JP2011227130A - ワイヤグリッド型偏光子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細な凸条の上に形成された金属細線が充分な耐擦傷性を有するワイヤグリッド型偏光子を製造できる方法を提供する。
【解決手段】樹脂からなる複数の凸条20が、凸条20間に形成される平坦部22を介して互いに平行に、かつ所定のピッチPpで表面に形成された光透過性基板10と、凸条20の表面に形成された金属または金属化合物からなる金属細線12とを有するワイヤグリッド型偏光子1を製造する方法であって、光透過性基板10の凸条20が形成された側の表面に、表面改質処理(プラズマ処理等)を施した後、凸条20の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して金属細線12を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂からなる複数の凸条20が、凸条20間に形成される平坦部22を介して互いに平行に、かつ所定のピッチPpで表面に形成された光透過性基板10と、凸条20の表面に形成された金属または金属化合物からなる金属細線12とを有するワイヤグリッド型偏光子1を製造する方法であって、光透過性基板10の凸条20が形成された側の表面に、表面改質処理(プラズマ処理等)を施した後、凸条20の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して金属細線12を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワイヤグリッド型偏光子の製造方法に関する。
液晶表示装置、リアプロジェクションテレビ、フロントプロジェクター等の画像表示装置に用いられる、可視光領域で偏光分離能を示す偏光子(偏光素子、偏光分離素子ともいう。)として、ワイヤグリッド型偏光子が知られている。
ワイヤグリッド型偏光子は、光透過性基板上に複数の金属細線が互いに平行に配列した構造を有する。金属細線のピッチが入射光の波長よりも充分に短い場合、入射光のうち、金属細線に直交する電場ベクトルを有する成分(すなわちp偏光)は透過し、金属細線と平行な電場ベクトルを有する成分(すなわちs偏光)は反射される。
ワイヤグリッド型偏光子としては、下記のものが提案されている。
樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板と、前記凸条の上に形成された金属細線とを有するワイヤグリッド型偏光子(特許文献1)。
樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板と、前記凸条の上に形成された金属細線とを有するワイヤグリッド型偏光子(特許文献1)。
該ワイヤグリッド型偏光子においては、非常に微細な凸条の上に金属細線が形成されているため、金属細線の耐擦傷性が低い。そのため、ワイヤグリッド型偏光子の表面に対する物理的接触等によって金属細線が破損しやすい。ワイヤグリッド型偏光子においては、金属細線がわずかに破損しただけでもワイヤグリッド型偏光子の性能に影響する。
そこで、金属細線の破損を抑えるために、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線側の表面を保護層で被覆することがある。
保護層は、たとえば、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線側の表面に、液状の硬化性樹脂組成物を塗布し、該硬化性樹脂組成物を硬化させて形成される。しかし、金属細線間および凸条間に形成される溝に液状の硬化性樹脂組成物が流入しやすい。該溝がほんの一部でも保護層で埋まってしまうと、ワイヤグリッド型偏光子の光学特性が低下する。
保護層は、たとえば、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線側の表面に、液状の硬化性樹脂組成物を塗布し、該硬化性樹脂組成物を硬化させて形成される。しかし、金属細線間および凸条間に形成される溝に液状の硬化性樹脂組成物が流入しやすい。該溝がほんの一部でも保護層で埋まってしまうと、ワイヤグリッド型偏光子の光学特性が低下する。
本発明は、微細な凸条の上に形成された金属細線が充分な耐擦傷性を有するワイヤグリッド型偏光子を製造できる方法を提供する。
本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造方法は、樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板と、前記凸条の表面に形成された金属または金属化合物からなる金属細線とを有するワイヤグリッド型偏光子を製造する方法であって、前記光透過性基板の、前記凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施した後、前記凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して前記金属細線を形成することを特徴とする。
前記表面改質処理は、プラズマ処理であることが好ましい。
前記プラズマ処理は、酸素ガスを含む処理ガスを用いたプラズマ処理であることが好ましい。
前記プラズマ処理は、酸素ガスを含む処理ガスを用いたプラズマ処理であることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造方法によれば、微細な凸条の上に形成された金属細線が充分な耐擦傷性を有するワイヤグリッド型偏光子を製造できる。
<ワイヤグリッド型偏光子>
本発明の製造方法で得られるワイヤグリッド型偏光子は、樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板と、前記凸条の表面に形成された金属または金属化合物からなる金属細線とを有する。
本発明の製造方法で得られるワイヤグリッド型偏光子は、樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板と、前記凸条の表面に形成された金属または金属化合物からなる金属細線とを有する。
(光透過性基板)
光透過性基板は、ワイヤグリッド型偏光子の使用波長範囲において光透過性を有する基板である。光透過性とは、光を透過することを意味し、使用波長範囲は、具体的には、400nm〜800nmの範囲である。
光透過性基板は、ワイヤグリッド型偏光子の使用波長範囲において光透過性を有する基板である。光透過性とは、光を透過することを意味し、使用波長範囲は、具体的には、400nm〜800nmの範囲である。
光透過性基板は、少なくとも凸条が樹脂(光硬化樹脂または熱可塑性樹脂)からなるものである。該光透過性基板としては、(α)樹脂からなる基材の表面に複数の凸条が直接形成されたもの;(β)熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス等からなる基材の表面に、凸条を有する樹脂からなる表層を形成した積層体;等が挙げられる。
光透過性基板としては、後述するインプリント法にて凸条を形成できる点から、(β)の光透過性基板が好ましい。表層の樹脂としては、生産性の点から、光ラジカル重合により光硬化しうる光硬化性組成物を光硬化して得られる光硬化樹脂が好ましい。
本発明において凸条とは、光透過性基板の主表面から立ち上がり、かつその立ち上がりが一方向に伸びている部分をいう。凸条は光透過性基板の主表面と一体で光透過性基板の主表面部分と同じ材料からなっていてもよく、光透過性基板の主表面部分と異なる光透過性材料からなっていてもよい。凸条は光透過性基板の主表面と一体で、かつ光透過性基板の主表面部分と同じ材料からなっていることが好ましい。
凸条は、その長さ方向と光透過性基板の主表面とに直交する方向の断面の形状が長さ方向にわたってほぼ一定であり、複数の凸条においてもそれらの断面形状はすべてほぼ一定であることが好ましい。凸条の断面形状は、底部(光透過性基板の主表面)から頂部にわたって幅がほぼ同じ形状、または底部から頂部に向かうにしたがって幅がしだいに狭くなる形状である。具体的な断面形状としては、たとえば、矩形、三角形、台形等が挙げられる。該断面形状は、角や辺(側面)が曲線状であってもよい。
本発明において凸条の頂部とは、前記断面形状の最も高い部分が長さ方向に連なった部分をいう。凸条の頂部は面であっても線であってもよい。たとえば、断面形状が矩形や台形の場合には頂部は面をなし、断面形状が三角形の場合には頂部は線をなす。本発明において凸条の頂部以外の表面を凸条の側面という。なお、隣接する2つの凸条間の平坦部は凸条の表面ではなく、光透過性基板の主表面とみなす。
(金属細線)
金属細線は、光透過性基板の凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して、金属または金属化合物からなる金属層を形成したものである。
複数の金属細線は、実質的に平行に形成されていればよく、完全に平行に形成されてなくてもよい。また、各金属細線は、面内において光学的な異方性を最も発現しやすい直線が好ましいが、隣接する金属細線が接触しない範囲で曲線または折れ線であってもよい。
金属細線は、光透過性基板の凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して、金属または金属化合物からなる金属層を形成したものである。
複数の金属細線は、実質的に平行に形成されていればよく、完全に平行に形成されてなくてもよい。また、各金属細線は、面内において光学的な異方性を最も発現しやすい直線が好ましいが、隣接する金属細線が接触しない範囲で曲線または折れ線であってもよい。
凸条の表面に金属層を形成した場合、金属細線は凸条の長さ方向に延びる金属層から構成される。金属層は、凸条の表面の少なくとも一部を被覆すればよい。凸条の断面形状が三角形または台形の場合、金属層は、凸条の第1の側面を完全に被覆することが好ましい。この際、金属層は、凸条の頂部の一部もしくは全部を被覆してもよく、または、凸条の頂部の全部および凸条の第2の側面の一部もしくは全部を被覆してもよい。また、金属層は、隣接する2つの凸条間の平坦部の一部を被覆していてもよい。
金属としては、金属単体、合金、ドーパントまたは不純物を含む金属等が挙げられる。具体的には、アルミニウム、銀、クロム、マグネシウム、アルミニウム系合金、銀系合金等が挙げられる。
金属細線の材料としては、可視光に対する反射率が高く、可視光の吸収が少なく、かつ高い導電率を有する点から、アルミニウム、アルミニウム系合金、銀、クロム、マグネシウムが好ましく、アルミニウム、アルミニウム系合金が特に好ましい。
金属細線の材料としては、可視光に対する反射率が高く、可視光の吸収が少なく、かつ高い導電率を有する点から、アルミニウム、アルミニウム系合金、銀、クロム、マグネシウムが好ましく、アルミニウム、アルミニウム系合金が特に好ましい。
<ワイヤグリッド型偏光子の製造方法>
本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造方法は、光透過性基板の、凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施した後、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して金属細線を形成する方法である。本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造方法としては、具体的には、下記の工程(I)〜(III)を有する方法が挙げられる。
(I)樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板を作製する工程。
(II)光透過性基板の、凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施す工程。
(III)工程(II)の後、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して前記金属細線を形成する工程。
本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造方法は、光透過性基板の、凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施した後、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して金属細線を形成する方法である。本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造方法としては、具体的には、下記の工程(I)〜(III)を有する方法が挙げられる。
(I)樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板を作製する工程。
(II)光透過性基板の、凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施す工程。
(III)工程(II)の後、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して前記金属細線を形成する工程。
(工程(I))
光透過性基板の作製方法としては、インプリント法(光インプリント法または熱インプリント法)、リソグラフィ法等が挙げられ、凸条を生産性よく形成できる点および光透過性基板を大面積化できる点から、インプリント法が好ましく、凸条をより生産性よく形成できる点およびモールドの溝を精度よく転写できる点から、光インプリント法が特に好ましい。
光透過性基板の作製方法としては、インプリント法(光インプリント法または熱インプリント法)、リソグラフィ法等が挙げられ、凸条を生産性よく形成できる点および光透過性基板を大面積化できる点から、インプリント法が好ましく、凸条をより生産性よく形成できる点およびモールドの溝を精度よく転写できる点から、光インプリント法が特に好ましい。
光インプリント法は、たとえば、電子線描画とエッチングとの組み合わせ等により、複数の溝が互いに平行にかつ所定のピッチで形成されたモールドを作製し、該モールドの溝を、任意の基材の表面に塗布された光硬化性組成物に転写し、同時に該光硬化性組成物を光硬化させる方法である。
光インプリント法による光透過性基板の作製は、具体的には下記の工程(i)〜(iv)を経て行われることが好ましい。
(i)光硬化性組成物を基材の表面に塗布する工程。
(ii)複数の溝が互いに平行にかつ所定のピッチで形成されたモールドを、溝が光硬化性組成物に接するように、光硬化性組成物に押しつける工程。
(iii)モールドを光硬化性組成物に押しつけた状態で放射線(紫外線、電子線等)を照射して光硬化性組成物を硬化させて、モールドの溝に対応する複数の凸条を有する光透過性基板を作製する工程。
(iv)光透過性基板からモールドを分離する工程。
なお、凸条を有する表層と基材とが一体化したものを光透過性基板として用いてもよく、凸条を有する表層から基材を分離したものを光透過性基板として用いてもよい。また、金属層を形成した後に、凸条を有する表層から基材を分離してもよい。
(i)光硬化性組成物を基材の表面に塗布する工程。
(ii)複数の溝が互いに平行にかつ所定のピッチで形成されたモールドを、溝が光硬化性組成物に接するように、光硬化性組成物に押しつける工程。
(iii)モールドを光硬化性組成物に押しつけた状態で放射線(紫外線、電子線等)を照射して光硬化性組成物を硬化させて、モールドの溝に対応する複数の凸条を有する光透過性基板を作製する工程。
(iv)光透過性基板からモールドを分離する工程。
なお、凸条を有する表層と基材とが一体化したものを光透過性基板として用いてもよく、凸条を有する表層から基材を分離したものを光透過性基板として用いてもよい。また、金属層を形成した後に、凸条を有する表層から基材を分離してもよい。
熱インプリント法による光透過性基板の作製は、具体的には下記の工程(i)〜(iii)を経て行われることが好ましい。
(i)基材の表面に熱可塑性樹脂の被転写膜を形成する工程、または熱可塑性樹脂の被転写フィルムを作製する工程。
(ii)複数の溝が互いに平行にかつ一定のピッチで形成されたモールドを、溝が被転写膜または被転写フィルムに接するように、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)または融点(Tm)以上に加熱した被転写膜または被転写フィルムに押しつけ、モールドの溝に対応する複数の凸条を有する光透過性基板を作製する工程。
(iii)光透過性基板をTgまたはTmより低い温度に冷却して光透過性基板からモールドを分離する工程。
なお、凸条を有する表層と基材とが一体化したものを光透過性基板として用いてもよく、凸条を有する表層から基材を分離したものを光透過性基板として用いてもよい。また、金属層を形成した後に、凸条を有する表層から基材を分離してもよい。
(i)基材の表面に熱可塑性樹脂の被転写膜を形成する工程、または熱可塑性樹脂の被転写フィルムを作製する工程。
(ii)複数の溝が互いに平行にかつ一定のピッチで形成されたモールドを、溝が被転写膜または被転写フィルムに接するように、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)または融点(Tm)以上に加熱した被転写膜または被転写フィルムに押しつけ、モールドの溝に対応する複数の凸条を有する光透過性基板を作製する工程。
(iii)光透過性基板をTgまたはTmより低い温度に冷却して光透過性基板からモールドを分離する工程。
なお、凸条を有する表層と基材とが一体化したものを光透過性基板として用いてもよく、凸条を有する表層から基材を分離したものを光透過性基板として用いてもよい。また、金属層を形成した後に、凸条を有する表層から基材を分離してもよい。
インプリント法に用いられるモールドの材料としては、シリコン、ニッケル、石英ガラス、樹脂等が挙げられ、転写精度の点から、石英ガラス、樹脂が好ましい。樹脂としては、フッ素系樹脂(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等)、環状オレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、モールドの精度の点から、光硬化性のアクリル樹脂が好ましい。樹脂モールドは、転写の繰り返し耐久性の点から、表面に厚さ2〜10nmの無機膜を有することが好ましい。無機膜としては、SiO2、TiO2、Al2O3等の酸化膜が好ましい。
インプリント法に用いられる基材としては、ガラス板(石英ガラス板、無アルカリガラス板等)、樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリジメチルシロキサン、透明フッ素樹脂等)からなるフィルム等が挙げられる。ガラス板を基材に用いた場合は、インプリント法は毎葉式で行うことができ、フィルムを基材に用いた場合は、インプリント法は、ロールツウロール方式で行うことができる。
(工程(II))
表面改質処理としては、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、コロナ処理、UVオゾン処理、イオン照射、イトロ処理、シランカップリング剤処理 等が挙げられ、凸条と金属細線との密着性が高くなる点から、真空プラズマ処理が好ましく、酸素ガスを含む処理ガスを用いたプラズマ処理が特に好ましい。
表面改質処理としては、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、コロナ処理、UVオゾン処理、イオン照射、イトロ処理、シランカップリング剤処理 等が挙げられ、凸条と金属細線との密着性が高くなる点から、真空プラズマ処理が好ましく、酸素ガスを含む処理ガスを用いたプラズマ処理が特に好ましい。
プラズマ処理は、公知の真空プラズマ処理装置を用いて行うことができる。
真空プラズマ処理装置の処理室内の酸素圧力は、0.3〜30Paが好ましい。圧力が0.3Pa以下あるいは30Pa以上であれば、プラズマ放電が起こり難くなる。
RFパワーの出力は、5〜300Wが好ましい。出力が300Wを超えると、光透過性基板の凸条がエッチングされ、形状が変わってしまいやすくなる。
真空プラズマ処理装置の処理室内の酸素圧力は、0.3〜30Paが好ましい。圧力が0.3Pa以下あるいは30Pa以上であれば、プラズマ放電が起こり難くなる。
RFパワーの出力は、5〜300Wが好ましい。出力が300Wを超えると、光透過性基板の凸条がエッチングされ、形状が変わってしまいやすくなる。
プラズマ処理時間は、0.1〜60秒間が好ましい。処理時間が60秒間を超えると、凸条がエッチングされ、形状が変わってしまいやすくなる。処理時間が0.1秒間未満では、処理時間が短すぎて充分な耐擦傷性の向上効果が得られない。
(工程(III))
金属細線は、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して形成される。
蒸着法としては、PVDまたはCVDが挙げられ、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法が好ましく、真空蒸着法が特に好ましい。蒸着法としては、付着させる微粒子の光透過性基板に対する入射方向を制御でき、凸条の表面に選択的に金属または金属化合物を蒸着できる点から、真空蒸着法による斜方蒸着法が最も好ましい。
金属細線は、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して形成される。
蒸着法としては、PVDまたはCVDが挙げられ、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法が好ましく、真空蒸着法が特に好ましい。蒸着法としては、付着させる微粒子の光透過性基板に対する入射方向を制御でき、凸条の表面に選択的に金属または金属化合物を蒸着できる点から、真空蒸着法による斜方蒸着法が最も好ましい。
<ワイヤグリッド型偏光子の実施形態>
以下、ワイヤグリッド型偏光子の実施形態を、図を用いて説明する。以下の図は模式図であり、実際のワイヤグリッド型偏光子は、図示したような理論的かつ理想的形状を有するものではない。たとえば、実際のワイヤグリッド型偏光子においては、金属細線、凸条等の形状の崩れが多少ある。
なお、本発明における各寸法は、ワイヤグリッド型偏光子の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)像、または原子間力顕微鏡(AFM)像において、3箇所の各寸法を測定し、平均した値とする。
以下、ワイヤグリッド型偏光子の実施形態を、図を用いて説明する。以下の図は模式図であり、実際のワイヤグリッド型偏光子は、図示したような理論的かつ理想的形状を有するものではない。たとえば、実際のワイヤグリッド型偏光子においては、金属細線、凸条等の形状の崩れが多少ある。
なお、本発明における各寸法は、ワイヤグリッド型偏光子の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)像、または原子間力顕微鏡(AFM)像において、3箇所の各寸法を測定し、平均した値とする。
〔第1の実施形態〕
(ワイヤグリッド型偏光子)
図1は、ワイヤグリッド型偏光子の第1の実施形態を示す断面図である。ワイヤグリッド型偏光子1は、断面形状が矩形である複数の凸条20が、該凸条20間に形成される平坦部22を介して互いに平行にかつ所定のピッチPpで表面に形成された光透過性基板10と、凸条20の頂部24の全面を被覆する金属層からなる金属細線12とを有する。
(ワイヤグリッド型偏光子)
図1は、ワイヤグリッド型偏光子の第1の実施形態を示す断面図である。ワイヤグリッド型偏光子1は、断面形状が矩形である複数の凸条20が、該凸条20間に形成される平坦部22を介して互いに平行にかつ所定のピッチPpで表面に形成された光透過性基板10と、凸条20の頂部24の全面を被覆する金属層からなる金属細線12とを有する。
Ppは、凸条20の幅Dpと、平坦部22の幅との合計である。Ppは、300nm以下が好ましく、50〜200nmがより好ましい。Ppが300nm以下であれば、高いs偏光反射率を示し、かつ400nm程度の短波長領域においても高い偏光度を示す。また、回折による着色現象が抑えられる。また、Ppが50〜200nmであれば、蒸着によって金属層を形成しやすい。
DpとPpの比(Dp/Pp)は、0.1〜0.7が好ましく、0.25〜0.55がより好ましい。Dp/Ppが0.1以上であれば、高い偏光度を示す。Dp/Ppを0.5以下とすることにより、干渉による透過光の着色が抑えられる。
Dpは、蒸着によって金属層を形成しやすい点から、20〜100nmが好ましい。
Dpは、蒸着によって金属層を形成しやすい点から、20〜100nmが好ましい。
凸条20の高さHpは、50〜500nmが好ましく、100〜300nmがより好ましい。Hpが50nm以上であれば、偏光分離能が充分に高くなる。Hpが500nm以下であれば、透過率の波長分散を低減できる。また、Hpが50〜500nmであれば、蒸着によって金属層を形成しやすい。
光透過性基板10の厚さHsは、0.5〜1000μmが好ましく、1〜40μmがより好ましい。
光透過性基板10の厚さHsは、0.5〜1000μmが好ましく、1〜40μmがより好ましい。
金属細線12(金属層)の高さHmは、50〜500nmが好ましく、100〜300nmがより好ましい。Hmが50nm以上であれば、偏光分離能が充分に高くなる。Hmが500nm以下であれば、透過率の波長分散が小さくなる。また、Hmが100〜300nmであれば、金属層を形成しやすい。
金属細線12(金属層)の幅Dmは、15〜100nmが好ましく、20〜80nmがより好ましい。Dmが15nm以上であれば、偏光分離能が充分に高くなる。Dmが100nm以下であれば、透過率が充分に高くなる。
(ワイヤグリッド型偏光子の製造方法)
ワイヤグリッド型偏光子1は、上述した工程(I)〜(III)を有する製造方法によって製造できる。
ワイヤグリッド型偏光子1は、上述した工程(I)〜(III)を有する製造方法によって製造できる。
まず、上述した光インプリント法によって、図2に示すような、基材30の表面に、複数の凸条20を有する表層32を形成して、光透過性基板10を得る。
ついで、光透過性基板10の、凸条20が形成された側の表面に、表面改質処理(たとえばプラズマ処理)を施す。
ついで、光透過性基板10の、凸条20が形成された側の表面に、表面改質処理(たとえばプラズマ処理)を施す。
金属細線12は、図2に示すように、凸条20の長さ方向Lに対して略直交し、かつ凸条20の高さ方向Hに対して第1の側面26の側に20〜50゜の角度θLをなす方向V1から金属または金属化合物を、蒸着量が15〜100nmとなる条件で蒸着することにより形成できる。
角度θLは、たとえば、下記の蒸着装置を用いることによって調整できる。
凸条20の長さ方向Lに対して略直交し、かつ凸条20の高さ方向Hに対して第1の側面26の側に角度θLをなす方向V1の延長線上に蒸着源が位置するように、蒸着源に対向して配置された光透過性基板10の傾きを変更できる蒸着装置。
凸条20の長さ方向Lに対して略直交し、かつ凸条20の高さ方向Hに対して第1の側面26の側に角度θLをなす方向V1の延長線上に蒸着源が位置するように、蒸着源に対向して配置された光透過性基板10の傾きを変更できる蒸着装置。
〔第2の実施形態〕
(ワイヤグリッド型偏光子)
図3は、本発明のワイヤグリッド型偏光子の第2の実施形態を示す断面図である。ワイヤグリッド型偏光子2は、断面形状が台形である複数の凸条20が、該凸条20間に形成される平坦部22を介して互いに平行にかつ所定のピッチPpで表面に形成された光透過性基板10と、凸条20の第1の側面26の全面、第1の側面26に隣接する、平坦部22の一部、第1の側面26に隣接する凸条20の頂部24の全面、頂部24に隣接する凸条20の第2の側面28の一部を被覆する金属層からなる金属細線12とを有する。
(ワイヤグリッド型偏光子)
図3は、本発明のワイヤグリッド型偏光子の第2の実施形態を示す断面図である。ワイヤグリッド型偏光子2は、断面形状が台形である複数の凸条20が、該凸条20間に形成される平坦部22を介して互いに平行にかつ所定のピッチPpで表面に形成された光透過性基板10と、凸条20の第1の側面26の全面、第1の側面26に隣接する、平坦部22の一部、第1の側面26に隣接する凸条20の頂部24の全面、頂部24に隣接する凸条20の第2の側面28の一部を被覆する金属層からなる金属細線12とを有する。
Ppは、凸条20の底部の幅Dbpと、平坦部22の底部の幅との合計である。Ppは、300nm以下が好ましく、50〜250nmがより好ましい。Ppが300nm以下であれば、高いs偏光反射率を示し、かつ400nm程度の短波長領域においても高い偏光度を示す。また、回折による着色現象が抑えられる。また、Ppが50〜200nmであれば、蒸着によって金属層を形成しやすい。
DbpとPpの比(Dbp/Pp)は、0.1〜0.7が好ましく、0.25〜0.55がより好ましい。Dbp/Ppが0.1以上であれば、高い偏光度を示す。Dbp/Ppを0.5以下とすることにより、干渉による透過光の着色が抑えられる。
Dbpは、蒸着によって金属層を形成しやすい点から、30〜100nmが好ましい。
Dbpは、蒸着によって金属層を形成しやすい点から、30〜100nmが好ましい。
凸条20の頂部24の幅Dtpは、Dbpの半分以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、20nm以下がさらに好ましい。DtpがDbpの半分以下であれば、透過率がより高くなり、角度依存性が充分に低くなる。
凸条20の高さHpは、120〜300nmが好ましく、80〜270nmがより好ましい。Hpが120nm以上であれば、偏光分離能が充分に高くなる。Hpが300nm以下であれば、波長分散が小さくなる。また、Hpが120〜300nmであれば、蒸着によって金属層を形成しやすい。
第1の側面26の傾斜角θ1および第2の側面28の傾斜角θ2は、30〜85°が好ましい。θ1とθ2は、同じであってもよく、異なってもよい。
光透過性基板10の厚さHsは、0.5〜1000μmが好ましく、1〜40μmがより好ましい。
光透過性基板10の厚さHsは、0.5〜1000μmが好ましく、1〜40μmがより好ましい。
Dm1は、下式(2)を満足することが好ましい。
0.2×(Pp−Dbp)≦Dm1≦0.5×(Pp−Dbp) ・・・(2)。
Dm1が0.2×(Pp−Dbp)以上であれば、高いp偏光透過率を示し、かつ波長分散が小さい。Dm1が0.5×(Pp−Dbp)以下であれば、偏光分離能が充分に高くなる。
0.2×(Pp−Dbp)≦Dm1≦0.5×(Pp−Dbp) ・・・(2)。
Dm1が0.2×(Pp−Dbp)以上であれば、高いp偏光透過率を示し、かつ波長分散が小さい。Dm1が0.5×(Pp−Dbp)以下であれば、偏光分離能が充分に高くなる。
Hm1は、120〜300nmが好ましい。Hm1が120nm以上であれば、金属層の結晶化が抑制され、高いs偏光反射率を示す。
Hm1/Hpは、1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましい。Hm1/Hpが1以上であれば、偏光分離能が向上する。Hm1/Hpが2以下であれば、光学特性の角度依存性が充分に低くなる。
Hm1/Hpは、1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましい。Hm1/Hpが1以上であれば、偏光分離能が向上する。Hm1/Hpが2以下であれば、光学特性の角度依存性が充分に低くなる。
(ワイヤグリッド型偏光子の製造方法)
ワイヤグリッド型偏光子2は、上述した工程(I)〜(III)を有する製造方法によって製造できる。
ワイヤグリッド型偏光子2は、上述した工程(I)〜(III)を有する製造方法によって製造できる。
まず、上述した光インプリント法によって、図4に示すような、基材30の表面に、複数の凸条20を有する表層32を形成して、光透過性基板10を得る。
ついで、光透過性基板10の、凸条20が形成された側の表面に、表面改質処理(たとえばプラズマ処理)を施す。
ついで、光透過性基板10の、凸条20が形成された側の表面に、表面改質処理(たとえばプラズマ処理)を施す。
金属細線12は、図4に示すように、凸条20の長さ方向Lに対して略直交し、かつ凸条20の高さ方向Hに対して第1の側面26の側に25〜40゜の角度θLをなす方向V1から金属または金属化合物を、蒸着量が40〜60nmとなる条件で蒸着することにより形成できる。
なお、凸条20の頂部24を被覆する金属層の厚さが不充分な場合は、凸条20の長さ方向Lに対して略直交し、かつ凸条20の高さ方向Hに対して第2の側面28の側に25〜40゜の角度θRをなす方向V2から金属または金属化合物を、蒸着量が20nm以下となる条件で蒸着してもよい。
なお、凸条20の頂部24を被覆する金属層の厚さが不充分な場合は、凸条20の長さ方向Lに対して略直交し、かつ凸条20の高さ方向Hに対して第2の側面28の側に25〜40゜の角度θRをなす方向V2から金属または金属化合物を、蒸着量が20nm以下となる条件で蒸着してもよい。
(作用効果)
以上説明した本発明のワイヤグリッド型偏光子にあっては、光透過性基板の、凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施した後、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して金属細線を形成するため、凸条と金属細線との密着性が高くなる。その結果、保護層なしでも、微細な凸条の上に形成された金属細線が充分な耐擦傷性を発揮する。
以上説明した本発明のワイヤグリッド型偏光子にあっては、光透過性基板の、凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施した後、凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して金属細線を形成するため、凸条と金属細線との密着性が高くなる。その結果、保護層なしでも、微細な凸条の上に形成された金属細線が充分な耐擦傷性を発揮する。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
例1、2は実施例であり、例3、4は比較例である。
例1、2は実施例であり、例3、4は比較例である。
(耐擦傷性)
ワイヤグリッド型偏光子を往復式摩耗試験機(ケイエヌテー社製)にセットした。直径10mmの円柱状の金属製棒の先端にエタノールで湿らせたネル布を巻きつけたものによって、荷重:50g、速度:60cm/minの条件にて、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線が形成された側の表面を、5回擦った。擦傷試験後のワイヤグリッド型偏光子について、市販偏光板とクロスニコル下、ヘーズメーターHAZE−GARDII(東洋精機社製)にて全光線透過率を測定した。
ワイヤグリッド型偏光子を往復式摩耗試験機(ケイエヌテー社製)にセットした。直径10mmの円柱状の金属製棒の先端にエタノールで湿らせたネル布を巻きつけたものによって、荷重:50g、速度:60cm/minの条件にて、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線が形成された側の表面を、5回擦った。擦傷試験後のワイヤグリッド型偏光子について、市販偏光板とクロスニコル下、ヘーズメーターHAZE−GARDII(東洋精機社製)にて全光線透過率を測定した。
(光硬化性樹脂組成物1の調製)
撹拌機および冷却管を装着した300mLの4つ口フラスコに、
単量体1(新中村化学工業社製、NK エステル A−DPH、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)の60g、
単量体2(新中村化学工業社製、NK エステル A−NPG、ネオペンチルグリコールジアクリレート)の40g、
光重合開始剤1(チバスペシャリティーケミカルズ社製、IRGACURE907)の4.0g、
を入れた。フラスコ内を常温および遮光にした状態で、1時間撹拌して均一化して、粘度が140mPa・sである光硬化性樹脂組成物1を得た。
撹拌機および冷却管を装着した300mLの4つ口フラスコに、
単量体1(新中村化学工業社製、NK エステル A−DPH、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)の60g、
単量体2(新中村化学工業社製、NK エステル A−NPG、ネオペンチルグリコールジアクリレート)の40g、
光重合開始剤1(チバスペシャリティーケミカルズ社製、IRGACURE907)の4.0g、
を入れた。フラスコ内を常温および遮光にした状態で、1時間撹拌して均一化して、粘度が140mPa・sである光硬化性樹脂組成物1を得た。
(光硬化性樹脂組成物2の調製)
撹拌機および冷却管を装着した1000mLの4つ口フラスコに、
前記単量体1の60g、
前記単量体2の40g、
前記光重合開始剤1の4.0g、
ノニオン系含フッ素界面活性剤1(旭硝子社製、サーフロンS651)の1.0g、
を入れた。フラスコ内を常温および遮光にした状態で、1時間撹拌して均一化して、粘度が140mPa・sである光硬化性樹脂組成物2の溶液を得た。
撹拌機および冷却管を装着した1000mLの4つ口フラスコに、
前記単量体1の60g、
前記単量体2の40g、
前記光重合開始剤1の4.0g、
ノニオン系含フッ素界面活性剤1(旭硝子社製、サーフロンS651)の1.0g、
を入れた。フラスコ内を常温および遮光にした状態で、1時間撹拌して均一化して、粘度が140mPa・sである光硬化性樹脂組成物2の溶液を得た。
〔例1〕
(工程(I))
高透過ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300、100mm×100mm×厚さ100μm)の表面に、光硬化性樹脂組成物1をスピンコート法により塗布し、厚さ約5μmの光硬化性樹脂組成物1の塗膜を形成した。
(工程(I))
高透過ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300、100mm×100mm×厚さ100μm)の表面に、光硬化性樹脂組成物1をスピンコート法により塗布し、厚さ約5μmの光硬化性樹脂組成物1の塗膜を形成した。
ついで、塗膜付きPETフィルムを、複数の溝が表面に形成されたナノインプリント用モールドに、光硬化性樹脂組成物1の塗膜がモールドの溝に接するように、ゴムロールを用いて25℃にて押しつけた。
該状態を保持したまま、PETフィルム側から高圧水銀灯(周波数:1.5kHz〜2.0kHz、主波長光:255nm、315nmおよび365nm、365nmにおける照射エネルギー:1000mJ)の光を15秒間照射し、光硬化性樹脂組成物1を硬化させた後、ナノインプリント用モールドをゆっくりと分離し、ナノインプリント用モールドの溝に対応する複数の凸条を有する光透過性基板1(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
該状態を保持したまま、PETフィルム側から高圧水銀灯(周波数:1.5kHz〜2.0kHz、主波長光:255nm、315nmおよび365nm、365nmにおける照射エネルギー:1000mJ)の光を15秒間照射し、光硬化性樹脂組成物1を硬化させた後、ナノインプリント用モールドをゆっくりと分離し、ナノインプリント用モールドの溝に対応する複数の凸条を有する光透過性基板1(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
(工程(II))
光透過性基板1を真空プラズマエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)の処理室にセットし、酸素圧力:5Pa、RFパワー:30W、酸素流量:30sccm、プラズマ処理時間:10秒間の条件にて、プラズマ処理を実施した。プラズマ処理後の凸条の形状をAFMで観察したところ、ピッチPp:140nm、高さHp:195nmであった。
光透過性基板1を真空プラズマエッチング装置(サムコ社製、RIE−10NR)の処理室にセットし、酸素圧力:5Pa、RFパワー:30W、酸素流量:30sccm、プラズマ処理時間:10秒間の条件にて、プラズマ処理を実施した。プラズマ処理後の凸条の形状をAFMで観察したところ、ピッチPp:140nm、高さHp:195nmであった。
(工程(III))
プラズマ処理後の光透過性基板1の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
プラズマ処理後の光透過性基板1の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
〔例2〕
(工程(I))
光硬化性樹脂1を光硬化性樹脂2に変更した以外は、例1と同様にして光透過性基板2(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
(工程(I))
光硬化性樹脂1を光硬化性樹脂2に変更した以外は、例1と同様にして光透過性基板2(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
(工程(II))
光透過性基板2を真空プラズマエッチング装置の処理室にセットし、酸素圧力:15Pa、RFパワー:30W、酸素流量:30sccm、プラズマ処理時間:20秒間の条件にて、プラズマ処理を実施した。プラズマ処理後の凸条の形状をAFMで観察したところ、ピッチPp:140nm、高さHp:190nmであった。
光透過性基板2を真空プラズマエッチング装置の処理室にセットし、酸素圧力:15Pa、RFパワー:30W、酸素流量:30sccm、プラズマ処理時間:20秒間の条件にて、プラズマ処理を実施した。プラズマ処理後の凸条の形状をAFMで観察したところ、ピッチPp:140nm、高さHp:190nmであった。
(工程(III))
プラズマ処理後の光透過性基板2の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
プラズマ処理後の光透過性基板2の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
〔例3〕
(工程(I))
例1と同様にして光透過性基板1(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
(工程(I))
例1と同様にして光透過性基板1(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
(工程(III))
プラズマ処理されていない光透過性基板1の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
プラズマ処理されていない光透過性基板1の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
〔例4〕
(工程(I))
光硬化性樹脂1を光硬化性樹脂2に変更した以外は、例1と同様にして光透過性基板2(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
(工程(I))
光硬化性樹脂1を光硬化性樹脂2に変更した以外は、例1と同様にして光透過性基板2(凸条のピッチPp:140nm、凸条の幅Dp:40nm、凸条の高さHp:200nm)を作製した。
(工程(III))
プラズマ処理されていない光透過性基板2の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
プラズマ処理されていない光透過性基板2の凸条上に、斜方蒸着法にてアルミニウムを蒸着させ、金属細線(厚さHm:100nm、幅Dm:40nm)を形成し、ワイヤグリッド型偏光子を得た。耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
本発明の製造方法で得られたワイヤグリッド型偏光子は、液晶表示装置、リアプロジェクションテレビ、フロントプロジェクター等の画像表示装置の偏光子として有用である。
1 ワイヤグリッド型偏光子
2 ワイヤグリッド型偏光子
10 光透過性基板
12 金属細線
20 凸条
22 平坦部
24 頂部
26 第1の側面
28 第2の側面
30 基材
32 表層
2 ワイヤグリッド型偏光子
10 光透過性基板
12 金属細線
20 凸条
22 平坦部
24 頂部
26 第1の側面
28 第2の側面
30 基材
32 表層
Claims (3)
- 樹脂からなる複数の凸条が、該凸条間に形成される平坦部を介して互いに平行に、かつ所定のピッチで表面に形成された光透過性基板と、前記凸条の表面に形成された金属または金属化合物からなる金属細線とを有するワイヤグリッド型偏光子を製造する方法であって、
前記光透過性基板の、前記凸条が形成された側の表面に、表面改質処理を施した後、前記凸条の表面に金属または金属化合物を選択的に蒸着して前記金属細線を形成することを特徴とするワイヤグリッド型偏光子の製造方法。 - 前記表面改質処理が、プラズマ処理である、請求項1に記載のワイヤグリッド型偏光子の製造方法。
- 前記プラズマ処理が、酸素ガスを含む処理ガスを用いたプラズマ処理である、請求項2に記載のワイヤグリッド型偏光子の製造方法。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
WO2020262616A1 (ja) * | 2019-06-28 | 2020-12-30 | デクセリアルズ株式会社 | 偏光素子、偏光素子の製造方法及びヘッドアップディスプレイ装置 |
JP2021113968A (ja) * | 2019-06-28 | 2021-08-05 | デクセリアルズ株式会社 | 偏光素子、偏光素子の製造方法及びヘッドアップディスプレイ装置 |
-
2010
- 2010-04-15 JP JP2010093996A patent/JP2011227130A/ja active Pending
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