JP2010026484A - Ipsモード液晶表示装置用の偏光板およびipsモード液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視野角が広いIPSモード液晶表示装置の特性を損なわずにカラーシフトを抑制でき、かつ、製造工程や運搬時のハンドリング性が損なわれない偏光板を提供する。
【解決手段】本発明のIPSモード液晶表示装置用偏光板1は、偏光子12の両面に透明保護フィルム11,13が配置されてなり、対角の長さが660mm以上の長方形であって、偏光子12の液晶セル側に配置される透明保護フィルム13の厚みが、その反対側に配置される透明保護フィルム11の厚みより15〜85μm薄いことを特徴とする。液晶セル側透明保護フィルム13の外側に粘着剤層14(好ましくは、室温における貯蔵弾性率が0.15〜10MPaで、対ガラス粘着力が1〜30N/25mm)を配置し、それをIPSモード液晶セル2に貼合して、IPSモード液晶表示装置とすることができる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のIPSモード液晶表示装置用偏光板1は、偏光子12の両面に透明保護フィルム11,13が配置されてなり、対角の長さが660mm以上の長方形であって、偏光子12の液晶セル側に配置される透明保護フィルム13の厚みが、その反対側に配置される透明保護フィルム11の厚みより15〜85μm薄いことを特徴とする。液晶セル側透明保護フィルム13の外側に粘着剤層14(好ましくは、室温における貯蔵弾性率が0.15〜10MPaで、対ガラス粘着力が1〜30N/25mm)を配置し、それをIPSモード液晶セル2に貼合して、IPSモード液晶表示装置とすることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、液晶セルに貼り合わせて用いられる偏光板、およびそれを用いた液晶表示装置に関するものである。
近年、FPD(フラットパネルディスプレイ)において、その大画面化に伴い薄型化が急速に進んでおり、ディスプレイデバイスの薄型化に伴い、構成部材の薄型化要求が高まりつつある。液晶表示装置においても、バックライト用光学フィルムおよび偏光板の薄型化が進んでいる。しかしながら、これらフィルム材料は大型化かつ薄型化によって急激にハンドリング性が低下する問題点がある。
一方、液晶表示装置の一つとして、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置がある。この駆動モードは、電界が存在しない状態でホモジニアス配列に配向させたネマチック液晶を、横電界によって駆動させて、画像表示を行うものである。このIPSモード液晶表示装置は、他の駆動モードの液晶表示装置に比べ、視野角が広いという特徴を有する。しかしながら、見る角度に伴って変化する画像の色づき(斜め方向のカラーシフトともいう)が大きいといった問題がある。
そこで、この問題を解決するために、偏光子の保護層に、厚みを薄くすることで厚み方向の位相差値を小さくしたフィルムを用いたIPSモード液晶表示装置が提案されている(特許文献1)。さらに、光学異方性がほとんどなく、レターデーションの小さい透明フィルムをIPSモード液晶表示装置に用いることも提案されている(特許文献2)。これらの文献によれば、フィルム厚みは薄いほうがカラーシフトの抑制に有利であるとされているが、このような薄いフィルムを保護層とする偏光板を大型液晶表示装置に適用すると、液晶セルへの貼付け時に偏光板にシワが生じたり気泡が入り易くなったりするため、偏光板のハンドリング性が著しく低下し、大型液晶表示装置の生産性が悪化することがあった。
また、特許文献3には、偏光子の両面に透明保護層が配置された偏光板において、その偏光板の反り防止のため、液晶セルに貼り合わされる側の保護層を、他方の保護層より厚くすることが開示されている。
特開平10−307291号公報
特開2006−18245号公報
特許第3429140号公報
本発明の目的は、視野角が広いIPSモード液晶表示装置の特性を損なわずにカラーシフトを抑制でき、かつ、製造工程や運搬時のハンドリング性が損なわれない偏光板を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、この偏光板を用いたIPSモード液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、液晶セル側に配置される透明保護フィルムを薄くし、反対側の透明保護フィルムを厚くすることで、視野角特性を損なわずに偏光板のハンドリング性を向上できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明のIPSモード液晶表示装置用偏光板は、偏光子の両面に透明保護フィルムが配置されてなり、対角の長さが660mm以上の長方形であって、液晶表示装置に用いる際に液晶セル側に配置される透明保護フィルムの厚みが、その反対側に配置される透明保護フィルムの厚みよりも15〜85μm薄いことを特徴とする。
ここで、液晶セル側に配置される透明保護フィルム(以下、「液晶側透明保護フィルム」という。)の厚みが15〜45μmであり、反対側に配置される透明保護フィルム(以下、「外側透明保護フィルム」という。)の厚みが55〜125μmであることが好ましい。液晶側透明保護フィルムの厚みは、より好ましくは35〜45μmであり、外側透明保護フィルムの厚みは、より好ましくは75〜85μmである。さらに、偏光板全体の厚みは100μm以上であることが好ましい。
本発明に用いる液晶側透明保護フィルムは、その厚み方向レターデーションが−10〜10nmであることが好ましい。また、偏光子の両面に配置される透明保護フィルムは、いずれもセルロース系樹脂からなることが好ましい。
前記液晶セル側に配置される透明保護フィルムはケン化処理されており、さらにその偏光子側の面に出力1.7kJ/m2以下でコロナ処理が施されていることが好ましい。また、前記液晶セル側に配置される透明保護フィルムが−10〜10nmの厚み方向のレターデーションおよび15〜45μmの厚みを有する場合は、該透明保護フィルムにケン化処理以外の表面処理が施されていないことが好ましい。
また、透明保護フィルム(液晶側保護フィルムおよび外側保護フィルム)と偏光子が水溶性のポリビニルアルコール系樹脂およびエポキシ化合物を含有する水溶性接着剤によって接着されていることが好ましい。
さらに、本発明の偏光板は、液晶側透明保護フィルムの外面に粘着剤層を有していることが好ましく、この場合、該粘着剤層は、アクリル系重合体をベースポリマーとし、室温における貯蔵弾性率が0.15〜10MPaであり、ガラスに貼り合わせて室温で24時間置いた後の粘着力が1〜30N/25mmであることが好ましい。
本発明は、液晶セルの少なくとも一方の面に、上記本発明の偏光板が配置されていることを特徴とする液晶表示装置の発明にも関し、使用される該液晶セルの駆動モードは、IPSモードであることが好ましい。
本発明の偏光板は、液晶セル側の透明保護フィルムを薄くすることでカラーシフトを抑制することができ、反対の透明保護フィルムを厚くすることでハンドリング性が向上したものとなる。前記のように、本発明の偏光板は、大型IPSモード液晶表示装置に好適である。
以下、添付の図面も適宜参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明する。本発明では、図1に示すように、外側透明保護フィルム11、偏光子12、および液晶側透明保護フィルム13をこの順に積層して、偏光板1とする。液晶側透明保護フィルム13の外側には、液晶セルに貼り合わせるための粘着剤層14を設けるのが通例である。そして本発明では、液晶側透明保護フィルム13の厚みを外側透明保護フィルム11の厚みよりも薄くし、かつ両者の厚み差を15〜85μmの範囲とする。このように、液晶側透明保護フィルム13の厚みを外側透明保護フィルム11の厚みよりも所定量薄くすることによって、IPSモード液晶表示装置に適用した場合に、カラーシフトを抑制できるとともに、偏光板自体のハンドリング性も高めることができる。
偏光板1の形状は、対角の長さが660mm(26インチに相当)以上である長方形のフィルム形状とする。ここで、長方形には正方形も含まれ、本発明の効果を損なわない範囲で一部に変形が加えられた長方形も含まれる。また、長方形以外の形状であっても一定以上の広さを有するフィルム形状の偏光板であれば、本発明と同様の効果を得ることができる。偏光板全体の厚みは、ハンドリング性の観点から100μm以上であることが好ましい。
外側透明保護フィルム11および液晶側透明保護フィルム13は、等方性および透明性に優れるものであればよいが、機械的強度、熱安定性、水分遮断性などに優れるものが好ましく用いられる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の汎用プラスチックや、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂,ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリングプラスチック、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等のスーパーエンジニアリングプラスチックからなる高分子フィルムが挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもでき、ポリマー変性としては、例えば、共重合、架橋、分子末端、立体規則性制御、および異種ポリマー同士の反応を伴う場合を含む混合等の変性が挙げられる。
これらの中でも、本発明に用いられる外側透明保護フィルム11および液晶側透明保護フィルム13の材料としては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂を用いることが好ましく、さらに好ましくはポリプロピレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂が用いられ、最も好ましくは、ノルボルネン系樹脂またはセルロース系樹脂が用いられる。特に、液晶側透明保護フィルム13の材料として、ノルボルネン系樹脂またはセルロース系樹脂を用いることは、レターデーションを低くする点で有利である。
ノルボルネン系樹脂とは、出発原料(モノマー)の一部または全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる重合体をいう。なお、前記ノルボルネン系樹脂は、出発原料としてノルボルネン環(ノルボルナン環に二重結合を有するもの)を有するものが用いられるが、(共)重合体の状態では、構成単位にノルボルナン環を有していても、有していなくてもよい。前記ノルボルネン系樹脂が共重合体である場合、その分子配列状態は、特に制限はなく、ランダム重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。このようなノルボルネン系樹脂の市販品としては、例えば、JSR(株)から販売されているアートンシリーズ、日本ゼオン(株)から販売されているゼオノアシリーズ、積水化学工業(株)から販売されているエスシーナシリーズなどがある。
セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などの原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基および/またはブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステルまたはセルロース混合有機酸エステルをいう。このようなセルロース系樹脂を用いた透明保護フィルムの市販品としては、コニカミノルタオプト(株)製のコニカミノルタタックフィルムシリーズ、富士フイルム(株)製のフジタックシリーズなどがある。
本発明において、外側透明保護フィルムの厚みは、ハンドリング性の観点から、55μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは75μm以上であり、製品として求められる薄肉化の観点からは、125μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは85μm以下である。特に、外側透明保護フィルム11の材料としてセルロース系樹脂を用いた場合には、このような範囲の厚みであることが好ましい。外側透明保護フィルム11の表面には、反射防止層、防眩層、ハードコート層など、用途に応じ適切な表面処理層を有することができる。特に液晶セルの前面側(視認側)に配置する偏光板においては、このような表面処理層を設けることが有効である。
一方、本発明に用いられる液晶側透明保護フィルム13は、IPSモード液晶表示装置用であることを考慮すると、カラーシフトを抑制するために厚み方向レターデーションが低いものが好ましく、例えば、当該レターデーションが−10〜10nmのものが好ましい。この厚み方向レターデーションの観点では、液晶側透明保護フィルム13の厚みが薄いほうが、レターデーションを低減できるため好ましく、厚みは15〜45μmのものが好ましい。偏光板のハンドリング性だけでなく液晶側透明保護フィルム自体のハンドリング性も考慮すると、35〜45μmのものがより好ましい。また、厚みが55〜125μmの外側透明保護フィルム11と、厚みが15〜45μmの液晶側透明保護フィルム13を組み合わせて用いることは、レターデーションが低減され、かつハンドリングしやすくなるので、より好ましい。
本発明に用いられる偏光子12は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有するものであれば、特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素としてヨウ素または二色性染料を吸着配向させた延伸フィルムが好ましく用いられる。偏光子の原反となりうるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの市販品としては、例えば、(株)クラレ製のクラレビニロンフィルム、日本合成化学工業(株)製のOPLフィルムなどがある。
上記偏光子12は種々公知の方法により製造することができ、偏光子12がヨウ素または二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂の延伸フィルムである場合は、例えば、特開平5−273412号公報の実施例1に記載の方法により、かかる偏光子を製造することができる。
透明保護フィルム(外側透明保護フィルムおよび液晶側透明保護フィルム)と偏光子の積層方法としては、目的に応じて任意の適切な方法を用いることができる。積層方法は、例えば、接着層を設けて一体化させるものが好ましい。この際、接着層の厚みは0.1〜35μmが好ましく、さらに好ましくは0.5〜15μmである。この範囲であれば、積層される透明保護フィルムと偏光子との間に浮きや剥がれが生じず、実用上問題のない接着力が得られる。
透明保護フィルムには、偏光子との積層に先立って、ケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施しておくことができる。透明保護フィルムがセルロース系樹脂からなる場合には、少なくとも偏光子側の表面にケン化処理を施すことが偏光子との接着性の面で有効である。透明保護フィルムのケン化処理は種々公知の方法で行うことができ、例えば、複数のガイドローラを介して苛性ソーダ溶液等のケン化処理溶液中を搬送案内する方法などが挙げられる。
特に、液晶セル側に配置される透明保護フィルムをセルロース系樹脂で構成する場合、ケン化処理後にさらにコロナ処理を施すことも有効であるが、この場合には、コロナ処理の出力を1.7kJ/m2以下とすることが好ましく、出力を1kJ/m2以下とすることがより好ましい。ケン化処理後の液晶側透明保護フィルムに、出力が1.7kJ/m2を越えるエネルギーのコロナ処理を施すと、接着力が大きく低下する場合があるためである。ただ、液晶セル側に配置される透明保護フィルムがセルロース系樹脂で構成され、その厚み方向のレターデーションが−10〜10nmで、厚みが15〜45μmである場合には、ケン化処理以外の表面処理は、コロナ処理も含めて行なわないことが最も好ましい。
なお、上記の透明保護フィルムの表面処理は、主に透明保護フィルムと偏光子等との接着性を向上させるためのものであり、かかる処理を行わない場合でも、本発明の偏光板がハンドリング性に優れたものであることはいうまでもない。
接着層は、被着体の種類や目的に応じて、適宜、適切な接着剤、アンカーコート剤を用いることができる。例えば、溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合型接着剤、無溶剤型接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト型接着剤などがある。前記接着剤は、加圧接触で感知し得る接着力を常温で示す粘弾性物質(感圧性接着剤とか粘着剤とかともいう)を包含する。
偏光子としてポリビニルアルコール系樹脂フィルムが用いられる場合、前記接着層を形成する材料としては、水溶性接着剤が好ましい。前記水溶性接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするものがある。前記水溶性接着剤は市販のものを用いてもよいし、市販の接着剤に溶剤や添加剤を混合したものを用いてもよい。水溶性接着剤となりうる市販のポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、(株)クラレ製のKL−318などがある。
前記水溶性接着剤は、架橋剤を含有することができる。架橋剤の種類としては、アミン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、および多価金属塩等が好ましく、特にエポキシ化合物が好ましい。架橋剤の市販品としては、例えば、グリオキザールや、住化ケムテックス(株)製のスミレーズレジン650(30)などがある。
次に、本発明に係る液晶表示装置の構成例を図2に断面模式図で示す。本発明の液晶表示装置は、図1を参照して以上説明したような偏光板1を、IPSモード液晶セル2の少なくとも一方の面に配置したものである。この際、厚みの薄い透明保護フィルム(液晶側透明保護フィルム13)が液晶セル側となるように配置される。図2に示す例では、図1に示した外側透明保護フィルム11/偏光子12/液晶側透明保護フィルム13/粘着剤層14からなる本発明の偏光板が、液晶セル2の両面にそれぞれ粘着剤層14を介して貼り合わされている。いずれか一方の偏光板の外側にバックライトを含む光源装置が配置され、液晶表示装置となる。
粘着剤層14は、光学透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性、接着性などの粘着特性を示すものであればよいが、耐久性などに優れるものが好ましく用いられる。具体的には例えば、アクリル系重合体をベースポリマーとする感圧性接着剤(アクリル系粘着剤ともいう)がある。
前記アクリル系粘着剤は、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル系ベースポリマーや、これらの(メタ)アクリル酸エステルを2種類以上用いた共重合ベースポリマーが好ましく用いられる。また、これらのベースポリマーには、極性モノマーが共重合されている。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、2−N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートといったカルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基,エポキシ基等の極性官能基を有するモノマーがある。粘着剤には通常、ベースポリマーとともに架橋剤が配合されている。
本発明に用いられるアクリル系粘着剤は、貯蔵弾性率が0.15〜10MPaであるのが好ましく、また対ガラス粘着力が1〜30N/25mmであるのが好ましい。ここで貯蔵弾性率は、室温(約23℃)において測定される値である。貯蔵弾性率が前記の範囲にある硬い粘着剤を用いることにより、高温環境と低温環境が繰り返される耐久性試験(耐ヒートショック性試験)において、そのときに発生する偏光子の収縮に伴う寸法変化を小さくすることができる。貯蔵弾性率は一般に、温度上昇に伴って斬減するが、例えば、80℃程度の高い温度においても0.15MPa以上の高い貯蔵弾性率を示すことが、一層好ましい。また、対ガラス粘着力は、その粘着剤層が設けられた偏光板を粘着剤層側でガラスに貼り合わせ、室温(約23℃)で24時間置いた後に測定される値である。対ガラス粘着力が前記の範囲であれば、液晶セルに偏光板を貼り直す作業が必要となったとき、容易に偏光板を剥離することができる。このような液晶セルからの剥離性(リワーク性ともいう)も考慮すれば、粘着剤層の対ガラス粘着力は1〜10N/25mmの範囲にあることが一層好ましい。このような粘着剤を用いることにより、液晶セルと偏光板(液晶側透明保護フィルム)の間に浮きやはがれ、気泡などが発生する現象を抑制することができる。
粘着剤にはこの他、各種の添加剤が配合されていてもよい。好適な添加剤として、シランカップリング剤や帯電防止剤がある。シランカップリング剤は、ガラスとの接着力を高めるうえで有効である。帯電防止剤は、静電気の発生を低減ないし防止するうえで有効である。すなわち、粘着剤層を介して偏光板を液晶セルに貼る際、それまで粘着剤層を覆って仮着保護していた表面保護フィルム(セパレータ)を剥がしてから液晶セルに貼り合わされるが、その表面保護フィルムを剥がすときに発生する静電気によって、セル内の液晶に配向不良を生じ、これがIPSモード液晶表示装置の表示不良をもたらすことがある。このような静電気の発生を低減ないし防止するうえで、帯電防止剤の配合が有効である。
本発明の偏光板が適用されたIPSモード液晶表示装置の用途は、特に制限はないが、例えば、パーソナルコンピュータのモニターやテレビなど、液晶表示装置を備えた電気機器に用いることができる。好ましくは、対角の長さが660mm(26インチ)以上の大型液晶テレビに用いられる。本発明の偏光板が用いられる液晶テレビの画面サイズとしては、ワイド26型(566mm×339mm)以上が好ましく、さらに好ましくはワイド32型(687mm×412mm、対角の長さが801mm)以上である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。なお、実施例における測定方法は、以下のとおりである。
(1) 厚み:
(株)ニコン製のデジタルマイクロメーターMH−15Mを用いて測定した。
(株)ニコン製のデジタルマイクロメーターMH−15Mを用いて測定した。
(2) 面内レターデーションRoおよび厚み方向レターデーションRth:
平行ニコル回転法を原理とする位相差計、王子計測機器(株)製のKOBRA−21ADHを用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
平行ニコル回転法を原理とする位相差計、王子計測機器(株)製のKOBRA−21ADHを用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
(3) 貯蔵弾性率:
粘着剤層の貯蔵弾性率(G′)は、以下の(I)〜(III)に従って測定した。
(I)粘着剤層から試料を25±1mgずつ2つ取り出し、それぞれ略玉状に成形する。
(II)上記(I)で得られた試料をI型冶具の上下面に貼り付け、上下面ともL型冶具で挟み込む。測定試料の構成は、L型治具/粘着剤/I型治具/粘着剤/L型冶具となる。
(III)こうして作製された試料の貯蔵弾性率(G′)を、動的粘弾性測定装置〔DVA−220、アイティー計測制御(株)製〕を用いて、温度23℃、周波数1Hzの条件下で測定した。
粘着剤層の貯蔵弾性率(G′)は、以下の(I)〜(III)に従って測定した。
(I)粘着剤層から試料を25±1mgずつ2つ取り出し、それぞれ略玉状に成形する。
(II)上記(I)で得られた試料をI型冶具の上下面に貼り付け、上下面ともL型冶具で挟み込む。測定試料の構成は、L型治具/粘着剤/I型治具/粘着剤/L型冶具となる。
(III)こうして作製された試料の貯蔵弾性率(G′)を、動的粘弾性測定装置〔DVA−220、アイティー計測制御(株)製〕を用いて、温度23℃、周波数1Hzの条件下で測定した。
(4) 対ガラス粘着力:
粘着剤層が設けられた偏光板を25mm幅に裁断し、その粘着剤層側でガラス板に貼り合わせ、温度50℃、圧力5気圧の条件の下、20分間の加圧処理を施し、次に室温下で1日静置した後、(株)島津製作所製のAZ1を用いて、JIS Z 0237に準拠し、180°方向に引き剥がすときの応力を測定した。
粘着剤層が設けられた偏光板を25mm幅に裁断し、その粘着剤層側でガラス板に貼り合わせ、温度50℃、圧力5気圧の条件の下、20分間の加圧処理を施し、次に室温下で1日静置した後、(株)島津製作所製のAZ1を用いて、JIS Z 0237に準拠し、180°方向に引き剥がすときの応力を測定した。
[実施例1]
(水溶性接着剤の調製)
水100部に対して、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製のKL−318〕を3部溶解し、その水溶液に、水溶性エポキシ化合物であるポリアミドエポキシ系添加剤〔住化ケムテックス(株)製のスミレーズレジン650(30)、固形分濃度30%の水溶液〕を1.5部添加して、水溶性接着剤とした。
(水溶性接着剤の調製)
水100部に対して、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製のKL−318〕を3部溶解し、その水溶液に、水溶性エポキシ化合物であるポリアミドエポキシ系添加剤〔住化ケムテックス(株)製のスミレーズレジン650(30)、固形分濃度30%の水溶液〕を1.5部添加して、水溶性接着剤とした。
(アクリル系粘着剤の調製)
アクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合体にウレタンアクリレートオリゴマーおよびイソシアネート系架橋剤が配合された有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工し、乾燥させ、アクリル系粘着剤とした。このアクリル系粘着剤の貯蔵弾性率は、23℃において1.4MPaであった。また、このアクリル系粘着剤を後述する偏光板に貼り合わせ、ガラスに貼合したときの対ガラス粘着力は5N/25mmであった。
アクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合体にウレタンアクリレートオリゴマーおよびイソシアネート系架橋剤が配合された有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工し、乾燥させ、アクリル系粘着剤とした。このアクリル系粘着剤の貯蔵弾性率は、23℃において1.4MPaであった。また、このアクリル系粘着剤を後述する偏光板に貼り合わせ、ガラスに貼合したときの対ガラス粘着力は5N/25mmであった。
(偏光板の製造)
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の一方の面に、外側透明保護フィルムとして、ケン化処理が施された厚さ80μmのトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製のKC8UX2、厚さ80μm〕を貼合し、もう一方の面には、液晶側透明保護フィルムとして、ケン化処理が施された厚さ40μmのトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製のKC4UE、厚さ40μm、Ro=0.7nm、Rth=−0.1nm〕を貼合して本発明の偏光板を作製した。貼合には、それぞれ上記で調製した水溶性接着剤を用い、貼合後80℃で5分間乾燥することにより、偏光子と透明保護フィルムを接着させた。得られた偏光板は、その後、40℃で168時間養生した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を手で持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の一方の面に、外側透明保護フィルムとして、ケン化処理が施された厚さ80μmのトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製のKC8UX2、厚さ80μm〕を貼合し、もう一方の面には、液晶側透明保護フィルムとして、ケン化処理が施された厚さ40μmのトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製のKC4UE、厚さ40μm、Ro=0.7nm、Rth=−0.1nm〕を貼合して本発明の偏光板を作製した。貼合には、それぞれ上記で調製した水溶性接着剤を用い、貼合後80℃で5分間乾燥することにより、偏光子と透明保護フィルムを接着させた。得られた偏光板は、その後、40℃で168時間養生した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を手で持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。
得られた偏光板における偏光子と厚さ40μmのトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルムとの間の接着力を、JIS K 6854−1:1999に規定される90度剥離試験により評価した。すなわち、上記の偏光板を幅25mm×長さ120mmの大きさに切り出して試験片とし、シート状粘着剤〔リンテック(株)製の「P−3132」(商品名)〕を介して、この試験片の厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム側をソーダガラスに固定し、(株)島津製作所製のオートグラフ「AG−1」を用いて、剥離速度200mm/分で、厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルムと偏光子との間で剥がすようにして試験を行った。その結果、3.5N/25mmの剥離強度が得られた。
この偏光板の40μm厚透明保護フィルム側に、上記で調製したアクリル系粘着剤を貼り合わせ、粘着剤付き偏光板とした。この粘着剤付き偏光板からセパレータを剥がし、その粘着剤層を液晶セル用ガラス基板に貼り付けた状態で、−35℃で30分保持した後、85℃で30分保持することを1サイクルとし、これを150サイクル繰り返す耐ヒートショック性試験を行なった。その結果、偏光子の収縮に伴う寸法変化率〔(試験後の寸法−試験前の寸法)×100/(試験前の寸法)〕は、絶対値表示で0.05%以下(試験によって偏光板は若干収縮するので、寸法変化率自体はマイナスの値になる)であった。また試験後も、浮きやはがれ、気泡などはなく、外観は良好であった。
(IPSモード液晶表示装置の製造)
IPSモードのワイド32型液晶表示装置〔(株)日立製作所製のWooo(型番:W32L−H9000)〕を分解して上下の偏光板を剥がし、それらオリジナル偏光板の代わりに、上記のようにして製造した粘着剤付き偏光板2枚を液晶セルの前面側(視認側)と背面側(光入射側)にクロスニコル状態となるようにそれぞれの粘着剤層側で貼合した。このとき、前面側(視認側)の偏光板の吸収軸が、液晶セル内液晶分子の電圧無印加(黒表示)時の配向方向と平行になるように配置した。このIPSモード液晶表示装置を再び組み立てて点灯し、液晶セルに電圧を印加しない黒表示状態におけるカラーシフトを、ELDIM社製の液晶視野角・色度特性測定装置EZ contrastで測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.08であった。
IPSモードのワイド32型液晶表示装置〔(株)日立製作所製のWooo(型番:W32L−H9000)〕を分解して上下の偏光板を剥がし、それらオリジナル偏光板の代わりに、上記のようにして製造した粘着剤付き偏光板2枚を液晶セルの前面側(視認側)と背面側(光入射側)にクロスニコル状態となるようにそれぞれの粘着剤層側で貼合した。このとき、前面側(視認側)の偏光板の吸収軸が、液晶セル内液晶分子の電圧無印加(黒表示)時の配向方向と平行になるように配置した。このIPSモード液晶表示装置を再び組み立てて点灯し、液晶セルに電圧を印加しない黒表示状態におけるカラーシフトを、ELDIM社製の液晶視野角・色度特性測定装置EZ contrastで測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.08であった。
[実施例2]
実施例1における外側透明保護フィルムを、ケン化処理が施された厚さ120μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタオプト(株)製のKC12PM)に変えた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。この偏光板に実施例1と同様のアクリル系粘着剤を貼り合わせて、粘着剤付き偏光板とした。この粘着剤付き偏光板について、実施例1と同じ条件で耐ヒートショック性試験を行なった。その結果、偏光子の収縮に伴う寸法変化率は、絶対値表示で0.05%以下であった。また、浮きやはがれ、気泡などはなく、外観は良好であった。
実施例1における外側透明保護フィルムを、ケン化処理が施された厚さ120μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタオプト(株)製のKC12PM)に変えた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。この偏光板に実施例1と同様のアクリル系粘着剤を貼り合わせて、粘着剤付き偏光板とした。この粘着剤付き偏光板について、実施例1と同じ条件で耐ヒートショック性試験を行なった。その結果、偏光子の収縮に伴う寸法変化率は、絶対値表示で0.05%以下であった。また、浮きやはがれ、気泡などはなく、外観は良好であった。
この粘着剤付き偏光板を実施例1と同様にIPSモード液晶表示装置の液晶セルに貼合し、カラーシフトを測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.08であった。
[実施例3]
実施例1において、ケン化処理が施された厚さ40μmのトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルムの偏光子との貼合面側に、出力0.8kJ/m2のコロナ処理を施し、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。
実施例1において、ケン化処理が施された厚さ40μmのトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルムの偏光子との貼合面側に、出力0.8kJ/m2のコロナ処理を施し、その他は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。
得られた偏光板につき、実施例1と同じ方法で90度剥離試験を行い、偏光子と厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルムとの間の接着力を評価した。その結果、4N/25mmの剥離強度が得られた。
この偏光板に実施例1と同様のアクリル系粘着剤を貼り合わせて、粘着剤付き偏光板とした。この粘着剤付き偏光板について、実施例1と同じ条件で耐ヒートショック性試験を行なった。その結果、偏光子の収縮に伴う寸法変化率は、絶対値表示で0.05%以下であった。また、浮きやはがれ、気泡などはなく、外観は良好であった。
この粘着剤付き偏光板を実施例1と同様にIPSモード液晶表示装置の液晶セルに貼合し、カラーシフトを測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.08であった。
[実施例4]
実施例3において、コロナ処理の出力を2.5kJ/m2とし、それ以外は実施例3と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。
実施例3において、コロナ処理の出力を2.5kJ/m2とし、それ以外は実施例3と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れやシワが発生せず、ハンドリング性は良好であった。
得られた偏光板につき、実施例1と同じ方法で90度剥離試験を行い、偏光子と厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルムとの間の接着力を評価した。その結果、1.1N/25mmの剥離強度が得られた。
この偏光板に実施例1と同様のアクリル系粘着剤を貼り合わせて、粘着剤付き偏光板とした。この粘着剤付き偏光板について、実施例1と同じ条件で耐ヒートショック性試験を行なった。その結果、偏光子の収縮に伴う寸法変化率は、絶対値表示で0.05%以下であった。また、浮きやはがれ、気泡などはなく、外観は良好であった。
この粘着剤付き偏光板を実施例1と同様にIPSモード液晶表示装置の液晶セルに貼合し、カラーシフトを測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.08であった。
[比較例1]
実施例1における外側透明保護フィルムを、ケン化処理が施された厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタオプト(株)製のKC4UY)に変えた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れが発生し、ハンドリングが困難であった。
実施例1における外側透明保護フィルムを、ケン化処理が施された厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタオプト(株)製のKC4UY)に変えた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板をワイド32型(687mm×412mm)のサイズに型抜きし、その対角位置を持って搬送し、ハンドリング性を確認したところ、折れが発生し、ハンドリングが困難であった。
折れ等が発生しなかった偏光板について、実施例1と同様にアクリル系粘着剤層を設けてIPSモード液晶表示装置に貼合し、カラーシフトを測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.08であった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 偏光板、11 外側透明保護フィルム、12 偏光子、13 液晶側透明保護フィルム、14 粘着剤層、2 IPSモード液晶セル。
Claims (10)
- 偏光子の両面に透明保護フィルムが配置されてなり、対角の長さが660mm以上の長方形であるIPSモード液晶表示装置用の偏光板であって、
液晶表示装置に用いる際に液晶セル側に配置される透明保護フィルムの厚みが、その反対側に配置される透明保護フィルムの厚みよりも15〜85μm薄いことを特徴とする偏光板。 - 全体の厚みが100μm以上である請求項1に記載の偏光板。
- 液晶セル側に配置される透明保護フィルムの厚みが15〜45μmであり、反対側に配置される透明保護フィルムの厚みが55〜125μmである請求項1または2に記載の偏光板。
- 液晶セル側に配置される透明保護フィルムの厚み方向レターデーションが−10〜10nmである請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板。
- 偏光子の両面に配置される透明保護フィルムがいずれもセルロース系樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板。
- 前記液晶セル側に配置される透明保護フィルムはケン化処理されており、さらにその偏光子側の面に出力1.7kJ/m2以下でコロナ処理が施されている、請求項5に記載の偏光板。
- 前記液晶セル側に配置される透明保護フィルムが−10〜10nmの厚み方向のレターデーションおよび15〜45μmの厚みを有し、ケン化処理以外の表面処理が施されていない、請求項5に記載の偏光板。
- 透明保護フィルムと偏光子がポリビニルアルコール系樹脂およびエポキシ化合物を含有する水溶性接着剤によって接着されている請求項1〜7のいずれかに記載の偏光板。
- 液晶セル側に配置される透明保護フィルムの外面に粘着剤層を有し、該粘着剤層は、アクリル系重合体をベースポリマーとし、室温における貯蔵弾性率が0.15〜10MPaであり、ガラスに貼り合わせて室温で24時間置いた後の粘着力が1〜30N/25mmである、請求項1〜8のいずれかに記載の偏光板。
- IPSモード液晶セルの少なくとも一方の面に、請求項1〜9のいずれかに記載の偏光板が配置されていることを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
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