JP4416119B2 - 広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法 - Google Patents

広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法に関する。本発明の広帯域コレステリック液晶フィルムは円偏光板(反射型偏光子)として有用である。また本発明は、当該円偏光板を用いた直線偏光素子、照明装置および液晶表示装置にも有用である。
一般に、液晶ディスプレイは、透明電極を形成したガラス板の間に液晶を注入し、上記ガラス板の前後に偏光子を配置した構造を有する。このような液晶ディスプレイに用いられる偏光子は、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素や二色性染料などを吸着させ、これを一定方向に延伸することにより製造される。このように製造された偏光子それ自体は一方方向に振動する光を吸収し、他の一方方向に振動する光だけを通過させて直線偏光を作る。そのため、偏光子の効率は理論的に50%を超えることができず、液晶ディスプレイの効率を低下させる一番大きい要因となっている。また、この吸収光線のため、液晶表示装置は光源出力の増大をある程度以上まで行うと吸収光線の熱変換による発熱で偏光子が破壊されたり、またはセル内部の液晶層への熱影響にて表示品位が劣化する等の弊害を招いていた。
円偏光分離機能を有するコレステリック液晶は、液晶の螺旋の回転方向と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光の光だけを反射する選択反射特性がある。この選択反射特性を用いて、一定した波長帯域の自然光の特定の円偏光のみを透過分離し、残りを反射し再利用することにより高効率の偏光膜の製造が可能である。この時、透過した円偏光は、λ/4波長板を通過することにより直線偏光に変換され、この直線偏光の方向を液晶ディスプレイに用いる吸収型偏光子の透過方向と揃えることで高透過率の液晶表示装置を得ることができる。すなわち、コレステリック液晶フィルムをλ/4波長板と組み合わせて直線偏光素子として用いると理論的に光の損失がないため、50%の光を吸収する従来の吸収型偏光子を単独で用いた場合に比べて理論上は2倍の明るさ向上を得ることができる。
しかし、コレステリック液晶の選択反射特性は特定の波長帯域のみに限定され、可視光線全域のカバーを行うのは困難であった。コレステリック液晶の選択反射波長領域巾Δλは、
△λ=2λ・(ne−no)/(ne+no)
no:コレステリック液晶分子の正常光に対する屈折率
ne:コレステリック液晶分子の異常光に対する屈折率
λ:選択反射の中心波長
で表され、コレステリック液晶そのものの分子構造に依存する。上記式よりne−noを大きくすれば選択反射波長領域巾△λは広げられるが、ne−noは通常0.3以下である。この値を大きくすると液晶としての他の機能(配向特性、液晶温度など)が不十分となり実用は困難であった。したがって、現実には選択反射波長領域巾△λは最も大きくても150nm程度であった。コレステリック液晶として実用可能なものの多くは30〜100nm程度でしかなかった。
また、選択反射中心波長λは、
λ=(ne+no)P/2
P:コレステリック液晶一回転ねじれに要する螺旋ピッチ長
で表され、ピッチ一定であれば液晶分子の平均屈折率とピッチ長に依存する。
したがって、可視光全域をカバーするには、異なる選択反射中心波長を有する複数層を積層するか、ピッチ長を厚み方向で連続変化させ選択反射中心波長そのものの存在分布を形成することが行われていた。
例えば、厚み方向でピッチ長を連続変化させる手法があげられる(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。この手法はコレステリック液晶組成物を紫外線露光で硬化させる際に、露光面側と出射面側の露光強度に差を付け、重合速度に差を付けることで、反応速度の異なる液晶組成物の組成比変化を厚み方向で設けるというものである。
この手法のポイントは露光面側と出射面側の露光強度の差を大きく取ることである。そのため、前述の先行技術の実施例の多くの場合には紫外線吸収剤を液晶組成物に混合し、厚み方向で吸収を発生させ、光路長による露光量の差を増幅する手法が採られていた。
しかし、特許文献1のようなピッチ長を連続変化させる手法では、機能を発現させるに必要な液晶層厚みが15〜20μm程度必要であり、液晶層の精密塗工の問題の他に高価な液晶を多く必要とするためにコストアップが避けられなかった。さらに露光時間は1〜60分間程度必要とされ、10m/分のライン速度を得るには露光ライン長が10〜600mと長大な製造ラインが必要とされた。ライン速度を低下させればライン長は低減できるが生産速度の低下が避けられない。
これは特許文献1で述べられているとおり、ピッチ長を厚み方向で変化させるための厚み方向での紫外線露光強度差と、それに伴う重合速度の差による物質移動からなる組成比変化によってコレステリックピッチをコントロールする理論上の問題から、迅速なピッチ変化を形成することが困難なためである。特許文献1では短ピッチ側と長ピッチ側ではピッチ長が100nm程度も違うので組成比を大きく変える必要があり、これを実現するには相当な液晶厚みと微弱な紫外線照射と長大な露光時間が必要である。
特許文献3ではピッチ変化させる物質の移動性が、特許文献1で用いられる材料例よりも良好であるため、1分間程度の露光量で成膜可能である。しかし、この場合でも15μmの厚みは必要になる。
特許文献2では一次露光と二次露光との温度条件を変え、かつ組成比が厚み方向で変化するに必要な時間を暗所にて別途設けているが、この方法で実質可視光線全域をカバーさせようとすると、この温度変化による物質移動の待ち時間は120分間程度は必要である。
特許文献4のようなピッチ長を連続変化させる手法では機能を発現させるに必要な液晶層厚みが15〜20μm程度必要であり、液晶層の精密塗工の問題の他に高価な液晶を多く必要とするためにコストアップが避けられなかった。また、特許文献4ではコレステリック液晶組成物を基材と反対側(空気界面側)から紫外線露光で硬化させる際に、酸素阻害によって露光面側と出射面側の露光強度に差を付けることで組成比変化を厚み方向で変化させている。
しかし、特許文献4の実施例1における図4では選択反射波長が広帯域化しているものの、透過率カーブの短波長端側・長波長側の傾斜が共に穏やかで実質的に可視光全域のカバーには至っていない。また特許文献4の実施例2における図6は両波長端の傾斜は急峻であるものの帯域そのものは狭いものであった。
上記問題に対し、配向基材に塗布した液晶組成物を、配向基材から紫外線照射する方法が提案されている(たとえば、特許文献5参照)。これより、配向基材と接した酸素による重合阻害の影響の受けにくい面から重合を開始させ、液晶層のモル吸光計数による吸収を利用して厚み方向に紫外線照射強度分布を形成せしめ、酸素阻害を大きく受ける空気面側の紫外線実効照射量を低減せしめることで従来より大きな液晶反応速度勾配・組成濃度分布勾配を形成している。このように特許文献5では露光面側と出射面側の露光強度に差をつけることにより、コレステリックピッチ長の厚み方向での大きな変化を形成せしめることに成功した。当該出願では選択反射波長帯域幅が最大で296nmと広いものが得られていた。
特開平6−281814号公報 特許第3272668号明細書 特開平11−248943号公報 特開2002−286935号公報 特開2003−139953号公報
しかしながら、特許文献5に記載の方法において、結晶相から液晶相への相転移温度が高い(70〜100℃程度)液晶材料を用いると、液晶層において結晶化が進行しやすく、その結果、ヘイズ値の大きなフィルムが得られる場合がある。一方、液晶相の結晶化を防ぐために前記相転移温度以上の温度で紫外線照射を行うと、選択反射波長帯域幅を広帯域化したフィルムを得難い。
本発明は、結晶相から液晶相への相転移温度が高い(70〜100℃程度)液晶材料を用いた場合にも、広帯域の反射帯域を有し、かつヘイズ値の小さい広帯域コレステリック液晶フィルムを製造しうる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の製造方法により上記目的を達成できる広帯域コレステリック液晶フィルムが得られることを見出し本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記の通りである。
1.重合性メソゲン化合物(A)および重合性カイラル剤(B)を含む液晶混合物を配向基材に塗布する工程、および前記液晶混合物に紫外線照射を行い重合硬化する工程を含む、反射帯域巾が200nm以上を有する広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法であって、
前記紫外線重合工程が、
前記液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上の温度下に、10〜200mW/cm2の紫外線照射強度で、0.01〜5秒間、紫外線照射する工程(1)、
次いで、液晶層が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上で、5秒間を超える時間、熱処理する工程(2)を有し、
前記工程(1)および工程(2)の後に、酸素不存在下で、紫外線照射する工程(3)を有することを特徴とする広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
2.前記工程(1)および工程(2)を複数回繰り返した後に、紫外線照射する工程(3)を行うことを特徴とする上記1記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
3.コレステリック液晶フィルムのピッチ長が、液晶フィルム表面側から配向基材側に向けて広くなるように変化していることを特徴とする上記1または2記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
4.コレステリック液晶フィルムのヘイズ値が、5以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
5.重合性メソゲン化合物(A)が重合性官能基を1つ有し、重合性カイラル剤(B)が重合性官能基を2つ以上有することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
6.重合性メソゲン化合物(A)のモル吸光係数が、
0.1〜500dm3mol-1cm-1@365nmであり、
10〜30000dm3mol-1cm-1@334nmであり、かつ、
1000〜100000dm3mol-1cm-1@314nmであることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
7.重合性メソゲン化合物(A)が、下記一般式(1):
(式中、R1〜R12は同一でも異なっていてもよく、−F、−H、−CH3、−C25または−OCH3を示し、R13は−Hまたは−CH3を示し、X1は一般式(2):
−(CH2CH2O)a−(CH2b−(O)c−、を示し、X2は−CNまたは−Fを示す。但し、一般式(2)中のaは0〜3の整数、bは0〜12の整数、cは0または1であり、かつa=1〜3のときはb=0、c=0であり、a=0のときはb=1〜12、c=0〜1である。)で表される化合物であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
8.重合性メソゲン化合物(A)の、結晶相から液晶相への相転移温度が、70〜100℃であることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
上記のように、本発明では、反射帯域を広帯域化させるために、液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で紫外線照射の照度・照射温度・時間を前記範囲に制御した工程(1)、さらに熱処理工程(2)を行う。当該工程(1)、工程(2)により、液晶混合物を重合して平均分子量10000〜500000程度のポリマー/オリゴマーを形成するとともに、配向基材とその反対側(酸素界面側)との厚み方向に、酸素阻害による反応速度差と液晶組成物の紫外線吸収によるラジカル発生量の差異が生じ、前記厚み方向にポリマー/オリゴマーの生成量が連続分布した層が形成される。これにより全体として広帯域な反射波長を有するコレステリック液晶フィルムが得られる。また、工程(1)、工程(2)では温度70℃以上の条件下に紫外線照射を行っているため、相転移温度が高い液晶材料を用いた場合にも、液晶層の結晶化を抑えて重合を進行させることができ、広帯域の反射帯域を有し、かつヘイズ値の小さいコレステリック液晶フィルムを得ることができる。
このようにして得られた広帯域コレステリック液晶フィルムは広帯域円偏光反射板として機能し、特許文献1乃至4等と光学特性的には同等の性質を有するとともに、従来の製造方法に比べて積層枚数の低減により厚みを低減でき、さらには簡単に短時間で製造でき、生産速度の向上により低コスト化が可能である。
上記本発明の製造方法で得られた広帯域コレステリック液晶フィルムは、その選択反射波長の反射帯域巾が200nm以上と広く、広帯域の反射帯域巾を有する。反射帯域巾は、300nm以上、さらには400nm以上、さらには450nmであるのが好ましい。また200nm以上の反射帯域巾は可視光領域、特に400〜900nmの波長領域において有することが好ましい。
円偏光反射板が長波長域にも広帯域の反射帯域を有することは、液晶表示装置の良好な視野角特性を得るために重要な問題である。実用的な視野角範囲で透過光線に着色が見られないためには選択反射の長波長端が800〜900nmに達する必要がある。本発明の製造方法によれば、かかる長波長域にも反射帯域を有する広帯域コレステリック液晶フィルムを得ることができる。かかる広帯域コレステリック液晶フィルムは、単に高輝度を得るための反射偏光子として用いる場合だけでなく、位相差板などの他の光学素子と組み合わせて作成する偏光素子の場合でも同様に正面以外の斜め入射光線に対する安定した光学特性が求められる。
本発明の広帯域コレステリック液晶フィルムは、重合性メソゲン化合物(A)および重合性カイラル剤(B)を含む液晶混合物を紫外線重合して得られる。
重合性メソゲン化合物(A)は、重合性官能基を少なくとも1つ有し、これに環状単位等からなるメソゲン基を有するものが好適に用いられる。重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等があげられるが、これらのなかでもアクリロイル基、メタクリロイル基が好適である。また重合性官能基を2つ以上有するものを用いることにより架橋構造を導入して耐久性を向上させることもできる。メソゲン基となる前記環状単位としては、たとえば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等があげられる。なお、これら環状単位の末端は、たとえば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。前記メソゲン基は屈曲性を付与するスペーサ部を介して結合していてもよい。スペーサ部としては、ポリメチレン鎖、ポリオキシメチレン鎖等があげられる。スペーサ部を形成する構造単位の繰り返し数は、メソゲン部の化学構造により適宜に決定されるがポリメチレン鎖の繰り返し単位は0〜20、好ましくは2〜12、ポリオキシメチレン鎖の繰り返し単位は0〜10、好ましくは1〜3である。
重合性メソゲン化合物(A)のモル吸光係数は、0.1〜500dm3mol-1cm-1@365nmであり、10〜30000dm3mol-1cm-1@334nmであり、かつ1000〜100000dm3mol-1cm-1@314nmであることが好ましい。前記モル吸光係数を有するものは紫外線吸収能を有する。モル吸光係数は、0.1〜50dm3mol-1cm-1@365nmであり、50〜10000dm3mol-1cm-1@334nmであり、10000〜50000dm3mol-1cm-1@314nmがより好適である。モル吸光係数は、0.1〜10dm3mol-1cm-1@365nmであり、1000〜4000dm3mol-1cm-1@334nmであり、30000〜40000dm3mol-1cm-1@314nmであるのがより好ましい。モル吸光係数が0.1dm3mol-1cm-1@365nm、10dm3mol-1cm-1@334nm、1000dm3mol-1cm-1@314nmより小さいと十分な重合速度差がつかずに広帯域化し難い。一方、500dm3mol-1cm-1@365nm、30000dm3mol-1cm-1@334nm、100000dm3mol-1cm-1@314nmより大きいと重合が完全に進行せずに硬化が終了しない場合がある。なお、モル吸光係数は、各材料の分光光度スペクトルを測定し、得られた365nm、334nm、314nmの吸光度から測定した値である。
重合性官能基を1つ有する重合性メソゲン化合物(A)は、たとえば、下記の一般式:(1)
(式中、R1〜R12は同一でも異なっていてもよく、−F、−H、−CH3、−C25または−OCH3を示し、R13は−Hまたは−CH3を示し、X1は一般式(2):
−(CH2CH2O)a−(CH2b−(O)c−、を示し、X2は−CNまたは−Fを示す。但し、一般式(2)中のaは0〜3の整数、bは0〜12の整数、cは0または1であり、かつa=1〜3のときはb=0、c=0であり、a=0のときはb=1〜12、c=0〜1である。)で表される化合物があげられる。
一般式(1)で表される重合性メソゲン化合物(A)の具体例を表1に挙げる。
重合性メソゲン化合物(A)はこれら例示化合物に限定されるものではない。
また、重合性カイラル剤(B)としては、たとえば、BASF社製LC756があげられる。
上記重合性カイラル剤(B)の配合量は、重合性メソゲン化合物(A)と重合性カイラル剤(B)の合計100重量部に対して、1〜20重量部程度が好ましく、3〜7重量部がより好適である。重合性メソゲン化合物(A)と重合性カイラル剤(B)の割合により螺旋ねじり力(HTP)が制御される。前記割合を前記範囲内とすることで、得られるコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルが長波長域をカバーできるように反射帯域を選択することができる。
また液晶混合物には、通常、光重合開始剤(C)を含む。光重合開始剤(C)としては各種のものを特に制限なく使用できる。例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュアOXE01等があげられる。光重合開始剤の配合量は、重合性メソゲン化合物(A)と重合性カイラル剤(B)の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部程度が好ましく、0.05〜5重量部がより好適である。
前記混合物には、得られるコレステリック液晶フィルムの帯域幅を広げるために、紫外線吸収剤を混入して厚み方向での紫外線露光強度差を大きくすることができる。また、モル吸光係数の大きな光反応開始剤を用いることで同様の効果を得ることもできる。
前記混合物は溶液として用いることができる。溶液を調製する際に用いられる溶媒としては、通常、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類、その他、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレンブリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどを用いることができる。使用する溶媒としては、特に制限されないが、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等が好ましい。溶液の濃度は、サーモトロピック液晶性化合物の溶解性や最終的に目的とするコレステリック液晶フィルムの膜厚に依存するため一概には言えないが、通常3〜50重量%程度とするのが好ましい。
本発明の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造は、前記液晶混合物を配向基材に塗布する工程、および前記液晶混合物に紫外線照射を行い重合硬化する工程を含む。
配向基材としては、従来知られているものを採用できる。たとえば、基板上にポリイミドやポリビニルアルコール等からなる薄膜を形成して、それをレーヨン布等でラビング処理したラビング膜、斜方蒸着膜、シンナメートやアゾベンゼンなど光架橋基を有するポリマーあるいはポリイミドに偏光紫外線を照射した光配向膜、延伸フィルムなどが用いられる。その他、磁場、電場配向、ずり応力操作により配向させることもできる。
基材の種類は特に限定しないが、基材側から照射線(紫外線)を照射する手法上、透過率の高い素材が望ましい。たとえば、基材は、200nm以上400nm以下、より望ましくは300nm以上400nm以下の紫外域に対して透過率10%以上、望ましくは20%以上であることが求められる。具体的には、波長365nmの紫外光に対する透過率が10%以上、さらには20%以上のプラスチックフィルムであることが好ましい。なお、透過率は、HITACHI製U−4100Spectrophotometerにより測定される値である。
なお、前記基板としては、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ノルボルネン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンやポリエーテルスルホン等のプラスチックからなるフィルムやガラス板が用いられる。例えば富土写真フイルム社製トリアセチルセルロースやJSR製ARTON、日本ゼオン製ゼオネックスなどがあげられる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
前記基材はコレステリック液晶層と貼り合わせたまま用いても良いし剥離除去しても良い。貼り合わせたまま用いる場合には位相差値が実用上十分小さな材質を用いる。
基材を貼り合わせたまま用いる場合には、基材は紫外線が照射されても分解・劣化・黄変しないものが望ましい。たとえば、前述の基材には光安定剤等を配合することのより所用の目的を達成しうる。光安定剤としては、チバスペシャルティケミカルズ社製チヌビン120、同144等が好適に用いられる。露光光線から波長300nm以下をカットしておけば着色・劣化・黄変を低減することができる。
前記液晶混合物の塗布厚み(溶液の場合は溶媒乾燥後の塗布厚み)は1〜20μm程度が好ましい。塗布厚みが1μmより薄い場合は、反射帯域巾は確保できるものの偏光度そのものが低下する傾向があり好ましくない。塗布厚みは2μm以上、さらには3μm以上であるのが好ましい。一方、塗布厚みは20μmより厚い場合には反射帯域巾・偏光度共に顕著な向上は見られず、単に高コストとなり好ましくない。塗布厚みは15μm以下、さらには10μm以下がより好適である。
配向基材に前記混合溶液を塗工する方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、バーコート法などを採用することができる。混合溶液の塗工後、溶媒を除去し、基板上に液晶層を形成させる。溶媒の除去条件は、特に限定されず、溶媒をおおむね除去でき、液晶層が流動したり、流れ落ちたりさえしなければ良い。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、ホットプレート上での加熱などを利用して溶媒を除去する。
次いで、前記配向基材上に形成された液晶層を液晶状態とし、コレステリック配向させる。たとえば、液晶層が液晶温度範囲になるように熱処理を行う。熱処理方法としては、上記の乾燥方法と同様の方法で行うことができる。熱処理温度は、液晶材料や配向基材の種類により異なるため一概には言えないが、通常60〜300℃、好ましくは70〜200℃の範囲において行う。また熱処理時間は、熱処理温度および使用する液晶材料や配向基材の種類によって異なるため一概には言えないが、通常10秒間〜2時間、好ましくは20秒間〜30分間の範囲で選択される。
配向基材に塗布して液晶混合物を紫外線照射する工程は、工程(1)および工程(2)の後に、工程(3)を有する。工程(1)および工程(2)は複数回繰り返した後に、工程(3)を行うのが好ましい。
工程(1)では、液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上の温度下に、10〜200mW/cm2の紫外線照射強度で、0.01〜5秒間、配向基材側から紫外線照射する。これにより、液晶混合物を重合して、平均分子量10000〜500000程度のポリマー/オリゴマーを形成するとともに、配向基材側とその反対側(酸素界面側)の厚み方向に、酸素阻害による反応速度差と、液晶組成物の紫外線吸収によるラジカル発生量の差異が生じ、厚み方向に、ポリマー/オリゴマーの生成量が連続分布した層を形成させる。
工程(1)において、紫外線照射は、配向基材側、塗布した液晶混合物の側のいずれの側から行ってもよいが、工程(1)における紫外線照射は配向基材側から行なうのが好ましい。塗布した液晶混合物の側から紫外線照射を行なうと、コレステリック液晶フィルムのピッチ長が、液晶フィルム表面、配向基材からフィルム中心に向けて広くなるように変化するので好ましくない。
工程(1)における、紫外線照射時の温度は、重合性メソゲン化合物(A)として結晶相から液晶相への相転移温度が高い場合にも、液層層が結晶化せず液晶混合物を良好な配向状態で重合硬化させるため、70℃以上の温度で行う。一方、温度の上限は特に制限されないが、200℃以下とするのが好適である。温度が200℃より高いと、照射中に拡散が起こってしまい管理が難しくなる場合がある。当該温度は、液晶混合物を配向させる際の熱処理温度と同程度にすることで、プロセスを短縮化でき生産性を上げることが可能である。これらの点から前記温度は70℃〜150℃、さらには80℃〜120℃が好適である。
紫外線照射強度は、10〜200mW/cm2であり、50〜175mW/cm2が好ましく、80〜150mW/cm2がより好ましい。紫外線照射強度が10mW/cm2より低いと、厚み方向にモノマー分布が形成されるほどの重合がなされないために広帯域化しなくなる。また紫外線照射強度が200mW/cm2より高いと重合反応速度が拡散速度より大きくなるために、広帯域化しなくなるため好ましくない。工程(1)における、紫外線照射時間は、0.01〜5秒間であり、0.03〜2秒間が好適である。より好ましくは0.05〜0.5秒間である。0.01秒間より短いと、厚み方向にモノマー分布がつくほどの重合がなされないために広帯域化しなくなる。また5秒間より長いと、重合反応速度が拡散速度より大きくなるために、広帯域化しなくなるため好ましくない。
紫外線照射における露光環境は、配向基材に塗布された液晶混合物が、酸素を含む気体と接触している状態で行う。酸素を含む気体が0.5%以上の酸素を含んでいることが好ましい。かかる環境は、酸素重合阻害を利用できるものであればよく、一般的な大気雰囲気下で行うことができる。また、厚み方向のピッチ制御を目的とする波長巾、重合に必要な速度を鑑み、酸素濃度を増減させてもよい。
なお、工程(1)における紫外線照射にあたっては、形成されるポリマー/オリゴマーの重量平均分子量が小さすぎると拡散速度が高くなりすぎる。したがって、制御不能な拡散速度によって、ポリマー/オリゴマーの濃度勾配が均一化してしまわないように注意するのがよい。コレステリックピッチ長の液晶層厚み方向での大きな変化を形成するだけでなく、これを維持する必要がある。前記ポリマー/オリゴマーが余りにも低分子量では形成した傾斜が維持できず、分子拡散によって構造が消失してしまう。拡散速度を工業条件的に管理するための条件を満たすには、重量平均分子量10000〜500000程度の範囲にポリマー/オリゴマーが形成される。ポリマー/オリゴマーの重量平均分子量は100000〜300000であるのが好ましい。なお、ポリマー/オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法により測定される値である。なお、重量平均分子量は、ポリエチレンオキサイドを標準試料に用い算出した。本体:東ソー製のHLC−8120GPC、カラム:東ソー製のSuperAWM−H+SuperAWM−H+SuperAW3000(各6mmφ×15cm,計45cm)、カラム温度:40℃、溶離液:10mM−LiBr/NMP、流速:0.4ml/min、入口圧:8.5MPa、サンプル濃度:0.1%NMP溶液、検出器:示差屈折計(RI)、である。
工程(1)の紫外線照射で形成された濃度分布をこのまま固定化する場合には特許文献4等と同水準の反射波長帯域しか得られない。
そこで、工程(2)では、液晶層が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上で、5秒間を超える時間、熱処理する。工程(2)により、工程(1)において、ポリマー/オリゴマーを厚み方向に濃度傾斜して形成させたことにより、逆に形成される未重合モノマー成分の厚み方向の残存濃度傾斜分布を厚み方向で変化させ、これによりさらにピッチ長の拡大を行う。
工程(2)における、熱処理温度は、重合性メソゲン化合物(A)として結晶相から液晶相への相転移温度が高い場合にも、液層層が結晶化せず液晶混合物を良好な配向状態で重合硬化させるため、70℃以上の温度で行う。一方、温度の上限は特に制限されないが、200℃以下とするのが好適である。温度が200℃より高いと、照射中に拡散が起こってしまい管理が難しくなる場合がある。当該温度は、液晶混合物を配向させる際の熱処理温度、工程(1)における温度と同程度にすることで、プロセスを短縮化でき生産性を上げることが可能である。これらの点から前記温度は70℃〜150℃、さらには80℃〜120℃が好適である。
工程(2)における、熱処理時間は、5秒間を超える時間であり、10秒間以上が好ましい。さらには15秒間以上、さらに20秒間以上が好適である。5秒間以下では、ピッチ長がフィルム表面および液晶配向基材側からフィルム中心に向けて広くなるように変化する。なお、熱処理時間は5秒間を超える時間であれば特に制限はないが、生産性を考慮すれば、180秒間以下とするのが好ましい。
工程(1)および工程(2)は複数回繰り返した後に、工程(3)を行うのが好ましい。工程(1)および工程(2)を繰り返し行うことは、結晶相から液晶相への相転移温度が高い液晶材料を用いた有効であり、かかる材料の場合にも広帯域の反射帯域を有し、かつヘイズ値の小さい広帯域コレステリック液晶フィルムを得ることができる。工程(1)および工程(2)の繰り返し数は、初回を含めずに、1〜5回程度であるのが好ましい。好ましくは1〜3回、さらに好ましくは1〜2回である。繰り返し数が5回より多くなると、プロセスが長くなり、生産性を低下させるため好ましくない。なお、工程(1)および工程(2)を繰り返す場合には、繰り返し工程では初回と同じ条件を採用してもよく、また本発明の所定の条件内であれば異なる条件を採用してもよい。
次いで、工程(3)では、酸素不存在下で、紫外線照射する。かかる紫外線照射により、工程(1)、(2)で拡張されたコレステリック反射帯域を劣化させることなく、硬化させる。これにより、ピッチ変化構造を劣化させることなく固定する。
酸素不存在下は、たとえば不活性ガス雰囲気下とすることができる。不活性ガスは、前記液晶混合物の紫外線重合に影響を及ぼさないものであれば特に制限されない。かかる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等があげられる。これらのなかでも、窒素が最も汎用性が高く好ましい。また、コレステリック液晶層に、透明基材を貼り合わせることにより、酸素不存在下とすることもできる。
紫外線照射条件は、液晶混合物が硬化する条件であれば特に制限されない。通常は、40〜300mW/cm2 程度の照射強度で、1〜60秒間程度照射するのが好ましい。照射温度は、20〜100℃程度である。
工程(3)において、紫外線照射は、配向基材側、塗布した液晶混合物の側のいずれの側から行ってもよい。
これにより液晶層の架橋密度の向上・分子量増大により信頼性が著しく向上する。本発明では、工程(1)の紫外線照射で酸素阻害を利用している。このため反応率に厚み方向に大きな勾配を形成することが可能としているが、空気界面側の重合率が低い場合には膜表面の硬度・強度の不足、または長期の信頼性の不足などの問題が生じるおそれがある。このため、工程(3)では、酸素不存在雰囲気下にて紫外線照射を行い、残存モノマーを重合完結させ、膜質の強化を行っている。この場合、空気雰囲気下(酸素存在下)では表面の反応率は十分に向上せず、反応率が90%を上回ることは困難である。したがって、十分な信頼性を得るには、酸素不存在下にて紫外線照射を行うことが望まれる。照射面方向は特に限定される物ではない。液晶層側からの照射が望ましいが、窒素雰囲気下では基材側からの照射でも十分に表面の反応は進行する。
こうして得られるコレステリック液晶フィルムは、基材から剥離することなく用いられる他、基材から剥離して用いてもよい。
本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムは円偏光板として用いられる。円偏光板には、λ/4板を積層して直線偏光素子とすることができる。円偏光板であるコレステリック液晶フィルムは、λ/4板に対し、ピッチ長が連続的に狭くなるように積層するのが好ましい。
λ/4板としては、特に限定されないがポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート等のような延伸することで位相差を発生する汎用透明樹脂フィルムやJSR製ARTONフィルムのようなノルボルネン系樹脂フィルム等が好適に用いられる。さらに2軸延伸を行い、入射角による位相差値変化を補償する位相差板を用いれば視野角特性を改善できるので好適である。また樹脂の延伸による位相差発現以外の例えば液晶を配向せしめることで得られるλ/4層を固定することで得られるλ/4板を用いても良い。この場合、λ/4板の厚みを大幅に低減できる。λ/4波長板の厚さは、通常0.5〜200μmであることが好ましく、特に1〜100μmであることが好ましい。
可視光域等の広い波長範囲でλ/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対してλ/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えばλ/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
前記直線偏光素子の透過軸に、吸収型偏光子をその透過軸方向を合わせて貼り合わせて用いられる。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子は、通常、片側または両側に透明保護フィルムが設けられ偏光板として用いられる。透明保護フィルムは透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。透明保護フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムがあげられる。またポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムもあげられる。さらにイミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィルムなどもあげられる。特に光学的に複屈折の少ないものが好適に用いられる。偏光板の保護フィルムの観点よりは、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、アクリル系ポリマー、シクロオレフィン系樹脂、ノルボルネン構造を有するポリオレフィンなどが好適である。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
偏光特性や耐久性などの点より、特に好ましく用いることができる透明基板は、表面をアルカリなどでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムである。透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より10〜500μm程度である。特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
また、透明保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
前記透明保護フィルムは、表裏で同じポリマー材料からなる透明保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる透明保護フィルムを用いてもよい。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
前述した直線偏光素子には、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
また上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で前記偏光子上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを光学素子上に移着する方式などがあげられる。粘着層は、各層で異なる組成又は種類等のものの重畳層として設けることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお、粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明で得られる直線偏光素子は液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学素子、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明の直線偏光素子を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に前記直線偏光素子を配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による直線偏光素子は液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に直線偏光素子を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
また前記コレステリック液晶フィルムを用いた円偏光板(反射偏光子)は、偏光の選択反射の波長帯域が互いに重なっている少なくとも2層の反射偏光子(a)の間に、正面位相差(法線方向)がほぼゼロで、法線方向に対し30°以上傾けて入射した入射光に対してλ/8以上の位相差を有する位相差層(b)が配置された偏光素子システムに用いられる。
前記偏光素子システム、すなわち、広帯域選択反射機能を有するコレステリック液晶積層体は、正面方向は円偏光反射/透過機能を有し、これを広帯域円偏光板として液晶表示装置に用いることができる。この場合には円偏光モードの液晶セル、例えばマルチドメインを有する透過型VAモード液晶セルの光源側に配置することで円偏光板として用いることができる。
位相差層(b)は、正面方向の位相差がほぼゼロであり、法線方向から30°の角度の入射光に対してλ/8以上の位相差を有するものである。正面位相差は垂直入射された偏光が保持される目的であるので、λ/10以下であることが望ましい。
斜め方向からの入射光に対しては効率的に偏光変換されるべく全反射させる角度などによって適宜決定される。例えば、法線からのなす角60°程度で完全に全反射させるには60°で測定したときの位相差がλ/2程度になるように決定すればよい。ただし、反射偏光子(a)による透過光は、反射偏光子自身のCプレート的な複屈折性によっても偏光状態が変化しているため、通常挿入されるCプレートのその角度で測定したときの位相差はλ/2よりも小さな値でよい。Cプレートの位相差は入射光が傾くほど単調に増加するため、効果的な全反射を30°以上のある角度傾斜した時に起こさせる目安として30°の角度の入射光に対してλ/8以上有すればよい。
位相差層(b)の材質は上記のような光学特性を有するものであれば、特に制限はない。例えば、可視光領域(380nm〜780nm) 以外に選択反射波長を有するコレステリック液晶のプラナー配向状態を固定したものや、棒状液晶のホメオトロピック配向状態を固定したもの、ディスコチック液晶のカラムナー配向やネマチック配向を利用したもの、負の1軸性結晶を面内に配向させたもの、2軸性配向したポリマーフィルムなどがあげられる。
本発明において、可視光領域(380nm〜780nm)以外に選択反射波長を有するコレステリック液晶のプラナー配向状態を固定したCプレートは、コレステリック液晶の選択反射波長としては、可視光領域に色付きなどがないことが望ましい。そのため、選択反射光が可視領域にない必要がある。選択反射はコレステリックのカイラルピッチと液晶の屈折率によって一義的に決定される。選択反射の中心波長の値は近赤外領域にあっても良いが、旋光の影響などを受けるため、やや複雑な現象が発生するため、350nm以下の紫外部にあることがより望ましい。コレステリック液晶層の形成については、前記した反射偏光子におけるコレステリック層形成と同様に行われる。
本発明における、ホメオトロピック配向状態を固定したCプレートは、高温でネマチック液晶性を示す液晶性熱可塑樹脂または液晶モノマーと必要に応じての配向助剤を電子線や紫外線などの電離放射線照射や熱により重合せしめた重合性液晶、またはそれらの混合物が用いられる。液晶性はリオトロピックでもサーモトロピック性のいずれでもよいが、制御の簡便性やモノドメインの形成しやすさの観点より、サーモトロピック性の液晶であることが望ましい。ホメオトロピック配向は、例えば、垂直配向膜(長鎖アルキルシランなど)を形成した膜上に前記複屈折材料を塗設し、液晶状態を発現させ固定することによって得られる。
ディスコチック液晶を用いたCプレートとしては、液晶材料として面内に分子の広がりを有したフタロシアニン類やトリフェニレン類化合物のごとく負の1軸性を有するディスコチック液晶材料を、ネマチック相やカラムナー相を発現させて固定したものである。負の1軸性無機層状化合物としては、たとえば、特開平6−82777号公報などに詳しい。
ポリマーフィルムの2軸性配向を利用したCプレートは、正の屈折率異方性を有する高分子フィルムをバランス良く2軸延伸する方法、熱可塑樹脂をプレスする方法、平行配向した結晶体から切り出す方法などにより得られる。
各層の積層は、重ね置いただけでも良いが、作業性や、光の利用効率の観点より各層を接着剤や粘着剤を用いて積層することが望ましい。その場合、接着剤または粘着剤は透明で、可視光域に吸収を有さず、屈折率は、各層の屈折率と可及的に近いことが表面反射の抑制の観点より望ましい。かかる観点より、例えば、アクリル系粘着剤などが好ましく用いうる。各層は、それぞれ別途配向膜状などでモノドメインを形成し、透光性基材へ転写などの方法によって順次積層していく方法や、接着層などを設けず、配向のために、配向膜などを適宜形成し、各層を順次直接形成して行くことも可能である。
各層および(粘)接着層には、必要に応じて拡散度合い調整用に更に粒子を添加して等方的な散乱性を付与することや、紫外線吸収剤、酸化防止剤、製膜時のレベリング性付与の目的で界面活性剤などを適宜に添加することができる。
本発明の偏光素子(コレステリック液晶積層体)は、円偏光反射/透過機能を有するが、これにλ/4板を組み合わせることで透過光線を直線偏光へ変換する直線偏光素子として用いることができる。λ/4板としては、前記同様のものを例示できる。
λ/4板は単一材料による単層では特定の波長に対してのみ良好に機能するが、その他の波長に対しては波長分散特性上、λ/4板として機能が低下する問題がある。そこで、λ/2板と軸角度を規定して積層すれば可視光全域で実用上差し支えない程度の範囲で機能する広帯域λ/4板として用いることができる。この場合の各λ/4板、λ/2板は同一材料でも良いし上記記述のλ/4板と同様の手法で得られる別個の材料によって作製した物を組み合わせても良い。
例えば、広帯域円偏光板にλ/4板(140nm)を積層し、この軸角度に対して17.5度でλ/2板(270nm)を配置する。この場合の透過偏光軸はλ/4板の軸に対して10度となる。この貼り合わせ角度は各位相差板の位相差値により変動するので上記の貼り合わせ角度に限定するものではない。
前記直線偏光素子の透過軸に、吸収型偏光子をその透過軸方向を合わせて貼り合わせて用いられる。
(拡散反射板の配置)
光源たる導光板の下側(液晶セルの配置面とは反対側)には拡散反射板の配置が望ましい。平行光化フィルムにて反射される光線の主成分は斜め入射成分であり、平行光化フィルムにて正反射されてバックライト方向へ戻される。ここで背面側の反射板が正反射性が高い場合には反射角度が保存され、正面方向に出射できずに損失光となる。従って反射戻り光線の反射角度を保存せず、正面方向へ散乱反射成分を増大させるため拡散反射板の配置が望ましい。
(拡散板の配置)
本発明における平行光化フィルムとバックライト光源の間には適当な拡散板を設置することも望ましい。斜め入射し、反射された光線をバックライト導光体近傍にて散乱させ、その一部を垂直入射方向へ散乱せしめることで光の再利用効率が高まるためである。
用いられる拡散板は表面凹凸形状による物の他、屈折率が異なる微粒子を樹脂中に包埋する等の方法で得られる。この拡散板は平行光化フィルムとバックライト間に挟み込んでも良いし、平行光化フィルムに貼り合わせてもよい。
平行光化フィルムを貼り合わせた液晶セルをバックライトと近接して配置する場合、フィルム表面とバックライトの隙間でニュートンリングが生じる恐れがあるが、本発明における平行光化フィルムの導光板側表面に表面凹凸を有する拡散板を配置することによってニュートンリングの発生を抑制することができる。また、本発明における平行光化フィルムの表面そのものに凹凸構造と光拡散構造を兼ねた層を形成しても良い。
(視野角拡大フィルムの配置)
本発明の液晶表示装置における視野角拡大は、平行光化されたバックライトと組み合わされた、液晶表示装置から得られる正面近傍の良好な表示特性の光線を拡散し、全視野角内で均一で良好な表示特性を得ることによって得られる。
ここで用いられる視野角拡大フィルムは実質的に後方散乱を有さない拡散板が用いられる。拡散板は、拡散粘着材として設けることができる。配置場所は液晶表示装置の視認側であるが偏光板の上下いずれでも使用可能である。ただし画素のにじみ等の影響やわずかに残る後方散乱によるコントラスト低下を防止するために偏光板〜液晶セル間など、可能な限りセルに近い層に設けることが望ましい。またこの場合には実質的に偏光を解消しないフィルムが望ましい。例えば特開2000−347006号公報、特開2000−347007号公報に開示されているような微粒子分散型拡散板が好適に用いられる。
偏光板より外側に視野角拡大フィルムを位置する場合には液晶層−偏光板まで平行光化された光線が透過するのでTN液晶セルの場合は特に視野角補償位相差板を用いなくともよい。STN液晶セルの場合には正面特性のみ良好に補償した位相差フィルムを用いるだけでよい。この場合には視野角拡大フィルムが空気表面を有するので表面形状による屈折効果によるタイプの採用も可能である。
一方で偏光板と液晶層間に視野角拡大フィルムを挿入する場合には偏光板を透過する段階では拡散光線となっている。TN液晶の場合、偏光子そのものの視野角特性は補償する必要がある。この場合には偏光子の視野角特性を補償する位相差板を偏光子と視野角拡大フィルムの間に挿入する必要がある。STN液晶の場合にはSTN液晶の正面位相差補償に加えて偏光子の視野角特性を補償する位相差板を挿入する必要がある。
従来から存在するマイクロレンズアレイフィルムやホログラムフィルムのように、内部に規則性構造体を有する視野角拡大フィルムの場合、液晶表示装置のブラックマトリクスや従来のバックライトの平行光化システムが有するマイクロレンズアレイ/プリズムアレイ/ルーバー/マイクロミラーアレイ等の微細構造と干渉しモアレを生じやすかった。しかし本発明における平行光化フィルムは面内に規則性構造が視認されず、出射光線に規則性変調が無いので視野角拡大フィルムとの相性や配置順序を考慮する必要はない。従って視野角拡大フィルムは液晶表示装置の画素ブラックマトリクスと干渉/モアレを発生しなければ特に制限はなく選択肢は広い。
本発明においては視野角拡大フィルムとして実質的に後方散乱を有さない、偏光を解消しない、特開2000−347006号公報、特開2000−347007号公報に記載されているような光散乱板で、ヘイズ80%〜90%の物が好適に用いられる。その他、ホログラムシート、マイクロプリズムアレイ、マイクロレンズアレイ等、内部に規則性構造を有していても液晶表示装置の画素ブラックマトリクスと干渉/モアレを形成しなければ使用可能である。
なお、液晶表示装置には、常法に従って、各種の光学層等が適宜に用いられて作製される。
以下、実施例、比較例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各例において、光重合性メソゲン化合物としては、重合性ネマチック液晶モノマー(上記表1の化合物20,モル吸光係数は、1dm3mol-1cm-1@365nm、2100dm3mol-1cm-1@334nm、36000dm3mol-1cm-1@314nm。純度>99%,相転移温度89℃)ものを用いた。相転移温度は、セイコーインスツルメンツ(株)製のEXSTAR6000により測定した。重合性カイラル剤としてはBASF社製LC756を用いた。
実施例1
上記光重合性メソゲン化合物95.1重量部および上記重合性カイラル剤4.9重量部および溶媒(シクロペンタノン)233重量部を調整配合した溶液に、その固形分に対し、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製,イルガキュア369)を5重量%添加した塗工液(固形分含有量30重量%)を調製した。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで12μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。得られた膜に、工程(1)として、配向基材側から100℃の空気雰囲気下で紫外線照射を114mW/cm2で、0.1秒間行った。次いで、工程(2)として、100℃の空気雰囲気下で120秒間熱処理を行った。さらに工程(1)、工程(2)を繰り返して行った。その後、工程(3)として、50℃の窒素雰囲気下で液晶層側から紫外線照射を60mW/cm2で、30秒間行い、選択波長が410〜960nmの広帯域コレステリック液晶フィルムを得た。広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図1に示す。
実施例2
実施例1で調製した塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで12μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。次いで、表2に示す条件で工程(1)乃至工程(3)を施し、選択波長が430〜1010nmの広帯域コレステリック液晶フィルムを得た。広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図2に示す。
実施例3
実施例1で調製した塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで12μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。次いで、表2に示す条件で工程(1)乃至工程(3)を施し、選択波長が420〜960nmの広帯域コレステリック液晶フィルムを得た。広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図3に示す。
比較例1
実施例1で調製した塗工液の代わりに、配合を表2に示す割合に変えた塗工液を用いた。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで5μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。次いで、表2に示す条件で工程(1)、工程(3)を施し、選択波長が435〜835nmの広帯域コレステリック液晶フィルムを得た。広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図4に示す。
比較例2
実施例1で調製した塗工液の代わりに、配合を表2に示す割合に変えた塗工液を用いた。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで10μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。次いで、表2に示す条件で工程(1)乃至工程(3)を施し、選択波長が420〜900nmの広帯域コレステリック液晶フィルムを得た。広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図5に示す。
比較例3
実施例1で調製した塗工液の代わりに、配合を表2に示す割合に変えた塗工液を用いた。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで8μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。次いで、表2に示す条件で工程(1)乃至工程(3)を施し、選択波長が430〜730nmの広帯域コレステリック液晶フィルムを得た。広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図6に示す。
<評価方法>
上記実施例、比較例で得られた広帯域コレステリック液晶フィルムについて下記評価を行った。結果を表2に示す。
(選択反射波長帯域および帯域巾(△λ))
広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを分光光度計(大塚電子株式会社製,瞬間マルチシステムMCPD2000)にて測定し、選択反射波長帯域および半値巾△λを求めた。半値巾△λは、最大反射率の半分の反射率における反射帯域とした。
(ピッチ変化)
広帯域コレステリック液晶フィルムの紫外線照射面近傍(紫外線照射面から1μm下層)と、空気界面近傍(空気界面から1μm下層)およびその中間のピッチ長を断面TEM写真により測定した。
(ヘイズ)
ヘイズ測定器(村上色彩研究所製,ヘイズメーターHM150)により測定した。
実施例では、ヘイズ値が小さいだけでなく、ピッチ長が液晶フィルム表面から配向基材に向けて広くなるように変化し、かつ広帯域に選択反射波長を有するコレステリック液晶フィルムが得られている。一方、比較例1では広帯域化しているが、ヘイズ値が高い。またコレステリック液晶フィルムのピッチ長が液晶フィルム表面、配向基材からフィルム中心に向けて広くなるように変化しているので好ましくない。また、かつ広帯域に選択反射波長を有するが得られている。比較例2、3では広帯域化しており、ヘイズ値も低いが、コレステリック液晶フィルムのピッチ長が液晶フィルム表面、配向基材からフィルム中心に向けて広くなるように変化しているので好ましくない。
実施例1で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。 実施例2で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。 実施例3で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。 比較例1で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。 比較例2で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。 比較例3で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。

Claims (8)

  1. 重合性メソゲン化合物(A)および重合性カイラル剤(B)を含む液晶混合物を配向基材に塗布する工程、および前記液晶混合物に紫外線照射を行い重合硬化する工程を含む、反射帯域巾が200nm以上を有する広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法であって、
    前記紫外線重合工程が、
    前記液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上の温度下に、10〜200mW/cm2の紫外線照射強度で、0.01〜5秒間、紫外線照射する工程(1)、
    次いで、液晶層が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上で、5秒間を超える時間、熱処理する工程(2)を有し、
    前記工程(1)および工程(2)の後に、酸素不存在下で、紫外線照射する工程(3)を有することを特徴とする広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
  2. 前記工程(1)および工程(2)を複数回繰り返した後に、紫外線照射する工程(3)を行うことを特徴とする請求項1記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
  3. コレステリック液晶フィルムのピッチ長が、液晶フィルム表面側から配向基材側に向けて広くなるように変化していることを特徴とする請求項1または2記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
  4. コレステリック液晶フィルムのヘイズ値が、5以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
  5. 重合性メソゲン化合物(A)が重合性官能基を1つ有し、重合性カイラル剤(B)が重合性官能基を2つ以上有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
  6. 重合性メソゲン化合物(A)のモル吸光係数が、
    0.1〜500dm3mol-1cm-1@365nmであり、
    10〜30000dm3mol-1cm-1@334nmであり、かつ、
    1000〜100000dm3mol-1cm-1@314nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
  7. 重合性メソゲン化合物(A)が、下記一般式(1):

    (式中、R1〜R12は同一でも異なっていてもよく、−F、−H、−CH3、−C25または−OCH3を示し、R13は−Hまたは−CH3を示し、X1は一般式(2):
    −(CH2CH2O)a−(CH2b−(O)c−、を示し、X2は−CNまたは−Fを示す。但し、一般式(2)中のaは0〜3の整数、bは0〜12の整数、cは0または1であり、かつa=1〜3のときはb=0、c=0であり、a=0のときはb=1〜12、c=0〜1である。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
  8. 重合性メソゲン化合物(A)の、結晶相から液晶相への相転移温度が、70〜100℃であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
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