JP4931167B2 - 着色反射材、着色反射フィラーおよびこれらを用いた用途 - Google Patents

着色反射材、着色反射フィラーおよびこれらを用いた用途 Download PDF

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Description

本発明は、着色反射材および当該着色反射材の粉砕物である着色反射フィラーに関する。また本発明は、前記着色反射フィラーを用いた着色コーティング剤に関する。当該着色コーティング剤は、着色反射フィラーとしてコレステリック液晶を含有するため、メタリック色を示す塗料として用いることができる。当該着色コーティング剤は、角度による色調変化が発生し、明るい発色が得られる非光吸収性材料である。当該着色コーティング剤からは、反射フィルムまたはコーティング層を得ることができ、これらは各種用途においても用いることができる。
さらに本発明は、前記着色反射材、着色反射フィラーまたは着色コーティング剤の、装飾用途、化粧品もしくは医薬組成物用途、光学素子または防犯用途における使用、に関する。前記着色反射フィラーは、装飾用途または化粧品用の着色プラスティックに実効顔料として使用することができ、自動車用途、アクティブまたはパッシブ光学素子、例えば偏光膜または補償膜などの光学フィルム、防犯用、例えばIDカード、クレジットカード、切符などの書類を証明する防犯ラベル、マーキングまたはパターンなどに用いることができる。
従来より金属薄膜粉末、蒸着薄膜、マイカフィラー、コレステリック液晶等を用いたメタリック塗料が知られている。これらメタリック塗料は、主に干渉により特定波長の光のみ反射することで着色を呈し、意匠性の高い塗料である。コレステリック液晶を用いたメタリック塗料としては各種のものが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9等)。
前記蒸着薄膜、マイカフィラー、コレステリック液晶等を用いたメタリック塗料は特定の波長に対してのみ機能する光学膜であるため、反射率の高い領域は設計された波長周辺に限られた。そのため、より明るい反射を得るためには蒸着層数を増大するか、液晶層を多層塗工する必要があった。しかし、これらは工程とコストの増大の点で好ましくない。例えば特許文献1では右捻れコレステリック液晶と左捻れコレステリック液晶の積層で反射層を得ている。これは捻れを付与するカイラル剤が左右2種類必要なため、工程と価格の増大を招いた。上記の他に、同一捻れ方向のコレステリック液晶を位相差板を挟んで積層した3層構造のものが提案されている(特許文献10)が、これも製造が煩雑で高価なものであった。
また多層積層フィルムによる干渉反射により反射率が高い、入射角による色調変化の大きな反射板が提案されている(特許文献11、特許文献12、特許文献13)。しかし、これら特許文献は、積層総数が数百層にも及ぶため、光波長オーダーの厚みの薄層を制御しなければならないなどの問題を有していた。
一方で、反射帯域を広帯域化する試みは広く行われてきた(特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21)。可視光域をカバーすれば反射率が高い明るい反射を得ることができる。しかし、これらの検討はニュートラルな反射を得るためのものであり、入射角の変化によって、色調の急峻な変化を発生するような特性は有さなかった。
また、コレステリック液晶層と調光層と組み合わせた積層体が提案されている(特許文献22)。しかし、前記積層体は調光層に近い色しか見えず、安定した色調を提供することはあっても急激な色変化を与えることはできなかった。
またコレステリック液晶をビーズ状にして用いることが提案されている(特許文献23)。しかし、前記提案では、粒子内での配向特性が必ずしも良好ではなく、反射率は高くはなかった。個々の粒子が別方向を向くために同一の粒子であっても粒子ごとの反射色は異なる特徴を持つものの、角度による変化の度合いは変わりがなかった。
米国特許第6394595号明細書 米国特許第6387457号明細書 米国特許第5683622号明細書 米国特許第6338807号明細書 欧州特許出願公開第0201260号明細書 欧州特許出願公開第0685749号明細書 欧州特許出願公開第96102263号明細書 国際公開第99/02340号パンフレット 特開2002−201222号公報 特開2001−315243号公報 米国特許第6515785号明細書 米国特許第6506480号明細書 米国特許第6534158号明細書 特開2001−100045号公報 特開2001‐56484号公報 特開2000−95883号公報 米国特許第6071438号明細書 欧州特許出願公開第0885945号明細書 米国特許第6217955号明細書 特開2001−56409号公報 特開2001−261739号公報 特開2001−180200号公報 特開2001−201222号公報
本発明は、光利用効率が高く、意匠性に優れ、かつ製造効率が高く、低コストで量産性に優れる着色反射材を提供することを目的とする。
また本発明は、前記着色反射材の粉砕物である着色反射フィラーを提供すること、さらには、当該着色反射フィラーを用いた着色コーティング剤、さらには当該着色コーティング剤から得られた反射フィルムやコーティング層を提供することを目的とする。また、前記着色反射材、着色反射フィラー、着色コーティング剤を各種の用途に使用することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記着色反射材等により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、単一層中に帯域幅が重複しない独立した選択反射波長帯域を少なくとも2つ有するコレステリック液晶層からなり、前記コレステリック液晶層は、厚み方向において、コレステリック捻れピッチ長が、不連続に存在する着色反射材を含有することを特徴とする着色反射フィラー、に関する。
前記着色反射材において、コレステリック液晶層は、厚み方向において、独立した選択反射波長帯域に対応するコレステリック捻れピッチ長が、不連続に存在することが好ましい。
コレステリック捻れピッチ長が厚み方向で連続して増減している場合が「連続」であり、この場合には選択波長帯域の間の波長が全て略均一な反射強度を示す。厚み方向の途中でピッチ長が無い部分があって、断絶がある場合(途中で反射率の低いところがある場合)、すなわちピッチ変化の増減が逆転している場合(たとえば、減っていたのが途中で増加に転じる場合)が「不連続」である。コレステリック捻れピッチ長が、不連続に存在の場合に、好適な上記着色反射材が得られる。
また前記着色反射材は、コレステリック液晶層は、少なくとも2つの独立した選択反射波長帯域による補色モードにより発色が得られるものであることが好ましい。
上記本発明では、着色反射材として、単一層中に独立した選択反射波長帯域を少なくとも2つ有するコレステリック液晶層を用いている。当該コレステリック液晶層は、干渉波長を決定づけるコレステリック液晶のねじれピッチが厚み方向において不連続に存在するため、単一層においても独立した選択反射波長帯域を2つ以上有する光学薄膜である。この光学薄膜(干渉膜)では従来と略同様の製法・工程数・材料費を維持しながら、独立した選択反射波長帯域を2つ以上有するため、反射光線による補色効果による発色を得ることができる。従来の着色反射材において、干渉反射は、特定反射ピークを有する波長周辺における反射のみによって呈色した。そのため、反射率が高いスペクトル範囲が著しく狭く、高い反射輝度を得ることが困難であった。これに対して、本発明の着色反射材では反射ピーク波長が2箇所以上存在するため、単純に2倍以上の明るさを呈することができる。これは2種以上の液晶層を種層したのと同じ効果が1層で得られることを示している。このように、上記コレステリック液晶層は、光利用効率が高く、意匠性に優れ、かつ製造効率が高く、低コストで量産性に優れる。
図1は本発明の着色反射材に用いるコレステリック液晶層Cの厚み断面方向から見た捻れピッチ変化例の模式図である。また、図2は、図1に対応した、各波長と反射率(選択反射波長帯域)の関係を示すスペクトルの概念図である。図1では、中間波長を反射するピッチ長を有する領域が少ないために、図2に示されているように、反射特性を得ることができず、反射率が低下している。図1、図2では2つの独立した選択反射波長帯域を有する。
本発明の着色反射材に用いるコレステリック液晶ポリマー層は、独立した選択反射波長帯域を2つ以上有していれば、上記図1、図2に示される、2箇所以上の独立した選択反射波長を有するピッチ長以外の領域に中間ピッチを持つ領域が存在しても構わないし、これら中間ピッチは若干残っていても構わない。反射率を低下させ色調変化を得るには不要な波長領域のピッチ数は数ピッチ以下であることが好ましい。具体的には、ピッチ数は4未満、さらには2以下であるのが好ましい。一方、図1に示すような、独立した選択反射波長を有する長ピッチ、短ピッチのピッチ数は4以上、さらには8以上であるのが好ましい。ピッチ数は断面TEM(透過型電子顕微鏡)により確認できる。彩度の高い着色を得るには厚み方向のピッチ変化は不連続であり、独立した選択反射波長帯域に対応するコレステリック捻れピッチ長が、不連続に存在することが好ましい。
上記コレステリック液晶ポリマー層が有する、独立した選択反射波長帯域は、使用目的によって適宜に選択される。独立した選択反射波長帯域幅は20nm程度以上であるのが好ましい。選択反射波長帯域は実施例に記載の方法で測定される。また選択反射波長帯域は、測定した反射スペクトルにおいて、最大反射反射率の半分の反射率を有する反射帯域とした。
なお、一般的な単一波長のみを反射する従来のコレステリック液晶層の断面の捻れピッチは図3の概念図に示すように均一である。このため図3に対応する反射率スペクトルの形状は図4のようになる。一方で、反射率を高めるために広帯域化した従来のコレステリック液晶の断面の捻れピッチは連続して変化しており、この構造のために広帯域波長での反射特性を有している。しかし、これらは入射角の変化に対して反射率変化が乏しく、色調の変化は乏しい。
また本発明は、前記着色反射材の粉砕物を含有することを特徴とする着色反射フィラー、に関する。
着色反射フィラーは、1種の着色反射材の粉砕物を用いることができ、また2種以上の着色反射材の粉砕物を用いることができる。たとえば、2種以上の着色反射材は、コレステリック液晶ポリマー層のコレステリック捻れ方向のみが異なるもの(右方向と左方向)を用いることができる。このように捻れ方向が異なるものを組み合わせた場合には、円偏光下において、特異的な画像またはパターンを形成することができる。また2種以上の着色反射材としては、独立した選択反射波長帯域が異なるコレステリック液晶ポリマー層を用いることができる。この場合には、特定反射ピークの組み合わせの選択肢の幅が広がり、特異的な画像またはパターンを形成することができる。
また本発明は、前記着色反射フィラーが、光透過性樹脂中に分散していることを特徴とする着色コーティング剤、に関する。前記着色コーティング剤は、塗料、インキ等に用いることができ、着色コーティング剤からは反射フィルムまたはコーティング層を得ることができる。
また本発明は、前記着色反射材、着色反射フィラーまたは着色コーティング剤の、装飾用途、化粧品もしくは医薬組成物用途、光学素子または防犯用途における使用、に関する。本発明は、前記着色反射材、着色反射フィラーまたは着色コーティング剤は、着色剤、顔料等が用いられている各種用途において使用することができるが、たとえば、前記例示の用途において用いることができる。
本発明の着色反射材は、単一層中に独立した選択反射波長帯域を少なくとも2つ有するコレステリック液晶層が用いられるが、当該コレステリック液晶層は、たとえば、重合性メソゲン化合物(a)および重合性カイラル剤(b)を含む液晶混合物を配向基材に塗布し、紫外線照射して得られる。
たとえば、また、重合性メソゲン化合物(a)および重合性カイラル剤(b)を含む液晶混合物を配向基材に塗布する工程、および前記液晶混合物に酸素を含む気体と接触している状態で基材側から紫外線照射を行い重合硬化する工程を施し、酸素重合阻害による厚み方向での重合速度差を、基材側からの紫外線照射にて増大する方法(特開2000−139953号公報)を利用する方法(特願2003−126998号)があげられる。
かかる方法では、紫外線照射を行い重合硬化する工程において、照射温度を20℃以上で行なうこと、また照射温度を前段に比べて後段の方が高くなるように調整することにより、単一層中に独立した選択反射波長帯域を少なくとも2つ有するコレステリック液晶層が得られる。
特開2000−139953号公報に記載の方法に関しては、下記方法により選択反射波長帯域幅が200nm以上に広帯域化したコレステリック液晶層を得ることができる。下記方法の製造条件の制御により、単一層中に独立した選択反射波長帯域を少なくとも2つ有するコレステリック液晶層が得られる。
たとえば、前記紫外線重合工程を、前記液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、20℃以上の温度下に、20〜200mW/cm2の紫外線照射強度で、0.2〜5秒間、配向基材側から紫外線照射する工程(1)、次いで、液晶層が、酸素を含む気体と接触している状態で、70〜120℃で、2秒間以上、加熱する工程(2)、次いで、液晶層が、酸素を含む気体と接触している状態で、20℃以上の温度下に、工程(1)よりも低い紫外線照射強度で、10秒間以上、配向基材側から紫外線照射する工程(3)、次いで、酸素不存在下で、紫外線照射する工程(4)により行なう方法があげられる(特願2003−93963号)。
また前記紫外線重合工程を、前記液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、20℃以上の温度下に、1〜200mW/cm2の紫外線照射強度、0.2〜30秒間の範囲内の紫外線照射を、回数が増える毎に、紫外線照射強度を低く、かつ紫外線照射時間を長くしながら、3回以上、配向基材側から紫外線照射する工程(1)、次いで、酸素不存在下で、紫外線照射する工程(2)により行なう方法があげられる(特願2003−94307号)。
また前記紫外線重合工程を、前記液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、20℃以上の温度下に、20〜200mW/cm2の紫外線照射強度で、0.2〜5秒間、配向基材側から紫外線照射する工程(1)、次いで、液晶層が酸素を含む気体と接触している状態で、工程(1)よりも高く、かつ60℃以上の到達温度になるまでは、昇温速度2℃/秒以上で、工程(1)よりも低い紫外線照射強度で、10秒間以上、配向基材側から紫外線照射する工程(2)、次いで、酸素不存在下で、紫外線照射する工程(3)により行なう方法があげられる(特願2003−94605号)。
さらには下記方法を利用することができる。下記方法では広帯域の反射波長帯域を有し、耐熱性の良好なコレステリック液晶層が得られる。たとえば、重合性メソゲン化合物(a)、重合性カイラル剤(b)および光重合開始剤(c)を含む液晶混合物を、二枚の基材間で、紫外線重合する方法があげられる(特願2003−4346号、特願2003−4101号)。また、前記液晶混合物に、さらに重合性紫外線吸収剤(d)を加えてものを二枚の基材間で、紫外線重合する方法があげられる(特願2003−4298号)。また、重合性メソゲン化合物(a)、重合性カイラル剤(b)および光重合開始剤(c)を含む液晶混合物を、配向基材上に塗布し、不活性ガス雰囲気下で、紫外線重合する方法があげられる(特願2003−4406号)。
また、前記紫外線重合工程を、前記液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上の温度下に、10〜200mW/cm2の紫外線照射強度で、0.1〜5秒間、紫外線照射する工程(1)、次いで、液晶層が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上で、0.1〜5秒間、熱処理する工程(2)を有し、前記工程(1)および工程(2)の後に、酸素不存在下で、紫外線照射する工程(3)により行なうことができる。前記工程(1)および工程(2)は複数回繰り返した後に、紫外線照射する工程(3)を行なうことが好ましい(特願2004−71158号)。
また、前記紫外線重合工程を、前記液晶混合物が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上の温度下に、10〜200mW/cm2の紫外線照射強度で、0.01〜5秒間、紫外線照射する工程(1)、次いで、液晶層が酸素を含む気体と接触している状態で、70℃以上で、5秒間を超える時間、熱処理する工程(2)を有し、前記工程(1)および工程(2)の後に、酸素不存在下で、紫外線照射する工程(3)により行なうことができうる。前記工程(1)および工程(2)は複数回繰り返した後に、紫外線照射する工程(3)を行なうことが好ましい(特願2004−168666号)。
上記各方法によれば、選択反射波長帯域幅が200nm以上のコレステリック液晶ポリマー層が得られるが、選択反射波長帯域幅200nm以上であるとは、独立した選択反射波長帯域の各帯域幅の合計が200nm以上であることをいう。上記方法によれば、独立した選択反射波長帯域の少なくとも1つが選択反射波長帯域幅200nm以上を有するものを得ることができる。
以下にコレステリック液晶層を形成する重合性メソゲン化合物(a)、重合性カイラル剤(b)等を説明する。
重合性メソゲン化合物(a)は、重合性官能基を少なくとも1つ有し、これに環状単位等からなるメソゲン基を有するものが好適に用いられる。重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等があげられるが、これらのなかでもアクリロイル基、メタクリロイル基が好適である。また重合性官能基を2つ以上有するものを用いることにより架橋構造を導入して耐久性を向上させることもできる。メソゲン基となる前記環状単位としては、たとえば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等があげられる。なお、これら環状単位の末端は、たとえば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。前記メソゲン基は屈曲性を付与するスペーサ部を介して結合していてもよい。スペーサ部としては、ポリメチレン鎖、ポリオキシメチレン鎖等があげられる。スペーサ部を形成する構造単位の繰り返し数は、メソゲン部の化学構造により適宜に決定されるがポリメチレン鎖の繰り返し単位は0〜20、好ましくは2〜12、ポリオキシメチレン鎖の繰り返し単位は0〜10、好ましくは1〜3である。
重合性メソゲン化合物(a)のモル吸光係数は、0.1〜500dm3mol-1cm-1@365nmであり、10〜30000dm3mol-1cm-1@334nmであり、かつ1000〜100000dm3mol-1-1@314nmであることが好ましい。前記モル吸光係数を有するものは紫外線吸収能を有する。モル吸光係数は、0.1〜50dm3mol-1cm-1@365nmであり、50〜10000dm3mol-1cm-1@334nmであり、10000〜50000dm3mol-1cm-1@314nmがより好適である。モル吸光係数は、0.1〜10dm3mol-1cm-1@365nmであり、1000〜4000dm3mol-1cm-1@334nmであり、30000〜40000dm3mol-1cm-1@314nmであるのがより好ましい。モル吸光係数が0.1dm3mol-1cm-1@365nm、10dm3mol-1cm-1@334nm、1000dm3mol-1cm-1@314nmより小さいと十分な重合速度差がつかずに広帯域化し難い。一方、500dm3mol-1cm-1@365nm、30000dm3mol-1cm-1@334nm、100000dm3mol-1cm-1@314nmより大きいと重合が完全に進行せずに硬化が終了しない場合がある。なお、モル吸光係数は、各材料の分光光度スペクトルを測定し、得られた365nm、334nm、314nmの吸光度から測定した値である。
重合性官能基を1つ有する重合性メソゲン化合物(a)は、たとえば、下記化1の一般式:
Figure 0004931167
(式中、R1〜R12は同一でも異なっていてもよく、−F、−H、−CH3、−C25または−OCH3を示し、R13は−Hまたは−CH3を示し、X1は一般式(2):
−(CH2CH2O)a−(CH2b−(O)c−、を示し、X2は−CNまたは−Fを示す。但し、一般式(2)中のaは0〜3の整数、bは0〜12の整数、cは0または1であり、かつa=1〜3のときはb=0、c=0であり、a=0のときはb=1〜12、c=0〜1である。)で表される化合物があげられる。
かかる重合性メソゲン化合物(a)の具体例としては、メルク社製:E7、ワッカーケミカル社製:LC‐Silicon−CC3767、BASF社製:LC242、高砂香料工業社製:L42等があげられる。
また、重合性カイラル剤(b)としては、たとえば、MerckKGaA社製:S101、R811、CB15、BASF社製:LC756があげられる。
上記重合性カイラル剤(b)の配合量は、重合性メソゲン化合物(a)と重合性カイラル剤(b)の合計100重量部に対して、1〜20重量部程度が好ましく、3〜7重量部がより好適である。重合性メソゲン化合物(a)と重合性カイラル剤(b)の割合により螺旋ねじり力(HTP)が制御される。前記割合を前記範囲内とすることで、得られるコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルが長波長域をカバーできるように反射帯域を選択することができる。
また液晶混合物には、通常、光重合開始剤(c)を含む。光重合開始剤(c)としては各種のものを特に制限なく使用できる。例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア784、イルガキュア814、Darocure173、Darocure4205、BASF社:TPO(商品名ルシリンTPO(LucirinTPO)等があげられる。光重合開始剤の配合量は、重合性メソゲン化合物(a)と重合性カイラル剤(b)の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部程度が好ましく、0.05〜5重量部がより好適である。
重合性紫外線吸収剤(d)は、重合性官能基を少なくとも1つ有し、かつ紫外線吸収機能を有する化合物を特に制限なく使用することができる。かかる重合性紫外線吸収剤(d)の具体例としては、たとえば、大塚化学社製のRUVA−93、BASF社製のUVA935LH等があげられる。重合性紫外線吸収剤(d)の配合量は、重合性メソゲン化合物(a)と重合性カイラル剤(b)の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部程度が好ましく、2〜5重量部がより好適である。
前記混合物には、得られるコレステリック液晶フィルムの帯域幅を広げるために、紫外線吸収剤を混入して厚み方向での紫外線露光強度差を大きくすることができる。また、モル吸光係数の大きな光反応開始剤を用いることで同様の効果を得ることもできる。
前記混合物は溶液として用いることができる。溶液を調製する際に用いられる溶媒としては、通常、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類、その他、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレンブリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどを用いることができる。使用する溶媒としては、特に制限されないが、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等が好ましい。溶液の濃度は、サーモトロピック液晶性化合物の溶解性や最終的に目的とするコレステリック液晶フィルムの膜厚に依存するため一概には言えないが、通常3〜50重量%程度とするのが好ましい。
コレステリック液晶層の形成は、従来の配向処理に準じた方法で行うことができる。例えば、トリアセチルセルロースやアモルファスポリオレフィンなどの複屈折位相差が可及的に小さな支持基材上に、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の膜を形成してレーヨン布等でラビング処理した配向膜、またはSiOの斜方蒸着層、またはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどの延伸基材表面性状を配向膜として利用した基材、または上記基材表面をラビング布やベンガラに代表される微細な研磨剤で処理し、表面に微細な配向規制力を有する微細凹凸を形成した基材、または上記基材フィルム上にアゾベンゼン化合物など光照射により液晶規制力を発生する配向膜を形成した基材、等からなる適当な配向膜上に、液晶ポリマーを展開してガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱し、液晶ポリマー分子がプラナー配向した状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態とし、当該配向が固定化された固化層を形成する方法などがあげられる。また配向状態が形成された段階で紫外線やイオンビーム等のエネルギー照射で構造を固定してもよい。
液晶ポリマーの製膜は、例えば液晶ポリマーの溶媒による溶液をスピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等で薄層展開し、さらに、それを必要に応じ乾燥処理する方法などにより行うことができる。前記の溶媒としては例えば塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタンのような塩素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン系溶媒;トルエンのような芳香族溶媒;シクロヘプタンのような環状アルカン;またはN−メチルピロリドンやテトラヒドロフラン等を適宜に用いることができる。
また液晶ポリマーの加熱溶融物、好ましくは等方相を呈する状態の加熱溶融物を前記に準じ展開し、必要に応じその溶融温度を維持しつつ更に薄層に展開して固化させる方法などを採用することができる。当該方法は、溶媒を使用しない方法であり、従って作業環境の衛生性等が良好な方法によっても液晶ポリマーを展開させることができる。
前記液晶層の厚み(溶液の場合は溶媒乾燥後の塗布厚み)は2〜20μm程度が好ましい。厚みが1μmより薄い場合は、反射帯域巾は確保できるものの偏光度そのものが低下する傾向があり好ましくない。厚みは2μm以上、さらには3μm以上であるのが好ましい。一方、厚みは20μmより厚い場合には反射帯域巾・偏光度共に顕著な向上は見られず、単に高コストとなり好ましくない。塗布厚みは15μm以下、10μm以下、さらには7μm以下がより好適である。前記液晶混合物の塗布厚みは、可視光全域をカバーする色彩性を重視する場合には2〜10μm、望ましくは3〜7μmである。
前記コレステリック液晶層からなる着色反射材を粉砕して得られる粉砕物は、着色反射フィラーとして用いられる。粉砕は、例えば乳棒、または機械化した粉砕機もしくはミルを用いて粉砕することができる。また、粉砕物は、篩分けし、所望のサイズのフィラーとすることができる。粉砕は、コレステリック液晶層を冷却しながら行なうのが好ましい。冷却は、例えば二酸化炭素/アセトン浴を用いる方法、粉末状ドライアイスまたは液状窒素を試料に添加する方法等により行なうことができる。また粉砕にあたっては、粘着防止剤を添加して、粒子の凝集を回避することができる。
フィラーの平均サイズは、通常、2mm以下とするのが好ましく、20〜500μm程度とするのが好ましい。フィラーの形状は好ましく、その厚みに対する横方向寸法の比で表わされるアスペクト比が、3:1よりも大きく、特に3:1〜50:1、非常に好ましくは5:1〜50:1である。
前記着色反射フィラーは、光透過性樹脂中に分散させて着色コーティング剤として用いることができる。着色コーティング剤には水系溶剤、有機溶剤を用いることができ、また無溶剤でもよい。
光透過性樹脂としては、コーティング剤の用途に応じて、各種の材料が用いられる。例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等があげられる。さらには、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等があげられる。これらは1種または2種以上を組み合わせることができる。また、フェノール系、メラミン系、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系、アルキッド樹脂類等の熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂の硬化物を用いることもできる。
着色コーティング剤には、着色反射フィラーおよび光透過性樹脂の他に、インキや塗料の分野において一般的に用いられている、他の顔料、染料、硬化剤、分散剤、充填剤等の添加剤を含有することができる。他の顔料としては、慣用の無機顔料、例えば二酸化チタン、酸化鉄(III)、酸化鉄イエロー、酸化クロム、アイアンブルー、カーボンブラック、有機染料または顔料、例えばアゾ、金属錯体および例えばフタロシアニン、ペリレン、ピロロピロール、ポリメチンまたはトリフェニルメタンを基礎構造とする多環状染料または顔料から選択することができる。また、例えば銅またはアルミニウムの金属顔料、被覆雲母、アルミニウムまたはカーボンブラックである真珠光沢または干渉性顔料、金属酸化物顔料または被覆ガラス薄片のような小板形状実効顔料から選択することができる。
以下、本発明を実施例をあげて、具体的に説明する。なお、コレステリック液晶層の反射スペクトルは分光光度計(大塚電子株式会社製、瞬間マルチ測光システム MCPD−2000)にて測定した。また、各例において用いた紫外線露光機には、ウシオ電機製のUVC321AM1を用いた。
実施例1
光重合性メソゲン化合物(高砂香料工業社製,L42)94.6重量部および重合性カイラル剤(BASF社製LC756)5.4重量部および溶媒(シクロペンタノン)233重量部を調整配合した溶液に、その固形分に対し、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製,イルガキュア369)を2重量%添加した塗工液(固形分含有量20重量%)を調製した。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材:東レ製ルミラー,38μm厚)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで6μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。得られた膜に、工程(1)として、液晶層側から120℃の空気雰囲気下で紫外線照射を30mW/cm2で、0.3秒間行った。次いで、工程(2)として、100℃の空気雰囲気下で2秒間熱処理を行った。さらに工程(1)、工程(2)を繰り返して行った。その後、工程(3)として、50℃の窒素雰囲気下で液晶層側から紫外線照射を60mW/cm2で、30秒間行い、コレステリック液晶フィルムを得た。コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図5に示す。当該コレステリック液晶フィルムは、選択反射中心波長が460nm・帯域幅110nm、選択反射中心波長が830nm・帯域幅300nm、に2つの選択反射波長帯域を有していた。
図5では、600nm近傍に反射率の低い谷間が存在しており、コレステリック液晶フィルムは、著しい着色が観察された。反射率は最大値で50%程度であり、通常の単一ピッチで単一波長のみを反射するコレステリック液晶とは大差がなかった。しかし、可視光域領域内全域での総合反射率では、通常の単一ピッチで単一波長のみを反射するコレステリック液晶の2倍程度の明るさを得ることができた。色調は正面方向で赤紫、斜め方向で緑が得られた。
実施例2
実施例1で調製した塗工液の代わりに、配合を表1に示す割合に変えた塗工液を用いた。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで12μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。次いで、表1に示す条件で工程(1)乃至工程(3)を施しコレステリック液晶フィルムを得た。コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図6に示す。当該コレステリック液晶フィルムは、選択反射中心波長が400nm・帯域幅90nm、選択反射中心波長が670nm・帯域幅220nm、に2つの選択反射波長帯域を有していた。
図6では、500nm近傍に反射率の低い谷間が存在しており、コレステリック液晶フィルムは、著しい着色が観察された。反射率は最大値で50%程度であり、通常の単一ピッチで単一波長のみを反射するコレステリック液晶とは大差がなかった。しかし、可視光域領域内全域での総合反射率では、通常の単一ピッチで単一波長のみを反射するコレステリック液晶の2倍程度の明るさを得ることができた。色調は正面方向で正面方向は青、斜め方向は赤紫が得られた。
実施例3
実施例1で調製した塗工液の代わりに、配合を表1に示す割合に変えた塗工液を用いた。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで12μmとなるように塗設し、溶媒を100℃で2分間乾燥させた。次いで、表1に示す条件で工程(1)乃至工程(3)を施しコレステリック液晶フィルムを得た。広帯域コレステリック液晶フィルムの反射スペクトルを図7に示す。当該コレステリック液晶フィルムは、選択反射中心波長が470nm・帯域幅150nm、選択反射中心波長が830nm・帯域幅230nm、に2つの選択反射波長帯域を有していた。
図7では、650nm近傍に反射率の低い谷間が存在しており、コレステリック液晶フィルムは、著しい着色が観察される。反射率は最大値で50%程度であり、通常の単一ピッチで単一波長のみを反射するコレステリック液晶とは大差がなかった。しかし可視光城領域内全域での総合反射率では、通常の単一ピッチで単一波長のみを反射するコレステリック液晶の2倍程度の明るさを得ることができた。色調は正面方向で黄緑、斜め方向でうす青であった。
Figure 0004931167
本発明では、上記コレステリック液晶フィルムを着色反射材として用いる。かかる着色反射材の粉砕物を着色反射フィラーとして用いた着色コーティング剤は、反射率が高く、色調鮮やかな反射塗料となった。
比較例1
選択反射中心波長が550nmのコレステリック液晶ポリマーを作製した。コレステリック液晶ポリマーは、重合性メソゲン化合物(BASF社製LC242)である液晶モノマーAと、重合性カイラル剤B(BASF社製LC756)を、モノマーA/カイラル剤B(配合重量比)=95.5/4.5、で配合した液晶混合物を重合することにより作製した。
前記液晶混合物は、それぞれをシクロペンタンにて溶解した20重量%溶液にした後、光反応開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製,イルガキュア907,前記混合物に対して1重量%)を添加して溶液を調製した。
当該溶液を、配向基材に、乾燥時の厚みが約2μmになるようワイヤーバーで塗工した。配向基材として、東レ製ポリエチレンテレフタレートフィルム:ルミラー75μmをラビング布にて配向処理したものを用いた。塗工後、90℃で2分間乾燥し、等方性転移温度(130°)まで一旦加熱した後、徐冷し均一な配向状態保持しながら、80℃の環境下にて紫外線照射(10mW/平方cm×1分間)にて硬化してコレステリック液晶層を得た。
得られたコレステリック液晶層は550nmで反射率が50%近傍に到達するものの、選択反射中心波長から離れるにつれて急激に反射率が低下した。このため彩度の高い反射光線は得られるものの、明るさは十分でなかった。
(用途例)
実施例1で作製したコレステリック液晶フィルムをボールミルにて湿式粉砕し平均粒径50μmの鱗片状フィラーを得た。当該フィラー20重量部、紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業社製,ユニディック17−807)80重量部および紫外線重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製,イルガキュア187)2重量部をトルエン中に分散させ、固形分濃度20重量%の塗工液を調製した。厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真工業社製,TD−TAC)上に前記塗工液をアプリケーターで塗布、乾燥した後、100℃で2分間加熱することにより塗膜を形成した。その後、紫外線照射器(ウシオ電機社製,UVC321AM1)にて50mW/平方センチ×1秒間の紫外線を照射して、塗膜を硬化し、厚み50μmの硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜は、入射角に応じて色調が変化する光学膜であった。
実施例2で作製したコレステリック液晶フィルムをミルにて湿式粉砕し平均粒径500μmの鱗片状フィラーを得た。光重合性透明塗料(旭電化社製のアデカオプトマーBY310)をスクリーン印刷にて基板上にパターン印刷し、厚み100μmの印刷体を得た。この表面に前記鱗片状フィラーを散布し、エアガンにて余剰分を除去した、樹脂表面に付着したフィラーに対し、紫外線照射器(ウシオ電機社製,UVC321AM1)にて50mW/平方センチ×1秒間の紫外線を照射して、塗膜を硬化し、硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜は、入射角に応じて色調が変化する光学膜となり、文字、図形の意匠性が高かった。
実施例3で作製したコレステリック液晶フィルムをボールミルにて湿式粉砕し平均粒径100μmの鱗片状フィラーを得た。当該フィラーを、透明艶出し液(エッシー製の479クリアマニュキア)に10重量%となるように添加した。得られたマニュキアは色変化のある意匠性の高いものであった。
本発明の着色反射材に用いるコレステリック液晶層を厚み断面方向から見た捻れピッチの模式図である。 図1に対応した、各波長と反射率の関係を示す反射スペクトルの概念図である。 従来のコレステリック液晶層を厚み断面方向から見た捻れピッチの模式図である。 図3に対応した、各波長と反射率の関係を示す反射スペクトルの概念図である。 実施例1で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。 実施例2で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。 実施例3で作製したコレステリック液晶フィルムの反射スペクトルである。
符号の説明
C:コレステリック液晶層

Claims (8)

  1. 単一層中に帯域幅が重複しない独立した選択反射波長帯域を少なくとも2つ有するコレステリック液晶層からなり、前記コレステリック液晶層は、厚み方向において、コレステリック捻れピッチ長が、不連続に存在する着色反射材を含有することを特徴とする着色反射フィラー。
  2. コレステリック液晶層は、厚み方向において、独立した選択反射波長帯域に対応するコレステリック捻れピッチ長が、不連続に存在することを特徴とする請求項1記載の着色反射フィラー
  3. コレステリック液晶層は、少なくとも2つの独立した選択反射波長帯域による補色モードにより発色が得られるものであることを特徴とする請求項1または2記載の着色反射フィラー
  4. 前記着色反射材の粉砕物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色反射フィラー。
  5. 少なくとも2種の着色反射材の粉砕物を含有することを特徴とする請求項4記載の着色反射フィラー。
  6. 請求項4または5記載の着色反射フィラーが、光透過性樹脂中に分散していることを特徴とする着色コーティング剤。
  7. 請求項6の着色コーティング剤から得られた反射フィルムまたはコーティング層。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色反射フィラーまたは請求項6記載の着色コーティング剤の、装飾用途、化粧品もしくは医薬組成物用途、光学素子または防犯用途における使用。
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