JP2008024887A - 光学フィルタ用粘着層、光学フィルタ及びこれを備えたディスプレイ並びにプラズマディスプレイパネル - Google Patents

光学フィルタ用粘着層、光学フィルタ及びこれを備えたディスプレイ並びにプラズマディスプレイパネル Download PDF

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元峰 高野
Masashi Kai
雅志 甲斐
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Abstract

【課題】メッシュ状の金属導電層のメッシュの凹凸を十分に封止することができ、接着性、そしてリワーク性に優れた、メッシュ状の金属導電層を有する光学フィルタの接着に好適な粘着層、及びディスプレイに好適な光学フィルタを提供すること。
【解決手段】メッシュ状の金属導電層を有する透明フィルムを含む光学フィルタの、該メッシュ状の金属導電層を接着するための粘着層であって、粘着層の、ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、粘着層の、JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.2〜20kgf/25mmの範囲にあり、そしてメッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と粘着層の厚さB(μm)との関係が、下記式:0.5A≦B≦30Aを満足することを特徴とする粘着層。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ、表面電界型ディスプレイ(SED)を含む電界放出型ディスプレイ(FED)等の各種ディスプレイに対して反射防止、帯電防止、電磁波遮蔽等の各種機能を有する光学フィルタ、この光学フィルタの作製に使用される粘着層、及びこの光学フィルタを備えたディスプレイ、特にPDPに関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、及びCRTディスプレイにおいては、外部からの光が表面で反射し、内部の視覚情報が見えにくい、或いはディスプレイ表面が帯電してゴミ等が付着しやすい等の問題は、従来から知られており、反射防止膜或いは帯電防止層等を含む光学フィルタの設置等、種々対策がなされている。
近年、ディスプレイは大画面表示が主流となり、次世代の大画面表示デバイスとしてPDPが一般的になってきている。しかしながら、このPDPでは表示のため発光部に高周波パルス放電を行っているため、不要な電磁波の輻射や赤外線リモコン等の誤動作の原因ともなる赤外線の輻射のおそれがあり、このような不具合を防止するため、PDPに対しては、導電性を有するPDP用光学フィルタ(電磁波シールド性光透過窓材)が種々提案されている。この電磁波シールド性光透過窓材の導電層としては、例えば、(1)金属銀を含む透明導電薄膜が設けられた透明フィルム、(2)金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュ、(3)透明フィルム上の銅箔等の層をメッシュ状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、(4)透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等が知られている。
上記電磁波シールド性光透過窓材の導電層には、安価で優れた導電性を示すことから、上記(3)により得られる銅の導電性メッシュ(銅メッシュ)が主に使用されている。そしてこの銅メッシュは、一般に、透明フィルムと一体化された銅メッシュフィルムとして用いられている。このような銅メッシュフィルムは、銅メッシュのメッシュ間に空隙部が存在するため、この空隙部に適宜の透明樹脂を埋め込んでメッシュと一体化した透明樹脂層を形成し、これにより銅メッシュの反射による透明性の低下を防いでいる。このような透明樹脂層を有する光学フィルタが、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2004−281839号公報
上記光学フィルタおいて、金属メッシュの導電層を有する透明フィルムを備えた光学フィルタは、そのメッシュ面をPDPの発光パネル面に粘着層を介して直接接着することができるので、生産性の点から望ましいものである。即ち、上記特許文献1において、透明樹脂層は、メッシュ面の凹凸を埋める機能を有するが、パネル面の接着させる粘着層の機能を有するものではない。一方、前記のメッシュ面をPDPの発光パネル面に接着するための粘着層は、透明性の確保の観点からメッシュ面の凹凸を埋める機能も有する必要があり、このためこのような光学フィルタは生産性、経済性の点から望ましいと言える。
しかしながら、上記粘着層として、従来の前記透明樹脂層、或いは従来の粘着層を用いた場合、貼り合わせ時のメッシュの凹凸を十分に封止できない場合があること、また封止できても適当な接着力で発光パネル面に貼り付けることができない場合があること、さらにこれらの特性をある程度確保できても、光学フィルタのディスプレイへの貼付を誤った位置に行っても、容易に剥離して、貼り合わせのやり直し等が容易に行えるリワーク性が十分でない場合があることが明らかとなった。
従って、本発明は、メッシュ状の金属導電層におけるメッシュの凹凸を十分に封止することができ、接着性、そしてリワーク性に優れた、メッシュ状の金属導電層を有する光学フィルタの接着に好適な粘着層を提供することを目的とする。
また、本発明は、透明で、メッシュ状の金属導電層のメッシュの凹凸を十分に封止することができ、接着性、そしてリワーク性に優れたメッシュ状の金属導電層を有する光学フィルタを提供することを目的とする。
さらに本発明は、透明で、メッシュ状の金属導電層のメッシュの凹凸を十分に封止することができ、接着性、そしてリワーク性に優れたPDP用に好適な光学フィルタを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記優れた特性の光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされたディスプレイを提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は、上記優れた特性の光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされたPDPを提供することを目的とする。
従って、本発明は、
メッシュ状の金属導電層を有する透明フィルムを含む光学フィルタの、該メッシュ状の金属導電層を接着するための粘着層であって、
粘着層の、ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、
粘着層の、JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.2〜20kgf/25mmの範囲にあり、そして
メッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と粘着層の厚さB(μm)との関係が、下記式:
0.5A≦B≦30A
を満足することを特徴とする粘着層;及び
透明フィルム、その上に設けられたメッシュ状の金属導電層及び金属導電層上に設けられた近赤外線吸収層を含む光学フィルタの、該近赤外線吸収層を接着するための粘着層であって、
粘着層の、ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、
粘着層の、JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.2〜20kgf/25mmの範囲にあり、そして
メッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と、粘着層の厚さBと近赤外線吸収層の厚さとの合計の厚さB’(μm)の関係が、下記式:
0.5A≦B’≦30A
を満足することを特徴とする粘着層
にある。
本発明における、貯蔵弾性率及び損失弾性率は、粘弾性測定装置としてRDA3(レオメトリック・サイエンティフィック社製)を用い、直径8mmの平行円盤形治具にて、−60〜100℃の温度分散範囲、昇温速度2℃/分、ひずみ周波数1Hzにおいて測定したものである。測定厚さは通常30μmである。
粘着層のガラスへの粘着力は、JIS−Z−0237に準拠して測定されたものである。即ち、その概略を示すと、幅25mmの粘着層を、ガラス板に2kgのロールを往復させることにより圧着し、20分経過後、180度引き剥がし法試験により粘着力を測定する(測定条件:23±2℃、50±5%RH;試験速度:300mm/分)。
本発明の光学フィルタ用粘着層の好適態様は以下の通りである。
(1)ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が8×103〜8×104Paの範囲、特に1×104〜6×104Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が7×103〜7×104Paの範囲、特に1×104〜5×104Paの範囲にある。特に好適な封止性、粘着性、及びリワーク性を示す。
(2)JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.5〜10kgf/25mmの範囲、特に0.5〜2.0kgf/25mmの範囲にある。特に好適な粘着性、及びリワーク性を示す。
(3)粘着剤が、アクリル樹脂からなる。特に好適な封止性、粘着性、及びリワーク性を示す。
(4)アクリル樹脂を構成するモノマーとして、少なくともアルキル(メタ)アクリレート(但し、アルキル基の炭素原子数が2〜14個、特に4〜14個である)とアクリル酸とを含んでいる。上記アルキルアクリレートとして、2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。特に好適な封止性、粘着性、及びリワーク性を示す。
(5)アクリル樹脂が、さらにポリイソシアネート(例、ジイソシアネート)で架橋されている。特に好適な封止性、粘着性、及びリワーク性を示す。
(6)メッシュ状の金属導電層の厚さAが、1〜100μmの範囲にある。透明性が確保される。
(7)粘着層の厚さBが、5〜100μmの範囲にある。粘着層の性能が維持でき、光学フィルタの厚さを抑えることができる。
(8)メッシュ状の金属導電層が、表面に黒化層を有する。金属導電層が黒化層を有する場合の金属導電層の厚さAは硬化層の厚さも含んでいる。
(9)透明フィルムがプラスチックフィルムである。特にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)である。長尺状透明フィルムを用いることにより連続製造が容易となる。
また本発明は、
メッシュ状の金属導電層を有する透明フィルム、及び該メッシュ状の金属導電層に設けられた粘着層を含む光学フィルタであって、
粘着層が、上記の粘着層であることを特徴とする光学フィルタ;及び
透明フィルム、その上に設けられたメッシュ状の金属導電層及び金属導電層上に設けられた近赤外線吸収層、及び該近赤外線吸収層上に設けられた粘着層を含む光学フィルタであって、
粘着層が、上記の粘着層であることを特徴とする光学フィルタ;
にもある。
本発明の光学フィルタの好適態様は以下の通りである。
(1)透明フィルムの金属導電層を持たない表面に反射防止膜が設けられている請求項12に記載の光学フィルタ。
(2)透明フィルムの金属導電層を持たない表面に、反射防止膜を有する透明フィルムが、金属導電層を持たない表面と反射防止膜を持たない表面が対向した状態で、上記粘着層を介して接着されている。
(3)さらに近赤外線吸収層を有する。近赤外線吸収層又はこれを有する透明フィルムは、一般に金属導電層を持たない透明フィルム表面と、反射防止膜又は反射防止膜つき透明フィルムとの間に設けられる。
(4)反射防止膜が、近赤外線遮蔽機能を有する。
(5)粘着層上に剥離シートが設けられている。
(6)反射防止膜上に、保護層(例、保護用ポリマーフィルム)が設けられている。取り扱いが容易となる。
(7)光線透過率が50%以上(好ましくは70%以上)である。ディスプレイの画像が見やすい。
(8)メッシュ状の金属導電層は、エッチングにより、又は印刷法により形成されている。低抵抗を得られやすい。
(9)反射防止膜が、少なくとも1層の塗工層を含む。製造が容易である。
(10)反射防止膜が、塗工形成されたハードコート層、及びその上に設けられたハードコート層より屈折率の低い塗工形成された高又は低屈折率層を含む膜、特にハードコート層と、その上の塗工による高屈折率層及び塗工による低屈折率層を含む膜であることが好ましい。
本発明の光学フィルタは、プラズマディスプレイパネル用フィルタであることが好ましい。
さらに、本発明は、上記光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされていることを特徴とするディスプレイにもある。
さらにまた、本発明は、光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルにもある。
本発明の光学フィルタ用粘着層は、上記のように特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率、及び特定の粘着力を有すると共に、メッシュ状金属導電層の厚さと粘着層の厚さ(又は粘着層と近赤外線吸収層との合計厚さ)とが特定の関係を有するものであり、これによりメッシュ状導電層のメッシュの間隙を十分に封止することができ、従って優れた透明性を示し、また発光パネル面に対して適度な粘着力を有することから、実用上の粘着力を確保しながら、貼り合わせのやり直し等が容易に行えるリワーク性も十分に有している。
従って、本発明の粘着層を使用することにより、透明性が良好で、接着力に優れたディスプレイ用光学フィルタを効率良く製造することができる。
さらに、メッシュ状金属層が設けられたフィルム表面は、粗面となっている場合があり、この粗面の凹凸を完全に埋めることにより光学フィルタ全体の透明性を向上させることができるが、本発明の粘着層はこのような特性を持っている。
本発明の粘着層、この粘着層を有する透明で、優れた接着性の光学フィルタについて、以下に詳細に説明する。本発明の光学フィルタは、透明フィルム、メッシュ状金属導電層そして本発明の粘着層を少なくとも有する光学フィルタである。
本発明の光学フィルタの基本構成を示す1例の概略断面図を図1に示す。図1において、透明フィルム11の表面にメッシュ状の金属導電層12が設けられ、この金属導電層12のメッシュ間の空隙(凹凸)を埋めるように粘着層13が形成されている。粘着層13は、メッシュ間の空隙を埋めることが容易に行われるように上記特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有しており、且つディスプレイの表示面に適度な接着性及びリワーク性も有するように特定の粘着力を有するものである。また金属導電層の厚さと粘着層の厚さが上記特定の関係を有している。さらに、メッシュ状金属導電層が設けられたフィルム表面は、粗面となっている場合があり、この粗面の凹凸を完全に埋めることにより光学フィルタ全体の透明性を向上させることができるが、本発明の粘着層13はこのような特性を持っている。粘着層13上には、剥離シートが設けられていたも良い。
本発明の光学フィルタの基本構成を示す別の1例の概略断面図を図2に示す。図2において、透明フィルム21の表面にメッシュ状の金属導電層22が設けられ、この金属導電層22上にメッシュに沿ってメッシュに対応する凹凸を形成するように近赤外線吸収層25が設けられ、このメッシュ間の空隙(凹凸)を埋めるように粘着層23が形成されている。一般に、近赤外線吸収層25の厚さは、粘着層23の厚さよりかなり小さい。粘着層23は、上記特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有し、且つ特定の粘着力を有する本発明の粘着層であり、上記と同様な効果を示す。
本発明の図1の光学フィルタが、ディスプレイの1種であるプラズマディスプレイパネルの画像表示面に貼付された状態を図3に示す。ディスプレイパネルの表示面30の表面に粘着層13が接触して接着され、これにより、粘着層13、メッシュ状の金属導電層12及び透明フィルム11からなる光学フィルタが表示面30に設けられている。粘着層13は、メッシュ状の金属導電層12のメッシュの凹凸部を完全に埋めているため、光学フィルタの透明性が高く、ディスプレイパネルの画像を明るい画面で見ることができる。
本発明の光学フィルタの実施態様における好ましい1例の概略断面図を図4に示す。図4において、透明フィルム41の表面にメッシュ状の金属導電層42が設けられ、この金属導電層42のメッシュ間の空隙を埋めるように粘着層43が形成されている。透明フィルム41の金属導電層42が設けられていない側の表面には、反射防止膜44が設けられている。粘着層43は、上記特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有し、且つ特定の粘着力を有する本発明の粘着層であり、上記と同様な効果を示す。反射防止膜44は、近赤外線遮蔽機能を有していても良く、また有することが好ましい。粘着層43上には、剥離シートが設けられていても良い。
本発明の光学フィルタの実施態様における別の好ましい1例の概略断面図を図5に示す。図5において、透明フィルム51の表面にメッシュ状の金属導電層52が設けられ、この金属導電層52上にメッシュに沿ってメッシュに対応する凹凸を形成するように近赤外線吸収層55が設けられ、このメッシュ間の空隙(凹凸)を埋めるように粘着層53が形成されている。透明フィルム51の金属導電層52が設けられていない側の表面には、反射防止膜54が設けられている。一般に、近赤外線吸収層55の厚さは、粘着層53の厚さよりかなり小さい。粘着層53は、上記特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有し、且つ特定の粘着力を有する本発明の粘着層であり、上記と同様な効果を示す。粘着層53上には、剥離シートが設けられていても良い。
本発明の光学フィルタの実施態様における別の1例の概略断面図を図6に示す。図4の光学フィルタとの相違は、反射防止膜が透明フィルム上に設けられ、この透明フィルムが別の粘着剤により導電層を有する透明フィルムに接着されている点である。図6において、透明フィルム61Aの表面にメッシュ状の金属導電層62が設けられ、この金属導電層62のメッシュ間の空隙を埋めるように粘着層63Aが形成されている。透明フィルム61Aの金属導電層62が設けられていない側の表面には、別の粘着層63Bを介して反射防止膜64を有する別の透明フィルム61Bが設けられている。
粘着層63Aは、上記特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有し、且つ特定の粘着力を有する本発明の粘着層であり、上記と同様な効果を有する。別の粘着層63Bは粘着層63Aと同じでも、異なっていても良い。また、粘着層63Bは、近赤外線吸収機能を有していても良い。粘着層63A上には、剥離シートが設けられていても良い。
本発明の光学フィルタの実施態様における別の1例の概略断面図を図7に示す。図6の光学フィルタとの相違は、導電層を有する透明フィルム上にさらに近赤外線吸収層を有する透明フィルムが設けられている点である。図7において、透明フィルム71Aの表面にメッシュ状の金属導電層72が設けられ、この金属導電層72のメッシュ間の空隙を埋めるように粘着層73Aが形成されている。透明フィルム71の金属導電層72が設けられていない側の表面には、別の粘着層73Bを介して近赤外線吸収層75を有する別の透明フィルム71Cが設けられ、さらに近赤外線吸収層75上に、別の粘着層73Cを介して反射防止膜74を有する別の透明フィルム71Bが設けられている。
粘着層73Aは、上記特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有し、且つ特定の粘着力を有する本発明の粘着層であり、上記と同様な効果を有する。別の粘着層73B、73Cは粘着層73Aと同じでも、異なっていても良い。粘着層73A上には、剥離シートが設けられていても良い。
メッシュ状の金属導電層12、22、42、52、62、72は、メッシュ状の金属層又は金属含有層ある。メッシュ状の金属層又は金属含有層は、一般に、エッチングにより、又は印刷法により形成されているか、金属繊維層である。これにより低抵抗値を得られやすい。メッシュ状の金属層又は金属含有層のメッシュの凹凸の空隙が、本発明の粘着層で埋められており、これにより透明性が向上する。
反射防止膜44、54、64、74は、一般に基板より屈折率の低いハードコート層とその上に設けられた低屈折率層との複合膜であるか、或いはハードコート層とその上に設けられた高屈折率層及び上にさらにその上に低屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止膜は基板である透明フィルムより屈折率の高いハードコート層のみであっても、或いは低屈折率層のみであっても有効である。このような反射防止膜を構成する層は、いずれも塗工により形成されていることが、生産性、経済性の観点から好ましい。光学フィルタがPDP用の場合は、反射防止膜は、近赤外線遮蔽機能を有することが好ましい。
本発明では、メッシュ状の金属導電層上に設けられる粘着層として、粘着層の、ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、また粘着層の、JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.2〜20kgf/25mmの範囲にあり、そしてメッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と粘着層の厚さB(μm)との関係が、下記式:
0.5A≦B≦30A
を満足する粘着層が使用される。
また、メッシュ状の金属導電層上に近赤外線吸収層を設ける場合(例、図2、図5)、メッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と、粘着層の厚さと近赤外線吸収層の厚さとの合計の厚さB’(μm)の関係が、下記式:
0.5A≦B’≦30A
を満足する粘着層が使用される。この場合、近赤外線吸収層の厚さは、0.5〜50μmが一般的である。
本発明の粘着層を用いることにより、メッシュ状導電層のメッシュの凹凸を十分に封止することができ、従って優れた透明性を示し、また発光パネル面に対して適度な粘着力を有することから、実用上の粘着力を確保しながら、貼り合わせのやり直し等が容易に行えるリワーク性も十分に有している。本発明は、またこのような粘着層自体も提供するものである。
上記規定において、粘着層の貯蔵弾性率が、上記範囲の上限より大きい場合は、メッシュの封止が不十分となり易く、また下限より小さい場合はメッシュ封止後の粘着層の表面の平滑性が低下し、リワーク時にディスプレイの表示面(発光パネル表面)に粘着剤が残りやすくなる。この貯蔵弾性率は8×103〜8×104Paの範囲が好ましく、特に1×104〜6×104Paの範囲が好ましい。
また粘着層の損失弾性率が、上記範囲の上限より大きい場合は、メッシュの封止が不十分となり易く、また下限より小さい場合はメッシュ封止後の粘着層の表面の平滑性が低下し、リワーク時にディスプレイの表示面に粘着剤が残りやすくなる。この損失弾性率が7×103〜7×104Paの範囲が好ましく、特に1×104〜5×104Paの範囲が好ましい。
さらに粘着層のガラスへの粘着力の値が、上記範囲の上限より大きい場合は、リワーク時にディスプレイの表示面を破壊する場合があり、下限より小さい場合は、ディスプレイの使用中に表示面から剥がれる虞がある。この粘着力は、0.5〜10kgf/25mmの範囲が好ましく、特に0.5〜2.0kgf/25mmの範囲が好ましい。
上記メッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と、粘着層の厚さB(μm)との関係、或いはメッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と、粘着層の厚さと近赤外線吸収層の厚さとの合計の厚さB’の関係が、上記式の範囲の上限より大きい場合は、ディスプレイの表示面に貼り合わせた後の表面の平滑性が不良となる場合があり、一方下限より小さい場合はメッシュの封止が不十分となり易い。上記式は、好ましくは0.5A≦B≦10A、特に1.0A≦B≦5.0Aであること、或いは好ましくは0.5A≦B’≦10A、特に1.0A≦’B≦5.0Aであることが好ましい。
本発明の粘着層は、アクリル樹脂からなる層であることが好ましい。その詳細は後述する。粘着層の厚さBが、1〜500μmの範囲が好ましく、特に5〜100μmの範囲が好ましい。なおメッシュ状の金属導電層の厚さAは、1〜200μmの範囲が好ましく、特に1〜100μmの範囲が好ましい。
本発明の光学フィルタの表面抵抗値は、一般に10Ω/□以下、好ましくは0.01〜5Ω/□の範囲、特に0.005〜5Ω/□の範囲が好ましい。それぞれの範囲において、帯電防止或いは電磁波の遮断の効果が得られやすい。
本発明のディスプレイ用に好適な光学フィルタに使用される材料について以下に説明する。
透明フィルムは、その材料としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はないが、一般にプラスチックフィルムが使用される。例えば、ポリエステル{例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート}、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましい。特に、PETが、加工性が優れているので好ましい。
透明フィルムの厚さとしては、光学フィルタの用途等によっても異なるが、一般に1μm〜5mm程度が好ましい。
本発明のメッシュ状の金属導電層としては、透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等を挙げることができる。
メッシュ状の導電層としては、メッシュの線径1μm〜1mm、開口率50〜95%のものが好ましい。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は60〜95%である。なお、導電性メッシュの開口率とは、当該導電性メッシュ(外枠がある場合はそれを除いた領域)の投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
金属箔等の導電性の箔をパターンエッチングしたものの場合、金属箔の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、真鍮、或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、ニッケルが用いられる。
金属箔の厚さは、薄過ぎると取り扱い性やパターンエッチングの作業性等の面で好ましくなく、厚過ぎると得られるガラスの厚さに影響を及ぼしたり、エッチング工程の所要時間が長くなることから、前述の程度とされる。
エッチングパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の孔が形成された格子状の金属箔や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状の金属箔等が挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。この金属箔の投影面における開口部分の面積割合は、20〜95%であることが好ましい。
或いは、メッシュ状の導電層を、透明フィルムに導電性インキをパターン印刷して形成しても良い。次のような導電性インキを用い、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、静電印刷法等により透明基板の表面に印刷することができる。
一般に、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属又は合金の粒子等の導電性材料の粒子を50〜90重量%濃度にPMMA、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂等のバインダ樹脂に分散させたものである。このインクは、トルエン、キシレン、塩化メチレン、水等の溶媒に適当な濃度に希釈または分散させて透明基板の板面に印刷により塗布し、その後必要に応じ室温〜120℃で乾燥させ基板上に塗着させる。上記と同様の導電性材料の粒子をバインダ樹脂で覆った粒子を静電印刷法により直接塗布し熱等で固着させる。
このようにして形成される印刷膜の厚さは、薄過ぎると電磁波シールド性が不足するので好ましくなく、厚過ぎると得られるフィルタの厚さに影響を及ぼすことから、前述の程度とされる。
このようなパターン印刷によれば、パターンの自由度が大きく、任意の線径、間隔及び開口形状の導電層を形成することができ、従って、所望の電磁波遮断性と光透過性を有するプラスチックフィルムを容易に形成することができる。
金属導電層のパターン印刷の形状には特に制限はなく、例えば四角形の開口部が形成された格子状の印刷膜や、円形、六角形、三角形又は楕円形の開口部が形成されたパンチングメタル状の印刷膜等が挙げられる。また、開口部は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。この印刷膜の投影面における開口部分の面積割合は、20〜95%であることが好ましい。
メッシュ状の金属導電層の表面には黒化処理を行っても良い。
黒化処理は、導電層の金属に応じた公知の黒化処理をすることができ、これに応じた公知の黒化処理液を使用することができる。黒化処理としては、一般に酸化処理、硫化処理、クロムメッキ処理、及びスズ−ニッケル等の合金メッキ処理を挙げることができる。電気メッキ槽でのメッキ金属が銅である場合には、酸化処理、硫化処理、クロムメッキ処理、及びスズ−ニッケル等の合金メッキ処理をあげることができ、特に廃液処理の簡易性及び環境安全性の点から、酸化処理が好ましい。
上記黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
上記黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
上記黒化処理として、クロムメッキ処理を行う場合には、黒化処理液として、一般にはクロム酸と酢酸の水溶液、及びクロム酸とケイフッ化水素酸の水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、クロム酸と酢酸の水溶液を使用することが好ましい。
上記のようにして得られる黒化層の厚さは、一般に0.5〜5μm、特に1〜2μmが好ましい。本発明では、黒化層の厚さは、本発明の金属導電層の厚さに含まれる。
本発明の反射防止膜は、一般に基板より屈折率の高いハードコート層とその上に設けられた低屈折層との複合膜であるか、好ましくは低屈折率層上にさらに高屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止膜は透明フィルムより屈折率の高いハードコート層のみであっても、或いは低屈折率層のみであっても有効である。但し、透明フィルムの屈折率が低い場合、透明フィルムより屈折率の低いハードコート層とその上に設けられた高屈折層との複合膜、或いは高屈折率層上にさらに低屈折率層が設けられた複合膜としても良い。本発明の反射防止膜に近赤外線遮蔽機能を付与する場合は、上記ハードコート層等に近赤外線を吸収する後述する材料(例、色素)を混合及び/又は混練して導入するか、反射防止膜を形成するための透明フィルムに導入すればよい。
ハードコート層としては、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコン樹脂層等からなる層を挙げることができ、通常その層厚は1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂のいずれでもよいが、紫外線硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂などを挙げることができる。
紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
ハードコート層とするには、上記の紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、2,2−ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系又は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
ハードコート層は、透明基板より屈折率が低いことが好ましく、上記紫外線硬化性樹脂を用いることにより一般に基板より低い屈折率を得られやすい。従って、透明基板としては、PET等の高い屈折率の材料を用いることが好ましい。このため、ハードコート層は、屈折率を、1.60以下にすることが好ましい。膜厚は前記の通りである。
高屈折率層は、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に、ITO,ATO,Sb23,SbO2,In23,SnO2,ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2等の導電性金属酸化物微粒子(無機化合物)が分散した層とすることが好ましい。金属酸化物微粒子としては、平均粒径10〜10000nm、好ましくは10〜50nmのものが好ましい。特にITO(特に平均粒径10〜50nmのもの)が好ましい。屈折率を1.64以上としたものが好適である。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
なお、高屈折率層が導電層である場合、この高屈折率層2の屈折率を1.64以上とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.5%以内にすることができ、1.69以上、好ましくは1.69〜1.82とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.0%以内にすることができる。
ハードコート層は、可視光線透過率が85%以上であることが好ましい。高屈折率層及び低屈折率層の可視光線透過率も、いずれも85%以上であることが好ましい。
低屈折率層は、シリカ、フッ素樹脂等の微粒子、好ましくは中空シリカを10〜40重量%(好ましくは10〜30質量%)がポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に分散した層(硬化層)であることが好ましい。この低屈折率層の屈折率は、1.45〜1.51が好ましい。この屈折率が1.51超であると、反射防止フィルムの反射防止特性が低下する。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。
反射防止膜が上記3層より構成される場合、例えば、ハードコート層の厚さは2〜20μm、高屈折率層の厚さは75〜90nm、低屈折率層の厚さは85〜110nmであることが好ましい。
反射防止膜の、各層を形成するには、前記の通り、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)に必要に応じ上記の微粒子を配合し、得られた塗工液を塗工し、次いで乾燥、必要により熱硬化させるか、或いは塗工後、必要により乾燥し、紫外線を照射する。この場合、各層を1層ずつ塗工し硬化させてもよく、全層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。
塗工の具体的な方法としては、アクリル系モノマー等を含む紫外線硬化性樹脂をトルエン等の溶媒で溶液にした塗工液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線により硬化する方法を挙げることができる。このウェットコーティング法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。このコーティング後に例えば紫外線を照射して硬化することにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が得られる。前記導電層も同様に形成することができる。
紫外線硬化の場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等を挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
本発明の反射防止層は、上記のように塗工により形成することが好ましいが、気相成膜法により形成しても良い。通常、高屈折率層及び低屈折率層を、物理蒸着法または化学蒸着法により成膜することができる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法が挙げられるが、一般的にはスパッタリング法で成膜するのが好ましい。化学蒸着法としては、常圧CVD法、減圧CVD法、プラズマCVD法が挙げられる。
高屈折率層及び低屈折率層等の組合せの例としては、下記のものを挙げることができる。
(a) 高屈折率層/低屈折率層の順で各1層ずつ、合計2層に積層したもの、(b) 高屈折率層/低屈折率層を2層ずつ交互に、合計4層に積層したもの、(c) 中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順で各1層ずつ、合計3層に積層したもの、(d) 高屈折率層/低屈折率層の順で各層を交互に3層ずつ、合計6層に積層したもの。高屈折率層としては、ITO(スズインジウム酸化物)又はZnO、AlをドープしたZnO、TiO2、SnO2、ZrO等の薄膜を採用することができる。また、低屈折折率層としては、SiO2、MgF2、Al23等の屈折率が1.6以下の薄膜を用いることができる。
上記透明導電膜は、物理蒸着法または化学蒸着法により成膜することができる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法が挙げられるが、一般的にはスパッタリング法で成膜するのが好ましい。化学蒸着法としては、常圧CVD法、減圧CVD法、プラズマCVD法が挙げられる。
本発明の粘着層は、前述のように、メッシュ状導電層のメッシュの凹凸を十分に封止することができ、従って優れた透明性を示し、また発光パネル面に対して適度な粘着力を有することから、実用上の粘着力を確保しながら、貼り合わせのやり直し等が容易に行えるリワーク性も十分に有している層である。
上記粘着層を構成する樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アクリル樹脂(例、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体を挙げることができる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等も用いることができるが、本発明ではアクリル樹脂が好ましい。
前記弾性率、粘着力及び層厚における特定の範囲を満足させるには、アクリル樹脂を用いることが好ましく、特に、紫外線又は熱硬化性(メタ)アクリレート組成物の硬化層であることが好ましい。
上記硬化性(メタ)アクリレート組成物は、一般に、炭素原子数2〜14個、特に4〜14個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体とする(50質量%以上)モノマー材料の混合物からなることが好ましい。この(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体とするモノマー材料の混合物が、部分的に重合した部分重合体を含むモノマー材料の混合物であっても良い。必要により、上記モノマー材料の混合物100質量部に対して、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートを0.1〜1.0質量部添加される。
上記モノマー材料として用いられる(好ましくは部分重合体・モノマー混合物の製造に用いられる)炭素原子数2〜14個、特に4〜14個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート,デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、テトラデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を混合して用いられる。また、前記アルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよいが、t−アルキル基でないことが好ましい。
上記モノマー材料と共に、或いは部分重合体・モノマー混合物の製造において、或いは部分重合体・モノマー混合物に加えて、前記モノマーと共重合可能なモノビニルモノマーを弾性率、粘着力等の物性の向上を目的として必要に応じて併用することが好ましい。このモノビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、及び(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、及び(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のグリコール系モノマー;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;メタクリル酸及びアクリル酸などを挙げることができる。
さらに、メタアクリル酸及びメタアクリル酸(アクリル酸が好ましい);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシル基含有モノマーが好ましい。ヒドロキシル基含有モノマーは、耐湿熱性の向上に有効であるので好ましい。また、特に、アクリル酸が、良好な相溶性の点から好ましい。
部分重合体・モノマー混合物の製造は、適宜の重合開始剤を用いて溶液重合、塊状重合、乳化重合等の公知のラジカル重合法を適宜選択して用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。例えば、塊状重合では、重合開始剤をモノマー100質量部に対し0.01〜0.2質量部程度使用し、これに紫外線などの放射線を少量照射して部分的に重合させ、反応系を増粘させることにより得られる。モノマーの重合率は3〜50質量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
また、アクリル樹脂の製造は、紫外線又は熱硬化性(メタ)アクリレート組成物に、適宜の重合開始剤を用いて溶液重合、塊状重合、乳化重合等の公知のラジカル重合法を適宜選択して用いて行うことも可能である。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。例えば、塊状重合では、重合開始剤をモノマー100質量部に対し0.01〜0.2質量部程度使用する。得られたアクリル樹脂(重合反応液)にさらに適宜下記の多官能(メタ)アクリレート等を加えて、適宜熱硬化(好ましくは80〜120℃)させて本発明の粘着層を得ることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げることができる。ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが、前記弾性率、粘着力の調整の上で好ましく、プロピレンキシド付加数が、1〜12、特に2〜8が好ましい。
上記硬化性(メタ)アクリレート組成物の好ましいものとしては、炭素原子数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体とする(50質量%以上)モノマー材料100質量部、又はこのモノマー材料を部分的に重合してなる部分重合体・モノマー混合物100質量部に、アクリル酸を0.1〜10質量部、特に0.5〜6質量部、及び必要により水酸基含有(メタ)アクリレートを適量加え、さらに(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートを0.1〜10質量部、特に0.5〜6質量部加えたものである。
さらに硬化性(メタ)アクリレート組成物中に、さらにポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)を含んでいることが好ましい。その例としては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。硬化性(メタ)アクリレート組成物に対して、0.1〜10質量%、特に0.1〜5質量%の量で使用することが好ましい。
このようなアクリル樹脂の材料を使用することにより、前記特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率、及び粘着力を得るための樹脂を設計しやすい。得られる層のゲル分率は70〜100質量%であることが好ましく、さらに好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは80〜99質量%である。その重量平均分子量が10000〜700000、特に400000〜700000であることが好ましい。
上記紫外線又は熱硬化性(メタ)アクリレート組成物は、前述のハードコート層の材料として記載した光重合開始剤(紫外線)又は熱重合開始剤(熱)、そして所望により各種添加剤を含んでいる。例えば、組成物の接着特性を調整するため、公知の粘着付与樹脂(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂など)を添加してもよい。また、粘着付与樹脂以外の添加剤としては、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、又は微粉末シリカなどの充てん剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、老化防止剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。また、微粒子を含有させて光拡散性を有する粘着剤層とすることもできる。
上記光重合開始剤としては、前記ハードコート層形成用材料で述べた化合物を使用することができる。これらの化合物を1種又は2種以上で用いることができる。
上記熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルへキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロへキサン1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4′−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2′−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕等のアゾ系化合物等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上で用いることができる。
本発明の粘着層の形成方法は、特に制限されず種々な方法を利用することができる。例えば、透明フィルムの金属メッシュの表面に、前記硬化性(メタ)アクリレート組成物を塗布、乾燥し、必要により硬化させて(好ましくは光重合)、粘着層を形成する方法を挙げることができる。また、表面が剥離性の転写シート上に前記硬化性(メタ)アクリレート組成物を塗布、乾燥して必要により硬化させて粘着層を形成した後、粘着層を金属メッシュの表面に貼り付け、前記転写シートを剥離除去することにより粘着層を形成してもよい。
本発明の粘着層を紫外線照射により形成する場合は、例えば、上記紫外線硬化性(メタ)アクリレート組成物を、表面が剥離性の転写シートに塗布した後、必要により塗布膜の表面にも表面が剥離性の転写シートを載置し(サンドイッチ状態で)、紫外線照射により硬化させることにより得たのち、転写シートを除去することにより得ることができる。或いは、透明フィルム上の金属メッシュの表面に、直接上記紫外線硬化性(メタ)アクリレート組成物を、塗布した後、紫外線照射により硬化させることにより粘着層を形成することができる。
上記紫外線硬化方式の別の態様では、まずモノマー材料及び光重合開始剤を混合し、少量の光照射により一部のモノマーを重合させて反応系を増粘させる(部分重合体・モノマー混合物の作製)。この部分重合体・モノマー混合物に多官能(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤等を適宜添加混合して、これを適当な厚みで上記基板等に塗布する。その後、光照射により重合、架橋させて衝撃緩衝層を形成する。
光重合開始剤の量は、紫外線又は熱硬化性(メタ)アクリレート組成物に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明の粘着層を加熱重合により形成する場合は、例えば、上記紫外線硬化性(メタ)アクリレート組成物を、前述の用に熱重合させて、アクリル樹脂を得、この樹脂溶液に適宜アクリルモノマーを加えた塗布液を、表面が剥離性の転写シートに塗布した後、必要により塗布膜の表面にも表面が剥離性の転写シートを載置し(サンドイッチ状態で)、加熱することにより硬化させることにより得たのち、転写シートを除去することによって得ることができる。或いは、透明フィルム上の金属メッシュの表面に、直接上記塗布液を、塗布した後、加熱により硬化させることにより粘着層を形成することができる。
或いは後述するEVA等の熱可塑性樹脂の粘着層は、前記塗布以外の方法でも形成可能であり、例えばEVAと上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。成膜に際してはブロッキング防止、ガラス基板との圧着時の脱気を容易にするためエンボスが付与される。
上記粘着層の材料として、EVAも使用することができる。EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生じ易い。
架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブチルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサイド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロルベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオキサイド等を挙げることができる。これらの過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して、5質量部以下、好ましくは0.5〜5.0質量部の割合で使用される。
有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法により添加しても良い。
なお、EVAの物性(機械的強度、光学的特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びアリル基含有化合物を添加することができる。この目的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイアセトンアクリルアミドが代表的である。
その例としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して、通常EVA100質量部に対して0.1〜2質量部、好ましくは0.5〜5質量部用いられる。
EVAを光により架橋する場合、上記過酸化物の代りに光増感剤が通常EVA100質量部に対して5質量部以下、好ましくは0.1〜3.0質量部使用される。
この場合、使用可能な光増感剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン等を挙げることができ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して用いることができる。
また、接着促進剤としてシランカップリング剤が併用される。このシランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、一般にEVA100質量部に対して0.001〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部の割合で1種又は2種以上が混合使用される。
なお、本発明に係るEVA接着層には、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいてもよく、また、場合によってはカーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を少量含んでも良い。
近赤外線吸収層又はフィルムとしては、一般に近赤外線カットフィルムであり、例えば、ベースフィルムの表面に、色素等を含む近赤外線カット層が形成されたものであるか、或いは色素等を含有する層又はフィルムである。色素の例としては、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポリアゾ系色素を挙げることができ、特にシアニン系色素又はスクアリリウム系色素が好ましい。これらの色素は、単独又は組み合わせて使用することができる。
特に好ましい近赤外線カットフィルムは、ベースフィルムの表面に、ジイモニウム系化合物と特定の銅錯体及び/又は銅化合物とを含む近赤外線カット層が形成されたものであり、この近赤外線カット層はベースポリマーにジイモニウム系化合物と銅錯体及び/又は銅化合物とを分散させ、適当な溶剤で希釈して濃度調整したコーティング液を透明基板の表面にコーティングし、コーティング膜を乾燥させることにより形成することができる。
上記近赤外線カットフィルムは、ベースフィルムに、2層以上の近赤外線カット層、好ましくは2種以上の近赤外線吸収剤の層で構成した層を設けても良く、この場合には、近赤外の幅広い波長域において著しく良好な近赤外線カット性能を得ることができ、有利である。
2層以上の近赤外線カットフィルムは、次のような構成をとることができる。
ベースフィルム上に近赤外線カット層を形成した近赤外線カットフィルムと、ベースフィルム上に近赤外線カット層を形成した近赤外線カットフィルムとの併用;
ベースフィルムの一方の面に近赤外線カット層を形成し、他方の面にも近赤外線カット層を形成した近赤外線カットフィルム;
ベースフィルム上に近赤外線カット層と近赤外線カット層とを積層形成した近赤外線カットフィルム;
ベースフィルム上に近赤外線カット層を形成した近赤外線カットフィルム;
上記のいずれか2以上の組み合わせ。
上記の構成において、近赤外線カット層のうちの一方をジイモニウム系化合物と銅錯体及び/又は銅化合物とを含む層とし、他方をこれとは異なる層とするのが好ましい。
また、上記の構成において、近赤外線カット層をジイモニウム系化合物と銅錯体及び/又は銅化合物とを含む層とし、必要に応じて更に異なる近赤外線吸収剤を配合するのが好ましい。
なお、本発明において、ジイモニウム系化合物と銅錯体及び/又は銅化合物とを含む層以外の近赤外線カット層として、次のようなものを1種又は2種以上を組み合わせて用いるのが、透明性を損なうことなく、良好な近赤外線カット性能(例えば850〜1250nmなど近赤外の幅広い波長域において、近赤外線を十分に吸収する性能)を得られるので好ましい。即ち、
(a) 厚さ100〜5000ÅのITOのコーティング層、(b) 厚さ100〜10000ÅのITOと銀の交互積層体によるコーティング層、(c) 厚さ0.5〜50μmのニッケル錯体系とイモニウム系の混合材料を適当な透明のベースポリマーを用いて膜としたコーティング層、(d) 厚さ10〜10000μmの2価の銅イオンを含む銅化合物を適当な透明のベースポリマーを用いて膜としたコーティング層、(e) 厚さ0.5〜50μmの有機色素系コーティング層。
保護層は、前記ハードコート層と同様にして形成することが好ましい。
剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
本発明の光学フィルタは、例えば、前記のように、メッシュ状の金属導電層が形成された透明フィルムに本発明の粘着層を転写又は塗布により形成することにより得られる。反射防止膜も有する光学フィルタの場合は、例えば、反射防止膜が形成された別の透明フィルムに別の粘着層を転写又は塗布により形成し、導電層が形成された透明フィルムに本発明の粘着層を塗布により形成し、これらの2枚の透明フィルムを、導電層と別の粘着層が対向するように配置して、重ね合わせ、必要により減圧及び/又は加温下に脱気して、圧着することにより、或いは重ね合わせた後、減圧、加温下に脱気して加熱又は光照射により粘着層を加熱(必要により硬化)して一体化することにより容易に製造することができる。あるいは、上記2枚の透明フィルムを、連続的に搬送して重ね合わせ、加熱圧着して、連続的に製造することも可能である。3枚の透明フィルムを積層圧着する場合も、同様に行うことができる。
このようにして得られる本発明の光学フィルタは、前記図2に示すように、PDP等のディスプレイの画像表示ガラス板の表面に貼り合わされて使用される。
本発明のPDP表示装置は、透明基板として透明フィルムを使用することにより、本発明の光学フィルタをその表面であるガラス板表面に直接貼り合わせることができるため、PDP自体の軽量化、薄型化、低コスト化に寄与できる。また、PDPの前面側に透明成形体からなる前面板を設置する場合に比べると、PDPとPDP用フィルタとの間に屈折率の低い空気層をなくすことができるため、界面反射による可視光反射率の増加、二重反射などの問題を解決でき、PDPの視認性をより向上させることができる。また、本発明では特定の粘着層が設けられているので、鮮明な画像を見ることができ、長期使用しても光学フィルタが剥がれることはなく、耐久性に優れたものである。
従って、本発明の光学フィルタは、透明で、帯電防止性に優れ、危険な電磁波の放射もほとんどなく、接着性に優れていることから、これを用いて、見やすく、ホコリ等が付きにくく、耐久性に優れたディスプレイを得ることができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1](2層構造)
(1)粘着層テープの作製
(1−1)粘着層形成用組成物の調製
反応容器に、85質量部のアクリル酸2−エチルヘキシル、10質量部のアクリル酸n−ブチル、2質量部のアクリル酸ラウリル及び3質量部のアクリル酸を投入し、次いで
50質量部の酢酸エチル及び0.1質量部の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(熱重合開始剤)を添加し、10分間撹拌した。次に、この反応容器内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら60℃に加熱し、この温度で3時間保持して、モノマーを重合反応させた。その後、この反応液に対して、アクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸との混合物(質量比100:1)を10質量部、30分間で滴下し、さらに2時間重合反応させた。
得られた反応液に、反応液の固形分質量濃度が30%となるように酢酸エチルとトルエンの混合溶剤(質量比100:10)を加えて希釈し、さらに、この反応液の固形分100質量部に対して1質量部のトリレンジイソシアネートを添加して、粘着層形成用組成物を得た。
(1−2)粘着層の形成
得られた粘着層形成用組成物(塗布液)を、セパレータ(剥離シート)上に、乾燥後の厚さが30μmとなるようにコントロールコータで塗布し、その後100℃で2分間乾燥させ、粘着層テープを得た。
(2)メッシュフィルムの作製
表面に銅箔が形成された厚さ100μmのPETフィルムの、銅箔の上にフォトレジストを塗布し、乾燥後、メッシュパターン状のマスクを介してレジスト層を露光し、現像し、次いでエッチング処理を行った。さらに黒化処理(処理液として次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用、処理条件:60℃、10分)を行いメッシュ銅の導電層上に黒化層を形成し、これにより黒化層を含む導電層(黒化層を含んだメッシュ状導電層:厚さ30μm、線幅10μm、線のピッチ:300μm、開口率:73%)を有するPETフィルムを得た。
(3)光学フィルタの作製
上記で得られたメッシュフィルムと粘着層テープとを、ロール式ラミネータを用いて、導電層と粘着層が接触するように載置して、加熱圧着(ロール表面温度:80℃;貼り合わせ線圧:12kN/cm;貼り合わせ速度:0.2m/分)して本発明の光学フィルタ(図1参照)を作製した。
[実施例2]
実施例1において、アクリル酸2−エチルヘキシルの使用量を85質量部から70質量部に、アクリル酸n−ブチルの使用量を10質量部から25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルタを作製した。
[実施例3]
実施例1において、アクリル酸2−エチルヘキシルの使用量を85質量部から80質量部に、アクリル酸n−ブチルの使用量を10質量部から13質量部に、アクリル酸ラウリルの使用量を2質量部から4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルタを作製した。
[比較例1]
実施例1において、アクリル酸2−エチルヘキシルの使用量を85質量部から70質量部に、アクリル酸ラウリルの使用量を2質量部から17質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルタを作製した。
[比較例2]
実施例1において、トリレンジイソシアネートの使用量を1質量部から20質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルタを作製した。
[比較例3]
実施例1において、粘着層の厚さを30μmから5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルタを作製した。
[粘着層の評価]
(1)動的貯蔵弾性率及び動的損失弾性率
上記動的貯蔵弾性率及び動的損失弾性率は下記の方法に従い測定した。
実施例、比較例で得られた粘着層テープのセパレータを除去した粘着層を用い、粘弾性測定装置としてRDA3(レオメトリック・サイエンティフィック社製)を用い、直径8mmの平行円盤形治具にて、測定厚さ1.0mmで、−60〜100℃の温度分散範囲、昇温温度2℃/分、ひずみ周波数1Hzの条件で測定した。
(2)ヘイズ
実施例、比較例で得られた粘着層テープのセパレータを除去した粘着層のヘイズを、ヘイズメータ(NDH2000;日本電色工業(株)製)を用い、JIS−K−7105に準拠して測定した。
(3)光学フィルタのガラスに対する粘着力及び粘着層の剥離時残留程度
厚さ1.8mmのフロート・ガラスに、幅25mmの粘着層をハンドローラを用いて(自重2kgで)貼り合わせ、室温20分間放置した後、引張試験機(AGS−G;(株)島津製作所製)を用いて、180度引き剥がし法試験により粘着力を測定した(測定条件:23±2℃、50±5%RH;試験速度:300mm/分)。この試験は、JIS−Z−0237に準拠して行った。
粘着層の剥離時残留程度は、光学フィルタをガラス板から剥離した際の、粘着層のガラス板上に残った粘着層の面積を測定し、下記のように評価した。
○:ガラス板上に残った粘着層の面積が、貼り合わせ時の面積の3%未満の場合
△:ガラス板上に残った粘着層の面積が、貼り合わせ時の面積の3〜10%の場合
×:ガラス板上に残った粘着層の面積が、貼り合わせ時の面積の10%超過の場合
上記結果を表1に示す。
Figure 2008024887
また、実施例1〜3で得られた本発明の特定の弾性率範囲、粘着力、及び導電層の厚さと粘着層の厚さとの特定の関係を満足しており、ヘイズが良好で、且つ粘着層のガラスへの残留がなく、透明性に優れ、リワーク性にも問題がないことが分かる。一方、本発明の特定の粘着力、及び層厚の関係を満足しているが、本発明の特定の弾性率範囲を満足していない比較例1及び2では、ヘイズと粘着層のガラスへの残留程度が劣るか、或いはヘイズが極端に劣っていた。また本発明の特定の粘着力及び特定の弾性率範囲を満足しているが、層厚の関係を満足していない比較例3では、ヘイズが極端に劣っていた。
実施例で得られたフィルタを、実際にPDPに貼付しても透明性、電磁波遮蔽性等、従来のものと遜色はなかった。従って、本発明の粘着層を設けても、PDP用光学フィルタに必要な特性を損なうことがないことが分かる。
本発明の光学フィルタの基本構成を示す1例の概略断面図である。 本発明の光学フィルタの別の基本構成を示す1例の概略断面図である。 本発明の光学フィルタが設けられたプラズマディスプレイパネルの1例の概略断面図である。 本発明の光学フィルタの実施態様における、好ましい態様の1例の概略断面図である。 本発明の光学フィルタの実施態様における、別の好ましい態様の1例の概略断面図である。 本発明の光学フィルタの実施態様における、別の好ましい態様の1例の概略断面図である。 本発明の光学フィルタの実施態様における、別の好ましい態様の1例の概略断面図である。
符号の説明
11、21、41、51、61A、61B、71A、71B、71C 透明フィルム
12、22、42、52、62、72 導電層
13、33、43、53、63A、63B、73A、73B、73C 粘着層
44、54、64、74 反射防止膜
25、55、75 近赤外線吸収層

Claims (23)

  1. メッシュ状の金属導電層を有する透明フィルムを含む光学フィルタの、該メッシュ状の金属導電層を接着するための粘着層であって、
    粘着層の、ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、
    粘着層の、JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.2〜20kgf/25mmの範囲にあり、そして
    メッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と粘着層の厚さB(μm)との関係が、下記式:
    0.5A≦B≦30A
    を満足することを特徴とする粘着層。
  2. 透明フィルム、その上に設けられたメッシュ状の金属導電層及び金属導電層上に設けられた近赤外線吸収層を含む光学フィルタの、該金属導電層上の近赤外線吸収層を接着するための粘着層であって、
    粘着層の、ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が5×103〜1×105Paの範囲にあり、
    粘着層の、JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.2〜20kgf/25mmの範囲にあり、そして
    メッシュ状の金属導電層の厚さA(μm)と、粘着層の厚さと近赤外線吸収層の厚さとの合計の厚さB’(μm)の関係が、下記式:
    0.5A≦B’≦30A
    を満足することを特徴とする粘着層。
  3. ひずみ周波数1Hzでの温度分散粘弾性測定における80℃での貯蔵弾性率が1×104〜6×104Paの範囲にあり、且つ損失弾性率が1×104〜5×104Paの範囲にある請求項1又は2に記載の粘着層。
  4. JIS−Z−0237に準拠して測定されたガラスへの粘着力が、0.5〜2.0kgf/25mmの範囲にある請求項1〜3のいずれか1項記載の粘着層。
  5. 粘着剤が、アクリル樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着層。
  6. アクリル樹脂を構成するモノマーとして、少なくともアルキル(メタ)アクリレート(但し、アルキル基の炭素原子数が2〜14個である)とアクリル酸とを含んでいる請求項5に記載の粘着層。
  7. アクリル樹脂を構成するモノマーとして、少なくとも2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とを含んでいる請求項5又は6に記載の粘着層。
  8. アクリル樹脂が、さらにポリイソシアネートで架橋されている請求項5〜7のいずれか1項に記載の粘着層。
  9. メッシュ状の金属導電層の厚さAが、1〜100μmの範囲にある請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着層。
  10. 粘着層の厚さBが、5〜100μmの範囲にある請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘着層。
  11. メッシュ状の金属導電層が、表面に黒化層を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の粘着層。
  12. 透明フィルムがプラスチックフィルムである請求項1〜11のいずれか1項に記載の粘着層。
  13. メッシュ状の金属導電層を有する透明フィルム、及び該メッシュ状の金属導電層上に設けられた粘着層を含む光学フィルタであって、
    粘着層が、請求項1及び3〜12のいずれか1項に記載の粘着層であることを特徴とする光学フィルタ。
  14. 透明フィルム、その上に設けられたメッシュ状の金属導電層及び金属導電層上に設けられた近赤外線吸収層、及び該近赤外線吸収層上に設けられた粘着層を含む光学フィルタであって、
    粘着層が、請求項2〜12のいずれか1項に記載の粘着層であることを特徴とする光学フィルタ。
  15. 透明フィルムの金属導電層が設けられていない表面に反射防止膜が設けられている請求項13又は14に記載の光学フィルタ。
  16. 透明フィルムの金属導電層が設けられていない表面に、反射防止膜を有する別の透明フィルムが、金属導電層を持たない表面と反射防止膜を持たない表面が対向した状態で、粘着層を介して接着されている請求項15に記載の光学フィルタ。
  17. さらに近赤外線吸収層を有する請求項13、15及び16のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  18. 反射防止膜が、近赤外線遮蔽機能を有する請求項13、15及び16のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  19. 粘着層上に剥離シートが設けられている請求項13〜18のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  20. 反射防止膜上に、保護層が設けられている請求項15〜19のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  21. プラズマディスプレイパネル用フィルタである請求項13〜20のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  22. 請求項13〜20のいずれか1項に記載の光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされていることを特徴とするディスプレイ。
  23. 請求項13〜20のいずれか1項に記載の光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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