JP5619586B2 - 投影型映像表示機器 - Google Patents

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Description

本発明は、投影型映像表示機器に関し、特にワイヤグリッド偏光板を用いた投影型映像表示機器に関する。
スクリーンに投射された映像光の反射光を視認する投影型映像表示機器であるプロジェクターとしては、反射型液晶表示素子を利用した反射型液晶プロジェクターがある。反射型液晶プロジェクターでは偏光を利用するため、光源光を偏光させる必要があり、前記プロジェクターを構成する一光学部材として、従来、誘電体薄膜を積層した偏光ビームスプリッターが用いられていた。
偏光ビームスプリッターは、例えば特許文献1に見られるように、ブリュースター角を利用することによって偏光分離を行っていた。つまり、誘電体積層型の偏光ビームスプリッターの偏光分離特性は、偏光分離層に入光する光の角度に強く依存するため、良好な偏光分離特性を得るには、入光角度を狭い範囲に制限する必要があった。そのため、反射型液晶プロジェクターを構成する投射レンズとしては、Fナンバーが大きい、比較的暗いレンズしか使用することができなかった。これは、液晶パネルサイズが小さくても画素開口率を高くできるという、反射型液晶表示素子を利用する利点を損なうものであり、偏光ビームスプリッターの入光角度の制限が、投影型映像表示機器の光学性能に一定の限界を与えていた。
特開昭61−141402号公報
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、投影型映像表示機器の光学性能を向上させることを目的とする。
本発明者は、特定構造のワイヤグリッド偏光板が偏光ビームスプリッターとして優れた偏光分離特性と偏光透過特性を発揮し、ワイヤグリッド偏光板への光の入光方向を考慮して光源と反射型液晶表示素子を配置することで、投影型映像表示機器の光学特性が向上できることを見出した。
本発明の投影型映像表示機器の一態様は、光源と、光源から出光した光を反射及び透過することにより偏光分離するワイヤグリッド偏光板と、ワイヤグリッド偏光板に反射された反射光を変調して出光する反射型液晶表示素子とを具備し、反射型液晶表示素子から出光した光のうち、ワイヤグリッド偏光板を透過した光を投影する投影型映像表示機器であって、ワイヤグリッド偏光板は、表面に所定の方向に延在する格子状凸部が設けられた基材と、基材の格子状凸部の一方の側面に偏在するように所定の方向に延在して設けられた導電体とを有し、導電体が形成された基材の表面側が光源及び反射型液晶表示素子と面し、光源から出光した光が導電体が形成された基材の表面側に入光し、反射型液晶表示素子から出光した光が導電体が偏在していない基材の格子状凸部の他方の側面側へ入光するようにワイヤグリッド偏光板が配置されていることを特徴とする。
本発明の投影型映像表示機器の一態様において、格子状凸部の延在方向に垂直な面において、基材の格子状凸部の頂部を通り格子状凸部の立設方向に沿う凸部軸と、導電体の頂部を通り立設方向に沿う導電体軸が異なることが好ましい。本発明の投影型映像表示機器の一態様において、基材の格子状凸部の頂部より導電体の少なくとも一部が上方に存在することが好ましい。
本発明の投影型映像表示機器の一態様において、格子状凸部の延在方向に垂直な面において、導電体が形成される基材の表面が略正弦波状であることが好ましい。
本発明の投影型映像表示機器の一態様において、ワイヤグリッド偏光板は、入光角度30度から60度の範囲における平行透過率の角度変化率が90%以上であることが好ましい。
本発明の投影型映像表示機器の一態様において、ワイヤグリッド偏光板への入光角度範囲が、中心角度±10度以上であることが好ましい。
本発明の一態様によれば、特定構造を有するワイヤグリッド偏光板を光の入光方向を考慮して偏光ビームスプリッターとすることにより、広範な入光角度において、優れた偏光分離特性と偏光透過特性を発揮し、投影型映像表示機器の光学性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板を偏光ビームスプリッターとして用いた投影型映像表示機器の概念図である。 本発明の実施の形態に係る投影型映像表示機器におけるワイヤグリッド偏光板の位置関係を示した図である。 実施例に係るワイヤグリッド偏光板の格子状凹凸形状延在方向に対する垂直面での断面形状を示す図である。 450nm光における入射角度による偏光板の角度変化率を示した図である。 550nm光における入射角度による偏光板の角度変化率を示した図である。 650nm光における入射角度による偏光板の角度変化率を示した図である。 実施例に係る投影型映像表示機器におけるワイヤグリッド偏光板の位置関係を示した図である。
本発明について、以下具体的に説明する。
(投影型映像表示機器)
図1は、投影型映像表示機器である反射型液晶プロジェクターの概念図であり、図1を参照して、本発明の投影型映像表示機器について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る反射型液晶プロジェクターは、LEDなどの光源21と、偏光ビームスプリッターであるワイヤグリッド偏光板22と、光源光に映像情報を付加する反射型液晶表示素子23とを備えて構成される。必要に応じて、映像光を拡大投影する投射レンズ24を備えることができる。
光源21から出射した光源光は、偏光ビームスプリッターであるワイヤグリッド偏光板22に入光する。ワイヤグリッド偏光板22で偏光分離され反射した偏光は、反射型液晶表示素子23に入光して変調され、出光する。反射型液晶表示素子23を出光した出射光は、ワイヤグリッド偏光板22を透過し、投射レンズ24で拡大された後、スクリーンに投影される。
本実施の形態で示す投影型映像表示機器(反射型液晶プロジェクター)では、ワイヤグリッド偏光板22が特定構造を有し、且つ光源21からの光と反射型液晶表示素子23からの光の入光方向を考慮してワイヤグリッド偏光板22を配置する。以下にワイヤグリッド偏光板22の構造と配置について具体的に説明する。
ワイヤグリッド偏光板22は、格子状凸部を有する基材と、基材の格子状凸部の一方の側面に偏在するように導電体を設けた構造とすることができる。具体的には、図2に示すように、所定の方向に延在するように所定の間隔をおいて並設した格子状凸部を具備する基材26と、基材26の格子状凸部の一方の側面に偏在するように所定の方向に延在して設けられた導電体25でワイヤグリッド偏光板22が構成される。
また、投影型映像表示機器において、光源21、ワイヤグリッド偏光板22及び反射型液晶表示素子23を図2に示す位置関係で備えることが重要である。具体的には、ワイヤグリッド偏光板22の導電体25側(導電体25が形成された基材26の表面側)が光源21及び反射型液晶表示素子23と面し、反射型液晶表示素子23を出光した光(映像光)が、ワイヤグリッド偏光板22の導電体25が偏在していない基材26の格子状凸部の側面(基材26の格子状凸部の他方の側面)側に入光するように設置する。この場合、光源21から出光した光が基材26の格子状凸部の一方の側面(導電体25が形成された側面)側に入光するようにワイヤグリッド偏光板22を配置すればよい。なお、ワイヤグリッド偏光板22は固有の透過軸方向を有するため、投影型映像表示機器に前記ワイヤグリッド偏光板22を配置する際に、前記透過軸方向を任意に選択することが可能である。中でも、光源21の出光部位、ワイヤグリッド偏光板22の入光部位および反射型液晶表示素子23の入光部位がなす平面とワイヤグリッド偏光板22の格子状凸部の延在方向は直交することが好ましい。このように配置することで、フレネルの式に従い、ワイヤグリッド偏光板22の導電体で反射する反射光量を高くすることができる。また、前記ワイヤグリッド偏光板22を透過する透過光量を高くすることができる。
ワイヤグリッド偏光板22に入光する光源光の入光角度は、投影型映像表示機器を構成する部材の配置の観点から、前記偏光板の垂直方向を0度とした場合、45度となるように光源21とワイヤグリッド偏光板22を配置することが好ましい。
図2に示すように、特定構造を有するワイヤグリッド偏光板22を光の入光方向を考慮して設置することにより、ワイヤグリッド偏光板22が広範な入光角度で優れた偏光分離特性を発揮することができる。これは、ワイヤグリッド偏光板の格子状凹凸形状の延在方向に対する垂直面での断面形状において、導電体が格子状凸部の一方の側面に偏在する構造により、導電体の見かけ上の高さ(厚み)が光の入光角度に対して変化するためである。光の入光角度に応じて、前記導電体の高さ(厚み)が高く(厚く)なる方向から光を入光させることにより、平行透過率と偏光特性を相対的に高くすることができる。これにより、ワイヤグリッド偏光板22において、広範な入光角度で光源光の反射率を向上すると共に、映像情報が付加された映像光の透過率を向上させることができるため、明るい映像表示が可能となり、投影型映像表示機器の光学性能を向上できる。なお、ここでは、前記映像光が可視光であり、投影型映像表示機器の偏光ビームスプリッターとして前記ワイヤグリッド偏光板を用いる場合の好適な配置を述べているが、例えば、近赤外光を偏光分離する偏光ビームスプリッターとして前記ワイヤグリッド偏光板を用いる場合も、同様の技術的思想を用いて平行透過率と偏光特性を高めることが好ましい。
また、広範な入光角度で優れた偏光分離特性を発揮するワイヤグリッド偏光板22を用いることで、投射レンズのFナンバーが小さい、明るいレンズを使用した反射型液晶プロジェクターの設計が可能となる。具体的には、ワイヤグリッド偏光板22は、入光角度45度±15度、つまり30度から60度において、所望する波長の光の平行透過率の角度変化率が90%以上であることが好ましい。なお、反射型液晶プロジェクターで用いられる光の波長域は可視光域である。特に、420nmから680nmの光が用いられることが多い。つまり、青色波長域(420nmから500nm)、緑色波長域(500nmから590nm)および赤色波長域(590nmから680nm)のうち、少なくともその1波長において、前記平行透過率の角度変化率が90%以上であることが好ましいこととなる。また、入光角度範囲が中心角度±10以上であることが好ましい。なお入射角度範囲とは、入光する光の強度が最も高い入光角度における光の強度を100とした際に、強度が50以上である角度範囲をいう。
なお、図1に示した反射型液晶プロジェクターにおいて、また、光源21とワイヤグリッド偏光板22の間に、ワイヤグリッド偏光板22と直交関係となる配置で偏光板を備えてもよい。この場合、偏光板としては、光源光の利用率向上と装置内部の高温化を防止できるワイヤグリッド偏光板を用いることが好ましい。その他、偏光変換素子、位相差板などの光学補償機能を有した光学部材や、ワイヤグリッド偏光板22と投射レンズ24の間に偏光板を備えることができる。
以下に、本実施の形態で示す投影型映像表示機器(反射型液晶プロジェクター)に適用可能な部材等について説明する。
(光源)
用いる光源に制限は無い。投影型映像表示機器サイズの小型化が可能となるLEDを用いることも可能である。
(ワイヤグリッド偏光板)
ワイヤグリッド偏光板22は、格子状凹凸形状を有する基材と導電体で設けることができる。具体的には、上述したように、所定の方向に延在する格子状凸部を具備する基材26と、基材26の格子状凸部の一方の側面に偏在して設けられた導電体25で設けることができる。
また、ワイヤグリッド偏光板22は、基材26の格子状凸部の延在方向と垂直な面において、基材26の格子状凸部の頂部を通り格子状凸部の立設方向に沿う凸部軸31と、導電体25の頂部を通り立設方向に沿う導電体軸32が異なる(重畳しない)ように設けることが好ましい。また、基材26の凸部の頂部より導電体25の少なくとも一部が上方に存在することが好ましい。
ワイヤグリッド偏光板22が上記のような形状をとることで、入光角度の中心を45度とした広範な範囲で優れた偏光透過特性を発揮できる。
(格子状凹凸形状を有する基材)
基材26の形状は、格子状凸部の延在方向に対して、垂直な面内において、放物線のようになだらかに曲率が変わる略正弦波状とすることが好ましい。ここで、略正弦波状とは、凹部と凸部の繰り返しからなる曲線部を持つことを意味する。なお、曲線部は湾曲した曲線であればよく、例えば、凸部にくびれがある形状も正弦波状に含める。前記樹脂基材の格子状凸部及びその側面の少なくとも一部を誘電体層が覆いやすくする観点から、前記形状の端部又は頂部、谷は緩やかな曲率をもって湾曲していることが好ましい。また、樹脂基材と誘電体層との間の密着強度を高くする観点から、前記断面形状は略正弦波状であることが好ましい。さらに、反射型液晶表示素子23から出光した光の導光路を確保し、光学特性を高めるという視点から、略正弦波状とすることが好ましい。また、基材26は、目的とする波長領域において実質的に透明であればよい。なお、所定の方向に延在するとは、格子状凸部が実質的に延在していればよく、格子状凸部が厳密に平行に延在している必要はない。
基材26としては、例えば、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を用いることができるが、中でも樹脂材料を用いた基板が、ロールプロセスが可能になる、ワイヤグリッド偏光板にフレキシブル性(屈曲性)を持たすことができる、等のメリットがあるため好ましい。基材26に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。また、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラスなどの無機基板、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組み合わせたり、単独で用いて基材26を構成させたりすることもできる。また、基材26と導電体25の密着性を向上させるための薄膜を、基材26の表面に備えても構わない。
基材26の格子状凸部の凸部高さ/凸部半値幅の値は、1.0〜10程度であることが好ましく、得られる光学性能と、凸部形状の作りやすさ、転写のしやすさを考慮すると1.5〜5であることがより好ましい。また、格子状凸部の半値幅は、ピッチの0.1倍〜0.6倍であることが好ましく、0.15倍〜0.4倍であることがより好ましい。
格子状凸部を有した基材26を備える場合、その製造方法は特に限定されない。例えば、本出願人の出願の特許第4147247号公報に記載の方法を挙げることができる。特許第4147247号公報によれば、干渉露光法を用いて作製したピッチ230nmから250nmの格子状凸部がつくる凹凸形状を有する金属スタンパを用いて、凹凸形状を熱可塑性樹脂に熱転写し、凹凸形状を付与した熱可塑性樹脂を格子の長手方向と平行な方向に、延伸倍率が4倍から6倍の自由端一軸延伸加工を施す。その結果、前記熱可塑性樹脂に転写された凹凸形状のピッチが縮小され、ピッチが120nm以下の微細凹凸形状を有する樹脂基材(延伸済み)が得られる。続いて、得られた微細凹凸形状を有する樹脂基材(延伸済み)から、電解メッキ法などを用いて微細凹凸形状を有する金属スタンパを作製する。この金属スタンパにより、基材の表面にその微細凹凸形状を転写、形成することで、ピッチが120nm以下の格子状凸部を有する樹脂基材を得ることが可能となる。
(導電体)
導電体25は、基材26の格子状凸部の一方向側の側面に接し、上部が基材26の凸部頂部より上方に伸びるように設けられた構造を有している。導電体25を、格子状凸部の頂部より上方に伸びるよう設けることで、偏光特性が向上し、光の損失を減らすことができる。導電体25は、所定の方向に延在する基材26の格子状凸部と略平行に所定の間隔(周期)をとって直線状に形成されるが、この直線状の導電体25の周期が可視光の波長よりも小さい場合、ワイヤグリッド偏光板は、導電体25に対して平行に振動する偏光成分を反射し、垂直な偏光成分は透過する偏光素子となる。導電体25としては、アルミニウム、銀、銅、白金、金またはこれらの各金属を主成分とする合金を使用することができ、斜めスパッタリング法や斜め蒸着法により形成することができる。特に、アルミニウムもしくは銀を用いて導電体25を形成することにより、可視域光の吸収損失を小さくすることができるため、好ましい。
基材26の格子状凸部の延在方向に対して垂直な面内における凹部底部から凸部頂部までの高さのうち、頂部から90%までの任意の高さにおいて、導電体の幅をa、格子状凸部の幅をbとしたときに、0.3≦a/bであることが光学対称性、偏光透過率などの光学性能、ワイヤグリッド偏光板の構造強度の観点から好ましく、さらに、0.4≦a/b≦3.0であることがより好ましい。ここで、導電体25の幅a、格子状凸部の幅bの値は、平均的な数字であり、実際には基材26の格子状凹凸形状の延在方向に対して垂直な面内で断面形状をSEM(電界放出型走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、任意の一断面のとなりあう3本の平均値から求める。
また、導電体25の底部は、格子状凸部における凹部の底部に接着していることが好ましく、いいかえると、格子状凸部の延在方向に対して垂直な面内において、導電体25の底部から頂部までの高さH3が格子状凸部の底部(凹部の底部)から導電体25の頂部までの高さH1とほぼ等しくなることが好ましい。さらに、基材26の凹部位置の水平方向においては、0.2≦a/b≦1.0であることが光学性能や構造強度の観点から好ましく、0.2≦a/b≦0.9であることがより好ましい。
また、格子状凸部の延在方向に対して垂直な面内における基材26の凹部の底部から凸部の頂部までの高さH2は、光学性能の観点から凹部の底部から導電体25の頂部までの高さH1の0.3倍〜0.8倍であることが好ましい。
格子状凸部の延在方向に対して垂直な面内における凹部の底部よりも上方の基材凸部断面積Sは、同じ面内で導電体断面積Lよりも小さいことが、光学性能の観点から好ましく、L/Sは1〜8であることがより好ましく、1.5〜6であることがさらに好ましい。
一般にワイヤグリッド偏光板は、導電体25のピッチPが小さくなるほど幅広い帯域で良好な偏光特性を示す。導電体25が空気(屈折率1.0)と接する場合、ピッチPは、対象とする光の波長の1/4〜1/3であれば実用的に十分な性能を示す。このため、可視光域の光を偏光分離する場合、ピッチPは150nm以下が好ましい。
導電体25の製造方法には特に限定は無いが、製造コストや生産性の観点から真空下における斜め蒸着法が好ましい。斜め蒸着法とは、格子状凹凸形状の延在方向と垂直に交わる平面内において、蒸着源が基材の法線に対して入射角度αを持ちながら金属を蒸着、積層させていく方法である。入射角度αは、格子状凸部と作製する導電体の断面形状から好ましい範囲が決まり、一般には入射角度αは5°〜40°が好ましく、より好ましくは10°〜30°である。さらに、蒸着中に積層した金属の射影効果を考慮しながら、入射角度αを徐々に減少または増加させることは、導電体25の高さなど断面形状を制御する上で好適である。
なお、このような製法から格子状凸部と導電体25の延在方向は等しくなる。導電体25の形状を達成するための金属蒸着量は、格子状凸部の形状によって決まるが、一般には、平均蒸着厚みは50nm〜200nm程度である。ここでいう平均厚みとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、金属蒸着量の目安として使用する。
(誘電体)
基材を構成する材料と導電体との密着性向上のため、両者の間に両者と密着性が高い誘電体材料を好適に用いることができる。例えば、二酸化珪素などの珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはその複合物(誘電体単体に他の元素、単体または化合物が混じった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光性能を得ようとする波長領域において実質的に透明であればよい。誘電体材料の積層方法には特に限定は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。
(基板)
格子状の凸部構造を有する基材を保持するものとして、基板を用いることができる。基板としては、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を用いることができるが、投影型映像表示機器の軽量化や耐衝撃性の向上が可能で、様々な光学部材と組み合わせが容易となる平板状の樹脂材料を用いることが好ましい。基板の厚みは、偏光ビームスプリッターに要求される光学特性を考慮すると、薄い方が好ましい。2mm以下の厚みであることが好ましく、さらに好ましくは1mm以下である。
樹脂材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などのUV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。また、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラスなどの無機基板、熱可塑性樹脂等を組み合わせたり、単独で用いたりしてもよい。基板面内の波長550nmにおける位相差値は30nm以下であることが偏光分離特性の観点から好ましいため、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、COP(シクロオレフィンポリマー)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの樹脂材料を用いることが好ましい。また、樹脂基材の遅層軸方向は、ワイヤグリッド延在方向と略平行ないし略直交となるよう配置されることが、偏光分離特性の観点から好ましい。
また、投影型映像表示機器の偏光ビームスプリッターとしては、広範な入光角度範囲における透過率変化を小さくすることが好ましい。例えば、基板の基材と接する面と逆側の基板表面の屈折率を1.45以上から2.50以下の間で調整することによって、透過率変化を小さくすることが可能である。また、基材と接する面と基板の間に屈折率の異なる誘電体を積層することで偏光分離特性を向上させることもできる。また、基材と接する面と逆側の基板表面に反射防止層や微小な凹凸構造、例えばモスアイ構造などを付加することによって透過率を向上させることも可能である。
(エッチング工程)
光学特性の観点から、必要に応じ基材26の凹部の底部に積層する金属を、エッチングにより除去する。エッチング方法は、基材や誘電体層に悪影響を及ぼさず、必要量の金属が除去できる方法であれば特に限定は無いが、生産性や装置コストの観点から酸やアルカリの水溶液に浸漬させる方法が好ましい。
(反射型液晶表示素子)
反射型液晶表示素子に特に制限はなく、液晶分子が垂直に配向したもの、強誘電液晶を用いたもの等を用いることができる。
(投射レンズ)
投射レンズとしては、投影型映像表示機器の光学設計に即したレンズであれば、特に限定は無く、樹脂からなるレンズであっても、ガラスからなるレンズであっても問題は無い。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、ワイヤグリッド偏光板の導電体を樹脂等で包埋し、平板上のフィルム等を貼り合わせることで、前記ワイヤグリッド偏光板への傾斜入光時における透過光の角度依存性を向上させることも可能である。また、上記実施の形態における材質、数量などについては一例であり、適宜変更することができる。その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(ワイヤグリッド偏光板の作製)
まず、本実施例で用いたワイヤグリッド偏光板の作製方法について以下に説明する。
(UV硬化性樹脂を用いた格子状凹凸形状転写フィルムの作製)
格子状凹凸形状転写フィルムの作製には、2種類のNi製金型(以下、「金型A」、「金型B」とする。)を用いた。金型Aはピッチ幅140nmの格子状凹凸形状を有し、格子の延在する方向に垂直な断面における凹凸形状が略正弦波状であった。金型Bはピッチ幅140nmの格子状凹凸形状を有し、格子の延在する方向に垂直な断面における凹凸形状が略矩形状であった。基板は、厚み80μmのトリアセチルセルロース系樹脂からなるTACフィルム(TD80UL−H:富士写真フィルム社製)とし、前記TACフィルムの波長550nmにおける面内位相差値は3.2nmで、遅相軸はMD方向と略一致し、表面の屈折率は1.49であった。前記TACフィルムにアクリル系UV硬化性樹脂(屈折率1.52)を約3μm塗布し、塗布面を下に、TACフィルムのMD方向と金型Aまたは金型Bの格子状凹凸形状の延在方向のなす角度が略直交となるよう、TACフィルム上に金型Aまたは金型Bを重畳した。TACフィルム側から中心波長365nmのUVランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、金型Aまたは金型Bの格子状凹凸形状を転写した。TACフィルムを金型から剥離し、縦300mm、横200mmの格子状凹凸形状を転写した。続いて、格子状凹凸形状転写表面に、スパッタリング法により誘電体層として二酸化珪素を成膜した。スパッタリング装置条件は、Arガス圧力0.2Pa、スパッタリングパワー770W/cm、被覆速度0.1nm/sとし、転写フィルム上の誘電体厚みが平膜換算で3nmとなるように成膜することで、金型Aの格子状凹凸形状が転写された転写フィルムAと金型Bの格子状凹凸形状が転写された転写フィルムBとを得た。
(真空蒸着法を用いた導電体の蒸着)
次に転写フィルムAおよび転写フィルムBの格子状凹凸形状転写表面に、真空蒸着によりアルミニウム(Al)を成膜した。Alの蒸着条件は、常温下、真空度2.0×10−3Pa、蒸着速度40nm/sとした。Alの厚みを測定するため、表面が平滑なガラス基板を転写フィルムAまたは転写フィルムBと同時に装置に挿入し、平滑ガラス基板上のAl厚みをAl平均厚みとした。基板のフィルム幅方向(TD方向)と垂直に交わる平面内において、格子状の凹凸形状を有した基材の法線に対して蒸着角を20度とし、Al平均厚みが120nmとなるよう、転写フィルムAおよび転写フィルムBにAlを蒸着した。なお、ここでいう平均厚みとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、蒸着量の目安として使用している。
(不要Alの除去)
次に不要Alの除去を目的として、Alを蒸着した転写フィルムAおよび転写フィルムBを0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液に室温下で60秒間浸漬させた。その後すぐに水洗いし、乾燥させた。これを、それぞれワイヤグリッド偏光板Aおよびワイヤグリッド偏光板Bとする。なお、ワイヤグリッド偏光板Aおよびワイヤグリッド偏光板Bのワイヤグリッド延在方向は、基板のMD方向に対して略直交であった。また、ワイヤグリッド偏光板Aおよびワイヤグリッド偏光板Bの、ワイヤグリッド延在方向と垂直な断面をSEMで確認したところ、ワイヤグリッド延在方向と垂直な断面における基材凸部の一方の側面に導電体が偏在し、導電体の頂部を通り立設方向に沿う導電体軸と、凸部構造の頂部を通り凸部の立設方向に沿う凸部軸が重畳しておらず、基材凸部の頂部より導電体の一部が上方に存在していた。また、ワイヤグリッド偏光板Aの凹凸形状は略正弦波状であり、ワイヤグリッド偏光板Bは略矩形状であった。得られたワイヤグリッド偏光板Aの格子状凹凸形状の延在方向に対する垂直面での断面形状を示すSEM画像を図3に示す。
(比較例)
特定構造を有するワイヤグリッド偏光板に対する比較例として、Moxtek社製ProFluxを用いた。ProFluxのワイヤグリッド延在方向と垂直な断面をSEMで確認したところ、凹凸形状を有した基材は存在しなかった。
<光学特性の測定>
変角分光光度計(型番GSP−2、村上色彩技術研究所社製)により、ワイヤグリッド偏光板Aについて、測定波長450nm、550nm、650nmにおける変角平行透過率測定を行った。また、Moxtek社製ProFluxを比較例として、同様の変角平行透過率測定を行った。前記変角分光光度計は、受光部に検光子を備えており、測定サンプル台は、一軸方向に動作する。変角平行透過率測定は、光源と受光部の位置は変化させずに、測定サンプルを載せた測定サンプル台を動作させ、測定サンプルへの入光角度が20度から70度の範囲で変化するようにし、実施した。なお、測定サンプル台の動作回転軸と実施例および比較例の偏光板の透過軸方向は略直交とし、実施例に関しては、ワイヤグリッド延在方向に垂直な切断面における基材凸部の導電体偏在側と逆側から測定光を入光させるようにした。
得られた測定結果より、入光角度範囲20度から70度の平行透過率TP(λ、θ)の最大値MaxTP(λ)を100%とし、各入光角度における平行透過率の比率(角度変化率)ΔTP(λ、θ)を算出した。算出式は以下の通りである。
ΔTP(λ、θ)=(TP(λ、θ)/MaxTp(λ))×100
角度変化率ΔTP(λ、θ)は、入光角度変化に伴う平行透過率の透過特性変化を示し、広範な入光角度範囲における該比率の変動が小さい場合、広範な入光角度で優れた偏光透過特性を示す。
実施例および比較例の、測定波長450nm、550nm、650nmにおける角度変化率を、図4〜6、表1〜3に結果を示す。
測定波長450nm、550nm、650nmにおける実施例の平行透過率の角度変化率は、比較例に比較し、広範な入光角度範囲における前記比率の変動が小さかった。従って、広範な入光角度で優れた偏光透過特性を示すことが確認できた。
また、実施例および比較例の偏光板を偏光ビームスプリッターとして、入光角度の中心角度が45度となるように用いる場合、実施例では、入光角度45度±15度での平行透過率の角度変化率は90%以上となり、そして入光角度45度付近の角度変化率は100%に近しく、前記角度を中心に平行透過率の変化は緩やかとなる。つまり、実施例は投影型映像表示機器の偏光ビームスプリッターとして、好適な特性を有していることとなる。
ワイヤグリッド偏光板は、一般的に、広範な入光角度に渡って優れた偏光分離特性を示すが、それに加え、特定構造を有する実施例は広範な入光角度に渡って優れた偏光透過特性を示した。
<ワイヤグリッド偏光板の配置>
次に、ワイヤグリッド偏光板Aおよびワイヤグリッド偏光板Bを投影形映像表示機器の偏光ビームスプリッターとして用い、ワイヤグリッド偏光板に対する光源及び反射型液晶表示素子との位置関係を変化させた場合の光学特性について測定した。
<配置例1>
偏光ビームスプリッターとして、実施例で作製したワイヤグリッド偏光板Aまたはワイヤグリッド偏光板Bを用い、反射型液晶表示素子とLED光源と投射レンズを備えた投影型映像表示機器を作製した。偏光ビームスプリッターであるワイヤグリッド偏光板Aまたはワイヤグリッド偏光板Bは、ワイヤグリッド構造面が光源および反射型液晶表示素子と面するようにし、光源光の入光方向に対して45度に傾斜配置するように配置した。また、反射型液晶表示素子を出光した光が、ワイヤグリッド延在方向に対して垂直に切断した際に観察できる前記偏光ビームスプリッターのワイヤグリッド構造の導電体偏在側と逆側から入光するようにした(図7(A)参照)。
<配置例2>
配置例1と同様の光学部材を備え、偏光ビームスプリッターである各ワイヤグリッド偏光板のワイヤグリッド構造面が、光源および反射型液晶表示素子と面するように配置した投影型映像表示機器(反射型液晶プロジェクター)を作製した。ただし、反射型液晶表示素子を出光した光の入光方向に関しては、ワイヤグリッド延在方向に対して垂直に切断した際に観察できる前記偏光ビームスプリッターのワイヤグリッド構造の導電体偏在側から入光するようにした(図7(B)参照)。
<配置例3>
配置例1と同様の光学部材を備えた投影型映像表示機器を作製した。ただし、偏光ビームスプリッターである各ワイヤグリッド偏光板のワイヤグリッド構造面が、光源および反射型液晶表示素子と面しないように配置した。反射型液晶表示素子を出光した光の入光方向に関しては、ワイヤグリッド延在方向に対して垂直に切断した際に観察できる前記偏光ビームスプリッターのワイヤグリッド構造の導電体偏在側から前記偏光ビームスプリッターを透過する光が出光するような配置とした(図7(C)参照)。
<配置例4>
配置例1と同様の光学部材を備えた投影型映像表示機器を作製した。ただし、偏光ビームスプリッターである各ワイヤグリッド偏光板のワイヤグリッド構造面が、光源および反射型液晶表示素子と面しないように配置した。また、反射型液晶表示素子を出光した光の入光方向に関しては、ワイヤグリッド延在方向に対して垂直に切断した際に観察できる前記偏光ビームスプリッターのワイヤグリッド構造の導電体偏在側と逆側から前記偏光ビームスプリッターを透過する光が出光するような配置とした(図7(D)参照)。
<輝度評価>
配置例1から配置例4がスクリーン上に表示する映像の輝度を測定した。投影型映像表示機器がスクリーン上に白画面表示するよう、画像表示設定を行い、スクリーンを反射する前記映像の輝度を、コニカミノルタ社製分光放射輝度計CS−2000で測定した。測定箇所は、スクリーン上に表示された映像領域の中心とした。また投影型映像表示機器とスクリーンの位置関係および分光放射輝度計とスクリーンの位置関係は、輝度測定に最適な条件を設定し、配置例1から配置例4の輝度測定中は条件を変更しないようにした。
ワイヤグリッド偏光板Aを偏光ビームスプリッターとした投影型映像表示機器の輝度を測定結果として、配置例1がスクリーン上に表示する映像の輝度を100%とした配置例2から配置例4が表示する映像の輝度の比率を表4に示す。また、各配置例がスクリーン上に表示する映像の輝度値(単位:cd/m)を表5に示す。
表4から明らかなように、ワイヤグリッド偏光板A、ワイヤグリッド偏光板Bともに、配置例1のように配置した投影型映像表示機器がスクリーン上に表示する映像の輝度が最も高かった。これは、ワイヤグリッド偏光板Aおよびワイヤグリッド偏光板Bの導電体は格子状凸部の一方の側面に偏在するため、前記ワイヤグリッド偏光板の偏光透過率は光の入光方向で異なることとなり、配置例1および配置例4は、配置例2および配置例3に比較し、反射型液晶表示素子を出光した光の偏光透過率が高くなるためである。また、光源光が基板面側から入光し偏光反射する場合、界面反射の影響で、配置例1および配置例2に比較し、配置例3および配置例4の偏光反射率は低くなる。したがって、特定構造を有するワイヤグリッド偏光板は、配置例1のように設けることが最適となる。
また、ワイヤグリッド偏光板Aとワイヤグリッド偏光板Bで比較すると、格子状凸部の延在方向に垂直な面において、前記導電体が形成される前記基材の表面が略正弦波状であるワイヤグリッド偏光板Aの方が、高い輝度値を示した。これは、前記基材の形状によって蒸着法で作製された前記導電体の形状が異なり、前記基材を略正弦波状とした場合、前導電体の形状が相対的に傾斜するためである。したがって、ワイヤグリッド偏光板Aを、配置例1のように設けることが最適となる。
本発明の投影型映像表示機器は、光学機器として、好適に用いられる。
21 光源
22 ワイヤグリッド偏光板
23 反射型液晶表示素子
24 投射レンズ
25 導電体
26 基材
31 凸部軸
32 導電体軸

Claims (6)

  1. 光源と、前記光源から出光した光を反射及び透過することにより偏光分離するワイヤグリッド偏光板と、前記ワイヤグリッド偏光板に反射された反射光を変調して出光する反射型液晶表示素子とを具備し、前記反射型液晶表示素子から出光した光のうち、前記ワイヤグリッド偏光板を透過した光を投影する投影型映像表示機器であって、
    前記ワイヤグリッド偏光板は、表面に所定の方向に延在する格子状凸部が設けられた基材と、前記基材の格子状凸部の一方の側面に偏在するように前記所定の方向に延在して設けられた導電体とを有し、
    前記導電体が形成された前記基材の表面側が前記光源及び前記反射型液晶表示素子と面し、前記光源から出光した光が前記導電体が形成された前記基材の表面側に入光し、前記反射型液晶表示素子から出光した光が前記導電体が偏在していない前記基材の格子状凸部の他方の側面側へ入光するように前記ワイヤグリッド偏光板が配置されていることを特徴とする投影型映像表示機器。
  2. 前記格子状凸部の延在方向に垂直な面において、前記基材の格子状凸部の頂部を通り前記格子状凸部の立設方向に沿う凸部軸と、前記導電体の頂部を通り前記立設方向に沿う導電体軸が異なることを特徴とする請求項1に記載の投影型映像表示機器。
  3. 前記基材の格子状凸部の頂部より前記導電体の少なくとも一部が上方に存在することを特徴とする請求項2に記載の投影型映像表示機器。
  4. 前記格子状凸部の延在方向に垂直な面において、前記導電体が形成される前記基材の表面が略正弦波状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の投影型映像表示機器。
  5. 前記ワイヤグリッド偏光板は、入光角度30度から60度の範囲における平行透過率の角度変化率が90%以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の投影型映像表示機器。
  6. 前記ワイヤグリッド偏光板への入光角度範囲が、中心角度±10度以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の投影型映像表示機器。
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