JP4858005B2 - 複合位相差板、その製造方法、複合光学部材及び液晶表示装置 - Google Patents

複合位相差板、その製造方法、複合光学部材及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶セルに貼り合わせて用いられる複合位相差板とその製造方法、それを用いた複合光学部材及び液晶表示装置に関するものである。本発明はまた、複合位相差板におけるコーティング位相差板の割れを抑制する技術にも関係している。
近年、液晶表示装置は、低消費電力、低電圧動作、軽量、薄型などの特徴を生かして、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ用のモニター、テレビなど、情報用表示デバイスとして急速に普及してきている。液晶技術の発展に伴い、さまざまなモードの液晶表示装置が提案され、応答速度やコントラスト、狭視野角といった問題点が解消されつつある。しかしながら、依然として、陰極線管(CRT)に比べて視野角が狭いことが指摘され、視野角拡大のための各種の試みがなされている。
このような液晶表示装置の一つに、正又は負の誘電率異方性を有する棒状の液晶分子を基板に対して垂直に配向させた、垂直配向(VA)モードの液晶表示装置がある。かかる垂直配向モードは、非駆動状態においては、液晶分子が基板に対して垂直に配向しているため、光は偏光の変化を伴わずに液晶層を通過する。このため、液晶パネルの上下に互いに偏光軸が直交するように直線偏光板を配設することで、正面から見た場合にほぼ完全な黒表示を得ることができ、高いコントラスト比を得ることができる。
しかし、このような液晶セルに偏光板のみを備えたVAモードの液晶表示装置では、それを斜めから見た場合に、配設された偏光板の軸角度が90°からずれてしまうことと、セル内の棒状の液晶分子が複屈折を発現することに起因して、光漏れが生じ、コントラスト比が著しく低下してしまう。
かかる光漏れを解消するためには、液晶セルと直線偏光板の間に光学補償フィルムを配置する必要があり、従来は、二軸性の位相差板を液晶セルと上下の偏光板の間にそれぞれ1枚ずつ配設する仕様や、正の一軸性位相差板と完全二軸性の位相差板を、それぞれ1枚ずつ液晶セルの上下に、又は2枚とも液晶セルの片側に配設する仕様が採用されてきた。例えば、特開 2001-109009号公報(特許文献1)には、垂直配向モードの液晶表示装置において、上下の偏光板と液晶セルの間に、それぞれaプレート(すなわち、正の一軸性位相差板)及びcプレート(すなわち、完全二軸性の位相差板)を配置することが記載されている。
正の一軸性位相差板とは、面内の位相差値R0 と厚み方向の位相差値Rthとの比 R0/Rthが概ね2のフィルムであり、また完全二軸性の位相差板とは、面内の位相差値R0 がほぼ0のフィルムである。ここで、フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx 、フィルムの面内進相軸方向(面内で遅相軸と直交する方向)の屈折率をny 、フィルムの厚み方向の屈折率をnz、フィルムの厚みをdとしたとき、面内の位相差値R0及び厚み方向の位相差値Rthは、それぞれ下式(I)及び(II)で定義される。
0 =(nx−ny)×d (I)
th=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)
正の一軸性フィルムでは、nz≒nyとなるため、R0/Rth≒2 となる。正の一軸性フィルムであっても、R0/Rth は延伸条件の変動により、1.8〜2.2程度の間で変化することもある。完全二軸性のフィルムでは、nx≒nyとなるため、R0≒0 となる。完全二軸性のフィルムは、厚み方向の屈折率のみが異なる(小さい)ものであることから、負の一軸性を有し、光学軸が法線方向にあるフィルムとも呼ばれ、また前述のとおり、cプレートと呼ばれることもある。
上記のような目的で用いられる光学補償フィルムとして、特開 2005-338215号公報(特許文献2)には、面内に配向している透明樹脂フィルムからなる第一位相差板に、粘着剤層を介して、屈折率異方性を有するコーティング層からなる第二位相差板を積層して複合位相差板とすることが記載されている。また、特開 2006-10912 号公報(特許文献3)には、有機修飾粘土複合体と脂肪族ジイソシアネートをベースとするウレタン樹脂とを含む塗工液から位相差板を形成することが記載されており、その位相差板に粘着剤層を介して偏光板を積層し、複合偏光板とすることも記載されている。しかし、特許文献2や特許文献3に開示される構成では、コーティング位相差板は二つの粘着剤層に挟まれており、複合位相差板又は複合偏光板に物理的な外力が加わると、コーティング位相差板に応力が集中し、コーティング位相差板が割れてしまい、光漏れが生じることがある。
特開2001−109009号公報(請求項15及び段落0036) 特開2005−338215号公報 特開2006−10912号公報
本発明者らは、面内で配向している第一位相差板と屈折率異方性を有するコーティング層からなる第二位相差板を積層して複合位相差板とする際、両者の間に配置される粘着剤層をプライマー層に置き換えることで、物理的な外力によって発生しやすい第二位相差板の割れによる光漏れが抑えられることを見出し、本発明に至った。
したがって、本発明の目的は、液晶セルに貼り合わせたときに、従来よりも光漏れが抑制できる複合位相差板及びその製造方法を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、この複合位相差板に偏光板の如き他の光学機能を示す光学層を積層し、液晶セルに貼り合わせたときに光漏れの抑制された複合光学部材を提供することにある。さらに本発明のもう一つ別の目的は、この複合光学部材を用いて、光漏れを顕著に抑制できる液晶表示装置を提供することにある。
本発明によれば、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順で積層されてなり、そのプライマー層は、エポキシ樹脂を含有する透明樹脂からなり、そしてその第二位相差板は、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液から溶媒を除去して得られるものである複合位相差板が提供される。
この複合位相差板は、次のいずれかの方法によって製造することができる。
(1) 第一位相差板の表面にプライマー層を形成するプライマー層形成工程、
有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を転写基材に塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成するコーティング層形成工程、
プライマー層形成工程で得られるプライマー層と、コーティング層形成工程で得られる第二位相差板とが貼着するように貼り合わせる貼合工程、
前記転写基材を第二位相差板から剥離する転写基材剥離工程、及び
前記第二位相差板の表面に粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程を有し、
少なくともプライマー層形成工程とコーティング層形成工程は、他の工程よりも先に行い、そして
第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成が得られるように前記各工程を行う方法。
(2) 第一位相差板の表面にプライマー層を形成するプライマー層形成工程、
そのプライマー層の表面に、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成するコーティング層形成工程、及び
その第二位相差板の表面に粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程
をこの順に行い、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成を得る方法。
(1) の方法として、より具体的には、プライマー層形成工程とコーティング層形成工程を行った後、貼合工程、転写基材剥離工程及び粘着剤層形成工程の順に行う方法や、プライマー層形成工程とコーティング層形成工程を行った後、粘着剤層形成工程、転写基材剥離工程及び貼合工程の順に行う方法が採用できる。
また本発明によれば、上記の複合位相差板に、偏光板などの他の光学機能を示す光学層が積層された複合光学部材も提供される。
さらに本発明によれば、上記の複合光学部材が、液晶セルの少なくとも一方の面に配置されている液晶表示装置も提供される。
本発明の複合位相差板は、第一位相差板と第二位相差板の間をプライマー層で貼着することで、それを液晶セルに貼り合わせたときに、物理的な外力によって生じやすい第二位相差板の割れに起因する光漏れを効果的に抑制することができ、良好な表示状態が得られる。したがって、この複合位相差板を偏光板などの他の光学機能を示す光学層と組み合わせた複合光学部材を適用した液晶表示装置は、光漏れが抑えられ、表示状態に優れたものとなる。
以下、添付の図面も適宜参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明する。本発明では、図1に示すように、第一位相差板11、プライマー層12、第二位相差板14、及び粘着剤層19をこの順に積層して、複合位相差板10とする。
第一位相差板11は、面内で配向しているものであり、透明性に優れ、均一なものであればよいが、配向性を有するフィルムの製造のしやすさなどの点から、透明な熱可塑性樹脂の延伸フィルムが、好ましく用いられる。熱可塑性樹脂として具体的には例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロース系樹脂、プロピレンやエチレンの如きオレフィンを主要なモノマーとするポリオレフィン系樹脂、ノルボルネンの如き多環式の環状オレフィンを主要なモノマーとする環状ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。また、セルロース系樹脂などの透明樹脂基板に、液晶性物質などからなる塗布層を設け、位相差を発現させたものも、第一位相差板11として用いることができる。
第一位相差板の面内位相差値は、複合位相差板の用途により、30〜300nm程度の範囲から適宜選択すればよい。例えば、携帯電話や携帯情報端末の如き比較的小型の液晶表示装置に複合位相差板を適用する場合、第一位相差板は、1/4波長板であるのが有利である。
プライマー層12は、透明樹脂の塗布により形成される。ここで、プライマーとは一般に下塗りを意味、本発明におけるプライマー層12は、コーティングによって形成される第二位相差板の下塗り層として機能する。また、プライマー層12の存在により、そこに直接、第二位相差板14用の塗工液を塗布する場合であっても、その塗工液中の有機溶媒による第一位相差板11への影響を防ぐことができる。プライマー層12は、粘着剤ほどの弾性を示さない樹脂で構成される。その樹脂は、塗工性に優れ、特に層形成後の透明性及び密着性に優れたものが好ましい。
プライマー層12を構成する樹脂は、溶媒に溶解した状態で用いてもよいし、またそれ自身で層形成能を有するが、膜厚を調整するためにその樹脂を溶媒で希釈して用いてもよい。樹脂の溶解性により、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルの如きエステル類、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルムの如き塩素化炭化水素類、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールの如きアルコール類など、一般的な有機溶媒を用いることもできる。ただ、有機溶媒を含む溶液からプライマー層12を形成すると、第一位相差板11の光学特性に影響を及ぼすこともあるので、水を溶媒とする塗工液からプライマー層12を形成するのが好ましい。
本発明では、プライマー層12を、エポキシ樹脂を含有する透明樹脂で構成する。エポキシ樹脂は、一液硬化型のものや二液硬化型のもののいずれも用いることができる。また、水溶性のエポキシ樹脂が特に好ましい。水溶性のエポキシ樹脂は、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂であることができる。かかるポリアミドエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)から販売されている“スミレーズレジン 650(30)”や“スミレーズレジン 675”(いずれも商品名)などがある。
プライマー層12を形成する樹脂として水溶性のエポキシ樹脂を用いる場合は、さらに塗工性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂などの他の水溶性樹脂を混合するのが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。適当なポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、(株)クラレから販売されているカルボキシル基変性ポリビニルアルコールである“KL-318”や“KL-506”(いずれも商品名)などがある。これらクラレ社製ポリビニルアルコールの詳細は、同社のポバール樹脂専門サイト〈URL:http://www.poval.jp/japan/poval/s_grades/sg_k.html〉に“KURARAY POVAL 特殊銘柄”として掲載されている(アクセス日:2006年3月3日)。
水溶性のエポキシ樹脂を含む塗工液からプライマー層12を形成する場合、エポキシ樹脂は、水100重量部あたり0.2〜5.5重量部程度の範囲の濃度とするのが好ましい。水100重量部あたりのエポキシ樹脂の濃度は、この範囲で比較的低めの例えば 0.2〜1.5重量部程度から選ぶこともできるし、比較的高めの例えば 0.5〜5.5重量部程度から選ぶのも、プライマー層としての機能を一層高めるうえで有効である。また、この塗工液にポリビニルアルコール系樹脂を配合する場合、その量は、水100重量部あたり1〜25重量部程度とするのが好ましい。水100重量部あたりのポリビニルアルコール系樹脂の配合量も、この範囲で比較的低めの例えば1〜6重量部程度から選ぶこともできるし、比較的高めの例えば5〜25重量部程度から選ぶのも有効である。プライマー層12の厚みは、 0.1〜10μm 程度の範囲とするのが好ましく、とりわけ 0.5〜10μm 程度とするのがより好ましい。
プライマー層の形成にあたり、使用する塗工方式は特に制限されるものでなく、ダイレクト・グラビア法、リバース・グラビア法、ダイコート法、カンマコート法、バーコート法など、公知の各種コーティング法を用いることができる。
第二位相差板14は、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液から溶媒を除去して形成される層である。
ここで有機修飾粘土複合体は、有機物と粘土鉱物との複合体であって、具体的には例えば、層状構造を有する粘土鉱物と有機化合物を複合化したものであることができ、有機溶媒に分散可能なものである。層状構造を有する粘土鉱物としては、スメクタイト族や膨潤性雲母などが挙げられ、その陽イオン交換能により有機化合物との複合化が可能となる。なかでもスメクタイト族は、透明性にも優れることから、好ましく用いられる。スメクタイト族に属するものとしては、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイトなどが例示できる。これらのなかでも化学合成されたものは、不純物が少なく、透明性に優れるなどの点で好ましい。特に、粒径を小さく制御した合成ヘクトライトは、可視光線の散乱が抑制されるために好ましく用いられる。
粘土鉱物と複合化される有機化合物としては、粘土鉱物の酸素原子や水酸基と反応しうる化合物、また交換性陽イオンと交換可能なイオン性の化合物などが挙げられ、有機修飾粘土複合体が有機溶媒に膨潤又は分散できるようになるものであれば特に制限はないが、具体的には含窒素化合物などを挙げることができる。含窒素化合物としては、例えば、1級、2級又は3級のアミン、4級アンモニウム化合物などが挙げられる。なかでも、陽イオン交換が容易であることなどから、4級アンモニウム化合物が好ましく用いられる。
有機修飾粘土複合体は、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。適当な有機修飾粘土複合体の市販品には、それぞれコープケミカル(株)から“ルーセンタイト STN”や“ルーセンタイト SPN”の商品名で販売されている合成ヘクトライトと4級アンモニウム化合物との複合体などがある。
このような有機溶媒に分散可能な有機修飾粘土複合体は、プライマー層12や後述する転写基材へのコーティングのしやすさ、光学特性の発現性や力学的特性などの点から、バインダー樹脂と組み合わせて用いられる。有機修飾粘土複合体と併用するバインダー樹脂は、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解するもの、とりわけ、ガラス転移温度が室温以下(約20℃以下)であるものが、好ましく用いられる。また、液晶表示装置に適用する場合に必要とされる良好な耐湿熱性及びハンドリング性を得るためには、疎水性を有するものが望ましい。このような好ましいバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラールやポリビニルホルマールの如きポリビニルアセタール樹脂、セルロースアセテートブチレートの如きセルロース系樹脂、ブチルアクリレートの如きアクリル系樹脂、ウレタン樹脂、メタアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
適当なバインダー樹脂の市販品としては、電気化学工業(株)から“デンカブチラール #3000-K”の商品名で販売されているポリビニルアルコールのアルデヒド変性樹脂、東亞合成(株)から“アロン S1601”の商品名で販売されているアクリル系樹脂、住化バイエルウレタン(株)から“SBU ラッカー 0866” の商品名で販売されているイソホロンジイソシアネートベースのウレタン樹脂などがある。
有機溶媒に分散可能な有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂の割合は、前者:後者の重量比で1:2〜10:1の範囲、とりわけ1:1〜2:1の範囲にあることが、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂からなる層の割れ防止などの力学的特性向上のために好ましい。
有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂は、有機溶媒に含有させた状態で、プライマー層12上、又は転写基材上に塗布される。この際一般には、バインダー樹脂は有機溶媒に溶解され、そして有機修飾粘土複合体は有機溶媒中に分散される。この分散液の固形分濃度は、調製後の分散液が実用上問題ない範囲でゲル化したり白濁したりしなければ制限はないが、通常、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂の合計固形分濃度が3〜15重量%程度となる範囲で使用される。最適な固形分濃度は、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂それぞれの種類や両者の組成比により異なるため、組成毎に設定される。また、製膜する際の塗布性を向上させるための粘度調整剤や、疎水性及び/又は耐久性をさらに向上させるための架橋剤など、各種の添加剤を加えてもよい。
第二位相差板14を形成するのに使用する塗工方式も特に制限されるものでなく、ダイレクト・グラビア法、リバース・グラビア法、ダイコート法、カンマコート法、バーコート法など、公知の各種コーティング法を用いることができる。
第二位相差板の厚み方向の屈折率異方性は、前記式(II)により定義される厚み方向の位相差値Rthで表され、この値は、面内の遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定される位相差値R40と面内の位相差値R0 とから算出できる。すなわち、式(II)による厚み方向の位相差値Rthは、面内の位相差値R0 、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値R40、フィルムの厚みd、及びフィルムの平均屈折率n0 を用い、以下の式 (III)〜(V)から数値計算によりnx、ny及びnz を求め、これらを前記式(II)に代入して、算出することができる。
0 =(nx−ny)×d (III)
40=(nx−ny')×d/cos(φ) (IV)
(nx+ny+nz)/3=n0 (V)
ここで、
φ=sin-1〔sin(40°)/n0
y'=ny×nz/〔ny 2×sin2(φ)+nz 2×cos2(φ)〕1/2
第二位相差板14の厚み方向位相差値Rthは、40〜300nm程度の範囲から、その用途、特に液晶セルの特性に合わせて、適宜選択するのが好ましい。その厚み方向位相差値Rthは、有利には50nm以上、また有利には200nm以下である。
粘着剤層19は、アクリル系ポリマーや、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとするもので構成することができる。なかでも、アクリル系粘着剤のように、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を保持し、基材との接着性にも優れ、さらには耐候性や耐熱性などを有し、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれ等の剥離問題を生じないものを選択して用いることが好ましい。アクリル系粘着剤においては、メチル基やエチル基、ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどからなる官能基含有アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、さらに好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上のアクリル系共重合体が、ベースポリマーとして有用である。
次に、本発明の複合位相差板の製造方法について説明する。前述したとおり、本発明の複合位相差板は、次のいずれかの方法によって製造することができる。
(1) 第一位相差板の表面にプライマー層を形成するプライマー層形成工程、
有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を転写基材に塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成するコーティング層形成工程、
プライマー層形成工程で得られるプライマー層と、コーティング層形成工程で得られる第二位相差板とが貼着するように貼り合わせる貼合工程、
前記転写基材を第二位相差板から剥離する転写基材剥離工程、及び
前記第二位相差板の表面に粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程を有し、
少なくともプライマー層形成工程とコーティング層形成工程は、他の工程よりも先に行い、そして
第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成が得られるように前記各工程を行う方法。
(2) 第一位相差板の表面にプライマー層を形成するプライマー層形成工程、
そのプライマー層の表面に、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成するコーティング層形成工程、及び
その第二位相差板の表面に粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程
をこの順に行い、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成を得る方法。
(1) の方法として、より具体的には、プライマー層形成工程とコーティング層形成工程を行った後、貼合工程、転写基材剥離工程及び粘着剤層形成工程の順に行う方法や、プライマー層形成工程とコーティング層形成工程を行った後、粘着剤層形成工程、転写基材剥離工程及び貼合工程の順に行う方法が採用できる。
(1) の前者の方法では、第一位相差板の表面にプライマー層を形成し(プライマー層形成工程)、別途、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を転写基材に塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成し(コーティング層形成工程)、前記プライマー層付き第一位相差板のプライマー層側に前記第二位相差板の露出面を貼合し(貼合工程)、次いで、転写基材を前記第二位相差板から剥離し(転写基材剥離工程)、その第二位相差板の転写基材剥離面に粘着剤層を形成し(粘着剤層形成工程)、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成からなる複合位相差板を製造する。この方法を以下、「第一の形態」又は「第一転写法」と呼ぶことがある。
(1) の後者の方法では、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を転写基材に塗工し、そこから有機溶媒と水を除去して第二位相差板を形成し(コーティング層形成工程)、その露出面に粘着剤層を形成し(粘着剤層形成工程)、別途、第一位相差板の表面にプライマー層を形成し(プライマー層形成工程)、次いで、転写基材を前記第二位相差板から剥離し(転写基材剥離工程)、その第二位相差板の転写基材剥離面と前記第一位相差板のプライマー層表面とを貼合し(貼合工程)、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成からなる複合位相差板を製造する。この方法を以下、「第二の形態」又は「第二転写法」と呼ぶことがある。
さらに (2)の方法では、第一位相差板の表面にプライマー層を形成し(プライマー層形成工程)、そのプライマー層の表面に、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成し(コーティング層形成工程)、次いでその表面に粘着剤層を形成し(粘着剤層形成工程)、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成からなる複合位相差板を製造する。この方法を以下、「第三の形態」又は「塗工法」と呼ぶことがある。
第一の形態(第一転写法)を図2に断面模式図で示した。この形態では、まず、図2の(A)に示すように、第一位相差板11の表面にプライマー層12を形成して、プライマー層付き第一位相差板13とする。この際、第一位相差板11は、その両面にコロナ処理を施しておくのが好ましい。別途、図2の(B)に示すように、転写基材15の表面に第二位相差板14を形成して、転写基材付き第二位相差板16とする。これらのプライマー層付き第一位相差板13と転写基材付き第二位相差板16とは、図2の(C)に示すように、プライマー層12と第二位相差板14とを貼着面として貼合され、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/転写基材からなる層構成の半製品17となる。そこから、転写基材15を剥離除去して、図2の(D)に示すような、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板からなる層構成の半製品18とする。最後に、その第二位相差板14の転写基材15を剥離した後の面に、粘着剤層19を形成して、図2の(E)に示す構成の複合位相差板10とする。
この形態でロール状の複合位相差板を製造する場合の例を、工程順に図3〜図5に断面模式図で示した。この形態の第一工程では、第一位相差板11の表面にプライマー層12を形成し、巻き取る。図3を参照してさらに詳しく説明すると、第一位相差板送り出しロール30から繰り出された第一位相差板11の表面に、プライマー層塗工機31を介してプライマー層用塗工液が塗布され、引き続き、プライマー層乾燥ゾーン32を通って乾燥された後、プライマー層付き第一位相差板13となり、第一半製品ロール35に巻き取られる。
第一半製品ロール35に巻き取る際、プライマー層12の空気への露出面が剥き出しのまま巻き取られるため、第一位相差板11のプライマー層を形成する面と反対の面には、プライマー層と密着しないプロテクトフィルムを貼合しておくことが好ましい。また、プライマー層の乾燥では、プライマー層の含水率を30〜60重量%程度にとどめておくことが好ましい。
続く第二工程では、転写基材15上に有機修飾粘土複合体を含むコーティング層である第二位相差板14を形成し、その第二位相差板14の空気への露出面に第一工程で得られたプライマー層付き第一位相差板13のプライマー層側を貼合する。図4を参照してさらに詳しく説明すると、転写基材送り出しロール40から繰り出された転写基材15の表面に、コーティング層塗工機41を介してコーティング層用塗工液が塗布され、引き続きコーティング層乾燥ゾーン42を通って乾燥され、転写基材付き第二位相差板16となった後、プライマー層付き第一位相差板13との貼合に供される。プライマー層付き第一位相差板13は、第一工程で一旦、第一半製品ロール35に巻き取られたもので、同じロール35より繰り出され、プライマー層付き第一位相差板13のプライマー層12が露出した面は、前記転写基材15上に形成された第二位相差板14の表面に貼り合わされて、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/転写基材からなる層構成の半製品17となり、第二半製品ロール45に巻き取られる。
第三工程では、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/転写基材からなる層構成の半製品17を乾燥させた後、転写基材15を剥離しながら、剥離後の第二位相差板14の表面に粘着剤層19を形成する、すなわち粘着加工を施す。図5を参照してさらに詳しく説明すると、図4に示す第二工程で一旦、第二半製品ロール45に巻き取られた第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/転写基材からなる層構成の半製品17は、同じロール45から繰り出され、第二半製品乾燥ゾーン46を通って乾燥された後、転写基材剥離ロール47で転写基材15を剥離し、剥離によって露出した第一位相差板18の第二位相差板14表面に、送り出しロール49から繰り出される粘着剤付きフィルム20を、その粘着剤層側で貼り合わされるように供給し、両者が貼り合わされて、製品ロール60に巻き取られるようになっている。剥離後の転写基材15は、転写基材巻き取りロール48に巻き取られる。これらの工程を経て、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板10が得られる。
なお、図3〜5において、曲線矢印は、ロールの回転方向を表し、以下の図7〜9及び図11〜13においても同様である。
第二の形態(第二転写法)を図6に断面模式図で示した。この形態では、まず、図6の(A)に示すように、転写基材15上に有機修飾粘土複合体を含むコーティング層である第二位相差板14を形成して、転写基材付き第二位相差板16とする。この転写基材付き第二位相差板16はその後、図6の(B)に示すように、第二位相差板14の空気への露出面に粘着剤層19を形成して、転写基材/第二位相差板/粘着剤層からなる層構成の半製品21とされる。別途、図6の(C)に示すように、第一位相差板11の表面にプライマー層12を形成して、プライマー層付き第一位相差板13とする。この際、第一位相差板11は、その両面にコロナ処理を施しておくのが好ましい。さらに、図6の(B)に示す半製品21から転写基材15を剥離して、同(D)に示すような、第二位相差板/粘着剤層からなる層構成の半製品22とし、その第二位相差板14側に、プライマー層付き第一位相差板13のプライマー層12を貼着して、図6の(E)に示す構成の複合位相差板10とする。
この形態でロール状の複合位相差板を製造する場合の例を、工程順に図7〜図9に断面模式図で示した。この形態の第一工程では、転写基材15上に有機修飾粘土複合体を含むコーティング層である第二位相差板14を形成し、次いでその第二位相差板14の空気への露出面に粘着剤層19を形成する、すなわち粘着加工を施す。図7を参照してさらに詳しく説明すると、転写基材送り出しロール40から繰り出された転写基材15の表面に、コーティング層塗工機41を介してコーティング層用塗工液が塗布され、引き続きコーティング層乾燥ゾーン42を通って乾燥された後、粘着剤付きフィルム20との貼合に供される。転写基材付き第二位相差板16の空気への露出面に、粘着剤付きフィルム送り出しロール49から繰り出される粘着剤付きフィルム20を、その粘着剤層側で貼り合わされるように供給し、両者が貼り合わされて、転写基材/第二位相差板/粘着剤層からなる層構成の半製品21となり、第三半製品ロール50に巻き取られるようになっている。
続く第二工程では、第一位相差板の上にプライマー層を形成し、そのプライマー層の空気への露出面に、第一工程で得られた半製品21から転写基材15を剥離した形の半製品22を貼合する。図8を参照してさらに詳しく説明すると、第一位相差板送り出しロール30から繰り出された第一位相差板11の表面に、プライマー層塗工機31を介してプライマー層用コーティング液が塗布され、引き続きプライマー層乾燥ゾーン32を通って乾燥された後、半製品22との貼合に供される。第一工程で一旦第三半製品ロール50に巻き取られた半製品21は、同じロール50より繰り出され、転写基材剥離ロール47で転写基材15を剥離して第二位相差板/粘着剤層からなる層構成の半製品22とされ、剥離によって露出した第二位相差板14の表面が、プライマー層付き第一位相差板13のプライマー層12表面に貼り合わされて、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層からなる積層位相差板10となり、第四半製品ロール55に巻き取られるようになっている。剥離後の転写基材15は、転写基材巻き取りロール48に巻き取られる。
第二工程におけるプライマー層12の乾燥では、その含水率を30〜60重量%程度にとどめておくことが好ましい。
第三工程では、積層位相差板10を乾燥させる。図9を参照してさらに詳しく説明すると、図8に示す第二工程で、一旦第四半製品ロール55に巻き取られた積層位相差板11は、同じロール55から繰り出され、製品乾燥ゾーン56を通って乾燥され、製品ロール60に巻き取られるようになっている。これらの工程を経て、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板10が得られる。
第三の形態(塗工法)を図10に断面模式図で示した。この形態では、まず、図10の(A)に示すように、第一位相差板11の表面にプライマー層12を形成して、プライマー層付き第一位相差板13とする。この際、第一位相差板11は、その両面にコロナ処理を施しておくのが好ましい。その後、プライマー層12の表面に第二位相差板14を形成して、図10の(B)に示すような、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板からなる層構成の半製品23とする。さらに、その第二位相差板14の表面に粘着剤層19を形成して、図10の(C)に示すような複合位相差板10とする。
この形態(塗工法)でロール状の複合位相差板を製造する場合の例を、図11に断面模式図で示した。この形態では、まず、第一位相差板送り出しロール30から繰り出された第一位相差板11の表面に、プライマー層塗工機31を介してプライマー層用コーティング液が塗布され、引き続きプライマー層乾燥ゾーン32を通って乾燥された後、コーティング層である第二位相差板の形成に供される。この場合も、第一位相差板11は、その両面にコロナ処理が施されているのが好ましい。次いで、プライマー層12の空気への露出面に、コーティング層塗工機41を介してコーティング層用塗工液が塗布され、引き続きコーティング層乾燥ゾーン42を通って乾燥された後、粘着剤付きフィルム20との貼合に供される。第二位相差板の空気への露出面に、粘着剤付きフィルム送り出しロール49から繰り出される粘着剤付きフィルム20を、その粘着剤層側で貼り合わされるように供給し、両者が貼り合わされて、製品ロール60に巻き取られるようになっている。これらの工程を経て、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板10が得られる。
図11に示した塗工法を、二つの工程に分割することもできる。この場合の例を図12及び図13に断面模式図で示した。この例の第一工程では、図12に示す如く、第一位相差板送り出しロール30から繰り出された第一位相差板11の表面に、プライマー層塗工機31を介してプライマー層用コーティング液が塗布され、引き続きプライマー層乾燥ゾーン32を通って乾燥された後、プライマー層付き第一位相差板13となり、第一半製品ロール35に巻き取られる。
図13に示す第二工程では、図12の第一工程で一旦第一半製品ロール35に巻き取られたプライマー層付き第一位相差板13が同じロールから繰り出され、その表面にコーティング層塗工機41を介してコーティング層用塗工液が塗布され、引き続きコーティング層乾燥ゾーン42を通って乾燥されて、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板からなる層構成の半製品23となった後、粘着剤付きフィルム20との貼合に供される。第二位相差板の空気への露出面に、粘着剤付きフィルム送り出しロール49から繰り出される粘着剤付きフィルム20を、その粘着剤層側で貼り合わされるように供給し、両者が貼り合わされて、製品ロール60に巻き取られるようになっている。これらの工程を経て、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板10が得られる。
なお、図5、図7、図11及び図13において、粘着剤層は、粘着剤付きフィルム20をその粘着剤層側で貼り合わせる形態を示したが、粘着剤塗工液を塗工する方法によって粘着剤層を設けることもできる。また、図3〜図5、図7〜図9及び図11〜図13の間では、同一の部分に対して同一の符号を付している。特に、図3と図12は同じ状態になっていることが理解されるであろう。
上記した第一の形態(第一転写法)及び第二の形態(第二転写法)において、コーティング層である第二位相差板14を形成するのに用いる転写基材15は、その表面に形成された層を容易に剥離できるような処理が施されたフィルムであればよい。一般に、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムの表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂などの離型剤を塗布して離型処理されたフィルムが販売されているので、これをそのまま用いることができる。転写基材15は、その上にコーティングにより第二位相差板14を形成することから、そのコーティング層を形成する面の水接触角が90〜130°の範囲にあることが好ましく、さらには100°以上、また120°以下の水接触角であるのがより好ましい。表面の水接触角が90°未満では、コーティング層形成後の剥離性が悪く、転写基材剥離後の第二位相差板14に位相差ムラなどの欠陥を生じやすい。また、その水接触角が130°より大きいと、その上に形成される乾燥前の塗工液にハジキが発生しやすく、面内に斑点状の位相差ムラが発生することがある。ここで、水接触角とは、液体として水を用いたときの接触角であり、その値が大きいほど(上限180°)、水に濡れにくいことを意味する。
また上記いずれの形態においても、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂を有機溶媒中に含有してなるコーティング層用塗工液は、その塩素含有量を2,000ppm以下としておくのが好ましい。有機修飾粘土複合体には、その製造の際に用いられる原料に起因して、塩素を含む化合物が不純物として混入していることが多い。そのような塩素化合物の量が多いまま用いると、コーティングにより第二位相差板とした後にフィルムからブリードアウトする可能性がある。その場合には、粘着剤層を介してその複合位相差板を液晶セルガラスに貼合したときに、粘着力が経時で大幅に低下してしまう。そこで、有機修飾粘土複合体からは、洗浄により塩素化合物を除去しておくのが好ましく、その中に含まれる塩素の量を2,000ppm以下としておけば、かかる粘着力の低下を抑えることができる。塩素化合物の除去は、有機修飾粘土複合体を水洗する方法により行うことができる。
さらに、このコーティング層用塗工液は、カールフィッシャー水分計で測定される含水率を0.15〜0.35重量%の範囲としておくのが好ましい。この含水率が 0.35重量%を越えると、非水溶性有機溶媒中での相分離を生じ、塗工液が2層に分離してしまう傾向にある。一方、その含水率が 0.15重量%を下回ると、コーティング位相差板としたときに、ヘイズ値を高める傾向にある。水分の測定方法には、乾燥法、カールフィッシャー法、誘電率法などがあるが、ここでは、簡便かつ微量単位の測定が可能なカールフィッシャー法を採用する。
コーティング層用塗工液の含水率を上記範囲に調整する方法は特に制限されないが、塗工液中に水を添加する方法が簡便で、望ましい。本発明で用いるような有機溶媒、有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂を、通常の方法で混合しただけでは、 0.15重量%以上の含水率を示すことはほとんどない。そこで、有機溶媒、有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂を混合した塗工液に少量の水を添加することにより、含水率を上記範囲とするのが好ましい。水を添加する方法は、塗工液の調製工程のいかなる時期の添加でも有効であり、特に制限はないが、塗工液の調製工程で一定時間経過後、サンプリングして含水率を測定したのち、所定量の水を添加する方法が、再現性及び精度よく含水率を制御できる点で好ましい。なお、添加された水の量が、カールフィッシャー水分計による測定結果と合わないこともある。その原因として、水が一部、有機修飾粘土複合体との相互作用(例えば、吸着)を起こしていることなどが考えられる。ただし、カールフィッシャー水分計で測定される水分率を0.15〜0.35重量%に保てば、得られるコーティング位相差板のヘイズ値が低く抑えられる。
以上のようにして得られる複合位相差板は、偏光板など、他の光学機能を示す光学層に積層して、複合光学部材とすることができる。複合光学部材の層構成の例を図14に断面模式図で示した。この例では、図1に示した複合位相差板10の第一位相差板11側に、他の光学機能を示す光学層71が積層され、複合光学部材70となっている。両者の積層には、例えば、粘着剤を用いることができ、図14ではこれを粘着剤層72として表示している。他の光学機能を示す光学層71は、少なくとも偏光板を含むことが好ましいが、その他に例えば、輝度向上フィルムなど、液晶表示装置等の形成に従来から用いられているものを挙げることができる。
他の光学層71として用いる偏光板は、面内の一方向に振動面を有する直線偏光を透過し、面内でそれと直交する方向に振動面を有する直線偏光を吸収するものであればよい。具体的には、ポリビニルアルコールフィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の少なくとも片面(片面又は両面)に保護フィルムが貼合されたものを用いることができる。二色性色素として、ヨウ素を用いたヨウ素系偏光板や、二色性有機染料を用いた染料系偏光板があるが、いずれも用いることができる。また保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂や、ノルボルネンの如き多環式の環状オレフィンを主要なモノマーとする環状ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。他の光学層71が偏光板を含む場合は、図14に示すように、複合位相差板10の第一位相差板11側に、この偏光板を含む他の光学層71を積層するのが好ましい。
他の光学層71の貼合に粘着剤を用いる場合、その粘着剤は、先に図1を参照して同図中の粘着剤層19について説明したのと同様のものを用いることができる。
図14に示すような複合光学部材70は、液晶セルの少なくとも一方の面に配置して、液晶表示装置とすることができる。液晶セルの両面に、このような複合光学部材を配置することもできる。液晶セルの片面に複合光学部材を配置した場合、液晶セルのもう一方の面には、他の偏光板が、必要に応じて位相差板を介在させて配置される。液晶セルは、背景技術の項で述べた如く、垂直配向(VA)モードのものが好ましいが、その他、ベンド配向(ECB)モードなど、他の方式の液晶セルに対しても、本発明の複合位相差板又は複合光学部材は、有効に機能する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す部及び%は、特記ない限り重量基準である。以下の実施例1〜6で用いたプライマー層塗工液並びに以下の全ての実施例及び比較例で用いた第二位相差板塗工液の組成は、それぞれ次のとおりである。
[実施例1〜6で用いたプライマー層塗工液](プライマー層塗工液Aとする)
水溶性エポキシ樹脂として、住化ケムテックス(株)製のポリアミドエポキシ樹脂である“スミレーズレジン 650(30)”(商品名、固形分濃度30%の水溶液)を、またポリビニルアルコール系樹脂として、(株)クラレ製のカルボキシル基変性ポリビニルアルコールである“KL-318”(商品名)を用い、以下の組成で配合したもの。
Figure 0004858005
この塗工液は、水を100℃に温めながらポリビニルアルコール“KL-318”と混合し、攪拌後、室温まで冷却し、さらにポリアミドエポキシ樹脂“スミレーズレジン 650(30)”と混合し、攪拌して調製した。
[第二位相差板塗工液]
有機修飾粘土複合体として、合成ヘクトライトとトリオクチルメチルアンモニウムイオンとの複合体であるコープケミカル(株)製の“ルーセンタイト STN”(商品名)を、またバインダー樹脂として、イソホロンジイソシアネートベースのポリウレタン樹脂で固形分濃度30%の樹脂ワニスである住化バイエルウレタン(株)製“SBU ラッカー 0866” (商品名)を用い、以下の組成で配合したもの。
Figure 0004858005
ここで用いた有機修飾粘土複合体は、メーカーにて、有機修飾前の合成ヘクトライト製造後に酸洗浄し、それを有機修飾し、さらに水洗した状態で入手したものである。そこに含まれる塩素量は1,111ppmであった。また、この塗工液は、上記組成で混合し、攪拌後、孔径1μm のフィルターで濾過して調製したものであり、カールフィッシャー水分計で測定される含水率は 0.25%であった。この塗工液における有機修飾粘土複合体/バインダー樹脂の固形分重量比は6/4である。
[実施例1]
(a)複合位相差板の作製
この例では、前記第一転写法により複合位相差板を製造した。まず、ノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板〔住友化学(株)製の“CSES430120Z-F-KY”、面内位相差値120nm、第一位相差板となる〕に、前記したプライマー層塗工液Aを塗工し、80℃で1分間乾燥して、含水率が約35%のプライマー層を形成した。別途、離型処理が施された厚さ38μm のポリエチレンテレフタレートフィルム(離型処理面の水接触角110°)を転写基材として、その離型処理面に前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。先のプライマー層が形成された第一位相差板と、転写基材上に形成された第二位相差板とを、プライマー層と第二位相差板を貼着面として貼合した。さらにプライマー層の含水率が 0.5%未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。その後、第二位相差板から転写基材を剥離し、その転写基材剥離後の第二位相差板表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。この例におけるプライマー層の厚さは、約0.2〜0.3μm であった。
(a1)プライマー層と第二位相差板の密着力の評価1:剥離試験
この複合位相差板を、幅25mm、長さ約250mmに切断し、粘着剤層側でソーダガラス板に貼合した後、オートクレーブ中、圧力5kgf/cm2、温度50℃で20分間の加圧処理を行い、次に(株)島津製作所製の測定器“オートグラフ AG-1” を用いて、180°剥離、引張り速度300mm/分で密着力を測定し、プライマー層と第二位相差板の密着力の評価を行った。その結果、試験途中に粘着剤層が 9.4Nで破断したため、プライマー層と第二位相差板の密着力は、少なくとも 9.4N以上であると見積もられる。その後、剥離を続けると、ソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の57%残った。
(a2)プライマー層と第二位相差板の密着力の評価2:クロスハッチ試験
(a)で得た複合位相差板を粘着剤層側でソーダガラス板に貼合し、JIS D 0202-1988 に準拠して第一位相差板側から碁盤状切れ目を入れ、クロスハッチ試験(JIS では「碁盤目付着性試験」と記載されているもの)を行って、碁盤目100個あたりの剥がれた碁盤目の数で密着力を評価した。その結果、剥がれた碁盤目は100/100であった。
(b)複合光学部材の作製
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、粘着剤付きのポリビニルアルコール/ヨウ素系偏光板〔住友化学(株)製の“SRW062AP6-HC2”〕 をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
(b1)外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価
この複合光学部材をソーダガラス板にその最外面粘着剤層側で貼合した後、鉛筆硬度試験装置を用いて、複合光学部材の偏光板側から硬度Hの鉛筆で押圧し、鉛筆への荷重を増やしていって、光漏れが生じる荷重を記録し、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。この際、複合光学部材の偏光板とクロスニコル状態になるよう、新たな偏光板をソーダガラスの複合光学部材が貼合されている面と反対の面に配置し、ライトボックス上で光漏れを確認した。その結果、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても、光漏れは生じなかった。
(b2)切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価
(株)荻野精機製作所製の切断機“スーパーカッター NS-1200”を用いて、上記(b)で得た複合光学部材を、縦41.42〜56.40mm、横31.34〜43.00mmの長方形のチップに切断し、チップ端部に光漏れが生じているかどうかを確認した。この際、複合光学部材の偏光板とクロスニコル状態になるよう、新たな偏光板を複合光学部材の偏光板が配置されている面の反対の面に配置し、ライトボックス上で光漏れを確認した。その結果、チップの4辺いずれの端部にも光漏れは生じなかった。
[実施例2]
(a)複合位相差板の作製と評価
この例では、前記第二転写法により複合位相差板を作製した。まず、実施例1で用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写基材に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後実施例1と同様の条件で乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。その第二位相差板の表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着して、粘着剤層付き第二位相差板とした。別途、実施例1で用いたのと同じノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“CSES430120Z-F-KY”
(第一位相差板となる)に、前記したプライマー層塗工液Aを塗工し、実施例1と同様の条件で乾燥して、プライマー層を形成した。先の第二位相差板に粘着剤層を形成したものから転写基材を剥離し、その剥離面を、上記第一位相差板のプライマー層に貼合した。さらに、プライマー層の含水率が 0.5%未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。こうして、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a1)と同様の方法で剥離試験を行った。試験途中に粘着剤層が 9.9Nで破断したため、プライマー層と第二位相差板の密着力は、少なくとも 9.9N以上であると見積もられる。その後、剥離を続けると、ソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の25%残った。
また、この複合位相差板について、実施例1の(a2)と同様の方法でクロスハッチ試験を行った。その結果、剥がれた碁盤目は100/100であった。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、実施例1の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材について、実施例1の(b1)と同様の方法で、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても、光漏れは生じなかった。
また、この複合光学部材について、実施例1の(b2)と同様の方法で、切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、チップの4辺いずれの端部にも光漏れは生じなかった。
[実施例3]
(a)複合位相差板の作製と評価
この例では、前記塗工法により複合位相差板を作製した。まず、実施例1で用いたのと同じノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“CSES430120Z-F-KY”(第一位相差板となる)に、前記したプライマー層塗工液Aを塗工し、80℃で約10分間乾燥して、含水率が約0.5% のプライマー層を形成した。次に、そのプライマー層の上に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。さらに、第二位相差板の上にアクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a2)と同様の方法でクロスハッチ試験を行った。その結果、剥がれた碁盤目は0/100であった。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、実施例1の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材について、実施例1の(b1)と同様の方法で、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても、光漏れは生じなかった。
また、この複合光学部材について、実施例1の(b2)と同様の方法で、切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、チップの4辺いずれの端部にも光漏れは生じなかった。
[比較例1]
(a)複合位相差板の作製
実施例1で用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写基材に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後実施例1と同じ条件で乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。その第二位相差板側に、実施例1〜3で用いた第一位相差板と同じ材質でかつ同じ面内位相差値を有し、片面に粘着剤層が設けられた位相差板〔住友化学(株)製の“CSES430120Z6-F8-KY”〕をその粘着剤層側で貼合した。転写基材を第二位相差板から剥離した後、その第二位相差板の表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、実施例1の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材について、実施例1の(b1)と同様の方法で、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、600gの荷重を加えた時点で光漏れが生じた。
また、この複合光学部材について、実施例1の(b2)と同様の方法で、切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、長さ500μm 以上の割れがチップの4辺いずれかの端部に発生しているものが、100枚中28枚確認された。
[実施例4]
(a)複合位相差板の作製と評価
この例では、前記第一転写法により複合位相差板を作製した。まず、ポリカーボネート系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板〔帝人化成(株)製の“WRF-S-141” 、面内位相差値141nm、第一位相差板となる〕に、前記したプライマー層塗工液Aを塗工し、
80℃で1分間乾燥して、含水率が約30%のプライマー層を形成した。別途、離型処理が施された厚さ38μm のポリエチレンテレフタレートフィルム(離型処理面の水接触角110°)を転写基材とし、その離型処理面に前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。先のプライマー層が形成された第一位相差板と、転写基材上に形成された第二位相差板とを、プライマー層と第二位相差板を貼着面として貼合した。さらに、プライマー層の含水率が 0.5%未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。その後、第二位相差板から転写基材を剥離し、その転写基材剥離後の第二位相差板表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a1)と同様の方法で剥離試験を行った。試験途中に粘着剤層が 6.4Nで破断したため、プライマー層と第二位相差板の密着力は、少なくとも 6.4N以上であると見積もられる。その後、剥離を続けると、ソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の25%残った。
また、この複合位相差板について、実施例1の(a2)と同様の方法でクロスハッチ試験を行った。その結果、剥がれた碁盤目は100/100であった。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、実施例1の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材について、実施例1の(b1)と同様の方法で、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても、光漏れは生じなかった。
また、この複合光学部材について、実施例1の(b2)と同様の方法で、切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、チップの4辺いずれの端部にも光漏れは生じなかった。
[実施例5]
(a)複合位相差板の作製と評価
この例では、前記第二転写法により複合位相差板を作製した。まず、実施例4で用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写基材に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後実施例4と同様の条件で乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。その第二位相差板の表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着して、粘着剤層付き第二位相差板とした。別途、実施例4で用いたのと同じポリカーボネート系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“WRF-S-141” (第一位相差板となる)に、前記したプライマー層塗工液Aを塗工し、実施例4と同様の条件で乾燥して、プライマー層を形成した。先の第二位相差板に粘着剤層を形成したものから転写基材を剥離し、その剥離面を上記第一位相差板のプライマー層に貼合した。さらに、プライマー層の含水率が0.5% 未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。こうして、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a1)と同様の方法で剥離試験を行った。試験途中に粘着剤層が 6.3Nで破断したため、プライマー層と第二位相差板の密着力は、少なくとも 6.3N以上であると見積もられる。その後、剥離を続けると、ソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の6%残った。
また、この複合位相差板について、実施例1の(a2)と同様の方法でクロスハッチ試験を行った。その結果、剥がれた碁盤目は100/100であった。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、実施例4の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材について、実施例1の(b1)と同様の方法で、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても、光漏れは生じなかった。
また、この複合光学部材について、実施例1の(b2)と同様の方法で、切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、チップの4辺いずれの端部にも光漏れは生じなかった。
[実施例6]
(a)複合位相差板の作製と評価
この例では、前記塗工法により複合位相差板を作製した。まず、実施例4で用いたのと同じポリカーボネート系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“WRF-S-141” (第一位相差板となる)に、前記したプライマー層塗工液Aを塗工し、80℃で約10分間乾燥して、含水率が約0.5% のプライマー層を形成した。次に、そのプライマー層の上に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。さらに、第二位相差板の上にアクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a2)と同様の方法でクロスハッチ試験を行った。その結果、剥がれた碁盤目は0/100であった。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、実施例4の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材について、実施例1の(b1)と同様の方法で、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても、光漏れは生じなかった。
また、この複合光学部材について、実施例1の(b2)と同様の方法で、切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、チップの4辺いずれの端部にも光漏れは生じなかった。
[比較例2]
(a)複合位相差板の作製
実施例4で用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写基材に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後実施例4と同じ条件で乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。その第二位相差板側に、実施例4〜6で用いた第一位相差板と同じ材質でかつ同じ面内位相差値を有し、片面に粘着剤層が設けられた位相差板〔帝人化成(株)製の“WRF-S-141-P8”〕をその粘着剤層側で貼合した。転写基材を第二位相差板から剥離した後、その第二位相差板の表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得た複合位相差板の第一位相差板側表面に、実施例4の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/第一位相差板/粘着剤層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材について、実施例1の(b1)と同様の方法で、外力による第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、700gの荷重を加えた時点で光漏れが生じた。
また、この複合光学部材について、実施例1の(b2)と同様の方法で、切断による端部の第二位相差板の割れに起因する光漏れの評価を行った。その結果、長さ500μm 以上の割れがチップの4辺いずれかの端部に発生しているものが、100枚中17枚確認された。
次に、プライマー層塗工液の固形分濃度を比較的高めにしてプライマー層を形成した例を示す。以下の実施例7〜12で用いたプライマー層塗工液は、次のとおりである。
[実施例7〜12で用いたプライマー層塗工液](プライマー層塗工液Bとする)
水溶性エポキシ樹脂として、住化ケムテックス(株)製のポリアミドエポキシ樹脂である“スミレーズレジン 650(30)”(商品名、固形分濃度30%の水溶液)を、またポリビニルアルコール系樹脂として、(株)クラレ製のカルボキシル基変性ポリビニルアルコールである“KL-506”(商品名)を用い、以下の組成で配合したもの。
Figure 0004858005
この塗工液は、水を100℃に温めながらポリビニルアルコール“KL-506”と混合し、攪拌後、室温まで冷却し、さらにポリアミドエポキシ樹脂“スミレーズレジン 650(30)”と混合し、攪拌して調製した。
[実施例7]
この例では、実施例1の第一転写法に準ずるが、上記プライマー層塗工液Bを用い、その塗工厚さをやや厚くした。まず、ノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板〔住友化学(株)製の“CSES430120Z-S-KY”、面内位相差値120nm、第一位相差板となる〕に、前記したプライマー層塗工液Bを乾燥後の膜厚が約2μm となるよう塗工し、80℃で1分間乾燥して、含水率が約35%のプライマー層を形成した。別途、離型処理が施された厚さ38μm のポリエチレンテレフタレートフィルム(離型処理面の水接触角110°)を転写基材として、その離型処理面に前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。先のプライマー層が形成された第一位相差板と、転写基材上に形成された第二位相差板とを、プライマー層と第二位相差板を貼着面として貼合した。さらにプライマー層の含水率が 0.5%未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。その後、第二位相差板から転写基材を剥離し、その転写基材剥離後の第二位相差板表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a1)及び(a2)と同様の試験を行った。結果は、剥離試験及びクロスハッチ試験とも、実施例1の結果と同様で、プライマー層と第二位相差板の密着力は少なくとも 9.4N以上と見積もられ、全体剥離後はソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の57%残り、そしてクロスハッチ試験により剥がれた碁盤目は100/100であった。また、この複合位相差板を用いて、実施例1の(b)と同様に複合光学部材を作製し、(b1)及び(b2)と同様の評価を行った。結果は、外力による光漏れ及び切断による光漏れとも、実施例1の結果と同様で、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても光漏れは生じず、そして切断後のチップ端部に光漏れは生じなかった。
[実施例8]
この例では、実施例2の第二転写法に準ずるが、前記プライマー層塗工液Bを用い、その塗工厚さをやや厚くした。まず、実施例7で用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写基材に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後実施例7と同様の条件で乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。その第二位相差板の表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着して、粘着剤層付き第二位相差板とした。別途、実施例7で用いたのと同じノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“CSES430120Z-S-KY”(第一位相差板となる)に、前記したプライマー層塗工液Bを乾燥後の膜厚が約2μm となるよう塗工し、実施例7と同様の条件で乾燥して、プライマー層を形成した。先の第二位相差板に粘着剤層を形成したものから転写基材を剥離し、その剥離面を、上記第一位相差板のプライマー層に貼合した。さらに、プライマー層の含水率が 0.5%未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。こうして、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a1)及び(a2)と同様の試験を行った。結果は、剥離試験及びクロスハッチ試験とも、実施例2の結果と同様で、プライマー層と第二位相差板の密着力は少なくとも 9.9N以上と見積もられ、全体剥離後はソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の25%残り、そしてクロスハッチ試験により剥がれた碁盤目は100/100であった。また、この複合位相差板を用いて、実施例2の(b)と同様に複合光学部材を作製し、同様の評価を行った。結果は、外力による光漏れ及び切断による光漏れとも、実施例2の結果と同様で、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても光漏れは生じず、そして切断後のチップ端部に光漏れは生じなかった。
[実施例9]
この例では、実施例3の塗工法に準ずるが、前記プライマー層塗工液Bを用い、その塗工厚さをやや厚くした。まず、実施例7で用いたのと同じノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“CSES430120Z-S-KY”(第一位相差板となる)に、前記したプライマー層塗工液Bを乾燥後の膜厚が約2μm となるよう塗工し、80℃で約10分間乾燥して、含水率が約0.5% のプライマー層を形成した。次に、そのプライマー層の上に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。さらに、第二位相差板の上にアクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a2)と同様のクロスハッチ試験を行った。結果は、実施例3の結果と同様で、クロスハッチ試験により剥がれた碁盤目は0/100であった。また、この複合位相差板を用いて、実施例3の(b)と同様に複合光学部材を作製し、同様の評価を行った。結果は、外力による光漏れ及び切断による光漏れとも、実施例3の結果と同様で、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても光漏れは生じず、そして切断後のチップ端部に光漏れは生じなかった。
[実施例10]
この例では、実施例4の第一転写法に準ずるが、前記プライマー層塗工液Bを用い、その塗工厚さをやや厚くした。まず、実施例4で用いたのと同じポリカーボネート系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“WRF-S-141”(第一位相差板となる) に、前記したプライマー層塗工液Bを乾燥後の膜厚が約2μm となるよう塗工し、80℃で1分間乾燥して、含水率が約30%のプライマー層を形成した。 別途、離型処理が施された厚さ38μm のポリエチレンテレフタレートフィルム(離型処理面の水接触角110°)を転写基材とし、その離型処理面に前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。先のプライマー層が形成された第一位相差板と、転写基材上に形成された第二位相差板とを、プライマー層と第二位相差板を貼着面として貼合した。さらに、プライマー層の含水率が 0.5%未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。その後、第二位相差板から転写基材を剥離し、その転写基材剥離後の第二位相差板表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の
“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a1)及び(a2)と同様の試験を行った。結果は、剥離試験及びクロスハッチ試験とも、実施例4の結果と同様で、プライマー層と第二位相差板の密着力は少なくとも 6.4N以上と見積もられ、全体剥離後はソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の25%残り、そしてクロスハッチ試験により剥がれた碁盤目は100/100であった。また、この複合位相差板を用いて、実施例4の(b)と同様に複合光学部材を作製し、同様の評価を行った。結果は、外力による光漏れ及び切断による光漏れとも、実施例4の結果と同様で、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても光漏れは生じず、そして切断後のチップ端部に光漏れは生じなかった。
[実施例11]
この例では、実施例5の第二転写法に準ずるが、前記プライマー層塗工液Bを用い、その塗工厚さをやや厚くした。まず、実施例10で用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写基材に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後実施例10と同様の条件で乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。その第二位相差板の表面に、アクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着して、粘着剤層付き第二位相差板とした。別途、実施例10で用いたのと同じポリカーボネート系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“WRF-S-141”(第一位相差板となる) に、前記したプライマー層塗工液Bを乾燥後の膜厚が約2μm となるよう塗工し、実施例10と同様の条件で乾燥して、プライマー層を形成した。先の第二位相差板に粘着剤層を形成したものから転写基材を剥離し、その剥離面を上記第一位相差板のプライマー層に貼合した。さらに、プライマー層の含水率が 0.5%未満となるようにオーブン中で約10分間の乾燥を行った。こうして、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a1)及び(a2)と同様の試験を行った。結果は、剥離試験及びクロスハッチ試験とも、実施例5の結果と同様で、プライマー層と第二位相差板の密着力は少なくとも 6.3N以上と見積もられ、全体剥離後はソーダガラス面に粘着剤層と第二位相差板がガラス貼合面積の6%残り、そしてクロスハッチ試験により剥がれた碁盤目は100/100であった。また、この複合位相差板を用いて、実施例5の(b)と同様に複合光学部材を作製し、同様の評価を行った。結果は、外力による光漏れ及び切断による光漏れとも、実施例5の結果と同様で、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても光漏れは生じず、そして切断後のチップ端部に光漏れは生じなかった。
[実施例12]
この例では、実施例6の塗工法に準ずるが、前記プライマー層塗工液Bを用い、その塗工厚さをやや厚くした。まず、実施例10で用いたのと同じポリカーボネート系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板“WRF-S-141”(第一位相差板となる) に、前記したプライマー層塗工液Bを乾燥後の膜厚が約2μm となるよう塗工し、80℃で約10分間乾燥して、含水率が約0.5% のプライマー層を形成した。次に、そのプライマー層の上に、前記第二位相差板塗工液を塗工し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング層からなる第二位相差板を形成した。さらに、第二位相差板の上にアクリル系粘着剤〔リンテック(株)製の“P-3132”〕を貼着し、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順に積層された複合位相差板を得た。
この複合位相差板について、実施例1の(a2)と同様のクロスハッチ試験を行った。結果は、実施例6の結果と同様で、クロスハッチ試験により剥がれた碁盤目は0/100であった。また、この複合位相差板を用いて、実施例6の(b)と同様に複合光学部材を作製し、同様の評価を行った。結果は、外力による光漏れ及び切断による光漏れとも、実施例6の結果と同様で、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても光漏れは生じず、そして切断後のチップ端部に光漏れは生じなかった。
複合位相差板の構成を概略的に示す断面模式図である。 複合位相差板を製造する第一の形態(第一転写法)を工程毎に概略的に示す断面模式図である。 第一転写法において、第一位相差板の表面にプライマー層を形成するまでの工程(第一工程)を概略的に示す断面模式図である。 第一転写法において、転写基材の表面に第二位相差板を形成し、そこに第一位相差板のプライマー層を貼合するまでの工程(第二工程)を概略的に示す断面模式図である。 第一転写法において、プライマー層と第二位相差板を貼合した後、転写基材を剥離し、そこに粘着剤層を形成するまでの工程(第三工程)を概略的に示す断面模式図である。 複合位相差板を製造する第二の形態(第二転写法)を工程毎に概略的に示す断面模式図である。 第二転写法において、転写基材の表面に第二位相差板を形成し、そこに粘着剤層を形成するまでの工程(第一工程)を概略的に示す断面模式図である。 第二転写法において、第一位相差板の表面にプライマー層を形成し、そこに転写基材を剥離しながら第二位相差板を積層するまでの工程(第二工程)を概略的に示す断面模式図である。 第二転写法において、プライマー層と第二位相差板を貼合した後、乾燥する工程(第三工程)を概略的に示す断面模式図である。 複合位相差板を製造する第三の形態(塗工法)を工程毎に概略的に示す断面模式図である。 塗工法で第一位相差板へのプライマー層の形成から粘着剤層の形成まで一貫して行う場合の例を概略的に示す断面模式図である。 塗工法において、第一位相差板の表面にプライマー層を形成するまでの工程(第一工程)を概略的に示す断面模式図である。 塗工法において、第一位相差板の表面に形成されたプライマー層の上に第二位相差板を形成し、さらに粘着剤層を形成するまでの工程(第二工程)を概略的に示す断面模式図である。 複合光学部材の構成を概略的に示す断面模式図である。
符号の説明
10……複合位相差板、
11……第一位相差板、
12……プライマー層、
13……プライマー層付き第一位相差板、
14……第二位相差板、
15……転写基材、
16……転写基材付き第二位相差板、
17……第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/転写基材の半製品、
18……第一位相差板/プライマー層/第二位相差板の半製品、
19……粘着剤層、
20……粘着剤付きフィルム、
21……転写基材/第二位相差板/粘着剤層の半製品、
22……第二位相差板/粘着剤層の半製品、
23……第一層差板/プライマー層/第二位相差板の半製品、
30……第一位相差板送り出しロール、
31……プライマー層塗工機、
32……プライマー層乾燥ゾーン、
35……第一半製品ロール、
40……転写基材送り出しロール、
41……コーティング層塗工機、
42……コーティング層乾燥ゾーン、
45……第二半製品ロール、
46……第二半製品乾燥ゾーン、
47……転写基材剥離ロール、
48……転写基材巻き取りロール、
49……粘着剤付きフィルム送り出しロール、
50……第三半製品ロール、
55……第四半製品ロール、
56……製品乾燥ゾーン、
60……製品ロール、
70……複合光学部材、
71……他の光学機能を示す光学層、
72……粘着剤層。

Claims (14)

  1. 第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の順で積層されてなり、
    該プライマー層は、エポキシ樹脂を含有する透明樹脂からなり、
    該第二位相差板は、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液から溶媒を除去して得られるものであることを特徴とする複合位相差板。
  2. 第一位相差板は、面内で配向している透明樹脂フィルムからなる請求項1に記載の複合位相差板。
  3. プライマー層は、水溶性のエポキシ樹脂及びポリビニルアルコール樹脂を含有する組成物から形成されている請求項1又は2に記載の複合位相差板。
  4. 水溶性のエポキシ樹脂は、ポリアミドエポキシ樹脂である請求項3に記載の複合位相差板。
  5. 第一位相差板の表面に、エポキシ樹脂を含有する透明樹脂からなるプライマー層を形成するプライマー層形成工程
    有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を転写基材に塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成するコーティング層形成工程、
    プライマー層形成工程で得られるプライマー層と、コーティング層形成工程で得られる第二位相差板とが貼着するように貼り合わせる貼合工程、
    前記転写基材を第二位相差板から剥離する転写基材剥離工程、及び
    前記第二位相差板の表面に粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程を有し、
    少なくともプライマー層形成工程とコーティング層形成工程は、他の工程よりも先に行い、そして
    第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成が得られるように前記各工程を行うことを特徴とする複合位相差板の製造方法
  6. プライマー層形成工程とコーティング層形成工程を行った後、貼合工程、転写基材剥離工程及び粘着剤層形成工程の順に行う請求項5に記載の方法
  7. ライマー層形成工程とコーティング層形成工程を行った後、粘着剤層形成工程、転写基材剥離工程及び貼合工程の順に行う請求項5に記載の方法。
  8. 第一位相差板の表面に、エポキシ樹脂を含有する透明樹脂からなるプライマー層を形成するプライマー層形成工程、
    そのプライマー層の表面に、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を塗工し、そこから溶媒を除去して第二位相差板を形成するコーティング層形成工程、及び
    該第二位相差板の表面に粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程
    をこの順に行い、第一位相差板/プライマー層/第二位相差板/粘着剤層の層構成を得ることを特徴とする複合位相差板の製造方法
  9. 有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液は、その塩素含有量が2,000ppm以下である請求項5〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液は、そのカールフィッシャー水分計で測定される含水率が0.15〜0.35重量%である請求項5〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合位相差板に、他の光学機能を示す光学層が積層されていることを特徴とする複合光学部材
  12. 他の光学層は、少なくとも偏光板を含む請求項11に記載の複合光学部材
  13. 複合位相差板の第一位相差板側に偏光板が積層されている請求項12に記載の複合光学部材。
  14. 液晶セルの少なくとも一方の面に、請求項11〜13のいずれかに記載の複合光学部材が配置されていることを特徴とする液晶表示装置
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