スパッタリングパワー770W/cm、被覆速度0.1nm/sとし、転写フィルム上の誘電体厚みが平膜換算で3nmとなるように成膜することで、格子状凹凸形状が転写された転写フィルムAおよび転写フィルムBを得た。
(真空蒸着法を用いた導電体の蒸着)
次に、転写フィルムAあるいは転写フィルムBの格子状凹凸形状転写表面に、真空蒸着によりアルミニウム(Al)を成膜した。Alの蒸着条件は、常温下、真空度2.0×10−3Pa、蒸着速度40nm/sとした。Alの厚みを測定するため、表面が平滑なガラス基板を転写フィルムと同時に装置に挿入し、平滑ガラス基板上のAl厚みをAl平均厚みとした。基材の凹凸構造の延在方向と垂直に交わる平面内において、格子状の凹凸形状を有した基材の法線に対して蒸着角を20度とし、Al平均厚みが120nmとなるよう、転写フィルムAおよび転写フィルムBにAlを蒸着した。なお、ここでいう平均厚みとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、蒸着量の目安として使用している。
(不要Alの除去)
次に不要Alの除去を目的として、Alを蒸着した転写フィルムAおよび転写フィルムBを0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液に室温下で80秒間浸漬させた。その後すぐに水洗いし、フィルムを乾燥させた。SEM(電界放出型走査型電子顕微鏡)による断面視により、両サンプルともに基材凸部の一方側面に導電体が偏析し、導電体の頂部を通り立設方向に沿う導電体軸と、凸部構造の頂部を通り凸部の立設方向に沿う凸部軸が重畳しておらず、基材凸部の頂部より導電体の一部が上方に存在することを確認した。また、転写フィルムAの凹凸構造は概略矩形状であり、基材凸部の頂部より上方の導電体の側面は、鉛直方向に対して概略平行であったが、転写フィルムBの凹凸構造は概略正弦波状であり、基材凸部の頂部より上方の導電体の側面は、鉛直方向に対して傾斜していて、その形状は三角形に似た尖鋭形状であった。以上により作製された転写フィルムAをワイヤグリッド偏光板A、転写フィルムBをワイヤグリッド偏光板Bとする。ワイヤグリッド偏光板A(参考例1)の波長550nmにおける平行透過率は86.2%であり、直交反射率は88.9%であった。ワイヤグリッド偏光板B(参考例2)の波長550nmにおける平行透過率は86.1%であり、直交反射率は81.5%であった。
(参考例3)
(ヨウ素系吸収型偏光板)
ワイヤグリッド偏光板に対する比較例として、ヨウ素系吸収型偏光板を用いた。前記吸収型偏光板は、2枚の厚み80μmのTACフィルム間にヨウ素を含んだポリビニルアルコール層を有しており、波長550nmにおける平行透過率は85.8%で、直交反射率は10%以下であった。
(参考例4)
(導電体面を粘着材で包埋したワイヤグリッド偏光板の作製)
上記参考例のワイヤグリッド偏光板Aの導電体面に、粘着材(RA−600:スミロン社製)を備えたTACフィルム(TD80UL−H:富士写真フィルム社製)を貼合し、ワイヤグリッド偏光板Aの導電体を粘着材で包埋した。以上のようにして作製されたワイヤグリッド偏光板を、ワイヤグリッド偏光板Cとする。なお粘着材の屈折率は1.47であった。
<偏光照明装置の輝度測定>
次に、上記参考例1、2、4で作製したワイヤグリッド偏光板A、ワイヤグリッド偏光板B、ワイヤグリッド偏光板Cあるいは参考例3の吸収型偏光板を、投影型映像表示機器の偏光照明装置の偏光板とし、投影型映像表示機器の表示する映像光の輝度測定を行った。偏光照明装置は白色LED光源を用いたサイドライト型とし、表面が租面であるシート状の反射材と拡散シートの間に導光板があって、拡散シートの光の出射側上に前記偏光板を備えている。白色LED光源の発する光の波長550nmの偏光度は50%未満であり、拡散シートおよび導光板の遅相軸は偏光板の偏光軸と非平行、且つ非直交とした。投影型映像表示機器は、前記偏光照明装置と偏光ビームスプリッターと反射型液晶表示素子と投影レンズからなる反射型液晶プロジェクターを用いることとした。前記偏光ビームスプリッターはワイヤグリッド偏光板を用い、偏光照明装置の偏光板の偏光軸と直交ニコルの関係とし、偏光照明装置が発する光が前記偏光ビームスプリッターのワイヤグリッド偏光板の導電体面に入射するようにした。反射型液晶プロジェクターの偏光照明装置の偏光板は、以下配置例のように変更したが、それ以外の変更は行っていないため、反射型液晶プロジェクターの輝度測定結果は、偏光照明装置の明るさを意味する。
(実施例1)
偏光照明装置の偏光板をワイヤグリッド偏光板Aとし、前記偏光板の導電体面側が光源側となるように配置して、反射型液晶プロジェクターを作製した。
(比較例1)
偏光照明装置の偏光板をワイヤグリッド偏光板Aとし、前記偏光板の基板面側が光源側となるように配置して、反射型液晶プロジェクターを作製した。
(実施例2)
偏光照明装置の偏光板をワイヤグリッド偏光板Bとし、前記偏光板の導電体面側が光源側となるように配置して、反射型液晶プロジェクターを作製した。
(比較例2)
偏光照明装置の偏光板をヨウ素系吸収型偏光板とし、反射型液晶プロジェクターを作製した。
(実施例3)
偏光照明装置の偏光板をワイヤグリッド偏光板Cとした。断面視におけるワイヤグリッド偏光板Cの主たる層構成は順に、TAC、UV硬化型樹脂、導電体(Al)、粘着材、TACであり、前記偏光板の粘着材側が光源側となるように配置して、反射型液晶プロジェクターを作製した。
(比較例3)
偏光照明装置の偏光板をワイヤグリッド偏光板Cとし、前記偏光板のUV硬化型樹脂側が光源側となるように配置して、反射型液晶プロジェクターを作製した。
<輝度評価1>
実施例1、2、比較例1、2が発する映像光の輝度評価として、明度を示すY値の測定を行った。反射型液晶プロジェクターの投影レンズの鉛直方向上にトプコン社製分光放射計SR−3を設置し、前記反射型液晶プロジェクターが白画面表示するよう画像表示設定を行い、前記映像のY値を前記輝度計で測定した。
測定した結果は、比較例2が発する映像光のY値を1として、実施例1、2比較例1、2が発する映像光の輝度の比率を、輝度比として表1に示す。
Figure 0005833320
表1から明らかなように、実施例1、実施例2、及び比較例1の投影型映像表示機器が発する映像光の輝度は、比較例2よりも高くなった。実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の偏光板の波長550nmにおける平行透過率がほぼ同様であることを考慮すると、配置例1から配置例3は、透過できない反射光をリサイクルして、偏光照明装置の明るさを向上させたことになる。また、比較例1に比較して、実施例1の輝度比は大きい。これは、光源から出射した光をワイヤグリッド偏光板の導電体面に入射させたため、偏光反射率を高くでき、偏光照明装置を一層明るいものとすることができた結果である。実施例2は、実施例1と同様に、光源から出射した光をワイヤグリッド偏光板の導電体面に入射させているが、導電体の頂部が尖鋭形状であることから低偏光反射率を示すため、偏光照明装置の明るさを向上させる割合が低下してしまった。以上から、実施例1が最適な構成、配置となる。
<輝度評価2>
実施例3と比較例3が発する映像光の輝度評価として、明度を示すY値の測定を行った。反射型液晶プロジェクターの投影レンズの鉛直方向上にトプコン社製分光放射計SR−3を設置し、前記反射型液晶プロジェクターが白画面表示するよう画像表示設定を行い、前記映像のY値を前記輝度計で測定した。測定した結果は、比較例3が発する映像光のY値を1として、実施例3が発する映像光の輝度の比率を、輝度比として表2に示す。
Figure 0005833320
表2が示すように、実施例3の投影型映像表示機器が発する映像光は、比較例3の場合よりも明るいものであった。実施例3と比較例3の偏光板は同じワイヤグリッド偏光板Cであり、単に偏光板の表裏(粘着材側、UV硬化型樹脂側)を変えて配置しただけである。ワイヤグリッド偏光板Cの表裏で偏光透過特性に大きな差異は無く、先述の評価結果は、前記ワイヤグリッド偏光板Cの表裏で偏光反射特性が異なることを示している。断面視におけるワイヤグリッド偏光板Cの主たる層構成は、TAC、UV硬化型樹脂(屈折率1.52)、導電体(Al)、粘着材(屈折率1.47)、TACであり、偏光反射特性に強く影響を与えるような、ワイヤグリッド偏光板Cの層構成の表裏差は無い。しかし、ワイヤグリッド偏光板Cは、斜め蒸着法で概略矩形状の基材の表面に導電体を形成したものであるため、粘着材側とUV硬化型樹脂側の導電体の形状は異なる。これが偏光反射率に影響し、偏光照明装置の明るさに差異を生じさせた。以上から、実施例3が好ましい配置となる。
本発明の偏光照明装置は、照明装置や、液晶表示装置の光源装置として、好適に用いられる。
100 偏光照明装置
101 光源
102 ワイヤグリッド偏光板
103 反射材
111 基材
112 導電体
113 導電体軸
114 凸部軸
121 偏光ビームスプリッター
122 反射型液晶表示素子
123 透過型液晶表示素子
124 検光子

Claims (7)

  1. 光源と、前記光源から出射した光を反射及び透過することにより偏光分離するワイヤグリッド偏光板と、前記ワイヤグリッド偏光板からの反射光を反射して前記ワイヤグリッド偏光板に再入射させるように配置された反射材とを具備する偏光照明装置であって、
    前記ワイヤグリッド偏光板は、基材と、前記基材表面の所定方向に延在して設けられた導電体とを有し、前記基材は所定方向に延在する格子状凸部を表面に有し、前記格子状凸部の延在方向に垂直な面において、前記基材の格子状凸部の頂部を通り前記格子状凸部の立設方向に沿う凸部軸と、前記導電体の頂部を通り前記立設方向に沿う導電体軸が異なり、前記導電体が前記基材の格子状凸部の一方の側面に偏析して設けられ、且つ、前記導電体が前記格子状凸部の頂部から凹部の底面にかけての側面全面に存在すると共に前記格子状凸部の頂部より前記導電体の少なくとも一部が上方に存在する構成であって、前記光源から出射した光と前記反射材で反射された光は、前記基材表面のうち前記導電体が形成された導電体面に入射することを特徴とする偏光照明装置。
  2. 前記格子状凸部の延在方向に垂直な面において、前記基材の表面が概略矩形状であることを特徴とする請求項1に記載の偏光照明装置。
  3. 前記ワイヤグリッド偏光板に入射する光の偏光度が50%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偏光照明装置。
  4. 前記ワイヤグリッド偏光板と前記反射材との間に変向材を具備し、前記ワイヤグリッド偏光板の偏光軸と前記変向材の遅相軸が、非平行且つ非直交であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の偏光照明装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の偏光照明装置と、
    前記偏光照明装置から出射した光を反射ないし透過する偏光ビームスプリッターと、
    前記偏光ビームスプリッターを反射ないし透過した光を変調および反射する反射型液晶表示素子とを有することを特徴とする反射型液晶表示装置。
  6. 前記偏光ビームスプリッターがワイヤグリッド偏光板で形成され、
    前記偏光ビームスプリッターを構成するワイヤグリッド偏光板が、基材と前記基材表面の所定方向に延在して設けられた導電体を有し、前記偏光照明装置のワイヤグリッド偏光板と直交ニコルの関係となるよう配置され、前記偏光照明装置から出射した光と前記反射型液晶表示素子で反射された光は、前記導電体が形成された導電体面に入射することを特徴とする請求項5に記載の反射型液晶表示装置。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の偏光照明装置と、
    前記偏光照明装置から出射した光を透過する透過型液晶表示素子と、
    前記透過型液晶表示素子を透過した光を吸収及び透過することにより偏光分離する検光子とを有することを特徴とする透過型液晶表示装置。
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