JP5529600B2 - 複合偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
好ましい実施形態においては、上記光拡散粘着層が粘着剤および粒子を含む。
好ましい実施形態においては、上記光拡散粘着層のヘイズが90%以上である。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの視認側に配置された上記複合偏光板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板と、該複合偏光板のさらに視認側に、該複合偏光板の光拡散粘着層に密着して配置されたフロント基板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板の外側に平行光光源装置とを備える。
好ましい実施形態においては、上記フロント基板が透明保護板またはタッチパネルである。
図1は、本発明の好ましい実施形態による複合偏光板の概略断面図である。この複合偏光板100は、偏光子10と、該偏光子10の片側に配置された光拡散粘着層20とを有する。図示例においては、該偏光子の両側に保護フィルム30および31が配置されている。偏光子10と保護フィルム30,31とは、任意の適切な接着剤層または粘着剤層を介して貼り合わせられている。目的や用途に応じて、保護層30,31の少なくとも一方は省略され得る。
上記偏光子10としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1μm〜80μm程度である。
上記光拡散粘着層20は、液晶表示装置の光源から出射されて、液晶セルを通過した光を透過させて拡散させる機能を有する。該光拡散粘着層は、本発明の複合偏光板が液晶表示装置に用いられた場合に、視認側に配置されるように、保護フィルム30に密着して貼付られる。該光拡散粘着層は、好ましくは粘着剤および粒子を含む。粘着剤は、粘度が高いことに加え、粒子分散性に優れるため、広視野角特性と低グレア(眩しさ)性とを両立し得る光拡散粘着層を得るのに好適である。
上記保護フィルム30,31は、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの視認側に配置された上記複合偏光板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板と、該複合偏光板のさらに視認側に、該複合偏光板の光拡散粘着層に密着して配置されたフロント基板と、該視認側と反対側に配置された偏光板の外側に配置された平行光光源装置を備える。図2は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。液晶表示装置200は、フロント基板120、複合偏光板100、液晶セル110、偏光板130、および平行光光源装置140を視認側からこの順に備える。液晶セル110は、一対の基板112,113と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層111とを有する。液晶表示装置200では、複合偏光板100を液晶セル110の視認側に配置する。複合偏光板100は、光拡散粘着層20がフロント基板120と接するように配置される。したがって、液晶表示装置200では、複合偏光板100とフロント基板120との間の全体に光拡散粘着層20が配されるので、複合偏光板100とフロント基板120との間に空気層は形成されない。また、図示しないが、液晶表示装置200が、さらに、他の偏光子、保護フィルム、光学補償層等の他の構成要素を備えていてもよい。また、複合偏光板100および/または偏光板130と液晶セル110との間には、接着剤層または粘着剤層(図示しない)が備えられていてもよい。
上記フロント基板120は、液晶表示装置の視認側表面に設けられる基板である限り、任意の適切なものを用いることができる。好ましくは、フロント基板は、液晶セルを保護する透明保護板、または、タッチパネルである。該透明保護板としては、任意の適切なものを用いることができる。具体的には、ガラス板やプラスチック基板等が挙げられ、好ましくはアクリル板などのプラスチック基板である。該タッチパネルとしては特に制限はなく、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式など種々のものを用いることができる。本発明のタッチパネルは偏光板の上に配置するため、好ましくは抵抗膜方式のものである。
液晶セルの駆動モードとしては、好ましくは、バーティカル・アライメント(VA)モード、ツイスティッド・ネマチック(TN)モード、インプレーンスイッチング(IPS)モード、垂直配向型電界制御複屈折(ECB)モード、光学補償複屈折(OCB)モード等が挙げられる。
上記平行光光源装置140は、液晶セル110に向かってコリメート光を出射する平行光光源装置である。平行光光源装置は、コリメート光を出射し得る任意の適切な構成を有し得る。例えば、平行光光源装置は、光源と、光源から出射された光をコリメートする集光素子とを有する(いずれも図示せず)。この場合、集光素子としては、光源から出射された光をコリメートし得る任意の適切な集光素子が採用され得る。光源自体がコリメート光を出射し得る場合には、集光素子は省略され得る。平行光光源装置の具体的構成としては、例えば、以下のようなものが挙げられる:(1)レンチキュラーレンズまたは砲弾型レンズの平坦面側のレンズの焦点以外の部分に遮光層または反射層を設けた集光素子を、光源(例えば、冷陰極蛍光ランプ)の液晶セル側に配置した構成(例えば、特開2008-262012号公報);(2)サイドライト型LED光源と、その導光板と、導光板側に凸面が形成され、該導光板の液晶セル側に配置された変角プリズムとを有する構成(本構成においては、必要に応じて異方性拡散素子がさらに用いられ得る;例えば、特許第3442247号);(3)光吸収性樹脂と透明性樹脂が交互にストライプ状に形成されたルーバー層をバックライトとバックライト側偏光板との間に配置した構成(例えば、特開2007-279424号公報);(4)光源として砲弾型LEDを用いた構成(例えば、特開平6-130255号公報);(5)フレネルレンズと必要に応じて拡散板とを用いた構成(例えば、特開平1-126627号公報);(6)フレネル型の反射ミラーとその中央にLED光源を配置した構成(例えば、特開2004-186092号公報)。これらの詳細な構成を記載した上記公報は、本明細書に参考として援用される。以下、一例として、(5)の構成について説明する。
(1)半値角の測定方法:
平行光光源装置の半値角は、図4に示すように、出射プロファイルに対して、輝度の最大値(通常は出射角度0°の輝度)の半分の輝度に当たる出射角度の半値全幅を半値角とした。
(2)ヘイズおよび全光線透過率の測定方法:
ヘイズメーター(村上色彩科学研究所製、商品名「HN−150」)を用いてJIS7136に準拠する方法で測定した。
(3)光拡散半値角の測定方法:
光拡散粘着層の正面からレーザー光を照射し、拡散した光の拡散角度に対する拡散輝度を、ゴニオフォトメーターで1°おきに測定し、図5に示すように、レーザーの直進透過光を除く光拡散輝度の最大値から半分の輝度となる拡散角度を拡散の両側で測定し、当該両側の角度を足したもの(図5の角度A+角度A’)を光拡散半値角とした。
(4)正面白輝度および正面黒輝度の測定方法:
出射光が液晶表示装置の鉛直方向となす角度が30°で入射するように、蛍光ランプ(200lx:照度計IM−5での測定値)を配置し、照射した。測定装置として、輝度計(トプコン社製、商品名「SR−UL1」、測定距離:500mm、測定角:1°)を配置し、正面白輝度および正面黒輝度を測定した。
(5)視差の測定方法:
明室環境下で、距離300mm、タッチペンでポイントした際の表示部とのズレを液晶表示装置の画面鉛直方向に対して20°の位置より目視観察した。表示部とのズレがないものは○、表示部とのズレがあるものは×とした。
(6)視野角特性の測定方法:
暗環境下において、コノスコープ(AUTRONIC−MELCHERS社製、商品名「Conoscope」)を用いて測定した。
[参考例1]
以下のようにして、図3Aに示す構成の平行光光源装置を作製した。100Wのメタルハライドランプ光源の前面に、プロジェクションレンズ、レンチキュラレンズ(スポット状スリット)、アルミ鏡面反射板、アクリル製フレネルレンズ(サイズ:対角20インチ、焦点距離:f=40cm)を配置し、平行光光源装置1を作製した。平行光光源装置1の半値角は2.5°であった。
以下のようにして、図3Bに示す構成の平行光光源装置を作製した。バックライトユニットのフレネルレンズの液晶セル側に、表面凹凸型光拡散シート(ヘイズ:60%、光拡散半値角:10°)を設けた以外は参考例1と同様にして、平行光光源装置2を作製した。平行光光源装置2の半値角は9.0°であった。
ヘイズが70%、光拡散半値角が15°の表面凹凸光拡散シートを用いた以外は参考例2と同様にして、平行光光源装置3を作製した。平行光光源装置3の半値角は15°であった。
[参考例4]
アクリル粘着剤の塗工液(固形分:12重量%)100重量部に、シリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、商品名「トスパール140」、粒子径4.2μm)を3.8重量部を加えて、1時間攪拌し、光拡散粘着層形成用塗工液を得た。軽剥離処理が施されたPETフィルム(セパレータ)上に該光拡散粘着層形成用塗工液を塗工して、120℃で乾燥し、厚み25μmの塗工層を得た。塗工および乾燥工程を3回繰り返し、塗工層が3層積層した光拡散粘着層(厚み:75μm)を作製した。この光拡散粘着層は、ヘイズが97%、全光線透過率が89%、光拡散半値角が31°であった。
次いで、光拡散粘着層が形成されたセパレーターと偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)とをそれぞれA4サイズに切り出し、光拡散粘着層と偏光板とが密着するように貼り合せて、複合偏光板1を作製した。
参考例4において、シリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、商品名「トスパール140」、粒子径4.2μm)の添加量を、1.9重量部にした以外は、参考例4と同様にして、複合偏光板2を作製した。複合偏光板2の光拡散粘着層は、ヘイズが60%、光拡散半値角は測定不可であった。
[実施例1]
参考例4で作製した複合偏光板の偏光子側の面をツイステッド・ネマチック(TN)型の液晶セルに貼り合せた後、セパレータを剥離し、露出した光拡散粘着層にフロント基板としてアクリル板(日立社製携帯電話、商品名「W43H」に使用された透明アクリル板、厚み:485μm)を密着させて貼り合せた。次いで、液晶セルの複合偏光板を貼り合わせていない面に偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)を貼り合せた。当該偏光板の外側に平行光光源装置1を配置して、表1に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置2を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置3を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
露出した光拡散粘着層に透光性フィルム(富士フィルム社製、商品名「フジタック」、厚み:40μm)を貼り合わせ、透光性フィルムの縁部に両面テープ(日東電工社製、商品名「No.5102」、厚み:120μm)を配置して、アクリル板を貼り合わせた以外は実施例1と同様にして、表1に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置2を用いた以外は、比較例1と同様にして液晶表示装置を得た。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置3を用いた以外は、比較例1と同様にして液晶表示装置を得た。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
フロント基板として、アクリル板の代わりにタッチパネル(NEC社製NOTE−PC、商品名「ShieldPRO」に使用されていた抵抗膜方式タッチパネル、厚み:945μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、表3に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
フロント基板として、アクリル板の代わりに実施例4で用いたタッチパネルを用いた以外は比較例1と同様にして、表3に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)をTN型の液晶セルの視認側に貼り合せ、偏光板の縁部に両面テープ(日東電工社製、商品名「No.5102」、厚み:120μm)を配置し、実施例1と同じアクリル板を貼り合わせ、積層した。液晶セルのバックライト側にも、偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)を貼り合せた。次いで、液晶セルのバックライト側に拡散光光源装置(日立社製携帯電話、商品名「W43H」に使用されていたバックライトユニット)を配置して、表4に示す構成の液晶表示装置を作製した。表4には、構成を比較するために、実施例1の液晶表示装置の構成も示す。得られた液晶表示の特性を表2に示す。
平行光光源装置1の代わりに、比較例5で用いた拡散光光源装置を用いた以外は、実施例1と同様にして、表5に示す構成の液晶表示装置を製造した。表5には、構成を比較するために、実施例1の液晶表示装置の構成も示す。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
複合偏光板1の代わりに、参考例5で得られた複合偏光板2を、平行光光源装置1の代わりに、比較例5で用いた拡散光光源装置を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を製造した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1〜3は、従来の構成である比較例5に比べて、視認側の厚みを減少させることができた。さらに、実施例1〜4は、比較例5に比べて、明環境において、白輝度が向上し、かつ黒輝度を抑えることができ、正面コントラスト比も格段に向上した。実施例1〜3では、光拡散粘着層がスクリーンとして機能するため、スクリーン位置(光拡散粘着層の中間部)が比較例5のスクリーン位置(液晶セル内のカラーフィルタの中間部)の半分以下となり、視差が低減された。フロント基板として、タッチパネルを用いた実施例4においても、光拡散粘着層がスクリーンとして機能するので、視認側の厚みにも関わらず、比較例5よりもスクリーン位置が近くなり、視差が低減された。
20 光拡散粘着層
30,31 保護フィルム
100 複合偏光板
110 液晶セル
111 液晶層
112,113 基板
120 フロント基板
130 偏光板
140 平行光光源装置
200 液晶表示装置
Claims (4)
- 液晶セル、フロント基板および平行光光源装置を含む液晶表示装置に用いられる複合偏光板であって、
偏光子と該偏光子の片側に配置される光拡散粘着層とを有し、
該光拡散粘着層のヘイズが90%以上であり、
該液晶表示装置に用いる際に、該光拡散粘着層と該フロント基板が接するように配置される、複合偏光板。 - 前記光拡散粘着層が粘着剤および粒子を含む、請求項1に記載の複合偏光板。
- 液晶セルと、
該液晶セルの視認側に配置された請求項1または2に記載の複合偏光板と、
該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板と、
該複合偏光板のさらに視認側に、該複合偏光板の光拡散粘着層に密着して配置されたフロント基板と、
該視認側と反対に配置された偏光板の外側に平行光光源装置とを備える、液晶表示装置。 - 前記フロント基板が透明保護板またはタッチパネルである、請求項3に記載の液晶表示装置。
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