JP4622765B2 - 複合位相差板及び複合光学部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄型軽量性や視野角特性に優れ、モバイル用途の液晶表示装置などの形成に好適に用いられる複合位相差板の製造方法に関するものである。本発明はまた、この複合位相差板にさらに他の光学層を積層して複合光学部材を製造する方法にも関係している。
近年、消費電力が少なく、低電圧で駆動し、軽量でかつ薄型の液晶表示装置(LCD)が、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ用のモニター、テレビなど、情報用表示デバイスとして急速に普及してきている。液晶技術の進展に伴い、さまざまなモードの液晶表示装置が提案されて、応答速度やコントラスト、狭視野角といった液晶表示装置の問題点が解消されつつある。しかしながら、依然として、陰極線管(CRT)に比べて視野角が狭いことが指摘され、視野角拡大のための各種試みがなされている。
このような視野角特性を改良する液晶表示方式の一つとして、例えば特許第 2548979号公報(特許文献1)に開示されているような、垂直配向モードのネマチック型液晶表示装置(VA−LCD)が開発されている。かかる垂直配向モードは、非駆動状態においては液晶分子が基板に対して垂直に配向するため、光は偏光の変化を伴わずに液晶層を通過する。このため、液晶パネルの上下に互いに偏光軸が直交するように直線偏光板を配置することで、正面から見た場合にほぼ完全な黒表示を得ることができ、高いコントラスト比を与えるものとなる。
しかしながら、このような液晶セルに偏光板のみを備えた垂直配向モードの液晶表示装置では、それを斜めから見た場合に、配置された偏光板の軸角度が90°からずれてしまうことと、セル内の棒状の液晶分子が複屈折を発現することに起因して、光漏れが生じ、コントラスト比が著しく低下してしまう。
かかる光漏れを解消するためには、液晶セルと直線偏光板との間に光学補償フィルムを配置する必要があり、従来は、二軸性の位相差板を液晶セルと上下の偏光板の間にそれぞれ1枚づつ配置する仕様や、一軸性の位相差板と完全二軸性の位相差板を、それぞれ1枚ずつ液晶セルの上下に、又は2枚とも液晶セルの片側に配置する仕様が採用されてきた。例えば、特開 2001-109009号公報(特許文献2)には、垂直配向モードの液晶表示装置において、上下偏光板と液晶セルの間に、それぞれa−プレート(すなわち、正の一軸性の位相差板)及びc−プレート(すなわち、完全二軸性の位相差板)を配置することが記載されている。
正の一軸性位相差板とは、面内の位相差値R0 と厚み方向の位相差値R′との比 R0/R′が概ね2のフィルムであり、また完全二軸性の位相差板とは、面内の位相差値R0 がほぼ0のフィルムである。ここで、フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx 、フィルムの面内進相軸方向(遅相軸方向と直交する方向)の屈折率をny 、フィルムの厚み方向の屈折率をnz、そしてフィルムの厚みをdとしたとき、面内の位相差値R0及び厚み方向の位相差値R′は、それぞれ下式(I)及び(II)で定義される。
0 =(nx−ny)×d (I)
R′=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)
正の一軸性フィルムではnz≒ny となるため、R0/R′≒2となる。一軸性のフィルムであっても、 R0/R′は延伸条件の変動により、1.8〜2.2程度の間で変化する。完全二軸性のフィルムではnx≒ny となるため、R0≒0となる。完全二軸性のフィルムは、厚み方向の屈折率のみが異なる(小さい)ものであることから、負の一軸性を有し、光学軸が法線方向にあるフィルムとも呼ばれ、また前述のとおり、c−プレートと呼ばれることもある。二軸性のフィルムは、nx>ny>nz となる。
上記のような目的で用いられる完全二軸性の位相差板として、特開平 10-104428号公報(=USP 6,060,183 ;特許文献3)には、有機溶媒に分散可能な有機修飾粘土複合体を含む層で位相差板を形成することが記載されている。このコーティング層からなる位相差板を所定の形態で偏光板に積層した複合偏光板は、その構成が簡略化され、液晶表示装置に適用した場合に、優れた視野角特性と簡略さを兼ね備えたものとなる。また、特開 2004-4150号公報(=US 2003/0219549 A1;特許文献4)には、フィルム面内に配向性を有する透明樹脂フィルム基板に屈折率異方性を有するコート層を積層してなり、全体として二軸配向性を示す積層位相差板が記載されている。さらに、特開 2005-70096 号公報(特許文献5)には、離型フィルム上にコーティング層からなる位相差板を形成した後、そのコーティング層を面内に配向している透明樹脂フィルム又は偏光子に積層し、次いで、偏光子/透明樹脂フィルム/コーティング層の順、又は偏光子/コーティング層/透明樹脂フィルムの順となるように積層することにより、位相差板一体型偏光板を製造することが記載されている。
特許第2548979号公報 特開2001−109009号公報(請求項15及び段落0036) 特開平10−104428号公報(=USP 6,060,183) 特開2004−4150号公報(=US 2003/0219549 A1) 特開2005−70096号公報(請求項9)
ところで、面内に配向した樹脂フィルムからなる位相差板に、有機修飾粘土複合体を含むコーティング層で形成された位相差板を積層して複合位相差板とし、さらに偏光板を含む光学層に積層した複合光学部材を液晶表示装置に適用した場合には、そのコーティング層からなる位相差板に由来して、偏光解消を生じ、コントラスト比を低下させることがあった。さらには、このような複合位相差板又は複合光学部材を、そのコーティング層からなる位相差板側で、粘着剤を介して液晶表示装置のセルガラスに貼合した場合に、そのコーティング層からなる位相差板に由来して、液晶セルガラスとの粘着力が経時的に低下することがあった。
本発明者らは、このような問題を解決するために鋭意研究を行った結果、コーティング層からなる位相差板を製造する際に用いる有機修飾粘土複合体として、そこに含まれる塩素量を所定値以下に低減させたものを採用し、これとバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有させ、さらにこの液中の含水率を特定の値に調整したコーティング位相差板用塗工液を転写基材上に塗工してコーティング層からなる位相差板を形成し、これを、樹脂フィルムからなる位相差板に粘着剤を介して転写・積層することにより、液晶セルに貼合した場合に粘着力を高く保つことができるとともに、優れた光学特性を兼ね備えた複合位相差板が得られることを見出した。さらには、その複合位相差板に他の光学層を積層しても同様に優れた特性が維持されることを見出し、本発明に至った。
したがって本発明の目的は、樹脂フィルムからなる位相差板に、有機修飾粘土複合体を含むコーティング層からなる位相差板を積層してなり、全体として二軸配向性を示し、しかも液晶セルに貼合した場合に粘着力を高く保つことができるとともに、優れた光学特性を兼ね備えた複合位相差板を製造する方法を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、この複合位相差板に他の光学機能を示す光学層を積層して、液晶表示装置に好適に用いられる複合光学部材を製造する方法を提供することにある。
すなわち本発明によれば、少なくとも1枚の樹脂フィルムからなる第一位相差板、粘着剤層、及びコーティング層からなる第二位相差板がこの順に積層された複合位相差板を製造する方法であって、
第一位相差板の表面に粘着剤層が形成された粘着剤付き位相差板を用意し、
別途、塩素含有量を2,000ppm以下にした有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有し、カールフィッシャー水分計で測定される含水率が0.15〜0.35重量%である塗工液を転写基材上に塗工し、
そこから有機溶媒と水を除去して第二位相差板を形成し、
前記粘着剤付き位相差板の粘着剤層側に前記第二位相差板の露出面を貼合し、
次いで、転写基材を前記第二位相差板から剥離し、
その第二位相差板の転写基材剥離面に第二の粘着剤層を形成することにより、
複合位相差板を製造する方法が提供される。
第一位相差板は、少なくとも1枚の面内に配向している樹脂フィルムからなるのが有利である。この第一位相差板は、全体で例えば、その面内の位相差値R0 が10〜300nm程度の範囲であればよく、その中の1枚として、1/4波長板を含むことができる。
以上のようにして製造される複合位相差板には、偏光板など、他の光学機能を示す光学層を積層して、複合光学部材とすることもできる。そこで本発明によれば、
少なくとも1枚の面内に配向している透明樹脂フィルムからなる第一位相差板の表面に粘着剤層が形成された粘着剤付き位相差板を用意し、
別途、塩素含有量を2,000ppm以下にした有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有し、カールフィッシャー水分計で測定される含水率が0.15〜0.35重量%である塗工液を転写基材上に塗工し、
そこから有機溶媒と水を除去して第二位相差板を形成し、
前記粘着剤付き位相差板の粘着剤層側に前記第二位相差板の露出面を貼合し、
次いで、転写基材を前記第二位相差板から剥離し、
その第二位相差板の転写基材剥離面に第二の粘着剤層を形成して、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/第二の粘着剤層の層構成からなる複合位相差板を製造し、
その後さらに、その複合位相差板の第一位相差板側から他の光学機能を示す光学層を積層することにより、
複合光学部材を製造する方法も提供される。
本発明によれば、少なくとも1枚の透明樹脂フィルムからなる一軸性又は二軸性の第一位相差板と、有機修飾粘土複合体を含むコーティング層からなる第二位相差板とが積層された複合位相差板、あるいはその第一位相差板側に他の光学層が積層された複合光学部材であって、液晶セルとコーティング位相差板を接着する粘着剤の粘着力が維持され、かつコントラストなど優れた光学機能が付与されたものを、有利に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図1に、本発明に従って複合位相差板を製造する際の一実施形態を概略的な断面図で示した。この図に基づいて、複合位相差板の製造方法を説明する。
図1(A)に示すように、まず、表面に粘着剤層12が形成された第一位相差板11を用意する。第一位相差板11上に粘着剤層12が形成された状態のものを粘着剤付き位相差板13とする。第一位相差板11は、1層で構成されていてもよいし、2層以上の多層で構成されていてもよい。一方で、図1(B)に示すように、有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂を含み、屈折率異方性を有するコーティング層21を転写基材20の表面に形成する。このコーティング層21が第二位相差板となる。このようにして転写基材20上にコーティング層21を形成した後、図1(B)に示されるコーティング層21の露出面を、図1(A)に示される第一位相差板11の粘着剤層12に積層して、図1(C)に示される第一位相差板11/粘着剤層12/コーティング層(第二位相差板)21/転写基材20の層構成からなる半製品16とする。
次に、図1(C)に示される半製品16から転写基材20を剥離し、図1(D)に示される第一位相差板11/粘着剤層12/コーティング層(第二位相差板)21の層構成からなる転写基材剥離後の半製品17とするとともに、そのコーティング層からなる第二位相差板21の転写基材剥離面に第二の粘着剤層22を形成して、図1(E)に示される第一位相差板11/粘着剤層12/コーティング層(第二位相差板)21/第二の粘着剤層22の層構成からなる複合位相差板10とする。第二の粘着剤層22には通常、その表面を保護し、他の部材、例えば液晶セルへの貼合前に剥離除去される離型フィルム23が設けられる。この場合、離型フィルム23に第二の粘着剤層22が形成された状態の粘着剤付きフィルム24を、コーティング層からなる第二位相差板21の転写基材剥離面に貼り合わせてもよいし、コーティング層からなる第二位相差板21の転写基材剥離面に粘着剤を塗布し、乾燥させて第二の粘着剤層22としてもよい。後者の場合は、第二の粘着剤層22を設けた後、その上に離型フィルム23を重ねればよい。
このように本発明では、転写基材20上にコーティング層21を形成した後、そのコーティング層21の露出面を第一位相差板11の粘着剤層12に積層する工程(第一工程という)と、こうして得られる積層品(半製品16)にある転写基材20をコーティング層21から剥離するとともに、そのコーティング層21の転写基材剥離面に第二の粘着剤層22を形成する工程(第二工程という)とを、この順に行う。そして第二工程では、転写基材20の剥離と第二の粘着剤層の形成とを連続的に行うのが好ましい。このような方法を採用すれば、得られる複合位相差板における位相差ムラや貼合気泡、異物などの発生を効果的に抑えることができる。
第一工程のさらに具体的な形態を図2に基づいて説明する。図2は、複合位相差板をロール状で生産する場合につき、転写基材へのコーティング層の形成からそのコーティング層の第一位相差板への積層までの第一工程を概略的に断面図で示すものである。図2を参照して、転写基材ロール30から繰り出された転写基材20の表面に、塗工機32を介してコーティング層用塗工液が塗布され、引き続き乾燥ゾーン34を通って乾燥された後、粘着剤付き位相差板(第一位相差板)13との貼合に供される。粘着剤付き位相差板13は通常、その粘着剤層表面に剥離可能な離型フィルムが貼合された形で供給されるので、第一位相差板ロール36より繰り出された粘着剤付き位相差板13からは、まず離型フィルム14が剥離されて離型フィルム巻き取りロール38に巻き取られる。そして、粘着剤付き位相差板13の粘着剤層が露出した面は、前記転写基材上に形成されたコーティング層の表面に貼り合わされて、第一位相差板/粘着剤層/コーティング層(第二位相差板)/転写基材からなる層構成の半製品16となり、半製品ロール40に巻き取られる。
コーティング層をある基材の表面に形成し、これを別の部材に積層する場合、一般的には、そのコーティング層の空気への露出面にプロテクトフィルムを貼合して巻き取り、さらにこれを繰り出して、プロテクトフィルムを剥離しながら別の部材に貼合する方法が考えられる。かかる一般的に考えられる方法に比べて、上記第一工程は、工程数が減少し、コスト的に有利であるばかりでなく、プロテクトフィルム剥離時の泣き別れなどに由来する欠陥、プロテクトフィルム由来の異物欠陥などが発生しにくいため、極めて良好な品質の半製品16が得られる。
次に、第二工程のさらに具体的な形態を図3に基づいて説明する。図3は、複合位相差板をロール状で生産する場合につき、半製品から転写基材を剥離してそのコーティング層の転写基材剥離面に第二の粘着剤層を形成するまでの第二工程を概略的に断面図で示すものである。図3を参照して、図2に示す第一工程で一旦半製品ロール40に巻き取られた半製品16は、同じロール40から繰り出され、転写基材剥離ロール43で転写基材20が剥離され、次いで転写基材剥離後の半製品17の露出したコーティング層の表面に、粘着剤付きフィルムロール45から繰り出される粘着剤付きフィルム24が、その粘着剤層側で貼り合わされるように供給され、両者が貼り合わされて目的の複合位相差板10となり、製品ロール50に巻き取られる。半製品16から剥離された転写基材20は、転写基材巻き取りロール44に巻き取られるようになっている。ここでは、第二の粘着剤層の形成に粘着剤付きフィルム24を用いる形態を示したが、先述の如く、粘着剤をコーティング層に直接塗工してもよい。
このように第二工程は、半製品16から転写基材20を剥離した後、コーティング層からなる第二位相差板21の表面に第二の粘着剤層22を形成する、すなわち粘着加工を施すものである。これらの第一及び第二工程を経て、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/第二の粘着剤層の順に配置された複合位相差板が得られる。
図2に示した第一工程と図3に示した第二工程とを連続化することもできる。この場合の形態を図4に概略的な側面図で示す。図4において、図2又は図3と同じ部分には同じ符号を付し、それらについての詳しい説明は省略する。この例では、転写基材ロール30から繰り出された転写基材20の表面に、塗工機32を介してコーティング層用塗工液が塗布され、引き続き乾燥ゾーン34を通って乾燥された後、そのコーティング層側に、第一位相差板ロール36より繰り出されて離型フィルム14を剥離した後の粘着剤付き位相差板13が、その粘着剤層側で貼り合わされ、第一位相差板/粘着剤層/コーティング層(第二位相差板)/転写基材からなる層構成の半製品16が得られるようになっており、ここまでは図2に示した第一工程と同じである。
その後、半製品16はロールに巻き取られることなく、半製品巻廻ロール41を通ってから、転写基材剥離ロール43で転写基材が剥離され、剥離後の転写基材20は巻き取りロール44に巻き取られる。一方、転写基材剥離後の半製品17は、そのコーティング層表面に、粘着剤塗工機46を介して粘着剤が塗布され、粘着剤乾燥ゾーン47を通って乾燥された後、その塗工面に、離型フィルムロール48から繰り出される離型フィルム23が貼合され、目的の複合位相差板10となって、製品ロール50に巻き取られる。この例では、第二の粘着剤層の形成に、粘着剤塗工機46と乾燥ゾーン47を用いた直接塗工・乾燥方式を示したが、図3に示したような、粘着剤付きフィルムを用いる方式を採用することもできる。
なお、図2〜図4において、曲線矢印は、ロールの回転方向を表す。
さて、コーティング層21を転写基材20に接触させたまま長時間放置すると、転写基材20上の離型剤がコーティング層21へ移行し、転写基材20を剥離した後のコーティング層21表面の水接触角を大きくすることがある。転写基材20を剥離した後のコーティング層21の表面と第二の粘着剤層22との密着性の観点からすると、転写基材剥離後のコーティング層21表面の水接触角は、転写基材20上にコーティング層21を形成したとき〔図1(B)参照〕のコーティング層21の空気への露出面の水接触角に比べて、15°以内、好ましくは10°以内の増加量となる条件で、第二工程の転写基材剥離及び粘着加工を行うのが好ましい。このためには、第一工程終了後、できるだけ速やかに第二工程へ移ることが望ましい。また、半製品16を巻き取る際、巻き取り圧力でコーティング層21に転写基材20の離型剤が移行するのを防ぐために、サイドテープを用いて、半製品16に過度の圧力がかからないように巻き取ることも、有用な技術である。さらに、転写基材20を剥離した後のコーティング層21に粘着加工を行うにあたり、コーティング層21及び第二の粘着剤層22のうち、いずれかの表面にコロナ処理を施すことも、有用な技術である。
透明樹脂フィルムからなる第一位相差板11は、透明性に優れ、均一なものであれば特に制限されないが、フィルムの製造のしやすさなどの点で、熱可塑性樹脂を延伸したフィルムからなるものが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂としては、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂などを例示することができる。これらの中でも、コスト的に安価で均一なフィルムを容易に入手できることから、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又は環状ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。
延伸原反フィルムの製膜方法は、溶剤キャスト法や、フィルムの残留応力を小さくできる精密押出法などから適宜選択すればよい。また、延伸方法は特に制限されず、均一な光学特性が得られるロール間縦一軸延伸法、テンター横一軸延伸法、二軸延伸法などが適用できる。第一位相差板の厚みは特に制限されないが、通常、約50〜500μm 程度の厚みのものが用いられる。なお、この第一位相差板の位相差値の波長依存性も特に限定されるものではないが、短波長になるにつれて位相差値が小さくなるような位相差分布を持っているものが好ましい。
第一位相差板11の面内位相差値R0 は、複合位相差板の用途により、10〜300nm程度の範囲から適宜選択される。例えば、携帯電話や携帯情報端末の如き比較的小型の液晶表示装置に複合位相差板を適用する場合、第一位相差板は、1/4波長板であるのが有利である。1/4波長板には通常、一軸延伸フィルムが用いられるので、その面内位相差値R0と厚み方向位相差値R′の比R0/R′は、2前後、例えば1.8〜2.2程度の範囲にある。一方、デスクトップ型パーソナルコンピュータ用モニターやテレビの如き比較的大型の液晶表示装置に複合位相差板を適用する場合は、面内位相差値R0 が10〜300nm程度の範囲にあり、やや二軸性を帯びた位相差板が、第一位相差板として好ましく用いられる。二軸性を帯びた位相差板は、前述の如きフィルムの三軸方向の屈折率nx、ny及びnzの関係がnx>ny>nz となるもので、面内位相差値R0と厚み方向位相差値R′の比 R0/R′は、0を超え2未満となる。
次に、第二位相差板21に使用するコーティング層は、厚み方向に負の屈折率異方性を示すものであって、ここでは、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有させた塗工液から得られるものを採用する。
有機修飾粘土複合体は、有機化合物と粘土鉱物との複合体であり、具体的には、層状構造を有する粘土鉱物と有機化合物を複合化したものである。層状構造を有する粘土鉱物としては、スメクタイト族や膨潤性雲母などが挙げられ、その陽イオン交換能によって有機化合物との複合化が可能となる。中でもスメクタイト族は、透明性にも優れることから、好ましく用いられる。スメクタイト族に属するものとしては、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイトなどや、これらの置換体、誘導体及び混合物などが例示できる。これらの中でも、化学合成されたものは、不純物が少なく、透明性に優れるなどの点で好ましい。特に、粒径を小さく制御した合成ヘクトライトは、可視光線の散乱が抑制されるために好ましく用いられる。
粘土鉱物と複合化される有機化合物としては、粘土鉱物の酸素原子や水酸基と反応しうる化合物、また交換性陽イオンと交換可能なイオン性の化合物などが挙げられ、有機修飾粘土複合体が有機溶媒に膨潤又は分散できるようになるものであれば特に制限はないが、具体的には含窒素化合物などを挙げることができる。含窒素化合物としては、例えば、1級、2級又は3級のアミン、4級アンモニウム化合物、尿素、ヒドラジンなどが挙げられる。中でも、陽イオン交換が容易であることなどから、4級アンモニウム化合物が好ましく用いられる。
4級アンモニウム化合物としては、例えば、長鎖アルキル基を有するもの、アルキルエーテル鎖を有するものなどが挙げられる。中でも、炭素数1〜30のアルキル基、n=1〜50の −(CH2CH(CH3)O)nH基、又は−(CH2CH2CH2O)nH基を有する4級アンモニウム化合物が好ましい。さらに好ましくは、炭素数6〜10のアルキル基を有するものである。
有機修飾粘土複合体を、有機化合物とスメクタイト族に属する粘土鉱物とで構成する場合、そのスメクタイト族に属する粘土鉱物は、有機化合物との複合体とした状態で有機溶媒に膨潤又は分散できるようになるものであれば、特に制限されないが、交換性陽イオンがイオン性有機化合物で交換されにくい粘土鉱物は、有機溶媒への分散が難しくなる。スメクタイト族に属する粘土鉱物の合成品においては、その表面に水酸化マグネシウムなどのマグネシウム化合物が付着していることが多く、そのようなマグネシウム化合物の量が多いと、交換性陽イオンサイトを妨害することになる。そこで、表面に存在するマグネシウム化合物を酸洗浄などで除去して、マグネシウムの存在比を少なくしたもの、具体的には、ケイ素4原子に対するマグネシウムの原子比(Mg/Si4)が2.73未満であるものが、有機溶媒中で分散しやすいため、好ましい。例えば、スメクタイト族に属するヘクトライトは、化学大辞典編集委員会編「化学大辞典」(共立出版株式会社,昭和37年2月28日初版発行)にあるように、典型的には Na0.66(Mg5.34Li0.66)Si8O20(OH)4・nH2O又は Na1/3(Mg8/3Li1/3)Si4O10(OH)2・mH2Oの組成式で表され、その状態でのMg/Si4原子比は 2.67であるが、合成ヘクトライトでは、上記のような表面に存在するマグネシウム化合物により、Mg/Si4原子比は2.67よりもやや大きくなっている。
かかる表面に存在するマグネシウム化合物を酸洗浄などにより除去して、Mg/Si4 原子比をできるだけ 2.67に近づけたものが、好ましく用いられる。ヘクトライトや合成ヘクトライトを含むスメクタイト族粘土鉱物においては、ナトリウムが交換性陽イオンとなり、それが、有機化合物、例えば4級アンモニウム基と交換して、有機修飾粘土複合体となるので、修飾前後でMg/Si4 原子比が変わることはない。そこで、有機修飾粘土複合体のMg/Si4原子比を2.73未満とするには、有機物で修飾する前の粘土鉱物を酸で洗浄するのが有効である。
有機修飾粘土複合体は、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。適当な有機修飾粘土複合体の市販品には、それぞれコープケミカル(株)から“ルーセンタイト STN”や“ルーセンタイト SPN”の商品名で販売されている合成ヘクトライトと4級アンモニウム化合物との複合体などがある。
有機修飾粘土複合体には、その製造の際に用いられる各種副原料に起因して、塩素を含む化合物が不純物として混入していることが多い。かかる塩素化合物の量が多いと、コーティング位相差板とした後にフィルムからブリードアウトする可能性がある。その場合には、粘着剤を介してそのコーティング位相差板を液晶セルガラスに貼合したときに、粘着力が経時で大幅に低下してしまう。そこで本発明では、塩素含有量を重量で2,000ppm以下とした有機修飾粘土複合体を用いる。このように、有機修飾粘土複合体中に含まれる塩素の量を2,000ppm以下としておけば、上記の如き粘着力の低下を抑えることができる。塩素化合物の除去は、有機修飾粘土複合体を水洗する方法により行うことができる。
バインダー樹脂は、後述する有機溶媒に溶解するものであれば特に限定されないが、良好な耐熱性やハンドリング性を得るためには、疎水性を有するものが望ましい。好ましいバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラールやポリビニルホルマールの如きポリビニルアセタール樹脂、セルロースアセテートブチレートの如きセルロース系樹脂、ブチルアクリレートの如きアクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。中でも好ましいものとして、脂肪族ジイソシアネートをベースとするウレタン樹脂を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートをベースとするウレタン樹脂は、イソシアナト基を分子内に複数有する脂肪族化合物と、水酸基等の活性水素を分子内に複数有する化合物とを付加反応させることにより、生成するものである。イソシアナト基を分子内に複数有する脂肪族化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどが挙げられる。これらの中では、特にイソホロンジイソシアネートをベースとするものが好ましい。
また、水酸基を分子内に複数有する化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールが好ましく用いられるが、これに限るものではなく、またこれらの混合物を用いてもよい。
ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3−ジメチルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルの開環重合又は共重合によって製造され、ポリエーテルグリコール、ポリオキシアルキレングリコールとも称されるものである。
ポリエステルポリオールは、多塩基性有機酸、特にジカルボン酸と、ポリオールとから重縮合によって製造される。ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソセバシン酸のような飽和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸のような不飽和脂肪酸、フタル酸、イソフタル酸のような芳香族カルボン酸などが挙げられる。ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールのようなジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、グリセリンのようなトリオール、ソルビトールのようなヘキサオールなどが挙げられるが、これらに限るものではなく、また2種以上を混合して用いてもよい。
バインダー樹脂は、そのガラス転移温度が20℃以下であることが好ましく、さらに好ましくはガラス転移温度が−20℃以下である。バインダー樹脂のガラス転移温度が高いと、ゴム弾性が不足し、位相差板やそれを偏光板に積層した複合偏光板において、密着性や可撓性が劣る傾向にある。
塗工液に用いる有機溶媒は特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような低極性の芳香族炭化水素類のほか、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、メタノール、エタノール、プロパノールのような低級アルコール類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類などを包含する高極性溶媒などが挙げられる。中でも、有機修飾粘土複合体を分散させ、バインダー樹脂を溶解することが可能であり、塗工液のゲル化を抑制することができる点で、トルエン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトンや、それらの混合物が好ましい。
以上のような、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有させて、コーティング層用塗工液とする。有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂は、前者/後者の重量比が 0.5を超え3以下となるように配合するのが好ましい。両者の配合重量比がこの範囲を外れると、得られるコーティング位相差板のヘイズ値を望ましいレベルに保つことが難しくなる傾向にある。両者の配合重量比は、中でも1〜3の範囲、特に1を超え2以下となるようにするのがより好ましい。
この塗工液の固形分濃度は、調製後の塗工液が実用上問題ない範囲でゲル化したり白濁したりしなければ制限はないが、通常、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂の合計固形分濃度が3〜18重量%程度の範囲で使用される。最適な固形分濃度は、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂それぞれの種類や両者の組成比によって異なるため、組成毎に設定されるものであるが、8〜16重量%の範囲にあるのがより好ましい。この塗工液には、基材上に製膜する際の塗布性を向上させるための粘度調整剤や、疎水性及び/又は耐久性をさらに向上させるための架橋剤など、各種の添加剤を加えてもよい。
本発明では、この塗工液の含水率が0.15〜0.35重量%となるようにする。この含水率が 0.35重量%を越えると、非水溶性有機溶媒中での相分離が生じ、塗工液が2層に分離してしまう傾向にある。一方、その含水率が 0.15重量%を下回ると、コーティング位相差板としたときにヘイズ値を高める傾向にある。この含水率は、0.18重量%以上、さらには0.2重量%以上、また 0.3重量%以下とするのが一層好ましい。水分の測定方法には、乾燥法、カールフィッシャー法、誘電率法などがあるが、本発明では、簡便かつ微量単位の測定が可能なカールフィッシャー法を採用する。
塗工液の含水率を上記範囲に調整する方法は特に制限されないが、塗工液中に水を添加する方法が簡便であり、望ましい。本発明で用いるような、有機溶媒、有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂を、通常の方法で混合しただけでは、 0.15重量%以上の含水率を示すことはほとんどない。ただ、夏場に吸湿した原料を用いた場合などには、含水率が0.15重量%程度になることもある。しかし、原料の吸湿水分に起因して0.15重量%程度の含水率になった塗工液を用いても、得られるコーティング位相差板のヘイズ値を十分に小さくすることは難しい。そこで、有機溶媒、有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂を混合した塗工液に少量の水を添加することにより、含水率を上記範囲とするのが好ましい。水を添加する方法は、塗工液の調製工程のいかなる時期の添加でも有効であり、特に制限はないが、塗工液の調製工程で一定時間経過後、サンプリングして含水率を測定したのち、所定量の水を添加する方法が、再現性及び精度よく含水率を制御できる点で好ましい。なお、添加された水の量が、カールフィッシャー水分計による測定結果と合わないこともある。その原因として、水が一部、有機修飾粘土複合体との相互作用(例えば、吸着)を起こしていることなどが考えられる。ただし、カールフィッシャー水分計で測定される水分率を本発明で規定する0.15〜0.35重量%、好ましくは0.18〜0.3重量%、さらに好ましくは0.2〜0.3重量%に保てば、得られるコーティング位相差板のヘイズ値が低く抑えられることを確認している。
有機溶媒に有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂、さらに少量の水を混合して得られる塗工液に、粒径の大きい固体が存在すると、それから作製されるコーティング位相差板に偏光解消機能を生じさせ、それを適用した液晶表示装置の光学性能の低下につながる。また、有機修飾粘土複合体は、塗工液の撹拌により解膠して粒径が細かくなるが、十分に解膠せず、粒径が大きいままのもの、例えば粒径が1μm 以上のものが存在すると、やはりコーティング位相差板の光学性能の低下につながる。そこでこの塗工液は、フィルターにより濾過し、存在する可能性のあるこうした固体を除去しておくのが望ましい。ただしこの濾過処理では、塗工液中の解膠した有機修飾粘土複合体が除去されないようにしなければならない。フィルターは、粒径1μm 以上の固体がほとんど除去できればよいので、フィルターの目詰まりなどによる濾過可能粒径の変化なども考慮すると、孔径が 0.5〜10μm程度の中から、粒径1μm以上の固体がほとんど除去できるようなものを選んで用いるのが好ましい。ちなみに、解膠した有機修飾粘土複合体の粒径は、概ね10〜200nm程度である。
以上のようにして得られる、有機修飾粘土複合体、バインダー樹脂、有機溶媒及び水を含有し、含水率が特定範囲に調整された塗工液を転写基材上に塗工し、そこから有機溶媒と水を除去することにより、第二位相差板を形成する。塗工後の有機溶媒と水の除去は、通常、乾燥によって行われる。
上記の如き塗布、乾燥によって、有機修飾粘土複合体の単位結晶層は、その層状構造が転写基材面と平行に、かつ面内の向きはランダムに配向する。したがって、特別な配向処理を必要とすることなく、フィルム面内の屈折率がフィルム厚み方向の屈折率よりも大きい屈折率構造を示すようになる。
コーティング層21を形成するのに用いる転写基材20〔図1(B)参照〕は、その表面に形成された層を容易に剥離できるような処理が施されたフィルムであればよい。一般に、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムの表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂などの離型剤を塗布して離型処理されたフィルムが販売されているので、これをそのまま用いることができる。また、転写基材20の上にコーティング層21を形成するため、転写基材20は、コーティング層を形成する面の水接触角が90〜130°の範囲にあるのが好ましく、さらには100°以上、また120°以下の水接触角であるのが、より好ましい。表面の水接触角が90°未満では、転写基材20の剥離性が悪く、転写基材剥離後のコーティング層からなる第二位相差板21に、位相差ムラなどの欠陥を生じやすい。また、その水接触角が130°より大きいと、転写基材20上で乾燥前の塗工液にハジキが発生しやすく、面内に斑点状の位相差ムラが発生することがある。ここで、水接触角とは、液体として水を用いたときの接触角であり、その値が大きいほど(上限180°)、水に濡れにくいことを意味する。
コーティング層21を形成するのに使用する塗工方式は、特に制限されるものでなく、ダイレクト・グラビア法、リバース・グラビア法、ダイコート法、カンマコート法、バーコート法など、公知の各種コート法を用いることができる。中でも、カンマコート法や、バックアップロールを用いないダイコート法などが、厚み精度に優れるため、好ましく採用される。
塗工後に乾燥する際の温度と時間は、用いた有機溶媒と水を除去するのに十分なものであれば、特に限られるものではないが、例えば、温度は50℃〜150℃程度、また時間は30秒〜30分間程度の範囲から、適宜選択すればよい。
コーティング層の厚みは特に限定されるものでなく、面内の位相差値R0 が0〜10nm程度の範囲、かつ厚み方向の位相差値R′が40〜350nm程度の範囲の値を付与することができる厚みであればよい。ここで面内の位相差値R0 が10nmを上回ると、その値が無視できなくなり、厚み方向の負の一軸性が損なわれる傾向にあるので、好ましくない。また、コーティング層である第二位相差板21に必要な厚み方向の屈折率異方性は、その用途により異なるので、厚み方向の位相差値R′は、40〜350nm程度の範囲から、その用途、特に液晶セルの特性に合わせて、適宜選択される。厚み方向の位相差値R′は、有利には50nm以上、また300nm以下である。
位相差板の厚み方向の屈折率異方性は、前記式(II)により定義される厚み方向の位相差値R′で表され、この値は、面内の遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定される位相差値R40と面内の位相差値R0 とから算出できる。すなわち、式(II)による厚み方向の位相差値R′は、面内の位相差値R0 、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値R40、フィルムの厚みd、及びフィルムの平均屈折率n0 を用いて、以下の式 (III)〜(V)から数値計算によりnx、ny及びnz を求め、これらを前記式(II)に代入して、算出することができる。
0 =(nx−ny)×d (III)
40=(nx−ny')×d/cos(φ) (IV)
(nx+ny+nz)/3=n0 (V)
ここで、
φ=sin-1〔sin(40°)/n0
y'=ny×nz/〔ny 2×sin2(φ)+nz 2×cos2(φ)〕1/2
転写基材上に形成された、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂を含み、屈折率異方性を有するコーティング層を、一旦ガラス板上に粘着剤を介して転写すれば、そのコーティング層(第二位相差板)のR0 及びR40を直接求めることができ、これらに基づいて上記の方法により、厚み方向の位相差値R′を算出することができる。
また、図1(A)などに示した第一位相差板11の表面に形成される粘着剤層12や、図1(E)などに示した第二工程でコーティング層21の転写基材剥離面に形成される第二の粘着剤層22に使用される粘着剤としては、アクリル系重合体や、シリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとしたものを挙げることができる。中でも、アクリル系粘着剤のように、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性や凝集力を保持し、基材との接着性にも優れ、さらに耐候性や耐熱性などを有し、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれ等の問題を生じないものを選択して用いるのが好ましい。アクリル系粘着剤においては、メチル基やエチル基やブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどからなる官能基含有アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、さらに好ましくは0℃以下となるように配合して重合させた、重量平均分子量が10万以上のアクリル系共重合体が、ベースポリマーとして有用である。粘着剤層12,22の厚みは、通常5〜30μm 程度である。
以上のようにして得られる複合位相差板には、さらに、位相差機能以外の光学機能を示す光学層を積層して、複合光学部材とすることもできる。複合光学部材の形成を目的に複合位相差板に積層される光学層としては、例えば、偏光板や輝度向上フィルムなど、液晶表示装置等の形成に従来から用いられているものを挙げることができる。位相差機能以外の光学機能を示す光学層には、少なくとも偏光板を含ませるのが有効である。
複合位相差板を偏光板と組み合わせれば、視野角補償機能が付与された直線偏光板としても、円偏光板としても使用できる。直線偏光板として使用する場合は、第一位相差板の遅相軸と偏光板の吸収軸を直交させることが好ましい。また、円偏光板として使用する場合は、第一位相差板の遅相軸と偏光板の吸収軸を所定の角度で交差させる。図5には、図1(E)に示した複合位相差板10(その第二の粘着剤層22の外側に離型フィルム23が設けられている)の第一位相差板11側に、第三の粘着剤層27を介して偏光板26が積層された複合光学部材28の例を示した。偏光板26などの他の光学機能を有する光学層は、この図に示すように、複合位相差板10の第一位相差板11側に積層される。
円偏光板を得るためには、第一位相差板11として、ある測定波長、例えば、540〜560nmの間の単色光に対し、その位相差値が1/4波長であるもの(以下、λ/4板という)が用いられるが、一般の延伸樹脂フィルムからなるλ/4板を1枚だけ用いた場合には、完全円偏光が得られる波長が限られた範囲になることが多い。そこで、広い波長範囲で円偏光を得るためには、二つの方法がある。第一の方法は、ある測定波長、例えば、上と同じ540〜560nmの間の単色光に対し、その位相差値が1/2波長である位相差板(以下、λ/2板という)少なくとも1枚と、λ/4板少なくとも1枚とを積層してなる、いわゆる広帯域のλ/4板を第一位相差板11とし、これに偏光板26を積層するものである。また第二の方法は、400〜800nmの測定波長に対し、位相差値がいずれの波長においても測定波長のほぼ1/4となる、いわゆる逆波長分散のλ/4板を使用するものである。
まず、第一の方法から説明する。この方法では、使用する第一位相差板の枚数を増やすことで、より広い波長範囲において円偏光を得ることができるようになるが、貼り合わせ枚数が増加するにつれて材料費の増加や収率の低下につながることから、1枚のλ/2板と1枚のλ/4板を貼り合わせて広帯域のλ/4板とし、これに偏光板を貼り合わせた円偏光板が、価格対性能の面で好ましい。λ/2板の面内の位相差値R1/2 及びλ/4板の面内の位相差値R1/4はそれぞれ、測定波長540〜560nmの間の単色光に対し、R1/2=250〜300nm、R1/4=120〜155nmである。また、R1/2とR1/4 は、次の関係を満足することがより好ましい。
|R1/2×0.5−R1/4|≦10nm
偏光板と、少なくとも1枚のλ/2板と、少なくとも1枚のλ/4板を貼り合わせるに際して、積層順序及び角度設定は、広い波長範囲で円偏光板として機能するような設定であれば、特に制限はない。例えば、1枚のλ/2板と1枚のλ/4板を用いる場合には、λ/2板とλ/4板をこの順序で積層したものを第一位相差板として、偏光板/第一位相差板/第二位相差板の順に積層しても、偏光板/第二位相差板/第一位相差板の順に積層してもよい。この場合の好ましい積層角度としては、偏光板の吸収軸を基準に、偏光板側から見たときの反時計回りを正として位相差板の遅相軸の角度で定義すると、次のような設定がありうる。
(1) λ/2板が−10°〜−20°、λ/4板が−70°〜−80°、
(2) λ/2板が70°〜80°、λ/4板が10°〜20°、
(3) λ/2板が10°〜20°、λ/4板が70°〜80°、
(4) λ/2板が−70°〜−80°、λ/4板が−10°〜−20°。
次に、第二の方法について説明する。上述した逆波長分散のλ/4板は、波長540〜560nmの間の単色光に対し、面内の位相差値R1/4 が、通常120〜155nm、好ましくは130〜150nmである。また、先の説明から明らかなように、400〜800nmの間のどの測定波長においても、R1/4 が上記範囲となるものが好ましい。偏光板とλ/4板を貼り合わせるに際して、偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸とのなす角度は、45°又は135°が基本であるが、これらの角度の許容範囲は可視光の波長範囲で円偏光板として機能するようであれば、特に制限はない。積層は、偏光板/第一位相差板/第二位相差板としても、偏光板/第二位相差板/第一位相差板としても構わない。
偏光板と複合位相差板との積層体に、さらに輝度向上フィルムを組み合わせることも、有用な技術である。輝度向上フィルムは、液晶表示装置等におけるバックライトや裏側の反射板などから入射する自然光のうち、所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、それと逆向きの偏光を透過する性質を有するもので、輝度の向上を目的として用いられる。すなわち、この輝度向上フィルムで反射した光は、その後ろ側に配置された反射層などで偏光状態を反転させて反射され、再び輝度向上フィルムに入射したときはその全部又は大部分がこの輝度向上フィルムを透過するようになり、もって光を有効利用し、表示装置の輝度を向上させるものである。その例としては、屈折率の異方性が互いに異なる薄膜フィルムを複数枚積層して反射率に異方性が生じるように設計された反射型直線偏光分離シート、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持した円偏光分離シートなどが挙げられる。
複合位相差板と液晶セルとが接する面に拡散粘着剤を使用することもできる。拡散粘着剤は、光を散乱する能力のある微粒子を粘着剤層に含有させたものである。ここで使用する微粒子は、光を散乱するのもであれば特に限定されず、有機粒子、無機粒子のいずれも使用できる。有機粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの高分子化合物からなる粒子が挙げられ、架橋された高分子であってもよい。さらに、エチレン、プロピレン、スチレン、メタクリル酸メチル、ベンゾグアナミン、ホルムアルデヒド、メラミン、ブタジエンなどから選ばれる2種以上のモノマーが共重合されてなる共重合体を使用することもできる。無機粒子としては、例えば、シリカ、シリコーン、酸化チタンなどの粒子が挙げられ、またガラスビーズであってもよい。これらの微粒子は、無色又は白色であるのが好ましいが、装飾性を発現させるために着色された微粒子を使用してもよい。
微粒子の形状も特に限定されないが、好ましいものとして、球状、紡錘状又は立方体に近い形状のものが挙げられる。粒径は、小さすぎると光散乱の性能が発現されず、また、大きすぎると液晶表示装置に使用した際に表示品位を低下させることから、0.5μm以上20μm 以下であるのが好適であり、さらには1μm 以上、また10μm 以下であるのがより好ましい。微粒子の添加量は、所望する光散乱能の大小に応じて適宜設定できる。通常は、被分散体である粘着剤100重量部に対して、 0.01重量部以上100重量部以下であり、好適には1重量部以上50重量部以下の割合で配合される。
拡散粘着剤に使用する粘着剤は特に限定されず、アクリル系、塩化ビニル系、合成ゴム系などの公知の粘着剤が使用できる。このような拡散粘着剤を複合位相差板と液晶セルの間に配置する場合は、前記した第二の粘着剤層〔図1(E)における符号22〕に、この拡散粘着剤を用いればよい。
本発明により得られる複合位相差板を液晶表示装置に適用するにあたって、複合位相差板を用いた円偏光板の構成例を以下に掲げた。液晶セルが反射型の場合はフロント側にのみ、半透過反射型の場合はフロント側とリア側の両サイドに、透過型の場合はフロント側とリア側のいずれかに、性能とコストの観点から最適な組合せが選択され、配置される。
1.反射型のフロント側構成例
(1) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル前面、
(2) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(逆波長分散λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル前面、
(3) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/2板+λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル前面、
(4) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル前面、
(5) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(逆波長分散λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル前面。
2.半透過反射型のフロント側構成例
(1) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル前面、
(2) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(逆波長分散λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル前面、
(3) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/2板+λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル前面、
(4) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル前面、
(5) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(逆波長分散λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル前面、
(6) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/2板+λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル前面。
3.半透過反射型のリア側構成例
(1) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル背面、
(2) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(逆波長分散λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル背面、
(3) 偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/2板+λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル背面、
(4) 輝度向上フィルム/偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル背面、
(5) 輝度向上フィルム/偏光板/粘着剤/第一位相差板(逆波長分散λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル背面、
(6) 輝度向上フィルム/偏光板/粘着剤/第一位相差板(λ/2板+λ/4板)/粘着剤/第二位相差板/拡散粘着剤/液晶セル背面。
4.透過型のフロント側構成例
(1) 偏光板/粘着剤/第一位相差板/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル前面。
5.透過型のリア側構成例
(1) 偏光板/粘着剤/第一位相差板/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル背面、
(2) 輝度向上フィルム/偏光板/粘着剤/第一位相差板/粘着剤/第二位相差板/粘着剤/液晶セル背面。
本発明により得られる複合位相差板又は複合光学部材が、第二の粘着剤層を介して液晶セルのセルガラスに貼合された状態において、当該第二の粘着剤層の液晶セルガラスに対する粘着力は、時間の経過によって変化しにくいことが望ましい。粘着力は、粘着シートの粘着面と被着体の面との接触によって生じる力であり、その試験方法は JIS Z 0237 に規定されている。塩素含有量が高い有機修飾粘土複合体をバインダー樹脂とともに有機溶媒に混合した塗工液から作製された位相差板では、粘着剤を介して液晶セルガラスに貼合した直後に比べ、時間経過により粘着力が大幅に低下することがあった。そこで、有機修飾粘土複合体製造後、水洗などを施して塩素含有量を低くしたものを用いることにより、それを配合した塗工液から得られるコーティング層(第二位相差板)は、粘着剤を介して液晶セルガラスに貼合したときの、時間経過による粘着力の低下の小さいものとなる。具体的には、図1の(E)に示した複合位相差板10、又は図5に示した複合光学部材28を、第二の粘着剤層22を介して液晶セルガラスに貼合した状態にて、23℃で1ヶ月保管した後の粘着力が、貼合直後の粘着力に対して60%以上、さらには80%以上維持されるようにすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%、ppm 及び部は、特記ない限り重量基準である。以下の例で塗工液の調製に用いた材料は、次のとおりである。
(A)有機修飾粘土複合体
商品名“ルーセンタイト STN”: コープケミカル(株)製、合成ヘクトライトとトリオクチルメチルアンモニウムイオンとの複合体。
(B)バインダー樹脂
商品名“SBU ラッカー 0866 ”: 住化バイエルウレタン(株)製、イソホロンジイソシアネートベースで固形分濃度30%のウレタン樹脂ワニス。
また、サンプルの物性値測定及び評価は、以下の方法に基づいて行った。
(1)含水率
塗工液の含水率は、メトローム社製のカールフィッシャー水分計 “KFT ティトリーノ 795型” を用いて測定する。なお、測定には、クロロホルム55%とエチレンクロロヒドリン45%の混合溶媒を用いた。
(2)面内の位相差値R0
転写基材上に形成されたコーティング層を、粘着剤を介して4cm角のガラス板に転写する。こうしてガラス板に貼合した状態で、王子計測機器(株)製の“KOBRA-21ADH ”を用い、波長559nmの単色光で回転検光子法により面内の位相差値R0 を測定する。樹脂の延伸フィルムからなる位相差板の面内位相差値R0 は、そのまま上記の“KOBRA-21ADH ”を用いて測定する。
(3)厚み方向の位相差値R′
面内の位相差値R0 、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値R40、位相差板の厚みd及び位相差板の平均屈折率n0 を用いて、先に示した方法でnx、ny及びnz を求め、次いで、前記式(II)により厚み方向の位相差値R′を計算する。
(4)粘着力
複合位相差板を、幅25mm、長さ約250mmに切断し、液晶セルガラスに貼合した後、オートクレーブを用いて、圧力5kgf/cm2、温度50℃で20分間の加圧処理を行う。次に、(株)島津製作所製の測定機“オートグラフ AG-1 ”を用い、180℃剥離、引っ張り速度300mm/分で粘着力を測定する。
実施例1
以下の組成で塗工液を調製した。
ウレタン樹脂ワニス“SBU ラッカー 0866” 16.0部
有機修飾粘土複合体“ルーセンタイト STN” 7.2部
トルエン 76.8部
水 0.3部
ここで用いた有機修飾粘土複合体は、メーカーにて、有機修飾前の合成ヘクトライト製造後に酸洗浄し、それを有機修飾し、さらに水洗を強化した状態で入手したものである。そこに含まれる塩素量は1,111ppm、またMg/Si4原子比は2.69であった(メーカー測定値)。この塗工液は、上記組成で混合し、攪拌後、孔径1μm のフィルターで濾過した。この塗工液において、有機修飾粘土複合体/ウレタン樹脂の固形分重量比は
1.5/1であり、固形分濃度は12%である。水を0.3部加えた状態の塗工液は、カールフィッシャー水分計で測定される含水率が 0.25%であった。次にこの塗工液を、離型処理が施された厚さ38μm のポリエチレンテレフタレートフィルム上にダイコータを用いて連続塗工し、乾燥オーブンを通して乾燥させ、オーブンから出てきたところで、コーティング層(第二位相差板)の露出面に、片面に粘着剤層を有する環状ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムからなるλ/4板(第一位相差板、住友化学(株)製の商品名“スミカライト CSES430120Z6”、R0=120nm)を、その粘着剤層側で連続的に貼合して巻き取り、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/離型フィルムからなる半製品とした。λ/4板との貼合前に抜き取ってコーティング層の位相差値を測定したところ、R0
0.1nm、R′=82nmであった。
その後、上で得られた半製品を巻き出し、離型フィルムを剥離しながら、離型フィルム剥離後のコーティング層表面に、別途離型処理面に粘着剤が塗工されたポリエチレンテレフタレートフィルムをその粘着剤層側で連続的に貼合し、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/第二の粘着剤層/離型フィルムからなる複合位相差板とした。この複合位相差板から離型フィルムを剥がして液晶セルガラスに貼合し、先に述べた方法で粘着力を測定したところ、対ガラス粘着力は9.07N/25mm であった。また、液晶セルガラスに貼合した状態のまま、23℃で1週間保管した後の粘着力は9.04N/25mm 、同温度で1ヶ月保管した後の粘着力は8.99N/25mm であった。すなわち、液晶セルガラスへの貼合直後に比べ、23℃で1週間保管後及び1ヶ月保管後とも、99%以上の対ガラス粘着力を維持していた。
さらに、片面に粘着剤層を有するポリビニルアルコール−ヨウ素系偏光板(住友化学
(株)製の商品名“スミカラン SRW842A”)を用意し、上で得た複合位相差板の遅相軸が偏光板の吸収軸と45°の角度をなし、偏光板の粘着剤層が上記複合位相差板の第一位相差板と重なるように貼合して、対角寸法2インチ(38.2mm×30.7mm)の円偏光板を作製した。
比較例1
以下の組成で塗工液を調製した。
ウレタン樹脂ワニス“SBU ラッカー 0866” 7.5部
有機修飾粘土複合体“ルーセンタイト STN” 6.8部
トルエン 85.7部
ここで用いた有機修飾粘土複合体は、メーカーにて有機修飾前の合成ヘクトライト製造後に酸洗浄せず、それを有機修飾した状態で入手したものであり、そこに含まれる塩素量は3,379ppm、またMg/Si4原子比は2.73であった(メーカー測定値)。この塗工液も、上記組成で混合し、攪拌後、孔径1μm のフィルターで濾過した。この塗工液において、有機修飾粘土複合体/ウレタン樹脂の固形分重量比は3/1であり、固形分濃度は9%である。また、この塗工液は、カールフィッシャー水分計で測定される含水率が
0.13%であった。次にこの塗工液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にダイコータを用いて連続塗工し、乾燥オーブンを通して乾燥させ、オーブンから出てきたところで、コーティング層(第二位相差板)の露出面に、片面に粘着剤層を有する環状ポリオレフィン系樹脂の延伸フィルムからなるλ/4板(第一位相差板、住友化学(株)製の商品名“スミカライト CSES440120Z7”、R0=120nm)を、その粘着剤層側で連続的に貼合して巻き取り、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/離型フィルムからなる半製品とした。λ/4板との貼合前に抜き取ってコーティング層の位相差値を測定したところ、R0=0.1nm、R′=82nmであった。
その後、上で得られた半製品を用い、実施例1と同様にして、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/第二の粘着剤層/離型フィルムからなる複合位相差板を作製した。この複合位相差板から離型フィルムを剥がして液晶セルガラスに貼合し、粘着力を測定したところ、対ガラス粘着力は11.18N/25mm であった。また、液晶セルガラスに貼合した状態のまま23℃で1週間保管した後の粘着力は2.86N/25mm であった。すなわち、液晶セルガラスへの貼合直後に比べ、23℃で1週間保管後は対ガラス粘着力が26%に低下していた。
さらに、この複合位相差板を用い、実施例1と同様にして円偏光板を作製した。
複合位相差板の製造方法の実施形態を概略的に示す断面図である。 複合位相差板をロール状で生産する場合の、コーティング層の形成からそのコーティング層を第一位相差板に積層して半製品とするまでの工程を概略的に示す断面図である。 複合位相差板をロール状で生産する場合の、半製品から転写基材を剥離してその剥離面に第二の粘着剤層を形成するまでの工程を概略的に示す断面図である。 コーティング層の形成から第二の粘着剤の形成までを連続して行い、複合位相差板をロール状で生産する場合の形態を概略的に示す断面図である。 複合位相差板にさらに偏光板を積層した複合光学部材の例を示す断面模式図である。
符号の説明
10……複合位相差板、
11……第一位相差板、
12……粘着剤層、
13……粘着剤付き位相差板、
14……第一位相差板の離型フィルム、
16……半製品、
17……転写基材剥離後の半製品、
20……転写基材、
21……コーティング層からなる第二位相差板、
22……第二の粘着剤層、
23……第二の粘着剤層の離型フィルム、
24……粘着剤付きフィルム、
26……偏光板、
27……第三の粘着剤層、
28……複合光学部材(この例は偏光板のみを積層したもの)、
30……転写基材ロール、
32……コーティング層塗工機、
34……コーティング層乾燥ゾーン、
36……第一位相差板ロール、
38……離型フィルム巻き取りロール、
40……半製品ロール、
41……半製品巻廻ロール、
43……転写基材剥離ロール、
44……転写基材巻き取りロール、
45……粘着剤付きフィルムロール、
46……粘着剤塗工機、
47……粘着剤乾燥ゾーン、
48……離型フィルムロール、
50……製品ロール。

Claims (5)

  1. 少なくとも1枚の樹脂フィルムからなる第一位相差板、粘着剤層、及びコーティング層からなる第二位相差板がこの順に積層された複合位相差板の製造方法であって、
    第一位相差板の表面に粘着剤層が形成された粘着剤付き位相差板を用意し、
    別途、塩素含有量を2,000ppm以下にした有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有し、カールフィッシャー水分計で測定される含水率が0.15〜0.35重量%である塗工液を転写基材上に塗工し、
    そこから有機溶媒と水を除去して第二位相差板を形成し、
    前記粘着剤付き位相差板の粘着剤層側に前記第二位相差板の露出面を貼合し、
    次いで、転写基材を前記第二位相差板から剥離し、
    その第二位相差板の転写基材剥離面に第二の粘着剤層を形成することを特徴とする、
    複合位相差板の製造方法。
  2. 第一位相差板は、少なくとも1枚の面内に配向している透明樹脂フィルムからなる請求項1に記載の方法。
  3. 第一位相差板は、少なくとも1/4波長板を1枚含む請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1枚の面内に配向している透明樹脂フィルムからなる第一位相差板の表面に粘着剤層が形成された粘着剤付き位相差板を用意し、
    別途、塩素含有量を2,000ppm以下にした有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有し、カールフィッシャー水分計で測定される含水率が0.15〜0.35重量%である塗工液を転写基材上に塗工し、
    そこから有機溶媒と水を除去して第二位相差板を形成し、
    前記粘着剤付き位相差板の粘着剤層側に前記第二位相差板の露出面を貼合し、
    次いで、転写基材を前記第二位相差板から剥離し、
    その第二位相差板の転写基材剥離面に第二の粘着剤層を形成して、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/第二の粘着剤層の層構成からなる複合位相差板を製造し、
    その後さらに、該複合位相差板の第一位相差板側から他の光学機能を示す光学層を積層することを特徴とする、
    複合光学部材の製造方法。
  5. 他の光学機能を示す光学層は、少なくとも偏光板を含む請求項4に記載の方法。
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