JP6049302B2 - 光学機能部材 - Google Patents

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本発明は、写像性に優れた光学機能部材に関する。
光学機能体の一つであるワイヤグリッド偏光子は、直線状の金属ワイヤ(細線)をガラスやフィルムなどの基材上に所定の間隔をおいて一定方向に沿って延在させて規則的に配列した構造を有する偏光子である。ワイヤグリッド偏光子においては、ワイヤの太さやワイヤ間隔をナノメートルスケールで制御することで高い偏光性と光透過率性が得られる。例えば、可視波長域において十分な偏光性能を付与したワイヤグリッド偏光子を作製する場合は、ワイヤとワイヤ間の間隔(空隙)を加えた幅(ピッチ)が150nm以下の極微細構造が必要とされることが知られている。
ワイヤグリッド偏光子は先述のとおり、金属ワイヤにより構成されているため、反射する光に偏光性が発現する特徴を有する。一般的に広く用いられている吸収型偏光子とは異なり、透過光と反射光の双方に偏光分離できる性質によって、反射型偏光子として偏光ビームスプリッターなどの用途に好適に作用することが知られている。
偏光ビームスプリッターの先行技術として、キューブプリズムを用いた偏光ビームスプリッターが知られている。また、ガラス上に直接形成された、ワイヤグリッド偏光板などが知られている。これらの先行技術はいずれもガラス上に形成されていることから、ピースサイズへの加工性が悪く、適応できる用途が制限されてきた。また、非常に高価であるため、特殊な光学部品として扱われており、適応される用途が限定される要因となっている。
そこで加工性に優れるワイヤグリッド偏光板として、フィルム上に形成されたワイヤグリッド偏光板が知られている(特許文献1)。これらは、一般的にロールプロセスで製造されるため従来よりも安価に製造できる特徴がある。しかしながら、ワイヤグリッド偏光板は、フィルム状に形成され屈曲性があるため、それ単体で偏光ビームスプリッターなどに使用する場合、自立性が悪い。このため、十分な自立性をもたせるために、ワイヤグリッド偏光板を接着層で異種基板に貼り合わすことが試みられている。この場合には、貼り合わせ時の接着層の変形により基板の偏光反射面の平滑性が乱れ、反射像の写像性が低下するという問題点があった。
特許第4275692号公報
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、光学機能体を偏光ビームスプリッターなどに使用する場合において、優れた写像性を発揮する光学機能部材を提供することを目的とする。
本発明の光学機能部材は、光学機能体と、前記光学機能体の表面に設けられ、損失弾性率(G’’)と貯蔵弾性率(G’)との比率Tanδ(G’’/G’)の値が0.3以上1.0以下である接着層と、を具備し、前記光学機能体が反射型偏光子であり、前記前記光学機能体の厚さは、180μm以上であり、写像性が85%以上であることを特徴とする。
本発明の光学機能部材においては、前記接着層を構成する接着剤の粘着力が対ガラス板で8(N/25mm)以上25(N/25mm)以下であることが好ましい。
本発明の光学機能部材においては、前記接着層が30μm以上の厚さを有することが好ましい。
本発明の光学機能部材においては、前記反射型偏光子がワイヤグリッド偏光板であることが好ましい。また、本発明の光学機能部材においては、前記ワイヤグリッド偏光板は、基材と、前記基材に設けられた金属ワイヤとを有し、前記基材の厚さは、150μm以上500μm以下であることが好ましい。
本発明の複合光学部材は、上記光学機能部材と、前記光学機能部材の前記接着層と一方の主面で貼り合わされた基板と、前記基板の他方の主面に別の接着層を介して貼り合された別の光学機能部材と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、損失弾性率(G’’)と貯蔵弾性率(G’)との比率Tanδ(G’’/G’)の値が0.3以上1.0以下である接着層を用いているので、光学機能体を偏光ビームスプリッターなどに使用する場合において、優れた写像性を発揮させることができる。
本発明の実施の形態に係る光学機能体であるワイヤグリッド偏光板を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る光学機能体であるワイヤグリッド偏光板の自立性を評価する際に用いる治具の模式図である。 本発明の実施の形態に係る光学機能体であるワイヤグリッド偏光板の他の例を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光学機能部材を示す側面図である。この光学機能部材は、光学機能体であるワイヤグリッド偏光板と、ワイヤグリッド偏光板を剛性のある基板に貼り合わせる接着層とから主に構成されている。ワイヤグリッド偏光板は、基材101と、この基材101の一方の主面上に設けられ、格子状凹凸部を有するパタン層102と、パタン層102の格子状凹凸部の凸部上に形成された金属層103と、から構成されている。
上述したように、フィルム状に形成され屈曲性がある光学機能体を偏光ビームスプリッターなどに使用する場合において、剛性のある基板に貼り合わせて自立性を向上させる際に、接着層の変形により基板の偏光反射面の平滑性が乱れ、反射像の写像性が低下する。本発明者らは、この点について鋭意研究をした結果、基板の偏光反射面の平滑性が乱れない程度に変形を抑え、しかも剛性のある基板に十分に接着して自立性を向上できる接着剤の性能範囲を見出した。すなわち、フィルム状に形成され屈曲性がある光学機能体を偏光ビームスプリッターなどに使用する場合において、光学機能体を剛性のある基板に貼り合わせる接着剤として、損失弾性率(G’’)と貯蔵弾性率(G‘)の比率Tanδ(=G’’/G‘)を調整した接着剤を用いることにより、光学機能体を偏光ビームスプリッターなどに使用した場合に、反射像の写像性を高められることを見出し本発明をするに至った。
(0)光学機能体
光学機能体は、偏光分離特性や、反射防止特性、複屈折特性を有するものを指し、付随的に他の光学特性を有していても良い。すなわち、光学機能体とは、一つ又は複数の光学的機能を有するものであり、例えば、偏光分離特性を有する偏光子や、反射防止特性を有する反射防止層付き偏光子、複屈折特性を有する位相差板と反射型偏光子とを組み合わせたもの等をさす。ここで、光学機能体は、自立性を考慮すると厚さが180μm以上であることが好ましい。本明細書においては、光学機能体がワイヤグリッド偏光板である場合について説明する。なお、ワイヤグリッド偏光板についての説明は後述する。
(1)接着層
光学機能体を単体で使用する場合において、温度変化によって反りなどが生じ自立性が問題となる用途がある。このような場合、光学機能体を剛性のある基板に保持させるために、接着層を介して両者を貼り合わせて使用する。光学機能体を剛性のある基板に保持させる際、写像性を保持する観点から、貼り合わせする際に用いる接着剤(接着層201を構成する接着剤)の物性としては、損失弾性率(G’’)と貯蔵弾性率(G‘)の比率Tanδ(=G’’/G‘)が大きいことが重要である。Tanδが大きいと、光学機能体を貼り合わせる時に基板への応力を粘性成分として、熱として放出させることができる。これにより、基板の変形を抑制し、写像性を保持することができる。
一般に、光学機能体の基板への貼り合わせは室温付近で実施されるため、25℃でのTanδの値が0.3以上の接着剤を選択的に使用することが好ましい。Tanδが0.3以上であると、光学機能体の基板への貼り合わせ時の接着剤の変形が小さく、偏光反射面103の変形が抑制され、良好な写像性を得ることができる。また、Tanδは、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.4以上である。また、Tanδは1.0以下であれば、光学機能部材の接着層の成形性の観点から好ましい。また、Tanδは、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下である。
接着層201を構成する接着剤としては、例えば、ゴム系粘着材、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着材、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。特に、付加型のシリコーン系粘着剤やアクリル系粘着剤が、高い損失弾性率が得られる観点から好ましい。
さらに、接着剤としては、高温加熱時における貼り合わせ対象(例えば、剛性を有する基板)との粘着力が強いことが望ましい。これは、車載用途などの高温下で使用する際に、界面に存在する極めて微小な気泡が凝集、膨張し、基板の平坦性や写像性を低下させるためである。このような粘着力の範囲としては、180°引き剥がし粘着力が対ガラス板で8(N/25mm)以上であることが好ましく、より好ましくは180°引き剥がし粘着力が対ガラス板で10(N/25mm)以上である。また、接着剤の粘着力は、180°引き剥がし粘着力が対ガラス板で25(N/25mm)以下であれば、セパレーターを用いる場合に、セパレーターとの剥離性を維持することができるので好ましい。粘着力は好ましくは180°引き剥がし粘着力が対ガラス板で20(N/25mm)以下である。この範囲の粘着力を有する接着剤を用いて光学機能体を剛性のある基板に貼り合せた場合、基板との接着力や、光学機能体の平坦性が向上されるばかりでなく、より写像性を向上させることができる。
接着層201の厚さH2が所定の厚み以下であると、光学機能体と基板とを貼り合わせる時に発生する歪みや変形が十分に緩和されないため、光学機能体の偏光反射面が僅かに変形してオレンジピール状の模様が生じる。このオレンジピールにより写像性が低下する。このオレンジピール模様の変形を抑制することを考慮すると、接着層201の厚さH2は、30μm以上が好ましく、より好ましくは40μm以上である。
(2)ワイヤグリッド偏光板
(2−1)基材
基材101は、屈曲性を有するフィルムであれば良い。基材101としては、例えば、無機基板、特に薄いガラス基板や樹脂基板、これらを組み合わせてを用いることができる。樹脂材料を用いた基板は、ロールプロセスが可能になる、ワイヤグリッド偏光板にフレキシブル性(屈曲性)を持たすことができる、等のメリットがあるため好ましい。
屈曲性を有するフィルムの材質としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、基材101としては、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂で構成された基材と、無機機材、特に薄いガラス基材、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組み合わせた複合基材を用いても良い。
基材101の厚さH1は、自立性の観点から、150μm以上であることが好ましい。また、基材101の厚さH1は、ロールプロセスにより安定的に生産を行う観点から500μm以下であることがより好ましい。また、基材の厚みが150μm以上であると、貼り合わせ対象である基板との接着時に、接着層の変形による歪の影響が緩和され、結果的にワイヤグリッド面に良好な写像性が得られる。なお、基材101の厚さH1が150μm未満であっても、おおよそ60μm以上であれば、基材の自立性がある程度発揮され、本発明に用いられる接着剤を用いることで、写像性を向上させることができる。
(2−2)格子状凹凸部
基材101上に設けられたパタン層102は、基材101上に設けられ、その表面に格子状凹凸部102aを有する。この格子状凹凸部102aの凸部は、所定の間隔をおいて設けられており、所定の方向(図1の紙面向かって手前側から奥側に向かう方向)に延在している。この格子状凹凸部102aは、パタン層102に格子状凹凸形状を有するスタンパを押圧して転写することにより形成する。具体的には、基材101上に紫外線硬化樹脂を塗布し、その紫外線硬化樹脂に、格子状凹凸形状を有するスタンパを押圧して転写した後に紫外線硬化樹脂を光硬化させることにより、格子状凹凸部102aを有するパタン層102を形成する。
格子状凹凸部102aの延在方向に対して垂直な面(図1の紙面)における凹部断面形状は、放物線のようになだらかに曲率が変わる曲線ではなく、比較的に平らな凹部底部と小さな曲率の角部とから構成される略矩形形状であることが好ましい。断面形状が略矩形形状であることから、格子状凸部の側面が基材面に対して垂直に近い略矩形形状になり、断面が略矩形形状であることで、後述する金属ワイヤのつき回りが、紙面内における凹部断面形状に対して、左右対称に近い形状に形成され、特徴的に高い光学対称性を示す。凸部のピッチを120nm以下、かつ、凸部断面形状を略矩形形状とすることで、高い偏光度と光線透過率の左右対称性を両立できる。
また、図1において、格子状凸部の側面の接線と凹部基板平面との成す角度θが、角度の小さい側(鋭角側)でみて、70°〜90°であることが好ましく、80°〜90°であることがより好ましい。凸部断面形状を略矩形形状とすることで、格子状凹凸部102aの延在方向に垂直な面(図1の紙面)内において、基材101の表面に垂直な方向(図1の紙面上下方向)に対し、それぞれ左右の対称方向から入射する光線透過率の最大値の差が4%以下となる。また、格子状凸部の凸部高さ/凸部の半値幅の値は、1.0〜10程度であることが好ましく、得られる光学性能と、凸部形状の作りやすさ、転写のしやすさを考慮すると2〜5であることがより好ましい。また、格子状凸部の半値幅は、ピッチPの0.2倍〜0.7倍であることが好ましく、0.2倍〜0.5倍であることがより好ましい。
(2−3)誘電体
本発明においてパタン層102を構成する材料と金属ワイヤ103との密着性向上のため、両者の間に両者と密着性が高い誘電体材料を被着することが好ましい。例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはその複合物(誘電体単体に他の元素、単体または化合物が混合した誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光性能を得ようとする波長領域において実質的に透明であればよい。
誘電体材料を被着する方法には特に限定は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。なお、被着工程においてロールプロセスを採用する場合には、フィルム送り速度は、0.1m/分〜100m/分の範囲で行われる。
(2−4)金属ワイヤ
金属ワイヤ103を構成する金属としては、アルミニウムや銀の他、対象とする光の波長領域に応じて、銅、白金、金又はこれらの各金属を主成分とする合金を使用することもできる。
金属ワイヤ103は、格子状凸部側方及び凸部頂部よりも高さ方向で上部に存在しており、金属ワイヤ103の高さは、格子状凸部高さの1.1倍以上10倍以下であることが好ましく、1.3倍以上2.5倍以下の範囲であることが、透過光の吸収損失を抑制するうえでより好ましい。また、金属ワイヤ103の幅の平均値は、ピッチPの0.2倍〜0.5倍であることが好ましく、0.3倍〜0.4倍であると、偏光特性、透過率を両立する上で最も好ましい。
格子状凸部上に金属ワイヤ103を形成する方法には特に限定は無いが、製造コストや生産性の観点から真空下における斜め蒸着法が好ましい。斜め蒸着法とは、格子状凹凸部102aの延在方向と垂直に交わる面(図1の紙面)内において、蒸着源が基材の法線に対して入射角度αを持ちながら金属を蒸着、積層させていく方法である。入射角度αは、格子状凸部と作製する金属ワイヤ103の断面形状から好ましい範囲が決まり、一般には入射角度αは5°〜40°が好ましく、より好ましくは10°〜30°である。さらに、蒸着中に積層した金属の射影効果を考慮しながら、入射角度αを徐々に減少または増加させることは、金属ワイヤの高さなど断面形状を制御する上で好適である。なお、このような製法から格子状凹凸部102aと金属ワイヤ103の延在方向は等しくなる。
金属蒸着量は、格子状凸部の形状によって決まるが、平均厚さで50nm〜150nm程度である。ここでいう平均厚さとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、金属蒸着量の目安として使用する。なお、蒸着工程においてロールプロセスを採用する場合には、フィルム送り速度は、0.1m/分〜100m/分の範囲で行われる。
光学特性の観点から、必要に応じ凹凸格子の凹部底部に積層した金属をエッチングにより除去する。エッチング方法は、基材や誘電体層に悪影響を及ぼさず、必要量の金属が除去できる方法であれば特に限定は無いが、生産性や装置コストの観点から酸やアルカリの水溶液に浸漬させる方法が好ましい。
(光学特性)
偏光分離特性を有する光学機能体を偏光ビームスプリッターとして使用する場合、透過、反射の光の入射角度は光学系により自由に設計されるが、使用する角度における入射時の偏光特性として、透過コントラストが5:1以上、もしくは、反射コントラストが5:1以上であると表示装置などに好適に作用する。透過、もしくは反射のコントラストが10:1以上であるとより好ましい。
また、接着層の光学特性としては、可視域で透明であればよく、光学機能体との屈折率差が0.1以下のものを選択することがより好ましい。
(自立性)
偏光分離特性を有する光学機能体を偏光ビームスプリッターとして用いる場合、型枠などに保持した状態で使用される。反射光が正しく鏡面反射される条件を満たしていれば、十分な自立性が得られているとする。
(写像性)
写像性は、写像性試験機によって評価する。写像性は、SUGA試験機(ICM−1T)を用いて、接着剤を介して貼り合わされたワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。
写像性は以下の式で評価される。
C(n)=(M−m)/(M+m)×100
ここで、nはスリットの幅であり、Mは受光側スリットの透過光量であり、mは受光側スリット遮光部の漏れ光量である。
完全な写像性が得られる光学ミラーの場合、受光側スリットで完全に遮光されるため、m=0となるため、写像性は100%となる。ワイヤグリッド偏光板の偏光反射面の写像性は、受光側のスリット幅(0.125mm)で評価した。
外観目視から判断されるオレンジピール模様の偏光反射面の変形と、写像性の値は相関があり、写像性の値が85%以上であると、偏光反射面の変形はほとんど視認されない。90%以上であると視認されない。80%以下であると視認され、74%以下であるとはっきり視認される。
上記においては、図3に示すように、光学機能体101〜103に接着層201を設けて光学機能部材を構成し、接着層201を介して光学機能体を剛性のある基板401に接着する態様について説明しているが、本発明においては、接着層201を介して光学機能体101〜103を剛性のある基板401に接着したものに、別の接着層を介して別の光学機能体を接着してなる複合光学部材も含む。すなわち、この複合光学部材は、光学機能部材と、この光学機能部材の接着層と一方の主面で貼り合された基板と、基板の他方の主面に別の接着層を介して貼り合された別の光学機能部材と、により構成される。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、ここでは、光学機能体がワイヤグリッド偏光板である場合について説明する。
(実施例1)
<格子状凹凸形状を有する金型の作製>
紫外線硬化樹脂を用いて格子状凹凸形状の転写フィルムを作製した。格子状凹凸形状転写フィルムの作製には、Ni製金型を用いた。Ni金型は格子状凹凸形状がピッチ100nmで形成され、格子状凹凸部の断面形状は矩形であった。
<格子状凸部転写フィルムロールの作製>
厚み190μmのARTON(JSR製 FEKP190)(以下、COPフィルム)のロール(フィルム長250m)に連続的に紫外線硬化性樹脂を約0.01mm塗布し、塗布面を上記100nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。
得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEM(Field Emission-Scanning Electron Microscope)により観察し、その断面形状が矩形で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。また、格子状凸部の凸部高さ/凸部の半値幅の値が2.9であり、格子状凸部の半値幅は、ピッチの0.35倍であった。
<原反ロールの乾燥>
以上のようにして得られた原反ロールに含まれる水分を乾燥するために、原反ロールを200Wの赤外線ヒーターが3台設けられた真空槽に移し、フィルムを真空中でほどきながら2m/分で走行させ、加熱後、ロール状に巻き取った。フィルム走行停止時の真空度は0.03Pa、フィルム走行中(乾燥中)の真空度は0.15Paであった。また、ヒーター通過後のTACフィルムの表面温度を知るためにTACフィルム上には予めサーモラベルを貼っておいた。ヒーター通過後のTACフィルムの表面温度は60℃から70℃の間であった。
<スパッタリング法を用いた誘電体層の形成>
乾燥後の原反ロールを乾燥機の真空槽中に12時間放置したところ、フィルムの温度は23℃まで下がった。その後、原反ロールの格子状凸部転写面を誘電体形成用及び金属ワイヤ形成用の真空チャンバへと移した。誘電体形成には反応性ACマグネトロンスパッタリング法を用いた。ターゲットサイズ127mm×750mm×10mmtのシリコンターゲットを2枚並べ、基板からターゲットの距離80mm、アルゴンガス流量200sccm、窒素ガス流量300sccm、出力11kW、周波数37.5kHz、走行速度5m/分で原反ロールをほどきながらフィルム搬送用ロール(メインローラー)で巻取ロール側に送りながら窒化珪素層を設け、その後ロール状に巻き取った。スパッタリングの際の張力は30N、メインローラー温度は30℃、スパッタリング開始前のバックグラウンドの真空度は0.005Pa、スパッタリング中の真空度は0.38Paであった。同じ条件でSiチップに窒化珪素を成膜し、エリプソメーターにて窒化珪素層の厚みを算出したところ、3nmであった。
<アルミニウム蒸着>
原反ロールの格子状凸部転写面に誘電体層として窒化珪素をスパッタリング法にて形成した後、フィルムをスパッタリング時と逆方向にメインローラーで送り、抵抗加熱蒸着法にて格子状凸部転写面に金属ワイヤを形成し、ロール状に巻き取った。本実施例では、金属としてアルミニウム(Al)を用いた場合について説明する。このとき、蒸着ボート加熱前の真空度は0.005Paであった。また、アルミニウムの蒸着には斜め蒸着法を用い、格子の立設方向と垂直に交わる平面内において基材面の法線蒸着源とのなす角が32°(θs)からはじまり15°(θd)で終わるようにマスクを配置して行った。
このときのフィルム搬送方向のマスク開口幅は60mm、マスク開口部中心と蒸着ボートとの距離は400mmであった。以上のような配置にて、フィルム送り速度3.5m/分で格子状凸部転写フィルムを走行させながら、加熱されたボート上に純度99.9%以上、線径1.7mmのアルミワイヤを送り速度200mm/分でフィードし、蒸着を行った。蒸着中の全圧は0.007Paであった蒸着後、原反ロールを真空槽から取り出し、アルミニウムの膜厚を蛍光X線の発光強度より換算したところ110nmであった。したがって、本実施例のアルミニウムの平均成膜速度(v)は、アルミニウムの膜厚を蒸着時間で除した値(130/1.03)で、126.4nm/sであった。
<アルミニウムのエッチング>
実施例に記載された方法で作製された、窒化珪素及びアルミニウムが成膜された格子状凸部転写フィルムロールを、フィルムをほどきながら温度23℃の0.5重量%のNaOHaq槽内を50秒間走行させ、次いで、これを水洗・風乾し、目的とするワイヤグリッドフィルムのロールを得た(以下、偏光板Aとする)。
<自立性評価>
図2Aに示す幅5mm、厚み2mmのアルミ製フレーム(型枠)301を準備する。偏光板Aを30mm角に切り出し、図2Bに示すように、偏光板Aを一対のアルミ製フレーム301で挟んだのち、200mm離れた位置からレーザーポインターを照射した状態で、45度反射位置を確認した。ここでは、偏光板Aから200m離れた正反射の位置における光の中心位置ずれが10mm以内であるものを、フィルムの自立性があると判定した。
<接着剤貼り合わせ>
偏光板Aを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日東電工株式会社接着剤(品名 HJ−9150W 50μm)(X)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。なお、接着剤のTanδについては、ARES(ティー・エイ・インスツルメント製)を用いて、測定温度25℃、測定モードについては周波数分散(100〜0.1(rad/sec))、25mmφパラレルプレート使用にて測定を実施した。ここでは、周波数が1.0rad/secの値を適用した。このとき、HJ−9150WのTanδの値は0.44であった。また、粘着力(対ガラス板)は12N/25mmであった。
<ガラス貼り合わせ>
次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とを三共株式会社製自動貼合装置(HAL−650)(以下、HALTECH)を用いて貼り合わせた。
<写像性評価>
SUGA試験機(ICM−1T)を用いて、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。なお、写像性は以下の式で評価した。
C(n)=(M−m)/(M+m)×100
ここで、nはスリットの幅であり、Mは受光側スリットの透過光量であり、mは受光側スリット遮光部の漏れ光量である。
完全な写像性が得られる光学ミラーの場合、受光側スリットで完全に遮光されるため、m=0となるため、写像性は100%となる。ワイヤグリッド偏光板の反射面の写像性は、受光側のスリット幅(0.125mm)で評価した。実施例1のワイヤグリッド偏光板の写像性は95.6%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。なお、外観目視で変形がほとんど視認されない場合を◎とし、わずかに視認される場合を○とし、やや視認される場合を△、はっきり視認される場合を×とした。
(実施例2)
上記偏光板Aを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日栄化研工業株式会社粘着剤(品名 SR30 38μm)(Y)とを、HALTECHを用いて貼り合わせた。なお、接着剤のTanδについては、ARES(ティー・エイ・インスツルメント製)を用いて、測定温度25℃、測定モードについては周波数分散(100〜0.1(rad/sec))、25mmφパラレルプレート使用にて測定を実施した。ここでは、周波数が1.0rad/secの値を適用した。このとき、SR30のTanδの値は0.32であった。また、粘着力(対ガラス板)は10N/25mmであった。
次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例2のワイヤグリッド偏光板の写像性は88%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(比較例1)
偏光板Aを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた積水化学工業株式会社粘着剤(品名 WT#5402A 25μm)(Z)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。なお、接着剤のTanδについては、ARES(ティー・エイ・インスツルメント製)を用いて、測定温度25℃、測定モードについては周波数分散(100〜0.1(rad/sec))、25mmφパラレルプレート使用にて測定を実施した。ここでは、周波数が1.0rad/secの値を適用した。このとき、WT#5402AのTanδの値は0.29であった。また、粘着力(対ガラス板)は8.4N/25mmであった。
次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例1のワイヤグリッド偏光板の写像性は74%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(実施例3)
偏光板Aを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日東電工株式会社粘着剤(品名 HJ−9150W 50μm)(X)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。
次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるアクリル板(日東樹脂 クラレックス)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例3のワイヤグリッド偏光板の写像性は92%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(実施例4)
偏光板Aを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日栄化研工業株式会社粘着剤(品名 SR30 38μm)(Y)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。
次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるアクリル板(日東樹脂 クラレックス)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例3のワイヤグリッド偏光板の写像性は86%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(比較例2)
偏光板Aを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた積水化学工業株式会社粘着剤(品名 WT#5402A 25μm)(Z)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。
次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるアクリル板(日東樹脂 クラレックス)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例4のワイヤグリッド偏光板の写像性は72%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(実施例5)
以下、実施例1と同―の手順にて、厚み188μmのPET(東洋紡製 A4300)(以下、COPフィルム)のロール(フィルム長250m)に連続的に紫外線硬化性樹脂を約0.01mm塗布し、塗布面を上記100nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が矩形で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。また、格子状凸部の凸部高さ/凸部の半値幅の値が2.9であり、格子状凸部の半値幅は、ピッチの0.35倍であった。アルミニウム蒸着、エッチングを実施し、目的とするワイヤグリッドフィルムのロールを得た(以下、偏光板Bとする)。
偏光板Bを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日東電工株式会社接着剤(品名 HJ−9150W 50μm)(X)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例5のワイヤグリッド偏光板の写像性は93%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(実施例6)
偏光板Bを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日栄化研工業株式会社粘着剤(品名 SR30 38μm)(Y)とを、HALTECHを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例6のワイヤグリッド偏光板の写像性は85%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(比較例3)
偏光板Bを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた積水化学工業株式会社粘着剤(品名 WT#5402A 25μm)(Z)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例3のワイヤグリッド偏光板の写像性は68%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(実施例7)
以下、実施例1と同―の手順にて、厚み200μmのPMMA板(日東樹脂 クラレックス)(以下、PMMA板)にバーコータを用いて紫外線硬化性樹脂を約0.01mm塗布し、塗布面を上記100nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、スタンパの微細凹凸格子を転写した。得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が矩形で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。また、格子状凸部の凸部高さ/凸部の半値幅の値が2.9であり、格子状凸部の半値幅は、ピッチの0.35倍であった。アルミニウム蒸着、エッチングを実施し、目的とするワイヤグリッドフィルムを得た(以下、偏光板Cとする)。
偏光板Cを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日東電工株式会社接着剤(品名 HJ−9150W 50μm)(X)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例7のワイヤグリッド偏光板の写像性は92%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(実施例8)
偏光板Cを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日栄化研工業株式会社粘着剤(品名 SR30 38μm)(Y)とを、HALTECHを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。実施例8のワイヤグリッド偏光板の写像性は88%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(比較例4)
偏光板Cを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた積水化学工業株式会社粘着剤(品名 WT#5402A 25μm)(Z)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例4のワイヤグリッド偏光板の写像性は70%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
参照例1)
以下、実施例1と同―の手順にて、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム フジタック)(以下、TACフィルム)のロール(フィルム長250m)に連続的に紫外線硬化性樹脂を約0.01mm塗布し、塗布面を上記100nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が矩形で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。また、格子状凸部の凸部高さ/凸部の半値幅の値が2.9であり、格子状凸部の半値幅は、ピッチの0.35倍であった。アルミニウム蒸着、エッチングを実施し、目的とするワイヤグリッドフィルムのロールを得た(以下、偏光板Dとする)。
偏光板Dを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日東電工株式会社接着剤(品名 HJ−9150W 50μm)(X)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例5のワイヤグリッド偏光板の写像性は81%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
参照例2
偏光板Dを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日栄化研工業株式会社粘着剤(品名 SR30 38μm)(Y)とを、HALTECHを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例6のワイヤグリッド偏光板の写像性は77%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
(比較例5)
偏光板Dを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた積水化学工業株式会社粘着剤(品名 WT#5402A 25μm)(Z)とを、HALTECを用いて貼り合せた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例7のワイヤグリッド偏光板の写像性は57%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
参照例3)
以下、実施例1と同―の手順にて、厚み100μmのPET(日東樹脂 クラレックス)(以下、COPフィルム)のロール(フィルム長250m)に連続的に紫外線硬化性樹脂を約0.01mm塗布し、塗布面を上記100nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が矩形で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。また、格子状凸部の凸部高さ/凸部の半値幅の値が2.9であり、格子状凸部の半値幅は、ピッチの0.35倍であった。アルミニウム蒸着、エッチングを実施し、目的とするワイヤグリッドフィルムのロールを得た(以下、偏光板Eとする)。
偏光板Eを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日東電工株式会社接着剤(品名 HJ−9150W 50μm)(X)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例8のワイヤグリッド偏光板の写像性は78%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
参照例4)
以下、実施例1と同―の手順にて、厚み100μmのCOP(JSR製R−50)(以下、COPフィルム)のロール(フィルム長250m)に連続的に紫外線硬化性樹脂を約0.01mm塗布し、塗布面を上記100nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が矩形で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。また、格子状凸部の凸部高さ/凸部の半値幅の値が2.9であり、格子状凸部の半値幅は、ピッチの0.35倍であった。アルミニウム蒸着、エッチングを実施し、目的とするワイヤグリッドフィルムのロールを得た(以下、偏光板Fとする)。
偏光板Fを80mm×80mmサイズに切り抜き、80mm×80mmサイズに切り抜いた日東電工株式会社接着剤(品名 HJ−9150W 50μm)(X)とを、HALTECを用いて貼り合わせた。次に、上記接着剤を有するワイヤグリッド偏光板と剛性を有する基板であるガラス板(SchotB270)とをHALTECHを用いて貼り合わせた。実施例1と同様の手順で、貼り合わせ後のワイヤグリッド偏光板の写像性を評価した。比較例9のワイヤグリッド偏光板の写像性は75%であった。また、オレンジピール模様の偏光反射面の変形を外観目視で評価した。
Figure 0006049302
上記表1より特定の厚み以上の基材にワイヤグリッド偏光板を保持することにより、自立性を付与することができる。また、特定の接着剤を用いることにより、良好な写像性が得られミラー面として作用させることができた。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
本発明の光学機能部材は、各種光学機器、表示機器、光源などの広い分野で好適に利用できる。
101 基材
102 パタン層
103 金属層
201 接着層
301 型枠
401 剛性のある基板
H1 基材厚さ
H2 接着層厚さ

Claims (6)

  1. 光学機能体と、前記光学機能体の表面に設けられ、損失弾性率(G’’)と貯蔵弾性率(G’)との比率Tanδ(G’’/G’)の値が0.3以上1.0以下である接着層と、を具備し、
    前記光学機能体が、反射型偏光子であり、
    前記光学機能体の厚さは、180μm以上であり、
    写像性が85%以上であることを特徴とする光学機能部材。
  2. 前記接着層を構成する接着剤の粘着力が対ガラス板で8(N/25mm)以上25(N/25mm)以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学機能部材。
  3. 前記接着層が30μm以上の厚さを有することを特徴とする請求項1又は請求項に記載の光学機能部材。
  4. 前記反射型偏光子がワイヤグリッド偏光板であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光学機能部材。
  5. 前記ワイヤグリッド偏光板は、基材と、前記基材に設けられた金属ワイヤとを有し、
    前記基材の厚さは、150μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学機能部材。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学機能部材と、前記光学機能部材の前記接着層と一方の主面で貼り合わされた基板と、を具備することを特徴とする複合光学部材。
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