JP2003084136A - 偏光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
偏光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装置Info
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- JP2003084136A JP2003084136A JP2001278715A JP2001278715A JP2003084136A JP 2003084136 A JP2003084136 A JP 2003084136A JP 2001278715 A JP2001278715 A JP 2001278715A JP 2001278715 A JP2001278715 A JP 2001278715A JP 2003084136 A JP2003084136 A JP 2003084136A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加熱による寸法変化を減少させ、液晶表示装
置に用いた場合の色ムラや色ヌケなどの不具合を抑制又
は解消した、反射フィルム又は半透過フィルム一体型偏
光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】 反射フィルム又は半透過フィルムと、偏
光子の両面又は片面に保護フィルムを貼り合わせてなる
偏光板とを積層一体化してなる偏光光学フィルムであっ
て、前記偏光子の80℃で30分加熱した時の単位幅当
たりの吸収軸方向の収縮力が、4.0N/cm以下であ
る偏光光学フィルムとする。
置に用いた場合の色ムラや色ヌケなどの不具合を抑制又
は解消した、反射フィルム又は半透過フィルム一体型偏
光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】 反射フィルム又は半透過フィルムと、偏
光子の両面又は片面に保護フィルムを貼り合わせてなる
偏光板とを積層一体化してなる偏光光学フィルムであっ
て、前記偏光子の80℃で30分加熱した時の単位幅当
たりの吸収軸方向の収縮力が、4.0N/cm以下であ
る偏光光学フィルムとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置等に
用いられる、色ムラや色ヌケを改善した反射フィルム又
は半透過フィルム一体型偏光光学フィルム及びそれを用
いた液晶表示装置に関する。
用いられる、色ムラや色ヌケを改善した反射フィルム又
は半透過フィルム一体型偏光光学フィルム及びそれを用
いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(以下、LCDと略称する
ことがある。)は、パソコン等に使用されており、近
年、急激にその需要が増加している。LCDの用途は広
がってきており、近年はモニター用途にも使用されるよ
うになってきている。
ことがある。)は、パソコン等に使用されており、近
年、急激にその需要が増加している。LCDの用途は広
がってきており、近年はモニター用途にも使用されるよ
うになってきている。
【0003】LCDに使用する偏光板は、例えば、ポリ
ビニルアルコール(以下、PVAと略称することがあ
る。)フィルムを、二色性を有するヨウ素又は二色性染
料で染色する染色工程、ホウ酸やホウ砂等で架橋する架
橋工程、及び一軸延伸する延伸工程の後に乾燥し、トリ
アセチルセルロース(以下、TACと略称することがあ
る。)フィルム等の保護層と貼り合わせて製造されてい
る。なお、染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必
要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も任
意でよい。
ビニルアルコール(以下、PVAと略称することがあ
る。)フィルムを、二色性を有するヨウ素又は二色性染
料で染色する染色工程、ホウ酸やホウ砂等で架橋する架
橋工程、及び一軸延伸する延伸工程の後に乾燥し、トリ
アセチルセルロース(以下、TACと略称することがあ
る。)フィルム等の保護層と貼り合わせて製造されてい
る。なお、染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必
要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も任
意でよい。
【0004】しかし、従来の偏光板は、温度や湿度の変
化に伴い伸縮するため、半透過フィルムまたは反射フィ
ルムと一体化した一体型偏光光学フィルムに使用した場
合、偏光ムラを起こしやすく、液晶表示装置に用いた場
合に画面内の色にムラが生じてしまうという問題があっ
た。特に、ホログラムフィルムのように柔軟な材料を反
射フィルムとして使用した場合には、偏光板の伸縮の影
響をより一層受けやすいため、偏光ムラが顕著に現れて
しまう。
化に伴い伸縮するため、半透過フィルムまたは反射フィ
ルムと一体化した一体型偏光光学フィルムに使用した場
合、偏光ムラを起こしやすく、液晶表示装置に用いた場
合に画面内の色にムラが生じてしまうという問題があっ
た。特に、ホログラムフィルムのように柔軟な材料を反
射フィルムとして使用した場合には、偏光板の伸縮の影
響をより一層受けやすいため、偏光ムラが顕著に現れて
しまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題を解決するため、加熱による寸法変化を減少させ、
液晶表示装置に用いた場合の色ムラや色ヌケなどの不具
合を抑制又は解消した、反射フィルム又は半透過フィル
ム一体型偏光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装
置を提供することを目的とする。
問題を解決するため、加熱による寸法変化を減少させ、
液晶表示装置に用いた場合の色ムラや色ヌケなどの不具
合を抑制又は解消した、反射フィルム又は半透過フィル
ム一体型偏光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記従来の問題を解決す
るため、鋭意検討した結果、偏光板を構成する偏光子と
して、80℃で30分加熱した時の単位幅当たりの吸収
軸方向の収縮力が4.0N/cm以下の偏光子を用いる
ことにより、温度や湿度の変化に伴う伸縮が少なく、こ
れを使用した反射フィルム又は半透過フィルム一体型偏
光光学フィルムを液晶表示装置に用いた場合に、画面内
の色ムラが低減されることを見出し、本発明を完成する
に至った。
るため、鋭意検討した結果、偏光板を構成する偏光子と
して、80℃で30分加熱した時の単位幅当たりの吸収
軸方向の収縮力が4.0N/cm以下の偏光子を用いる
ことにより、温度や湿度の変化に伴う伸縮が少なく、こ
れを使用した反射フィルム又は半透過フィルム一体型偏
光光学フィルムを液晶表示装置に用いた場合に、画面内
の色ムラが低減されることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明の偏光光学フィルムは、反射
フィルム又は半透過フィルムと、偏光子の両面又は片面
に保護フィルムを貼り合わせてなる偏光板とを積層一体
化してなる偏光光学フィルムであって、前記偏光子の8
0℃で30分加熱した時の単位幅当たりの吸収軸方向の
収縮力が、4.0N/cm以下であることを特徴とす
る。
フィルム又は半透過フィルムと、偏光子の両面又は片面
に保護フィルムを貼り合わせてなる偏光板とを積層一体
化してなる偏光光学フィルムであって、前記偏光子の8
0℃で30分加熱した時の単位幅当たりの吸収軸方向の
収縮力が、4.0N/cm以下であることを特徴とす
る。
【0008】前記偏光子は、ポリビニルアルコール系フ
ィルムを延伸することにより作製される偏光子であるこ
とが好ましい。
ィルムを延伸することにより作製される偏光子であるこ
とが好ましい。
【0009】また、前記偏光子の厚みは、18μm以下
であることが好ましい。
であることが好ましい。
【0010】また、偏光子の作製に用いられる前記ポリ
ビニルアルコール系フィルムは、厚みが60μm以下で
あることが好ましい。
ビニルアルコール系フィルムは、厚みが60μm以下で
あることが好ましい。
【0011】本発明の偏光光学フィルムにおいては、前
記半透過フィルム及び反射フィルムは、ホログラムフィ
ルムからなることが好ましい。
記半透過フィルム及び反射フィルムは、ホログラムフィ
ルムからなることが好ましい。
【0012】次に、本発明の液晶表示装置は、前記偏光
光学フィルムを液晶セルの少なくとも片側に配置したこ
とを特徴とする。
光学フィルムを液晶セルの少なくとも片側に配置したこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いる偏光子は、PVA
の延伸方法、架橋方法の調整により、前記偏光子を80
℃で30分加熱した後の、偏光子の吸収軸方向の収縮力
を4.0N/cm以下にすれば、加熱下での寸法変化を
抑制できる。前記収縮力は、3.7N/cm以下にする
ことが好ましい。収縮力が4.0N/cm以下の偏光子
を作成する方法は特に限定しないが、例えば、PVA
を水中で2m/分以下の低速で延伸する、水中でPV
Aを延伸した後に架橋剤による架橋を行う、PVAを
まず横延伸した後に縦にも延伸する、PVAを延伸し
た後に応力を緩和させる操作を1回以上行って延伸す
る、原材料として60μm以下の厚みのPVAを使用
する、延伸後加熱処理を行なう、上記〜等の方
法を用いて偏光子の厚さを18μm以下にする、などの
偏光子の内部応力を減少させる方法が考えられる。
の延伸方法、架橋方法の調整により、前記偏光子を80
℃で30分加熱した後の、偏光子の吸収軸方向の収縮力
を4.0N/cm以下にすれば、加熱下での寸法変化を
抑制できる。前記収縮力は、3.7N/cm以下にする
ことが好ましい。収縮力が4.0N/cm以下の偏光子
を作成する方法は特に限定しないが、例えば、PVA
を水中で2m/分以下の低速で延伸する、水中でPV
Aを延伸した後に架橋剤による架橋を行う、PVAを
まず横延伸した後に縦にも延伸する、PVAを延伸し
た後に応力を緩和させる操作を1回以上行って延伸す
る、原材料として60μm以下の厚みのPVAを使用
する、延伸後加熱処理を行なう、上記〜等の方
法を用いて偏光子の厚さを18μm以下にする、などの
偏光子の内部応力を減少させる方法が考えられる。
【0014】ただし、ここでいう収縮力とは、幅20m
m、長さ50mmの偏光子を80℃で加熱した時、加熱
し始めてから30分後に偏光子が持つ吸収軸方向に収縮
する力の大きさを単位幅当たりに換算した値のことであ
る。測定は、幅20mmの偏光子を、一方を固定し、も
う一方にはフォースゲージを付けた2つのチャックによ
りチャック間が50mm(吸収軸方向)となるように挟
み、80℃で30分間連続加熱した時にフォースゲージ
が示す値を読んで行う。
m、長さ50mmの偏光子を80℃で加熱した時、加熱
し始めてから30分後に偏光子が持つ吸収軸方向に収縮
する力の大きさを単位幅当たりに換算した値のことであ
る。測定は、幅20mmの偏光子を、一方を固定し、も
う一方にはフォースゲージを付けた2つのチャックによ
りチャック間が50mm(吸収軸方向)となるように挟
み、80℃で30分間連続加熱した時にフォースゲージ
が示す値を読んで行う。
【0015】本発明で用いる偏光板の基本的な構成は、
二色性物質含有のポリビニルアルコール系偏光フィルム
等からなる偏光子の片側又は両側に、適宜の接着層、例
えばビニルアルコール系ポリマー等からなる接着層を介
して保護層となる透明保護フィルムを接着したものから
なる。
二色性物質含有のポリビニルアルコール系偏光フィルム
等からなる偏光子の片側又は両側に、適宜の接着層、例
えばビニルアルコール系ポリマー等からなる接着層を介
して保護層となる透明保護フィルムを接着したものから
なる。
【0016】偏光子(偏光フィルム)としては、例えば
ポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルア
ルコールなどの従来に準じた適宜なビニルアルコール系
ポリマーよりなるフィルムにヨウ素や二色性染料等より
なる二色性物質による染色処理や延伸処理や架橋処理等
の適宜な処理を適宜な順序や方式で施してなり、自然光
を入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用いる
ことができる。特に、光透過率や偏光度に優れるものが
好ましい。
ポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルア
ルコールなどの従来に準じた適宜なビニルアルコール系
ポリマーよりなるフィルムにヨウ素や二色性染料等より
なる二色性物質による染色処理や延伸処理や架橋処理等
の適宜な処理を適宜な順序や方式で施してなり、自然光
を入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用いる
ことができる。特に、光透過率や偏光度に優れるものが
好ましい。
【0017】偏光子の厚さは、25μm以下、好ましく
は18μm以下であり、特に好ましくは3〜18μmで
ある。偏光子の厚さを前記の値以下にすることにより、
延伸、乾燥により偏光子に発生する残留応力が低減さ
れ、ストレスがかかった際の偏光子の収縮を押さえるこ
とができ、これにより保護フィルムに対する負荷も低減
され、偏光板全体としての収縮が押さえられる。こうし
て、偏光板の収縮変化が少なくなることにより、液晶パ
ネル実装時のパネル色相の変化が防止される。
は18μm以下であり、特に好ましくは3〜18μmで
ある。偏光子の厚さを前記の値以下にすることにより、
延伸、乾燥により偏光子に発生する残留応力が低減さ
れ、ストレスがかかった際の偏光子の収縮を押さえるこ
とができ、これにより保護フィルムに対する負荷も低減
され、偏光板全体としての収縮が押さえられる。こうし
て、偏光板の収縮変化が少なくなることにより、液晶パ
ネル実装時のパネル色相の変化が防止される。
【0018】前記のポリビニルアルコール系ポリマー
は、酢酸ビニルを重合した後にケン化したもののほか、
酢酸ビニルに少量の不飽和カルボン酸、不飽和スルホン
酸等の共重合可能なモノマーを共重合したものであって
もよい。使用するポリビニルアルコール系ポリマー平均
重合度は、フィルムの水への溶解度の点から、500〜
1万が好ましく、より好ましくは1000〜6000で
ある。また、平均ケン化度は、フィルムの水への溶解度
の点から、75モル%以上が好ましく、より好ましくは
98モル%以上である。
は、酢酸ビニルを重合した後にケン化したもののほか、
酢酸ビニルに少量の不飽和カルボン酸、不飽和スルホン
酸等の共重合可能なモノマーを共重合したものであって
もよい。使用するポリビニルアルコール系ポリマー平均
重合度は、フィルムの水への溶解度の点から、500〜
1万が好ましく、より好ましくは1000〜6000で
ある。また、平均ケン化度は、フィルムの水への溶解度
の点から、75モル%以上が好ましく、より好ましくは
98モル%以上である。
【0019】ポリビニルアルコール系フィルムは、上記
のポリビニルアルコール系ポリマーを、水又は有機溶媒
に溶解した原液を流延成膜する流延法、キャスト法、押
出法等、任意の方法で成膜されたものを適宜使用するこ
とができる。前記のフィルムの厚さは、75μm以下、
好ましくは60μm以下であり、より好ましくは20〜
60μmである。膜厚が60μmを越える場合は、作製
した偏光子を液晶表示装置に実装した場合、表示パネル
の色変化が大きくなり、一方、膜厚が20μm未満の場
合はフィルムの延伸が困難となるからである。
のポリビニルアルコール系ポリマーを、水又は有機溶媒
に溶解した原液を流延成膜する流延法、キャスト法、押
出法等、任意の方法で成膜されたものを適宜使用するこ
とができる。前記のフィルムの厚さは、75μm以下、
好ましくは60μm以下であり、より好ましくは20〜
60μmである。膜厚が60μmを越える場合は、作製
した偏光子を液晶表示装置に実装した場合、表示パネル
の色変化が大きくなり、一方、膜厚が20μm未満の場
合はフィルムの延伸が困難となるからである。
【0020】偏光子(偏光フィルム)の片側又は両側に
設ける透明保護層となる保護フィルム素材としては、適
宜な透明フィルムを用いることができる。中でも、透明
性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるポリ
マーからなるフィルム等が好ましく用いられる。そのポ
リマーの例としては、トリアセチルセルロースの如きア
セテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルス
ルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂等があげられる
が、これに限定されない。
設ける透明保護層となる保護フィルム素材としては、適
宜な透明フィルムを用いることができる。中でも、透明
性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるポリ
マーからなるフィルム等が好ましく用いられる。そのポ
リマーの例としては、トリアセチルセルロースの如きア
セテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルス
ルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂等があげられる
が、これに限定されない。
【0021】偏光特性や耐久性などの点より、特に好ま
しく用いられる透明保護フィルムは、表面をアルカリな
どでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムで
ある。なお、偏光フィルムの両側に透明保護フィルムを
設ける場合、その表裏で異なるポリマー等からなる透明
保護フィルムを用いてもよい。
しく用いられる透明保護フィルムは、表面をアルカリな
どでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムで
ある。なお、偏光フィルムの両側に透明保護フィルムを
設ける場合、その表裏で異なるポリマー等からなる透明
保護フィルムを用いてもよい。
【0022】保護層に用いられる透明保護フィルムは、
本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処理や反
射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチ
グレア等を目的とした処理などを施したものであっても
よい。ハードコート処理は、偏光板表面の傷付き防止な
どを目的に施されるものであり、例えばシリコーン系な
どの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り性等に優
れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式
などにて形成することができる。
本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処理や反
射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチ
グレア等を目的とした処理などを施したものであっても
よい。ハードコート処理は、偏光板表面の傷付き防止な
どを目的に施されるものであり、例えばシリコーン系な
どの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り性等に優
れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式
などにて形成することができる。
【0023】一方、反射防止処理は偏光板表面での外光
の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた
反射防止膜などの形成により達成することができる。ま
た、スティッキング防止は隣接層との密着防止を目的
に、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して
偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に
施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエン
ボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方
式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細
凹凸構造を付与することにより形成することができる。
の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた
反射防止膜などの形成により達成することができる。ま
た、スティッキング防止は隣接層との密着防止を目的
に、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して
偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に
施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエン
ボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方
式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細
凹凸構造を付与することにより形成することができる。
【0024】前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が
0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジル
コニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸
化アンチモン等が挙げられ、導電性を有する無機系微粒
子を用いてもよく、また、架橋又は未架橋のポリマー粒
状物等からなる有機系微粒子などを用いることができ
る。透明微粒子の使用量は、透明樹脂100質量部当た
り2〜70質量部、とくに5〜50質量部が一般的であ
る。
0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジル
コニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸
化アンチモン等が挙げられ、導電性を有する無機系微粒
子を用いてもよく、また、架橋又は未架橋のポリマー粒
状物等からなる有機系微粒子などを用いることができ
る。透明微粒子の使用量は、透明樹脂100質量部当た
り2〜70質量部、とくに5〜50質量部が一般的であ
る。
【0025】透明微粒子配合のアンチグレア層は、透明
保護層そのものとして、あるいは透明保護層表面への塗
工層などとして設けることができる。アンチグレア層
は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散
層(視角補償機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、上記した反射防止層やスティッキング防止層、拡
散層やアンチグレア層等は、それらの層を設けたシート
などからなる光学層として透明保護層とは別体のものと
して設けることもできる。
保護層そのものとして、あるいは透明保護層表面への塗
工層などとして設けることができる。アンチグレア層
は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散
層(視角補償機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、上記した反射防止層やスティッキング防止層、拡
散層やアンチグレア層等は、それらの層を設けたシート
などからなる光学層として透明保護層とは別体のものと
して設けることもできる。
【0026】本発明において偏光子(偏光フィルム)と
保護層である透明保護フィルムとの接着処理は、特に限
定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系
ポリマーからなる接着剤、あるいは、ホウ酸やホウ砂、
グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニル
アルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともな
る接着剤などを介して行うことができる。かかる接着層
は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その
水溶液の調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、
酸等の触媒も配合することができる。特に、PVA(偏
光子)との接着性が最も良好である点で、ポリビニルア
ルコールからなる接着剤を用いることが好ましい。接着
層の厚みは、特に限定されないが、本発明の目的を達成
するためには、0.02〜0.15μmであることが好
ましい。
保護層である透明保護フィルムとの接着処理は、特に限
定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系
ポリマーからなる接着剤、あるいは、ホウ酸やホウ砂、
グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニル
アルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともな
る接着剤などを介して行うことができる。かかる接着層
は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その
水溶液の調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、
酸等の触媒も配合することができる。特に、PVA(偏
光子)との接着性が最も良好である点で、ポリビニルア
ルコールからなる接着剤を用いることが好ましい。接着
層の厚みは、特に限定されないが、本発明の目的を達成
するためには、0.02〜0.15μmであることが好
ましい。
【0027】本発明による偏光光学フィルムは、上記の
偏光板と、反射フィルム又は半透過フィルムとを積層一
体化してなる、反射フィルム又は半透過フィルム一体型
偏光光学フィルムであり、反射フィルム又は半透過フィ
ルムは、通常偏光板の片面に貼付する。なお、積層に
は、粘着層等の適宜な接着手段を用いることができる。
偏光板と、反射フィルム又は半透過フィルムとを積層一
体化してなる、反射フィルム又は半透過フィルム一体型
偏光光学フィルムであり、反射フィルム又は半透過フィ
ルムは、通常偏光板の片面に貼付する。なお、積層に
は、粘着層等の適宜な接着手段を用いることができる。
【0028】反射フィルムと偏光板とを一体化した偏光
光学フィルム(反射型偏光板)は、通常液晶セルの裏側
に設けられ、視認側(表示側)からの入射光を反射させ
て表示するタイプの液晶表示装置などを形成でき、バッ
クライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄
型化を図りやすいなどの利点を有する。
光学フィルム(反射型偏光板)は、通常液晶セルの裏側
に設けられ、視認側(表示側)からの入射光を反射させ
て表示するタイプの液晶表示装置などを形成でき、バッ
クライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄
型化を図りやすいなどの利点を有する。
【0029】また、半透過フィルムと偏光板とを一体化
した偏光光学フィルム(半透過型偏光板)は、上記の反
射型偏光板において反射層で光を反射し、かつ透過する
ハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得
られる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設け
られ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用す
る場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させ
て画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過
型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト
等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表
示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板
は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用の
エネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても
内蔵光源を用して使用できるタイプの液晶表示装置など
の形成に有用である。
した偏光光学フィルム(半透過型偏光板)は、上記の反
射型偏光板において反射層で光を反射し、かつ透過する
ハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得
られる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設け
られ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用す
る場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させ
て画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過
型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト
等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表
示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板
は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用の
エネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても
内蔵光源を用して使用できるタイプの液晶表示装置など
の形成に有用である。
【0030】反射フィルム又は半透過フィルムとして
は、特に限定はないが、本発明の偏光光学フィルムは外
的応力に対して歪みを生じやすいホログラムフィルムを
用いた場合に特に有効である。ホログラムに関しては、
「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業
図書)第II編、「実践ホログラフィ技術」(鈴木正根
著、オプトロニクス社)に記載されている。
は、特に限定はないが、本発明の偏光光学フィルムは外
的応力に対して歪みを生じやすいホログラムフィルムを
用いた場合に特に有効である。ホログラムに関しては、
「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業
図書)第II編、「実践ホログラフィ技術」(鈴木正根
著、オプトロニクス社)に記載されている。
【0031】前記ホログラムフィルムとしては、特に限
定はなく、本発明の偏光光学フィルムの目的を達成しう
るものであれば、従来公知のものを適宜使用できる。例
えば、一軸性ポリエステルフィルム等の透明基材の片面
に、銀塩乳剤感光材料、重クロム酸ゼラチン、感光性樹
脂等を塗布し、公知のホログラフィック技術によりホロ
グラム層を形成することにより得られる。従って、偏光
板の透明保護フィルムを、ホログラムフィルム基材とし
て用いることもできる。
定はなく、本発明の偏光光学フィルムの目的を達成しう
るものであれば、従来公知のものを適宜使用できる。例
えば、一軸性ポリエステルフィルム等の透明基材の片面
に、銀塩乳剤感光材料、重クロム酸ゼラチン、感光性樹
脂等を塗布し、公知のホログラフィック技術によりホロ
グラム層を形成することにより得られる。従って、偏光
板の透明保護フィルムを、ホログラムフィルム基材とし
て用いることもできる。
【0032】本発明による偏光光学フィルムは、実用に
際して他の光学層と積層した光学部材として用いること
ができる。その光学層については特に限定はないが、例
えば位相差板(1/2波長板、1/4波長板などのλ板
も含む)、視角補償フィルムや輝度向上フィルムなど
の、液晶表示装置等の形成に用いられことのある適宜な
光学層の1層又は2層以上を用いることができ、特に、
前述した本発明の偏光光学フィルムに更に位相差板が積
層されている光学部材、前述した本発明の偏光光学フィ
ルムに更に視角補償フィルムが積層されている光学部
材、あるいは、前述した本発明の偏光光学フィルムに更
に輝度向上フィルムが積層されている光学部材が好まし
い。
際して他の光学層と積層した光学部材として用いること
ができる。その光学層については特に限定はないが、例
えば位相差板(1/2波長板、1/4波長板などのλ板
も含む)、視角補償フィルムや輝度向上フィルムなど
の、液晶表示装置等の形成に用いられことのある適宜な
光学層の1層又は2層以上を用いることができ、特に、
前述した本発明の偏光光学フィルムに更に位相差板が積
層されている光学部材、前述した本発明の偏光光学フィ
ルムに更に視角補償フィルムが積層されている光学部
材、あるいは、前述した本発明の偏光光学フィルムに更
に輝度向上フィルムが積層されている光学部材が好まし
い。
【0033】次に、前述した本発明の偏光光学フィルム
に、更に位相差板が積層されている光学部材について説
明する。
に、更に位相差板が積層されている光学部材について説
明する。
【0034】直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えた
り、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、ある
いは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板など
が用いられ、特に、直線偏光を楕円偏光または円偏光に
変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変える位
相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも
言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言
う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用い
られる。
り、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、ある
いは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板など
が用いられ、特に、直線偏光を楕円偏光または円偏光に
変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変える位
相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも
言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言
う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用い
られる。
【0035】楕円偏光板は、スーパーツイストネマチッ
ク(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折によって
生じた着色(青又は黄)を補償して、前記着色のない白
黒表示にする場合などに有効に用いられる。更に、3次
元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜
め方向 から見た際に生じる着色も補償(防止)するこ
とができ好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表
示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合
などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有す
る。
ク(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折によって
生じた着色(青又は黄)を補償して、前記着色のない白
黒表示にする場合などに有効に用いられる。更に、3次
元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜
め方向 から見た際に生じる着色も補償(防止)するこ
とができ好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表
示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合
などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有す
る。
【0036】前記位相差板の具体例としては、ポリカー
ボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレンやポリ
メチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリ
オレフィン、ポリアリレートやポリアミドの如き適宜な
ポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性
フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマー
の配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられ
る。また、傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマー
フィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその
収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及
び収縮処理したものや液晶ポリマーを斜め配向させたも
のなどが挙げられる。
ボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレンやポリ
メチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリ
オレフィン、ポリアリレートやポリアミドの如き適宜な
ポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性
フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマー
の配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられ
る。また、傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマー
フィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその
収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及
び収縮処理したものや液晶ポリマーを斜め配向させたも
のなどが挙げられる。
【0037】次に、前述した本発明の偏光光学フィルム
に、更に視角補償フィルムが積層されている光学部材に
ついて説明する。
に、更に視角補償フィルムが積層されている光学部材に
ついて説明する。
【0038】視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面
を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合で
も、画像が比較的鮮明に見えるように視角を広げるため
のフィルムである。
を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合で
も、画像が比較的鮮明に見えるように視角を広げるため
のフィルムである。
【0039】このような視角補償フィルムとしては、ト
リアセチルセルロースフィルムなどにディスコティック
液晶を塗工したものや、位相差板が用いられる。通常の
位相差板には、その面方向に一軸に延伸された複屈折を
有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補
償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二
軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、
面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方
向の屈折率を制御した傾斜配向ポリマーフィルムのよう
な2方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィ
ルムとしては、前述したように、例えばポリマーフィル
ムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその収縮力
の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮
処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものな
どが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の
位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ
る。
リアセチルセルロースフィルムなどにディスコティック
液晶を塗工したものや、位相差板が用いられる。通常の
位相差板には、その面方向に一軸に延伸された複屈折を
有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補
償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二
軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、
面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方
向の屈折率を制御した傾斜配向ポリマーフィルムのよう
な2方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィ
ルムとしては、前述したように、例えばポリマーフィル
ムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその収縮力
の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮
処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものな
どが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の
位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ
る。
【0040】前述した本発明の偏光光学フィルムに、輝
度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セル
の裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィル
ムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反
射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光
又は所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性
を示すもので、輝度向上フィルムを前述した偏光光学フ
ィルムと積層した偏光板は、バックライト等の光源から
の光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、
前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。こ
の輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に
設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上板に再入
射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透
過させて輝度向上フイルムを透過する光の増量を図ると
共に、偏光子に吸収されにくい偏光を供給して液晶画像
表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を
向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルム
を使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から
偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸
に一致していない偏光方向を有する光はほとんど偏光子
に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわ
ち、用いた偏光子の特性にもよっても異なるが、およそ
50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶
画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くな
る。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏
光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィ
ルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射
層等を介して反転させて輝度向上板に再入射させること
を繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光
方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光
のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給す
るので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置
の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができ
るのである。
度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セル
の裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィル
ムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反
射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光
又は所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性
を示すもので、輝度向上フィルムを前述した偏光光学フ
ィルムと積層した偏光板は、バックライト等の光源から
の光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、
前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。こ
の輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に
設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上板に再入
射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透
過させて輝度向上フイルムを透過する光の増量を図ると
共に、偏光子に吸収されにくい偏光を供給して液晶画像
表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を
向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルム
を使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から
偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸
に一致していない偏光方向を有する光はほとんど偏光子
に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわ
ち、用いた偏光子の特性にもよっても異なるが、およそ
50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶
画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くな
る。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏
光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィ
ルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射
層等を介して反転させて輝度向上板に再入射させること
を繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光
方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光
のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給す
るので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置
の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができ
るのである。
【0041】前記の輝度向上フィルムとしては、例えば
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、(3M社製「D−
BEF」等)コレステリック液晶層、特にコレステリッ
ク液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィ
ルム基材上に支持したもの(日東電工社製「PCF35
0」,Merck社製「Transmax」)の如き、
左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他
の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用い
ることができる。
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、(3M社製「D−
BEF」等)コレステリック液晶層、特にコレステリッ
ク液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィ
ルム基材上に支持したもの(日東電工社製「PCF35
0」,Merck社製「Transmax」)の如き、
左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他
の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用い
ることができる。
【0042】従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を
透過するタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光を
そのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより
偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させる
ことができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏
光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま
偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制す
る点よりはその透過円偏光を位相差板を介し直線偏光化
して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位
相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光
を直線偏光に変換することができる。
透過するタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光を
そのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより
偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させる
ことができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏
光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま
偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制す
る点よりはその透過円偏光を位相差板を介し直線偏光化
して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位
相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光
を直線偏光に変換することができる。
【0043】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光
等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差
層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長
板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより
得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルム
の間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差
層からなるものであってよい。
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光
等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差
層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長
板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより
得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルム
の間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差
層からなるものであってよい。
【0044】なお、コレステリック液晶層についても、
反射波長が相違するものの組合せにして2層又は3層以
上重畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広
い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、
それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることが
できる。
反射波長が相違するものの組合せにして2層又は3層以
上重畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広
い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、
それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることが
できる。
【0045】また、本発明の偏光光学フィルムは、偏光
光学フィルムと2層又は3層以上の光学層とを積層した
ものからなっていてもよい。2層又は3層以上の光学層
を積層した光学部材は、液晶表示装置等の製造過程で順
次別個に積層する方式にても形成しうるものであるが、
予め積層して光学部材としたものは、品質の安定性や組
立作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上
させうる利点がある。なお、積層には、粘着層等の適宜
な接着手段を用いることができる。
光学フィルムと2層又は3層以上の光学層とを積層した
ものからなっていてもよい。2層又は3層以上の光学層
を積層した光学部材は、液晶表示装置等の製造過程で順
次別個に積層する方式にても形成しうるものであるが、
予め積層して光学部材としたものは、品質の安定性や組
立作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上
させうる利点がある。なお、積層には、粘着層等の適宜
な接着手段を用いることができる。
【0046】本発明による偏光板や光学部材には、液晶
セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることも
できる。その粘着層は、アクリル系等の従来に準じた適
宜な粘着剤にて形成することができる。特に、吸湿によ
る発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学
特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐
久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿
率が低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好まし
い。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層など
とすることもできる。粘着層は必要に応じて必要な面に
設ければよい。
セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることも
できる。その粘着層は、アクリル系等の従来に準じた適
宜な粘着剤にて形成することができる。特に、吸湿によ
る発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学
特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐
久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿
率が低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好まし
い。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層など
とすることもできる。粘着層は必要に応じて必要な面に
設ければよい。
【0047】偏光板や光学部材に設けた粘着層が表面に
露出する場合には、その粘着層を実用に供するまでの
間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーする
ことが好ましい。セパレータは、上記の透明保護フィル
ム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系
や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜
な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより形成
することができる。
露出する場合には、その粘着層を実用に供するまでの
間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーする
ことが好ましい。セパレータは、上記の透明保護フィル
ム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系
や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜
な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより形成
することができる。
【0048】なお、上記の偏光板、偏光光学フィルム、
光学部材を形成する偏光フィルムや透明保護フィルム、
光学層や粘着層などの各層は、例えばサリチル酸エステ
ル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ
ール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル
錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの適
宜な方式により紫外線吸収能を持たせたものなどであっ
てもよい。
光学部材を形成する偏光フィルムや透明保護フィルム、
光学層や粘着層などの各層は、例えばサリチル酸エステ
ル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ
ール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル
錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの適
宜な方式により紫外線吸収能を持たせたものなどであっ
てもよい。
【0049】本発明において、粘着層の形成に用いる粘
着剤は、特に限定はなく、例えば、アクリル系、シリコ
ーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテ
ル系、ゴム系等の適宜なものを用いることができる。吸
湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等によ
る光学特性の低下や液晶セルの反り防止の観点から、吸
湿率が低くて耐熱性に優れるアクリル系粘着剤が好まし
い。これにより、高品質で耐久性に優れる液晶表示装置
を形成することができる。また、微粒子を含有して光拡
散性を示す粘着層などとすることもできる。
着剤は、特に限定はなく、例えば、アクリル系、シリコ
ーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテ
ル系、ゴム系等の適宜なものを用いることができる。吸
湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等によ
る光学特性の低下や液晶セルの反り防止の観点から、吸
湿率が低くて耐熱性に優れるアクリル系粘着剤が好まし
い。これにより、高品質で耐久性に優れる液晶表示装置
を形成することができる。また、微粒子を含有して光拡
散性を示す粘着層などとすることもできる。
【0050】本発明による偏光光学フィルムは、液晶表
示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることが
できる。液晶表示装置は、本発明による偏光光学フィル
ムを液晶セルの片側又は両側に配置してなる透過型や反
射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適宜
な構造を有するものとして形成することができる。従っ
て、液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例
えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリ
クス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツ
イストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型
のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであ
ってよい。
示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることが
できる。液晶表示装置は、本発明による偏光光学フィル
ムを液晶セルの片側又は両側に配置してなる透過型や反
射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適宜
な構造を有するものとして形成することができる。従っ
て、液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例
えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリ
クス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツ
イストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型
のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであ
ってよい。
【0051】また、液晶セルの両側に偏光板や光学部材
を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異
なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成
に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレ
イシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を
適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異
なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成
に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレ
イシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を
適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさ
らに具体的に説明する。
らに具体的に説明する。
【0053】(製造例1)平均重合度1700のPVA
粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整した
水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50℃、
2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を行
い、厚さ40μmのPVAフィルムを得た。得られたフ
ィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ
化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬し
て2倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が3倍になるように延伸し、30
℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚
さ13μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨウ素
(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過率が
44%になるようにヨウ素濃度0.35質量%とした。
粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整した
水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50℃、
2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を行
い、厚さ40μmのPVAフィルムを得た。得られたフ
ィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ
化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬し
て2倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が3倍になるように延伸し、30
℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚
さ13μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨウ素
(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過率が
44%になるようにヨウ素濃度0.35質量%とした。
【0054】(製造例2)平均重合度1700のPVA
粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整した
水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50℃、
2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を行
い、厚さ55μmのPVAフィルムを得た。得られたフ
ィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ
化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬し
て2倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が3倍になるように延伸し、30
℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚
さ18μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨウ素
(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過率が
44%になるようにヨウ素濃度0.33質量%とした。
粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整した
水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50℃、
2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を行
い、厚さ55μmのPVAフィルムを得た。得られたフ
ィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ
化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬し
て2倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が3倍になるように延伸し、30
℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚
さ18μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨウ素
(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過率が
44%になるようにヨウ素濃度0.33質量%とした。
【0055】(製造例3)実施例1で得た厚さ40μm
のPVAフィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、3
0℃のヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水
溶液に浸漬し3倍に延伸した。次いで、50℃の4質量
%ホウ酸水溶液中で、総延伸倍率が5.5倍になるよう
に延伸し、30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4
分間乾燥し、厚さ9μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウ
ム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液の濃度は偏光子の
透過率が44%になるようにヨウ素濃度0.37質量%
とした。
のPVAフィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、3
0℃のヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水
溶液に浸漬し3倍に延伸した。次いで、50℃の4質量
%ホウ酸水溶液中で、総延伸倍率が5.5倍になるよう
に延伸し、30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4
分間乾燥し、厚さ9μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウ
ム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液の濃度は偏光子の
透過率が44%になるようにヨウ素濃度0.37質量%
とした。
【0056】(比較製造例1)平均重合度1700のP
VA粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整
した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50
℃、2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を
行い、厚さ75μmのPVAフィルムを得た。得られた
フィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨ
ウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬
し2倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が3倍になるように延伸し、30
℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚
さ31μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨウ素
(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過率が
44%になるようにヨウ素濃度0.27wt%とした。
VA粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整
した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50
℃、2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を
行い、厚さ75μmのPVAフィルムを得た。得られた
フィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨ
ウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬
し2倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が3倍になるように延伸し、30
℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚
さ31μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨウ素
(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過率が
44%になるようにヨウ素濃度0.27wt%とした。
【0057】(比較製造例2)平均重合度1700のP
VA粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整
した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50
℃、2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を
行い、厚さ75μmのPVAフィルムを得た。得られた
フィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨ
ウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬
し3倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が5.5倍になるように延伸し、
30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥
し、厚さ26μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨ
ウ素(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過
率が44%になるようにヨウ素濃度0.27質量%とし
た。
VA粉体を純水に溶解し、10質量%になるように調整
した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して50
℃、2時間乾燥した後、さらに130℃、30分乾燥を
行い、厚さ75μmのPVAフィルムを得た。得られた
フィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨ
ウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)水溶液に浸漬
し3倍に延伸した。次いで、50℃の4質量%ホウ酸水
溶液中で、総延伸倍率が5.5倍になるように延伸し、
30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥
し、厚さ26μmの偏光子を得た。ヨウ化カリウム/ヨ
ウ素(質量比10:1)水溶液の濃度は、偏光子の透過
率が44%になるようにヨウ素濃度0.27質量%とし
た。
【0058】(収縮力測定)まず、上記製造例1〜3、
比較製造例1及び2で得た偏光子の、80℃で30分加
熱したときの単位幅当たりの吸収軸方向の収縮力を測定
した。すなわち、上記偏光子を延伸した方向を長て方向
になるように長さ70mm、幅20mmに切断し、一方
を固定し、もう一方にはフォースゲージを付けた2つの
チャックによりチャック間が50mmとなるようにはさ
み、80℃で30分間連続加熱した時にフォースゲージ
が示す値を読んで行った。
比較製造例1及び2で得た偏光子の、80℃で30分加
熱したときの単位幅当たりの吸収軸方向の収縮力を測定
した。すなわち、上記偏光子を延伸した方向を長て方向
になるように長さ70mm、幅20mmに切断し、一方
を固定し、もう一方にはフォースゲージを付けた2つの
チャックによりチャック間が50mmとなるようにはさ
み、80℃で30分間連続加熱した時にフォースゲージ
が示す値を読んで行った。
【0059】(実施例1〜3、比較例1〜2)上記製造
例1〜3、比較製造例1及び2で得た偏光子の両側に、
弾性率が3.43GPaのトリアセチルセルロールフイ
ルムを、PVA系接着剤を用いて貼り合わせ偏光板を作
製した。この偏光板にホログラム半透過フィルム(デュ
ポン株式会社製、商品名:オムニデックス)を、アクリ
ル酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部からなる厚
み25μmのアクリル系粘着剤を用いて貼り合わせ、半
透過フィルム一体型偏光光学フィルムを作製した。
例1〜3、比較製造例1及び2で得た偏光子の両側に、
弾性率が3.43GPaのトリアセチルセルロールフイ
ルムを、PVA系接着剤を用いて貼り合わせ偏光板を作
製した。この偏光板にホログラム半透過フィルム(デュ
ポン株式会社製、商品名:オムニデックス)を、アクリ
ル酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部からなる厚
み25μmのアクリル系粘着剤を用いて貼り合わせ、半
透過フィルム一体型偏光光学フィルムを作製した。
【0060】(評価)色ムラ、色ヌケの評価として、ま
ず上記の方法で作製した偏光板および半透過フィルム一
体型偏光光学フィルムを、吸収軸方向が45°となるよ
うに縦300mm、横200mmの長方形に切り出し
た。この切り出した偏光板をガラス板の片面にアクリル
酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部からなる厚み
25μmのアクリル系粘着剤を用いて貼り合わせ、反対
面には同様に切り出した半透過フィルム一体型偏光光学
フィルムを貼り合わせた。このとき、両面の偏光板の吸
収軸方向はクロスニコルとなるように貼り合わせた。こ
れを70℃で48時間加熱した後の色ムラの様子を目視
で確認した。評価は色ムラの少ないものを○、多いもの
を×、その中間のものを△としてランク付けを行った。
ず上記の方法で作製した偏光板および半透過フィルム一
体型偏光光学フィルムを、吸収軸方向が45°となるよ
うに縦300mm、横200mmの長方形に切り出し
た。この切り出した偏光板をガラス板の片面にアクリル
酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部からなる厚み
25μmのアクリル系粘着剤を用いて貼り合わせ、反対
面には同様に切り出した半透過フィルム一体型偏光光学
フィルムを貼り合わせた。このとき、両面の偏光板の吸
収軸方向はクロスニコルとなるように貼り合わせた。こ
れを70℃で48時間加熱した後の色ムラの様子を目視
で確認した。評価は色ムラの少ないものを○、多いもの
を×、その中間のものを△としてランク付けを行った。
【0061】また、上記半透過フィルム一体型偏光光学
フィルムを70℃で48時間加熱した後の寸法変化を測
定し、延伸軸方向の寸法変化率(%)を算出した。
フィルムを70℃で48時間加熱した後の寸法変化を測
定し、延伸軸方向の寸法変化率(%)を算出した。
【0062】以上の結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
80℃、30分加 70℃、48時間加熱後の 70℃、48時間加熱後
熱後の収縮力 延伸軸方向の寸法変化率 の色ムラ、色ヌケ (N/cm) (%)
実施例1 1.5 −0.11 ○
実施例2 2.6 −0.16 ○
実施例3 3.5 −0.24 ○
比較例1 5.7 −0.29 △比較例2 11.0 −0.35 ×
表1から明らかなように、偏光子の収縮力が4.0N/
cm以下の本発明の実施例1〜3は、比較例1及び2に
比べて寸法変化率及び色ムラ、色ヌケともに少ないこと
が分かる。また、延伸前のPVAフィルムの厚みを60
μm以下とし、偏光子の厚みを18μm以下とした本発
明の実施例1〜3は同様の効果があることが分かる。
cm以下の本発明の実施例1〜3は、比較例1及び2に
比べて寸法変化率及び色ムラ、色ヌケともに少ないこと
が分かる。また、延伸前のPVAフィルムの厚みを60
μm以下とし、偏光子の厚みを18μm以下とした本発
明の実施例1〜3は同様の効果があることが分かる。
【0064】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の半透過フィ
ルムまたは反射フィルム一体型偏光偏光光学フィルムに
おいて、使用する偏光子の80℃で30分加熱した時の
単位幅当たりの収縮カを4.0N/cm以下にすること
により、寸法変化の少ない反射フィルム又は半透過フィ
ルム一体型偏光光学フィルムを提供することができると
ともに、色ムラや色ヌケのない液晶表示装置を提供する
ことができ、その工業的価値は大である。
ルムまたは反射フィルム一体型偏光偏光光学フィルムに
おいて、使用する偏光子の80℃で30分加熱した時の
単位幅当たりの収縮カを4.0N/cm以下にすること
により、寸法変化の少ない反射フィルム又は半透過フィ
ルム一体型偏光光学フィルムを提供することができると
ともに、色ムラや色ヌケのない液晶表示装置を提供する
ことができ、その工業的価値は大である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 済木 雄二
大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東
電工株式会社内
Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA26 BA27 BA42
BB03 BB33 BB43 BB51 BB63
BC03 BC22 CA05 CA09 CA15
CA22
2H091 FA08 FA19 FB03 FD07 FD10
FD12 GA07 GA16 KA10 LA04
LA11 LA12 LA13 LA16
4F071 AA29 BB02 BB07 BC01 BC10
BC17
Claims (6)
- 【請求項1】 反射フィルム又は半透過フィルムと、偏
光子の両面又は片面に保護フィルムを貼り合わせてなる
偏光板とを積層一体化してなる偏光光学フィルムであっ
て、前記偏光子の80℃で30分加熱した時の単位幅当
たりの吸収軸方向の収縮力が、4.0N/cm以下であ
ることを特徴とする偏光光学フィルム。 - 【請求項2】 前記偏光子が、ポリビニルアルコール系
フィルムを延伸することにより作製される請求項1に記
載の偏光光学フィルム。 - 【請求項3】 前記偏光子の厚みが、18μm以下であ
る請求項1又は2に記載の偏光光学フィルム。 - 【請求項4】 前記ポリビニルアルコール系フィルム
は、厚みが60μm以下である請求項2に記載の偏光光
学フィルム。 - 【請求項5】 前記半透過フィルム及び反射フィルム
が、ホログラムフィルムからなる請求項1〜4のいずれ
かに記載の偏光光学フィルム。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の偏光光
学フィルムを液晶セルの少なくとも片側に配置したこと
を特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001278715A JP2003084136A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 偏光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001278715A JP2003084136A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 偏光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003084136A true JP2003084136A (ja) | 2003-03-19 |
Family
ID=19103038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001278715A Pending JP2003084136A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 偏光光学フィルム及びそれを用いた液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003084136A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012078780A (ja) * | 2010-09-09 | 2012-04-19 | Nitto Denko Corp | 薄型偏光膜の製造方法 |
KR20140143452A (ko) | 2012-06-11 | 2014-12-16 | 후지필름 가부시키가이샤 | 액정 표시 장치 |
KR20150055013A (ko) | 2012-10-12 | 2015-05-20 | 후지필름 가부시키가이샤 | 액정 표시 장치 |
JP2016173581A (ja) * | 2016-04-25 | 2016-09-29 | 住友化学株式会社 | 偏光板 |
JP2016224469A (ja) * | 2010-09-03 | 2016-12-28 | 日東電工株式会社 | 薄型偏光膜 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11295528A (ja) * | 1998-04-14 | 1999-10-29 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 偏光フィルム及びその製造方法 |
JP2000338329A (ja) * | 1999-06-01 | 2000-12-08 | Sanritsutsu:Kk | 偏光板及びその製造方法 |
JP2001215334A (ja) * | 2000-02-04 | 2001-08-10 | Toppan Printing Co Ltd | ホログラム反射板とそれを用いた液晶表示装置 |
-
2001
- 2001-09-13 JP JP2001278715A patent/JP2003084136A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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US9310642B2 (en) | 2012-06-11 | 2016-04-12 | Fujifilm Corporation | Liquid crystal display |
KR101628597B1 (ko) | 2012-06-11 | 2016-06-08 | 후지필름 가부시키가이샤 | 액정 표시 장치 |
KR20150055013A (ko) | 2012-10-12 | 2015-05-20 | 후지필름 가부시키가이샤 | 액정 표시 장치 |
US9946110B2 (en) | 2012-10-12 | 2018-04-17 | Fujifilm Corporation | Liquid crystal display |
JP2016173581A (ja) * | 2016-04-25 | 2016-09-29 | 住友化学株式会社 | 偏光板 |
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---|---|---|---|
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