JP2008003625A - 平面膜状拡散層付偏光板および当該偏光板を用いた液晶表示装置 - Google Patents

平面膜状拡散層付偏光板および当該偏光板を用いた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示装置等に使用する光拡散性樹脂層、光拡散性フィルム、拡散層付偏光板を用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の光拡散性樹脂層は、平面な膜状に形成された樹脂層中に当該樹脂との屈折率の差が、0.02以上であって0.13以下であり、かつその粒径が、5nm以下である拡散剤を含有することを特徴とし、光拡散性樹脂層の法線方向表面におけるヘイズ値が3以上であって、法線方向と±60°の方向のヘイズ値の差が、0.1〜7であること、樹脂層をセルロース系樹脂とすることが好ましい。本発明の光拡散性フィルムは、かかる光拡散性樹脂層を透明フィルム上に形成したことを特徴とする。また、本発明の拡散層付偏光板は、透明基材を鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムとして形成した光拡散性フィルムに偏光素子フィルムを積層したことを特徴とする。さらに、本発明の液晶表示装置はかかる拡散層付偏光板を用いたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学用途に使用される平面膜状拡散層付偏光板およびそれらを用いた液晶表示装置に関するものであって、特に液晶表示装置やワードプロセッサ、コンピュータ等の表示装置表面の光拡散や偏光のために有用な光学材料等に関する。
近年、需要が拡大しているノート型パソコンやワープロ、液晶テレビ、液晶表示装置等のディスプレイにおいては、視認性を高めるために各種の光拡散性フィルムや偏光板が使用されている。これらの機器をより明るく見やすくするため、これらの材料に要求される性能も高くなってきている。このような光拡散性フィルムや偏光板の素材としては、複屈折が小さい、すなわち光学的異方性が小さい素材であることが好ましい。このため、ポリエステル、ポリカーボネイト等に比べて光学的異方性が小さいセルロース系の基材フィルムが用いられているが、以下に述べるような問題があった。
従来の光拡散性フィルムや偏光板は、以下のように構成されている。図6は、従来の光拡散性フィルム、図7は従来の偏光板、を示す概略断面を示す図である。光拡散性フィルムは、図6のように基材フィルム61上に透光性樹脂層62を設けて当該樹脂層中に透光性や非透光性拡散剤63を分散した構成となっている。この光拡散性フィルムは、画像観察範囲において光を適切に拡散させるとともに、複屈折を生じない特性等が求められている。一方、偏光板は、図7のように、ポリビニルアルコール等の基材フィルムにヨウ素や二色性染料を吸着せしめた偏光素子フィルム71と、表面に接着剤層72を介して保護層73、裏面に接着剤層74を介して剥離フィルム75を設けた形態とされている。保護層73は、偏光素子フィルムの機械的強度や耐湿熱性を高めるためのもので、その材料としては、セルロースアセテート系フィルム、アクリル系フィルムの他、4−フッ化エチレン−6フッ化プロピレン系共重合体等のフッ素系樹脂フィルム、ポリエステル樹脂等が用いられている。この偏光板は十分な偏光特性とともに、複屈折を生じない特性、偏光素子と保護フィルムとの密着性等が求められている。しかし、従来の偏光板では、十分な光拡散効果と小さい複屈折の双方の特性を満たすものは得られていなかった。また、この光拡散フィルムを偏光板の保護フィルムとして使用する場合も、これらの特性が不十分であり、また偏光素子フィルムとの密着性が十分でないという問題もあった。
そこで、本発明では、適切な光拡散効果と小さい複屈折および保護フィルムの密着性の条件を満たす光拡散性樹脂層や光拡散フィルムおよび十分な偏光特性を併せ持つ拡散層付偏光板等を提供すべく検討してなされたものである。
上記課題を解決する本発明の光拡散性樹脂層の第1は、セルロース系樹脂からなり、平面な膜状に形成された樹脂層中に当該樹脂との屈折率の差が、0.02以上であって1.0以下であり、かつその粒径が、5nm以上であって50μm以下である拡散剤を含有することを特徴とする光拡散性樹脂層、にある。上記課題を解決する本発明の光拡散性樹脂層の第2は、上記第1の光拡散性樹脂層において、光拡散性樹脂層の法線方向表面におけるヘイズ値が3以上であって、当該法線方向表面のヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値の差が、0.1〜7であることを特徴とする。上記課題を解決する本発明の光拡散性樹脂層の第3は、上記第1または第2の光拡散性樹脂層において、セルロース系樹脂がトリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートであることを特徴とする。かかる光拡散性樹脂層であるため、拡散効果が適切であり、複屈折が少なくディスプレイ表示に適した光拡散性樹脂層が得られる。
上記課題を解決する本発明の光拡散性フィルムの第1は、上記第1ないし第3の光拡散性樹脂層が透明基材フィルム上に形成されていることを特徴とする。上記課題を解決する本発明の光拡散性フィルムの第2は、上記第1の光拡散性フィルムであって、透明基材フィルムがトリアセチルセルロースからなることを特徴とする。上記課題を解決する本発明の光拡散性フィルムの第3は、上記第1の光拡散性フィルムであって、透明基材フィルムが鹸化処理されたトリアセチルセルロースからなることを特徴とする。かかる光拡散性フィルムであるため、拡散効果が適切であり、複屈折が少なくディスプレイ表示に適した光拡散性フィルムが得られる。
上記課題を解決する本発明の拡散層付偏光板の第1は、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムに、上記第1または第2の光拡散性樹脂層を設け、当該光拡散性樹脂層側に、接着剤層を介して、偏光素子フィルムを積層したことを特徴とする拡散層付偏光板、にある。上記課題を解決する本発明の拡散層付偏光板の第2は、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムに、上記第1または第2の光拡散性樹脂層を設け、当該光拡散性樹脂層側に、接着剤層を介して、偏光素子フィルムを積層し、当該偏光素子フィルム層側に、さらに接着剤層を介して、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムを積層したことを特徴とする拡散層付偏光板、にある。上記課題を解決する本発明の拡散層付偏光板の第3は、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムに、上記第1または第2の光拡散性樹脂層を設け、当該光拡散性樹脂層側に、接着剤層を介して、延伸したポリビニルアルコールフィルムに二色性染料を染色して形成した偏光素子フィルムを積層したことを特徴とする拡散層付偏光板、にある。上記課題を解決する本発明の拡散層付偏光板の第4は、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムに、上記第1または第2の光拡散性樹脂層を設け、当該光拡散性樹脂層側に、接着剤層を介して、延伸したポリビニルアルコールフィルムに二色性染料を染色して形成した偏光素子フィルムを積層し、当該ポリビニルアルコールフィルム層側に、さらに接着剤層を介して、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムを積層したことを特徴とする拡散層付偏光板、にある。かかる拡散層付偏光板であるため、拡散効果が適切であり、複屈折が少なく、かつ十分な偏光を行うディスプレイ表示に適した拡散層付偏光板が得られる。
上記課題を解決する本発明の液晶表示装置は、上記第1ないし第4のいずれかの拡散層付偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置、にある。かかる液晶表示装置であるため、拡散効果が適切であり、視認性に優れた液晶表示装置が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の光拡散性樹脂層の実施形態、図2は、本発明の光拡散性フィルムの実施形態、図3は、本発明の拡散層付偏光板の第1の実施形態、図4は、本発明の拡散層付偏光板の第2の実施形態、図5は、本発明の液晶表示装置の実施形態、を示す概略断面図である。
本発明の光拡散性樹脂層10は、図1のように、セルロース系樹脂からなる平面な膜状の透光性樹脂11中に、当該樹脂との屈折率の差が、0.02以上であって1.0以下であり、かつその粒径が、5nm以上であって50μm以下である有機または無機の微粒子からなる拡散剤12を含有することを特徴とする。透光性樹脂にセルロース系樹脂を使用するのは複屈折が少ないことと、密着性向上のため、セルロース系フィルムを鹸化処理した場合に、鹸化処理を樹脂層と同時にできるためである。また、屈折率を0.02以上とするのは、0.02未満では実質的な拡散効果が得られず、拡散させるためには拡散剤の添加量を非常に多くする必要があるからである。屈折率を1.0以下とするのは、1.0より大きい場合は、透光性樹脂中の拡散剤の含有量を少なくする必要があって、均一な光拡散性樹脂層が得られないからである。
また、粒径が5nm以上とするのは、5nm未満では樹脂層への分散が困難となるとともに、入手できる均一な微粒子材料は5nmが限界であるからでもある。また、粒径が50μm以下とするのは、50μmより大きい場合は樹脂層表面に拡散剤が突出して凹凸化し、表面が白色化し画面の視認性を低下させるとともに、フィルムが厚くなり成形できる拡散剤や樹脂に制約を生じるからである。本発明の光拡散性樹脂層10は、多くの場合、基材フィルムと一体の形態で使用されるが、樹脂層単層の状態で光源装置や各種光学機器の表面に施して使用することもできる。
本発明の光拡散性樹脂層10は、その拡散層法線方向表面におけるヘイズ値が3以上であって、樹脂層平面の法線方向のヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値の差が、0.1〜7であることが好ましい。法線方向表面におけるヘイズ値が3未満である場合は光拡散性がなく、樹脂層平面の法線方向ヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値の差が、7を超えるとディスプレイ装置等に適用した場合に画面の均一な明るさが得られず表示品位が低下するからである。
本発明の光拡散性樹脂層10の透光性樹脂11には各種の樹脂組成物を使用することが可能であるが、トリアセチルセルロース(屈折率;1.50)、セルロースアセテートプロピオネート(屈折率;1.47)、セルロースアセテートブチレート(屈折率;1.47〜1.50)、セルロース(屈折率;1.54)、セルローストリブチレート(屈折率;1.48)等のセルロース系樹脂であることが、適度な光拡散性が得られ、また偏光板との接着性が良い等の理由で好ましい。
透光性樹脂11に含有させる拡散剤12としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、マトリックス樹脂との屈折率の差が前述のような数値になるものが好ましい。このようなプラスチックビーズとしては、メラミンビーズ(屈折率;1.57)、アクリルビーズ(屈折率;1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率;1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、塩ビビーズ等が用いられる。また、酸化セリウム(CeO2 屈折率;1.63)等の無機系の拡散剤であっても良い。酸化セリウムの場合は、5nm程度までの微粒子のものが入手できる。これらの拡散剤の粒径は、前述のように、5nm〜50μmのものを適宜選択して用いる。
上記のような有機フィラーとして透光性拡散剤を添加した場合には、樹脂組成物中で有機フィラーが沈降しやすいので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加すればする程有機フィラーの沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを透光性樹脂に対して塗膜の透明性を損なわない程度、例えば0.1重量%未満含有させると沈降を防止することができる。
セルロース系樹脂の屈折率は、概略、1.46〜1.54の範囲であるが、拡散剤12の屈折率との比較において、用いる樹脂の屈折率が低い場合には、透光性樹脂11に、屈折率の高い無機質微粒子である、TiO2 (屈折率;2.3〜2.7)、Y2 3 (屈折率;1.87)、La2 3 (屈折率;1.95)、ZrO2 (屈折率;2.05)等を塗膜の拡散性を保持できる程度に加えて、屈折率を上げて調整することができる。
本発明の光拡散性フィルム20は、図2のように、透明基材フィルム21上に、光拡散性樹脂層10が形成された形態となっている。光拡散性樹脂層10は、透光性樹脂11中に分散された拡散剤12とからなっている。
透明基材フィルム21は、各種の透明樹脂フィルムを使用することができ、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、アクリロニトリルスチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1)等の光学用プラスチックやトリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ジアセチルセルロース等の各種のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、アクリロニトリル、塩化ビニル等の樹脂フィルム等である。これらの樹脂フィルムの内、ポリカーボネートやポリスチレンのように分子中にベンゼン環をもつポリマーは、一般に複屈折を起こしやすい。複屈折を生じるフィルムは前記のようにディスプレイ表示において視認性を低下させる。従って、本発明の光拡散性フィルムでは、複屈折の小さいトリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートフィルムを使用することが好ましい。これらのフィルムの厚さは、通常25μm〜1000μm程度である。
本発明の光拡散性フィルム20は、上記のように、複屈折の小さいトリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートフィルムを使用することが好ましいが、なかでもトリアセチルセルロースが、コストが低く最も製造に向いている。
さらに、本発明の光拡散性フィルム20には、上記トリアセチルセルロースフィルムを使用することが好ましいが、偏光板に使用した際に、偏光素子フィルムと熱あるいは湿度に対する収縮特性が大きく異なるため、剥離、シワ等の故障を生じる場合がある。そこで、上記トリアセチルセルロースフィルムを鹸化処理して使用することが、接着剤との密着性を向上させる点でさらに好ましい。鹸化処理は、フィルムを希薄なアルカリ水溶液に短時間浸漬することによって、表面層を僅かに鹸化することによって効果が得られる。
本発明の拡散層付偏光板の第1の実施形態30は、図3のように、ポリビニルアルコール等の透明基材フィルムにヨウ素や二色性染料を吸着せしめた偏光素子フィルム31と、その表面に接着剤層32を介して保護フィルムとして光拡散性フィルム20が積層されていることを特徴とする。保護フィルム基材21には、前記のようにトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを使用することが好ましく、なかでも当該TACフィルムを鹸化処理して使用することが好ましい。拡散層付偏光板の第1の実施形態30は、請求項7および請求項9記載の拡散層付偏光板の形態を示すことになる。
偏光素子フィルム31に使用するポリビニルアルコール系フィルムは特に限定されるものではなく、通常使用されているポリビニルアルコール系フィルムを使用することができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、ポリ(エチレン−酢酸ビニール)共重合体フィルム等を一軸に延伸したもの等が挙げられる。フィルムの厚みも特に限定されるものではなく、例えば、50〜150μm程度のものが用いられる。
本発明の拡散層付偏光板の第2の実施形態40は、図4のように、ポリビニルアルコール等の基材フィルムにヨウ素や二色性染料を吸着せしめた偏光素子フィルム31と、その表面に接着剤層32を介して保護フィルムとして光拡散性フィルム20が積層されていることは、第1の実施形態30の拡散層付偏光板と同様であって、第2の実施形態の拡散層付偏光板は、偏光素子フィルム31の他方面側に接着剤層42を介して、鹸化処理した保護フィルム41としてTACフィルムが、さらに積層されていることを特徴とする。拡散層付偏光板の第2の実施形態40は、請求項8および請求項10記載の拡散層付偏光板の形態を示すことになる。
偏光素子フィルム31の両外側に設けられるTACフィルムは、複屈折が僅かであり、偏光が乱されないので、偏光素子フィルム31となるPVA+二色性染料と積層しても、偏光が乱されない。従って、このような本発明の拡散層付偏光板30,40を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができる。
図5は、本発明の液晶表示装置の実施形態を示している。本発明の液晶表示装置50は、図5のように透光性液晶素子51の背面にバックライト光源52を設け、液晶素子51の前面に本発明の拡散層付偏光板40を設けた構成となっている。拡散層付偏光板は、図5では、図4のような第2の実施形態40のものとされているが、図3のような第1の実施形態の拡散層付偏光板30であってもよい。透光性液晶素子51は、周知のように、透明電極の付いた前面基板511と背面基板513との間に液晶512を充填した構造となっており、前面基板511にはカラーフィルターが、背面基板513にはスイッチング素子または画素電極が形成されている。なお、液晶素子51とバックライト光源52の間には通常の偏光板53が使用される。
本発明の光拡散性樹脂層は、セルロース系樹脂層中に、適切な屈折率および粒径の拡散剤が分散されているので、各種光学材料に使用して好適な光拡散性樹脂層が得られる。また、本発明の光拡散性フィルムはこのような光拡散性樹脂層が透明基材上に形成されているので液晶表示装置等の各種の光学的用途に幅広く使用することができる。さらに、本発明の拡散層付偏光板はこのような光拡散性フィルムが一体にされているので、液晶表示装置等に使用して偏光特性とともに適切な光拡散を行うことができる。
以下、本発明の実施例について、図1、図2、図4、図5を参照して説明する。
(光拡散性樹脂層、光拡散フィルムの実施例1)
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製)を透明基材フィルム21として、当該基材フィルム上に、セルロース系樹脂と拡散剤を下記組成に配合して混合した塗布液を、乾燥後の厚さが10μmになるように、グラビアコート法で塗布して、熱乾燥し、本発明の光拡散性樹脂層10および光拡散性フィルム20を完成した(図1、図2)。
<塗布液組成>
セルロースアセテートプロピオネート樹脂(屈折率1.50)
(バイエル社製「セリドールCP」) 100重量部
メラミンビーズ(屈折率1.57)平均粒径1.2μm(日本触媒株式会社製「エポスタ」) 3.89重量部
トルエン 1000重量部
上記塗布液の溶媒として、トルエンを使用するのは、透明基材フィルムであるトリアセチルセルロースフィルムの非溶解性の溶剤であるトルエンを用いるにもかかわらず、透明基材フィルム21と樹脂層との密着性を良好にすることができ、しかもこのトルエンは、透明基材フィルムであるトリアセチルセルロースフィルムを溶解させないので、基材表面が白化せず、透明性が保たれるという利点があるからである。
(光拡散性樹脂層、光拡散フィルムの実施例2)
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製)を透明基材フィルム21として、当該基材フィルム上に、セルロース系樹脂と拡散剤を下記組成に配合して混合した下記組成の塗布液を、乾燥後の厚さが10μmになるように、グラビアコート法で塗布して、熱乾燥し、本発明の光拡散性樹脂層10および光拡散性フィルム20を完成した(図1、図2)。従来、0.1μm以下の微粒の拡散剤は分散が困難と言われるが、本実施例では分散剤を使用せずに酸化セリウムビーズの分散を行うことができた。
<塗布液組成>
セルロースアセテートプロピオネート樹脂(屈折率1.50)
(バイエル社製「セリドールCP」) 100重量部
酸化セリウム(CeO)ビーズ(屈折率1.63)
(平均粒径5.0nm) 10重量部
トルエン 1000重量部
(拡散層付偏光板の実施例)
上記実施例1および実施例2で得られた光拡散性フィルムを、2規定の水酸化カリウム(KOH)溶液中に、60°C、1分間浸漬して、フィルム基材と樹脂層の双方を鹸化処理した。一方、延伸した厚み75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ株式会社製「クラレビニロン」)を一軸延伸した基材とし、当該基材をメチレンブルー5部(重量)とメチルアルコール10部からなる溶液に1分間浸漬して染色した後、引き上げ、速やかに乾燥後、硫酸酸性重クロム酸カリ溶液に2分間浸漬し、水洗乾燥後一定方向に軽く布で摩擦した。かくして摩擦方向に光軸を有する偏光素子フィルム31を得た。鹸化処理した光拡散性フィルムの樹脂層上に、ウレタン系接着剤(武田薬品製「タケラック」硬化剤「タケネート」)を5μm厚で塗工し、上記で準備した偏光素子フィルム31をその上に圧着した。さらに、偏光素子フィルム上に、ウレタン系接着剤(武田薬品製「タケラック」硬化剤「タケネート」)を5μm厚で塗工した後、上記と同様に鹸化処理した厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製)をその上に圧着した。これにより本発明の第2の実施形態の拡散層付偏光板40が完成した(図4)。
かくして得られた拡散層付偏光板40の光学特性は下表のとおりであった。
偏光度 全光線透過率 ヘイズ値 ヘイズ値
(法線方向)(±60°方向)
実施例1 99.9% 48% 30 34
実施例2 99.9% 48% 20 24
上表のように、偏光度、全光線透過率およびヘイズ値が十分な光拡散性拡散層付偏光板が得られた。
なお、偏光度の測定は、偏光板を2枚準備し、この2枚の偏光板を重ね合わせた状態で測定し、以下の式により求めた値である。
Figure 2008003625
ここで、Hp は2枚の偏光板の重ね合わせを偏光素子フィルムの配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で測定した値であり、HC は2枚の偏光板の重ね合わせを偏光素子フィルムの配向方向が直交方向になるように重ね合わせた状態で測定した値である。また、全光線透過率の測定は、JISK7105により、ヘイズ値の測定は、「ヘイズ、透明プラスチックの透過率標準試験方法」ASTMD1003に準じた測定を、東洋精機(株)製「ヘイズカードプラス」により測定した。
また、光拡散性フィルムおよび偏光板の耐久性試験を、(1)100°C/ドライ、1000時間 (2)80°C/95%RH、1000時間 (3)−30°C、1000時間 の3条件で行ったが、いずれの条件において、いずれの実施例の場合も、層間の密着性の劣化等は認められなかった。
(液晶表示装置の実施例)
上記実施例1および実施例2で得られた拡散層付偏光板40を、透光性液晶素子51の背面にバックライト光源52を設け、液晶素子51の前面に、拡散層付偏光板を設け本発明の液晶表示装置を完成した(図5)。得られた液晶表示装置は適切な光拡散を行い、画像の視認性の優れたものであった。
本発明の光拡散性樹脂層は、セルロース系樹脂層中に、適切な屈折率および粒径の拡散剤が分散されているので、各種光学材料に使用して好適な光拡散性樹脂層が得られる。また、本発明の光拡散性フィルムはこのような光拡散性樹脂層が透明基材上に形成されているので液晶表示装置等の各種の光学的用途に幅広く使用することができる。さらに、本発明の拡散層付偏光板はこのような光拡散性フィルムが一体にされているので、液晶表示装置等に使用して偏光特性とともに適切な光拡散を行うことができる。
本発明の光拡散性樹脂層の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の光拡散性フィルムの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の拡散層付偏光板の第1の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の拡散層付偏光板の第2の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置を示す断面図である。 従来の光拡散性フィルムを示す概略断面図である。 従来の偏光板を示す概略断面図である。
符号の説明
10 光拡散性樹脂層
11 透光性樹脂
12 拡散剤
20 光拡散性フィルム
21 透明基材フィルム
30 拡散層付偏光板の第1の実施形態
31 偏光素子フィルム
32 接着剤層
40 拡散層付偏光板の第2の実施形態
41 保護フィルム
42 接着剤層
50 液晶表示装置
51 透光性液晶素子
52 バックライト光源
53 偏光板
61 基材フィルム
62 透光性樹脂層
63 拡散剤
71 偏光素子フィルム
72,74 接着剤層
73 保護層
75 剥離フィルム
511 前面基板
512 液晶
513 背面基板

Claims (7)

  1. トリアセチルセルロースフィルムに、セルロース系樹脂からなり、平面な膜状に形成された透光性樹脂層中に当該樹脂との屈折率の差が、0.02以上であって0.13以下であり、かつその粒径が、5nm以上であって50μm以下である拡散剤を含有することを特徴とする平面膜状光拡散性樹脂層を設け、当該平面膜状光拡散性樹脂層側に、接着剤層を介して、偏光素子フィルムを積層したことを特徴とするバックライト光源を有する液晶表示装置用の平面膜状拡散層付偏光板。
  2. 平面膜状光拡散性樹脂層の法線方向表面におけるヘイズ値が3以上であって、当該法線方向表面のヘイズ値と、これから±60°の方向のヘイズ値の差が、0.1〜7であることを特徴とする請求項1記載のバックライト光源を有する液晶表示装置用の平面膜状拡散層付偏光板。
  3. セルロース系樹脂が、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバックライト光源を有する液晶表示装置用の平面膜状拡散層付偏光板。
  4. 透明基材フィルムが鹸化処理されたトリアセチルセルロースからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載のバックライト光源を有する液晶表示装置用の平面膜状拡散層付偏光板。
  5. 偏光素子フィルムは、延伸したポリビニルアルコールフィルムに二色性染料を染色して形成した偏光素子フィルムである請求項1、2、3又は4記載のバックライト光源を有する液晶表示装置用の平面膜状拡散層付偏向板。
  6. 上記ポリビニルアルコールフィルム層側に、さらに接着剤層を介して、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムを積層したことを特徴とする請求項5記載のバックライト光源を有する液晶表示装置用の平面膜状拡散層付偏光板。
  7. 請求項1ないし請求項6いずれか1項記載の平面膜状拡散層付偏光板を用いたことを特徴とするバックライト光源を有する液晶表示装置。
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