JP2008052089A - 複合位相差板及び複合光学部材の製造方法。 - Google Patents

複合位相差板及び複合光学部材の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶セルに貼り合わせて使用したときに、コーティング位相差層に微細な割れが生じにくく、したがって光漏れの発生を抑制できるとともに、耐水性にも優れた複合位相差板を製造し、その複合位相差板に偏光板の如き他の光学層を積層して複合光学部材を製造する。
【解決手段】透明樹脂からなる位相差板11の表面にプライマー層12を形成し、そのプライマー層12の表面に、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有する塗工液を塗布し、そこから溶媒を除去してコーティング位相差層14を形成し、位相差板/プライマー層/コーティング位相差層の層構成の複合位相差板10とすることで、そこに発生しやすい割れを防ぐ。また、この状態の複合位相差板10に加熱養生を施すことで、プライマー層12の耐水性を改善する。複合偏光板10に偏光板を積層して、複合光学部材とすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶セルに貼り合わせて用いられる複合位相差の製造方法、及びその複合位相差板に他の光学機能を示す光学層を積層した複合光学部材の製造方法に関するものである。本発明はまた、複合位相差板における耐水性を向上させる技術にも関係している。
近年、液晶表示装置は、低消費電力、低電圧動作、軽量、薄型などの特徴を生かして、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ用のモニター、テレビなど、情報用表示デバイスとして急速に普及してきている。液晶技術の発展に伴い、さまざまなモードの液晶表示装置が提案され、応答速度やコントラスト、狭視野角といった問題点が解消されつつある。
このような液晶表示装置の一つに、正又は負の誘電率異方性を有する棒状の液晶分子を基板に対して垂直に配向させた、垂直配向(VA)モードの液晶表示装置がある。かかる垂直配向モードは、非駆動状態においては、液晶分子が基板に対して垂直に配向しているため、光は偏光の変化を伴わずに液晶層を通過する。このため、液晶パネルの上下に互いに偏光軸が直交するように直線偏光板を配設することで、正面から見た場合にほぼ完全な黒表示を得ることができ、高いコントラスト比を得ることができる。しかし、このような液晶セルに偏光板のみを備えたVAモードの液晶表示装置では、それを斜めから見た場合に、配設された偏光板の軸角度が90°からずれてしまうことと、セル内の棒状の液晶分子が複屈折を発現することに起因して、光漏れが生じ、コントラスト比が著しく低下してしまう。
かかる光漏れを解消するためには、液晶セルと直線偏光板の間に光学補償フィルムを配置する必要があり、従来は、二軸性の位相差板を液晶セルと上下の偏光板の間にそれぞれ1枚ずつ配設する仕様や、正の一軸性位相差板と完全二軸性の位相差板を、それぞれ1枚ずつ液晶セルの上下に、又は2枚とも液晶セルの片側に配設する仕様が採用されてきた。例えば、特開 2001-109009号公報(特許文献1)には、垂直配向モードの液晶表示装置において、上下の偏光板と液晶セルの間に、それぞれaプレート(すなわち、正の一軸性位相差板)及びcプレート(すなわち、完全二軸性の位相差板)を配置することが記載されている。
正の一軸性位相差板とは、面内の位相差値R0 と厚み方向の位相差値Rthとの比 R0/Rthが概ね2のフィルムであり、また完全二軸性の位相差板とは、面内の位相差値R0 がほぼ0のフィルムである。ここで、フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx 、フィルムの面内進相軸方向(面内で遅相軸と直交する方向)の屈折率をny 、フィルムの厚み方向の屈折率をnz、フィルムの厚みをdとしたとき、面内の位相差値R0及び厚み方向の位相差値Rthは、それぞれ下式(I)及び(II)で定義される。
0 =(nx−ny)×d (I)
th=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)
正の一軸性フィルムでは、nz≒nyとなるため、R0/Rth≒2 となる。正の一軸性フィルムであっても、R0/Rth は延伸条件の変動により、1.8〜2.2程度の間で変化することもある。完全二軸性のフィルムでは、nx≒nyとなるため、R0≒0 となる。完全二軸性のフィルムは、厚み方向の屈折率のみが異なる(小さい)ものであることから、負の一軸性を有し、光学軸が法線方向にあるフィルムとも呼ばれ、また前述のとおり、cプレートと呼ばれることもある。
上記のような完全二軸性のフィルム(cプレート)の一つとして、有機修飾粘土複合体を含むコーティング層で構成されるものがある。例えば、特開 2005-338215号公報(特許文献2)には、面内に配向している透明樹脂フィルムからなる位相差板に、粘着剤層を介して、屈折率異方性を有するコーティング位相差層を積層し、さらにそのコーティング位相差層の表面に粘着剤層を設けて複合位相差板とすることが開示されており、その樹脂位相差板側に偏光板を積層することも記載されている。また特開 2006-10912 号公報(特許文献3)には、脂肪族ジイソシアネートをベースとするウレタン樹脂をバインダーとし、これと有機修飾粘土複合体とを含む組成物をフィルム状に形成してなる位相差板が開示されており、その位相差板を、粘着剤層を介して偏光板に積層し、複合偏光板とすることも記載されている。具体的には、粘着剤付き偏光板の粘着剤層側にコーティング位相差層を転写し、そのコーティング位相差層表面に第二の粘着剤層を設ける構成が示されている。
これら特許文献2や特許文献3に開示される構成では、コーティング位相差層は二つの粘着剤層に挟まれており、複合位相差板又は複合偏光板に物理的な外力が加わると、コーティング位相差層に応力が集中し、そこに割れが発生し、光漏れを生じることがあった。
また位相差板は、偏光板などと組み合わせて液晶セルに貼合され、液晶表示装置に用いられることが多いが、液晶表示装置は各種環境条件のもとで使用されることから、各種の使用条件に耐えることが望まれる。例えば、湿熱条件下で長時間使用した場合でも、表示品位の変わらないものが望まれる。
特開2001−109009号公報(請求項15及び段落0036) 特開2005−338215号公報 特開2006−10912号公報
本発明者らは、透明樹脂からなる位相差板と屈折率異方性を有するコーティング位相差層を積層して複合位相差板とする際、両者の間に配置される粘着剤層をプライマー層に置き換えることで、物理的な外力によって発生しやすいコーティング位相差層の割れに起因する光漏れが抑えられることを見出し、特願 2006-60733 号、及びそれに優先権を主張した特願 2006-225058号として特許出願している。これをもとにさらに研究を行った結果、特に樹脂水溶液からプライマー層を形成した場合には、その複合位相差板が高湿度条件にさらされたときに、複合位相差板の周縁部が白くなってしまう現象が起こりうることを見出した。そして、かかる白化はプライマー層が水分によって浸食されるために起こることを突き止めた。そこでさらに研究を進めた結果、透明樹脂からなる位相差板/プライマー層/コーティング位相差層の順に積層された複合位相差板を得た後に、加熱養生を施すことによって、複合位相差板、さらにはそれに偏光板などの他の光学層を積層した複合光学部材の耐水性が向上することを見出し、本発明に至った。
したがって、本発明の目的は、液晶セルに貼り合わせて使用したときに、コーティング位相差層に微細な割れが生じにくく、したがって光漏れの発生を抑制できるとともに、耐水性にも優れた複合位相差板を製造し、またその複合位相差板に偏光板の如き他の光学機能を示す光学層を積層して、液晶セルに貼り合わせて使用したときに光漏れの発生を抑制できるとともに耐水性にも優れた複合光学部材を製造することにある。
すなわち本発明によれば、透明樹脂からなる位相差板、プライマー層及び、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを含むコーティング位相差層をこの順に積層した後、加熱養生を施して、複合位相差板を製造する方法が提供される。
より具体的には、透明樹脂からなる位相差板の表面にプライマー層を形成し、そのプライマー層表面に、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を塗布し、そこから溶媒を除去してコーティング位相差層を形成し、得られる樹脂位相差板/プライマー層/コーティング位相差層からなる層構成の複合位相差板に加熱養生を施す方法が採用できる。加熱養生は、室温よりやや高い温度、例えば、30〜80℃程度の温度で、2日以上、特に4〜7日間程度かけて行うのが好ましい。
また本発明によれば、上記方法によって複合位相差板を得た後、その一方の面に他の光学機能を示す光学層を積層して、複合光学部材を製造する方法も提供される。
本発明の方法によれば、透明樹脂からなる位相差板とコーティング位相差層の間をプライマー層で貼着することで、それを液晶セルに貼り合わせたときに、物理的な外力によって生じやすいコーティング位相差層の割れに起因する光漏れを効果的に抑制できるとともに、樹脂位相差板/プライマー層/コーティング位相差層の順に積層した後、加熱養生を施すことで、複合位相差板、特にプライマー層の耐水性を高めることができる。したがって、この複合位相差板を偏光板などの他の光学機能を示す光学層と組み合わせて複合光学部材とし、これを液晶表示装置に適用すれば、耐水性に優れ、表示品位の安定性にも優れた液晶表示装置が得られる。
以下、添付の図面も適宜参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明する。本発明では、図1に示すように、透明樹脂からなる位相差板11、プライマー層12及びコーティング位相差層14をこの順に積層して、複合位相差板10とする。この複合位相差板10は、この状態で加熱養生処理が施される。
具体的な製造方法の形態を、工程毎に分けて図2に断面模式図で示した。まず、図2の(A)に示すように、透明樹脂からなる位相差板11の表面にプライマー層12を形成して、プライマー層付き位相差板13とする。この際、位相差板11は、その両面にコロナ処理を施しておくのが好ましい。その後、プライマー層12の表面にコーティング位相差層14を形成して、図2の(B)に示すような、位相差板11/プライマー層12/コーティング位相差層14からなる層構成の複合位相差板10とする。さらにこの状態で、図2の(C)に示すように、適宜の加熱装置45、例えば加熱炉にて加熱養生を施す。
位相差板11は、透明樹脂からなり、一般には面内で配向しているもので構成される。これに用いる樹脂は、透明性に優れ、光学的に均一なものであればよいが、配向性を有するフィルムの製造のしやすさなどの点から、透明な熱可塑性樹脂の延伸フィルムが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂として具体的には例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロース系樹脂、プロピレンやエチレンの如きオレフィンを主要なモノマーとするポリオレフィン系樹脂、ノルボルネンの如き多環式の環状オレフィンを主要なモノマーとする環状ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。また、セルロース系樹脂などの透明樹脂基板に、液晶性物質などからなる塗布層を設け、位相差を発現させたものも、位相差板11として用いることができる。
樹脂位相差板11の面内位相差値は、複合位相差板の用途により、30〜300nm程度の範囲から適宜選択すればよい。例えば、携帯電話や携帯情報端末の如き比較的小型の液晶表示装置に複合位相差板を適用する場合、樹脂位相差板11は、1/4波長板であるのが有利である。
プライマー層12は、塗布により形成される透明樹脂で構成するのが有利である。プライマーとは一般に下塗りを意味するが、本発明におけるプライマー層12は、コーティングによって形成される位相差層14の下塗り層として機能する。またプライマー層12の存在により、そこに直接、コーティング位相差層用の塗工液を塗布する場合であっても、その塗工液中の有機溶媒による樹脂位相差板11への影響を防ぐことができる。プライマー層12は、粘着剤ほどの弾性を示さない樹脂で構成される。その樹脂の種類は特に限定されないが、塗工性に優れ、特に層形成後の透明性及び密着性に優れたものが好ましい。
プライマー層12を構成する樹脂は、溶媒に溶解した状態で用いてもよいし、またそれ自身が層形成能を有する樹脂であっても、膜厚を調整するためにその樹脂を溶媒で希釈して用いてもよい。樹脂の溶解性により、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルの如きエステル類、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルムの如き塩素化炭化水素類、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールの如きアルコール類など、一般的な有機溶媒を用いることもできる。ただ、有機溶媒を含む溶液からプライマー層12を形成すると、樹脂位相差板11の光学特性に影響を及ぼすこともあるので、水を溶媒とする塗工液からプライマー層12を形成するのが好ましい。
プライマー層12を構成する樹脂の好適な例として、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂は、一液硬化型のものや二液硬化型のもののいずれも用いることができる。また、水溶性のエポキシ樹脂が特に好ましい。水溶性のエポキシ樹脂は、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂であることができる。かかるポリアミドエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)から販売されている“スミレーズレジン 650(30)”や“スミレーズレジン 675”(いずれも商品名)などがある。
プライマー層12を形成する樹脂として水溶性のエポキシ樹脂を用いる場合は、さらに塗工性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂などの他の水溶性樹脂を混合するのが好ましい。したがって、水溶性のエポキシ樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂を含有する組成物からプライマー層を形成することは、好ましい形態である。ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。適当なポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、(株)クラレから販売されている部分ケン化ポリビニルアルコールである“PVA-403”(商品名)などがある。
水溶性のエポキシ樹脂を含む塗工液からプライマー層12を形成する場合、エポキシ樹脂は、水100重量部あたり、 0.5〜10重量部程度の範囲、とりわけ1重量部以上、また6重量部以下の濃度とするのが好ましい。この塗工液にポリビニルアルコール系樹脂を配合する場合、その量は、水100重量部あたり、1〜25重量部程度の範囲、とりわけ10〜25重量部程度とするのが好ましい。プライマー層12の厚みは0.1〜10μm程度の範囲、とりわけ0.5〜10μm程度とするのが好ましい。
プライマー層の形成にあたり、使用する塗工方式は特に制限されるものでなく、ダイレクト・グラビア法、リバース・グラビア法、ダイコート法、カンマコート法、バーコート法など、公知の各種コーティング法を用いることができる。塗工後は、加熱乾燥を施すことにより、塗工層中の溶媒、例えば水分を除去して、プライマー層付き位相差板13とする。
こうしてプライマー層付き位相差板13を得た後は、そのプライマー層12の表面にコーティング位相差層14を形成する。コーティング位相差層14は、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液から溶媒を除去して形成される層である。
ここで有機修飾粘土複合体は、有機物と粘土鉱物との複合体であって、具体的には例えば、層状構造を有する粘土鉱物と有機化合物を複合化したものであることができ、有機溶媒に分散可能なものである。層状構造を有する粘土鉱物としては、スメクタイト族や膨潤性雲母などが挙げられ、その陽イオン交換能により有機化合物との複合化が可能となる。なかでもスメクタイト族は、透明性にも優れることから、好ましく用いられる。スメクタイト族に属するものとしては、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイトなどが例示できる。これらのなかでも化学合成されたものは、不純物が少なく、透明性に優れるなどの点で好ましい。特に、粒径を小さく制御した合成ヘクトライトは、可視光線の散乱が抑制されるために好ましく用いられる。
粘土鉱物と複合化される有機化合物としては、粘土鉱物の酸素原子や水酸基と反応しうる化合物、また交換性陽イオンと交換可能なイオン性の化合物などが挙げられ、有機修飾粘土複合体が有機溶媒に膨潤又は分散できるようになるものであれば特に制限はないが、具体的には含窒素化合物などを挙げることができる。含窒素化合物としては、例えば、1級、2級又は3級のアミン、4級アンモニウム化合物などが挙げられる。なかでも、陽イオン交換が容易であることなどから、4級アンモニウム化合物が好ましく用いられる。
有機修飾粘土複合体は、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。適当な有機修飾粘土複合体の市販品には、それぞれコープケミカル(株)から“ルーセンタイト STN”や“ルーセンタイト SPN”の商品名で販売されている合成ヘクトライトと4級アンモニウム化合物との複合体などがある。
このような有機溶媒に分散可能な有機修飾粘土複合体は、プライマー層12へのコーティングのしやすさや、光学特性の発現性、力学的特性などの点から、バインダー樹脂と組み合わせて用いられる。有機修飾粘土複合体と併用するバインダー樹脂は、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解するもの、とりわけ、ガラス転移温度が室温以下(約20℃以下)であるものが、好ましく用いられる。また、液晶表示装置に適用する場合に必要とされる良好な耐湿熱性及びハンドリング性を得るためには、疎水性を有するものが望ましい。このような好ましいバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラールやポリビニルホルマールの如きポリビニルアセタール樹脂、セルロースアセテートブチレートの如きセルロース系樹脂、ブチルアクリレートを主体とする樹脂の如きアクリル系樹脂、ウレタン樹脂、メタアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
適当なバインダー樹脂の市販品としては、電気化学工業(株)から“デンカブチラール #3000-K”の商品名で販売されているポリビニルアルコールのアルデヒド変性樹脂、東亞合成(株)から“アロン S1601”の商品名で販売されているアクリル系樹脂、住化バイエルウレタン(株)から“SBU ラッカー 0866” の商品名で販売されているイソホロンジイソシアネートベースのウレタン樹脂などがある。
有機溶媒に分散可能な有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂の割合は、前者:後者の重量比で1:2〜10:1の範囲、とりわけ1:1〜2:1の範囲にあることが、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂からなる層の割れ防止などの力学的特性向上のために好ましい。
有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂は、有機溶媒に含有させた状態で、プライマー層12上に塗布される。この際一般には、バインダー樹脂は有機溶媒に溶解され、そして有機修飾粘土複合体は有機溶媒中に分散される。この分散液の固形分濃度は、調製後の分散液が実用上問題ない範囲でゲル化したり白濁したりしなければ制限はないが、通常、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂の合計固形分濃度が3〜15重量%程度となる範囲で使用される。最適な固形分濃度は、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂それぞれの種類や両者の組成比により異なるため、組成毎に設定される。また、製膜する際の塗布性を向上させるための粘度調整剤や、疎水性及び/又は耐久性をさらに向上させるための架橋剤など、各種の添加剤を加えてもよい。
コーティング位相差層14の形成に用いる有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂を有機溶媒中に含有してなるコーティング位相差層用塗工液は、その塩素含有量を2,000ppm以下としておくのが好ましい。有機修飾粘土複合体には、その製造の際に用いられる原料に起因して、塩素を含む化合物が不純物として混入していることが多い。そのような塩素化合物の量が多いまま用いると、コーティングによりコーティング位相差層とした後にフィルムからブリードアウトする可能性がある。その場合には、粘着剤層を介してその複合位相差板を液晶セルガラスに貼合したときに、粘着力が経時で大幅に低下してしまう。そこで、有機修飾粘土複合体からは、洗浄により塩素化合物を除去しておくのが好ましく、その中に含まれる塩素の量を2,000ppm以下としておけば、かかる粘着力の低下を抑えることができる。塩素化合物の除去は、有機修飾粘土複合体を水洗する方法により行うことができる。
また、このコーティング位相差層用塗工液は、カールフィッシャー水分計で測定される含水率を0.15〜0.35重量%の範囲としておくのが好ましい。この含水率が 0.35重量%を越えると、非水溶性有機溶媒中での相分離を生じ、塗工液が2層に分離してしまう傾向にある。一方、その含水率が 0.15重量%を下回ると、コーティング位相差板としたときに、ヘイズ値を高める傾向にある。水分の測定方法には、乾燥法、カールフィッシャー法、誘電率法などがあるが、ここでは、簡便かつ微量単位の測定が可能なカールフィッシャー法を採用する。
コーティング位相差層用塗工液の含水率を上記範囲に調整する方法は特に制限されないが、塗工液中に水を添加する方法が簡便で、望ましい。本発明で用いるような有機溶媒、有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂を、通常の方法で混合しただけでは、 0.15重量%以上の含水率を示すことはほとんどない。そこで、有機溶媒、有機修飾粘土複合体及びバインダー樹脂を混合した塗工液に少量の水を添加することにより、含水率を上記範囲とするのが好ましい。水を添加する方法は、塗工液の調製工程のいかなる時期の添加でも有効であり、特に制限はないが、塗工液の調製工程で一定時間経過後、サンプリングして含水率を測定したのち、所定量の水を添加する方法が、再現性及び精度よく含水率を制御できる点で好ましい。なお、添加された水の量が、カールフィッシャー水分計による測定結果と合わないこともある。その原因として、水が一部、有機修飾粘土複合体との相互作用(例えば、吸着)を起こしていることなどが考えられる。ただし、カールフィッシャー水分計で測定される水分率を0.15〜0.35重量%に保てば、得られるコーティング位相差板のヘイズ値が低く抑えられる。
コーティング位相差層14を形成するのに使用する塗工方式も特に制限されるものでなく、ダイレクト・グラビア法、リバース・グラビア法、ダイコート法、カンマコート法、バーコート法など、公知の各種コーティング法を用いることができる。塗工後は、加熱乾燥を施すことにより、塗工層中の有機溶媒して、コーティング位相差層14とする。
コーティング位相差層の厚み方向の屈折率異方性は、前記式(II)により定義される厚み方向の位相差値Rthで表され、この値は、面内の遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定される位相差値R40と面内の位相差値R0 とから算出できる。すなわち、式(II)による厚み方向の位相差値Rthは、面内の位相差値R0 、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値R40、フィルムの厚みd、及びフィルムの平均屈折率n0 を用い、以下の式 (III)〜(V)から数値計算によりnx、ny及びnz を求め、これらを前記式(II)に代入して、算出することができる。
0 =(nx−ny)×d (III)
40=(nx−ny')×d/cos(φ) (IV)
(nx+ny+nz)/3=n0 (V)
ここで、
φ=sin-1〔sin(40°)/n0
y'=ny×nz/〔ny 2×sin2(φ)+nz 2×cos2(φ)〕1/2
コーティング位相差層の厚み方向位相差値Rthは、40〜300nm程度の範囲から、その用途、特に液晶セルの特性に合わせて、適宜選択するのが好ましい。その厚み方向位相差値Rthは、有利には50nm以上、また有利には200nm以下である。
以上のようにして、樹脂位相差板11/プライマー層12/コーティング位相差層14の順に積層した後は、加熱装置45を用いて、加熱養生が施される。この加熱養生は、室温よりやや高い温度、例えば、30〜80℃程度の温度で、2日以上かけて行うのが好ましい。養生温度は30〜60℃程度、また養生時間は4〜7日間程度とするのがより好ましい。このように、位相差板11/プライマー層12/コーティング位相差層14からなる層構成の複合位相差板10を得た後で、加熱養生を施すことにより、プライマー層12の耐水性が改善される。加熱養生により耐水性が向上する理由は必ずしも定かでないが、プライマー層の架橋密度、例えば、上記の如くエポキシ樹脂とポリビニルアルコール系樹脂でプライマー層を形成する場合は、それらの架橋密度が上がることなどが考えられる。
ロール状の位相差板から出発して複合位相差板をロール状で製造する場合の好適な形態を、図3に断面模式図で示した。この形態ではまず、位相差板送り出しロール30から繰り出される位相差板11の表面に、プライマー層塗工機31を介してプライマー層用塗工液が塗布され、引き続きプライマー層乾燥ゾーン32を通って乾燥された後、コーティング位相差層の形成に供される。この場合も、位相差板11は、その両面にコロナ処理が施されているのが好ましい。次いで、プライマー層の空気への露出面に、コーティング位相差層塗工機36を介してコーティング位相差層用塗工液が塗布され、引き続き、コーティング位相差層乾燥ゾーン37を通って乾燥され、位相差板/プライマー層/コーティング位相差層の順に積層された複合位相差板10となって、製品ロール40に巻き取られる。この後、製品ロール40に巻かれた状態で、適宜の加熱装置45、例えば加熱炉を用いて加熱養生が施される。
前述のとおり、加熱養生には比較的長い時間を要することから、図3に示すように複合位相差板をロール状に巻き取った状態で、加熱炉などの加熱装置に入れ、加熱養生処理を施すのが好ましい。
図3に示した方法を、二つの工程に分割することもできる。この場合の形態を図4及び図5に断面模式図で示した。この形態の第一工程では、図4に示す如く、位相差板送り出しロール30から繰り出される位相差板11の表面に、プライマー層塗工機31を介してプライマー層用塗工液が塗布され、引き続きプライマー層乾燥ゾーン32を通って乾燥された後、プライマー層付き位相差板13となり、半製品ロール35に巻き取られる。
図5に示す第二工程では、図4の第一工程で一旦半製品ロール35に巻き取られたプライマー層付き位相差板13が同じロールから繰り出され、そのプライマー層側表面にコーティング位相差層塗工機36を介してコーティング位相差層用塗工液が塗布され、引き続きコーティング位相差層乾燥ゾーン37を通って乾燥され、位相差板/プライマー層/コーティング位相差層の順に積層された複合位相差板10となって、製品ロール40に巻き取られる。この後、製品ロール40に巻かれた状態で、加熱装置45を用いて加熱養生が施される。
以上のようにして得られる複合位相差板は、その一方の面に、偏光板などの他の光学機能を示す光学層に積層して、複合光学部材とすることができる。複合光学部材の層構成の例を図6に断面模式図で示した。この例では、図1に示した複合位相差板10における透明樹脂からなる位相差板11側に、他の光学機能を示す光学層21が積層され、複合光学部材20となっている。両者の積層には、例えば、粘着剤を用いることができ、図6ではこれを粘着剤層22として表示している。他の光学機能を示す光学層21は、少なくとも偏光板を含むことが好ましいが、その他に例えば、輝度向上フィルムなど、液晶表示装置等の形成に従来から用いられているものを挙げることができる。
他の光学層21として用いる偏光板は、面内の一方向に振動面を有する直線偏光を透過し、面内でそれと直交する方向に振動面を有する直線偏光を吸収するものであればよい。具体的には、ポリビニルアルコールフィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の少なくとも片面(片面又は両面)に保護フィルムが貼合されたものを用いることができる。二色性色素として、ヨウ素を用いたヨウ素系偏光板や、二色性有機染料を用いた染料系偏光板があるが、いずれも用いることができる。また保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂や、ノルボルネンの如き多環式の環状オレフィンを主要なモノマーとする環状ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。他の光学層21が偏光板を含む場合は、図6に示すように、複合位相差板10の樹脂位相差板11側に、この偏光板を含む他の光学層21を積層するのが好ましい。
他の光学層21の貼合に粘着剤を用いる場合、その粘着剤は、アクリル系ポリマーや、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとするもので構成することができる。なかでも、アクリル系粘着剤のように、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を保持し、基材との接着性にも優れ、さらには耐候性や耐熱性などを有し、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれ等の剥離問題を生じないものを選択して用いることが好ましい。アクリル系粘着剤においては、メチル基やエチル基、ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどからなる官能基含有アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、さらに好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上のアクリル系共重合体が、ベースポリマーとして有用である。
図6に示すような複合光学部材20は、液晶セルの少なくとも一方の面に配置して、液晶表示装置とすることができる。液晶セルの両面に、このような複合光学部材を配置することもできる。液晶セルの片面に複合光学部材を配置した場合、液晶セルのもう一方の面には、他の偏光板が、必要に応じて位相差板を介在させて配置される。液晶セルは、背景技術の項で述べた如く、垂直配向(VA)モードのものが好ましいが、その他、ベンド配向(ECB)モードなど、他の方式の液晶セルに対しても、本発明により製造される複合位相差板又は複合光学部材は、有効に機能する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す部及び%は、特記ない限り重量基準である。また、以下の例で用いたプライマー層用塗工液及びコーティング位相差層用塗工液の組成は、それぞれ次のとおりである。
[プライマー層用塗工液]
水溶性エポキシ樹脂として、住化ケムテックス(株)製のポリアミドエポキシ樹脂である“スミレーズレジン 650(30)”(商品名、固形分濃度30%の水溶液)を、またポリビニルアルコール系樹脂として、(株)クラレ製の部分ケン化ポリビニルアルコールである“PVA-403”(商品名) を用い、以下の組成で配合したもの。
Figure 2008052089
この塗工液は、水を100℃に温めながらポリビニルアルコール“PVA-403” と混合して攪拌した後、室温まで冷却し、さらにポリアミドエポキシ樹脂“スミレーズレジン 650(30)”と混合し、攪拌して調製した。
[コーティング位相差層用塗工液]
有機修飾粘土複合体として、合成ヘクトライトとトリオクチルメチルアンモニウムイオンとの複合体であるコープケミカル(株)製の“ルーセンタイト STN”(商品名)を、またバインダー樹脂として、イソホロンジイソシアネートベースのポリウレタン樹脂で固形分濃度30%の樹脂ワニスである住化バイエルウレタン(株)製“SBU ラッカー 0866” (商品名)を用い、以下の組成で配合したもの。
Figure 2008052089
ここで用いた有機修飾粘土複合体は、メーカーにて、有機修飾前の合成ヘクトライト製造後に酸洗浄し、それを有機修飾し、さらに水洗した状態で入手したものである。そこに含まれる塩素量は1,111ppmであった。また、この塗工液は、上記組成で混合し、攪拌後、孔径1μm のフィルターで濾過して調製したものであり、カールフィッシャー水分計で測定される含水率は 0.25%であった。この塗工液における有機修飾粘土複合体/バインダー樹脂の固形分重量比は6/4である。
[実施例1]
(a)複合位相差板の作製
まず、ノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムである位相差板〔住友化学(株)から販売されている“CSES430120Z-S-KY”、面内位相差値120nm〕に、前記プライマー層用塗工液を塗布し、80℃で約3分間乾燥して、厚さ約2μm のプライマー層を形成した。次にそのプライマー層の上に、前記コーティング位相差層用塗工液を塗布し、その後90℃で6分間乾燥してコーティング位相差層を形成し、樹脂位相差板/プライマー層/コーティング位相差層の順に積層された複合位相差板を得た。この複合位相差板は、例えば三層を手で剥がそうとしても剥離せず、三層が十分な強度で接着していた。さらに、この複合位相差板を40℃のオーブンに入れ、144時間(6日間)の加熱養生を施した。
(b)複合光学部材の作製と評価
(a)で得られた複合位相差板の樹脂位相差板側表面に、粘着剤付きのポリビニルアルコール/ヨウ素系偏光板〔住友化学(株)から販売されている“SRW062AP6-HC2” 〕をその粘着剤層側で貼合し、偏光板/粘着剤層/樹脂位相差板/プライマー層/コーティング位相差層の順に積層された複合光学部材を作製した。
この複合光学部材をそのコーティング位相差層側でアクリル系粘着剤を介してガラス板に貼合し、鉛筆硬度試験機を用いて、偏光板側から硬度Hの鉛筆で押圧し、鉛筆への荷重を増やしていって、外力によるコーティング位相差層の割れに起因する光漏れの評価を行った。この際、複合光学部材の偏光板とクロスニコル状態になるよう、別の偏光板をガラス板の複合光学部材が貼合されている面と反対の面に配置し、ライトボックス上で光漏れを確認した。その結果、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても、光漏れは生じなかった。
またこの複合光学部材を60℃の温水に30分間浸漬して、耐水性の評価を行った。その結果、複合光学部材の端部から内側に向けて白化した幅は、最大で0.6mm であった。
[比較例1]
複合位相差板に加熱養生を施さずに、そこに粘着剤付き偏光板を貼合したこと以外は、実施例1と同様にして複合光学部材を作製した。この複合光学部材について、実施例1の(b)と同様の方法で、鉛筆硬度試験機を用いた外力による光漏れの評価及び耐水性の評価を行った。その結果、外力による光漏れの評価では、荷重限界である2.0kg の荷重を加えても光漏れは生じなかったが、耐水性の評価では、複合光学部材の端部から内側に向けて白化した幅が最大で1mmであった。
[比較例2]
離型処理が施された厚さ38μm のポリエチレンテレフタレートフィルム(この例では以降、「離型フィルム」とする)の離型処理面に、前記コーティング位相差層用塗工液を塗布し、その後90℃で3分間乾燥して、コーティング位相差層を形成した。そのコーティング位相差層表面に、実施例1の(a)で用いた樹脂位相差板と同じ材質でかつ同じ面内位相差値を有し、片面に粘着剤層が設けられた位相差板〔住友化学(株)から販売されている“CSES430120Z6-F8-KY”〕をその粘着剤層側で貼合して、樹脂位相差板/粘着剤層/コーティング位相差層/離型フィルムの四層構成とした。次に、その樹脂位相差板側表面に、実施例1の(b)で用いたのと同じ粘着剤付き偏光板“SRW062AP6-HC2” をその粘着剤層側で貼合して、偏光板/粘着剤層/樹脂位相差板/粘着剤層/コーティング位相差層/離型フィルムの六層構成とした。そこから離型フィルムを剥ぎ取った後、露出したコーティング位相差層側で、アクリル系粘着剤を介してガラス板に貼合した。この状態で、実施例1の(b)と同様の鉛筆硬度試験機を用いた外力による光漏れの評価を行った。その結果、600gの荷重を加えた時点で光漏れが観察された。
複合位相差板の構成を概略的に示す断面模式図である。 本発明により複合位相差板を製造する方法を工程毎に概略的に示す断面模式図である。 ロール状の位相差板から出発して複合位相差板をロール状で製造する形態を概略的に示す断面模式図である。 ロール状で製造する方法を二つの工程に分ける場合に、位相差板の表面にプライマー層を形成するまでの工程(第一工程)を概略的に示す断面模式図である。 ロール状で製造する方法を二つの工程に分ける場合に、位相差板上に形成されたプライマー層の表面にコーティング位相差層を形成し、さらに加熱養生を施すまでの工程(第二工程)を概略的に示す断面模式図である。 複合光学部材の構成を概略的に示す断面模式図である。
符号の説明
10……複合位相差板、
11……透明樹脂からなる位相差板、
12……プライマー層、
13……プライマー層付き位相差板、
14……コーティング位相差層、
20……複合光学部材、
21……他の光学機能を示す光学層、
22……粘着剤層、
30……位相差板送り出しロール、
31……プライマー層塗工機、
32……プライマー層乾燥ゾーン、
35……半製品ロール、
36……コーティング位相差層塗工機、
37……コーティング位相差層乾燥ゾーン、
40……製品ロール、
45……加熱装置。

Claims (11)

  1. 透明樹脂からなる位相差板、プライマー層及び、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを含むコーティング位相差層をこの順に積層した後、加熱養生を施すことを特徴とする複合位相差板の製造方法。
  2. 透明樹脂からなる位相差板の表面にプライマー層を形成し、そのプライマー層表面に、有機修飾粘土複合体とバインダー樹脂とを有機溶媒中に含有してなる塗工液を塗布し、そこから溶媒を除去してコーティング位相差層を形成し、得られる樹脂位相差板/プライマー層/コーティング位相差層からなる層構成の複合位相差板に加熱養生を施す請求項1に記載の方法。
  3. 透明樹脂からなる位相差板は、面内で配向している透明樹脂フィルムからなる請求項1又は2に記載の方法。
  4. プライマー層は、透明樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. プライマー層は、エポキシ樹脂を含有する請求項4に記載の方法。
  6. プライマー層は、水溶性のエポキシ樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂を含有する組成物から形成される請求項4に記載の方法。
  7. 水溶性のエポキシ樹脂は、ポリアミドエポキシ樹脂である請求項6に記載の方法。
  8. 加熱養生は、30〜80℃の温度で4〜7日間かけて行われる請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって複合位相差板を得た後、その一方の面に他の光学機能を示す光学層を積層することを特徴とする複合光学部材の製造方法。
  10. 他の光学層は、少なくとも偏光板を含む請求項9に記載の方法。
  11. 複合位相差板における透明樹脂からなる位相差板側に偏光板を積層する請求項10に記載の方法。
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KR102059360B1 (ko) * 2013-01-18 2019-12-26 엘지디스플레이 주식회사 유기발광소자용 위상차판 제조방법

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