JP2012073484A - ワイヤグリッド型偏光子および液晶表示装置 - Google Patents

ワイヤグリッド型偏光子および液晶表示装置 Download PDF

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康宏 池田
Hiromi Sakurai
宏巳 桜井
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寛 坂本
Shinji Okada
伸治 岡田
Yuriko Kaida
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Abstract

【課題】充分な耐擦傷性および光学特性を有するワイヤグリッド型偏光子および充分な輝度およびコントラストを有する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】光透過性基板10内に、互いに平行に、所定のピッチPpで、光透過性基板10の主表面から露出することなく埋設された複数の金属細線20を有するワイヤグリッド型偏光子1であって、金属細線20の最大幅Dm1が金属細線20の高さHmの半分の位置から光透過性基板10の第1の主表面18側に存在し、金属細線20の最小幅Dm2が金属細線20の高さHmの半分の位置から光透過性基板10の第2の主表面19側に存在し、Hm、Dm1、Dm2が式(1)、(2)の関係を満足する。Dm2/Dm1<1・・・(1)、Hm/Dm1=7〜30・・・(2)。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤグリッド型偏光子および液晶表示装置に関する。
液晶表示装置、リアプロジェクションテレビ、フロントプロジェクター等の画像表示装置に用いられる、可視光領域で偏光分離能を示す偏光子(偏光素子、偏光分離素子ともいう。)として、ワイヤグリッド型偏光子が知られている。
ワイヤグリッド型偏光子は、光透過性基板上に複数の金属細線が互いに平行に配列した構造を有する。金属細線のピッチが入射光の波長よりも充分に短い場合、入射光のうち、金属細線に直交する電場ベクトルを有する成分(すなわちp偏光)は透過し、金属細線と平行な電場ベクトルを有する成分(すなわちs偏光)は反射される。
該ワイヤグリッド型偏光子においては、金属細線が非常に微細であるため、金属細線の耐擦傷性が低い。そのため、ワイヤグリッド型偏光子の表面に対する物理的接触等によって金属細線が破損しやすい。ワイヤグリッド型偏光子においては、金属細線がわずかに破損しただけでもワイヤグリッド型偏光子の性能に影響する。
そこで、金属細線の破損を抑えるために、テトラエトキシシランおよび酸素ガスを用いたCVD法によって形成された保護膜によって金属細線を被覆することが提案されている(特許文献1)。
しかし、該保護膜は、高エネルギーの蒸発粒子を蒸着対象に衝突させるPVD法(スパッタ法、真空蒸着法等)ではなく、CVD法によって形成されているため、金属細線と保護膜との密着性が乏しく、物理的接触等によって保護膜が剥離しやすい。そのため、保護膜の厚さを比較的厚く(約200nm程度に)する必要がある。その結果、金属細線間の空隙に保護膜が侵入しやすくなり、該空隙が保護膜で埋まってしまうため、ワイヤグリッド型偏光子の光学特性(特に、短波長領域(450nm以下)におけるp偏光透過率および消光比)が低下する。そして、ワイヤグリッド型偏光子の光学特性が低下すると、該ワイヤグリッド型偏光子を備えた液晶表示装置の輝度やコントラストが低下する。
特開2009−069382号公報
本発明は、充分な耐擦傷性および光学特性を有するワイヤグリッド型偏光子および充分な輝度およびコントラストを有する液晶表示装置を提供する。
本発明のワイヤグリッド型偏光子は、光透過性基板と、前記光透過性基板内に、互いに平行に、所定のピッチPpで、かつ前記光透過性基板の主表面から露出することなく埋設された複数の金属細線とを有するワイヤグリッド型偏光子であって、前記光透過性基板の厚さ方向の前記金属細線の高さをHmとし、前記金属細線の長さ方向に直交する断面における前記金属細線の最大幅をDm1とし、前記金属細線の長さ方向に直交する断面における前記金属細線の最小幅をDm2としたとき、前記金属細線の最大幅Dm1が、前記金属細線の高さHmの半分の位置から前記光透過性基板の第1の主表面側に存在し、前記金属細線の最小幅Dm2が、前記金属細線の高さHmの半分の位置から前記光透過性基板の第2の主表面側に存在し、かつ前記金属細線の高さHm、最大幅Dm1および最小幅Dm2が、下式(1)および下式(2)の関係を満足することを特徴とする。
Dm2/Dm1<1 ・・・(1)、
Hm/Dm1=7〜30 ・・・(2)。
前記ピッチPpは、100〜120nmであることが好ましい。
前記光透過性基板を構成する材料の屈折率は、1.10〜1.6であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、一対の基板間に液晶層を挟持した液晶パネルと、バックライトユニットと、本発明のワイヤグリッド型偏光子とを有することを特徴とする。
本発明のワイヤグリッド型偏光子は、充分な耐擦傷性および光学特性を有する。
本発明の液晶表示装置は、充分な輝度およびコントラストを有する。
本発明のワイヤグリッド型偏光子の一例を示す斜視図である。 図1のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造工程の一例を示す図である。 本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造工程の他の例を示す図である。 本発明のワイヤグリッド型偏光子の製造工程の他の例を示す図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す断面図である。 例1のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例2のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例3のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例4のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例5のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例6のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例7のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例8のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例9のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。 例10のワイヤグリッド型偏光子の断面図である。
<ワイヤグリッド型偏光子>
以下、本発明のワイヤグリッド型偏光子の実施形態を、図を用いて説明する。以下の図は模式図であり、実際のワイヤグリッド型偏光子は、図示したような理論的かつ理想的形状を有するものではない。たとえば、実際のワイヤグリッド型偏光子においては、金属細線等の形状の崩れが多少ある。
なお、本発明における各寸法は、ワイヤグリッド型偏光子の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)像、または原子間力顕微鏡(AFM)像において、3箇所の各寸法を測定し、平均した値とする。
図1は、本発明のワイヤグリッド型偏光子の一実施形態を示す断面図である。ワイヤグリッド型偏光子1は、平坦な光透過性基板10と;光透過性基板10内に、互いに平行に、所定のピッチPpで、かつ光透過性基板10の主表面から露出することなく埋設された複数の金属細線20とを有する。
なお、金属細線20の長さ方向の端面は、光透過性基板10の側面から露出していても構わない。
(光透過性基板)
光透過性基板10は、ワイヤグリッド型偏光子の使用波長範囲において光透過性を有する基板である。光透過性とは、光を透過することを意味し、使用波長範囲は、具体的には、400nm〜800nmの範囲である。
光透過性基板10は、図2に示すような、断面形状が三角形(または台形)である複数の凸条12が、該凸条12間に形成される溝の平坦部を介して互いに平行にかつ所定のピッチPpで表面に形成された下層14と;凸条12の第1の側面の全部を被覆する金属細線20と凸条12との間の溝に充填され、かつ凸条12の頂部および金属細線20を完全に被覆する上層16とを有する積層体であってもよい。
本発明において凸条12とは、下層14の主表面から立ち上がり、かつその立ち上がりが一方向に伸びている部分をいう。凸条12は下層14の主表面と一体で下層14の主表面部分と同じ材料からなっていてもよく、下層14の主表面部分と異なる光透過性材料からなっていてもよい。凸条12は下層14の主表面と一体で、かつ下層14の主表面部分と同じ材料からなっていることが好ましい。
凸条12は、その長さ方向に直交する断面の形状が長さ方向にわたってほぼ一定であり、複数の凸条12においてもそれらの断面形状はすべてほぼ一定であることが好ましい。凸条12の断面形状は、底部(下層14の主表面)から頂部に向かうにしたがって幅がしだいに狭くなる形状である。具体的な断面形状としては、たとえば、三角形、台形等が挙げられる。該断面形状は、角や辺(側面)が曲線状であってもよい。
本発明において凸条12の頂部とは、前記断面形状の最も高い部分が長さ方向に連なった部分をいう。凸条12の頂部は面であっても線であってもよい。たとえば、断面形状が台形の場合には頂部は面をなし、断面形状が三角形の場合には頂部は線をなす。本発明において凸条12の頂部以外の表面を凸条12の側面という。なお、隣接する2つの凸条12間の溝の平坦部は凸条12の表面ではなく、下層14の主表面とみなす。
光透過性基板10の材料としては、光硬化樹脂、熱可塑性樹脂、ガラス等が挙げられ、後述するインプリント法にて凸条を形成できる点および金属細線を光透過性基板内に埋設しやすい点から、光硬化樹脂または熱可塑性樹脂が好ましく、光インプリント法にて凸条を形成できる点および耐熱性および耐久性に優れる点から、光硬化樹脂が特に好ましい。光硬化樹脂としては、生産性の点から、光ラジカル重合により光硬化し得る光硬化性組成物を光硬化して得られる光硬化樹脂が好ましい。
光透過性基板10を構成する材料の屈折率は、1.10〜1.6が好ましく、1.20〜1.6がより好ましく、1.25〜1.6がさらに好ましい。屈折率が1.10以上であれば、短波長領域(450nm以下)におけるp偏光透過率が、埋設されてない場合に比べ高くなる。屈折率が1.6以下であれば、埋設されてない場合と比べた場合の消光比の低下の程度が小さくなる。本発明における屈折率は、波長450nmにおける屈折率である。
上層16の屈折率は、(下層14の屈折率+0.05)以下であることが好ましく、(下層14の屈折率+0.05)以下(下層14の屈折率−0.5)以上であることがより好ましい。上層16の屈折率が(下層14の屈折率+0.05)以下であれば、埋設された後の短波長領域(450nm以下)におけるp偏光透過率が高くなり、また、埋設された後の消光比が充分な値を示す。
(金属細線)
金属細線20は、その長さ方向に直交する方向の断面の形状が長さ方向にわたってほぼ一定であり、複数の金属細線20においてもそれらの断面形状はすべてほぼ一定であることが好ましい。
複数の金属細線20は、実質的に平行に形成されていればよく、完全に平行に形成されてなくてもよい。また、各金属細線20は、面内において光学的な異方性を最も発現しやすい直線が好ましいが、隣接する金属細線が接触しない範囲で曲線または折れ線であってもよい。
凸条12の表面に金属細線20を形成した場合、金属細線20は凸条12の長さ方向に延びる金属層から構成される。金属細線20は、凸条12の表面の少なくとも一部を被覆すればよい。凸条12の断面形状が三角形または台形の場合、金属細線20は、凸条12の第1の側面を完全に被覆することが好ましい。この際、金属細線20は、凸条12の頂部の一部もしくは全部を被覆してもよく、または、凸条の頂部の全部および凸条の第2の側面の一部もしくは全部を被覆してもよい。また、金属細線20は、隣接する2つの凸条12間の平坦部の一部を被覆していてもよい。
以下、光透過性基板10の厚さ方向の金属細線20の高さをHmとする。
また、金属細線20の長さ方向に直交する断面における金属細線20の最大幅をDm1とする。
また、金属細線20の長さ方向に直交する断面における金属細線20の最小幅をDm2とする。
本発明においては、Dm1は、金属細線20の高さHmの半分の位置から光透過性基板10の第1の主表面18側に存在し、Dm2は、金属細線20の高さHmの半分の位置から光透過性基板10の第2の主表面19側に存在する。そして、Dm1およびDm2は、下式(1)を満足する、すなわち、金属細線20の幅は、光透過性基板10の第1の主表面18側で広く、第2の主表面19側で狭くされている。
Dm2/Dm1<1 ・・・(1)。
金属細線20の幅が、光透過性基板10の第1の主表面18側で広く、第2の主表面19側で狭くされていることによって、金属細線20が光透過性基板10内に完全に埋設されているにも関わらず、第1の主表面18側から入射するp偏光の短波長領域(450nm以下)における透過率が、埋設されてない場合に比べ高くなる。また、第1の主表面18側のs偏光反射率が高くなり、第2の主表面19側のs偏光反射率が低くなる。Dm2/Dm1は、第1の主表面18側から入射するp偏光の短波長領域(450nm以下)における透過率がさらに高くなる点、および第1の主表面18側のs偏光反射率がさらに高くなり、第2の主表面19側のs偏光反射率がさらに低くなる点から、0〜0.4が好ましく、0〜0.25がより好ましい。
また、Dm2は、0〜20nmが好ましく、0〜10nmがより好ましい。Dm1は、20〜50nmが好ましく、25〜40nmがより好ましい。
また、第1の主表面18側から入射するp偏光の短波長領域(450nm以下)における透過率がさらに高くなる点から、Dm1は、金属細線20の光透過性基板10の第1の主表面18に最も近い部分に存在し、Dm2は、金属細線20の光透過性基板10の第2の主表面19に最も近い部分に存在することがさらに好ましく、この際、金属細線20の幅は、光透過性基板10の第1の主表面18側(Dm1)から第2の主表面19側(Dm2)に向かうにしたがってしだいに狭くなる、すなわち、金属細線20の断面形状は、台形(Dm2>0の場合)または三角形(Dm2=0の場合)であることが特に好ましい。
なお、金属細線20の幅を、光透過性基板10の第1の主表面18側で広く、第2の主表面19側で狭くしても、光透過性基板10内への金属細線20の埋設による消光比の低下が避けられない。そこで、本発明においては、金属細線20の断面のアスペクト比を極端に高くする、すなわちHmおよびDm1は、下式(2)を満足する。
Hm/Dm1=7〜30・・(2)。
Hm/Dm1が7以上であれば、金属細線20が光透過性基板10内に完全に埋設されているにも関わらず、消光比が高くなる。Hm/Dm1が30以下であれば、消光比が高く、また金属細線20を形成しやすい。Hm/Dm1は、11〜27が好ましく、12〜25がより好ましい。
ピッチPpは、金属細線20の断面の左端(または右端)から、これに隣接する金属細線20の断面の左端(または右端)までの距離である。Ppは、100〜120nmが好ましい。Ppが120nm以下であれば、短波長領域(450nm以下)におけるp偏光透過率がさらに高くなり、また、消光比がさらに高くなる。また、Ppが100nm以上であれば、金属細線20を形成しやすい。
Dm2とPpの比(Dm2/Pp)は、0〜0.1が好ましく、0〜0.05がより好ましい。Dm2/Ppが0以上であれば、高い偏光度を示す。Dm2/Ppを0.1より小さくすることにより、干渉による透過光の着色が抑えられる。
金属細線20の材料としては、金属または金属化合物が挙げられる。金属としては、金属単体、合金、ドーパントまたは不純物を含む金属等が挙げられる。具体的には、アルミニウム、銀、クロム、マグネシウム、アルミニウム系合金、銀系合金等が挙げられる。
金属細線20の材料としては、可視光に対する反射率が高く、可視光の吸収が少なく、かつ高い導電率を有する点から、アルミニウム、アルミニウム系合金、銀、クロム、マグネシウムが好ましく、アルミニウム、アルミニウム系合金が特に好ましい。
(支持体)
ワイヤグリッド型偏光子1は、光透過性基板10の表面に、熱可塑性樹脂、ガラス等からなる支持体(図示略)を有していてもよい。
支持体は、ワイヤグリッド型偏光子1の光学特性の点から、光透過性基板10の第2の主表面側に設けられることが好ましい。
支持体と光透過性基板10との屈折率の差(絶対値)は、0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましい。支持体と光透過性基板10との屈折率の差が0.1以下であれば、p偏光透過率の低下、s偏光反射率の低下が抑えられる。
(ワイヤグリッド型偏光子の製造方法)
ワイヤグリッド型偏光子1の製造方法としては、たとえば、下記の方法(α)が挙げられる。
方法(α):下記の工程(I)〜(III)を有する方法。
(I)図3に示すように、インプリント法にてモールド30の溝を支持体11上の樹脂に転写することによって、表面に複数の凸条12が互いに平行にかつ所定のピッチPpで形成された下層14を支持体11の上に作製する工程。
(II)図3に示すように、下層14の凸条12の表面に選択的に金属または金属化合物を蒸着して、互いに平行に配列した複数の金属層からなる金属細線20を形成する工程。
(III)図3に示すように、金属細線20が形成された側の下層14上に、樹脂を塗布して上層16を形成する工程。
工程(I):
下層14の作製方法としては、インプリント法(光インプリント法、熱インプリント法)、リソグラフィ法等が挙げられ、凸条12を生産性よく形成できる点および下層14を大面積化できる点から、インプリント法が好ましく、凸条12をより生産性よく形成できる点およびモールド30の溝を精度よく転写できる点から、光インプリント法が特に好ましい。
光インプリント法は、たとえば、電子線描画とエッチングとの組み合わせ等により、複数の溝が互いに平行にかつ所定のピッチPpで形成されたモールド30を作製し、該モールド30の溝を、任意の支持体11の表面に塗布された光硬化性組成物に転写し、同時に該光硬化性組成物を光硬化させる方法である。
光インプリント法による下層14の作製は、具体的には下記の工程(i)〜(iv)を経て行われることが好ましい。
(i)光硬化性組成物を支持体11の表面に塗布する工程。
(ii)複数の溝が互いに平行にかつ所定のピッチPpで形成されたモールド30を、溝が光硬化性組成物に接するように、光硬化性組成物に押しつける工程。
(iii)モールド30を光硬化性組成物に押しつけた状態で放射線(紫外線、電子線等)を照射して光硬化性組成物を硬化させて、モールド30の溝に対応する複数の凸条12を有する下層14を作製する工程。
(iv)下層14からモールド30を分離する工程。
熱インプリント法による下層14の作製は、具体的には下記の工程(i)〜(iii)を経て行われることが好ましい。
(i)支持体11の表面に熱可塑性樹脂の被転写膜を形成する工程、または熱可塑性樹脂の被転写フィルムを作製する工程。
(ii)複数の溝が互いに平行にかつ一定のピッチPpで形成されたモールド30を、溝が被転写膜または被転写フィルムに接するように、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)または融点(Tm)以上に加熱した被転写膜または被転写フィルムに押しつけ、モールド30の溝に対応する複数の凸条12を有する下層14を作製する工程。
(iii)下層14をTgまたはTmより低い温度に冷却して下層14からモールド30を分離する工程。
インプリント法に用いられるモールド30の材料としては、シリコン、ニッケル、石英ガラス、樹脂等が挙げられ、転写精度の点から、石英ガラス、樹脂が好ましい。樹脂としては、フッ素系樹脂(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等)、環状オレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、モールド30の精度の点から、光硬化性のアクリル樹脂が好ましい。樹脂モールドは、転写の繰り返し耐久性の点から、表面に厚さ2〜10nmの無機膜を有することが好ましい。無機膜としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の酸化膜が好ましい。
ガラス板を支持体11に用いた場合は、インプリント法は毎葉式で行うことができ、フィルムを支持体11に用いた場合は、インプリント法は、ロールツウロール方式で行うことができる。
工程(II):
金属細線20は、下層14の凸条12の表面に選択的に金属または金属化合物を蒸着して形成される。
蒸着法としては、PVDまたはCVDが挙げられ、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法が好ましく、真空蒸着法が特に好ましい。蒸着法としては、蒸発粒子の光透過性基板に対する入射方向を制御でき、凸条の表面に選択的に金属または金属化合物を蒸着できる点から、真空蒸着法による斜方蒸着法が最も好ましい。
斜方蒸着法による金属細線20の形成は、たとえば、下記のように行う。
まず、凸条12の長さ方向に対して略直交し、かつ凸条12の高さ方向に対して第1の側面の側に下式(a)を満たす角度θ (°)をなす方向V1から金属または金属化合物を蒸着する工程(1R1)を実施することによって、凸条12の第1の側面の全体を被覆する第1の金属層を形成する。
tan(θ ±10)=(Pp−Dpb/2)/Hp ・・・(a)。
式(a)の角度θ (°)は、隣の凸条12に遮られることなく、凸条12の底部側の表面まで金属または金属化合物を蒸着するための角度を表わし、凸条12の底部の表面から隣の凸条12の底部の中心までの距離、すなわち凸条12のピッチPpから凸条12の底部の幅Dpbの半分を引いた距離(Pp−Dpb/2)と、隣の凸条12の高さHpとから決まる。「±10」は振れ幅である。
角度θ (°)は、tan(θ ±7)=(Pp−Dpb/2)/Hpを満たすことが好ましく、tan(θ ±5)=(Pp−Dpb/2)/Hpを満たすことがより好ましい。
ついで、Dm1>Dm2となるように、凸条12の高さHpの半分の位置から上半分に金属または金属化合物を蒸着させて第2の金属層を形成する。第2の金属層は、工程(1R1)の後、凸条12の長さ方向に対して略直交し、かつ凸条12の高さ方向に対して第1の側面の側に下式(b)を満たす角度θ (°)をなす方向V1から金属または金属化合物を、工程(1R1)より多い蒸着量となる条件で蒸着する工程(1R2)を実施することによって形成される。
θ +3≦θ ≦θ +30 ・・・(b)。
角度θ (°)は、θ +6≦θ ≦θ +25を満たすことが好ましく、θ +10≦θ ≦θ +20を満たすことがより好ましい。
工程(III):
上層16は、たとえば、金属細線20が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に放射線(紫外線、電子線等)を照射して光硬化性組成物を硬化させて形成される。
(他の製造方法)
ワイヤグリッド型偏光子1の他の製造方法としては、たとえば、下記の方法(β)、方法(γ)等も挙げられる。
方法(β):下記の工程(I)〜(IV)を有する方法。
(I)図4に示すように、インプリント法にてモールド30の凸条を支持体11上の樹脂に転写することによって、表面に複数のV溝32が互いに平行にかつ所定のピッチPpで形成された下層14を支持体11の上に作製する工程。
(II)図4に示すように、下層14上に金属または金属化合物を蒸着し、金属層34で完全に被覆する工程。
(III)図4に示すように、エッチング等によって、V溝32内の金属層のみが残るように下層14の表面の金属層を除去し、互いに平行に配列した複数の金属層からなる金属細線20を形成する工程。
(IV)図4に示すように、金属細線20が形成された側の下層14上に、樹脂を塗布して上層16を形成する工程。
方法(γ):下記の工程(I)〜(IV)を有する方法。
(I)図5に示すように、平坦な上層16上に金属または金属化合物を蒸着し、金属層34を形成した後、金属層34上にレジスト膜36を形成する工程。
(II)図5に示すように、フォトリソグラフィ等によってレジスト膜36をパターニングし、互いに平行に配列した断面形状が三角形の複数のレジストパターン38を形成する工程。
(III)図5に示すように、エッチング等によって、レジストパターン38に対応した金属層のみが残るように金属層を除去し、互いに平行に配列した複数の金属層からなる金属細線20を形成する工程。
(IV)図5に示すように、金属細線20が形成された側の上層16上に、樹脂を塗布して下層14を形成する工程。
(他の実施形態)
本発明のワイヤグリッド型偏光子は、光透過性基板と、光透過性基板内に、互いに平行に、所定のピッチPpで、かつ光透過性基板の主表面から露出することなく埋設された複数の金属細線とを有するワイヤグリッド型偏光子であって、金属細線の最大幅Dm1が、金属細線の高さHmの半分の位置から光透過性基板の第1の主表面側に存在し、金属細線の最小幅Dm2が、金属細線の高さHmの半分の位置から光透過性基板の第2の主表面側に存在し、かつHm、Dm1およびDm2が、式(1)および式(2)の関係を満足するものであればよく、図示例のものに限定はされない。
たとえば、下層14と金属細線20との間に、無機酸化物層(酸化アルミニウム等)を有するものであってもよい。
(作用効果)
以上説明した本発明のワイヤグリッド型偏光子にあっては、光透過性基板内に、光透過性基板の主表面から露出することなく複数の金属細線が埋設されているため、充分な耐擦傷性を有する。ワイヤグリッド型偏光子となる。
また、金属細線の幅が、光透過性基板の第1の主表面側で広く、第2の主表面側で狭くされているため、金属細線が光透過性基板内に完全に埋設されているにも関わらず、第1の主表面側から入射するp偏光の短波長領域(450nm以下)における透過率が、埋設されてない場合に比べ高くなる。また、第1の主表面側のs偏光反射率が高くなり、第2の主表面側のs偏光反射率が低くなる。
また、金属細線の断面のアスペクト比が極端に高い、すなわちHm/Dm1が7以上であるので、金属細線が光透過性基板内に完全に埋設されているにも関わらず、消光比が高くなる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、一対の基板間に液晶層を挟持した液晶パネルと、バックライトユニットと、本発明のワイヤグリッド型偏光子とを有する。
本発明のワイヤグリッド型偏光子は、液晶パネルとバックライトユニットとの間に配置されることが好ましく、液晶パネルの一対の基板のうちのバックライトユニット側の基板と一体化されていてもよく、液晶パネルの一対の基板のうちのバックライトユニット側の基板の液晶層側、すなわち液晶パネルの内部に配置されていてもよい。
本発明の液晶表示装置は、薄型化の点から、本発明のワイヤグリッド型偏光子が配置された側とは反対側の液晶パネルの表面に吸収型偏光子を有することが好ましい。
図6は、本発明の液晶表示装置の一例を示す断面図である。液晶表示装置40は、一対の基板41、基板42間に液晶層43を挟持した液晶パネル44と、バックライトユニット45と、第1の主表面側がバックライトユニット45側となり、第2の主表面側が液晶表示装置40の視認側となるようにバックライトユニット45側の液晶パネル44の表面に貼着された本発明のワイヤグリッド型偏光子1と、バックライトユニット45側とは反対側の液晶パネル44の表面に貼着された吸収型偏光子46とを有する。
以上説明した本発明の液晶表示装置にあっては、充分な耐擦傷性および光学特性を有する本発明のワイヤグリッド型偏光子を有するため、充分な輝度およびコントラストを有する。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
例10、12〜19、21〜27は実施例であり、例1〜9、11、20は比較例である。
(耐擦傷性)
ワイヤグリッド型偏光子を往復式摩耗試験機(ケイエヌテー社製)にセットした。直径10mmの円柱状の金属製棒の先端にエタノールで湿らせたネル布(300番)を巻きつけたものによって、荷重:200g、速度:140cm/minの条件にて、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線が形成された側の表面を、20回擦った。試験後のワイヤグリッド型偏光子について、市販偏光板とクロスニコル下、ヘーズメーター(東洋精機社製、HAZE−GARDII)にて全光線透過率を測定し、(擦った後の全光線透過率)−(擦る前の全光線透過率)をΔT(光漏れ)と定義し、下記の基準にて評価した。
○:ΔTが0.1%以上。
×:ΔTが0.1%未満。
(p偏光透過率)
紫外可視分光光度計(JASCO社製、V−7200)に、ワイヤグリッド型偏光子および紫外可視分光光度計に付属の偏光子をセットした。この際、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線の長軸に付属の偏光子の吸収軸が平行な向きとなるように、光源とワイヤグリッド型偏光子との間に付属の偏光子を配置した。ワイヤグリッド型偏光子の第1の主表面側から偏光を入射してp偏光透過率を測定した。測定波長は、450nmとした。下記の基準にて評価した。
○:p偏光透過率が70%以上。
△:p偏光透過率が50%以上70%未満。
×:p偏光透過率が50%未満。
(ΔTp)
上層16の形成前後のp偏光透過率の差を求め、下記の基準にて評価した。
○:上層16の形成後、p偏光透過率が5%以上増加。
△:上層16の形成後、p偏光透過率が0%以上5%未満増加。
×:上層16の形成後、p偏光透過率が減少。
(消光比)
紫外可視分光光度計(JASCO社製、V−7200)に、ワイヤグリッド型偏光子および紫外可視分光光度計に付属の偏光子をセットした。この際、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線の長軸に付属の偏光子の吸収軸が平行な向きとなるように、光源とワイヤグリッド型偏光子との間に付属の偏光子を配置した。ワイヤグリッド型偏光子の第1の主表面側から偏光を入射してp偏光透過率を測定した。次に同じ配置のまま偏光子を90度回転させて、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線の長軸に付属の偏光子の吸収軸が直交する向きとなるようにした。ワイヤグリッド型偏光子の第1の主表面側から偏光を入射してs偏光透過率を測定した。p偏光透過率をs偏光透過率で割ることにより、消光比を求めた。下記の基準にて評価した。測定波長は、450nmとした。
○:消光比が1000以上。
×:消光比が1000未満。
(ΔRs)
紫外可視分光光度計(JASCO社製、V−7200)に、ワイヤグリッド型偏光子および紫外可視分光光度計に付属の偏光子をセットした。この際、ワイヤグリッド型偏光子の金属細線の長軸に付属の偏光子の吸収軸が直交する向きとなるようにした。ワイヤグリッド型偏光子の第1の主表面側から入射角5度で偏光を入射して正反射光をs偏光反射率(1)として測定した。次に同じ配置のままワイヤグリッド型偏光子を180度回転させて、ワイヤグリッド型偏光子の第2の主表面側から入射角5度で偏光を入射して正反射光をs偏光反射率(2)として測定した。s偏光反射率(1)からs偏光反射率(2)を引くことによりΔRsを下記の基準にて評価した。測定波長は、450nmとした。
○:ΔRsが5%以上増加。
△:ΔRsが0%以上5%未満増加。
×:ΔRsが減少。
(光硬化性樹脂組成物の調製)
撹拌機および冷却管を装着した300mLの4つ口フラスコに、
単量体1(新中村化学工業社製、NK エステル A−DPH、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)の60g、
単量体2(新中村化学工業社製、NK エステル A−NPG、ネオペンチルグリコールジアクリレート)の40g、
光重合開始剤1(チバスペシャリティーケミカルズ社製、IRGACURE907)の4.0g、
を入れた。フラスコ内を常温および遮光にした状態で、1時間撹拌して均一化し、粘度が140mPa・sである光硬化性樹脂組成物を得た。
光硬化性樹脂組成物の硬化物の、波長450nmにおける屈折率は、1.5である。
〔例1〕
平坦な下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の上に、フォトリソグラフィによって、図7に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20をピッチPpで形成した。金属細線20が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例2〕
平坦な下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の上に、フォトリソグラフィによって、図8に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20をピッチPpで形成した。金属細線20が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例3〕
平坦な下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の上に、国際公開第2008/084856号パンフレットの実施例1−3にしたがい、図9に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20およびアルミニウム酸化物からなる黒色層22をピッチPpで形成した。金属細線20等が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例4〕
図10に示す断面形状、寸法を有する複数の凸条12がピッチPpで形成された下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の凸条12上に、国際公開第2008/084856号パンフレットの実施例1−9にしたがい、図10に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20およびクロム酸化物からなる黒色層22をピッチPpで形成した。金属細線20等が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例5〕
平坦な下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の上に、特開2008−216956号公報の実施例2にしたがい、図11に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20、酸化ケイ素からなる無機酸化物層24およびゲルマニウム微粒子からなる無機微粒子層26をピッチPpで形成した。金属細線20等が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例6〕
平坦な下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の上に、特開2006−330178号公報の第1の実施形態にしたがい、図12に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20および酸化ケイ素からなる無機酸化物層24をピッチPpで形成した。金属細線20等が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例7〕
図13に示す断面形状、寸法を有する複数の凸条12がピッチPpで形成された下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の凸条12上に、特許第4275691号公報の実施例4にしたがい、図13に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20をピッチPpで形成した。金属細線20が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例8〕
図14に示す断面形状、寸法を有する複数の凸条12がピッチPpで形成された下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の凸条12の頂部および第1の側面に、特開2009−300655号公報の実施例2にしたがい、図14に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20をピッチPpで形成した。金属細線20が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例9〕
平坦な下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の上に、フォトリソグラフィによって、図15に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20をピッチPpで形成した。金属細線20が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例10〕
図16に示す断面形状、寸法を有する複数の凸条12がピッチPpで形成された下層14(波長450nmにおける屈折率:1.5)の凸条12の第1の側面に、図16に示す断面形状、寸法を有する、アルミニウムからなる複数の金属細線20をピッチPpで形成した。金属細線20が形成された側の下層14上に、光硬化性組成物を塗布し、光硬化性組成物に紫外線を照射して光硬化性組成物を硬化させ、上層16を形成した。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〔例11、12〕
Dm1を10nm(例11)または35nm(例12)に変更した以外は、例10と同様にしてワイヤグリッド型偏光子を得た。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2012073484
〔例13〜27〕
Dm1、Dm2、Hm、下層14の屈折率および上層16の屈折率を表2および表3に示すように変更した以外は、例10と同様にしてワイヤグリッド型偏光子を得た。
上層16の形成前後のワイヤグリッド型偏光子について、各種測定、評価を行った。結果を表2および表3に示す。
Figure 2012073484
Figure 2012073484
本発明のワイヤグリッド型偏光子は、液晶表示装置、リアプロジェクションテレビ、フロントプロジェクター等の画像表示装置の偏光子として有用である。
1 ワイヤグリッド型偏光子
10 光透過性基板
20 金属細線
40 液晶表示装置
44 液晶パネル
45 バックライトユニット

Claims (4)

  1. 光透過性基板と、
    前記光透過性基板内に、互いに平行に、所定のピッチPpで、かつ前記光透過性基板の主表面から露出することなく埋設された複数の金属細線と
    を有するワイヤグリッド型偏光子であって、
    前記光透過性基板の厚さ方向の前記金属細線の高さをHmとし、前記金属細線の長さ方向に直交する断面における前記金属細線の最大幅をDm1とし、前記金属細線の長さ方向に直交する断面における前記金属細線の最小幅をDm2としたとき、
    前記金属細線の最大幅Dm1が、前記金属細線の高さHmの半分の位置から前記光透過性基板の第1の主表面側に存在し、
    前記金属細線の最小幅Dm2が、前記金属細線の高さHmの半分の位置から前記光透過性基板の第2の主表面側に存在し、かつ
    前記金属細線の高さHm、最大幅Dm1および最小幅Dm2が、下式(1)および下式(2)の関係を満足する、ワイヤグリッド型偏光子。
    Dm2/Dm1<1 ・・・(1)、
    Hm/Dm1=7〜30 ・・・(2)。
  2. 前記ピッチPpが、100〜120nmである、請求項1に記載のワイヤグリッド型偏光子。
  3. 前記光透過性基板を構成する材料の屈折率が、1.10〜1.6である、請求項1または2に記載のワイヤグリッド型偏光子。
  4. 一対の基板間に液晶層を挟持した液晶パネルと、
    バックライトユニットと、
    請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤグリッド型偏光子と
    を有する、液晶表示装置。
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