JP2002174722A - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents

偏光板およびその製造方法

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JP2002174722A
JP2002174722A JP2000373339A JP2000373339A JP2002174722A JP 2002174722 A JP2002174722 A JP 2002174722A JP 2000373339 A JP2000373339 A JP 2000373339A JP 2000373339 A JP2000373339 A JP 2000373339A JP 2002174722 A JP2002174722 A JP 2002174722A
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temperature
polarizer
film
drying
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JP2000373339A
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Eiji Hamamoto
英二 濱本
Seiichi Kusumoto
誠一 楠本
Yoichiro Sugino
洋一郎 杉野
Yuji Saiki
雄二 済木
Senri Yoshikawa
せんり 吉川
Hisafumi Mihara
尚史 三原
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白表示を白く、かつ直交状態(黒表示)の黒
を黒く表示することができる偏光板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 (A)染色、架橋および延伸処理を施し
たポリビニルアルコール系フィルムを乾燥して偏光子を
得る工程、(B)該偏光子の片側または両側に保護層を
貼り合わせる工程、(C)貼り合わせた後に加熱処理を
行う工程、を採用することを特徴とする偏光板の製造方
法であって、工程(A)の乾燥温度を10〜50℃と
し、工程(B)の貼り合わせ温度を20〜65℃とし、
工程(C)の加熱処理温度を40〜75℃とし、かつ工
程(C)の温度を工程(B)の温度以上とする。また、
各工程の温度は、工程(A)≦工程(B)≦工程(C)
であるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に使
用される偏光板の製造方法、および該製造方法により製
造される偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)は、卓上電子計
算機、電子時計、パーソナルコンピューター、ワードプ
ロセッサ等に使用されており、近年急激にその需要が増
加している。LCDの用途も広がってきており、モニタ
ー用途にも使用されるようになってきている。また、携
帯電話やPDA等、屋外で使用されるLCDも急激に増
加している。
【0003】これらの屋外で使用される反射型または半
透過型LCDへ使用される偏光板の要求特性は、パーソ
ナルコンピューター等に代表される透過型LCDに使用
される偏光板とは異なっており、モニター用途に使用さ
れるLCDや、反射型または半透過型LCDは、紙のよ
うな白色(ペーパーホワイト)の表示を実現することを
目標に改良が進められている。
【0004】その中で、偏光板の光学特性を変えること
によって、ぺーパーホワイトのような白色表示に近づけ
る方法として、偏光板の色相であるハンターb(単体色
相b)を低くすると良いことがわかっている。しかし、
従来の偏光板では、一枚の偏光板のハンターbである単
体色相bを低くすると、偏光特性が悪化し、さらに、偏
光板2枚を直交状態にした時のハンターbである直交色
相bがマイナス側に大きくなり、青色に抜けるという問
題がある。
【0005】逆に、一枚の偏光板のハンターbである単
体色相bを大きくすると、偏光特性が良くなり、偏光板
2枚を直交状態にした時のハンターbである直交色相b
もゼロに近づき青色の抜けも小さくなるが、白色の表示
が黄色くなり、ぺーパーホワイトのような白色表示がで
きなくなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのため、偏光特性が
良好で、白黒表示のコントラストや視認性に優れる偏光
板の開発が望まれている。本発明は、前記従来の問題を
解決するため、白表示を白く、かつ直交状態(黒表示)
の黒を黒く表示することができる偏光板の製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、(A)染色、架橋および延伸処理を施し
たポリビニルアルコール系フィルムを乾燥して偏光子を
得る工程、(B)該偏光子の片側または両側に保護層を
貼り合わせる工程、(C)貼り合わせた後に加熱処理す
る工程、を含む偏光板の製造方法であって、工程(A)
の乾燥温度が10〜50℃であり、工程(B)の貼り合
わせ温度が20〜65℃であり、工程(C)の加熱処理
温度が40〜75℃であり、かつ工程(C)の温度が工
程(B)の温度以上であることを特徴とする偏光板の製
造方法を提供する。
【0008】また、本発明の偏光板の製造方法は、前記
の、工程(A)、工程(B)、工程(C)の温度が、以
下の関係を有することが好ましい。 工程(A)≦工程(B)≦工程(C)
【0009】また、本発明の偏光板の製造方法は、保護
層がトリアセチルセルロースフィルムであることが好ま
しい。
【0010】次に、本発明の偏光板は、光の単体透過率
が42〜46%、偏光度97%以上、好ましくは99%
以上の特性を有するものであり、前記本発明の製造方法
によって製造される。
【0011】偏光板は、光の透過率が高く、偏光度が高
いものほど好ましいとされているため、本発明の偏光板
は、液晶表示装置等に好適に使用することができ、ま
た、優れた白黒表示を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の工程(A)では、ポリビ
ニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコー
ル等のポリビニルアルコール系ポリマーからなるフィル
ムに、ヨウ素や二色性染料等よりなる二色性物質による
染色処理、架橋処理、延伸処理を施したものを、温度1
0〜50℃、好ましくは20〜45℃で乾燥して偏光子
を得る。乾燥温度が10℃未満では乾燥が不均一になっ
たり、不充分になりやすく、50℃を越えると外観が悪
化する。乾燥は、上記温度で、0.5〜30分間、好ま
しくは1〜20分間行う。
【0013】ポリビニルアルコール系フィルムの染色、
架橋、延伸の各処理は、別々に行う必要はなく同時に行
ってもよく、また、各処理の順番も任意でよい。なお、
ポリビニルアルコール系フィルムとして、膨潤処理を施
したポリビニルアルコール系フィルムを用いてもよい。
一般には、ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素
や二色性色素を含む溶液に浸漬し、ヨウ素や二色性色素
を吸着させて染色した後洗浄し、ホウ酸やホウ砂等を含
む溶液中で延伸倍率3倍〜7倍で一軸延伸した後、乾燥
する。ヨウ素や二色性色素を含む溶液中で延伸した後、
ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中でさらに延伸(二段延
伸)した後、乾燥することにより、ヨウ素の配向が高く
なり、偏光度特性が良くなるため、特に好ましい。
【0014】上記のポリビニルアルコール系ポリマーと
しては、例えば、酢酸ビニルを重合した後にケン化した
ものや、酢酸ビニルに少量の不飽和カルボン酸、不飽和
スルホン酸、カチオン性モノマー等の共重合可能なモノ
マーを共重合したもの、等が挙げられる。ポリビニルア
ルコール系ポリマーの平均重合度は、特に制限されず任
意のものを使用することができるが、1000以上が好
ましく、より好ましくは2000〜5000である。ま
た、ポリビニルアルコール系ポリマーのケン化度は85
モル%以上が好ましく、より好ましくは98〜100モ
ル%である。
【0015】製造される偏光子の厚さは、5〜80μm
が一般的であるが、これに限定するものではなく、ま
た、偏光子の厚さを調整する方法に関しても、特に限定
するものではなく、テンター、ロール延伸や圧延等の通
常の方法を用いることができる。
【0016】本発明の工程(B)では、偏光子の片側ま
たは両側に、温度20〜65℃、好ましくは40〜60
℃で保護層を貼り合わせる。貼り合わせ温度が20℃未
満では初期接着が不充分で、貼り合わせ後に貼り合わせ
部が浮き貼り合わせがうまくできなくなりやすく、65
℃を越えると全面に波形状のシワが発生し外観が悪くな
る。
【0017】偏光子と保護層である透明保護フィルムと
の接着処理は、特に限定されるものではないが、例え
ば、ビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、ある
いは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミ
ン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶
性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うこと
ができる。かかる接着層は、水溶液の塗布乾燥層等とし
て形成されるが、その水溶液の調製に際しては必要に応
じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合することができ
る。
【0018】偏光子の片側又は両側に設ける保護フィル
ムには、適宜な透明フィルムを用いることができる。中
でも、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に
優れるポリマーからなるフィルムが好ましく用いられ
る。そのポリマーとしては、トリアセチルセルロースの
如きアセテート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
アリレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、
ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリノルボルネン系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト系樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。フィルムは、
キャスティング法、カレンダー法、押出し法のいずれで
製造したものでもよい。偏光特性や耐久性などの点か
ら、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂が
好ましく、特に表面をアルカリなどでケン化処理したト
リアセチルセルロースフィルムが好ましい。なお、偏光
フィルムの両側に透明保護フィルムを設ける場合、その
表裏で異なるポリマーからなる透明保護フィルムを用い
てもよい。
【0019】保護フィルムの厚さは、任意であるが、一
般には偏光板の薄型化等を目的に、500μm以下、好
ましくは5〜300μm、特に好ましくは5〜150μ
mとされる。なお、偏光フィルムの両側に透明保護フィ
ルムを設ける場合、その表裏で異なるポリマー等からな
る透明保護フィルムとすることもできる。
【0020】透明保護フィルムは、本発明の目的を損な
わない限り、ハードコート処理や反射防止処理、スティ
ッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とし
た処理等を施したものであってもよい。ハードコート処
理は、偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるも
のであり、例えばシリコーン系などの適宜な紫外線硬化
型樹脂による硬度や滑り性等に優れる硬化皮膜を透明保
護フィルムの表面に付加する方式などにて形成すること
ができる。
【0021】一方、反射防止処理は、偏光板表面での外
光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じ
た反射防止膜などの形成により達成することができる。
また、スティッキング防止は隣接層との密着防止を目的
に、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して
偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に
施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエン
ボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方
式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細
凹凸構造を付与することにより形成することができる。
【0022】前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が
0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジル
コニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸
化アンチモン等が挙げられ、導電性を有する無機系微粒
子を用いてもよく、また、架橋又は未架橋のポリマー粒
状物等からなる有機系微粒子などを用いることができ
る。透明微粒子の使用量は、透明樹脂100質量部あた
り2〜70質量部、特に5〜50質量部が一般的であ
る。
【0023】さらに、透明微粒子配合のアンチグレア層
は、透明保護層そのものとして、あるいは透明保護層表
面への塗工層などとして設けることができる。アンチグ
レア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するため
の拡散層(視角補償機能など)を兼ねるものであっても
よい。なお、上記した反射防止層やスティッキング防止
層、拡散層やアンチグレア層等は、それらの層を設けた
シートなどからなる光学層として透明保護層とは別体の
ものとして設けることもできる。
【0024】本発明の工程(C)では、偏光子と保護層
を貼り合わせた後に、温度40〜75℃、好ましくは5
0〜70℃で加熱処理を行う。加熱処理により、偏光子
と保護層を貼り合わせるために使用された接着剤をキュ
アリングし、接着性を高めることができ、また、偏光板
のアニール処理を行うこともできる。加熱処理温度が5
0℃未満では接着性を高めることが不充分となり、また
アニール処理も不充分となりやすい。70℃を越えると
偏光板の面内の透過率のバラツキが大きくなったり、偏
光板の色相が黄色くなる傾向がある。加熱処理は、上記
温度で、0.2〜2時間、好ましくは0.5〜1時間行
う。
【0025】また、本発明の製造方法においては、工程
(C)の加熱処理温度は、工程(B)の貼り合わせ温度
以上であることが必要である。工程(C)の温度が工程
(B)の温度未満では、工程(C)での接着性を高める
効果およびアニール効果が充分に発現できない。
【0026】さらに、本発明の製造方法においては、前
記の、工程(A)、工程(B)、工程(C)の温度が、
以下の関係を有することが好ましい。 工程(A)≦工程(B)≦工程(C) 工程(B)の温度が工程(A)の温度未満では、接着剤
の偏光子へのなじみが悪くなり、接着剤層が不均一とな
りやすい。
【0027】本発明においては、二色性物質含有のポリ
ビニルアルコール系偏光フィルム等からなる偏光子の片
側又は両側に、適宜の接着層、例えばビニルアルコール
系ポリマー等からなる接着層を介して保護層となる透明
保護フィルムを接着したのち、加熱処理を施すことによ
り偏光板を製造する。
【0028】本発明の偏光板は、前記の製造方法により
得られるものであって、光の単体透過率が42.0〜4
6.0%、偏光度が97.0%以上、好ましくは99.
0%以上である。かかる偏光板は、各工程を制限された
温度範囲内で行うため、白表示を白く、かつ直交状態
(黒表示)の黒を黒く表示することができる。
【0029】本発明の製造方法で得られた偏光板は、実
用に際して他の光学層と積層した光学部材として用いる
ことができる。その光学層については特に限定はない
が、例えば反射板や半透過反射板、位相差板(1/2波
長板、1/4波長板などのλ板も含む)、視角補償フィ
ルムや輝度向上フィルムなどの、液晶表示装置等の形成
に用いられることのある適宜な光学層の1層又は2層以
上を用いることができる。特に、前述した本発明の偏光
子と保護層からなる偏光板に、更に反射板または、半透
過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過反
射板型偏光板、前述した偏光子と保護層からなる偏光板
に、更に位相差板が積層されている楕円偏光板または円
偏光板、前述した偏光子と保護層からなる偏光板に、更
に視角補償フィルムが積層されている偏光板、あるい
は、前述した偏光子と保護層からなる偏光板に、更に輝
度向上フィルムが積層されている偏光板が好ましい。
【0030】また、偏光板は、偏光分離型偏光板の如
く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したも
のからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板
や半透過型偏光板と位相差板を組合せた反射型楕円偏光
板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。2層又は
3層以上の光学層を積層した光学部材は、液晶表示装置
等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成する
ことができるものであるが、予め積層して光学部材とし
たものは、品質の安定性や組立作業性等に優れて液晶表
示装置などの製造効率を向上させることができる利点が
ある。なお、積層には、粘着層等の適宜な接着手段を用
いることができる。
【0031】前述した偏光板や光学部材には、液晶セル
等の他部材と接着するための粘着層を設けることもでき
る。その粘着層は、アクリル系等の従来に準じた適宜な
粘着剤にて形成することができる。特に、吸湿による発
泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性
の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性
に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が
低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。ま
た、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層等とするこ
ともできる。粘着層は必要に応じて必要な面に設ければ
よく、例えば、偏光子と保護層からなる偏光板の保護層
について言及するならば、必要に応じて、保護層の片面
又は両面に粘着層を設ければよい。
【0032】偏光板や光学部材に設けた粘着層が表面に
露出する場合には、その粘着層を実用に供するまでの
間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーする
ことが好ましい。セパレータは、上記の透明保護フィル
ム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系
や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜
な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより形成
することができる。
【0033】なお、上記の偏光板や光学部材を形成する
偏光フィルムや透明保護フィルム、光学層や粘着層等の
各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフ
ェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノ
アクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外
線吸収剤で処理する方式等の適宜な方式により紫外線吸
収能を持たせたもの等であってもよい。
【0034】本発明の偏光板は、液晶表示装置等の各種
装置の形成などに用いることができ、特に、偏光板を液
晶セルの片側又は両側に配置してなる反射型や半透過型
の液晶表示装置に好ましく用いることができる。液晶表
示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜ト
ランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型
のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマ
チック型に代表される単純マトリクス駆動型のものなど
の適宜なタイプの液晶セルを用いたものであってよい。
【0035】また、液晶セルの両側に偏光板や光学部材
を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異
なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成
に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレ
イシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を
適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0036】
【実施例】(実施例1)重合度2400のポリビニルア
ルコール(PVA)フィルムを、染色浴(ヨウ素および
ヨウ化カリウム含有の水溶液)で染色しつつ、浴中で
2.2倍まで延伸し、その後、ほう酸およびヨウ化カリ
ウム含有の架橋浴にて、架橋処理を行いながら、初期か
らの延伸倍率が5.6倍になるように延伸した後、40
℃の乾燥機で10分間乾燥して偏光子を作製した。その
後、偏光子とトリアセチルセルロース(TAC)フィル
ムをポリビニルアルコール系接着剤を用いて45℃にて
ラミネートし、偏光板の構成にした後、60℃にて0.
5時間、接着剤のキュアリングおよび偏光板のアニール
処理を行った。
【0037】(実施例2)偏光子の乾燥温度を35℃、
ラミネート時の温度を40℃、接着剤のキュア温度およ
び偏光板のアニール温度を70℃にした以外は、実施例
1と同様にして偏光板を作製した
【0038】(比較例1)偏光子の乾燥温度を55℃、
ラミネート時の温度を40℃、接着剤のキュア温度およ
び偏光板のアニール温度を80℃にした以外は、実施例
1と同様にして偏光板を作製した。
【0039】(比較例2)偏光子の乾燥温度を40℃、
ラミネート時の温度を30℃、接着剤のキュア温度およ
び偏光板のアニール温度を85℃にした以外は、実施例
1と同様にして偏光板を作製した。
【0040】(比較例3)偏光子の乾燥温度を55℃、
ラミネート時の温度を40℃、接着剤のキュア温度およ
び偏光板のアニール温度を80℃、架橋浴のヨウ化カリ
ウム濃度を1/2に変更した以外は、実施例1と同様に
て偏光板を作製した。
【0041】実施例、比較例で作製された偏光板および
に市販の液晶モニターに使用されている偏光板につい
て、以下の方法で光学特性を評価した。その結果を表
1、表2に示す。
【0042】(単体透過率)偏光板1枚を、分光光度計
((株)村上色彩技術研究所製、CMS−500)を用
いて測定し、JlS Z 8701の2度視野(C光
源)により、視感度補正を行ったY値である。
【0043】(偏光度)2枚の同じ偏光板を偏光軸が平
行になるように重ね合わせた場合の透過率(H 0)と直
交に重ね合わせた場合の透過率(H90)を、上記の透過
率の測定方法に準じて測定し、以下の式から偏光度を求
めた。なお、平行の透過率(H0)と直交の透過率(H
90)は、視感度補正したY値である。
【0044】
【数1】
【0045】(ハンター色相b)2枚の同じ偏光板を偏
光軸が平行になるように重ね合わせた場合の色相と直交
に重ね合わせた場合のハンター色相bを、分光光度計
((株)村上色彩技術研究所製、CMS−500)によ
り求めた。
【0046】(白黒表示のコントラスト)市販の薄膜ト
ランジスタ(TFT:thin-film-transistor)型の液晶
モニターの両面の偏光板を剥がし、上記の偏光板を両面
に貼り合せ、黒表示と白表示にして以下の基準により目
視判定した。
【0047】 [表1] 単体透過率(%) 偏光度(%) 平行色相b(%) 直交色相b(%) 実施例1 43.0 99.98 3.2 −1.4 実施例2 43.1 99.98 3.8 −1.6 比較例1 43.1 99.98 6.1 −1.4 比較例2 43.0 99.98 6.5 −1.6 比較例3 43.0 99.36 3.2 −6.2市販品 43.1 99.96 7.0 −2.3
【0048】
【0049】表1、2から明らかなように、本発明の方
法で製造された偏光板(実施例1、2)は、偏光度が高
く偏光特性に優れているとともに、黒表示と白表示の双
方が良好なものである。一方、比較例1、2および市販
品は、偏光特性は良好であるが、ハンター色相bが大き
く白表示が不良である。比較例3はハンター色相bは小
さいが偏光特性に劣り、黒表示が不良である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の偏光板の
製造方法によると、偏光子の乾燥、偏光子と保護層の貼
り合わせおよび接着剤のキュア、偏光板のアニール処理
を特定の温度条件下で行うため、得られる偏光板の偏光
特性が良好であり、液晶モニター等の液晶表示装置に使
用した場合、白表示を白くかつ直交状態(黒表示)の黒
を黒く表示することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 洋一郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 済木 雄二 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 吉川 せんり 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 三原 尚史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BB33 BB43 BB51 BC01 BC03 BC22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)染色、架橋および延伸処理したポ
    リビニルアルコール系フィルムを乾燥して偏光子を得る
    工程、(B)該偏光子の片側または両側に保護層を貼り
    合わせる工程、(C)貼り合わせた後に加熱処理する工
    程、を含む偏光板の製造方法であって、工程(A)の乾
    燥温度が10〜50℃であり、工程(B)の貼り合わせ
    温度が20〜65℃であり、工程(C)の加熱処理温度
    が40〜75℃であり、かつ工程(C)の温度が工程
    (B)の温度以上であることを特徴とする偏光板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(A)、工程(B)、工程
    (C)の温度が、以下の関係を有することを特徴とする
    請求項1に記載の偏光板の製造方法。 工程(A)≦工程(B)≦工程(C)
  3. 【請求項3】 前記保護層がトリアセチルセルロースフ
    ィルムである請求項1又は2に記載の偏光板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より製造される、光の単体透過率42〜46%、偏光度
    97%以上である偏光板。
  5. 【請求項5】 光の単体透過率42〜46%、偏光度9
    9%以上である請求項4に記載の偏光板。
JP2000373339A 2000-12-07 2000-12-07 偏光板およびその製造方法 Pending JP2002174722A (ja)

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