JP2006113574A - 光学積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層してなる光学積層体において、粘着層3の損失正接の最大値Aと粘着層5の損失正接の最大値Bとの比(B/A)が1.1以上であることを特徴とする光学積層体、並びに、
粘着層3の損失正接Aと粘着層5の損失正接Bとの比(B/A)が1.1以上である粘着層3及び粘着層5を調製し、反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層することを特徴とする光学積層体の製造方法。
【選択図】 図1
Description
反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層してなる光学積層体が、一般に用いられている。
また、液晶表示装置は、カーナビゲーションシステムなどのように車載用としても用いられるが、車載用においては高温・高湿条件下でも発泡、浮き、剥れ、曇り等の外観変化が生じないという耐久性も必要となってきた。
かかる問題を解消するために、重量平均分子量900,000〜2,500,000、Tg−45℃以下、SP値8.7〜9.3の高分子量アクリル樹脂と重量平均分子量50,000〜200,000、Tg−40〜0℃、SP値8.7〜9.3である低分子量アクリル樹脂とのアクリル樹脂組成物を主成分とする粘着剤が提案され、同じ粘着剤をガラス基材の両面に貼合してなる光学積層体は90℃ドライの条件下に24時間静置しても外観の変化がなく白抜けしないことが報告されている(特許文献1)。
本発明の目的は、加熱・冷却を繰り返しても、白抜け、浮き、剥れ、発泡、曇りなどの外観変化が生じないという耐久性に優れるとともに、大型化しても白抜けを抑制する光学積層体及びその製造方法を提供することである。
すなわち、本発明は、反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層してなる光学積層体において、粘着層3の損失正接の最大値Aと粘着層5の損失正接の最大値Bとの比(B/A)が1.1以上であることを特徴とする光学積層体、並びに、
粘着層3の損失正接Aと粘着層5の損失正接Bとの比(B/A)が1.1以上である粘着層3及び粘着層5を調製し、反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層することを特徴とする光学積層体の製造方法である。
また、粘着層3の損失正接の最大値Aは、通常、0.85〜1.46であり、粘着層5の損失正接の最大値Bは、通常、1.30〜1.85である。
さらに、粘着層3及び粘着層5が、アクリル樹脂及び/又はアクリル樹脂組成物に架橋剤を配合して得られる粘着剤を硬化してなる粘着層であることが好ましい。
また、本発明の光学積層体は、加熱・冷却を繰り返しても、白抜け、浮き、剥れ、発泡、曇りなどの外観変化が生じないという耐久性に優れ、15型以上の大型サイズ用の光学積層体であっても白抜け及び色ムラが抑制される。
さらに、一度、粘着層3及び/又は粘着層5とともに偏光フィルム2及び/又は偏光フィルム6を液晶表示用ガラスセル4のガラス基板から剥離しても、剥離後のガラス基板の表面に糊残りや曇りが抑制されることから、再び、液晶表示用ガラスセル4のとして用いることができる、すなわち、リワーク性に優れる。
本発明の光学積層体は、反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層されてなる積層体である。
粘着層3及び粘着層5は、通常、アクリル樹脂及び/又はアクリル樹脂組成物に架橋剤を配合して得られる粘着剤を硬化してなる粘着層であり、かかる粘着層に用いられるアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を主成分とし、水酸基、アミノ基、遊離カルボキシル基、複素環基などの極性官能基(以下、極性官能基含有モノマーという場合がある)を含有する(メタ)アクリル酸類に由来する構造単位を含有するアクリル樹脂である。
極性官能基含有モノマーとして、異なる複数の極性官能基含有モノマーを使用してもよい。本発明で用いられるアクリル樹脂は、該樹脂100重量部に対し、極性官能基含有モノマーに由来する構造単位を、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.4〜10重量部の量で有している。
具体的にはスチレン系モノマーの例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレンおよびヨードスチレン等のハロゲン化スチレン;さらに、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン及びジビニルベンゼン等を挙げることができる。
粘着剤を構成する全てのアクリル樹脂における[(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を主成分とし、極性官能基含有モノマーに由来する構造単位を含有するアクリル樹脂]の重量比率としては、通常、60%以上、好ましくは70%以上である。重量比率が60%以上であると、後述する粘着剤の損失正接の最大値を所望の損失正接の最大値に調製することが容易になる傾向があることから好ましい。
尚、アクリル樹脂(1)は、分子量が異なることが好ましく、[(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を主成分とし、極性官能基含有モノマーに由来する構造単位を含有するアクリル樹脂]であってもよい。
アクリル樹脂(2)の分子量としては、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)が、1,000,000〜1,500,000である。重量平均分子量が1,000,000以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着層との間の浮き、剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。重量平均分子量が1,500,000以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
ここで、損失正接(tanδ)の最大値とは、当該粘着層を−70℃から200℃までの範囲において昇温速度4℃/分及び周波数1Hzの条件下で加熱することにより、動的貯蔵弾性率(E’)と動的損失弾性率(E”)とを測定し、上記温度範囲の中で測定されたE”/E’(=tanδ)の最大値である。
粘着層3の損失正接の最大値Aが1.46以下であると、反射防止フィルム及び偏光フィルムからなる光学フィルムの積層部のカールが強いのにもかかわらず、粘着層3の凝集力が強いことから浮き、剥れを抑制する傾向があることから好ましく、0.85以上であると、粘着剤としての貯蔵安定性が高い傾向があることから好ましい。
粘着層3の損失正接の最大値Aを0.85〜1.46に調製するには、粘着層の有効成分であるアクリル樹脂(組成物)の種類によっても異なるが、架橋剤の量を多くすれば損失正接の最大値Aが小さくなるので、架橋剤の量によって損失正接の最大値Aを調整すればよく、具体的には、アクリル樹脂(組成物)の不揮発分100重量部に対し、架橋剤0.1〜5重量部程度、配合させればよい。
粘着層5の損失正接の最大値Bを1.30〜1.85に調製するには、粘着層の主成分であるアクリル樹脂(組成物)の種類によっても異なるが、架橋剤の量を少なくすれば損失正接が大きくなるので、架橋剤の量によって損失正接の最大値を調整すればよく、具体的には、アクリル樹脂(組成物)の不揮発分100重量部に対し、架橋剤0.01〜2重量部程度、配合させればよい。
イソシアネート系化合物とは、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールとを反応せしめたアダクト体やイソシアネート化合物を2、3量体等にしたものについても粘着層に用いられる架橋剤である。
イソシアネート系化合物として異なるイソシアネート系化合物を混合して用いてもよい。
エポキシ系化合物として異なるエポキシ系化合物を混合して用いてもよい。
中でも、粘着剤に架橋触媒と架橋剤とを配合すると、粘着層を短時間の熟成で調製することができ、光学積層体は、光学フィルムと粘着層との間の浮き、剥れや、粘着層内での発泡を抑制し、しかもリワーク性に優れる場合がある。
架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂などのアミン系化合物などが挙げられる。粘着剤に架橋触媒としてアミン化合物を用いる場合、架橋剤としてはイソシアネート系化合物が好適である。
具体的には以下の方法が例示される。まず、剥離フィルムの上に有機溶剤に希釈させた粘着剤3を塗布し、60〜120℃で0.5〜10分間程度加熱して有機溶媒を留去して、粘着層3を得る。次いで、粘着層に偏光フィルム2を貼合したのち、温度23℃、湿度65%の雰囲気下であれば、5〜20日程度熟成させ、架橋剤を十分反応させたのち、剥離フィルムを剥離して粘着層3と偏光フィルム2の積層体を得る。同様にして、粘着層5と偏光フィルム6の積層体を作成する。粘着層3と粘着層5を液晶表示用ガラスセル4のガラス基板に貼合したのち、反射防止フィルム1を偏光フィルム2に貼合する方法である。
また、別法としては次の方法が例示される。前記に準じて剥離フィルム及び粘着層の2層の積層体を得る。これらを多層に組み合わせたのち、温度23℃、湿度65%の雰囲気下であれば、5〜20日程度熟成させ、架橋剤を十分反応させたのち、剥離フィルムを剥離し、代わって偏光フィルムを貼合して粘着層と偏光フィルムの積層体を得る。このようにして得られた剥離フィルム/粘着層3/偏光フィルム2、及び、剥離フィルム/粘着層5/偏光フィルム6の積層体を得て、剥離フィルムを剥離させて、剥離させた面に液晶表示用ガラスセル4を貼合し、さらに反射防止フィルム1を偏光フィルム2に貼合して光学積層体を製造する方法である。
さらに、反射防止フィルム1及び偏光フィルム2は予め積層したものを使用する方法も推奨される。
基板フィルムとしては、本発明のアクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム等のアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ポリスルホン樹脂フィルム等が挙げられる。
基板フィルムには、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合されていてもよい。
基板フィルムの中でも、アセチルセルロース系フィルムが好適である。
偏光フィルム2及び6は、通常、出射光の振動面がそれぞれ直交するように粘着層と貼合される。
反射防止フィルム1及び偏光フィルム2を積層したものは、カールしやすいため、粘着層3の浮き、剥れを生じさせやすいが、本発明の光学積層体は反射防止フィルム1及び偏光フィルム2を積層したものを用いても粘着層3の浮き、剥れを低減させることができる。
位相差フィルムとは、一軸または二軸などの光学異方性を有する光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートあるいはポリビニルアルコールを一軸延伸、二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。
位相差フィルムは、通常、粘着層と偏光フィルムとの間に貼合される。
輝度向上フィルムは、通常、粘着層5と貼合している面とは異なる偏光フィルム6の面に貼合される。
液晶表示用ガラスセルの液晶表示モードとしては、TN、STN、IPS(In−Plane Switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)などが挙げられる。
ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換したあと、内温を75℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)0.55部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を69〜71℃に保ちながら、単量体(a)としてアクリル酸ブチル36部、メタクリル酸ブチル44部、アクリル酸メチル20部の混合溶液を3時間かけて反応系内に滴下した。その後、内温69〜71℃で5時間保温し、反応を完結した。GPCのポリスチレン換算の重量平均分子量100,000、Tgは−13℃であった。結果を表1に示した。
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル100部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル98.9部、極性基含有モノマーとしてアクリル酸1.1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を70℃に昇温したのち、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)0.03部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。その後、内温69〜71℃で12時間保温し、反応を完結した。GPCのポリスチレン換算の重量平均分子量1,200,000、Mw/Mnは3.9であった。
<粘着剤の製造例>
アクリル樹脂(1)及び(2)を、表1の重量比率で混合し、アクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。得られた溶液の固形分100部に、架橋剤であるポリイソシアネート系化合物(商品名:タケネートD-110N、三井武田ケミカル製)1部(固形分)と、シラン化合物(商品名:Y11597、日本ユニカー製)0.1部(固形分)とを混合させ、本発明の粘着剤(1)を得た。同様にして、粘着剤(2)を調製した。アクリル樹脂(1)及び(2)の混合割合、架橋剤、シラン系化合物、及び損失正接を表1にまとめた。
このようにして得られた粘着剤(2)を、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、商品名:PET3811)の離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤を得た。次いで、偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面にトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造にしたフィルム)を用い、該偏光フィルム上に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、温度23℃、湿度65%の条件で10日間熟成させ、粘着層5と偏光フィルム6の積層部を形成させた。また、反射防止フィルム1が貼合された偏光フィルム2について、粘着剤(1)を用いて偏光フィルムの面に粘着層3が形成されるように同様に熟成させ、反射防止フィルム1/偏光フィルム2/粘着層3の積層部を形成させた。続いて、粘着層3及び5の粘着剤の面と液晶表示用ガラス基板(コーニング社製、1737)の両面と貼合した。この際、偏光フィルム2と6はクロスニコルになるように貼着し、反射防止フィルム1/偏光フィルム2/粘着層3/ガラス基板4/粘着層5/偏光フィルム6を順次積層してなる光学積層体を得た。この光学積層体は30cm×22cm(15型)以上の四角形とした。
粘着層の損失正接の最大値は、下記(I)〜(IV)に従って測定した。
(I)粘着層から試料を25±1mgずつ2つ取り出し、それぞれ略玉状に成形する。
(II)(I)で得られた試料をI型冶具の上下面に粘着し、上下面ともL型冶具で挟み込む。測定サンプルの構成としてはL型−粘着剤−I型−粘着剤−L型冶具となる。
(III)作成した測定サンプルを動的粘弾性測定装置(DVA−220、アイティー計測制御社製)を用いて、−70℃から200℃までの範囲で昇温温度4℃/min、周波数1Hzの条件下で、動的貯蔵弾性率(E’)と動的損失弾性率(E”)とを測定し、E”/E’(=tanδ)によって、各温度における損失正接(tanδ)を求める。
(IV)−70℃から200℃までの範囲で各温度での損失正接の最大値を本発明の損失正接の最大値として求める。
尚、本実施例では、損失正接(tanδ)を上記動的粘弾性測定装置の内部数値処理プログラムにて求めることができるので、その最大値を読み取った。
光学積層体を80℃、Dryで96時間保管した場合(条件1)と、60℃、90%RHで96時間保管した場合(条件2)、60℃に加熱後、−20℃に降温、さらに60℃に昇温する過程を1サイクル(1時間)とし、100サイクル保管した場合(条件3)のそれぞれについて、保管後の光学積層体における耐久性、および条件1の時に白ヌケの発現状態を目視で観察した。結果を下記要領に分類し、表2にまとめた。
白ヌケの発現状態の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :白ヌケが全くみられない。
○ :白ヌケがほとんど目立たない。
△ :白ヌケがやや目立つ。
× :白ヌケが顕著にみとめられる。
耐久性の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
× :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にみとめられる。
リワーク性の評価は次のように行った。まず、前記光学積層体を25mm×150mmの試験片に調製した。次に、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行った。続いて70℃で2時間加熱処理を行い、50℃のオーブン中にて48時間保管した後、23℃、相対湿度50%RH雰囲気中にてこの貼着試験片を300mm/minの速度で180°方向に剥離し、下記要領で分類したガラス板表面の状態を観察した結果を、表2に示した。
○ :ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△ :ガラス板表面に曇り等が認められる。
× :ガラス板表面に糊残りが認められる。
表1に記載の粘着剤を用い、実施例1に準じて、光学積層体を得た。得られた光学積層体の評価を実施例1と同様に実施し、結果を実施例1とともに表2にまとめた。
本発明は、大型化しても白抜けや耐久性に優れることから、液晶表示装置に好適に用いられる。
2 偏光フィルム
3 粘着層
4 液晶セル
5 粘着層
6 偏光フィルム
7 輝度向上フィルム
8 光学積層体
Claims (13)
- 反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層してなる光学積層体において、粘着層3の損失正接の最大値Aと粘着層5の損失正接の最大値Bとの比(B/A)が1.1以上であることを特徴とする光学積層体。
ここで、損失正接の最大値とは、当該粘着層を−70℃から200℃までの範囲で昇温速度4℃/分、周波数1Hzで加熱することにより、動的貯蔵弾性率(E’)と動的損失弾性率(E”)とを測定し、上記温度範囲の中で測定されたE”/E’(=tanδ)の最大値である。 - 粘着層3の損失正接の最大値Aが0.85〜1.46であり、粘着層5の損失正接の最大値Bが1.30〜1.85であることを特徴とする請求項1に記載の光学積層体。
- 粘着層3及び粘着層5が、アクリル樹脂及び/又はアクリル樹脂組成物に架橋剤を配合して得られる粘着剤を硬化してなる粘着層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学積層体。
- 粘着層3及び粘着層5に用いられる粘着剤が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を主成分とし、極性官能基を含有する(メタ)アクリル酸類に由来する構造単位を含有するアクリル樹脂を含む粘着剤であることを特徴とする請求項3に記載の光学積層体。
- 極性官能基が、水酸基、アミノ基、遊離カルボキシル基、複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基であることを特徴とする請求項4に記載の光学積層体。
- 粘着層3及び粘着層5に用いられる粘着剤が、下記アクリル樹脂(1)及び(2)を含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の光学積層体。
アクリル樹脂(1):(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を主成分
とし、重量平均分子量が50,000〜500,000であるアクリル樹脂。
アクリル樹脂(2):(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を主成分
とし、水酸基、アミノ基、遊離カルボキシル基、複素環基などの
極性官能基を含有する(メタ)アクリル酸類に由来する構造単位を
含有するアクリル樹脂であって、該樹脂の重量平均分子量が1,000,
000〜1,500,000であるアクリル樹脂。 - 粘着層3及び粘着層5に用いられる粘着剤が、さらにシラン系化合物を含むことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の光学積層体。
- 架橋剤がイソシアネート系化合物であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の光学積層体。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光学積層体に少なくとも1枚の位相差フィルムをさらに含む光学積層体であることを特徴とする光学積層体。
- 粘着層5と貼合している面とは異なる偏光フィルム6の面に輝度向上フィルム7をさらに積層してなる光学積層体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学積層体。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の光学積層体から反射防止フィルム、偏光フィルム及び粘着層を剥離したのち、偏光フィルム2、粘着層3、剥離して得られた液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層してなる光学積層体。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の光学積層体を含む液晶表示装置。
- 粘着層3の損失正接の最大値Aと粘着層5の損失正接の最大値Bとの比(B/A)が1.1以上である粘着層3及び粘着層5を調製し、反射防止フィルム1、偏光フィルム2、粘着層3、液晶表示用ガラスセル4、粘着層5および偏光フィルム6を順次積層することを特徴とする光学積層体の製造方法。
ここで、損失正接の最大値とは、当該粘着層を−70℃から200℃までの範囲で昇温速度4℃/分、周波数1Hzで加熱することにより、動的貯蔵弾性率(E’)と動的損失弾性率(E”)とを測定し、上記温度範囲の中で測定されたE”/E’(=tanδ)の最大値である。
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